JP4148925B2 - ガス検知部及びガス警報器 - Google Patents
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そのために、前記センサの何れかの場所に開口部が設けてあり、点検用のガスをセンサの内部に導くように構成してある。ただし、ライターに充填してある前記イソブタンガスは、ある程度の高濃度を有している。そのため、センサに過剰に供給されると、センサは直ちに鳴動を開始するものの、センサの周囲のガス濃度が長時間に亘って高く維持され、そのあいだガス警報器が鳴動し続けることとなる。
このように、従来のガス警報器においては、効率的な動作点検を行なうにも限界があった。
本発明のガス検知部の特徴構成は、外形を円筒状に構成してある被検知ガスを検出するセンサがその円筒の軸心を水平にした状態で配置してあり、前記センサが、センサの内部と外部とに渡って前記被検知ガスの出入りを許容する少なくとも二つの開口部を、同一の円周上のガス点検口側とその裏側とに上下に位置を異ならせて備えると共に、前記センサの表面であって、前記開口部のうち何れか一つに近傍する位置に前記被検知ガスを点検用に吹きかける前記ガス点検口を備えてあって、点検用のガスを前記ガス点検口から前記円周上に向けて吹きかけるように構成してある点にある。
本構成では、被検知ガスを点検用に吹きかけるガス点検口を、センサに設けた開口部のうち何れか一つに近接する位置に点検用のガスを吹きかけできるように設けてある。よって、ガスをセンサの内部に注入させ易くなっている。
このとき、例えば、点検用ガスとして空気よりも重いイソブタンガスを用いる場合には、上下方向に位置が異なる開口部のうち、下方の開口部に向けて被検知ガスを吹きかける。これにより、センサの内部に注入されたガスがセンサの内部に留まり、センサ内部のガス濃度が早期に高まる。この結果、センサの動作確認を迅速に行なうことができる。
また、センサをその円筒の軸心周りに適宜回転させて固定することで、ガス点検口に対する開口部の相対位置を変化させることができる。これにより、吹きかけた点検用ガスが前記開口部に侵入する勢いを調節することができ、センサの内部へのガスの侵入量を容易に制御することができる。
この結果、前記一方の開口部から点検用ガスが押し込まれ、前記他方の開口部からはセ
ンサの内部の空気を引き抜くことで、センサ内部への点検用ガスの注入が極めて円滑に行なわれる。
本構成であれば、前記一方の開口部の位置および他方の開口部の位置を適宜設定することで、ガスの注入・排出の速度を容易に制御することができ、鳴動確認および鳴動停止が迅速に行われる。
本発明のセンサ検知部は、以下のごとくガス警報器に適用することができる。即ち、ガス検知部のうち、センサをケース本体の内部に備えると共に、ガス点検口を前記ケース本体に設けることができる。
(作用効果)
本構成のごとく、ガス点検口をガス警報器のケース本体に設けることで、ガス警報器の
動作点検を容易に行なえる。即ち、点検用のガス点検器具を前記ガス点検口にセットするだけで、センサに向けて適正にガスを吹きかけることができる。その際には、センサの内部に、適度な濃度の点検用ガスが適量注入される。よって、点検技量が未熟な点検員でも、効率よくガス警報器の動作点検を行なうことができる。
本発明の装置は、主に家庭用燃料ガスを使用する各種燃焼器具からのガス漏れを検知するものであって、その設置場所における動作点検が容易なガス検知部Aおよびガス警報器Bである。
本発明のガス検知部Aおよびガス警報器Bを図面に基づいて説明する。
前記ガス検知部Aは、主に点検用ガスGを検出するセンサ1と、当該センサ1に点検用ガスGを吹きかけるためのガス点検口2とを備えている。前記センサ1は、ガス警報器Bのケース本体3の内部に装着してある。前記センサ1を構成するセンサ本体1Aには、点検用ガスGが侵入可能な点検用の開口部4を備えている。つまり、当該開口部4から点検用ガスGがセンサ本体1Aの内部に侵入し、センサ1が当該点検用ガスGを検知して警報を発する。
図1に示すごとく、本実施形態では、点検用のガス点検器具5として、例えば一般のライターの先端に吹きかけ用のノズル6を設けたものを用いる。ガス警報器Bのケース本体3には、前記ノズル6を挿入する孔部2Aを設けてある。前記孔部2Aの内径は所定寸法に形成してあり、当該孔部2Aにノズル6を挿入すると、ノズル6の方向が自動的に固定される。これにより、点検用ガスGは、常にセンサ1の特定位置に向けて吹きかけられる。このように、点検用ガスGの吹きかけ方向を特定することで、後述するセンサ本体1Aの内部に確実に点検用ガスGを注入させることができる。本構成であれば、点検員の点検技量に影響されることなくセンサ1の動作点検を行なうことができるうえ、必要最低限の点検用ガスGを用いた効率的な点検を行なうことができる。
図1及び図2に示すごとく、ガス検知部Aを構成するセンサ1は、略円筒状のセンサ本体1Aの内部に検知素子7を設けて構成してある。当該検知素子7は、センサ本体1Aの一方側に設けてある。前記センサ本体1Aの他方側は開放構造となっているが、当該部分には、点検用ガスG以外の雑ガスを吸着してセンサ1の検知精度を向上させるためのフィルタ8を設けてある。当該フィルタ8には、例えば、活性炭を用いる。
記フィルタ8の汚染を少しでも防止するためには、点検用ガスGは前記フィルタ8を介さずにセンサ本体1Aの内部に導くのが好ましい。また、フィルタ8を介して点検用ガスGをセンサ本体1Aの内部に導こうとすると、フィルタ8の通過抵抗のために多量の点検用ガスGを吹きかけなければならず、点検時間も長くなる。このため、本発明のごとく、センサ本体1Aの側面に点検用ガスGを侵入させるための開口部4を設ける。
そのためには、例えば、下側の開口部4をガス点検口2の側に向け、かつ、ガス吹きかけ方向よりもやや下方の位置に開口部4を設ける。これにより、吹きかけられた点検用ガスGの多くが下側の開口部4に到達し、効率的にガスの注入が行なわれる。
また、開口部4を一つだけ備えた構成にすることもできる。この場合には、単に丸形状の開口部4を設けることとしてもよいし、その他に、例えば、長孔状の開口部4を設けてもよい。長孔状とする場合には、開口部4の下端部の高さと上端部の高さとを適宜設定することで、点検用ガスGの注入・排出を効率的に行うことができる。要するに用いる点検用ガスGの特性に応じて、ガスの注入・排出を容易にするいかなる構成も採用可能である。
特に、一方の開口部4を前記ガス点検口2の側に向け、他方の開口部4を前記ガス点検口2からみて裏面に設けることで、前記一方の開口部4におけるガス圧が正圧となり、前記他方の開口部4におけるガス圧が低圧もしくは負圧になる。
本構成のようなガス検知部Aを構成することで、一方の開口部4を点検用ガスGの注入口として機能させ、他方の開口部4を点検用ガスGの吸引口として機能させて、少量の点検用ガスGを吹きかけるだけでセンサ1の動作確認を行なえるようになる。
本発明のセンサ本体1Aは、その外形寸法が約6mm、長さが約15mmの円筒形状を有する。その一方側には、検知素子7および当該検知素子7に接続する電極9などを内蔵する。他方側には、フィルタ8を備えている。これらの中間位置に内径約1mmの二つの開口部4を互いに180度対向した位置に設けてある。当該開口部4と前記検知素子7との間には、複数のガス流通孔を備えた仕切板10を設けてある。
点検用ガスGとしては、通常のライターに充填されているイソブタンガスを用いた。センサ1は、4000ppm以上の濃度のメタンを検知した場合に鳴動するよう設定した。センサ1の点検モード中において、点検用ガスGを吹きかけた後、20+2秒以内でガス警報器Bが鳴動するか否かを点検した。
表中、「○」印は、全てのガス警報器Bが鳴動したものを示す。全てのガス警報器Bが鳴動しなかったものは「×」印を付し合格率を併記した。
この結果から、ガスの吹きかけ時間が短い2秒の場合では、センサ1の角度が0度乃至マイナス10度のもので適切に鳴動し、ガスの吹きかけ時間が長い3秒の場合では、プラス5度乃至マイナス50度の範囲でガス警報器Bが適切に鳴動したことがわかる。吹きかけ時間としては、これらの間の2.2秒および2.5秒についても点検した。図4から明らかなごとく、ガスの吹きかけ時間が長くなるほど、鳴動可能なセンサ1の角度は広がることがわかる。
このとき、ガスの吹きかけ時間が長くなるほど鳴動範囲が下方に偏位するのは、イソブタンガスが空気より重いため、当該ガスがセンサ1の下方に流動したためと考えられる。
そこで、上記で求めたセンサ1の角度条件の場合に、鳴動停止が確実に行なわれるか否かを実験した。実験は、点検用ガスGを吹きかけた後、100+2秒以内に鳴動が停止するか否かで評価した。ガスの吹きかけ時間は2.5秒乃至3.5秒とした。図4の条件に比べて吹きかけ時間がより長い3.5秒を含めたのは、ガスの吹きかけ量が過剰である場合でも確実に鳴動が停止するか否かを確認するためである。
即ち、図示は省略するが、例えば、被検知ガスである点検用のガスGを出入りさせる開口部4を一つ、センサ1の側面に備えておく。当該センサ1は筒状の形状とし、その軸心が水平姿勢となるよう配置する。前記開口部4に向けて点検用のガスGを吹きかけるガス点検口2を前記開口部4から離間した位置に設け、前記開口部4が、前記センサ1の軸心および前記ガス点検口2の何れに対しても下方となるよう前記センサ1を設ける。
また、本構成では、前記開口部4の高さをセンサ1の軸心よりも低い位置に設けてある。よって、センサ1の内部に侵入した点検用ガスGが、その自重によってセンサ1の外部に排出され易く、点検時のセンサ鳴動時間を短縮することができる。この結果、点検作業を円滑に行うことができる。
尚、センサ1は略筒形状であれば何れの形状であってもよく、例えば、円筒形状や角筒形状など各種形状を採用可能である。
上記実施形態では、開口部4を形成したセンサ本体1Aの回転角度を適宜設定して鳴動特性を適正化する例を示した。これに対し、前記開口部4の近傍に吹きかけた点検用ガスGの流れ状態を制御するガス整流手段Sを備えて、センサ本体1Aの内部への点検用ガスGの注入・排出を制御することもできる。
2 ガス点検口
3 ケース本体
4 開口部
G 点検用ガス
S ガス整流手段
Claims (2)
- 外形を円筒状に構成してある被検知ガスを検出するセンサがその円筒の軸心を水平にした状態で配置してあり、
前記センサが、センサの内部と外部とに渡って前記被検知ガスの出入りを許容する少なくとも二つの開口部を、同一の円周上のガス点検口側とその裏側とに上下に位置を異ならせて備えると共に、
前記センサの表面であって、前記開口部のうち何れか一つに近傍する位置に前記被検知ガスを点検用に吹きかける前記ガス点検口を備えてあって、
点検用のガスを前記ガス点検口から前記円周上に向けて吹きかけるように構成してあるガス検知部。 - 請求項1に記載のガス検知部を備え、前記センサをケース本体の内部に備えると共に、前記ガス点検口を前記ケース本体に設けてあるガス警報器。
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