JP4132879B2 - Short arc type discharge lamp electrode and short arc type discharge lamp - Google Patents

Short arc type discharge lamp electrode and short arc type discharge lamp Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放電灯、特に半導体集積回路(IC)等の露光装置に使用されるショートアーク型放電灯の電極およびショートアーク型放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC製造工程に必要な技術の1つとして、紫外線等の光線の照射により硬化するレジン(樹脂)を使用して、半導体基板上に希望するパターンを形成する露光技術がある。この露光技術で使用する露光装置には、一般にショートアーク型放電灯が使用されている。その中でも、最近のICデバイスの高集積化に伴い、放射波長が短い約365nmのi線を効率よく発生する放電灯が主流となっている。
【0003】
また、現在におけるIC技術の進歩は極めて早いので、IC製造には設備投資が大きく、かつ価格競争が極めて激しい。従って、製造コストの抑制がICメーカーの成功には不可欠であり、IC製造工程で使用される消耗品の1つであるショートアーク型放電灯についても長寿命化によるコスト低減の要求が厳しい。
【0004】
従来のショートアーク型放電灯の長寿命化の方法としては、放電灯を構成する電極等の部品または部材の形状変更や種々の処理が行われている。これにより、放電灯の照度維持率(点灯時間に対する照度低下率)の低下抑制や、i線の発光効率を向上させて露光面での照度を高めることにより実質的に放電灯の使用可能時間を延長させている。
【0005】
電極形状には、例えば特公昭39−11128号公報に記載されている点灯中の温度低下(放熱効果の向上)を狙ったヒートシンク構造(表面積増加)や特許第2601435号公報に記載されている電極表面に炭化タンタルとタングステンの混合物からなる多孔質層を形成する方法、または特許第2915368号公報に記載されている微粒子状タングステン焼結層を形成する方法等がある。また、放電灯内のガス対流を考慮し電極の温度分布を最適化するための電極形状の設計も近年取り入れられている。
【0006】
また、電極の処理方法については、電極表面の酸化膜層の除去を目的とした水素中の熱処理(還元処理)や、電極内部のガス出しを目的とした高真空中での熱処理が行われている。特に高真空中での熱処理はその温度がタングステンの再結晶化(結晶粒成長)の進行に影響し、これまでは1600〜2200℃で行っている。
【0007】
また、i線を利用するIC露光装置に使用されるショートアーク型放電灯は、i線の発光効率を高めるために、液晶表示パネルやプリント回路基板の露光装置等に通常使用されているショートアーク型放電灯に比較して、放電灯の発光管内に封入される水銀量を1/2〜1/10程度にすることが一般的に行われている。これにより、点灯中の発光管内部圧力が低くなり、放射輝度が低下するために、バッファガスとして封入される希ガスの圧力を高くしてこれを補う方法がとられている。例えば特開2001−135274号公報に記載されているように、放電灯の発光管内に封入される希ガスとして、キセノン、クリプトンまたはアルゴン等の高分子量の希ガスに、ヘリウムまたはネオン等の低分子量の希ガスを体積比で約5%〜40%混合し、これら混合希ガスの常温における圧力を2気圧以上としたショートアーク型放電灯が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の放電灯では長寿命化の要求に十分に応えることができなかった。特に、特開2001―135274号公報に記載されている放電灯においては、封入される混合希ガスの圧力が2気圧以上となるため、放射輝度が非常に高くなり、それに伴って電極温度も高くなる。点灯中の電極温度はアーク近傍の電極先端部が最も高く、アーク領域で最も放射輝度が高い位置(輝点)に位置する陰極先端部は約2400〜2700℃にも達する。
【0009】
一方、陰極素材は高融点金属であるタングステン(W)に、仕事関数を下げて放電特性を良くするための電子放射性物質である酸化トリウム(以下、ThO2と称する)を質量比で数%含有しているものを使用している。したがって、陰極温度が高くなると、陰極表面に存在するThO2が陰極表面から飛散しやすく、陰極表面から飛散したThO2は、放電空間にて酸素(O)が脱離する。そのため脱離した酸素(O)が陽極先端部に達し、陽極のタングステン(W)と結合し酸化タングステン(WO2)を形成する。この酸化タングステン(WO2)は、陽極のタングステン(W)の融点を低下させ、この融点の低下が、陽極温度の高い状態において、陽極先端部をえぐれてしまうほど著しく消耗させることになる。さらに、放電灯入力の高入力化に伴い、放電灯電流が増大し、陽極消耗を促進させ、時には陽極先端が凹凸した状態で変形し消耗するため、照度安定性を悪化させる原因となっていた。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題点を解決すべく創案されたもので、電極の消耗が軽減され、放電灯の照度維持率の低下が改善される長寿命の放電灯であって、発光効率が高く、照度安定性の良いショートアーク型放電灯の電極およびショートアーク型放電灯を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、発光管の内部に水銀と常温における圧力2気圧以上となる希ガスを封入して用いられるショートアーク型放電灯における前記発光管の内部に対向して配置される陰極と陽極からなる電極において、前記陰極が高融点金属にThO2をドーピングして形成されていると共に、その陰極の最表面から所定の深さまで形成したThO 2 が除去された脱二酸化トリウム層(以下、脱ThO2層と称する)を有するショートアーク型放電灯の電極として構成したものである。
【0012】
前記構成において、放電灯の点灯時に陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分のThO2が除去された脱ThO2層を有することにより、陰極の電子放射性は維持した状態で、陰極温度の上昇に起因した陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素(O)が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。
【0013】
前記課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、前記脱ThO2層の所定の深さが50〜100μmであるショートアーク型放電灯の電極として構成したものである。
【0014】
前記構成により、放電灯の点灯時に陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分(陰極最表面から50μmまでの部分)のThO2が除去されているので、放電灯の点灯時のThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。また、陰極内部には電子放射性のThO2が残存するので、陰極の放電特性は低下しない。
【0015】
前記課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、前記脱ThO2層が、放電灯組立時の高真空中での脱ThO2処理により形成され、その脱ThO2処理の温度が2300〜2900℃、時間が5〜360分であるショートアーク型放電灯の電極として構成したものである。
【0016】
前記構成により、放電灯の点灯時に陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分のThO2が、放電灯の組立時の熱処理により除去されるので、放電灯の点灯時のThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。また、陰極内部には電子放射性のThO2が残存するので、陰極の放電特性は低下しない。
【0017】
前記課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、発光管の内部に陰極と陽極を対向して配置し、前記発光管の内部空間に水銀と希ガスを封入し、前記希ガスが高分子量の希ガスに体積比で5%〜40%の低分子量の希ガスを混合し常温における圧力を2気圧以上としたショートアーク型放電灯において、前記陰極が高融点金属にThO2をドーピングして形成されていると共に、その陰極の最表面から所定の深さまで形成したThO 2 が除去された脱ThO2層を有するショートアーク型放電灯として構成したものである。
【0018】
前記の構成において、バッファガスとしての希ガスの圧力を2気圧以上とし、熱伝導率が高い低分子量の希ガスを体積比で5〜40%混合することにより、アークにより発生するi線の発光効率が向上する。また、放電灯の点灯時に陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分のThO2が除去された脱ThO2層が形成されていることにより、電子放射性は維持した状態で、陰極温度の上昇に起因した陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素(O)が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。
【0019】
前記課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、前記脱ThO2層の所定の深さが50〜100μmであるショートアーク型放電灯として構成したものである。
【0020】
前記構成により、放電灯の点灯時に陰極最表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分(陰極最表面から50μmまでの部分)のThO2が除去されているので、放電灯の点灯時のThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。また、陰極内部には電子放射性のThO2が残存するので、陰極の放電特性は低下しない。
【0021】
前記課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、前記脱ThO2層が、放電灯組立時の高真空中での脱ThO2処理により形成され、その脱ThO2処理の温度が2300〜2900℃、時間が5〜360分であるショートアーク型放電灯として構成したものである。
【0022】
前記構成により、放電灯の点灯時に陰極表面からのThO2の蒸発(飛散)の激しい部分のThO2が、放電灯の組立時の熱処理により除去されるので、放電灯の点灯時のThO2の蒸発(飛散)が減少し、ThO2から脱離する酸素が減少し、陽極におけるWO2の生成が抑制される。また、陰極内部には電子放射性のThO2が残存するので、放電特性は低下しない。
【0023】
前記課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、前記陰極と陽極の距離を一定にして対向配置し、前記陽極の先端部に凹部を設け、その凹部が陰極から放出される電子を受け止める点で発生する電界の強さを近づけるように形成したショートアーク型放電灯として構成したものである。
【0024】
前記構成により、放電灯の点灯時、陽極先端部の表面での電流密度が分散され、陰極から放出される電子の衝突によって弾き出される陽極構成物質の度合いが低下する。
【0025】
前記課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、前記陰極が、その先端部を除く位置に浸炭処理を施した浸炭部を形成したショートアーク型放電灯として構成したものである。
【0026】
前記構成により、浸炭部の位置ではThO2の還元が促進されると共に、ThO2の蒸発が抑制される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1(a)は本発明の好適な実施形態であるショートアーク型放電灯(以下、放電灯と称す)の切断側面図、(b)は放電灯の原理を説明するための電極の一部を断面にした正面図、(c)は電極の正面図、図2(a)(b)は陰極の構成を示す原理図、図3は放電灯の陰極最表面から陰極内部の深さ方向に対するThO2濃度の推移を熱処理温度別に説明するグラフ図、図4は放電灯の照度維持率の推移を説明するグラフ図、図5は放電灯の照度維持率の推移を説明するグラフ図である。
【0028】
図1(a)(b)(c)に示すように、放電灯20は、中央部が膨らんだ両端部に封止管6、7を有する発光管1と、この発光管1内に対向して配置された陰極2および陽極3と、これら電極2、3を支持する内部リード棒4、5と、外部電源(図示せず)に接続される外部リード棒10、11と、内部リード棒4、5を外部リード棒10、11にそれぞれ電気的に接続する金属箔8、9により構成され、封止管6、7内に内部リード棒4、5、金属箔8、9、外部リード棒10、11が封止されている。
【0029】
そして、発光管1の内部空間21には、約4.5mg/ccの水銀と、高分子量の希ガスに体積比で5〜40%の低分子量の希ガスを混合した常温における圧力を2気圧以上とした混合希ガスが封入されている。高分子量の希ガスとしてキセノン、クリプトン、アルゴンまたはこれらの混合ガスを使用し、低分子量の希ガスとしてヘリウムまたはネオンまたはこれらの混合ガスを使用する。そして、陽極3を上にして垂直な姿勢で点灯し、消費電力は3500Wで点灯している。
【0030】
発光管1は、例えば石英ガラス等の光透過性ガラス製である。陰極2は、電子放射性物質を含む高融点金属、例えばThO2を所定量含むタングステン製であり、陽極3と対向する先端は鋭角に形成され、陽極3の先端と約5.5mmの間隔L1で対向する。そして、陰極2の最表面から所定の深さd1まで形成した脱ThO2層2aを有する。一方、陽極3は、高融点金属、例えば、タングステン製であり、円柱状に形成され、陰極2と対向する直径D1約8mmの先端平坦部を有する。
【0031】
陰極2は、粉末状の高融点金属、例えばタングステンに、粉末状のトリウム(Th)を質量比約2%添加したものを焼結させることにより作製され、放電灯20の組立時に高真空中で熱処理することにより、その陰極最表面から所定の深さd1まで脱ThO2層2aが形成される。
【0032】
ここで、脱ThO2層2aの所定の深さd1は、寿命末期の放電灯における陰極最表面から深さ方向のThO2濃度を、あらかじめ予備実験において確認し、ThO2の蒸発(飛散)の激しい部分として設定する。本発明の放電灯20においては、後記する実施例の結果から、50〜100μmが好ましい。50μm未満ではThO2の蒸発(飛散)の激しい部分が残り、陽極3の消耗を抑制できない。また、100μmを超えると必要以上のThO2が陰極2から除去されることになり、陰極2の放電特性が低下する。
【0033】
さらに、陰極2の組立時の高真空中での熱処理条件も、各種の熱処理条件に対する陰極2のThO2の蒸発(飛散)量を、あらかじめ予備実験において確認し、その確認結果に基づいて設定される。具体的には、点灯時の陰極2の温度に近い熱処理温度で各種の熱処理条件を設定し、各種条件で陰極2を処理して、各条件毎に陰極最表面からの深さ方向のThO2濃度を測定する。そして、前記予備実験から設定された所定の深さd1までThO2が蒸発(飛散)する条件を、陰極2の組立時の熱処理条件として設定する。本発明の放電灯20においては、後記する実施例の結果から熱処理温度は2300〜2900℃が好ましく、より好ましくは2500〜2900℃、さらに好ましくは2700〜2900℃で、処理時間は5〜360分が好ましい。なお、処理時間は、前記設定熱処理温度範囲の中で高い温度で処理する場合には処理時間は短く、または設定熱処理温度範囲の中で低い温度で処理する場合には処理時間を長く行う。2300℃×5分未満ではThO2の蒸発(飛散)の激しい部分が残り、陽極3の消耗を抑制できない。また、2900℃×360分超えると必要以上のThO2が陰極2から除去されることになり、陰極2の放電特性が低下する。
【0034】
前記のように放電灯20を構成することにより、あらかじめ蒸発(飛散)の激しい陰極表面近傍のThO2が除去されるので、放電灯20の点灯時に陰極表面から蒸発(飛散)するThO2が減少し、ThO2から脱離する酸素(O)による陽極の消耗、あるいは陽極消耗による変形が抑制される。その結果、照度維持率が向上する。また、陰極内部には電子放射性のThO2が残存し、このThO2が陰極の仕事関数を下げるので、放電特性が低下せず照度安定性も良い。さらに、高分子量の希ガスに、これよりも熱伝導率が高い低分子量の希ガスが混合された混合希ガスが使用されることにより、アークにより発生するi線の発光効率が向上し、露光面での照度が高くなり発光効率が高くなり、照度安定性も良い。
【0035】
また、前記放電灯20は、図1(b)(c)に示すように、陰極2と陽極3の距離L1を一定に対向配置し、陽極3の先端部に凹部3Aを設け、その凹部3Aが陰極2から放出される電子を受け止める点で発生する電界の強さを近づけるように形成すのが好ましい。
【0036】
図1(b)に示すように陰極2の先端部を点電荷Qと考えたときに、陽極3の先端側の電界の強さは次式(1)で表される。
【0037】
E=Q/(4πε02)・・・式(1)
ただし、Eは電界強度、ε0は誘電率、Xは電極間の距離である。
【0038】
前記式(1)は、点電荷Qからの距離Xが遠いほど電界Eが強くなるという意味である。したがって陽極3の凹部3Aがない場合には、陽極3の中央部は周辺部より距離Xが短いので電界強度が弱くなる。そのため、陽極3の中央部では、電流密度が高くなり、陽極3の消耗が激しく、点灯時間が長くなるほど、その陽極3の中央部がくぼんだ形になってくると考えられる。
【0039】
しかしながら、図1(b)に示すように陽極3の先端部に凹部3Aを設けることにより、陽極3の中央部P0、周辺部P1の位置での距離X0、X1が等しくなり、それぞれの電界の強さが近づき、陽極3の表面での電流密度が分散される。これにより、点灯中、陰極2から放出される電子の衝突によって弾き出される陽極構成物質の度合いが低下し、陽極3の消耗が少なくなる。よって、放電灯の照度維持率も向上する。
【0040】
また、凹部3Aの形状を、陰極2と陽極3とを結ぶ中心線の周りに形成した回転面で形成し、その回転面を、円錐面、球面、楕円面、円筒面またはこれらを2以上組み合わせたものとすることや、同一異種の回転面形状で一方を他方よりも小さくあるいは大きくした状態で重ねた形状の凹部として形成しても良い。この回転面により、陰極2からの電子がその回転面に一様に入射でき、陽極3先端部がほぼ均等に消耗する。よって、照度維持率がさらに向上する。
【0041】
また、前記放電灯20は、図2(a)(b)に示すように、陰極2は、その先端部(非処理部B)を除く位置に浸炭処理を施して浸炭部2bを形成するのが好ましい。また、浸炭部2bは、陰極表面Aを表面脱炭処理することで形成した脱炭部2cを介して陰極表面Aから内部に入り込んだ位置に形成するのがより好ましい。
【0042】
浸炭部2bは、そのテーパ部Cの直径の大きさに係わりなく、陰極表面Aから陰極内部に、ほぼ一定の濃度分布で一定の厚みで形成され、また、その浸炭部2bの深さd2が、陰極表面Aから数ミクロンから数10ミクロンの範囲で陰極内部に向かって形成されている。さらに、その浸炭部2bの深さd2、長さL2は、陰極表面Aの不純物の付着防止できる深さ、長さであれば特に限定されるものではない。なお、浸炭部2bは、陰極6がタングステン(W)であれば、タングステンカーバイド(W2C)として構成される。
【0043】
また、浸炭処理が施されない先端部(非処理部B)は、アーク放電による温度上昇が激しい部分を示している。先端部に浸炭処理を施さない理由は、先端部にW2Cからなる浸炭部2bが形成されると、W2CはWより融点が低いため、アーク放電による温度上昇により陰極2の先端部が早期に消耗してしまうからである。
【0044】
浸炭部2bの形成手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、つぎのような方法が挙げられる。
(第1工程)塗布媒体の塗布及び乾燥工程
アルカリ系水硝子や、セラミックなどの焼結媒質中に黒鉛を混入した塗布媒体を、陰極2のテーパ部Cの非処理部Bを除く部分(処理部)に塗布した後、自然乾燥させる。焼結媒質として水溶液中に質量比で約10%の珪酸カリウムが混在する水硝子を使用するのが好ましい。
【0045】
(第2工程)塗布媒体の予備加熱工程
つぎに、自然乾燥した塗布媒体が付着した陰極2を、その塗布媒体の不純物が除去できる適正温度、(例えば前記の約10質量%の珪酸カリウムを含む水硝子を使用する場合には脱ガス処理として800℃前後の温度)で15分程度真空中、例えば7×10-3Pa{5×10-5Torr}の減圧下で加熱する。また、これらの塗布媒体に600〜1000℃の温度で5〜30分間予備加熱処理を行うことが不純物を除去する上で好ましい。
【0046】
(第3工程)焼結処理工程
そして、不純物が除去された塗布媒体の焼結温度、例えば1500〜1700℃の温度で、不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)、キセノン(Xe)中で15〜60分焼結処理を行う。上記の約10質量%の珪酸カリウムを含む水硝子からなる塗布媒体の場合には約1600℃で約30分程度加熱を行うことが好ましい。
【0047】
(第4工程)固形物の除去工程
このようにして、焼結処理を行うと陰極2上に形成された塗布媒体の被膜が完全に焼結して固形物となる。この固形物を例えば、ピンセット等を用いて陰極2から完全に剥離・除去する。この操作の際に陰極2の内部に炭素がわずかに浸炭する。
【0048】
(第5工程)浸炭処理工程
最後に、浸炭させる浸炭部2bの深さd2に対応させて真空中で加熱する。一般にこの浸炭処理は1800〜2300℃の温度で15〜60分、1.3×10-2Pa{1×10-4Torr}以下の減圧条件下で行う。例えば約1900℃、7×10-3Pa{5×10-5Torr}の減圧下で30分程度の浸炭処理を行うのが好ましい。この浸炭処理により、炭素が確実に陰極2の内部に拡散して浸炭して、均等な濃度分布の浸炭部2bを陰極表面Aから内部に深さd2(約数ミクロン)入った位置まで形成すると共に、表面の塗布媒体である水硝子を完全に除去することができる。
【0049】
また、表面脱炭処理は、前記(第5工程)浸炭処理工程の加熱時間を所定時間より長く、かつ加熱温度をより高温で処理することにより(例えば前記約1900℃、30分を約2000℃、60分)行われる。この表面脱炭処理により、炭素が存在しない脱炭部2cを陰極表面Aから距離d3(例えば2〜5μm)の間に形成し、この脱炭部2cを介して、浸炭部2bが陰極表面Aから距離d3だけ内側に入り込んだ位置に形成される。
【0050】
また、濃度の異なる黒鉛を混入した塗布媒体により前記(第1工程)〜(第5工程)の作業を繰り返し行うことで、浸炭部2bが、陰極2の深さ方向に向うにしたがって徐々に炭素の濃度分布が粗になるように構成し、または炭素の濃度分布が粗、密、粗となるように構成しても良い。さらに、陽極3についても前記陰極2と同様に、その先端部を除く位置に浸炭部2bを形成しても良い。
【0051】
さらに、陰極2への脱ThO2層2a、浸炭部2b(脱炭部2c含む)の形成順序は特に限定されないが、脱ThO2層の形成後、浸炭部2b(脱炭部2c含む)を形成するのが好ましい。
【0052】
この浸炭部2bを形成することにより、浸炭部2bの位置ではThO2の還元が促進されると共に、ThO2の蒸発が抑制され、これにより陰極2の消耗、変形が抑制され、照度維持率が向上する。また、脱炭部2cを形成することにより、陰極表面Aの不純物の残留を防止し、陰極2の消耗や破損を最小限に抑え、より照度維持率が向上する。さらに、浸炭部2bの炭素の濃度分布を変えることにより、陰極2の非処理部Bと浸炭部2bの境界線が渾然一体となるため、陰極2の強度が増し、電気抵抗や熱伝導率の値も向上するために放電灯の安定した使用を可能とする。
【0053】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例を用いて、さらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0054】
まず、本発明の陰極2に形成される脱ThO2層2aの所定の深さd1を設定するために、以下の予備実験1を行った。
(予備実験1)
試料として、所定の深さの脱ThO2層を有しない従来の放電灯(基準放電灯A、放電灯A1〜A3)を使用した。基準放電灯Aは水銀4.5mg/ccとキセノン(Xe)を常温における圧力1.0気圧で封入、放電灯A1〜A3は水銀4.5mg/ccとアルゴン(Ar)に体積比40%のネオン(Ne)を混合した混合希ガスを常温における圧力2.0気圧(放電灯A1)、5.0気圧(放電灯A2)、7.0気圧(放電灯A3)で封入し、それ以外の構成は図1(a)に示された本発明の放電灯20と同様とした。
寿命末期(点灯750時間後)の前記基準放電灯A、放電灯A1〜A3を破壊して陰極を取り出し、陰極を縦方向に切断して走査型電子顕微鏡(SEM)により陰極最表面からの深さによるThO2の濃度を測定した。点灯前の陰極、未使用の基準放電灯Aと比較した結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

Figure 0004132879
【0056】
前記の予備実験1の結果(表1)から、希ガスとして本発明と同様の混合希ガスを使用した放電灯A1〜A3においては、基準放電灯Aに比べて陰極表面近傍のThO2の蒸発(飛散)が激しく、特に陰極最表面から深さ50μmまでのThO2の蒸発(飛散)が激しいことが確認された。
【0057】
つぎに、前記予備実験1の結果に基づいて、陰極2にその最表面から深さ50μmまでの脱ThO2層2aを形成させるための高真空中での熱処理条件を設定するために、以下の予備実験2を行った。
(予備実験2)
質量比約2%のThO2を含むタングステンからなる陰極を、1600℃、2100℃、2300℃、2500℃、2700℃、2900℃、3100℃の各条件(熱処理時間60分)で高真空中(133×10-3〜133×10-6Pa{10-3〜10-6Torr})で熱処理した。熱処理後に陰極を縦方向に切断し走査型電子顕微鏡(SEM)により陰極表面層近傍のThO2の濃度を測定した。図3に陰極最表面層から陰極内部の深さ方向に対するThO2の濃度を熱処理温度別に示す。
【0058】
図3の結果から、高真空中の熱処理温度を2300℃以上にすることにより、陰極最表面層から陰極内部の深さ50μmまでのThO2を除去できることが確認された。
【0059】
前記の予備実験2の結果(図3)を踏まえて、高真空中で熱処理された陰極(脱ThO2層を有する陰極)を使用した放電灯について、IC露光装置の露光面での照度、照度安定性、照度維持率を測定した。ここで照度は、前記基準放電灯Aが照射した波長365nmの紫外線の初期における照度を1としたときの照度の比率であり、発光効率の指標となる。照度安定性については、25秒間の連続した照度測定中の照度の最高値と最低値の差を25秒間の平均照度で除した値である。照度維持率は、点灯時間750時間までの照度低下率である。
【0060】
(実施例1)
試料として、陰極、陽極の両者を高真空中(133×10-3〜133×10-6Pa{10-3〜10-6Torr})で熱処理温度2300〜3100℃の各条件(熱処理時間60分)で処理した放電灯B1〜B5を使用した。発光管の内部空間には水銀4.5mg/ccと混合希ガスを封入した。封入した混合希ガスは高分子量の希ガスをアルゴン(Ar)とし、低分子量の希ガスとしてネオン(Ne)を体積比で40%混合し、常温での封入圧力を5気圧とした。基準放電灯Bは、陰極、陽極の両者を熱処理温度2100℃で処理し、封入する水銀と混合希ガスは放電灯B1〜B5と同様とした。また、放電灯B1〜B5、基準放電灯Bは陽極先端部の凹部は設けず、前記以外の構成については図1に示された本発明の放電灯20と同様とした。表2に放電灯の照度、照度安定性の測定結果を示し、図4に照度維持率の測定結果を示す。
【0061】
【表2】
Figure 0004132879
【0062】
表2の結果から、陰極、陽極の両者の熱処理温度を2300〜2900℃に上げた放電灯B1〜B4の照度は、基準放電灯Bとは同等であった。また、放電灯B1〜B4の照度安定性は基準放電灯Bより良かった。しかし、熱処理温度を3100℃に上げた放電灯B5は基準放電灯Bと照度は同等だったが、照度安定性が悪化した。この原因としては、熱処理温度を3100℃まで上げてしまうと、陰極最表面から必要以上のThO2を除去してしまうために、陰極の電子放射性が低下して照度安定性が悪化したと考えられる。
【0063】
図4の結果から、放電灯B1〜B5の照度維持率は基準放電灯Bに比べ、放電灯B1〜B4が約3〜5%の向上を示し、照度安定性が悪化した放電灯B5は寿命に関しては放電灯B1〜B4と同等の向上が見られた。
【0064】
表2、図4の結果より、陰極の高真空中での熱処理温度は2300〜2900℃が良いことが確認された。また、この熱処理により脱ThO2層2aの所定の深さd1は、図3より50〜100μmになることが確認された。
【0065】
(実施例2)
試料として、図1(c)に示すように陽極3の先端部に凹部3Aを設けた放電灯C1〜C4を使用した。陽極3の先端平坦部直径D1を8mm、凹部3Aの直径D2を6mm、凹部3Aの深さHを1mm、電極間距離L1を5.5mmとした。前記以外の構成については前記放電灯B1〜B4と同様である。表3に照度、照度安定性の測定結果、図5に照度維持率の測定結果を示す。その結果、放電灯C1〜C4は、基準放電灯Bに対し、照度が高く、照度安定性が良かった。また、照度維持率は約16%向上した。
【0066】
【表3】
Figure 0004132879
【0067】
【発明の効果】
前記に説明したように本発明のショートアーク型放電灯の電極およびショートアーク型放電灯は、希ガスが常温における圧力2気圧以上で封入されたショートアーク型放電灯において、陰極が高融点金属にThO2をドーピングして形成されていると共に、その陰極最表面から所定の深さまで形成した脱ThO2層を有し、また、その脱ThO2層の所定の深さが50〜100μmであり、放電灯の組立時に高真空中で2300〜2900℃、5〜360分の熱処理により形成されることにより、陽極の消耗、変形が抑制され、放電灯の照度維持率の低下が改善される。また、放電灯の発光効率も高く、照度安定性も良くなる。
【0068】
また、本発明のショートアーク型放電灯は、希ガスが常温における圧力2気圧以上で封入され、陽極の先端部に凹部を設け、その凹部が陰極から放出される電子を受け止める点で発生する電界の強さを近づけるように形成したことにより、さらに陽極の消耗、変形が抑制され、放電灯の照度維持率の低下が改善される。また、放電灯の発光効率も高く、照度安定性も良くなる。
【0069】
また、本発明のショートアーク型放電灯は、希ガスが常温における圧力2気圧以上で封入され、陰極が、その先端部を除く位置に浸炭部を形成したことにより、さらに陽極の消耗、変形が抑制され、放電灯の照度維持率の低下が改善される。また、放電灯の発光効率も高く、照度安定性も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の好適な実施形態であるショートアーク型放電灯の切断側面図、(b)は放電灯の原理を説明するための電極の一部を断面にした正面図、(c)は電極の正面図である。
【図2】(a)(b)本発明の陰極の構成を示す原理図である。
【図3】放電灯の陰極最表面から陰極内部の深さ方向に対するThO2濃度の推移を熱処理温度別に説明するグラフ図である。
【図4】本発明の放電灯の照度維持率の推移を説明するグラフ図である。
【図5】本発明の放電灯の照度維持率の推移を説明するグラフ図である。
【符号の説明】
1 発光管
2 陰極
2a 脱二酸化トリウム層
2b 浸炭部
2c 脱炭部
3 陽極
3A 凹部
4、5 内部リード棒
6、7 封止管
8、9 金属箔
10、11 外部リード棒
20 放電管
21 内部空間
A 陰極表面
B 非処理部
C テーパ部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a discharge lamp, and more particularly to an electrode of a short arc type discharge lamp and a short arc type discharge lamp used in an exposure apparatus such as a semiconductor integrated circuit (IC).
[0002]
[Prior art]
As one of the techniques required for the IC manufacturing process, there is an exposure technique for forming a desired pattern on a semiconductor substrate using a resin (resin) that is cured by irradiation with light such as ultraviolet rays. In general, a short arc type discharge lamp is used for an exposure apparatus used in this exposure technique. Among them, with the recent high integration of IC devices, discharge lamps that efficiently generate i-line with a short radiation wavelength of about 365 nm have become mainstream.
[0003]
In addition, since the progress of IC technology at present is very fast, capital investment for IC manufacturing is large and price competition is extremely fierce. Therefore, suppression of manufacturing costs is essential for the success of IC manufacturers, and there is a severe demand for cost reduction by extending the life of short arc discharge lamps that are one of the consumables used in the IC manufacturing process.
[0004]
As a conventional method for extending the life of a short arc type discharge lamp, the shape change of parts or members such as electrodes constituting the discharge lamp or various treatments are performed. As a result, it is possible to substantially reduce the usable time of the discharge lamp by suppressing the decrease in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp (the illuminance reduction rate with respect to the lighting time) and increasing the illuminance on the exposure surface by improving the light emission efficiency of i-line. It is extended.
[0005]
Examples of the electrode shape include a heat sink structure (increase in surface area) aimed at lowering the temperature during lighting (improving the heat radiation effect) described in Japanese Patent Publication No. 39-11128, and an electrode described in Japanese Patent No. 2601435 There are a method of forming a porous layer made of a mixture of tantalum carbide and tungsten on the surface, a method of forming a particulate tungsten sintered layer described in Japanese Patent No. 2915368, and the like. In recent years, an electrode shape design for optimizing the electrode temperature distribution in consideration of gas convection in the discharge lamp has also been adopted.
[0006]
As for the electrode processing method, heat treatment in hydrogen (reduction treatment) for the purpose of removing the oxide film layer on the electrode surface and heat treatment in a high vacuum for the purpose of outgassing inside the electrode are performed. Yes. In particular, the heat treatment in a high vacuum affects the progress of recrystallization (crystal grain growth) of tungsten, and has been performed at 1600 to 2200 ° C. until now.
[0007]
In addition, short arc discharge lamps used in IC exposure apparatuses that use i-line are short arcs that are normally used in liquid crystal display panels, printed circuit board exposure apparatuses, and the like, in order to increase i-line emission efficiency. In general, the amount of mercury sealed in the arc tube of the discharge lamp is reduced to about 1/2 to 1/10 as compared with the type discharge lamp. As a result, the pressure inside the arc tube during lighting is lowered and the radiance is lowered. Therefore, a method of compensating for this by increasing the pressure of the rare gas sealed as the buffer gas is employed. For example, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-135274, as a rare gas sealed in the arc tube of a discharge lamp, a high molecular weight rare gas such as xenon, krypton, or argon is used, and a low molecular weight such as helium or neon is used. A short arc discharge lamp has been proposed in which about 5% to 40% of the rare gas is mixed in a volume ratio, and the pressure of the mixed rare gas at room temperature is 2 atm or more.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-mentioned discharge lamp cannot fully meet the demand for longer life. In particular, in the discharge lamp described in Japanese Patent Laid-Open No. 2001-135274, since the pressure of the mixed rare gas to be sealed is 2 atm or more, the radiance is very high, and the electrode temperature is also increased accordingly. Become. The electrode temperature during lighting is highest at the electrode tip near the arc, and the cathode tip located at the highest radiance (bright spot) in the arc region reaches about 2400 to 2700 ° C.
[0009]
  On the other hand, the cathode material is an electron-emitting material for lowering the work function and improving the discharge characteristics to tungsten (W), which is a refractory metal.twoThorium oxide (hereinafter ThO)2In a mass ratio of several percent). Therefore, when the cathode temperature increases, ThO present on the cathode surface is present.2Easily scattered from the cathode surface, and ThO scattered from the cathode surface2, Oxygen (O) is desorbed in the discharge space. Therefore, the desorbed oxygen (O) reaches the tip of the anode and combines with tungsten (W) of the anode to form tungsten oxide (WO2). This tungsten oxide (WO2) Lowers the melting point of tungsten (W) of the anode, and the lowering of the melting point is consumed so much that the tip of the anode is swept away at a high anode temperature. Furthermore, as the input of the discharge lamp is increased, the discharge lamp current increases, the anode wear is accelerated, and sometimes the anode tip is deformed and consumed in a concavo-convex state, causing deterioration in illuminance stability. .
[0010]
Therefore, the present invention was devised to solve such problems, and is a long-life discharge lamp in which the consumption of electrodes is reduced and the decrease in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp is improved. An object of the present invention is to provide a short arc type discharge lamp electrode and a short arc type discharge lamp having high efficiency and good illuminance stability.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
  In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 is characterized in that mercury and mercury are contained inside the arc tube.Pressure at room temperature is 2 atm or moreIn an electrode composed of a cathode and an anode disposed facing the inside of the arc tube in a short arc type discharge lamp used with a rare gas sealed, the cathode is made of ThO with a high melting point metal.2Formed from the outermost surface of the cathode to a predetermined depth.ThO 2 Has been removedThorium dioxide removal layer (hereinafter, ThO removal)2It is configured as an electrode of a short arc type discharge lamp having a layer).
[0012]
In the above configuration, ThO from the cathode surface when the discharge lamp is turned on.2ThO in the part where the evaporation (spattering) is intense2Removed ThO2By having a layer, while maintaining the electron emission of the cathode, ThO from the cathode surface due to the rise in cathode temperature.2Evaporation (scattering) of2Oxygen (O) desorbed from the anode decreases, and WO at the anode2Generation is suppressed.
[0013]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 2 provides the de-ThO.2It is configured as an electrode of a short arc type discharge lamp having a predetermined depth of the layer of 50 to 100 μm.
[0014]
With the above configuration, ThO from the cathode surface when the discharge lamp is turned on.2ThO in a portion where the evaporation (scattering) of the electrode is intense (portion from the cathode outermost surface to 50 μm)2Is removed, so ThO when the discharge lamp is turned on2Evaporation (scattering) of2The oxygen desorbed from the2Generation is suppressed. Also, inside the cathode is electron-emitting ThO.2Therefore, the discharge characteristics of the cathode do not deteriorate.
[0015]
  In order to solve the above-described problem, the invention according to claim 3 provides the de-ThO.2Layer is ThO removed in high vacuum during discharge lamp assembly2Formed by the treatment, its ThO2Processing temperature is 2300-2900 ° C, Time 5 to 360 minutesIt is comprised as an electrode of the short arc type discharge lamp which is.
[0016]
With the above configuration, ThO from the cathode surface when the discharge lamp is turned on.2ThO in the part where the evaporation (spattering) is intense2Is removed by heat treatment during the assembly of the discharge lamp, so that the ThO when the discharge lamp is turned on2Evaporation (scattering) of2The oxygen desorbed from the2Generation is suppressed. Also, inside the cathode is electron-emitting ThO.2Therefore, the discharge characteristics of the cathode do not deteriorate.
[0017]
  In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to claim 4 is characterized in that a cathode and an anode are arranged opposite to each other inside an arc tube, and mercury and a rare gas are sealed in the interior space of the arc tube, Is a short arc discharge lamp in which a low molecular weight rare gas having a volume ratio of 5% to 40% is mixed with a high molecular weight rare gas and the pressure at room temperature is 2 atm or more.2Formed from the outermost surface of the cathode to a predetermined depth.ThO 2 Has been removedDe-ThO2It is configured as a short arc type discharge lamp having a layer.
[0018]
In the above-described configuration, the pressure of the rare gas as the buffer gas is set to 2 atm or more, and the low molecular weight rare gas having a high thermal conductivity is mixed by 5 to 40% by volume, thereby emitting the i-line generated by the arc. Efficiency is improved. In addition, ThO from the cathode surface when the discharge lamp is turned on.2ThO in the part where the evaporation (spattering) is intense2Removed ThO2Since the layer is formed, the electron emission is maintained, and ThO from the cathode surface due to the rise in cathode temperature is maintained.2Evaporation (scattering) of2Oxygen (O) desorbed from the anode decreases, and WO at the anode2Generation is suppressed.
[0019]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 5 provides the de-ThO.2This is a short arc type discharge lamp having a predetermined depth of 50 to 100 μm.
[0020]
With the above configuration, the ThO from the outermost surface of the cathode when the discharge lamp is turned on.2ThO in a portion where the evaporation (scattering) of the electrode is intense (portion from the cathode outermost surface to 50 μm)2Is removed, so ThO when the discharge lamp is turned on2Evaporation (scattering) of2The oxygen desorbed from the2Generation is suppressed. Also, inside the cathode is electron-emitting ThO.2Therefore, the discharge characteristics of the cathode do not deteriorate.
[0021]
  In order to solve the above-described problem, the invention according to claim 6 provides the de-ThO.2Layer is ThO removed in high vacuum during discharge lamp assembly2Formed by the treatment, its ThO2Processing temperature is 2300-2900 ° C, Time 5 to 360 minutesThis is a short arc type discharge lamp.
[0022]
With the above configuration, ThO from the cathode surface when the discharge lamp is turned on.2ThO in the part where the evaporation (spattering) is intense2Is removed by heat treatment during the assembly of the discharge lamp, so that the ThO when the discharge lamp is turned on2Evaporation (scattering) of2The oxygen desorbed from the2Generation is suppressed. Also, inside the cathode is electron-emitting ThO.2Therefore, the discharge characteristics do not deteriorate.
[0023]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 7 is arranged such that the distance between the cathode and the anode is fixed and arranged opposite to each other, and a recess is provided at the tip of the anode, and the recess is emitted from the cathode. It is configured as a short arc type discharge lamp formed so that the strength of the electric field generated at the point of receiving the light is close.
[0024]
With the above configuration, when the discharge lamp is turned on, the current density on the surface of the anode tip is dispersed, and the degree of the anode constituent material ejected by the collision of electrons emitted from the cathode is reduced.
[0025]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention described in claim 8 is configured as a short arc type discharge lamp in which the cathode is formed with a carburized portion subjected to carburizing treatment at a position excluding its tip.
[0026]
With the above configuration, ThO is provided at the carburized portion.2Is promoted, and ThO2The evaporation of is suppressed.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1A is a cut side view of a short arc type discharge lamp (hereinafter referred to as a discharge lamp) which is a preferred embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a part of an electrode for explaining the principle of the discharge lamp. (C) is a front view of the electrode, FIGS. 2 (a) and 2 (b) are principle diagrams showing the configuration of the cathode, and FIG. 3 is a view from the cathode outermost surface of the discharge lamp to the depth direction inside the cathode. ThO2FIG. 4 is a graph for explaining the change in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp, and FIG. 5 is a graph for explaining the change in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp.
[0028]
As shown in FIGS. 1A, 1B, and 1C, the discharge lamp 20 is opposed to the arc tube 1 having the seal tubes 6 and 7 at both ends of which the central portion swells, and the inside of the arc tube 1. The cathode 2 and the anode 3 arranged in this manner, the inner lead rods 4 and 5 that support these electrodes 2 and 3, the outer lead rods 10 and 11 connected to an external power source (not shown), and the inner lead rod 4 5 is constituted by metal foils 8 and 9 which are electrically connected to the external lead rods 10 and 11, respectively, and the inner lead rods 4 and 5, the metal foils 8 and 9 and the external lead rod 10 are disposed in the sealing tubes 6 and 7. 11 are sealed.
[0029]
In the inner space 21 of the arc tube 1, the pressure at normal temperature in which about 4.5 mg / cc of mercury and a high molecular weight rare gas are mixed with a low molecular weight rare gas having a volume ratio of 5 to 40% is 2 atm. The above mixed rare gas is enclosed. Xenon, krypton, argon, or a mixed gas thereof is used as the high molecular weight rare gas, and helium, neon, or a mixed gas thereof is used as the low molecular weight rare gas. The light is lit in a vertical posture with the anode 3 facing up, and the power consumption is lit at 3500 W.
[0030]
The arc tube 1 is made of light transmissive glass such as quartz glass. The cathode 2 is a refractory metal containing an electron-emitting material, such as ThO.2The tip facing the anode 3 is formed at an acute angle, and faces the tip of the anode 3 at a distance L1 of about 5.5 mm. Then, de-ThO formed from the outermost surface of the cathode 2 to a predetermined depth d12It has a layer 2a. On the other hand, the anode 3 is made of a high melting point metal, for example, tungsten, is formed in a cylindrical shape, and has a flat tip portion having a diameter D1 of about 8 mm facing the cathode 2.
[0031]
The cathode 2 is produced by sintering a powdery refractory metal such as tungsten to which powdered thorium (Th) is added at a mass ratio of about 2%, and is assembled in a high vacuum when the discharge lamp 20 is assembled. By performing the heat treatment, the ThO is removed from the outermost surface of the cathode to a predetermined depth d1.2Layer 2a is formed.
[0032]
Here, de-ThO2The predetermined depth d1 of the layer 2a is ThO in the depth direction from the cathode outermost surface in the discharge lamp at the end of life.2Concentration is confirmed in a preliminary experiment in advance, and ThO2It is set as a part where the evaporation (scattering) is intense. In the discharge lamp 20 of this invention, 50-100 micrometers is preferable from the result of the Example mentioned later. ThO below 50 μm2A portion where the evaporation (scattering) of the anode is intense remains, and consumption of the anode 3 cannot be suppressed. Moreover, when it exceeds 100 μm, it is more than necessary ThO.2Will be removed from the cathode 2, and the discharge characteristics of the cathode 2 will deteriorate.
[0033]
Furthermore, the heat treatment conditions in the high vacuum at the time of assembling the cathode 2 are the ThO of the cathode 2 for various heat treatment conditions.2The amount of evaporation (scattering) is confirmed in advance in a preliminary experiment, and is set based on the confirmation result. Specifically, various heat treatment conditions are set at a heat treatment temperature close to the temperature of the cathode 2 at the time of lighting, the cathode 2 is treated under various conditions, and ThO in the depth direction from the cathode outermost surface for each condition.2Measure the concentration. Then, ThO is obtained up to a predetermined depth d1 set from the preliminary experiment.2Is set as a heat treatment condition when the cathode 2 is assembled. In the discharge lamp 20 of the present invention, the heat treatment temperature is preferably 2300 to 2900 ° C., more preferably 2500 to 2900 ° C., further preferably 2700 to 2900 ° C., and the treatment time is 5 to 360 minutes from the results of Examples described later. Is preferred. The processing time is short when processing at a high temperature within the set heat treatment temperature range, or is long when processing at a low temperature within the set heat treatment temperature range. ThO at less than 2300 ° C x 5 minutes2A portion where the evaporation (scattering) of the anode is intense remains, and consumption of the anode 3 cannot be suppressed. Also, if it exceeds 2900 ° C x 360 minutes, it is more than necessary ThO2Will be removed from the cathode 2, and the discharge characteristics of the cathode 2 will deteriorate.
[0034]
By configuring the discharge lamp 20 as described above, ThO in the vicinity of the cathode surface where the evaporation (scattering) is intense in advance.2Is removed from the cathode surface when the discharge lamp 20 is turned on.2Decreased, ThO2Consumption of the anode due to oxygen (O) desorbed from the substrate or deformation due to anode consumption is suppressed. As a result, the illuminance maintenance rate is improved. Also, inside the cathode is electron-emitting ThO.2Remains, this ThO2Lowers the work function of the cathode, so the discharge characteristics do not deteriorate and the illuminance stability is good. Furthermore, by using a mixed rare gas in which a high molecular weight rare gas is mixed with a low molecular weight rare gas having a higher thermal conductivity than this, the luminous efficiency of i-line generated by the arc is improved, and exposure is performed. The illuminance on the surface increases, the luminous efficiency increases, and the illuminance stability is also good.
[0035]
In addition, as shown in FIGS. 1B and 1C, the discharge lamp 20 has a constant distance L1 between the cathode 2 and the anode 3, and is provided with a recess 3A at the tip of the anode 3, and the recess 3A. Is preferably formed so that the strength of the electric field generated at the point of receiving the electrons emitted from the cathode 2 is close.
[0036]
When the tip of the cathode 2 is considered as a point charge Q as shown in FIG. 1B, the electric field strength on the tip of the anode 3 is expressed by the following equation (1).
[0037]
E = Q / (4πε0X2) ... Formula (1)
Where E is the electric field strength and ε0Is the dielectric constant, and X is the distance between the electrodes.
[0038]
The equation (1) means that the electric field E increases as the distance X from the point charge Q increases. Therefore, when there is no concave portion 3A of the anode 3, the central portion of the anode 3 has a shorter distance X than the peripheral portion, so that the electric field strength is weakened. Therefore, it is considered that the central portion of the anode 3 becomes concave as the current density increases, the exhaustion of the anode 3 is severe, and the lighting time becomes longer.
[0039]
However, as shown in FIG. 1B, the central portion P of the anode 3 is provided by providing a recess 3A at the tip of the anode 3.0, Peripheral part P1Distance X at the position0, X1Are equal, the strength of each electric field approaches, and the current density on the surface of the anode 3 is dispersed. As a result, during lighting, the degree of the anode constituent material ejected by the collision of electrons emitted from the cathode 2 is reduced, and the consumption of the anode 3 is reduced. Therefore, the illuminance maintenance rate of the discharge lamp is also improved.
[0040]
The shape of the recess 3A is formed by a rotating surface formed around the center line connecting the cathode 2 and the anode 3, and the rotating surface is a conical surface, a spherical surface, an elliptical surface, a cylindrical surface, or a combination of two or more of these. Alternatively, it may be formed as a concave portion having a shape of the same type of rotating surface and overlapping one in a state of being smaller or larger than the other. With this rotating surface, electrons from the cathode 2 can uniformly enter the rotating surface, and the tip of the anode 3 is consumed almost uniformly. Therefore, the illuminance maintenance rate is further improved.
[0041]
2 (a) and 2 (b), the cathode 2 is subjected to a carburizing process at a position excluding its tip (non-treated portion B) to form a carburized portion 2b. Is preferred. Moreover, it is more preferable that the carburized portion 2b is formed at a position entering the inside from the cathode surface A through a decarburized portion 2c formed by subjecting the cathode surface A to surface decarburization.
[0042]
The carburized portion 2b is formed from the cathode surface A to the inside of the cathode with a constant thickness regardless of the diameter of the tapered portion C, and the depth d2 of the carburized portion 2b is constant. The cathode surface A is formed in the range of several microns to several tens of microns toward the inside of the cathode. Further, the depth d2 and the length L2 of the carburized portion 2b are not particularly limited as long as the depth and length can prevent adhesion of impurities on the cathode surface A. Note that the carburized portion 2b has tungsten carbide (W) if the cathode 6 is tungsten (W).2C).
[0043]
Moreover, the front-end | tip part (non-processing part B) where a carburizing process is not shown has shown the part where the temperature rise by arc discharge is intense. The reason for not carburizing the tip is W2When the carburized portion 2b made of C is formed, W2This is because C has a melting point lower than that of W, so that the tip of the cathode 2 is quickly consumed due to a temperature rise caused by arc discharge.
[0044]
The means for forming the carburized portion 2b is not particularly limited, and examples thereof include the following method.
(First step) Coating medium coating and drying step
An application medium in which graphite is mixed in a sintering medium such as alkaline water glass or ceramic is applied to a portion (processing portion) of the taper portion C of the cathode 2 excluding the non-processing portion B, and then naturally dried. It is preferable to use a water glass in which about 10% potassium silicate is mixed in an aqueous solution as a sintering medium.
[0045]
(Second step) Preheating step of coating medium
Next, the cathode 2 to which the air-dried coating medium is adhered is subjected to an appropriate temperature at which impurities of the coating medium can be removed (for example, degassing treatment when water glass containing about 10% by mass of potassium silicate is used. As a temperature around 800 ° C.) in a vacuum for about 15 minutes, for example 7 × 10-3Pa {5 × 10-FiveHeat under reduced pressure of Torr}. Further, it is preferable to perform a preheating treatment on these coating media at a temperature of 600 to 1000 ° C. for 5 to 30 minutes in order to remove impurities.
[0046]
(Third step) Sintering step
Then, sintering is performed in an inert gas such as argon (Ar) or xenon (Xe) for 15 to 60 minutes at a sintering temperature of the coating medium from which impurities are removed, for example, 1500 to 1700 ° C. In the case of a coating medium made of water glass containing about 10% by mass of potassium silicate, heating is preferably performed at about 1600 ° C. for about 30 minutes.
[0047]
(Fourth step) Solid matter removal step
In this manner, when the sintering process is performed, the coating medium coating formed on the cathode 2 is completely sintered to become a solid material. This solid material is completely peeled and removed from the cathode 2 using tweezers, for example. During this operation, carbon is slightly carburized inside the cathode 2.
[0048]
(5th process) Carburizing process
Finally, it heats in vacuum corresponding to the depth d2 of the carburizing part 2b to be carburized. Generally, this carburizing process is performed at a temperature of 1800 to 2300 ° C. for 15 to 60 minutes, 1.3 × 10-2Pa {1 × 10-FourTorr} under reduced pressure conditions. For example, about 1900 ° C, 7 x 10-3Pa {5 × 10-FiveCarburizing treatment is preferably performed for about 30 minutes under a reduced pressure of Torr}. By this carburizing treatment, the carbon is surely diffused and carburized inside the cathode 2, and a carburized portion 2b having a uniform concentration distribution is formed from the cathode surface A to a position where the depth d2 (about several microns) enters inside. At the same time, the water glass that is the coating medium on the surface can be completely removed.
[0049]
Further, the surface decarburization treatment is performed by treating the heating time of the (fifth step) carburizing treatment step longer than a predetermined time and at a higher heating temperature (for example, about 1900 ° C. and 30 minutes about 2000 ° C. 60 minutes). By this surface decarburization treatment, a decarburized portion 2c free from carbon is formed at a distance d3 (for example, 2 to 5 μm) from the cathode surface A, and the carburized portion 2b is formed on the cathode surface A via the decarburized portion 2c. Is formed at a position entering the inside by a distance d3.
[0050]
Further, by repeatedly performing the operations (first step) to (fifth step) with a coating medium mixed with graphite having different concentrations, the carburized portion 2b gradually becomes carbon as it goes in the depth direction of the cathode 2. Alternatively, the carbon concentration distribution may be coarse, or the carbon concentration distribution may be coarse, dense, or coarse. Further, similarly to the cathode 2, the carburized portion 2 b may be formed at a position excluding the tip portion of the anode 3.
[0051]
Further, removal of ThO to the cathode 22Although the formation order of the layer 2a and the carburized part 2b (including the decarburized part 2c) is not particularly limited,2It is preferable to form the carburized portion 2b (including the decarburized portion 2c) after the formation of the layer.
[0052]
By forming this carburized portion 2b, at the position of the carburized portion 2b, ThO.2Is promoted, and ThO2Evaporation is suppressed, and consumption and deformation of the cathode 2 are suppressed, and the illuminance maintenance rate is improved. In addition, by forming the decarburized portion 2c, the impurities on the cathode surface A are prevented from remaining, the consumption and damage of the cathode 2 are minimized, and the illuminance maintenance rate is further improved. Further, by changing the carbon concentration distribution in the carburized portion 2b, the boundary line between the non-processed portion B and the carburized portion 2b of the cathode 2 becomes unifying, so the strength of the cathode 2 increases, and the electrical resistance and thermal conductivity are increased. Since the value is also improved, the discharge lamp can be used stably.
[0053]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail using examples. In addition, this invention is not limited to an Example.
[0054]
First, the removal of ThO formed on the cathode 2 of the present invention.2In order to set a predetermined depth d1 of the layer 2a, the following preliminary experiment 1 was performed.
(Preliminary experiment 1)
As a sample, ThO with a predetermined depth2Conventional discharge lamps having no layers (reference discharge lamp A, discharge lamps A1 to A3) were used. The reference discharge lamp A is filled with mercury 4.5 mg / cc and xenon (Xe) at a pressure of 1.0 atm. The discharge lamps A1 to A3 are mercury 4.5 mg / cc and argon (Ar) with a volume ratio of 40%. A mixed rare gas mixed with neon (Ne) is sealed at normal pressures of 2.0 atm (discharge lamp A1), 5.0 atm (discharge lamp A2), 7.0 atm (discharge lamp A3), The configuration was the same as that of the discharge lamp 20 of the present invention shown in FIG.
The reference discharge lamp A and the discharge lamps A1 to A3 at the end of life (after lighting 750 hours) are destroyed, the cathode is taken out, the cathode is cut in the longitudinal direction, and the depth from the outermost surface of the cathode is measured by a scanning electron microscope (SEM) ThO by Sa2The concentration of was measured. Table 1 shows the result of comparison with the cathode before lighting and the unused reference discharge lamp A.
[0055]
[Table 1]
Figure 0004132879
[0056]
From the results of the preliminary experiment 1 (Table 1), in the discharge lamps A1 to A3 using the mixed rare gas similar to the present invention as the rare gas, the ThO near the cathode surface compared to the reference discharge lamp A.2Vaporization (scattering) is severe, especially ThO from the cathode outermost surface to a depth of 50 μm2It was confirmed that the evaporation (scattering) of the material was intense.
[0057]
Next, based on the result of the preliminary experiment 1, the cathode 2 was removed from the outermost surface to a depth of 50 μm.2In order to set the heat treatment conditions in high vacuum for forming the layer 2a, the following preliminary experiment 2 was performed.
(Preliminary experiment 2)
ThO with a mass ratio of about 2%2In a high vacuum (133 × 10 6) under the conditions of 1600 ° C., 2100 ° C., 2300 ° C., 2500 ° C., 2700 ° C., 2900 ° C. and 3100 ° C. (heat treatment time 60 minutes).-3~ 133 × 10-6Pa {10-3-10-6Torr}). After the heat treatment, the cathode is cut in the longitudinal direction, and ThO in the vicinity of the cathode surface layer is scanned by a scanning electron microscope (SEM).2The concentration of was measured. FIG. 3 shows ThO from the cathode outermost surface layer to the depth direction inside the cathode.2The concentration is shown for each heat treatment temperature.
[0058]
From the result of FIG. 3, by setting the heat treatment temperature in high vacuum to 2300 ° C. or higher, ThO from the cathode outermost surface layer to the depth of 50 μm inside the cathode2It was confirmed that can be removed.
[0059]
Based on the result of the preliminary experiment 2 (FIG. 3), the cathode (de-ThOO) heat-treated in a high vacuum.2For a discharge lamp using a cathode having a layer, the illuminance, illuminance stability, and illuminance maintenance ratio on the exposure surface of the IC exposure apparatus were measured. Here, the illuminance is a ratio of the illuminance when the illuminance at the initial stage of the ultraviolet light with a wavelength of 365 nm irradiated by the reference discharge lamp A is 1, and serves as an index of luminous efficiency. The illuminance stability is a value obtained by dividing the difference between the maximum value and the minimum value of illuminance during continuous illuminance measurement for 25 seconds by the average illuminance for 25 seconds. The illuminance maintenance rate is an illuminance reduction rate up to 750 hours of lighting time.
[0060]
Example 1
As a sample, both the cathode and the anode were placed in a high vacuum (133 × 10-3~ 133 × 10-6Pa {10-3-10-6Torr}), discharge lamps B1 to B5 treated under various conditions (heat treatment time 60 minutes) at a heat treatment temperature of 2300 to 3100 ° C. were used. The inner space of the arc tube was filled with mercury 4.5 mg / cc and a mixed rare gas. The mixed noble gas enclosed was argon (Ar) as a high molecular weight noble gas, 40% of neon (Ne) as a low molecular weight noble gas was mixed at a volume ratio, and the enclosure pressure at room temperature was 5 atm. In the reference discharge lamp B, both the cathode and the anode were treated at a heat treatment temperature of 2100 ° C., and the mercury and mixed rare gas to be sealed were the same as those of the discharge lamps B1 to B5. Further, the discharge lamps B1 to B5 and the reference discharge lamp B are not provided with a concave portion at the tip of the anode, and the configuration other than the above is the same as that of the discharge lamp 20 of the present invention shown in FIG. Table 2 shows the measurement results of the illuminance and illuminance stability of the discharge lamp, and FIG. 4 shows the measurement results of the illuminance maintenance rate.
[0061]
[Table 2]
Figure 0004132879
[0062]
From the results in Table 2, the illuminances of the discharge lamps B1 to B4 in which the heat treatment temperatures of both the cathode and the anode were increased to 2300 to 2900 ° C. were the same as those of the reference discharge lamp B. Further, the illuminance stability of the discharge lamps B1 to B4 was better than that of the reference discharge lamp B. However, the discharge lamp B5 whose heat treatment temperature was raised to 3100 ° C. had the same illuminance as the reference discharge lamp B, but the illuminance stability deteriorated. As a cause of this, if the heat treatment temperature is increased to 3100 ° C., more than necessary ThO from the cathode outermost surface.2Therefore, it is considered that the illuminance stability deteriorated due to a decrease in electron emission of the cathode.
[0063]
From the result of FIG. 4, the illuminance maintenance rate of the discharge lamps B1 to B5 shows an improvement of about 3 to 5% in the discharge lamps B1 to B4 compared to the reference discharge lamp B, and the discharge lamp B5 whose illuminance stability has deteriorated has a lifetime. The improvement equivalent to the discharge lamps B1 to B4 was observed.
[0064]
From the results shown in Table 2 and FIG. 4, it was confirmed that the heat treatment temperature in the high vacuum of the cathode is preferably 2300 to 2900 ° C. This heat treatment also removes ThO.2It was confirmed from FIG. 3 that the predetermined depth d1 of the layer 2a is 50 to 100 μm.
[0065]
(Example 2)
As samples, discharge lamps C1 to C4 provided with a recess 3A at the tip of the anode 3 as shown in FIG. The tip flat portion diameter D1 of the anode 3 was 8 mm, the diameter D2 of the recess 3A was 6 mm, the depth H of the recess 3A was 1 mm, and the interelectrode distance L1 was 5.5 mm. Other configurations are the same as those of the discharge lamps B1 to B4. Table 3 shows measurement results of illuminance and illuminance stability, and FIG. 5 shows measurement results of illuminance maintenance rate. As a result, the discharge lamps C1 to C4 had higher illuminance and better illuminance stability than the reference discharge lamp B. In addition, the illuminance maintenance rate improved by about 16%.
[0066]
[Table 3]
Figure 0004132879
[0067]
【The invention's effect】
  As described above, the electrodes of the short arc type discharge lamp and the short arc type discharge lamp of the present invention are short arc type discharge lamps in which a rare gas is sealed at a pressure of 2 atm or more at room temperature, and the cathode is made of a refractory metal. ThO2And is formed from the cathode outermost surface to a predetermined depth.2A layer, and its de-ThO2The predetermined depth of the layer is 50 to 100 μm, and 2300 to 2900 ° C. in a high vacuum when the discharge lamp is assembled5 to 360 minutesAs a result of this heat treatment, consumption and deformation of the anode are suppressed, and a reduction in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp is improved. In addition, the luminous efficiency of the discharge lamp is high, and the illuminance stability is improved.
[0068]
The short arc discharge lamp according to the present invention includes an electric field generated at a point where a rare gas is sealed at a pressure of 2 atm or more at room temperature, a recess is provided at the tip of the anode, and the recess receives electrons emitted from the cathode. By making it so that the strength of the anode is close, the consumption and deformation of the anode are further suppressed, and the decrease in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp is improved. In addition, the luminous efficiency of the discharge lamp is high, and the illuminance stability is improved.
[0069]
Further, the short arc type discharge lamp of the present invention has a rare gas sealed at a pressure of 2 atm or more at normal temperature, and the cathode has a carburized portion at a position excluding its tip, so that the anode is further consumed and deformed. It is suppressed and the reduction in the illuminance maintenance rate of the discharge lamp is improved. In addition, the luminous efficiency of the discharge lamp is high, and the illuminance stability is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a cut-away side view of a short arc type discharge lamp which is a preferred embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a front view of a part of an electrode for explaining the principle of the discharge lamp. (C) is a front view of an electrode.
FIGS. 2A and 2B are principle diagrams showing the configuration of the cathode of the present invention. FIGS.
FIG. 3 shows ThO from the cathode outermost surface of the discharge lamp to the depth direction inside the cathode.2It is a graph explaining transition of concentration according to heat treatment temperature.
FIG. 4 is a graph illustrating the transition of the illuminance maintenance rate of the discharge lamp of the present invention.
FIG. 5 is a graph illustrating the transition of the illuminance maintenance rate of the discharge lamp of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 arc tube
2 Cathode
2a Thorium dioxide removal layer
2b Carburizing part
2c Decarburization part
3 Anode
3A recess
4, 5 Internal lead rod
6, 7 Sealed tube
8,9 Metal foil
10, 11 External lead rod
20 Discharge tube
21 Internal space
A Cathode surface
B Non-processing part
C Taper part

Claims (8)

発光管の内部に水銀と常温における圧力2気圧以上となる希ガスを封入して用いられるショートアーク型放電灯における前記発光管の内部に対向して配置される陰極と陽極からなる電極において、
前記陰極が高融点金属に酸化トリウムをドーピングして形成されていると共に、その陰極の最表面から所定の深さまで形成した二酸化トリウムが除去された酸化トリウム層を有することを特徴とするショートアーク型放電灯の電極。
In an electrode composed of a cathode and an anode disposed facing the inside of the arc tube in a short arc type discharge lamp used by enclosing mercury and a rare gas having a pressure of 2 atm or more at room temperature inside the arc tube,
Together with the cathode is formed by doping dioxide thorium refractory metal, characterized in that it has a de-dioxide thorium layer thorium dioxide has been removed which is formed from the outermost surface to a predetermined depth of the cathode Electrode for short arc discharge lamp.
前記脱酸化トリウム層の所定の深さが50〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電灯の電極。Short arc type discharge lamp electrode according to claim 1 in which a predetermined depth of the de-dioxide thorium layer is characterized in that it is a 50 to 100 [mu] m. 前記脱酸化トリウム層が、放電灯組立時の高真空中での脱二酸化トリウム処理により形成され、その脱二酸化トリウム処理の温度が2300〜2900℃、時間が5〜360分であることを特徴とする請求項1または2に記載のショートアーク型放電灯の電極。Characterized in that said de-dioxide thorium layer is formed by removing thorium dioxide treatment in a high vacuum at the discharge lamp assembly, the temperature of the de-dioxide thorium processing 2,300-2900 ° C., the time is 5 to 360 minutes The electrode of the short arc type discharge lamp according to claim 1 or 2. 発光管の内部に陰極と陽極を対向して配置し、前記発光管の内部空間に水銀と希ガスを封入し、前記希ガスが高分子量の希ガスに体積比で5%〜40%の低分子量の希ガスを混合し常温における圧力を2気圧以上としたショートアーク型放電灯において、
前記陰極が高融点金属に酸化トリウムをドーピングして形成されていると共に、その陰極の最表面から所定の深さまで形成した二酸化トリウムが除去された酸化トリウム層を有することを特徴とするショートアーク型放電灯。
A cathode and an anode are arranged inside the arc tube so as to face each other, mercury and a rare gas are sealed in the inner space of the arc tube, and the rare gas has a volume ratio as low as 5% to 40% with respect to a high molecular weight rare gas. In a short arc type discharge lamp in which a rare gas having a molecular weight is mixed and the pressure at room temperature is 2 atm or more,
Together with the cathode is formed by doping dioxide thorium refractory metal, characterized in that it has a de-dioxide thorium layer thorium dioxide has been removed which is formed from the outermost surface to a predetermined depth of the cathode Short arc type discharge lamp.
前記脱酸化トリウム層の所定の深さが50〜100μmであることを特徴とする請求項4に記載のショートアーク型放電灯。Short arc type discharge lamp according to claim 4, the predetermined depth of the de-dioxide thorium layer is characterized in that it is a 50 to 100 [mu] m. 前記脱酸化トリウム層が、放電灯組立時の高真空中での脱二酸化トリウム処理により形成され、その脱二酸化トリウム処理の温度が2300〜2900℃、時間が5〜360分であることを特徴とする請求項4または5に記載のショートアーク型放電灯。Characterized in that said de-dioxide thorium layer is formed by removing thorium dioxide treatment in a high vacuum at the discharge lamp assembly, the temperature of the de-dioxide thorium processing 2,300-2900 ° C., the time is 5 to 360 minutes The short arc type discharge lamp according to claim 4 or 5. 前記陰極と陽極の距離を一定にして対向配置し、前記陽極の先端部に凹部を設け、その凹部が陰極から放出される電子を受け止める点で発生する電界の強さを近づけるように形成したことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載のショートアーク型放電灯。  The cathode and the anode are arranged to face each other with a constant distance, and a concave portion is provided at the tip of the anode, and the concave portion is formed so as to be close to the strength of the electric field generated at the point of receiving electrons emitted from the cathode. The short arc type discharge lamp according to any one of claims 4 to 6. 前記陰極が、その陰極の先端部を除く位置に浸炭処理により形成した浸炭部を有することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載のショートアーク型放電灯。  The short arc type discharge lamp according to any one of claims 4 to 6, wherein the cathode has a carburized portion formed by carburizing treatment at a position excluding the tip of the cathode.
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