JP4132408B2 - 屋根改修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の気泡コンクリートパネルを並設して形成してある屋根を改修する屋根改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気泡コンクリートパネルを用いた屋根の構造は、所定間隔をあけて配置された支持鋼材(例えば、H形鋼やI形鋼等で構成)上に気泡コンクリートパネルを敷き詰めて、夫々のパネル間の目地に充填材を施工し、それらのパネル上に防水層を形成してあるのが一般的である。そして、建物の中でも特に屋根は風雨に曝される場所であるから、経年劣化が他の部分より激しく、建物改修施工として、前記防水層や、気泡コンクリートパネルが対象となることが多い。
従来、この種の屋根改修方法としては、前記防水層を除去した後、気泡コンクリートパネルそのものを撤去して、前記支持鋼材上に新たな屋根(構造は気泡コンクリートパネルに限らず他の構造をとることもある)を形成する方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の屋根改修方法によれば、改修工事に伴って旧屋根を撤去した後、新屋根を形成するから、改修工事中のほぼ全工程を通じて屋根が開放されることになり、実質上、建物内空間は使用できない状態となる。その結果、工事期間中は、建物内での活動を中止したり、別の仮設建物に移動して活動するといった不具合が伴う問題点がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、建物を使用しながら改修作業を実施できる屋根改修方法を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の発明の特徴手段は、図3・4・6・7に例示するごとく、複数の気泡コンクリートパネルPを並設して形成してある屋根Rを改修する屋根改修方法において、前記気泡コンクリートパネルPを支持する支持鋼材Tに、前記気泡コンクリートパネルPによる旧屋根R0面上面に突出する状態に新屋根R1支持用の支持金具13を複数箇所に固定するにあたり、前記支持金具13取付予定位置に隣接する前記気泡コンクリートパネルPの目地部Mを除去し、前記気泡コンクリートパネルPを移動して前記支持鋼材T表面を露出した状態で溶接によって実施すると共に、前記気泡コンクリートパネルPによる旧屋根R0の上方に、前記各支持金具13を介して新屋根R1を形成するところにある。
【0009】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0010】
〔作用及び効果〕
請求項1の発明の特徴構成によれば、前記気泡コンクリートパネルを支持する支持鋼材に、前記気泡コンクリートパネルによる旧屋根面上面に突出する状態に新屋根支持用の支持金具を複数箇所に固定すると共に、前記気泡コンクリートパネルによる旧屋根の上方に、前記各支持金具を介して新屋根を形成するから、前記旧屋根を残して雨露を凌いだ状態で新屋根形成作業を実施することが可能となり、改修工事期間中でも、建物内での活動を続けることが可能となる。従って、従来のように、改修作業の実施に伴って建物の使用を中止したり、別の仮設建物に移動して活動するといった不具合を最小限に抑え、より経済的に改修作業を実施することが可能となる。そして、旧屋根を、新屋根形成時の作業足場として利用することが可能となり、新規に足場を形成することなく、スピーディーに且つ安価に改修施工を実施することが可能となる。
また、旧屋根は、廃棄することであっても、そのまま残すことであってもよく、何れの場合かを選択することが可能となる。そして、例えば、旧屋根を残したままにすれば、旧屋根を構成している気泡コンクリートパネルや防水層の廃棄処理を実施する必要がなくなり、より経済性を向上させることが可能となる他、新屋根と旧屋根との間の空間によって建物の断熱性を向上させることが可能となる。
【0011】
そして、前記支持鋼材への前記支持金具の固定は、前記支持金具取付予定位置に隣接する前記気泡コンクリートパネルの目地部を除去し、前記気泡コンクリートパネルを移動して前記支持鋼材表面を露出した状態で溶接によって実施するから、前記気泡コンクリートパネルを自由に移動させて溶接作業を実施し易い状態に作業スペースを確保することが可能となり、溶接作業効率を向上させ、屋根改修工程全体とした工期短縮を図ることが可能となる。
また、気泡コンクリートパネルそのものに対する加工は行わなくても良いから気泡コンクリートパネルに傷を付けずに前記支持金具を前記支持鋼材に取り付けることが可能となり、気泡コンクリートパネルの強度低下を防止し易い。従って、新屋根の下方に旧屋根のALCパネルを残す場合には、新屋根と共に応力負担を果たすことが可能となり、より強度の高い屋根を構成することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0015】
本実施形態は、建物の屋根Rの改修施工について説明するもので、具体的には、図1・2に示す旧屋根R0を改修して図3の新屋根R1を形成する一形態である。
【0016】
まず、前記旧屋根R0について説明する。
旧屋根R0は、図1・2に示すように、構造鉄骨(支持鋼材に相当)T上に複数のALCパネル(気泡コンクリートパネルに相当)Pを並設して構成してある。
また、前記ALCパネルPは、側縁部を、図に示すように段付き形状に形成してあり、側縁部どうしが合わさる状態に隣接するALCパネルPどうしを配置することによって、両ALCパネルPの各段付き部5間に第一目地M1が形成される。尚、前記第一目地M1内には、目地鉄筋6を設置した後、モルタル7を充填してALCパネルP相互の一体化を図ってある。また、ALCパネルPは、構造鉄骨T上に、端縁部どうしの間に第二目地M2となる隙間ができる状態で載置してあり、前記第二目地M2内には、構造鉄骨Tに立設状態に取り付けられた固定プレート部T1が位置すると共に、モルタル7を充填してある。
前記第一目地M1、及び、第二目地M2を含めて目地部Mという。
【0017】
そして、前記複数のALCパネルP上には防水シート2を設置してある。
前記防水シート2は、塩ビ製のシート部材で構成してあり、その面方向に間隔をあけて各別に配置した複数の固定部Xにおいて固定してある。
前記固定部Xについて説明すると、図1・2に示すように、前記固定プレート部T1の上端部にボルト部8aを形成すると共に、前記ボルト部8に螺合自在なナット9と、前記ボルト部8に螺合させたナット9を螺進させることによって前記防水シート2を押さえて固定するプレート部材10と、前記ボルト部8に外嵌させた前記ナット9・プレート部材10間に位置させるワッシャ11とを設けて構成してある。そして、固定部X上には、ハット形状のキャップ12を設置して密閉を図ってある。尚、前記プレート部材10は、塩ビ被覆した円盤状の金属板によって構成してある。
一方、前記固定プレート部T1は、図1に示すように、プレート状の固定本体8を設け、その固定本体8の下端部を前記構造鉄骨Tに溶接してある。そして、上端部には、上述のボルト部8aを設けてある。更には、上下中間部には、前記目地鉄筋6を挿通させて一体的に取り付ける貫通孔8bを形成してあり、この貫通孔8bに、前記目地鉄筋6を挿通させた状態で目地にモルタル7を充填して硬化させることによって、前記目地鉄筋6と一体化されたALCパネルPを、構造鉄骨Tに安定的に取付固定することができる。
この様な旧屋根R0は、建物の中でも特に風雨に曝される場所であるから、経年劣化が他の部分より激しく、特に、前記防水シート2や、ALCパネルPの表面の経年劣化が激しい。従って、改修工事が必要となることが多い。
【0018】
次に、上述の旧屋根R0の改修手順について説明する。
[1] 前記固定プレート部T1を設置してある個所に隣接するALCパネルPを持ち上げるに際して、該当個所の防水シート2を撤去する(図4(イ)参照)。
[2] 前記固定プレート部T1を設置してある個所に隣接するALCパネルPを持ち上げてずらし、前記固定プレート部T1の周りに溶接作業可能な作業空間を確保する(図4(ロ)参照)。但し、前記ALCパネルPをずらすに際しては、該当する目地部Mを予め除去しておく。
[3] 前記固定プレートT1に、前記ALCパネルPによる旧屋根R0上面に突出する状態に新屋根R1支持用の支持金具13を溶接固定する(図4(ロ)参照)。
[4] ずらしたALCパネルPを元の位置に戻して目地部Mにモルタル7を充填し、旧屋根R0を復元する(図4(ハ)参照)。
[5] 各支持金具13にわたって新屋根R1支持用の構造鉄骨T0を取り付けた後、その上に、金属製パネルからなる新屋根R1を形成する(図3参照)。
【0019】
本実施形態の屋根改修方法によれば、旧屋根の構成部材の廃棄処理を減少させて、より経済性を向上させることが可能となることに加えて、旧屋根のALCパネルそのものに極力傷を付けずに再利用でき、新・旧両屋根の組み合わせによって強度上の信頼性をより向上させることができる。また、新屋根と旧屋根との間の空間によって建物の断熱性を向上させることが可能となる。
更には、支持鋼材への支持金具の溶接作業も、作業スペースを確保しやすく、且つ、支持鋼材から突出状態に設けられた固定プレート部に直接的に実施することが可能となり、作業の能率化を図ることが可能となる。
そして、前記旧屋根を残して雨露を凌いだ状態で新屋根形成作業を実施することが可能となり、改修工事期間中でも、建物内での活動を続けることが可能である他、旧屋根を、新屋根形成時の作業足場として利用することが可能となり、屋根改修作業の全般をスピーディーに且つ安価に実施することが可能となる。
【0020】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0021】
〈1〉 前記気泡コンクリートパネルPは、先の実施形態で説明したALCパネルに限るものではなく、例えば、CLC(Castable Lightweight Concrete)板であってもよく、更には、気孔コンクリート板や細胞コンクリート板や多孔質コンクリート板と呼ばれるものであってもよく、それらを総称して、気泡コンクリートパネルという。
〈2〉 前記支持金具13は、先の実施形態で説明したように、支持鋼材Tに予め設けてある固定プレート部T1を介して支持鋼材Tに取り付けられるものに限らず、支持鋼材Tに支持金具13を直接に取り付けるものであってもよい。
支持金具13の形状は、プレート形状のもの以外に、棒形状等であってもよい。
尚、旧屋根R0のALCパネルP上に接当する状態に構造鉄骨T0を配置することに限らず、例えば、旧屋根R0のALCパネルPに直接的に接触しない状態に浮かして構造鉄骨T0を固定してあれば、新屋根R1の荷重は、直接的に支持鋼材Tに伝わるようになり、例えば、旧屋根R0のALCパネルPの劣化が激しい場合であっても破壊することを防止することが可能となる。
〈3〉 また、前記支持鋼材Tへの前記支持金具13の固定について、先の実施形態のみによるものではなく、別の実施形態をとることも可能である。
以下に、別の実施形態について説明する。
まず、図5に示すように、前記支持金具13取付予定位置において前記気泡コンクリートパネルPの該当部分をコア抜きし、そのコア抜き部14の底に前記支持鋼材T表面を露出させる。
そして、支持鋼材Tの露出部分に支持金具13を溶接する。
この場合、前記コア抜き部14の直径を一般の溶接作業の実施に支障のない寸法に確保できる場合は、図6に示すように、単独構成の支持金具13を用いて通常の溶接によって取り付けることができる。
また、前記コア抜き部14の直径を小さくする場合には、図7に示すように、前記支持金具13として、支持鋼材Tに固定するスタッドボルト13aと、そのスタッドボルト13aに固定する支持金具本体13bとで構成することが考えられる。この実施形態の場合は、前記スタッドボルト13aを、前記コア抜き部14の支持鋼材T表面に、例えば、スタッド溶接(他に、フラッシュ溶接やパーカッション溶接等の溶接でも可能)で固着し、前記スタッドボルト13aに前記支持金具本体13bを一般の溶接で固着することで、旧屋根R0面上面に突出する状態に支持金具13を固定することができる。
また、支持金具を支持鋼材に取り付けた後、前記コア抜き部14にコンクリートやモルタル等を充填すれば、その充填部分を介して隣接する気泡コンクリートパネルPの結合強度を向上させることが可能となり、新屋根R1・旧屋根R0全体とした屋根剛性を向上させることができる。
〈4〉 前記新屋根R1は、先の実施形態で説明した金属製の屋根パネルによって構成されたものに限るものではなく、例えば、窯業系の屋根パネルや、ALCパネルや、木質の屋根パネル等によって構成してあるものであってもよい。
〈5〉 前記旧屋根R0は、新屋根R1形成中又は形成後に撤去するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】旧屋根を示す要部分解斜視図
【図2】旧屋根を示す要部断面図
【図3】新屋根を示す要部断面図
【図4】屋根改修手順を示す要部断面図
【図5】別実施形態の屋根改修状況を示す要部斜視図
【図6】別実施形態の新屋根を示す要部断面図
【図7】別実施形態の新屋根を示す要部断面図
【図8】別実施形態の新屋根を示す要部断面図
【符号の説明】
13 支持金具
14 コア抜き部
M 目地部
P 気泡コンクリートパネル
R 屋根
R0 旧屋根
R1 新屋根
T 支持鋼材
T1 固定プレート部
Claims (1)
- 複数の気泡コンクリートパネルを並設して形成してある屋根を改修する屋根改修方法であって、次の手順を特徴とする屋根改修方法。
1).前記気泡コンクリートパネルを支持する支持鋼材に、前記気泡コンクリートパネルによる旧屋根面上面に突出する状態に新屋根支持用の支持金具を複数箇所に固定するにあたり、前記支持金具取り付け予定位置に隣接する前記気泡コンクリートパネルの目地部を除去し、前記気泡コンクリートパネルを移動して前記支持鋼材表面を露出した状態で溶接によって支持金具を固定する。
2).前記気泡コンクリートパネルによる旧屋根の上方に、前記各支持金具を介して新屋根を形成する。
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