JP4134385B2 - 洗濯機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路により駆動されるモータにより撹拌翼または洗濯槽を駆動する洗濯機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、洗濯機は、インバータ装置によりモータの周波数を変えてモータの回転数を大幅に変えることにより、洗浄性能、あるいは脱水性能を向上させるものが提案されている。
【0003】
従来、この種の洗濯機は、特開平9−10469号公報に示すように構成されていた。すなわち、モータを駆動するインバータ回路とその制御手段、洗濯運転を制御する制御手段、あるいは、排水弁や給水弁を制御する双方向性サイリスタ回路が別々の制御基板に実装されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の洗濯機の制御装置では、モータ駆動用のインバータ回路の制御基板と、洗濯運転制御のための制御手段の制御基板とが分かれていたので、インバータ制御用のマイクロコンピュータと洗濯制御用のマイクロコンピュータの2種類のマイクロコンピュータが必要となったり、あるいは、1つのマイクロコンピュータを使うと配線が複雑となり、信頼性が低下し、ノイズにより誤動作するなどの問題があった。
【0005】
本発明は上記従来課題を解決するもので、実装面積を小型化し、ノイズによる誤動作を低減し、低価格で信頼性が高い洗濯機の制御装置を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、交流電源に接続された整流回路の直流電力をインバータ回路により交流電力に変換し、インバータ回路によりモータを駆動して撹拌翼または洗濯槽を駆動し、制御手段によりインバータ回路とスイッチング手段を制御して、洗濯槽内に給水する給水弁および洗濯槽内の洗濯液を排水する排水弁の開閉を制御し、インバータ回路は、スイッチング素子と逆並列ダイオードと駆動用高耐圧ICとを1つのパッケージにモジュール化したパワースイッチング手段を有し、制御手段は、電源回路とマイクロコンピュータを制御の中枢とする制御回路を有し、電源回路は、制御回路と、パワースイッチング手段の駆動用高耐圧ICの駆動電源を構成するブートストラップ回路への直流電源を構成し、整流回路と、インバータ回路と、スイッチング手段と、制御手段とを同一制御基板上に分けて実装し、インバータ回路の負電圧側ラインに制御手段の直流電源の負電圧ラインを接続し、インバータ回路と制御手段との境界部には、制御手段の負電圧側ラインを雑音防止用アースパターンとして配置するようにしたものである。
【0007】
これにより、実装面積を小型化することができ、ノイズによる誤動作を低減することができるので、低価格で信頼性が高い洗濯機の制御装置を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され撹拌翼または洗濯槽を駆動するモータと、前記洗濯槽内に給水する給水弁と、前記洗濯槽内の洗濯液を排水する排水弁と、前記給水弁および前記排水弁の開閉を制御するスイッチング手段と、前記インバータ回路と前記スイッチング手段を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路は、スイッチング素子と逆並列ダイオードと駆動用高耐圧ICとを1つのパッケージにモジュール化したパワースイッチング手段を有し、前記制御手段は、電源回路とマイクロコンピュータを制御の中枢とする制御回路を有し、前記電源回路は、前記制御回路と、前記パワースイッチング手段の駆動用高耐圧ICの駆動電源を構成するブートストラップ回路への直流電源を構成し、前記整流回路と、前記インバータ回路と、前記スイッチング手段と、前記制御手段とを同一制御基板上に分けて実装し、前記インバータ回路の負電圧側ラインに前記制御手段の直流電源の負電圧ラインを接続し、前記インバータ回路と前記制御手段との境界部には、前記制御手段の負電圧側ラインを雑音防止用アースパターンとして配置するようにしたものであり、制御手段とインバータ回路の配線パターンを短くでき、実装面積を小型化できて、ノイズによる制御手段の誤動作を低減することができるので、低価格で信頼性が高い洗濯機の制御装置を実現できるとともに、制御手段へ侵入するインバータ回路のスイッチングノイズを低減することができ、制御手段の誤動作を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、制御基板は、インバータ回路とスイッチング手段を同一基板上に分けて実装し、分けた境界部近傍に交流電源からの接続端子を配置して共通インピーダンスを減らすようにしたものであり、インバータ回路とスイッチング手段への電流供給経路を別々に分けることができ、パターン幅を狭くすることができ、実装面積を減らすことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、インバータ回路は、3相ブリッジインバータ回路を構成する上アームパワースイッチング手段と下アームパワースイッチング手段とを有し、制御手段は、前記パワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記上アームパワースイッチング手段の駆動電圧を発生させるブートストラップ回路とを備え、前記ブートストラップ回路と前記駆動回路との境界部に、雑音防止用アースパターンを設けたものであり、ブートストラップ回路から侵入するスイッチングノイズの影響を低減することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1に示すように、交流電源1よりラインフィルタ2と漏電検知手段3を介して、整流回路4に交流電力を加え直流電力に変換する。整流回路4の出力直流電力をインバータ回路5により交流電力に変換し、モータ6に交流電力を加える。整流回路4は、ダイオードブリッジ40とコンデンサ41a、41bよりなり、倍電圧整流回路を構成している。インバータ回路5は、パワースイッチング手段50と電流検知手段51とで構成している。電流検知手段51は、モータ6またはインバータ回路5の過電流を検出し、パワースイッチング手段50の出力を遮断する。
【0013】
パワースイッチング手段50は、トランジスタと逆並列接続したダイオードよりなるスイッチング素子を6個用いて3相ブリッジ回路を構成し、3相交流電流をモータ6に加えている。スイッチング手段7は、洗濯機の給水弁8、排水弁9、クラッチ10、ポンプ11などを開閉運転制御するもので、双方向性サイリスタなどの半導体スイッチング素子で構成している。
【0014】
制御手段12は、位置検出手段13の信号に応じてパワースイッチング手段50の導通を制御することにより3相交流電力を発生させてモータ6を制御し、スイッチング手段7を制御して洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御する。操作表示手段14は、使用者からの指示を伝え、運転内容を報知、表示するもので、スイッチと発光ダイオードなどの表示灯で構成し、制御手段12に接続している。
【0015】
整流回路4またはスイッチング手段7への電流を制御するために、電源開閉手段15を設け、電源開閉手段15は、制御手段12からの信号により開閉制御されるリレーより構成している。電源開閉手段15と並列関係に、電源入りスイッチ16と抵抗17を接続し、モーメンタリー動作の電源入りスイッチ16を押すと、制御手段12に電源が供給され、電源が供給されると制御手段12からの信号により電源開閉手段15が閉じて自己保持し、整流回路4、インバータ回路5、スイッチング手段7、制御手段12へ電源が供給される。
【0016】
漏電検知手段3は、モータ6、給水弁8、排水弁9またはポンプ11の漏電を検出する零相変流器と検知用集積回路とで構成し、漏電を検出すると漏電検知信号を制御手段12に入力し、制御手段12の信号により電源開閉手段15を動作させて電源を遮断する。
【0017】
制御手段12は、電源回路120と、マイクロコンピュータを制御の中枢とする制御回路121と、インバータ回路5のパワースイッチング手段50を駆動するインバータ駆動回路122と、スイッチング手段7および電源開閉手段15を駆動するスイッチング手段駆動回路123とで構成している。
【0018】
電源回路120は、制御手段12および操作表示手段14の直流電源を構成するもので、整流回路4のコンデンサ41bの両端に接続されたスイッチング電源より構成し、制御回路121のマイクロコンピュータの5V電源、パワースイッチング手段50の15V駆動電源、操作表示手段14の絶縁された5V電源など、複数の直流電源を供給している。
【0019】
電源開閉手段15の出力交流電圧は、制御基板上で、整流回路4とインバータ回路5、スイッチング手段7のそれぞれ別に分けられて供給されている。
【0020】
このような制御装置を具備した洗濯機は、図2に示すように構成している。筐体18に吊り棒19を介して水受け槽20を設置し、水受け槽20内に洗濯槽21を回転自在に設け、洗濯槽21の底部に回転自在に配設した撹拌翼22をモータ6により駆動する。給水弁8より水受け槽20内に水道水を供給し、排水弁9は、脱水行程前の排水行程にて水受け槽20内の洗濯水を排水する。
【0021】
通常の洗い撹拌時には撹拌翼22を駆動し、脱水運転時には洗濯槽21を回転駆動する。また、給水しながらすすぎを行う給水すすぎ行程では、給水しながら洗濯槽21を低速回転させる。また、循環洗いの一手段として洗濯槽21を回転させながら洗濯する場合も洗濯槽21を低速回転させる。
【0022】
モータ6は、回転子60と固定子61とで構成し、回転子60の固定子側表面には永久磁石62を固着している。永久磁石62の位置検出のために位置検知手段13をモータ6の内部に配置し、固定子61からの磁力と永久磁石62の磁力により回転運動が継続するように、位置検出手段13の出力信号に応じてインバータ回路5のパワースイッチング手段50の導通を制御する。
【0023】
撹拌翼22を回転駆動する場合には、モータ6の軸23は、遊星歯車による減速機構24に接続し、減速機構24の出力軸25は撹拌翼22に接続されており、モータ6の回転子60の回転数を減速してトルクコンバータを構成しているので、モータ6の最大出力トルクを減らすことができ、モータ6を小型化できる。
【0024】
しかしながら、モータ6の出力が大きい場合、すなわち、過電流が流れた場合には出力トルクが増加し、結果的に減速機構24に過大トルクが発生し、減速機構24の磨耗等の故障となる。よって、モータ6の電流を高速で検出して遮断し、永久磁石62の減磁と、減速機構24の故障を防ぐ必要がある。脱水運転のように、洗濯槽21のみ回転駆動する場合には、クラッチ機構10により減速機構24は介さず、モータ6と洗濯槽21が直結される。
【0025】
図2に示すように、モータ6を減速機構24の下部中心に取り付けると、重心が低くなり振動騒音が減少する特徴があるが、モータ6の位置が低くなるため、防水パンと呼ばれる洗濯機からの排水受けに水が溜まった場合にはモータ6が冠水し、漏電する可能性がある。その時には、前述したように漏電を検出してインバータ回路5を停止させ電源を高速遮断する。
【0026】
このような制御装置の部品は、図3に示すように、制御基板26上に配置している。制御基板26上に、整流回路4を構成するダイオードブリッジ40およびコンデンサ41a、41bと、インバータ回路5を構成するパワースイッチング手段50と、スイッチング手段7を構成する双方向性サイリスタ7a、7bと、制御手段12を構成するマイクロコンピュータよりなる制御回路121とを含む部品を実装している。
【0027】
交流電源1から供給される交流入力端子20をインバータ回路5とスイッチング手段7を配置した境界近傍に配置している。零相変流器30および電源開閉手段15は、交流端子コネクタ20近傍に配置し、スイッチング手段7と電源入りスイッチ16へ接続するコネクタ70aもインバータ回路5とスイッチング手段7を配置した境界近傍に配置している。
【0028】
インバータ出力端子52はパワースイッチング手段50と制御基板26の端面間に配置し、スイッチング手段7の出力端子コネクタ70bは、スイッチング手段7の近傍に配置する。交流端子コネクタ20から、零相変流器30および電源開閉手段15を介した後、配線パターンは、整流回路4とインバータ回路5へのパターンと、スイッチング手段7へのパターンに分けられ、共通インピーダンスを減らすようにしている。
【0029】
コンデンサ41a、41bの充電電流が大きいので、インバータ回路5の電流値が増加し、配線パターンの発熱が増加する。しかし、給水弁8や排水弁9の電流はわずかであるが共通インピーダンスをなくすために発熱を減らし、共通インピーダンスによる相互影響をなくすことができる。さらに、インバータ回路5のスイッチングノイズの影響も減らすことができる。
【0030】
このように、本実施例によれば、整流回路4と、インバータ回路5と、給水弁8や排水弁9を制御するスイッチング手段7と、インバータ回路5とスイッチング手段7を制御する制御手段12を同一制御基板26上に分けて実装するようにしたので、インバータ回路5のスイッチングノイズによる誤動作を防ぐことができ、さらに、インバータ回路5とスイッチング手段7の境界近傍に交流端子コネクタ20を配置することにより、配線パターンを簡略化でき、さらに、共通インピーダンスを減らして電圧変動あるいはパターンの発熱等の相互影響を減らすことができる。
【0031】
(実施例2)
図4に示すように、制御基板27は、インバータ回路5の負電圧側ライン28に制御手段12の直流電源の負電圧ライン29を接続し、制御手段12の直流電源の負電圧ライン29を雑音防止用アースパターンとして、インバータ回路5を構成するパワースイッチング手段50と、制御手段12を構成するマイクロコンピュータよりなる制御回路121の境界部に設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0032】
上記構成において作用を説明すると、制御手段12の直流電源の負電圧ライン29を雑音防止用アースパターンとして、パワースイッチング手段50と、マイクロコンピュータよりなる制御回路121の境界部に設けることで、パワースイッチング手段50のスイッチングノイズが制御回路121へ侵入するのを防止することができ、制御回路121の誤動作を防止することができる。
【0033】
(実施例3)
図5に示すように、上アームパワースイッチング手段50aと下アームパワースイッチング手段50bは、パワースイッチング手段50を構成するもので、インバータ回路5を構成している。上アームパワースイッチング手段50aは整流回路4の正電圧側に接続され、下アームパワースイッチング手段50bは負電圧側に接続される。上アームパワースイッチング手段50aのU、V、W相にそれぞれに、駆動用集積回路である高耐圧IC122a、122b、122cを設け、下アームパワースイッチング手段50bには低電圧IC122dを設けている。
【0034】
高耐圧IC122a〜122cにより、上アームパワースイッチング手段50aをフォトカプラーなしで直接駆動することができ、さらに、上アームパワースイッチング手段50aのスイッチング素子をIGBTあるいはパワーMOSのようなハイインピーダンス入力素子で構成することにより、ブートストラップ回路で通常15Vの駆動電源を容易に作ることができる。
【0035】
ブートストラップ回路124は、15V直流電源120aと直列関係に抵抗125a〜125cとダイオード126a〜126cの直列体を接続し、高耐圧IC122a〜122cと並列関係に接続したブートストラップコンデンサ127a〜127cより構成し、上アームパワースイッチング手段50aのU、V、W相にそれぞれに接続している。
【0036】
例えば、U相を例に説明すると、下アームパワースイッチング手段50bがオンしたとき、15V直流電源120aと抵抗125a、ダイオード126a、ブートストラップコンデンサ127aと、下アームパワースイッチング手段50bのスイッチング素子502aの閉ループでブートストラップコンデンサ127aに15V電圧が充電され、上アームのスイッチング素子駆動回路の15V電源ができる。
【0037】
モータ6の駆動中においては、スイッチング素子502a、あるいは逆並列ダイオード503aが導通した時に、ブートストラップコンデンサ127aが充電される。モータ6の起動前には、下アームパワースイッチング手段50bを同時にオンオフしてブートストラップコンデンサ127の充電動作を行う。
【0038】
図6は、制御回路(図示せず)に侵入するパワースイッチング手段50のスイッチングノイズを減らすために、制御回路に接続したインバータ駆動回路122(図1参照)とブートストラップ回路124との間の境界部にアースパターン30を設けている。
【0039】
このアースパターン30は交流ノイズを減らすもので、制御回路の負電圧パターンでも、正電圧パターンでも効果は同じである。このときのパワースイッチング手段50は、インテリジェント・パワー・モジュール(IPM)と呼ばれるもので、スイッチング素子と逆並列ダイオードと駆動用高耐圧ICが1つのパッケージにモジュール化されている。
【0040】
スイッチング素子のオンオフノイズと、逆並列ダイオードのリカバリー電流によるノイズが非常に大きく、特に、スイッチング素子のターンオン時のdv/dtが大きいので、スイッチング素子と接続されたブートストラップ回路124に制御回路を近づけると、静電結合ノイズが発生し、制御回路が誤動作する。
【0041】
ブートストラップ回路124と制御回路に接続したインバータ駆動回路122との間にアースパターンを設けることにより静電結合を減らすことができ、ノイズ誤動作を防止できる。静電結合は面積と比誘電率に比例し、距離に半比例するので、結合面積を減らし、距離を減らすようにする。特に、ブートストラップコンデンサ127のアルミニューム外装ケースからのノイズが大きいので、ブートストラップコンデンサ127は制御回路12の信号レベルパターンからできるだけ離す必要がある。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され撹拌翼または洗濯槽を駆動するモータと、前記洗濯槽内に給水する給水弁と、前記洗濯槽内の洗濯液を排水する排水弁と、前記給水弁および前記排水弁の開閉を制御するスイッチング手段と、前記インバータ回路と前記スイッチング手段を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路は、スイッチング素子と逆並列ダイオードと駆動用高耐圧ICとを1つのパッケージにモジュール化したパワースイッチング手段を有し、前記制御手段は、電源回路とマイクロコンピュータを制御の中枢とする制御回路を有し、前記電源回路は、前記制御回路と、前記パワースイッチング手段の駆動用高耐圧ICの駆動電源を構成するブートストラップ回路への直流電源を構成し、前記整流回路と、前記インバータ回路と、前記スイッチング手段と、前記制御手段とを同一制御基板上に分けて実装し、前記インバータ回路の負電圧側ラインに前記制御手段の直流電源の負電圧ラインを接続し、前記インバータ回路と前記制御手段との境界部には、前記制御手段の負電圧側ラインを雑音防止用アースパターンとして配置するようにしたから、制御手段とインバータ回路の配線パターンを短くでき、実装面積を小型化できて、ノイズによる制御手段の誤動作を低減することができるので、低価格で信頼性が高い洗濯機の制御装置を実現できるとともに、制御手段へ侵入するインバータ回路のスイッチングノイズを低減することができ、制御手段の誤動作を防止することができる。
【0043】
また、請求項2に記載の発明によれば、制御基板は、インバータ回路とスイッチング手段を同一基板上に分けて実装し、分けた境界部近傍に交流電源からの接続端子を配置して共通インピーダンスを減らすようにしたから、インバータ回路とスイッチング手段への電流供給経路を別々に分けることができ、パターン幅を狭くすることができ、実装面積を減らすことができ、制御基板を小型化できる。
【0044】
また、請求項3に記載の発明によれば、インバータ回路は、3相ブリッジインバータ回路を構成する上アームパワースイッチング手段と下アームパワースイッチング手段とを有し、制御手段は、前記パワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記上アームパワースイッチング手段の駆動電圧を発生させるブートストラップ回路とを備え、前記ブートストラップ回路と前記駆動回路との境界部に、雑音防止用アースパターンを設けたから、ブートストラップ回路から侵入するスイッチングノイズの影響を低減することができ、1枚の基板上にインバータ回路と、給水弁や排水弁を駆動するスイッチング手段と、制御手段を実装面積をとらずに実装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機の制御装置の一部ブロック化した回路図
【図2】 同洗濯機の制御装置を備えた洗濯機の断面図
【図3】 同洗濯機の制御装置の制御基板の平面図
【図4】 本発明の第2の実施例の洗濯機の制御装置の制御基板の導電パターンの要部を示す下面図
【図5】 本発明の第3の実施例の洗濯機の制御装置の一部ブロック化した回路図
【図6】 同洗濯機の制御装置の制御基板に形成するアースパターンを付加した要部回路図
【符号の説明】
1 交流電源
4 整流回路
5 インバータ回路
6 モータ
7 スイッチング手段
8 給水弁
9 排水弁
12 制御手段
21 洗濯槽
22 撹拌翼
26 制御基板
Claims (3)
- 交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され撹拌翼または洗濯槽を駆動するモータと、前記洗濯槽内に給水する給水弁と、前記洗濯槽内の洗濯液を排水する排水弁と、前記給水弁および前記排水弁の開閉を制御するスイッチング手段と、前記インバータ回路と前記スイッチング手段を制御する制御手段とを備え、前記インバータ回路は、スイッチング素子と逆並列ダイオードと駆動用高耐圧ICとを1つのパッケージにモジュール化したパワースイッチング手段を有し、前記制御手段は、電源回路とマイクロコンピュータを制御の中枢とする制御回路を有し、前記電源回路は、前記制御回路と、前記パワースイッチング手段の駆動用高耐圧ICの駆動電源を構成するブートストラップ回路への直流電源を構成し、前記整流回路と、前記インバータ回路と、前記スイッチング手段と、前記制御手段とを同一制御基板上に分けて実装し、前記インバータ回路の負電圧側ラインに前記制御手段の直流電源の負電圧ラインを接続し、前記インバータ回路と前記制御手段との境界部には、前記制御手段の負電圧側ラインを雑音防止用アースパターンとして配置するようにした洗濯機の制御装置。
- 制御基板は、インバータ回路とスイッチング手段を同一基板上に分けて実装し、分けた境界部近傍に交流電源からの接続端子を配置して共通インピーダンスを減らすようにした請求項1記載の洗濯機の制御装置。
- インバータ回路は、3相ブリッジインバータ回路を構成する上アームパワースイッチング手段と下アームパワースイッチング手段とを有し、制御手段は、前記パワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記上アームパワースイッチング手段の駆動電圧を発生させるブートストラップ回路とを備え、前記ブートストラップ回路と前記駆動回路との境界部に、雑音防止用アースパターンを設けた請求項1記載の洗濯機の制御装置。
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