JP4134290B2 - ポリフェノール誘導体、その製造方法、抗酸化剤、および発がん予防剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸化剤、発ガン予防剤として用いられる新規なポリフェノール誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、活性酸素やフリーラジカルによって引き起こされる生体組織や臓器の酸化障害と老化各種の疾病との関係が明らかにされつつあり、これらの疾病予防の観点から抗酸化物質が必要とされている。かかる抗酸化物質は各種の植物中に存在することが知られている(西野輔翼編「がん抑制の食品」、1994年、株式会社法研)。しかし、植物中に新たに見出される有効な成分の量は極めて微量であるため、それらを大量に取り出すことは困難であり工業的に利用することは難しい。そこで、発ガン予防となる安全性の高い抗酸化物質を大量に得る技術が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は天然物から大量に得られるフェルラ酸および没食子酸を原料とした新規なポリフェノール誘導体を提供することを課題とする。また、本発明は安全性の高い抗酸化剤および発がん予防剤を提供することも課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、一般式(I)で示される新規なポリフェノール誘導体が優れた抗酸化剤および発がん予防剤として有効であることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。特に、本発明によって得られるポリフェノール誘導体は、天然物である米糠から得られるフェルラ酸および五倍子のタンニンから得られる没食子酸を原料とするもので、これらはともに工業的に大量に製造されている。
【0005】
フェルラ酸は式(VI):
【化8】
で示され、二重結合における立体配置はトランス体とシス体の異性体が存在する。本発明由来のフェルラ酸は上記いずれの異性体に限定されるものではないが、米糠から得られるものはトランス体が主成分である。かかるフェルラ酸はそれ自体既知であり、種々の方法により合成することができる。しかしながら、本発明のポリフェノール誘導体を食品や医薬品に適用する場合、フェルラ酸は天然物由来のものが好ましい。また、本発明の原料となるフェルラ酸アルキルエステル類(II)は既存の合成手法により容易に得ることができる。
【0006】
そして、没食子酸は式(VII):
【化9】
で示される。この没食子酸も既知であるが、本発明のポリフェノール誘導体を食品や医薬品に適用する場合は天然物由来のものを用いるとよい。かかる没食子酸は分子内のフェノール性水酸基を保護したのち、塩化チオニルと反応させることにより容易に一般式(III)の化合物を得ることができる。
【0007】
没食子酸のフェノール性水酸基の保護にはアシル基を用いた。このアシル基としては、アセチル基、クロルアセチル基、ジクロルアセチル基などが反応を容易に行えるので好ましい。そのうち、アセチル基を用いて得られたポリフェノール誘導体は薬品用や食品用として好適である。一方、クロルアセチル基、ジクロルアセチル基を用いて得られたポリフェノール誘導体は、難燃化剤、紫外線吸収剤、抗菌剤として利用することも可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係る新規なポリフェノール誘導体は、下記の一般式(I):
【化10】
(式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基を示す。R2は全てが水素または全てがアシル基を示す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される溶媒和物である。
【0009】
また、本発明による新規なポリフェノール誘導体は、次のようにして製造される。すなわち、下記の一般式(II):
【化11】
(式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基を示す。)で示される化合物を、トリエチルアミン、ピリジン、アンモニアなどの塩基の存在下、ジクロロメタン、クロロホルムなど、水を含まない有機溶媒中で、下記の一般式(III):
【化12】
(式中、R3はアシル基を示す。)で示される化合物と反応させると、
下記の一般式(IV):
【化13】
(式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基を示す。R3はアシル基を示す。)で示される化合物が得られる。
【0010】
フェノール性水酸基と酸クロリドとの反応はよく知られているが、ここで使用する塩基および有機溶媒は、出発物質の性質や反応条件に応じて適宜選択すればよい。
上記の反応で得られた化合物の収率および融点を表1に示した。
【0011】
【表1】
【0012】
表1中の収率はフェルラ酸(VI)に対する一般式(IV)の化合物のモル比率で表される。また、一般式(IV)の化合物の融点は汎用の電気式ホットプレート型融点測定装置を用い溶融状態を目視して測定した。
【0013】
更に、表1の各化合物を有機溶媒中で塩基と反応させると、これまでアシル基で保護されていた部分が水素に置換されてフェノール性水酸基に戻される、いわゆる脱保護反応により、下記の一般式(V):
【化14】
(式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基を示す。)で示される化合物が得られる。
【0014】
本発明の脱保護反応に用いられる塩基としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、アンモニア、ヒドラジン、ピペリジン、ジエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアミン類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルコラートなどが挙げられる。特に、ヒドラジンなどの弱塩基を用いると温和な反応条件で脱保護させることができ、一般式(IV)の化合物における2つのベンゼン環間のエステル結合を切断することなく、確実に脱保護させることができる。
【0015】
また、脱保護反応に用いる溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエン、エーテルなど、汎用の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の使用量は、例えば一般式(IV)の化合物の重量の10〜50倍を用いるとよい。
【0016】
かかる脱保護反応は常温・常圧において短時間で終了するが、反応は窒素気流下のような不活性雰囲気下で行うことが望ましい。但し、反応温度、反応圧力は、用いる原料、脱保護剤(塩基)、または溶媒の種類に応じて適宜の条件を選択すればよい。また、必要により触媒を用いても構わない。
上記の反応で得られた化合物の収率および融点を表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】
表2中の収率は、一般式(IV)の化合物に対する一般式(V)の化合物のモル比率で表される。一般式(V)の化合物の融点は表1の場合と同様に測定した。
【0019】
本発明によって得られる一般式(IV),(V)の化合物にはシス−トランス異性体が含まれる。また、これらの化合物の水、メタノール、エタノールなどの溶媒との溶媒和物、すなわち、水和物、メタノレート、エタノレートなどの薬学的に許容される溶媒和物も本発明に包含される。
【0020】
上記した一般式(I),(II),(IV),(V)の化合物中のR1の具体例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基である。
【0021】
本発明によって得られた一般式(V)の化合物について、体内における活性酸素の発生を抑制する抗酸化活性の評価を行った。かかる抗酸化活性は、ガルビノキシル(G)ラジカル消去活性、ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル消去活性、およびリノール酸を用いたβ−カロチン退色法によって評価した。
その結果、いずれの評価においても、既存の抗酸化剤であるトコフェロールやジ−tert−ブチル−ヒドロキシトルエン(BHT)と比較して、同程度あるいはそれ以上の活性を有することが明らかとなった。すなわち、本発明のポリフェノール誘導体は食品添加物、もしくは機能性食品(健康食品など)として使用することができる。
【0022】
また、本発明によって得られた一般式(I)の化合物について、発がん予防物質としての一つの指標となるスクリーニング(Epstein−Barr Virus(以下、EBVと略称する)活性化抑制試験)を行った。その結果、一般式(I)の化合物は低濃度でもEBVの活性化を強力に抑制することが認められた。
【0023】
本発明によって得られたポリフェノール誘導体は、適当な医薬用担体もしくは希釈剤と組み合わせることにより、医薬として通常のいかなる方法によっても製剤化でき、経口投与または非経口投与するための形態の製剤に処方することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものでない。
以下の実施例1〜実施例8は没食子酸の3つのフェノール性水酸基をアシル基で保護し更に酸クロリドとしたもの(III)に、フェルラ酸エステル(II)を反応させることにより、一般式(IV)におけるR3のすべて(または一般式(I)におけるR2のすべて)がアシル基であるポリフェノール誘導体(IV(=IVa〜IVh))を得たものである。
【0025】
[実施例1]化合物IVa(R1=C1)の合成.
窒素雰囲気下、フェルラ酸メチル (0.5g, 2.4mmol)を、無水ジクロロメタン(20ml)に溶解させ、更に没食子酸クロリド (1.51g, 4.8mmol)、トリエチルアミン (0.48g, 4.8mmol)を加えて室温で4時間撹拌した。この溶液に氷水 (20ml)を加え、分液ロートによりジクロロメタンで3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過して得たろ液を濃縮した後、ワコーゲルC-300および展開溶媒としてクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。この精製物を少量のクロロホルムに溶解し更にメタノールを加えて再結晶させ、化合物IVa (0.87g, フェルラ酸メチルに対する収率=74%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=153-155℃. IR (KBr) ν=1780, 1788, 1709, 1643, 1599, 1510 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ= 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (s, 3H, Ac), 3.80 (s, 3H, OCH3), 3.82 (s, 3H, OCH3), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.11-7.13 (m, 3H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=20.2, 20.6, 51.8, 55.9, 111.3, 118.2, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.6, 139.2, 141.2, 143.6, 144.1, 151.4, 162.3, 166.4, 167.2, 167.6. 元素分析値; C, 59.03%; H, 4.82%. C24H22O11としての計算値; C, 59.26%; H, 4.56%.
【0026】
[実施例2]化合物IVb(R1=C2)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸エチル0.5gと、フェルラ酸エチルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVb (0.95g, フェルラ酸エチルに対する収率= 82.8%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=148-149℃. IR (KBr) ν=1782, 1747, 1713, 1641, 1599, 1508 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=1.33 (t, 3H, CH3) 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (s, 3H, Ac), 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.26 (q, 2H, CH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.11-7.13 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=14.3, 20.2, 20.6, 55.9, 60.6, 111.2, 118.6, 121.2, 123, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 166.8, 167.6. 元素分析値; C, 59.96%; H, 4.72%. C25H24O11としての計算値; C, 60.00%; H, 4.83%.
【0027】
[実施例3]化合物IVc(R1=C4)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸ブチル0.5gと、フェルラ酸ブチルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVc (0.86g, フェルラ酸ブチルに対する収率= 85.6%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=143-144.5℃. IR (KBr) ν=1784, 1753, 1701, 1638, 1601, 1508 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.95 (t, 3H, CH3), 1.43 (m, 2H, CH2), 1.68 (m, 2H, CH2), 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (s, 3H, Ac), 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.20 (t, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.10-7.13 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=13.8, 19.2, 20.2, 20.6, 30.7, 55.9, 64.5, 111.2, 118.6, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 167.0, 167.6. 元素分析値; C, 60.00%; H, 5.10%. C27H28O11・0.5H2Oとしての計算値; C, 60.33%; H, 5.44%.
【0028】
[実施例4]化合物IVd(R1=C6)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸ヘキシル0.5gと、フェルラ酸ヘキシルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVd (0.84g, フェルラ酸ヘキシルに対する収率= 83.8%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=144-145℃. IR (KBr) ν=1798, 1774, 1740, 1713, 1639, 1599, 1515 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.89 (t, 3H, CH3), 1.31-1.40 (m, 6H, CH2), 1.67-1.71 (m, 2H, CH2), 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (s, 3H, Ac), 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.19 (t, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.10-7.13 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=14.0, 20.2, 20.6, 22.5, 25.6, 28.7, 31.5, 55.9, 64.8, 111.2, 118.6, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.1, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 166.9, 167.6. 元素分析値; C, 62.71%; H, 5.72%. C29H32O11としての計算値; C, 62.58%; H, 5.80%.
【0029】
[実施例5]化合物IVe(R1=C10)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸デシル0.5gと、フェルラ酸デシルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVe (0.67g, フェルラ酸デシルに対する収率= 73%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=118-120℃. IR (KBr) ν=1778, 1740, 1717, 1639, 1601, 1508 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.86 (t, 3H, CH3), 1.2-1.5 (m, 14H, CH2), 1.66-1.71 (m, 2H, CH2), 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (S, 3H, Ac), 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.19 (t, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.10-7.13 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (d, 1H, =CH). 13C NMR (CDCl3) δ=14.1, 20.2, 20.6, 22.7, 26.0, 28.7, 29.3, 29.5, 32.0, 56.0, 64.8, 111.2, 118.6, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 166.9, 167.6. 元素分析値; C, 64.31%; H, 6.55%. C33H40O11としての計算値; C, 64.69%; H, 6.55%.
【0030】
[実施例6]化合物IVf(R1=C11)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸ウンデシル0.5gと、フェルラ酸ウンデシルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVf (0.59g, フェルラ酸ウンデシルに対する収率= 66.7%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=97-99℃. IR (KBr) ν=1774, 1746, 1715, 1636, 1601, 1508 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.86 (t, 3H, CH3), 1.2-1.4 (m, 16H, CH2), 1.67-1.71 (m, 2H, CH2), 2.30 (s, 6H, Ac), 2.31 (s, 3H, Ac), 3.82 (s, 3H, OCH3), 4.19 (t, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.10-7.13 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=14.1, 20.2, 20.6, 22.7, 26.0, 28.7, 29.3, 29.3, 29.5, 29.6, 31.9, 55.9, 64.8, 111.2, 118.7, 121.2, 123.0, 123.2, 127.4, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 166.9, 167.6. 元素分析値; C, 64.71%; H, 6.68%. C34H42O11としての計算値; C, 65.16%; H, 6.76%.
【0031】
[実施例7]化合物IVg(R1=C5)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸-2-メチル-1-ブチル0.5gと、フェルラ酸-2-メチル-1-ブチルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVg(0.69g, フェルラ酸-2-メチル-1-ブチルに対する収率=66.9%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=140-142℃. IR (KBr) ν=1784, 1753, 1699, 1636, 1601, 1508 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.91-0.97 (m, 6H, CH3), 1.19-1.26 (m, 1H, CH2), 1.26-1.54 (m, 1H, CH2), 1.74-1.82 (m, 1H, CH), 2.30 (s, 6H, OAc), 2.31 (s, 3H, OAc), 3.83 (s, 3H, OCH3), 3.98-4.11 (m, 2H, OCH2), 6.40 (d, 1H, =CH), 7.10-7.16 (m, 3H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=11.3, 16.5, 20.2, 20.6, 26.1, 34.2, 55.9, 69.3, 111.2, 118.7, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.8, 151.4, 162.3, 166.4, 166.9, 167.6. 元素分析値; C, 61.41%; H, 5.45%. C28H30O11としての計算値; C, 61.99%; H, 5.57%.
【0032】
[実施例8]化合物IVh(R1=C8)の合成.
フェルラ酸メチル0.5g(2.4mmol)と没食子酸クロリド(4.8mmol)の替わりに、フェルラ酸-2-エチル-1-ヘキシル0.5gと、フェルラ酸-2-エチル-1-ヘキシルの2倍モルの没食子酸クロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応させて、化合物IVh (0.76g, フェルラ酸-2-エチル-1-ヘキシルに対する収率=81.3%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=116-118℃. IR (KBr) ν=1784, 1726, 1593, 1491 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.87-0.93 (m, 6H, CH3), 1.31-1.43 (m, 8H, CH2), 1.61-1.65 (m, 1H, CH), 2.30 (s, 6H, OAc), 2.31 (s, 3H, OAc), 3.83 (s, 3H, OCH3), 4.10-4.13 (m, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.10-7.14 (m, 3H, ArH), 7.63 (d, 1H, =CH), 7.94 (s, 2H, ArH). 13C NMR (CDCl3) δ=11.0, 14.1, 20.2, 20.6, 23.0, 23.8, 29.0, 30.4, 38.9, 55.9, 67.1, 111.2, 118.7, 121.2, 123.0, 123.2, 127.3, 133.7, 139.2, 141.2, 143.5, 143.7, 151.4, 162.3, 166.4, 167.0, 167.6. 元素分析値; C, 63.48%; H, 6.12%. C31H36O11としての計算値; C, 63.69%; H, 6.21%.
【0033】
続く実施例9〜実施例16は、実施例1〜実施例8で得たポリフェノール誘導体(IV(=IVa〜IVh))におけるそれぞれの保護基(R3)を脱保護することにより、3つのR2のすべてを水素としたポリフェノール誘導体(V(=Va〜Vh))を得るものである。
【0034】
[実施例9]化合物Vaの合成.
実施例1で得た化合物IVa (0.5g, 1mmol)をアセトニトリル (20ml)に溶解させ、これにヒドラジン一水和物 (0.154g, 3.1mmol)を加えて室温で15分間撹拌した。この溶液に酢酸(0.18g, 3.1mmol)を加え、分液ロートにより酢酸エチルで3回抽出し、有機層を水と塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過して得たろ液を濃縮した後、少量のメタノールで再結晶させ、化合物Va (0.327g, 化合物IVaに対する収率=88%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=221-224℃. IR (KBr) ν=3430, 1740, 1699, 1674, 1641, 1622, 1601, 1537, 1508 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ= 3.73 (s, 3H, OCH3), 3.79 (s, 3H, OCH3), 6.72 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.19-7.22 (m, 1H, ArH), 7.32 (dd, 1H, ArH), 7.54 (d, 1H, ArH), 7.67 (d, 1H, =CH), 9.32 (brs, 3H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=51.6, 56.2, 108.9, 109.4, 112.2, 118.0, 118.2, 121.8, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 143.5, 144.2, 145.9, 151.6, 164.0, 166.9.元素分析値; C, 60.24%; H, 4.55%. C18H16O8としての計算値; C, 60.00%; H, 4.48%.
【0035】
[実施例10]化合物Vbの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVb(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vb (0.224g, 化合物IVbに対する収率=59.9%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=241-244℃. IR (KBr) ν=3477, 1736, 1666, 1612, 1537, 1508 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=1.26 (t, 3H, CH3), 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.19 (q, 2H, CH2), 6.72 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (d, 1H, ArH), 7.54 (s, 1H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH), 9.3 (brs, 3H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=14.4, 56.2, 60.3, 109.4, 112.1, 118.0, 118.6, 121.9, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 146.0, 151.6, 164.1, 166.5. 元素分析値; C, 60.78%; H, 4.80%. C19H18O8としての計算値; C, 60.96%; H, 4.85%.
【0036】
[実施例11]化合物Vcの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVc(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vc (0.28g, 化合物IVcに対する収率=69.6%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=168-169℃. IR (KBr) ν=3476, 3310, 1724, 1684, 1635, 1610, 1601, 1541, 1514 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=0.91 (t, 3H, CH3), 1.33-1.43 (m, 2H, CH2), 1.59-1.66 (m, 2H, CH2), 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.15 (t, 2H, OCH2), 6.71 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (dd, 1H, ArH), 7.54 (d, 1H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH), 9.3 (brs, 3H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=13.81, 18.9, 30.5, 56.2, 64.0, 109.4, 112.1, 118.0, 118.5, 121.9, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 146.0, 151.6, 164.1, 165.6. 元素分析値; C, 60.02%; H, 5.31%. C21H22O8・H2Oとしての計算値; C, 59.99%; H, 5.75%.
【0037】
[実施例12]化合物Vdの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVd(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vd (0.3g, 化合物IVdに対する収率=77.5 %)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=138-140℃. IR (KBr) ν=3580, 3477, 3327, 1774, 1724, 1690, 1639, 1599, 1537, 1514 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=0.87 (t, 3H, CH3), 1.28-1.36 (m, 6H, CH2), 1.60-1.65 (m, 2H, CH2), 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.14 (t, 2H, OCH2), 6.72 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (dd, 1H, ArH), 7.54 (d, 1H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH), 9.15 (bs, 1H, OH), 9.41 (bs, 2H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=14.1, 22.2, 25.3, 28.4, 31.1, 56.2, 64.2, 109.4, 112.0, 118.0, 118.5, 121.9, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 145.9, 151.6, 164.1, 166.6. 元素分析値; C, 63.17%; H, 5.95%. C23H26O8・0.5H2Oとしての計算値; C, 62.86%; H, 6.19%.
【0038】
[実施例13]化合物Veの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVe(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Ve (0.33g, 化合物IVeに対する収率=82.7%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=114-115℃. IR (KBr) ν=3490, 3305, 1726, 1690, 1634, 1601, 1551, 1514 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=0.84 (t, 3H, CH3), 1.2-1.4 (m, 14H, CH2), 1.61-1.65 (m, 2H, CH2), 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.14 (t, 2H, OCH2), 6.72 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (d, 1H, ArH), 7.54 (d, 1H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 9.3 (brs, 3H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=14.2, 22.3, 25.6, 28.4, 28.9, 29.2, 31.5, 56.2, 64.2, 109.4, 112.0, 118.0, 118.5, 121.9, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 145.9, 151.6, 164.1, 166.5. 元素分析値; C, 63.98%; H, 7.12%. C27H34O8・H2Oとしての計算値; C, 64.27%; H, 7.19%.
【0039】
[実施例14]化合物Vfの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVf(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vf (0.29g, 化合物IVfに対する収率=72.5%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=92-94.5℃. IR (KBr) ν=3659, 3558, 3518, 3269, 1728, 1684, 1634, 1601, 1512 cm-1. 1H NMR (CDCl3) δ=0.86 (t, 3H, CH3), 1.1-1.4 (m, 16H, CH2), 1.67-1.71 (m, 2H, CH2), 3.76 (s, 3H, OCH3), 4.20 (t, 2H, OCH2), 6.39 (d, 1H, =CH), 7.06-7.13 (m, 3H, ArH), 7.31 (s, 2H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH). 13C NMR (CDCl3) δ= 14.1, 22.7, 26.0, 28.7, 29.3, 29.5, 29.6, 31.9, 55.9, 65.1, 110.6, 111.5, 118.2, 120.4, 121.2, 123.3, 133.3, 137.1, 141.7, 143.6, 144.3, 151.5, 164.5, 167.4. 元素分析値; C, 64.82%; H, 7.33%. C28H36O8・H2Oとしての計算値; C, 64.85%; H, 7.39%.
【0040】
[実施例15]化合物Vgの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVg(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vg (0.27g, 化合物IVgに対する収率=70.9%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=150-153℃. IR (KBr) ν=3310, 1724, 1682, 1636, 1601, 1514 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=0.87-0.94 (m, 6H, CH3), 1.16-1.21 (m, 1H, CH2), 1.42-1.48 (m, 1H, CH2), 1.71-1.76 (m, 1H, CH), 3.80 (s, 3H, OCH3), 3.95-4.06 (m, 2H, OCH2), 6.73 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (dd, 1H, ArH), 7.55 (d, 1H, ArH), 7.65 (d, 1H, =CH), 9.15 (brs, 1H, OH), 9.41 (brs, 2H, CH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=11.3, 16.4, 25.7, 33.9, 56.2, 68.6, 109.4, 112.0, 118.0, 118.5, 122.0, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 145.9, 151.6, 164.1, 166.6. 元素分析値; C, 59.83%; H, 5.87%. C22H24O8・1.5H2Oとしての計算値; C, 59.59%; H, 6.14%.
【0041】
[実施例16]化合物Vhの合成.
化合物IVa (1mmol)の替わりに化合物IVh(1mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様な方法で反応させて、化合物Vh (0.16g, 化合物IVhに対する収率=41.6%)を得た。物性値は次の通りであった。
mp=130.5-132℃. IR (KBr) ν=3320, 1726, 1688, 1600-1670, 1514 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ=0.86-0.90 (m, 6H, CH3), 1.29-1.39 (m, 8H, CH2), 1.58-1.63 (m, 1H, CH), 3.80 (s, 3H, OCH3), 4.06-4.10 (m, 2H, OCH2), 6.72 (d, 1H, =CH), 7.06 (s, 2H, ArH), 7.20 (d, 1H, ArH), 7.32 (d, 1H, ArH), 7.55 (s, 1H, ArH), 7.64 (d, 1H, =CH), 9.15 (brs, 1H, OH), 9.41 (brs, 2H, OH). 13C NMR (DMSO-d6) δ=11.0, 14.1, 22.6, 23.4, 28.6, 30.0, 38.5, 56.2, 66.3, 109.4, 112.0, 118.0, 118.5, 122.0, 123.7, 133.1, 139.5, 141.6, 144.1, 145.9, 151.6, 164.1, 166.6. 元素分析値; C, 63.09%; H, 6.69%. C25H30O8・H2Oとしての計算値; C, 63.01%; H, 6.77%.
【0042】
[抗酸化活性の評価]
本発明に係る一般式(V)の化合物の抗酸化活性は、一例としてジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル消去活性法により確認された。DPPHラジカルは安定ラジカルであって517nmに吸収極大を持つが、抗酸化物質によってラジカルが消去されるとその吸光度が減少することから抗酸化活性を評価できる。
そこで、0.1mMのDPPHエタノール溶液3mlを試験管に取り、これに終濃度100μMおよび10μMになるように調整した各試料(V(=Va〜Vg))のエタノール溶液0.5mlを加え、全量を3.5mlとした。直ちに混和し、20℃で20分間恒温保持した後、517nmの吸光度を測定することによりDPPHラジカル残存量を求めた。コントロールとして、上記試料の替わりにエタノールのみを用いた。そして、各試料の吸光度を試料無添加のコントロールの吸光度で除したときの百分率を算出し、算出した値を100から差し引いてDPPHラジカルの消去活性(%)とした。また、汎用のトコフェロールまたはBHTを上記と同様に供試して比較例とした。これらの結果の一例を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
表3中の数値(%)が大きいほうが消去活性が強いことを示している。すなわち、化合物(Va〜Vg)の抗酸化性はトコフェロールやBHTよりも概ね高かった。
【0045】
[発がん予防の評価]
本発明に係る一般式(I)の化合物の発がん予防効果は、一例としてEBウイルス活性化抑制試験により確認された。ヒトBリンパ芽球細胞Rajiに、発がん促進剤TPA(100nM)、ナトリウム-n-ブチラート(3mM)、および培地容量の0.5%のジメチルスルホキシドに溶解させた試料(IV(=IVb〜IVh)、V(=Vb〜Vh))をそれぞれ加えて48時間培養した。ウイルスの活性化は、活性化に特異的な早期抗原(early antigen, EA)の産生を指標とし、EAは間接蛍光抗体法(1次抗体:上咽頭がん患者血清を1/1000に希釈したもの、2次抗体:市販FITC(Fluorescein Isothiocyanate)標識抗ヒトIgGを1/30に希釈したもの)で検出した。細胞生存率は、試料に蛍光剤(Trypan Blue Dye)を加え、1試料あたり最低500個の細胞を計数し、そのうちで蛍光を発した蛍光発現細胞(死滅細胞)の割合を求めた。また、発がん予防効果を持つとされるフェルラ酸または没食子酸メチルを上記と同様に供試して比較例とした。これらの結果の一例を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表4中のEBV活性化抑制率(%)は数値の大きいものが効果が高いことを表している。EBV活性化抑制率が高くても細胞が死滅しては意味がないので、細胞生存率(%)も高いほうが望ましい。
すなわち、化合物(IV(=IVb〜IVh)、V(=Vb〜Vh))の発がん予防効果(EBV活性化抑制率)は比較例のフェルラ酸や没食子酸メチルと比べてかなり高いことが判る。この場合、化合物(IV,V)の添加濃度を細胞が十分に生存できる濃度(ここでは、例えば20μM)に調製することにより、実用的な発がん予防剤となる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ともに天然物から比較的大量に得られるフェルラ酸および没食子酸を原料として合成される新規なポリフェノール誘導体が提供される。このポリフェノール誘導体は、非常に高い抗酸化力を有するうえに発がん予防物質としても有効であり、食品、医薬品などに広く用いることが可能である。
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