JP4133844B2 - ガス警報器 - Google Patents
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カバー110は、さらに、プリント基板111、ガスセンサ112、ガス流路113を備える。ガスセンサ112内は、さらに気密性ハウジング112a、通気孔112b、吸着フィルタ112c、ハウジング内流路112d、ガス検出素子112e、点検ガス流通路112fを備える。
上ケース120は、通気溝121、点検ガス供給窓122を備える。
図8で示した従来技術のガス警報器100では、点検ガス流通路112fの開口面積が十分に小さいため通常時は妨害ガスに対する気密性が高いものであるが、点検ガス供給窓122からガス流路113内に点検ガスを供給した場合、矢印のように点検ガスの流路が曲折していることに起因してハウジング内流路112d内に高濃度の点検ガスが勢いよく高速流で流入できないため、点検ガスが、ガス検出素子112eへ到達せず、点検ガスに対するガスセンサの感度が高くないという問題があった。
また、特許文献2ではシールや栓によりガスセンサに到達するような流路を封止して気密性を高めているが、美観上などの問題から、シールや栓をガス警報器の背面など目立たない場所に形成する必要があり、設計上の制約となっていた。
特許文献3は、隔壁により点検性を高めているが、気密性・点検性ともに十分な性能が期待できなかった。
筒状に形成された気密性ハウジングと、気密性ハウジングの開口部である通気孔と、気密性ハウジングの筒内であって通気孔の下流側に配置されて検出対象ガス以外の妨害ガスを吸着する吸着フィルタと、気密性ハウジングの筒内であって吸着フィルタの下流側に形成される空間であるハウジング内流路と、気密性ハウジングのハウジング内流路に配置されて検出対象ガス及び点検ガスに感応するガス検出素子と、吸着フィルタを迂回して外部とハウジング内流路とが連通するように気密性ハウジングに形成される点検ガス流通路と、を備えるガスセンサと、
点検ガス導入路を形成する筒部と、点検ガス導入路内で筒部壁面と一端が連接される隔壁部と、隔壁部の他端に形成されて筒部端部と対向する突出部と、筒部端部と突出部とにより形成されるスリット形状の開口であって点検ガス導入路に連通する噴射孔と、を備える点検ガス導入部と、
を有するガス警報器であって、
点検ガス導入部の噴射孔は、通常時には筒部端部と突出部とが近接して噴射孔を狭める状態を維持して妨害ガスの通過を防止し、点検時には点検ガス導入路に供給された点検ガスの充満時の内圧上昇により筒部端部と対向する突出部が拡開して噴射孔を拡げた状態として点検ガスを噴射することで点検ガス流通路を介してガス検出素子へ点検ガスを到達させることを特徴とする。
請求項1に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の噴射孔、気密性ハウジングの点検ガス流通路、および、ハウジング内流路のガス検出素子は、略直線上に位置することを特徴とする。
請求項1または請求項2に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の点検ガス導入路は噴射孔に近づくにつれて先細ることを特徴とする。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の突出部はエッジ状先端であることを特徴とする。
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のガス警報器において、
ガスセンサおよび点検ガス導入部が設けられるカバーと、
点検ガス供給窓が形成される上ケースと、
を備え、
カバーに上ケースを取り付けたとき、上ケースの点検ガス供給窓の流路はカバーの点検ガス導入部の点検ガス導入路に連通することを特徴とする。
請求項5に記載のガス警報器において、
前記点検ガス導入部は、合成樹脂により前記カバーと一体に形成されることを特徴とする。
その結果、検出時に高濃度・高速流の点検ガスを、勢いを殺さず、点検ガス流通路を介して直接ハウジング内流路の内部に供給することとなり、結果的に、高い濃度の点検ガスがガス検出素子近傍に移流して、感応しやすくなった。
カバー10には、図2で示すように、さらに、プリント基板11、ガスセンサ12、点検ガス導入部13を備える。
上ケース20は、図1で示すように、通気溝21、点検ガス供給窓22を備える。
点検ガス導入部13は、詳しくは図3,図4で示すように、さらに点検ガス導入路13a、隔壁部13b,突出部13c、噴射孔13d、筒部13eを備えている。
図2,図3で示すように、ガスセンサ12の気密性ハウジング12aは筒状(本形態では詳しくはほぼ円筒形状)であり、ガス警報器1の正面側に気密性ハウジング12aの開口部である通気孔12bがある。この気密性ハウジング12aの筒内であって通気孔12bの下流側に吸着フィルタ12cが配置される。吸着フィルタ12cは活性炭が充填されており、吸着フィルタ12cを通過するガスから、検出対象ガス以外の妨害ガスを吸着する。
また、ガスセンサ12の通気孔12bの前には、上ケース20の通気溝21が位置するようになされている。
まず点検時以外の通常時(ガス検出動作時も含む)について説明する。
通常時は、図5(a)で示すように、突出部13cと筒部13eで形成される噴射孔13dが狭いため、妨害ガスは噴射孔13dを通過しにくくなっている。
また、ガスセンサ12の点検ガス流通路12fも先に説明したように狭いため、妨害ガスは点検ガス流通路12fを通過しにくくなっている。
このように、通常時は開口面積が十分に狭い点検ガス導入部13の噴射孔13dと、ガスセンサ12の点検ガス流通路12fとに阻まれて、妨害ガスが、ガス検出素子12eへは到達しにくくなっており、ガスセンサ12の気密性を高めている。
ガス警報器1の点検作業は、図6で示すように、点検ガス供給ボンベ30の供給孔を点検ガス供給窓22に差し込み、この状態で点検ガスを点検ガス導入路13aの内部に放出させる。図5(b)で示すように、点検ガス導入路13aの内部は点検ガスにより圧力が高まり、スリット状の噴射孔13dから点検ガスが点検ガス噴射方向へ噴射される。この点検ガスは点検ガス流通路12fを通過して、ハウジング内流路12d、ガスセンサ素子12eに高速流・高濃度で到達する。ここに、噴射孔13d、点検ガス流通路12f、および、ガス検出素子12eは、略直線上の点検ガス噴射方向上に位置しており、点検ガスがガス検出素子12eへ到達しやすいようになされている。
ガスセンサ12の駆動は、図7に示すように、ガス検出素子12eを5秒間の高温駆動と10秒間の低温駆動との2モードで15秒周期で繰り返しており、5秒間の高温駆動の最後の5秒に到達したときにガス漏れを検出している。つまり、15秒毎にガス漏れ検出を行っていることになる。このガス駆動は従来技術のガス警報器100も同様の駆動である。
なお、本形態では点検ガス流通路の例として単なる孔の形状を挙げたが、孔に限定されるというものではなく、点検ガスが流通する間隙を確保する形状であれば、孔以外の形状であってもよい。
また、点検ガス流通路に、ガス透過性の隔壁部材を設けることも考えられる。これら構成を適宜採用できる。
本形態のガス警報器1では、点検ガスをガス警報器1の点検ガス供給窓22から供給したとき、点検ガスのガス濃度及びガス吹きつけ時のガス流の勢いを阻害せず、ガスセンサ12の点検ガス流通路12fに吹き付ける構造であり、ガス点検時においては、点検ガス流通路12fを介してガス検出素子12eに比較的高濃度の点検ガスを強制供給することが可能となる。さらに、ガス警報器1では点検ガス導入部13の噴射孔13dとガスセンサ12の点検ガス流通路12fの位置を可能な限り近接させているため、点検ガスの勢いは強く、また点検ガスの濃度が濃いためにガス検出素子12eが点検ガスに確実に反応するため、点検性を高めている。
なお、図8で示した従来技術では、点検ガス供給窓122と、ガスセンサ112の点検ガス流通路112fの位置が離れれば離れるほどガス流路113が長距離化して点検ガスの勢いが弱まり、また点検ガスの濃度が薄まるため点検しにくくなっていた。
11:プリント基板
12:ガスセンサ
12a:気密性ハウジング
12b:通気孔
12c:吸着フィルタ
12d:ハウジング内流路
12e:ガス検出素子
12f:点検ガス流通路
13:点検ガス導入部
13a:点検ガス導入路
13b:隔壁部
13c:突出部
13d:噴射孔
13e:筒部
20:上ケース
21:通気溝
22:点検ガス供給窓
30:点検ガス供給ボンベ
Claims (6)
- 筒状に形成された気密性ハウジングと、気密性ハウジングの開口部である通気孔と、気密性ハウジングの筒内であって通気孔の下流側に配置されて検出対象ガス以外の妨害ガスを吸着する吸着フィルタと、気密性ハウジングの筒内であって吸着フィルタの下流側に形成される空間であるハウジング内流路と、気密性ハウジングのハウジング内流路に配置されて検出対象ガス及び点検ガスに感応するガス検出素子と、吸着フィルタを迂回して外部とハウジング内流路とが連通するように気密性ハウジングに形成される点検ガス流通路と、を備えるガスセンサと、
点検ガス導入路を形成する筒部と、点検ガス導入路内で筒部壁面と一端が連接される隔壁部と、隔壁部の他端に形成されて筒部端部と対向する突出部と、筒部端部と突出部とにより形成されるスリット形状の開口であって点検ガス導入路に連通する噴射孔と、を備える点検ガス導入部と、
を有するガス警報器であって、
点検ガス導入部の噴射孔は、通常時には筒部端部と突出部とが近接して噴射孔を狭める状態を維持して妨害ガスの通過を防止し、点検時には点検ガス導入路に供給された点検ガスの充満時の内圧上昇により筒部端部と対向する突出部が拡開して噴射孔を拡げた状態として点検ガスを噴射することで点検ガス流通路を介してガス検出素子へ点検ガスを到達させることを特徴とするガス警報器。 - 請求項1に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の噴射孔、気密性ハウジングの点検ガス流通路、および、ハウジング内流路のガス検出素子は、略直線上に位置することを特徴とするガス警報器。 - 請求項1または請求項2に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の点検ガス導入路は噴射孔に近づくにつれて先細ることを特徴とするガス警報器。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のガス警報器において、
点検ガス導入部の突出部はエッジ状先端であることを特徴とするガス警報器。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のガス警報器において、
ガスセンサおよび点検ガス導入部が設けられるカバーと、
点検ガス供給窓が形成される上ケースと、
を備え、
カバーに上ケースを取り付けたとき、上ケースの点検ガス供給窓の流路はカバーの点検ガス導入部の点検ガス導入路に連通することを特徴とするガス警報器。 - 請求項5に記載のガス警報器において、
前記点検ガス導入部は、合成樹脂により前記カバーと一体に形成されることを特徴とするガス警報器。
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