JP4134618B2 - 車両のスライドドア構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワンボックスカー等の車両の車体側部に設けられたドア開口を開閉する車両のスライドドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワンボックスカー等の車両の車室内には、複数列の座席が設けられ、このうち、最前列を除く後方列の座席に着座する乗員が乗降するためのドア開口が車体側部に設けられている。そして、このドア開口は、ドア開口周辺の車体側部に、車両前後方向に延びるように配設されたスライドレールに摺動可能に支持されたスライドドアによって、車両前後方向に開閉される構造となっている(例えば、特開2000−160933号公報参照)。
【0003】
このような構造においては、上記ドア開口の下方で、上記ドア開口の下辺に沿って車両前後方向に延びるスライドレールが、その後方に設けられたリアホイルハウスによってその長さを、例えば、Y寸法に規制されるうえ、上記スライドドア下端部前方を支持するように、上記スライドレールに摺動可能に取付けられた摺動部材が、上記スライドドアの前端部から車両前後方向で、例えば、Z寸法後方の位置に取付けられるため、上記ドア開口を全開とするため上記スライドドアを最大限後方へ移動させたとしても、上記スライドドアは、Z寸法分の、所謂、引き残りを生ずることとなり、結局、上記スライドドアの開閉可能な寸法はY−Z寸法に制限される。
【0004】
このため、上記スライドドアを、後方側へ十分に開くことが出来ず、後方列の座席への乗降性や荷物の積み降し性が悪化しているという問題がある。
【0005】
上記問題を解消するため、本出願人らは、スライドドアを、ドア開口前方部を覆う前部ドアと、ドア開口後方部を覆う後部ドアから構成し、夫々、独立して車両前後方向に摺動可能とすることにより、車両後方列の座席の各列に対応して、乗降、及び荷物の積み降しのためのドア開口部を設け、後方列の座席への乗降性や荷物の積み降し性を良好なものとした車両のスライドドア構造を提案している(特願2002−192485号参照)。
【0006】
しかしながら、上記提案によれば、後方列の座席への乗降性や荷物の積み降ろし性を良好なものとすることが出来るものの、スライドドアが、前部ドアと、後部ドアに分割されるため、分割線が車両外方に露出することとなり、車両外観を良好なものとすることが出来ず、この点でさらなる改善が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、スライドドアが設けられた車両の後方列の座席への乗降性や荷物の積み降ろし性と、車両外観を良好なものとすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成による車両のスライドドア構造は、車体側部にドア開口と、該ドア開口周辺の車体側部に車両前後方向に延びる第1スライドレールが設けられ、該第1スライドレールに摺動可能に支持されたスライドドアによって、上記ドア開口が車両前後方向に開閉される車両のスライドドア構造であって、上記スライドドアの車室内方側面に補助スライド機構が設けられ、該補助スライド機構により、上記スライドドアが上記第1スライドレールに摺動可能に支持されるとともに、上記スライドドアが、上記第1スライドレールの後端位置まで移動した後、上記補助スライド機構により、さらに、後方に移動可能とされ、上記補助スライド機構が、上記第1スライドレールに一端を摺動可能に支持された第1摺動部材と、上記第1摺動部材の他端に一体的に設けられ、車両前後方向に延びる第2スライドレールと、該第2スライドレールに一端が摺動可能に取付けられ、他端が上記スライドドアに固定されている第2摺動部材と、から構成され、上記第1スライドレールの車両後方部分は車両平面視で略直線状に形成され、上記車体における上記第1スライドレールの後端位置よりも車両後方には車体側ロック部材が配設されており、上記補助スライド機構には、上記車体側ロック部材に係合可能なロック機構が設けられ、上記ロック機構は、上記第1摺動部材が上記第1スライドレール後端部より車両前方にある場合には、車体側ロック部材と係合しない状態となって、該第1摺動部材の該第1スライドレールを介した移動を許容するとともに上記第2摺動部材を上記第2スライドレール前端部にロックする一方、上記第1摺動部材が上記第1スライドレール後端部にある場合には、上記車体側ロック部材と係合する状態となって、上記第1摺動部材をロックするとともに上記第2摺動部材のロックを解除するように構成されている。
【0009】
上記構成によれば、スライドドアが、第1スライドレールの後端位置まで移動した後、さらに、後方に移動されるため、所謂、引き残りにより、ドア開口が、スライドドア前方部によって覆われる部分を少なくすることが出来、これにより、ドア開口を大きく開放し、車両後方列の座席への乗降性や荷物の積み降ろし性を良好なものとすることが出来る。
【0010】
また、補助スライド機構が車室内方側面に取付けられ、上記第1スライドレールも延長されることがないため、車両外観を良好なものとすることが出来る。
【0011】
また、部品点数の少ない簡単な構造により補助スライド機構が実現されているため、低コストで信頼性の高いスライドドア構造とすることが出来る。
【0012】
また、スライドドアが完全閉鎖状態の位置から第1スライドレールの後端部位置まで移動する間においては、補助スライド機構の動作が禁止され、スライドドアに加えられた操作力が、スライドドアの第1スライドレール上での移動にのみ使用されることとなるため、スライドドア開閉の操作性を向上させることが出来る。
【0013】
また、スライドドアが第1スライドレールの後端部位置から、さらに後方へ移動する場合においては、第1摺動部材が、上記第1スライドレールの後端部にロックされるため、上記スライドドアに加えられた操作力が、上記スライドドアの第2スライドレール上での移動にのみ使用されることとなるため、スライドドア開閉の操作性を向上させることが出来る。
【0014】
本発明の第2の構成による車両のスライドドア構造は、第1の発明において、上記第1スライドレールが、上記ドア開口の上方で、上記ドア開口の上辺に沿って車両前後方向に延びるようにして配設されている。
【0015】
上記構成によれば、スライドドアの上方が、車体に対して摺動可能に取付けられることとなるため、上記スライドドアを簡単な構造により安定して、車両前後方向へ移動させることが出来る。
【0016】
本発明の第3の構成による車両のスライドドア構造は、第1の発明において、上記第1スライドレールが、上記ドア開口の下方で、上記ドア開口の下辺に沿って車両前後方向に延びるようにして配設されている。
【0017】
上記構成によれば、スライドドアの下方が、車体に対して摺動可能に取付けられることとなるため、上記スライドドアを簡単な構造により安定して、車両前後方向へ移動させることが出来る。
【0018】
本発明の第4の構成による車両のスライドドア構造は、第1乃至第3のいずれかの発明において、上記第2摺動部材が、複数個設けられている。
【0019】
上記構成によれば、スライドドアの重量が、複数個の第2摺動部材によって支持されることとなるため、上記スライドドアを、さらに安定して、車両前後方向へ移動させることが出来る。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、スライドドアが設けられた車両の後方列の座席への乗降性や荷物の積み降ろし性と、車両外観を良好なものとすることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
車両の車室内には、本発明によるスライドドアが開放された状態の車両の側面図である図1に示されるように、複数列の座席が設けられ、車体側部には、複数列の座席のうち、2列目の座席3と3列目の座席5に着座する乗員が乗降するためのドア開口7が設けられ、ドア開口7は、車両前後方向に摺動可能に支持されたスライドドア8によって開閉可能とされている。
【0023】
ドア開口7周辺の車体側部には、車両前後方向に延びる3本の第1スライドレール11、13、15が設けられ、第1スライドレール11は、ドア開口7の上方で、ドア開口7の上辺に沿って、第1スライドレール13は、ドア開口7の下方で、ドア開口7の下辺に沿って、また、第1スライドレール15は、ドア開口7の後辺より後方で、車両外方側面の車両上下方向中間高さ位置に、いずれも、車両前後方向に延びるようにして車体側に取付けられている。
【0024】
そして、スライドドア8は、その上方前端部において、補助スライド機構20により第1スライドレール11に摺動可能に取付けられ、その下方前端部において、補助スライド機構40により第1スライドレール13に摺動可能に取付けられ、その車両上下方向中間高さ位置の後端部において、補助スライド機構60により第1スライドレール15に摺動可能に取付けられている。
【0025】
そして、ドア開口7を開放させる場合、補助スライド機構20、40、60が、詳細について後述する構造であることにより、スライドドア8は、第1スライドレール11、13、15に沿って車両後方へ摺動され、第1スライドレール11、13、15の後端位置まで移動した後、補助スライド機構20、40、60により、さらに、車両後方に移動され、ドア開口7が、大きく開放される構造とされている。
【0026】
次に、スライドドア8を車両前方、及び車両後方へ移動させるための詳細な構造、及びその動作について説明する。
【0027】
第1スライドレール11は、ドア開口7の上方において、図1のA矢視断面図である図2に示されるように、チャンネル形状をなして車両前後方向に伸び、その後方部で車体側面に略平行な直線部11aと、その前方部で車両外方から車室内方に向けて傾斜した傾斜部11bから構成されている。
【0028】
なお、図2以降の図中において、矢印Fは、車両前方向を示し、矢印INは、車室内方向を示している。
【0029】
そして、この第1スライドレール11に、スライドドア8の車室内方側面の上方前端部が、補助スライド機構20を介して取付けられている。
【0030】
補助スライド機構20は、第1スライドレール11に一端を摺動可能に支持された第1摺動部材23と、第1摺動部材23の他端に一体的に設けられ、車両前後方向に延びる第2スライドレール25と、第2スライドレール25に一端が摺動可能に取付けられ、他端がスライドドア8にボルト(不図示)によって固定されている第2摺動部材29とから構成され、このうち、第1摺動部材23は、一端に、第1スライドレール11に遊嵌されたガイドローラ21が取付けられ、第1スライドレール11に沿って車両前後方向に転動可能とされるとともに、ガイドローラ21を中心として枢動可能とされ、一方、第2摺動部材29は、一端に、第2スライドレール25に遊嵌された前ガイドローラ27と後ガイドローラ28が取付けられ、第2スライドレール25に沿って車両前後方向に転動可能とされるとともに、他端がボルト(不図示)によってスライドドア8に固定されている。
【0031】
同様に、第1スライドレール13は、ドア開口7の下方において、図1のB矢視断面図である図3に示されるように、チャンネル形状をなして車両前後方向に伸び、その後方部で車体側面に略平行な直線部13aと、その前方部で車両外方から車室内方に向けて傾斜した傾斜部13bから構成されている。
【0032】
そして、この第1スライドレール13に、スライドドア8の車室内方側面の下方前端部が、補助スライド機構40を介して取付けられている。
【0033】
補助スライド機構40は、第1スライドレール13に一端を摺動可能に支持された第1摺動部材43と、第1摺動部材43の他端に一体的に設けられ、車両前後方向に延びる第2スライドレール45と、第2スライドレール45に一端が摺動可能に取付けられ、他端がスライドドア8にボルト(不図示)によって固定されている前方の第2摺動部材49と後方の第2摺動部材53とから構成され、このうち、第1摺動部材43は、一端に、第1スライドレール13に遊嵌された前ガイドローラ41と後ガイドローラ42が取付けられ、第1スライドレール13に沿って車両前後方向に転動可能とされるとともに、車両内方部43aと車両外方部43bの2つに分割されたうえ、リンクプレート43cによってリンク結合され、相互に枢動可能とされている。また、前方の第2摺動部材49と後方の第2摺動部材53は、夫々、一端に、第2スライドレール45に遊嵌された前ガイドローラ47、51と後ガイドローラ48、52が取付けられ、第2スライドレール45に沿って車両前後方向に転動可能とされるとともに、他端がボルト(不図示)によってスライドドア8に固定されている。
【0034】
また、補助スライド機構40には、図3のK部拡大図である図5、及び図3のL部拡大図である図6に示されるように、ロック機構70が設けられ、第2スライドレール45に対して突出、又は引込可能とされている第1ロック部材75と、前ロックプレート77bと後ロックプレート77cからなり、枢動軸77aを中心として枢動可能とされている第2ロック部材77が、ケーブル76によって連結されているとともに、第2ロック部材77には、図6中の矢印で示されるような反時計方向の回転力が、常に付与されている。
【0035】
そして、第1スライドレール13の後端位置よりも後方の車体には、図3に示されるように、車体側ロック部材78が、ボルト(不図示)によって固定され、スライドドア8が、第1スライドレール13の後端位置まで移動した場合、第2ロック部材77と係合するように設置されている。
【0036】
一方、第1スライドレール15は、ドア開口7の後辺より後方で、車両外方側面の車両上下方向中間高さ位置において、図1のC矢視断面図である図4に示されるように、チャンネル形状をなして車両前後方向に伸び、その後方部で車体側面に略平行な直線部15aと、その前方部で車両外方から車室内方に向けて傾斜した傾斜部15bから構成されている。
そして、この第1スライドレール15に、スライドドア8の車室内方側面の中間高さ位置後端部が、補助スライド機構60を介して取付けられている。
【0037】
補助スライド機構60は、スライドドア8に車両前後方向に延びるようにしてボルト(不図示)によって固定された第3スライドレール65と、一端を第1スライドレール15に摺動可能に支持された第3摺動部材63と、一端を第3摺動部材63の他端に枢動可能に連結され、他端を第3スライドレール65に摺動可能に支持された第4摺動部材67とから構成され、このうち、第3摺動部材63は、一端に、第1スライドレール15に遊嵌された前ガイドローラ61と後ガイドローラ62が取付けられ、第1スライドレール15に沿って車両前後方向に転動可能とされるとともに、他端を、枢動軸64を中心として枢動可能に第4摺動部材67の一端に連結され、その第4摺動部材67の他端には、第3スライドレール65に遊嵌された前ガイドローラ68と後ガイドローラ69が取付けられ、第3スライドレール65に沿って車両前後方向に転動可能とされている。
【0038】
ドア開口7が、スライドドア8によって完全に閉鎖されている場合には、ドア開口7の上方において、図2の鎖線で示されるように、第1摺動部材23が、第1スライドレール11の前端部まで移動しているとともに、第2摺動部材29が、第2スライドレール25の前端部まで移動している。これにより、第2摺動部材29に固定的に取付けられているスライドドア8は、最前端部まで移動し、ドア開口7が閉鎖される。
【0039】
また、ドア開口7の車両上下方向中間高さ位置においても同様に、図4の鎖線で示されるように、第3摺動部材63が、第1スライドレール15の前端部まで移動しているとともに、第4摺動部材67が、スライドドア8の後方部に取付けられた第3スライドレール65の後端部まで移動している。これにより、スライドドア8は、最前端部まで移動し、ドア開口7が閉鎖される。
【0040】
さらに、ドア開口7の下方においても同様に、図3の鎖線で示されるように、第1摺動部材43が、第1スライドレール13の前端部まで移動しているとともに、第2摺動部材49が、第2スライドレール45の前端部まで移動している。これにより、第2摺動部材49、53に固定的に取付けられているスライドドア8は、最前端部まで移動し、ドア開口7が閉鎖される。
【0041】
そして、スライドドア8が、閉鎖状態にあるときには、補助スライド機構40に取付けられている第2ロック部材77が、車体側ロック部材78と係合しないため、図6に示されるように、反時計方向に付勢されるとともに、第1ロック部材75は、スライドドア8に固定されている前方の第2摺動部材49の後ガイドローラ48直後において突出状態となり、前方の第2摺動部材49が第2スライドレール45の前端部にロックされ、スライドドア8によるドア開口7の閉鎖状態が維持される。
【0042】
次に、ドア開口7が、スライドドア8によって完全に閉鎖されている状態から、スライドドア8を車両後方へ移動させ、ドア開口7を開放させる場合には、ドア開口7の上方において、図2中の矢印で示されるように、第1摺動部材23が、第1スライドレール11の前端部から、傾斜部11bと直線部11aを経由し、後端部へと移動される。この間、第2摺動部材29は、上述したように、スライドドア8の下方を支持する第2摺動部材49が第1ロック部材75によってロックされているため、第2スライドレール25に沿って車両後方へ移動することが出来ず、第2スライドレール25の前端部に保持されている。
【0043】
また、ドア開口7の車両上下方向中間高さ位置においては、図4中の矢印で示されるように、第3摺動部材63が、第1スライドレール15の前端部から、傾斜部15bと直線部15aを経由し、後端部へと移動される。この間、第4摺動部材67は、上述したように、スライドドア8の下方を支持する第2摺動部材49が第1ロック部材75によってロックされているため、第3スライドレール65に沿って車両前方へ移動することが出来ず、第3スライドレール65の後端部に保持されている。
【0044】
さらに、ドア開口7の下方においても同様に、図3中の矢印で示されるように、第1摺動部材43が、第1スライドレール13の前端部から、傾斜部13bと直線部13aを経由し、後端部へと移動される。この間、第2摺動部材49、53は、上述したように、第2摺動部材49が第1ロック部材75によってロックされているため、第2スライドレール45に沿って車両後方へ移動することが出来ず、第2スライドレール45の前端部に保持されている。
【0045】
そして、スライドドア8が、車両後方へ移動し、第1スライドレール11、13、15の後端位置まで移動すると、図3の実線及び図5に示されるように、第2ロック部材77と車体側ロック部材78が係合し、車体側ロック部材78が、前ロックプレート77bと後ロックプレート77cに挟持されることにより、第1摺動部材43が、第1スライドレール13の後端位置においてロックされる。
【0046】
同時に、第2ロック部材77には、図5中の矢印で示されるような時計方向の回転力が付与されるため、第2ロック部材77とケーブル76によって連結されている第1ロック部材75には、引張り力が付与され、これにより、第1ロック部材75が引込状態となり、第2摺動部材49のロックが解除され、第2摺動部材49の車両後方向への移動が可能となる。
【0047】
これにより、スライドドア8をさらに後方に移動させることが可能となり、ドア開口7の下方においては、図3中の矢印で示されるように、第1摺動部材43が第1スライドレール13の後端部に保持されたままで、第2摺動部材49、53が、第2スライドレール45に沿って車両後方へ移動する。
【0048】
また、ドア開口7の車両上下方向中間高さ位置においても、同様に、図4中の矢印で示されるように、第3摺動部材63が第1スライドレール15の後端部に保持されたままで、スライドドア8が、第4摺動部材67を第3スライドレール65に沿って摺動させることによって車両後方へ移動する。
【0049】
さらに、ドア開口7の上方においても、同様に、図2中の矢印で示されるように、第1摺動部材23が第1スライドレール11の後端部に保持されたままで、第2摺動部材29が、第2スライドレール25に沿って車両後方へ移動する。
【0050】
逆に、ドア開口7が開放されている状態から、スライドドア8を車両前方へ移動させ、ドア開口7を閉鎖させる場合には、スライドドア8が車両前方へ引かれることにより、ドア開口7の下方において、図3に示されるように、第1摺動部材43は第1スライドレール13の後端部に保持されたままで、第2摺動部材49、53が、第2スライドレール45に沿って車両前方に移動し、第2スライドレール45の前端部まで移動する。そして、第2摺動部材49が第2スライドレール45の前端部まで移動したとき、操作可能となるように設置されているドアハンドル(不図示)を操作することにより、図5に示される第2ロック部材77と車体側ロック部材78の係合状態が解除され、第1摺動部材43が第1スライドレール13を移動可能になると同時に、第2ロック部材77が、図6に示されるように反時計方向へ回転するため、第1ロック部材75が突出状態となって、第2摺動部材49が、第2スライドレール45の前端部においてロックされ、車両後方への移動が阻止される。
【0051】
そして、スライドドア8が、さらに車両前方へ引かれると、第2摺動部材49は第2スライドレール45の前端部にロックされたままで、第1摺動部材43が、第1スライドレール13の後端部から、直線部13aと傾斜部13bを経由して前端部へ移動し、これにより、ドア開口7が、スライドドア8によって閉鎖される。
【0052】
また、ドア開口7の車両上下方向中間高さ位置においても、同様に、スライドドア8が車両前方へ引かれると、図4に示されるように、まず、第3摺動部材63が、第1スライドレール15の後端部に保持されたままで、第4摺動部材67が第3スライドレール65の後端部まで摺動され、スライドドア8は、車両前方へ移動する。
【0053】
そして、上述したように、スライドドア8下方に設けられた第2ロック部材77と車体側ロック部材78の係合状態が解除されることにより、第4摺動部材67が、第3スライドレール65の後端部にロックされると同時に、第3摺動部材63のロック状態が解除され、第3摺動部材63が、第1スライドレール15を摺動可能とされる。
【0054】
そして、スライドドア8が、さらに車両前方へ引かれると、第4摺動部材67は第3スライドレール65の後端部にロックされたままで、第3摺動部材63が、第1スライドレール15の後端部から、直線部15aと傾斜部15bを経由して前端部へ移動し、これにより、ドア開口7が、スライドドア8によって閉鎖される。
【0055】
さらに、ドア開口7の上方においても、同様に、スライドドア8が車両前方へ引かれると、図2に示されるように、まず、第1摺動部材23が、第1スライドレール11の後端部に保持されたままで、第2摺動部材29が第2スライドレール25の前端部まで摺動され、スライドドア8は、車両前方へ移動する。
そして、上述したように、スライドドア8下方に設けられた第2ロック部材77と車体側ロック部材78の係合状態が解除されることにより、第2摺動部材29が、第2スライドレール25の前端部にロックされると同時に、第1摺動部材23のロック状態が解除され、第1摺動部材23が、第1スライドレール11を摺動可能とされる。
【0056】
そして、スライドドア8が、さらに、車両前方へ引かれると、第2摺動部材29は第2スライドレール25の前端部にロックされたままで、第1摺動部材23が、第1スライドレール11の後端部から、直線部11aと傾斜部11bを経由して前端部へ移動し、これにより、ドア開口7が、スライドドア8によって閉鎖される。
【0057】
なお、上記実施形態においては、車体側ロック部材78が、ドア開口7の下方で、第1スライドレール13の後端位置より後方の車体に取付けられ、ロック機構70が、スライドドア8の下方前端部に取付けられる補助スライド機構40に取付けられることとしたが、車体側ロック部材78を、ドア開口7の上方で、第1スライドレール11の後端位置より後方の車体に取付け、ロック機構70を、スライドドア8の上方前端部に取付けられる補助スライド機構20に取付けることとしても良い。
【0058】
また、上記実施形態においては、スライドドア8の上方前端部、下方前端部、車両上下方向中間高さ位置の後端部、の3ヶ所において、スライドドア8を支持するように、3本の第1スライドレール11、13、15を設ける構造としているが、このうち、いずれか2ヶ所においてスライドドア8を支持する構造としても良い。
【0059】
以上のことから、スライドドア8が、第1スライドレール11、13、15の後端位置まで移動した後、さらに、後方に移動されるため、所謂、引き残りにより、ドア開口7が、スライドドア8前方部によって覆われる部分を少なくすることが出来、これにより、ドア開口7を大きく開放し、車両後方列の座席への乗降性や荷物の積み降ろし性を、良好なものとすることが出来る。
【0060】
また、補助スライド機構20、40、60をスライドドア8と第1スライドレール11、13、15の間に介在させ、スライドドア8によって覆われることとすることにより、車両外観を良好なものとすることが出来る。
【0061】
また、部品点数の少ない簡単な構造により補助スライド機構20、40、60を実現することで、低コストで信頼性の高いスライドドア構造とすることが出来る。
【0062】
さらに、スライドドア8の上方、下方、中間高さ位置の少なくとも2ヶ所以上が、車体に対して摺動可能に取付けられるとともに、ロック機構が設けられているため、スライドドア8を開閉させる場合の操作性を良好なものとすることが出来る。
【0063】
尚、第1スライドレール15は、本発明の第1スライドレールとは異なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスライドドアが開放された状態の車両の側面図。
【図2】図1のA矢視断面図。
【図3】図1のB矢視断面図。
【図4】図1のC矢視断面図。
【図5】図3のK部拡大図。
【図6】図3のL部拡大図。
【符号の説明】
7…ドア開口
8…スライドドア
20、40、60…補助スライド機構
11、13…第1スライドレール
25、45…第2スライドレール
65…第3スライドレール
23、43…第1摺動部材
29、49、53…第2摺動部材
63…第3摺動部材
67…第4摺動部材
21…ガイドローラ
27、41、47、51、61、68…前ガイドローラ
28、42、48、52、62、69…後ガイドローラ
70…ロック機構
75…第1ロック部材
77…第2ロック部材
76…ケーブル
78…車体側ロック部材
Claims (4)
- 車体側部にドア開口と、該ドア開口周辺の車体側部に車両前後方向に延びる第1スライドレールが設けられ、該第1スライドレールに摺動可能に支持されたスライドドアによって、上記ドア開口が車両前後方向に開閉される車両のスライドドア構造であって、
上記スライドドアの車室内方側面に補助スライド機構が設けられ、該補助スライド機構により、上記スライドドアが上記第1スライドレールに摺動可能に支持されるとともに、
上記スライドドアが、上記第1スライドレールの後端位置まで移動した後、上記補助スライド機構により、さらに、後方に移動可能とされ、
上記補助スライド機構が、上記第1スライドレールに一端を摺動可能に支持された第1摺動部材と、上記第1摺動部材の他端に一体的に設けられ、車両前後方向に延びる第2スライドレールと、該第2スライドレールに一端が摺動可能に取付けられ、他端が上記スライドドアに固定されている第2摺動部材と、から構成され、
上記第1スライドレールの車両後方部分は車両平面視で略直線状に形成され、
上記車体における上記第1スライドレールの後端位置よりも車両後方には車体側ロック部材が配設されており、
上記補助スライド機構には、上記車体側ロック部材に係合可能なロック機構が設けられ、
上記ロック機構は、上記第1摺動部材が上記第1スライドレール後端部より車両前方にある場合には、上記車体側ロック部材と係合しない状態となって、該第1摺動部材の該第1スライドレールを介した移動を許容するとともに上記第2摺動部材を上記第2スライドレール前端部にロックする一方、上記第1摺動部材が上記第1スライドレール後端部にある場合には、上記車体側ロック部材と係合する状態となって、上記第1摺動部材をロックするとともに上記第2摺動部材のロックを解除するように構成されている車両のスライドドア構造。 - 上記第1スライドレールが、上記ドア開口の上方で、上記ドア開口の上辺に沿って車両前後方向に延びるようにして配設されている請求項1に記載の車両のスライドドア構造。
- 上記第1スライドレールが、上記ドア開口の下方で、上記ドア開口の下辺に沿って車両前後方向に延びるようにして配設されている請求項1に記載の車両のスライドドア構造。
- 上記第2摺動部材が、複数個設けられている請求項1乃至3のいずれか1つに記載の車両のスライドドア構造。
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