JP4133933B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1、特許文献2においてはピットの深さを複数段階にしているため、多値データ毎にプッシュプル信号の振幅が変動し、安定してプッシュプル信号を確保することが困難である。また、特許文献3においては、ほぼ同じ振幅のプッシュプル信号が出るように多値パターンと溝の深さを最適化しているが、多値データ毎のプッシュプル信号の振幅がほぼ同じになるようなピットの深さにすると溝の深さが浅くなってプッシュプル振幅を確保するのが難しく、逆にプッシュプル振幅を確保できるような溝の深さにするとピットの深さが浅くなって多値データ毎のプッシュプル信号の振幅が異なってしまい、安定してプッシュプル信号の振幅を確保することが困難である。以上のように、特許文献1〜3においては安定してトラッキングするのが困難である。
1) ピットが形成される領域が互いに等しい面積のセルからなり、各々のセルの面積に対するピットの面積占有率に応じてN値(Nは3以上の自然数)に面積変調されたピットが形成されている光記録媒体であって、該ピットが該光記録媒体に設けられたグルーブ又はランド上に形成されていることを特徴とする青色波長対応の再生専用の多値光記録媒体。
2) 再生時に照射されるレーザ光の波長をλ、光記録媒体の基板の屈折率をnとしたとき、グルーブの深さdGが次の式を満足することを特徴とする1)記載の多値光記録媒体。
λ/25n≦dG≦λ/8.3n(λ=390〜420nm)
3) 再生時に照射されるレーザ光の波長をλ、光記録媒体の基板の屈折率をnとしたとき、ピットの深さdPが次の式を満足することを特徴とする1)又は2)記載の多値光記録媒体。
λ/4n≦dp≦λ/3.6n(λ=390〜420nm)
4) ピットが、円形パターンで形成されていることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の多値光記録媒体。
5) ピットが、セルの中心位置に形成されていることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の多値光記録媒体。
本発明の多値光記録媒体は、390〜420nm程度の青色波長の光により安定に再生することができるものである。青色波長の光を用いること及び多値記録を行うことにより、従来に比べて記録容量を大幅に増加させることができる。
図1は、本発明の再生専用の多値光記録媒体の一例を示す概略図である。ここで、図1(a)は多値ピットがグルーブ上に形成され、図1(b)は多値ピットがランド上に形成されているが、面積の等しいセルの中心位置に径の異なる円形のピットが形成されている点は同じである。図1(a)、(b)に示すように、ピットの径を異ならせることによってセルの面積に対するピットの面積占有率が異なり、3値以上の多値に変調されている。
このような再生専用の多値光記録媒体の妥当性を立証するために、波長405nmのレーザ光をNA0.65の対物レンズを備えたピックアップ装置を用いて再生した場合について検証を行った。より詳しくは、図1(a)、(b)におけるグルーブ幅、ランド幅、トラックピッチを、それぞれ仮に300nm、150nm、450nmとし、様々なピット深さ(dp)、ピット径、グルーブ深さ(dG)を有する多値光記録媒体について検証を行った。
図2(a)によれば、ピット深さ、ピット径によらず、ほぼ20%のプッシュプル信号振幅が安定して得られている。また、図2(b)によれば、ピット深さ、ピット径によらず、ほぼ40%のプッシュプル信号振幅が安定して得られている。また、図2(c)によれば、ピット深さ、ピット径によらず、ほぼ60%のプッシュプル信号振幅が安定して得られている。
一方、図3(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)に対応した再生信号である。なお、再生信号は、ミラー面(グルーブ及びピットの無い面)からの反射光量で正規化している。図3(a)〜(c)を比較すると、グルーブ深さが深くなるに従って、最も大きい再生信号と最も小さい再生信号の差であるダイナミックレンジが狭くなっている。ダイナミックレンジが狭くなると、ピットの変調数を減らさざるを得なくなり、大容量化の観点から好ましくない。
またピット深さに着目すると、図2(a)〜(c)によれば、ピット深さが50〜70nmの時にピット深さのばらつきに対する正規化再生信号の変化が比較的小さくて好ましいが、図3(a)〜(c)によれば、ピット深さが60〜70nmの時にピット径によらずほぼ同等の正規化プッシュプル信号振幅が得られるから、60〜70nmの範囲がより好ましい。この深さは、λ/4n〜λ/3.6nに相当する。ピット深さをこのような値にすることにより、面積変調されたピット間で正規化プッシュプル信号振幅のばらつきを抑えることができ、安定したトラッキングが可能となる。
そして、上記の例のように405nmで安定に再生可能なグルーブ深さ及び/又はピット深さに設定された多値光記録媒体は、波長390〜420程度の青色波長のレーザ光により安定に再生することができる。
ここで、ピット形状が円形の場合、最大のピット径は図1に示すように、グルーブ幅又はセル長のどちらかによって制限される。今、仮にセル長を240nmとすると、最大のピット径はセル長によって制限される。従ってダイナミックレンジを決定する最大の再生信号はピット径が0nmの時に得られ、最小の再生信号はピット径が240nmの時に得られる。そこで図4中のレベル0〜レベル7は多値レベル数を8値として、ダイナミックレンジを均等に分割して決定されている。この時のそれぞれのピット径は、0nm,72nm,103nm,128nm,153nm,177nm,203nm,233nmである。これによりN=8値の多値の再生信号を生成でき大容量化が達成できる。
なお、上記の説明において用いた円形や楕円形のピットという用語は、必ずしも幾何学的に完全な円や楕円のみを指す訳ではなく、通常の方法で光を照射することにより得られる多少の歪を持った略円形や略楕円形のピットも含むことは言うまでもない。
更に、本発明4によれば、レーザ露光により容易にピットを形成することができる。但し、実際に原盤を作製する際には、光記録媒体を回転させながらレーザ光を照射して潜像を形成すること、及びレーザビームの強度分布が楕円分布を有することから、回転方向又は半径方向に楕円形状となる場合もある。
更に、本発明5によれば、再生時において一定のサンプリング周期で再生信号を得ることができる。
G グルーブ
Claims (5)
- ピットが形成される領域が互いに等しい面積のセルからなり、各々のセルの面積に対するピットの面積占有率に応じてN値(Nは3以上の自然数)に面積変調されたピットが形成されている光記録媒体であって、該ピットが該光記録媒体に設けられたグルーブ又はランド上に形成されていることを特徴とする青色波長対応の再生専用の多値光記録媒体。
- 再生時に照射されるレーザ光の波長をλ、光記録媒体の基板の屈折率をnとしたとき、グルーブの深さdGが次の式を満足することを特徴とする請求項1記載の多値光記録媒体。
λ/25n≦dG≦λ/8.3n(λ=390〜420nm) - 再生時に照射されるレーザ光の波長をλ、光記録媒体の基板の屈折率をnとしたとき、ピットの深さdpが次の式を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の多値光記録媒体。
λ/4n≦dp≦λ/3.6n(λ=390〜420nm) - ピットが、円形パターンで形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の多値光記録媒体。
- ピットが、セルの中心位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の多値光記録媒体。
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