JP4133469B2 - コンテナ等の開閉屋根 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根として上面開口部に防水性シートを張設するコンテナやトラック荷台の開閉屋根に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、輸送費や包装費の低減、輸送期間の短縮、荷痛みの防止等の点からコンテナ輸送が増加している。しかし、コンテナは箱型で、ほとんどのコンテナは、出入口が後端1ケ所であるため、クレーン等が使用できない。
【0003】
そこで、コンテナ箱体の上面を開口面として、防水性シートで閉塞するシート屋根タイプのコンテナも存在し、防水性シートを外して荷役を上面開口からすることで、クレーン等揚重装置により効率的に行うことができる。
【0004】
図10はその一例を示すもので、図中1はコンテナであり、防水性シート2はこのコンテナ1の上面を開口面に覆い被し、サイドトップレール1aの上にまで端部を伸ばす。図中1bはサイドボトムレール、1cはコーナーポスト、1dはサイドウォールである。
【0005】
そして、この防水性シート2の固定は、大きめの鳩目穴3を設けておき、ここにサイドトップレール1a側からの孔開き突片4を貫通突出させ、これにロープ5を渡して外側から防水性シート2の端部を押さえる。防水性シート2を外すには、ロープ5を外して係止を解除して行う。
【0006】
なお、シート屋根タイプのコンテナに関する特許文献は存在しない。
【0007】
また、下記特許文献1の従来例等にも示されているように、トラック等の荷物運搬車両には、荷台囲壁の両側に回転自在なクロスバーを用いた通称アコーデオン式と言われる枠組みを移動可能に立設し、これにシートを被せて結合し、開閉自在な荷台カバー装置を備えたものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−151939号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示す防水性シート2をロープ5で固定する方式では、防水性シート2の着脱が手作業となり、手間と時間がかかるので、自動的な開閉機構が望まれる。
【0010】
また、特許文献1のような回転自在なクロスバーを用いた通称アコーデオン式と言われる枠組みを移動可能に立設し、これにシートを被せて結合し、開閉自在な荷台カバー装置を設ける場合に、折り畳みの際に枠の相互間に畳まれるシートが入り込み、これが垂れ下がると内部の積荷に触れたり、他にからまったりするおそれがあり、ひいては開閉動作の支障やシートの破損にもなりかねない。
【0011】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、コンテナやトラック荷台の上面開口部に防水性シートを張設するコンテナ等の開閉屋根において、防水性シートを自動的に折り畳みおよび広げることにより、屋根の自動開閉が可能であるとともに、折り畳みの際にシートを下方に垂れ下げることなく、効率的に畳み込むことができるコンテナ等の開閉屋根を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、コンテナやトラック荷台の上面開口部にシートを張設するコンテナ等の開閉屋根において、コンテナ等のサイドトップレール上でかつその幅方向に掛け渡された梁部とこの梁部の左右垂直部である下向きの支柱部からなり、コンテナ等の前後方向に移動可能としたコ字形の支持フレームで適宜間隔で支持して幌タイプとし、前記支持フレームはその支柱部相互をリンクアーム同士の結合によるリンク機構で連結して折り畳み構造とし、前記リンクアームの軸着部からのアーム延設部を該リンク機構の折り畳みに応じて支持フレームよりも上方に、かつ、前記支持フレームが移動する方向と逆の方向に向けて突設可能とし、コンテナの幅方向でこの突設させた上端間に端部を軸着して回転体とする連結部材を渡し、また、支持フレームの支柱部の内側に、コンテナのサイドトップレールへ当接するスベリ部材を配設したことを要旨とするものである。
【0013】
第2に、端部支持フレームの移動は、駆動ローラおよびガイドローラで張設した無端ワイヤーの牽引で行うことを要旨とするものである。
【0014】
請求項1記載の本発明によれば、防水性シートは幌タイプのものとしてコンテナ等の幅方向に架け渡されるコ字形の支持フレームで適宜間隔で支持され、この支持フレームがコンテナ等の前後方向に移動することで、畳まれ、または広げられる。そして、リンク機構のリンクアームの軸着部またはそれからのアーム延設部が該リンク機構の折り畳みに応じて支持フレームよりも上方に突設することでこの部分でシートを持ち上げ、シートを下方に垂らすことなく、折り畳むことができる。
【0015】
なお、リンク機構のリンクアームの軸着部が支持フレームよりも上方に突設するには、余裕代として支持フレームの支柱部は比較的高いものとして開閉機構全体が高さのあるものとなるが、リンク機構のリンクアームの軸着部からのアーム延設部が支持フレームよりも上方に突設可能にすることで、支持フレームの支柱部は高くせずにすみ、全体の高さもひくく嵩ばらないものとすることができる。
【0016】
前記作用に加えて、アーム延設部は折り畳みのために支持フレームが移動する方向と逆の方向に向けて突設することで、該、アーム延設部はリンクアームの軸着部を支点に折り畳みのために支持フレームが移動する方向に弧を描いて回転する。その結果、連結部材がシートを折り畳みのために支持フレームが移動する方向に押し上げ、かつ、折り畳み部を重ねあわせるので、無理なく折り畳むことができる。
【0017】
また、連結部材は回転体とすることで、前記のごとく、シートを折り畳みのために押し上げるのに、摩擦抵抗を生じせしめることなく、スムーズに行うことができる。
【0018】
さらに、コンテナのサイドトップレールを支持フレームの移動用のガイドレールとして使用することで、別途ガイドレールを設けないですみ、支持フレームの支柱部にコンテナのサイドトップレールへ当接するスベリ部材を配設することで、コンテナのサイドトップレールが巾広いものでもスムーズな移動を行うことができる。
【0019】
請求項2記載の本発明によれば、端部支持フレームの移動は、駆動ローラおよびガイドローラで張設した無端ワイヤーの牽引で行うことで、シートの開閉操作を駆動ローラの正逆回転で簡単に行うことができる。また、駆動ローラの回転をモータ駆動とすれば、自動開閉運転が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のコンテナ等の開閉屋根の1実施形態を示す一部省略した縦断側面図、図2は同上平面図で、図2においては後述の防水シート2は図示を省略している。
【0021】
本発明はコンテナ1にその開閉屋根として防水シート2を設ける場合であり、詳細を示す図3〜図5中1aはコンテナ1のサイドトップレールであり、防水性シート2はこのコンテナ1の上面を開口面6に覆い被し、サイドトップレール1aの上に重なるまで端部を伸ばす。
【0022】
コンテナ1の幅方向に、左右垂直部である下向きの支柱部7aと水平部(湾曲も可)である梁部7bとからなるコ字形の支持フレーム7を架け渡すが、この支持フレーム7は支柱部7aの内側にコンテナ1のサイドトップレール1aに当接するナイロン樹脂製の当て板によるすべり部材8を配設してサイドトップレール1aをガイドレールとしてコンテナ1の前後方向に移動可能とした。
【0023】
図1、図2に示すように、支持フレーム7はコンテナ1の前後方向に適宜間隔で並べ、梁部7bで防水性シート2を支持して幌タイプとする。この場合、防水性シート2は各梁部7bに止めておく。
【0024】
さらに、支持フレーム7は前後間でその支柱部7aの相互をリンクアーム9a、9b同士の結合によるリンク機構9で連結して全体を前後方向に折り畳みできる構造とする。
【0025】
前記リンクアーム9a、9bの軸着部10から先に伸びるアーム延設部11の先端を該リンク機構9の折り畳みに応じて支持フレーム7よりも上方に突設可能とした。アーム延設部11はリンクアーム9a、9bのうちリンクアーム9aの延長としたものでもよいが、本実施形態ではリンクアーム9bの延長とした。このようにすることで、アーム延設部11は折り畳む際に支持フレーム7が移動する方向と逆の方向に向けて軸着部10から先に突設するようになり、リンク機構9の折り畳みに応じてアーム延設部11は支持フレーム7が移動する方向と同方向、すなわち、折り畳み方向に回転する。
【0026】
また、コンテナ1の幅方向で、この突設させたリンクアーム9a、9bの軸着部10または軸着部10から先のアーム延設部11の上端間に連結部材12を渡した。この連結部材12は図示のように平板のバー状のものの他、パイプ等の円管状のものでもよく、いずれの場合も端部を軸着して回動可能な回転体とする。
【0027】
並列する支持フレーム7の一番端(折り畳み方向の一番手前側)のものは、折り畳みおよび広げの駆動部として押角13と一体に形成し、この押角13に牽引用の無端ワイヤー14の途中を結合する。図7、図8に示すように、無端ワイヤー14は駆動ローラ15およびガイドローラ16に巻回して張設した。さらに詳しく述べると、無端ワイヤー14は駆動ローラ15から出てコンテナ1の一方の側方を前側から後ろ側ヘ行き、上下に並ぶように折返して来て、前記駆動ローラ15の上を通過してコンテナ1の他方の側方へと伸び、さらに、コンテナ1の他方の側方を前側から後ろ側ヘ行き、上下に並ぶように折返して来て、駆動ローラ15と至る。
【0028】
なお、前記押角13と牽引用の無端ワイヤー14との結合は、前記のコンテナ1の側方を前側から後ろ側ヘ行き、上下に並ぶように折返して来る無端ワイヤー14の下側で行うものとし、コンテナ1の左右において共に下側に結合させる。
【0029】
次に、使用法について説明する。駆動ローラ15を手回し、または、油圧もしくは電動モータ17で駆動すれば、無端ワイヤー14が牽引され、それに伴い押角13も移動する。
【0030】
コンテナ1の屋根が閉じている状態では、図3に示すように、リンク機構9は広がり、支持フレーム7は相互に間隔を開けており、アーム延設部11の先端も支持フレーム7より低く(同じ高さでもよい)、連結部材12は防水性シート2を押し上げてはいない。この状態では防水性シート2は張られている。
【0031】
屋根を開くには、押角13を後方から前方に移動すると、その前に並ぶ支持フレーム7を押していくことになり、リンク機構9が閉じられる。それと同時にアーム延設部11が回転して立ち上がり、連結部材12が防水性シート2を山形に押し上げ、支持フレーム7相互が近接することで、防水性シート2は図9に示すように、支持フレーム7より下方に垂れ下がることなく、山折りに折り畳まれる。
【0032】
一方、折り畳んだ防水性シート2を広げて屋根を閉じるには、逆の動作として駆動ローラ15を逆転させ、無端ワイヤー14を逆方向に牽引して押角13を元の位置に戻すようにすればよい。
【0033】
なお、前記実施形態はコンテナ1の開閉屋根として説明したが、トラック荷台の開閉屋根についても、本発明は同様に適用できる。さらに、コンテナ、トラック荷台以外の上部開口部を有する輸送用または保存用の大型の収容容器についても同様に適用できる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように本発明のコンテナ等の開閉屋根は、コンテナやトラック荷台の上面開口部に防水性シートを張設するコンテナ等の開閉屋根において、防水性シートを自動的に折り畳みおよび広げることにより、屋根の自動開閉が可能であるとともに、折り畳みの際にシートを下方に垂れ下げることなく、効率的に畳み込むことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンテナ等の開閉屋根の1実施形態を示す一部省略した側面図である。
【図2】 本発明のコンテナ等の開閉屋根の1実施形態を示す一部省略した平面図である。
【図3】 図1のa部詳細図である。
【図4】 図1のa部詳細平面図である。
【図5】 図3のC線矢視図である。
【図6】 図3のD線矢視図である。
【図7】 図1のB線矢視図である。
【図8】 図7のE線矢視図である。
【図9】 屋根を開けた状態の側面図である。
【図10】 従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1…コンテナ 1a…サイドトップレール
1b…サイドボトムレール 1c…コーナーポスト
1d…サイドウォール
2…防水性シート 3…鳩目穴
4…孔開き突片 5…ロープ
6…開口面 7…支持フレーム
7a…支柱部 7b…梁部
8…すべり部材 9…リンク機構
9a、9b…リンクアーム 10…軸着部
11…アーム延設部 12…連結部材
13…押角 14…無端ワイヤー
15…駆動ローラ 16…ガイドローラ
17…モータ
Claims (2)
- コンテナやトラック荷台の上面開口部にシートを張設するコンテナ等の開閉屋根において、コンテナ等のサイドトップレール上でかつその幅方向に掛け渡された梁部とこの梁部の左右垂直部である下向きの支柱部からなり、コンテナ等の前後方向に移動可能としたコ字形の支持フレームで適宜間隔で支持して幌タイプとし、前記支持フレームはその支柱部相互をリンクアーム同士の結合によるリンク機構で連結して折り畳み構造とし、前記リンクアームの軸着部からのアーム延設部を該リンク機構の折り畳みに応じて支持フレームよりも上方に、かつ、前記支持フレームが移動する方向と逆の方向に向けて突設可能とし、コンテナの幅方向でこの突設させた上端間に端部を軸着して回転体とする連結部材を渡し、また、支持フレームの支柱部の内側に、コンテナのサイドトップレールへ当接するスベリ部材を配設したことを特徴とするコンテナ等の開閉屋根。
- 端部に配置される前記支持フレームの移動は、駆動ローラおよびガイドローラで張設した無端ワイヤーの牽引で行う請求項1に記載のコンテナ等の開閉屋根。
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2003
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