JP4133026B2 - フラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正するための標準試料および欠陥検査装置の校正方法 - Google Patents

フラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正するための標準試料および欠陥検査装置の校正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、カラー表示用の液晶表示ディスプレイ(以下、LCDという)やプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)などのフラットパネルディスプレイ(以下、FPDという)における欠陥検査装置を校正するのに用いられる標準試料およびこの標準試料を用いる欠陥検査装置の校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の電子機器の表示装置として、LCDやPDPなどのFPDが用いられるようになってきており、とりわけカラー表示するものが多く用いられている。これに伴って、FPDの製造工程のより早い時期にその表示パネルの輝度分布や画像欠陥や異物の混入などの欠陥を検出することが求められており、また、精細化に伴って、FPDの出荷検査段階においてより精細かつ確実な検査が必要となっている。この検査工程を自動的に行うため、FPDの欠陥を検査する装置(以下、単に欠陥検査装置という)が開発され、特許出願されるに至っている(例えば、特開平6−11455号公報、特開2000−11175号公報など)。
【0003】
ところで、前記欠陥検査装置によって例えばLCDの欠陥検査を精度よく行うには、当該欠陥検査装置の校正を、その検査作業に入る前または定期的に行う必要がある。従来は、検査対象であるLCDまたは同等の表示能力を持つとされる別のLCDを精密に制御して、種々の欠陥の疑似表示を行い、これによって欠陥検査装置の校正を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の校正方法では、校正基準とするLCD自体がばらつきを持つことは避けられず、前記校正基準とにするLCDが表示する全ての点において、所期の性能を維持しているか否かを評価すること自体困難であり、評価しようとするLCDと同程度の精細さでしか表示できないといった欠点がある。このため、欠陥検査装置が本来備えている検査性能を正確に評価できるとは限らず、その結果、欠陥検査装置による検査結果の変化について、当該欠陥検査装置自体の性能変化に由来するものであるか否かを十分知ることが困難であった。また、上記従来の手法では、同一の校正基準での比較を行うことができなかった。さらに、機械によるLCDの外観検査などは一般的ではなかったので、校正基準自体が曖昧であった。
【0005】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、欠陥検査装置を再現性よく評価し校正することのできるFPDの欠陥検査装置を校正するための標準試料および欠陥検査装置の校正方法(以下、単に校正方法という)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のFPDの欠陥検査装置を校正するための標準試料は、基板の一方の面上に遮光膜が形成されているとともに、この遮光膜には、校正対象であるフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置の空間分解能よりも小さく、かつ、光を透過または散乱させるための開口が形成されていることを特徴としている(請求項1)。
この場合、前記開口を複数個有する測定領域が複数形成されており、これら測定領域ごとに異なる光の透過率に設定されているようにしてもよい(請求項2)。
【0007】
具体的には、欠陥検査装置が一度に測定することのできる最小の領域(空間分解能の一例で、例えばアレイセンサを測定系に用いている欠陥検査装置では、その一つのセンサ素子が担当する標準試料上の領域のことをいい、一つのセンサで全面検査する欠陥検査装置では、その測定することのできる最小領域のことをいう。以下、単に最小測定領域という)ごとに、開口の数を変えておくことにより、この最小測定領域ごとに光透過率を設定することができ、複数の開口を基板全体に、評価しようとする状態を模擬的に再現するように分布させておくのである。そして、評価目的(内容)によって開口の大きさや配列を適宜設定する。
特に、上記標準試料においては、遮光膜に形成される開口を、校正対象の欠陥検査装置の空間分解能よりも十分に小さく形成されているので、この開口の形状などの影響を受けることなく、最小測定領域内の平均透過率を容易に設定することができる。
【0008】
そして、この発明の欠陥検査装置の校正方法は、請求項1または2に記載の標準試料を用いてフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正する方法であって、前記標準試料の一方の面から一様に光を照射し、その光の透過光強度を欠陥検査装置によって測定することを特徴としている(請求項3)。
【0009】
上記校正方法においては、基本となる開口の密度と配列などを適宜選択することにより、欠陥検査装置における各種の基本性能を評価するための輝度パターンや実欠陥に似せた模擬欠陥を創り出し、これを欠陥検査装置によって検出する。
【0010】
したがって、欠陥検査装置の光源の発光量や光量分布を制御するだけで、欠陥検査装置が検出することのできる光量差や、光量に対する出力の線型性などを常に同じ基準で評価することができ、欠陥検査装置の調整基準とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。まず、図1は、この発明の校正方法の対象である欠陥検査装置の測定系1の構成を概略的に示すもので、図示例では、4つのカメラ2がその筒体2aを垂直方向に向け、矢印Xで示す水平方向に一直線状に保持部材(図示していない)によって、測定対象(LCDや後述する標準試料10)を載置する載置台3の上方に保持されているとともに、前記X方向と直交するY方向に直線的に移動できるように構成されている。
【0012】
前記4つのカメラ2は、互いに同じ構成からなり、筒体2aの上方にアレイセンサとしてのラインセンサ4(後述する)を備えるとともに、下方に検出視野を拡大するためのレンズを備えている。これらのカメラ2は、常に、検査対象である例えばLCDの同じ位置(同じ深さ)を検出できるように、筒体2aの長さやレンズの焦点距離が設定されている。
【0013】
そして、前記ラインセンサ4は、図2に示すように、例えば7μm角の大きさのモノクロの例えば7500個のセンサ素子4aを一直線状に配置してなるものであり、各カメラ2におけるラインセンサ4は、前記レンズを通して液晶セルなどの検査対象を観察した場合、個々のセンサ素子4aが縦横の寸法が例えば12μm×12μmの検出視野を有するように構成されている。このようなラインセンサ4は、4つのカメラ2において、複数の受光素子(図示省略)の配列方向がX方向と一致するようにして一直線状に並設されている。
【0014】
なお、上記構成の測定系1は、載置台3に載置された標準試料10(後述する)とラインセンサ4との間の距離を適宜設定できるように、載置台3を上下方向に適宜位置調整できるようにしているとともに、載置台3の下方から標準試料10に対して一様に光を照射できるようにしている。また、前記測定系1は、情報処理装置としてのパソコン(図示していない)によってその動作が制御されるとともに、測定系1による検出信号(輝度データ)は、前記パソコンに入力されて適宜処理される。
【0015】
次に、上記欠陥検査装置の校正を行うために用いる標準試料についての説明を行うと、例えば、LCDにおいては、周囲の表示点に比較して十分に暗くならない輝点や十分明るくならない滅点、これらが線状に並ぶ/明るさが一定にならない/最高の明るさが暗い/最低の明るさが明るい/位置によって明るい角度が異なるなど、様々な表示上の問題が考えられる。
【0016】
しかしながら、上記明るさ等の測定は、LCDの一つの表示単位(R,G,Bの各素子)からの光量と隣り合う他の表示単位からの光量との比(コントラスト)の測定に帰属する。どれだけの低光量までを正しく測定することができるか、検知できるコントラストの限度はどれ位か、測定することのできる最高光量はどれ位かなどといった測定性能から、実際の欠陥検出能力を推定することができる。また、以下において述べるような模擬欠陥を構成することで、欠陥検査装置の検査性能を再現することができる。
【0017】
そこで、欠陥検査装置の校正を行うために用いる標準試料としては、適宜の基板の一方の面に遮光膜を形成し、この遮光膜に欠陥検査装置の分解能よりも小さくかつ光を透過または散乱させるための開口を複数個形成したものが用いられる。図3(A),(B)は、前記標準試料の断面形状を概略的に示すもので、同図(A)が透過型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料10であり、同図(B)が反射型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料20である。
【0018】
すなわち、前記透過型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料10は、図3(A)に示すように、ガラスなど分光透過特性を有する基板11の一方の面に、CrやAlなどの金属または金属化合物よりなる遮光膜12を形成し、この遮光膜12に、欠陥検査装置の空間分解能よりも小さくかつ光を透過させるための開口13を複数個(多数)形成してなるもので、この開口13の形成パターンは、以下に述べるように、欠陥検査装置の評価目的に応じて種々設定される。なお、14は遮光膜12における開口13以外の遮光部を示している。
【0019】
前記標準試料10において、基板11としてガラス基板を用いる場合、温度特性やヤケ等を考慮して、合成石英よりなるものが好ましく、無色のものであってもよい。そして、遮光膜12は、ミラーやレティクルマスクの要領で形成するのがよく、評価目的によってはエマルジョンマスクでもよい。また、開口13は、エッチングなど公知の微細加工技術を用いて形成することができる。
【0020】
また、前記反射型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料20は、基本的には、前記透過型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料10と同様の構成であるが、図3(B)に示すように、基板21としては、オパールガラスを用い、例えばその一方の面にCrO層22a、Cr層22bよりなる遮光膜22を形成し、遮光膜22の表面の反射率を低くする。そして、この遮光膜22に、欠陥検査装置の空間分解能よりも小さくかつ光を透過させるための開口23を複数個(多数)形成してなるもので、この開口23の形成パターンは、前記標準試料10と同様に、欠陥検査装置の評価目的に応じて種々設定される。なお、24は遮光膜22における開口23以外の遮光部を示している。
【0021】
そして、いずれの標準試料10、20においても、基板11,21は耐候性を有するとともに適宜の強度を備えたものが好ましい。また、遮光膜12,22は、光入射側25の向きに低反射であり、その裏面側26は高反射、低透過率で、両面ともに鏡面に形成するのが好ましい。
【0022】
次に、欠陥検査装置の基本的性能を評価するための校正に用いる標準試料として標準試料10を種々例にとって、その評価目的別に、各種のパターンについて、図4〜図7を参照しながら説明する。
【0023】
(A)測定系1の焦点深度、測定系1の各センサ素子4aの位置による感度分布を評価するため
この評価に用いる標準試料10Aは、平面視において、図4に示すように構成されている。すなわち、測定光学系(センサを含む)を介して一つのセンサ素子4aと対応する最小測定領域より小さい、例えば平面視正方形の開口13を、相隣り合う開口13からの光を検出しないように、適宜離れた状態で形成した標準試料10Aを作成する。
【0024】
より具体的には、図4におけるX方向は、ラインセンサ4におけるセンサ素子4aの配列方向を示しているが、このX方向において、隣り合う二つの開口13は、相互に他方の光を検出しない距離xだけ離間して配置される。また、図中のY方向は、ラインセンサ4の走査方向を示しているが、このY方向において、隣り合う二つの開口13は、一回の測定信号の採取を行うのに支障をきたさない(測定信号が重ならない)距離yだけ離間して配置される。この離間距離yは、ラインセンサ4の走査速度などに基づいて設定される。
【0025】
さらに、ラインセンサ4の走査方向(Y方向)に、ラインセンサ4の一回に測定する範囲を十分超えて、前記開口13がそのX方向の長さの数分の1ずつ(例えば1/5ずつ)X方向にずれるように配置する。すなわち、図中の符号41,42,43は、それぞれ複数の開口13を、X方向においては、距離xだけ間隔をおいて、また、Y方向においては、距離yだけ間隔をおいて配列してなる開口列を示しているが、開口列41と次の開口列42とにおいては、それぞれ対応する開口13の位置が、X方向において、開口13のX方向の長さの1/5だけ右方向にずれている。開口列42とその次の開口列43においても、開口列41と次の開口列42との配置関係と同様に、開口13のX方向の長さの1/5だけ右方向にずれている。以下、このようにして全ての開口13をX方向の長さの1/5だけ右方向にずらせて形成配置している。
【0026】
そして、測定系1の焦点深度、測定系1の各センサ素子4aの位置による感度分布を評価するには、前記標準試料10Aを載置台3上に載せて、この標準試料10Aの背面から一様に光を照射し、そのときの透過光強度を欠陥検査装置によって測定するのである。この場合、測定系1におけるラインセンサ4と標準試料10Aとの距離を適宜変えて測定し、測定系1の焦点深度を求める。ここでいう焦点深度とは、一つのセンサ素子4aにおける信号強度変化が5%以内の領域などというように、目的の測定に応じて定義した焦点深度のことであって、一般に言われるものとは必ずしも同じではない。そして、個々のセンサ素子4aごとやラインセンサ4の位置(以下、単にセンサ位置という)によって差が有るのか、センサ位置と焦点深度の深さがどのような関係にあるのかなどを評価する。
【0027】
ところで、実際の測定では、上記焦点深度の測定とは若干異なった特性となる。全面が明るい標準試料10Aを測定し、部分的に明るさの異なる測定点ごとのコントラストなどを測定しようとすると、欠陥検査装置の空間分解能や測定光学系の収差のために、本来対応しない測定点からの光を受けることとなる。このため、独立した光点を測定する場合と比較した場合、特徴のより曖昧な結果となる。したがって、後述するL&S(Line & Space)パターンの測定において、標準試料10Aにおける測定面と測定系1との距離を変えて、焦点深度を求めるのが最も実用的である。この場合の焦点深度は、通常のMTF(Modulation Transfer Function)の定義などと同様の考え方で、信号の明暗の比が元から一定の割合にまで低下する範囲などとすればよい。
【0028】
(B)測定系1の検出強度のダイナミックレンジ/明るさと信号出力との関係を評価するため
この評価に用いる標準試料10Bは、最小測定領域中に、測定系1の空間分解能よりも小さい開口を適宜配置することで、遮光部の光透過率と最小測定領域の開口率とから、最小測定領域内の平均透過率を目的の透過率となるように構成される。この場合、前記開口を、校正対象の欠陥検査装置の空間分解能よりも十分に小さく形成することにより、この開口の形状などの影響を受けることなく、最小測定領域内の平均透過率を容易に設定することができる。
【0029】
より具体的には、図5(A)に示すように、基板11の一方の面に、異なる光透過率を有する複数の光透過帯51を完全遮光帯52を介して、矢印Yで示す移動方向Yに設けるのである。各光透過帯51は、同図(B)で示すように、複数の小さい光透過体ブロック53からなり、この例では、Y方向に3段の光透過体ブロック53がX方向に複数列配置されている。そして、各小光透過体ブロック53は、小さい遮光部54と、この中に形成される複数の小さい開口55とからなり、この開口55と遮光部54との比率を適宜設定することにより、最小測定領域中に、測定系1の分解能よりも小さい開口を適宜配置することで、遮光部54の光透過率と最小測定領域の開口率とから、最小測定領域内の平均透過率を目的の透過率となるように構成されている。また、完全遮光帯52は、Y方向において隣接する光透過帯51の光の影響を互いに受けないようにするものである。
【0030】
上記図5に示した標準試料10Bにおける総合の透過率(%)は、(bB+aA)で求めることができる。ここで、Aは標準試料10B全面における遮光部の透過率(%)、aはその遮光部の比率、bは標準試料10B全面における開口の開口率、Bはその開口の透過率(%)である。
【0031】
そして、光量と個々のセンサ素子4aの出力との関係がセンサ素子4aごとにどの程度ばらついているかなどの評価では、図5(A)に示した標準試料10Bを載置台3上に載せて、この標準試料10Bの背面から一様に光を照射し、そのときの透過光強度を欠陥検査装置によって測定するのである。この場合、標準試料10Bには、透過率の異なる複数の光透過帯51を完全遮光帯52を介して配置してあるので、それら透過率の異なる光透過帯51のセンサ素子4aにおける信号強度を各別に測定し、その測定結果を記録するのである。また、予め、完全遮光体52において0レベルとなり、全面開口部(遮光部54が全く形成されてない部分)において信号飽和レベルとなるように、光源強度を調整しておくのが好ましい。
【0032】
(C)測定系1の強度のコントラストの検出限界を評価するため
この評価に用いる標準試料10Cは、図6に示すように、MTFの測定に用いられるようなL&S配置の遮光部14と開口13とを交互に配列したL&S帯体61を、完全遮光帯62を介して複数形成する。このL&S帯体61における測定系1の走査方向Yにおける幅61yと完全遮光帯62における前記走査方向Yにおける幅62yは、1回の測定範囲(走査長さ)よりも長く設定されている。また、前記Y方向において隣接するL&S帯体61における遮光部14(開口13)の位置は、その幅の数分の1、例えば1/5ずつ右方向にずれている。以下、このようにして全ての遮光部14(開口13)が形成配置されている。これによって、ラインセンサ4の一つのセンサ素子4aに相当する領域が一つの遮光部14に丁度含まれる場合や、一部蹴られる場合などを創り出し、一つのセンサ素子4aと一つの遮光部14とがどのような対応関係にあっても、空間分解能の評価を行うことができる。
【0033】
なお、光学的な分解能が高くない場合、図4に示した標準試料10Aを用いた測定系1の各センサ素子4aの位置による感度分布と、図6に示した標準試料10Cを用いた測定系1の各センサ素子4aの位置による感度分布との間に差が現れるので、測定系1自体の評価ではなく、測定性能としての評価では、標準試料10Cによる測定の方が好ましい。
【0034】
そして、前記完全遮光帯62のY方向の幅62yが1回測定分の長さ以上に設定されていることにより、Y方向に隣接するL&S帯体61における相互の影響を除外されるとともに、測定していないL&S帯体61から発せられる回折光が標準試料10の基板11内で反射するなどして、測定中のL&S帯体61方向に照射される可能性が可及的に抑制されるといった効果が得られる。
【0035】
(D)欠陥検査装置の実測定能力を模擬的に評価するため、すなわち、欠陥検査装置の実際に検出したい問題点の検出性能を評価するため
例えば、LCDの点欠陥を測定するには、周囲との明るさ/色合い(以下、単に明るさという)の差または比の程度と一つのサンプル中の個数が注目されるので、明るさの差または比を模擬的に再現できればよい。以下、色合いを考えるときは、ラインセンサ4の分光感度をも勘案して透過率を決める。
【0036】
上述のように、周囲とのコントラストが問題となるので、図7(B)に示すように、実際に測定対象となるLCD素子(R,G,B素子)の1区画(以下、単に区画という)に相当する部分を遮光帯71で囲み、この内部の遮光部72に欠陥検査装置の空間分解能よりも小さくかつ光を透過させるための開口73を複数個形成して、透過率を適宜設定し、周囲とのコントラストを模擬的に再現した模擬欠陥70を形成する。この模擬欠陥70の周囲の遮光帯71は、LCD素子の1区画の周囲のブラックマトリックス部分と同じ大きさにするのが好ましい。
【0037】
そして、上記模擬欠陥70を、図7(A)に示すように、適宜の間隔をおいて縦横に配置して標準試料10Dとするが、この場合、図4に示した標準試料10Aと同様に、移動方向Yにいくにしたがって、模擬欠陥70のX方向の幅(長さ)分だけずれるように配置する。このように構成された標準試料10Dによれば、測定領域全幅での測定性能を評価することができる。なお、欠陥検出の限度を評価するだけなら、検出限界の模擬欠陥を場合のみを図4に示すように配置すればよい。
【0038】
なお、輝点系の点欠陥では、模擬欠陥の周囲は、上記図7(A)に示したように、全て遮光部とするが、滅点系の点欠陥では、模擬欠陥の周囲は全開口とする。また、中間性能をも含めて評価する場合には、模擬欠陥およびその周辺ともに種々の透過率の組み合わせとなる。例えば、模擬欠陥と周辺の透過率との比を一定にして明るさのレベルを変化させたり、模擬欠陥と周辺の透過率の差を一定にして明るさのレベルを変化させたりする。さらに、実際の測定を考えた場合、図4に示した標準試料10Aではなく、図7に示した標準試料10Dのように、模擬欠陥の大きさ(X方向の長さ)分だけずらした方がよい。
【0039】
ところで、LCDにおいては、線状欠陥や面状欠陥が生ずることがある。これらの欠陥の評価に用いる標準試料について、以下に、簡単に説明する。
【0040】
まず、線状欠陥の評価に用いる標準試料について
線状欠陥は、周囲との明るさ/色合いの差、比などの程度が注目される。周囲との明るさ/色合いの差または比、さらには、線状に並ぶ欠陥の長さや線状の欠陥中の明るさ/色合い分布などを模擬的に再現することができるものであればよく、最も単純には、点模擬欠陥を一列に並べた標準試料がよい。また、部分的に欠陥を間引いた場合や、点模擬欠陥にばらつきや位置による透過率の傾きをもたせるようにしてもよい。
【0041】
次に、面状欠陥の評価に用いる標準試料について
この面状欠陥は、光量/色合い変化の大きさと変化率、変化のある領域の大きさが注目される。したがって、標準試料としては、光量/色合いの変化量と変化率を模擬的に再現することができるものであればよい。例えば、相隣り合う区画ごとに透過率を一定の差や比で変化させながら、一点から放射状に透過率を低くするかまたは周辺へ向けて透過率を高くする。また、このとき、位置による透過率の平均は、一定の差や比で変化させながらもこれに一定のばらつきを加えることも重要である。これは、実際の測定対象には区画ごとのばらつきが存在するからである。
【0042】
図8は、面状欠陥の評価に用いる標準試料におけるパターンの例を示すものである。そして、透過率分布のパターンのほか、制御要素として、最大透過率と最小透過率との差または比、透過率の中央値などがある。
【0043】
また、切換え模様のある場合には、切換え部の明るさの差または比、繰り返し領域の中での最大差と最大比、変化の向きと形などがある。例えば、図8に示したようなパターンを全面の数分の1ごとに繰り返す(図9(A)参照)。
【0044】
そして、実際には、図9(B)にように、異なるパターンで変化するものが、例えばLCD基板のなかに存在することが少ないと考えられるので、単に、切換え部の有無の検出を評価すらためなら、図9(C)に示すように、一様で明るさの異なる標準試料を作成してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のFPDの欠陥検査装置を校正するための標準試料は、基板の一方の面上に遮光膜が形成されているとともに、この遮光膜には、校正対象であるフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置の空間分解能よりも小さく、かつ、光を透過または散乱させるための開口が形成されているので、最小測定領域ごとに光透過率を容易に設定することができ、欠陥検査装置における種々の表示状態を、誰もが簡単に創り出すことができ、欠陥検査装置の種々の基本的検査性能を再現性よく評価し、校正することができる。
【0046】
したがって、この発明によれば、欠陥検査装置の評価基準や調整基準を確立することができ、欠陥検査装置の性能の均一化とその維持を合理的に行うことができ、欠陥検査装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 欠陥検査装置の測定系の構成例を概略的に示す図である。
【図2】 前記測定系に組み込まれるラインセンサを模式的に示す図である。
【図3】 この発明のFPDの欠陥検査装置を校正するための標準試料の断面構成を概略的に示すもので、(A)は透過型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料であり、(B)は反射型LCDの欠陥検査装置校正用の標準試料である。
【図4】 標準試料におけるパターンの一例を示す図である。
【図5】 標準試料におけるパターンの他の例を示す図で、(A)は全体構成図、(B)は部分拡大図である。
【図6】 標準試料におけるパターンのさらに他の例を示す図である。
【図7】 標準試料におけるパターンの他の例を示す図で、(A)は全体構成図、(B)は部分拡大図である。
【図8】 面状欠陥を評価するための種々のパターンの例を示す図である。
【図9】 切換え模様のある面状欠陥を評価するための種々のパターンの例を示す図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C,10D…標準試料、11…基板、12…遮光膜、13…開口、20…標準試料、21…基板、22…遮光膜、23…開口。

Claims (3)

  1. 基板の一方の面上に遮光膜が形成されているとともに、この遮光膜には、校正対象であるフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置の空間分解能よりも小さく、かつ、光を透過または散乱させるための開口が形成されていることを特徴とするフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正するための標準試料。
  2. 前記開口を複数個有する測定領域が複数形成されており、これら測定領域ごとに異なる光の透過率に設定されている請求項1に記載のフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正するための標準試料。
  3. 請求項1または2に記載の標準試料を用いてフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置を校正する方法であって、前記標準試料の一方の面から一様に光を照射し、その光の透過光強度を欠陥検査装置によって測定することを特徴とするフラットパネルディスプレイの欠陥検査装置の校正方法。
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