JP4132060B2 - 光情報記録媒体、及び光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体、及び光情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成される、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体及び、その製造方法に関するものである。
高密度光情報記録媒体として、青紫色レーザ光源(波長400nm前後)と高NAのレンズを用い、厚さが0.1mmといった薄型の記録再生側透明保護層をもつ光情報記録媒体が提案されている。この高密度光情報記録媒体は、厚い信号基板の表面に信号の案内溝あるいはピットを形成して、その上に書き換え可能な記録多層膜や金属膜を成膜、さらにその上に透明保護層が形成された構造になっている。この構造の光情報記録媒体の透明保護層を作製する方法として、以下のような2つ方法があげられる。
(A)信号の案内溝あるいはピットに記録多層膜や金属膜が成膜された信号基板の表面に、透明なフィルムを接着剤で接着して、透明フィルムと接着剤により合計厚さ0.1mmの透明保護層とする(たとえば、特許文献1参照。)。
(B)信号の案内溝あるいはピットに記録多層膜や金属膜が成膜された信号基板の表面に、液体状の紫外線硬化樹脂を厚み0.1mmに塗布したのち、紫外線にて硬化して、透明保護層を得る(たとえば、特許文献2参照。)。
上記2つの方法において、(B)の方法では、厚み精度は紫外線硬化樹脂の塗布精度に大きく依存するが、(A)の方法を用いれば、3ミクロン以下という高い厚み精度が要求される透明保護層のうち、その大部分に厚み精度の高いフィルムを用いることができるため、2ミクロン以下という高い厚み精度の透明保護層を得ることができる。
上記(A)の方法により光情報記録媒体を作製する際には、厚み精度が高い透明なフィルムを用いる必要がある。高い厚み精度を有するフィルムは一般的に、押し出し法やダイキャスティングといった製法により得ることができる。
押し出し法は、所望のフィルム厚みが得られるように隙間が調整されたダイを用いて、その間から溶融したプラスチック等のフィルム材料を押し出す方法である。ダイから押し出されたフィルム材料は冷却され、フィルムとなる。また、ダイキャスティングは、溶剤でフィルム材料を溶かして、押し出し法と同様に、ダイの間から滴下して、その後高温で溶剤を揮発して、フィルムを得る方法である。
特開2002−184037号公報 特許第3241560号公報(図4)
いずれのフィルム製造方法においても、作製されたフィルムとも高い厚み精度を実現することが可能であるが、作製中あるいはその後に、フィルム表面に凹凸や擦り傷といった欠陥を発生する可能性が高い。たとえば、作製後フィルムを巻き取る際にフィルム同士が擦れ合って、その間に入り込んだゴミや埃により表面に傷ができる。このような、擦り傷や凹凸はフィルムのどちらの面にも発生しうる。
擦り傷や凹凸のあるフィルムを用いて、高NAのレンズを用いて記録あるいは再生を行う、厚さが0.1mmの透明保護層をもつ光情報記録媒体を作製した場合、擦り傷や凹凸が透明保護層の外側にある(光情報記録媒体の表面にある)場合は、擦り傷や凹凸は信号基板上の信号記録層(案内溝あるいはピット上に書き換え可能な記録多層膜や金属膜を成膜したもの)から遠い位置にある。そのため、信号を記録したり、あるいは、信号を再生したりする際、記録光あるいは再生光のビームサイズが大きく、擦り傷や凹凸は、記録特性や再生信号に殆ど影響はない。
しかしながら、フィルムの擦り傷や凹凸が接着剤と接する面にある場合、信号基板上の信号記録層に近くなるため、記録光あるいは再生光のビームサイズが小さくなるため、記録光あるいは再生光は擦り傷や凹凸の影響を受けやすくなる。たとえば、散乱により光量が減少する、あるいは、波面の乱れによりビームの絞り性能がわるくなる、といった現象がおき、記録特性や再生信号が悪化する。
本発明は、上記課題に鑑み、擦り傷や凹凸といった欠陥のある透明フィルムを透明保護層の一部として用いても記録特性や再生特性が良好である、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明の光情報記録媒体は、記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成される、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体であって、透明保護層は記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、少なくとも樹脂フィルムと、樹脂フィルムと信号記録層を接着する接着剤層から構成され、樹脂フィルムと接着剤層の間に境界層を有していることを特徴とする。上記第1の発明の光情報記録媒体によれば、樹脂フィルムの凹凸の影響を境界層により緩和でき、記録あるいは再生時に発生するエラーレート増大を抑制できる。
上記第1の発明の光情報記録媒体においては、樹脂フィルム表面の凹凸A上に形成される境界層の、接着剤層側の凹凸Bの高さあるいは深さが、凹凸Aの高さあるいは深さと略同じの場合、波長405nm近傍における、樹脂フィルムの屈折率、接着剤層の屈折率、境界層の屈折率をそれぞれnf、na、niとしたとき、na<ni<nf、あるいはna>ni>nfの関係があることが好ましい。また、ni=(nf+na)/2の関係があることが好ましい。
また、凹凸Bの高さあるいは深さが、凹凸Aの高さあるいは深さより小さい場合、波長405nm近傍における、樹脂フィルムの屈折率、接着剤層の屈折率、境界層の屈折率をそれぞれnf、na、niとしたとき、na<ni≦nf、あるいはna>ni≧nfの関係があることが好ましい。
また、境界層の接着剤層側と接する面には凹凸Aによって形成される凹凸が無い場合、na<ni≦nf、na>ni≧nf、na<nf≦niかつni−nf<nf−na、na>nf≧niかつnf−ni<na−nf、のいずれかの関係があることが好ましい。
上記構成によれば、凹凸Aあるいは凹凸Bの境界面の屈折率差が減少する、あるいは屈折率差のある境界面での凹凸の高さあるいは深さが減少するため、凹凸での光の散乱が減少し、エラーレートを低減することができる。
また、|nf−na|>0.08であって|nf−ni|≦0.08の関係があることが好ましい。この構成によれば、境界層により樹脂フィルムの凹凸の影響を軽減することができる。具体的には、1.45≦nf≦1.65であれば、樹脂フィルムとしての材料を容易に得られることが可能となる。たとえば、樹脂フィルムが、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含む材料であることが好ましい。また、接着剤層としては、具体的には、放射線硬化材料、感圧性接着剤のいずれかを主成分とする材料であることが好ましい。
さらに、境界層は無機材料が主成分であることが好ましい。具体的には、酸素化合物、窒素化合物、硫黄化合物、フッ素化合物、塩素化合物、臭素化合物、ヨウ素化合物のいずれかのうち少なくとも一つを含む材料であることが好ましい。上記材料であれば、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により、容易に樹脂フィルム上に境界層として形成することができる。
また、境界層は有機材料が主成分であることが好ましい。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれかのうち少なくとも一つを含む材料であることが好ましい。上記材料であれば、グラビア印刷やスクリーン印刷等の印刷技術やスピンコーティング等により、容易に樹脂フィルム上に境界層として形成することができる。
上記目的を達成するため、第2の発明の光情報記録媒体は、記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成される、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体であって、透明保護層は記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、少なくとも樹脂フィルムと、樹脂フィルムと信号記録層を接着する接着剤層から構成され、波長405nm近傍における接着剤層の屈折率と樹脂フィルムの屈折率をそれぞれna、nfとするとき|nf−na|≦0.08の関係があることを特徴とする。上記第2の発明の光情報記録媒体によれば、境界層がなくとも樹脂フィルムの凹凸の影響を緩和でき、記録あるいは再生時に発生するエラーレート増大を抑制できる。
また、上記第2の発明の光情報記録媒体においては、|nf−na|<0.05の関係があることが好ましい。この構成によれば、凹凸のある境界面での屈折率差が小さくすることができ、さらにエラーレートを低減できる。具体的には、1.45≦nf≦1.65であれば、樹脂フィルムとしての材料を容易に得られることが可能となる。たとえば、樹脂フィルムが、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含む材料であることが好ましい。また、接着剤層は、有機材料が主成分であって、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれかのうち少なくとも一つを含む材料であることが好ましい。具体的には、放射線硬化材料、感圧性接着剤のいずれかを主成分とする材料であることが好ましい。以上の構成であれば、グラビア印刷やスクリーン印刷等の印刷技術やスピンコーティング等により、容易に接着剤層を形成することができる。
さらに、第1の発明あるいは第2の発明の光情報記録媒体において、樹脂フィルムの、記録及び再生を行うための光が入射する側に、さらに樹脂フィルムより硬い保護層を有することが好ましい。上記構成によれば、樹脂フィルムの光が入射する側の面に傷等の凹凸が生じることを防ぐことができ、エラーレートの増大を防ぐことができる。
上記目的を達成するため、第3の発明の光情報記録媒体は、記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成される、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体であって、透明保護層は記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、少なくとも保護層、樹脂フィルムと、樹脂フィルムと信号記録層を接着する接着剤層から構成され、保護層は樹脂フィルムより硬く、樹脂フィルム表面の凹凸C上に形成される保護層の凹凸Dの高さあるいは深さが、凹凸Cの高さあるいは深さより小さいことを特徴とする。上記第3の発明の光情報記録媒体によれば、樹脂フィルムの表面が樹脂フィルムより硬い保護層で保護され、かつ、樹脂フィルム表面の凹凸が保護層により小さくなるため、記録あるいは再生への影響も小さくすることができる。
また、上記目的を達成するため、第1の発明の光情報記録媒体の製造方法は、記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成され、透明保護層は記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、樹脂フィルム層、境界層、接着剤層からなる、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体の製造方法であって、樹脂フィルムに境界層を形成する境界層形成工程、境界層と信号記録層が形成された支持基板との間に接着剤層を配置して、境界層と信号記録層とが対向するように接着する接着工程、を含むことを特徴とする。上記第1の発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、樹脂フィルム層、境界層、接着剤層からなる、透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体を容易に製造することができ、エラーレートの低い光情報記録媒体を供給することができる。
また、上記第1の発明の光情報記録媒体の製造方法においては、樹脂フィルム上の凹凸の高さあるいは深さを検出したのちに、凹凸の高さあるいは深さに基づいて、境界層形成工程として、境界層の種類と厚さ、および形成方法が選択されることが好ましい。この構成によれば、凹凸の高さあるいは深さに応じた最適の屈折率と厚みを有した境界層を形成することができる。
また、境界層形成工程が、境界層の材料が液体状あるいは半固体状であるときに塗工により形成する工程であることが好ましい。上記構成によれば、境界層を容易に形成することができる。また、境界層形成工程として、境界層の材料をスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法のいずれかによってなされることが好ましい。上記構成によれば、無機材料の境界層を容易に形成することができる。
また、接着工程は、接着剤層を境界層の上に形成し、境界層と信号記録層が形成された支持基板とを接着する工程であることが好ましい。その際、接着剤層として感圧性接着剤あるいは放射線硬化材料を用いることが好ましい。上記構成によれば、厚み精度の高い接着剤層を容易に形成することができる。
第1の発明の光情報記録媒体の製造方法においてさらに樹脂フィルムを所望の形状に打ち抜く工程を有することが好ましい。上記構成によれば、所望の形状の光情報記録媒体を製造することができる。
本発明によれば、透明カバー層の母材となる樹脂フィルム表面の凹凸の影響を低減することができ、より低いエラーレートを得ることができる。そのため、安定に、かつ記録保存性の高い大容量光情報記録媒体を供給することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の光情報記録媒体の実施の形態を図1に示す。図1(a)に光情報記録媒体の構造図を示す。
光情報記録媒体105は、支持基板101、信号記録層102、透明保護層106からなる。記録あるいは再生のためのレーザ光は、透明保護層106側から入射され、信号記録層102に集光される。支持基板101上には信号記録層102が形成されている。ここでは、支持基板101上に形成された案内溝あるいはピットと、さらにその上に書き換え可能な記録多層膜、金属膜、あるいは色素膜を成膜したものを信号記録層と呼ぶ。支持基板101は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂等のプラスチック材料をもちいて、射出成形法や2P法等により作製される。
信号記録層102上には、樹脂フィルム100、境界層104、接着剤層103からなる厚さ100ミクロンの透明保護層106が形成されている。光情報記録媒体105は、0.8〜0.9といった高NAのレンズで波長400nmの青紫色レーザ光を小さくしぼりこみ、信号記録層102に記録マークを記録あるいは再生したり、あるいは、凹凸のピットを再生したりするため、透明保護層106の厚みむらは記録あるいは再生特性に大きな影響を及ぼす。たとえば、透明保護層106の厚みに設計厚みの3%にあたる厚みむらがあるとすると、信号記録層102上の集光されたビームの絞り性能をしめす球面収差が30mλ発生し、記録あるいは再生特性が悪化する。そのため、透明保護層106の厚み精度として、厚み100ミクロンに対して±3ミクロンという高い精度が要求される。
樹脂フィルム100は、押し出し法やダイキャスティングといった製法により、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等により形成することができる。押し出し法やキャスティング法を用いれば、樹脂フィルム100単体として、±0.5〜1ミクロンといった厚み精度が実現できる。
接着剤層103は、厚み精度の高い樹脂フィルム100を信号記録層102上に接着するためのものである。具体的には、接着剤として、アクリル系あるいはエポキシ系の紫外線硬化樹脂や熱硬化型樹脂、または、感圧性接着剤等があげられる。接着剤として、液体状の紫外線硬化樹脂あるいは熱硬化型樹脂を用いる際、厚み精度±0.5〜1ミクロンの樹脂フィルム100と、信号記録層102が形成された支持基板101との間に接着剤(たとえば、粘度500mPa・s)を滴下して、5000rpmで高速スピンすれば接着剤層の厚み10ミクロンとなり、透明保護層106として±2ミクロン以下の厚み精度を得ることができる。また、接着剤として感圧性接着剤を用いる際は、上記紫外線硬化樹脂や熱硬化型接着剤を用いるより高い精度が得られる。なぜなら、感圧性接着剤の場合、粘度が高いことからも、樹脂フィルム100をベースとしてグラビア印刷、スクリーン印刷等の方法で塗工することが可能であるからである。この場合、厚み精度±0.5〜1ミクロンの樹脂フィルム100を用いて、厚み精度±1.5ミクロンの透明保護層106も実現することができる。
樹脂フィルム100と接着剤層103との間には、境界層104を有する。図1(a)の境界面Aの部分の拡大図を図1(b)に示す。図1(b)が示すように、境界層104の目的は、樹脂フィルム100上の接着剤層103側の面にある突起111や傷110を埋め、その部分で生じるレーザ光の散乱や波面の乱れを低減することである。そのためには、境界層104の屈折率niは、接着剤層103のnaより樹脂フィルム100の屈折率nfに近くなければならない。すなわち|nf−ni|<|nf−na|である必要がある。
境界層104の材料としては、大きく分けて有機材料と無機材料が挙げられる。いずれにしても、波長400nmの透過率が高い材料を用いる必要がある。また、有機材料ではアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等があげられる。アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等で、液体状あるいは半固体状の材料、またはそれらを熱や放射線(たとえば、紫外線)等で固体状、あるいはより固体に近い形にできるような材料は、接着剤層103の塗工同様にグラビア印刷、スクリーン印刷、またはスピンコーティング等の方法で樹脂フィルム100上に形成することができる。このような材料の例としては、紫外線によりラジカル反応あるいはカチオン反応により硬化されるアクリル系紫外線硬化樹脂、またはエポキシ系接着剤があげられる。また、接着剤層と同様であるが、屈折率の高い成分を混合して得た感圧性接着剤も使用できる。
また、境界層が無機材料の場合、たとえば、酸素化合物、窒素化合物、硫素化合物、フッ素化合物、塩素化合物、臭素化合物、ヨウ素化合物などの誘電体があげられる。また、これらの材料を含むような材料であってもよい。このような誘電体を用いれば、樹脂フィルム100上に、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、あるいは、CVDといった方法により容易に成膜することができる。また、誘電体材料でなくとも透明な無機材料であれば、上記のような方法で、境界層として成膜することはできる。
樹脂フィルム100上の傷の深さや突起の高さが小さい場合は、図1(b)のように、傷110や、突起111を境界層104の厚み分で十分に埋めることができる。しかし、図2にしめすような深い傷210や高い突起211に対しては、境界層220の厚みで十分に埋めることが不可能である。たとえば、図2(a)のように、境界層200の形成により、接着剤層103との境界に凹部213、凸部214ができるが、それらの深さd1や高さt1が、深い傷210の深さdと高い突起211の高さtと略同じである場合、あるいは、図2(b)のように、接着剤層103との境界にできる凹部223、凸部224の深さd2や高さt2が、深い傷210の深さdと高い突起211の高さtとくらべて小さくなる場合である。
ここで重要なことは、図1(b)のような凹凸の高さや深さが小さく、境界層で埋め込むことができる場合は、樹脂フィルムの屈折率nfと境界層の屈折率niが近ければ、どちらの屈折率が大きくてもよいのであるが、図2のような場合は、樹脂フィルムの屈折率nfと境界層の屈折率niの値が近い(|nf−ni|<|nf−na|)、という条件に、さらに、nf、ni、naの大小関係の制限が必要となる。
すなわち、図1(b)のような場合には、na<ni≦nf、na>ni≧nf、na<nf≦ni、na>nf≧niのいずれの場合でもよく、このような関係であり、かつ、nfとniの値が近い(|nf−ni|<|nf−na|)という関係であれば、傷や突起の記録光あるいは再生光へ影響(散乱や波面の乱れ)は小さくできる。しかし、図2(a)の場合にはniはnaとnfの間の値であるほうがよく、na<ni<nf、あるいはna>ni>nfがこのましい。なぜなら、na<nf<niにしても、na>nf>niにしても、niとnaの差が大きくなり、凸部214と凹部213が記録光あるいは再生光の散乱や波面の乱れを生じてしまう。また、図2(b)の場合についても、niはnaとnfの間の値であるほうがよく、na<ni≦nf、あるいはna>ni≧nfがこのましい。凹部223、凸部224の深さd2や高さt2が小さくなっているので、ni=nfの場合でも、十分、凸部224と凹部213の記録光あるいは再生光の散乱や波面の乱れへの影響は小さくすることができる。
一般に、無機材料を境界層として使用する場合、厚みを厚くすることが難しく(成膜レートがおそいため等)、傷の深さや突起の高さが0.3ミクロンより大きくなると、図1(b)のように境界層で埋め込むことがほぼ不可能であり、図2(a)や図2(b)のような形態になりやすい。それに対して、有機材料を境界層として使用する場合、厚膜化が比較的容易であるため、厚みを制御することにより、図1(b)や図2(a)、(b)のいずれの形態にでもすることが可能である。たとえば、有機材料の場合、高さや深さが5ミクロンより小さい凹凸であれば図1(b)のように埋め込める。
(表1)に、樹脂フィルム、接着層、境界層の使用例と、その場合の電気信号特性を示す。
Figure 0004132060
境界層については、波長405nmにおける屈折率niと厚みdiを()内に示す。また、樹脂フィルム表面の突起や傷に起因する境界層上の凹凸の高さや深さと、各パターンについて各層間での屈折率差も[樹脂フィルムの屈折率−境界層の屈折率/境界層の屈折率−接着剤層]というふうに示す。
樹脂フィルムとしてポリカーボネートフィルムA(表1内ではPC−Aと表示、厚さ80、90ミクロン、屈折率1.61)、ポリカーボネートフィルムB(表1内ではPC−Bと表示、厚さ80、85ミクロン、屈折率1.61)を用いた。ポリカーボネートフィルムA、Bにはともに、フィルム表面には突起や傷が存在した。ポリカーボネートフィルムAでは、突起や傷の深さがいずれも3ミクロン以下であった。また、ポリカーボネートフィルムBでは、フィルム表面の突起の高さや傷の深さがいずれも0.3ミクロン以下であった。
また、接着剤層として、日本化薬製紫外線硬化樹脂DVD−003(粘度450mPa・s、屈折率1.53)、感圧性接着剤A(表1内ではPSA−Aと表示、厚さ20、18、15ミクロン、屈折率1.51)の2種類を用いた。境界層としては、屈折率の異なる2種類の感圧性接着剤B(表1内ではPSA−Bと表示、厚さ10ミクロン、屈折率1.56)、感圧性接着剤C(表1内ではPSA−Cと表示、厚さ10ミクロン、屈折率1.61)の計2種類の有機材料と、NdF3(屈折率1.61)、LiB3O5(屈折率1.59)、SiO2(屈折率1.54)、SiO2−Aマトリックス(屈折率1.56)、SiO2−Bマトリックス(屈折率1.57)、Al2O3−Aマトリックス(屈折率1.68)、Al2O3−Bマトリックス(屈折率1.69)の7種類の無機化合物である。無機化合物の境界層は、ポリカーボネートA、Bのフィルム上にスパッタリング法によって形成された。
また、感圧性接着剤PSA−A、B、Cは以下のように調整した。
・PSA−A(405nm屈折率:1.51)の調整
n-ブチルアクリレート97重量部とアクリル酸3重量部および開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を酢酸エチル溶媒中で60℃17時間攪拌することにより、重量平均分子量約55万(Mw/Mn=5.0)のアクリル酸エステル共重合溶液を得た。このアクリル酸エステル共重合体100重量部に対しキシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:ニカノールH-80)12重量部及びポリイソシアネート化合物からなる架橋剤(東洋インキ製造(株)製:オリバインBHS−8515)1.2部を加え、固形分が約30重量%になるようにメチルエチルケトンにて希釈し、感圧接着性組成物塗工液を調製した。
・PSA−B(405nm屈折率1.56)の調整
n-ブチルアクリレート97重量部とアクリル酸3重量部および開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を酢酸エチル溶媒中で60℃17時間攪拌することにより、重量平均分子量約55万(Mw/Mn=5.0)のアクリル酸エステル共重合溶液を得た。このアクリル酸エステル共重合体100重量部に対しキシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:ニカノールH-80)130重量部及びポリイソシアネート化合物からなる架橋剤(東洋インキ製造(株)製:オリバインBHS−8515)2.4部を加え、固形分が約40重量%になるようにメチルエチルケトンにて希釈し、感圧接着性組成物塗工液を調製した。
・PSA−C(405nm屈折率1.61)の調整
n-ブチルアクリレート97重量部とアクリル酸3重量部および開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を酢酸エチル溶媒中で60℃17時間攪拌することにより、重量平均分子量約55万(Mw/Mn=5.0)のアクリル酸エステル共重合溶液を得た。このアクリル酸エステル共重合体100重量部に対しキシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:ニカノールH-80)260重量部及びポリイソシアネート化合物からなる架橋剤(東洋インキ製造(株)製:オリバインBHS−8515)2.4部を加え、固形分が約40重量%になるようにメチルエチルケトンにて希釈し、感圧接着性組成物塗工液を調製した。
PSA−A、B、Cは、このように調整した塗工液を、ナイフコータにより剥離シート(リンテック社製:SP−PET3811)剥離処理面に塗布し、90℃で1分間乾燥させて接着層を形成し、その接着層の表面に樹脂シートまたは、境界層付き樹脂シートを貼り合わせ、総厚100umの透明保護層を形成することによって作成した。
屈折率の変更は、塗工液中のキシレンホルムアルデヒド樹脂の混合量によって行うことができる。例えば、アクリル酸エステル共重合体:キシレンホルムアルデヒド樹脂を重量比で100:36とすると約1.52、100:88とすると約1.54、100:280にすると約1.62となる。しかし、キシレンホルムアルデヒド樹脂の混合量を多くした場合、得られるPSAの凝集力が低下し、PSAが柔らかくなるため、良好なシート特性が得られないことや低分子成分の染み出しによる反射膜の腐食が懸念される。
従って、キシレンホルムアルデヒド樹脂の量は、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して10−280重量部が好ましく、PSA物性のバランスを考慮に入れると100−200重量部がより好ましい。
また、本実施の形態では、屈折率を高くするものとして、キシレンホルムアルデヒド樹脂を用いたが、これに限定されるものではなく、共重合体芳香環やハロゲン、イオウ等を多く含む樹脂を使用しても良い。
SiO2−A、Bマトリックスは、SiO2をベースにZnS(屈折率2.49)を分散させた混合体である。SiO2−Aマトリックスはモル比SiO2:ZnS=98:2の混合体、SiO2−Bマトリックスはモル比SiO2:ZnS=97:3の混合体である。また、Al2O3−A、Bマトリックスは、Al2O3(屈折率1.71)をベースにSiO2を分散させた混合体である。Al2O3−Aマトリックスはモル比Al2O3:SiO2=82:18の混合体、Al2O3−Bマトリックスはモル比Al2O3:SiO2=88:12の混合体である。
さらに、いずれの場合も樹脂フィルム、境界層、接着剤層を併せた透明保護層の厚みが約100ミクロンになるように、それぞれの層の厚みは設定されている。
信号記録層としては、トラックピッチ0.32ミクロン、深さ20nmの案内溝上に、反射膜Ag、誘電体層ZnS−SiO2、界面層、記録膜GeSbTe、界面層、誘電体層ZnS−SiO2の順に成膜された記録多層膜を用いた。また、記録あるいは再生する際、波長405nmの青紫色レーザをNA0.85の光ピックアップを用いて、記録時5mW、再生時0.4mWにより案内溝上(光入射側から見て近い方の溝の面上)に信号を記録および再生をおこなった。また、最短マーク長は0.149ミクロン、データ転送レートは33Mbpsとした。
以下、それぞれの組み合わせパターンで光情報記録媒体を作製して、記録を行い、再生を行った場合のビットエラーレートの結果を示す。ここで、ビットエラーレートは1.5E−5以下であれば、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスによって生じる再生電気信号の劣化があっても、エラー訂正が可能なビットエラーレートである3.1E−4以下に抑制できる。また、ビットエラーレートが1.0E−5より小さければ、光情報記録媒体の生産のばらつきも含めて保証でき、安定に生産が行うことができるといえる。
以下、本文中においても、表1内と同様、ポリカーボネートA、Bのフィルムをそれぞれ、PC−A、PC−Bと記述する。また、ビットエラーレートをBERと記述する。
表1より、パターンAでは、PC−Aに3ミクロンの突起や傷があり、かつ接着剤層との屈折率が0.1と大きいため、BERは2.0E−5と非常に大きい。また、パターンBでは、接着剤層との屈折率が0.08と若干小さくなったが、BERは1.5E−5であり、反りや厚み精度、光ピックのばらつき等ストレスにどうにか耐えうる程度である。パターンCではPC−Bを使用しているため、パターンAと比較してフィルム上の傷や突起が小さいものの、1.5E−5程度である。
パターンDでは、境界層として屈折率がPC−Bと同じNdF3を50nm形成したが、薄いため図2(a)のように境界層の凹凸は低減せず、パターンCと光学的には差が無く1.5E−5のままであった。パターンEではNdF3のかわりにLiB3O5を用いた。そのため、パターンC、D(凹凸面での屈折率差0.10)と比べPC−B、PSA−Aとの屈折率差が0.02、0.08と小さくなり、境界層の凹凸の大きさが変化しなくとも、1.3E−5とBERは低減した。さらに、パターンFでは、屈折率がPC−BとPSA−Aのちょうど中間であるSiO2−Aを用いているために、よりBERが1.0E−5と小さくなり、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスを十分許容できるようになった。
パターンGでは、境界層としてNdF3を2ミクロンと厚く形成し、PC−Bの突起や傷の深さを埋め、境界層での凹凸の高さや深さを図2(b)のように0.1ミクロンまで小さくしている。そのため、境界層として同じ材料を使用しているパターンDと比較して大幅にBERが改善でき、9.2E−6を達成している。
さらに、パターンH〜Nでは、さらに厚い境界層を形成し、樹脂フィルムの傷や凹凸を境界層で埋め込み、図1(b)の状態を得た。
パターンHでは、SiO2をもちいて、さらに厚い境界層を形成した。ここでは厚みは5ミクロンとした。こうすれば、PC−Bの突起や傷は図1(b)のように完全に埋まり、境界層と接着剤層との境界に凹凸はほぼなくなる。したがって、境界層とPC−Bとの屈折率差0.07において、突起や傷の凹凸の影響が生じることになる。そのため、境界層のないパターンCと比較すると、屈折率差が0.10から0.07と低減しているため、BERも1.5E−5より小さく1.3E−5となる。PC−B上の突起や凹凸が0.3ミクロン程度のとき、樹脂フィルムと境界層との屈折率差が0.07以下であれば、BERは1.5E−5より小さくなる傾向にある。パターンIでも、パターンHと同様、PC−Bとの屈折率差は0.07である。この場合も、BERは1.1E−5と1.5E−5からさらに余裕をもったものになった。さらに、パターンJでは、パターンIと比較してPC−Bとの屈折率差が0.04とさらに小さくなるため、PC−Bの傷や突起の影響は光学的に低減して、9.0E−6とBERが小さくなった。
パターンKでは、境界層としてPC−Aと同じ屈折率であるPSA−Cを10ミクロン形成した。そのため、PC−Aの深い傷や高い突起にもかかわらず、完全にその光学的な影響を無くし、6.4E−6という非常に小さなBERを得た。パターンLでは、屈折率1.56のPSA−Bを境界層にしたため、PC−Aとの屈折率差が0.05と大きくなる。そのため、BERは1.1E−5であった。
パターンM、Nでは、樹脂フィルムより高い屈折率をもつ境界層を厚く形成してみた。樹脂フィルムであるPC−Bとの屈折率差が0.07であるパターンMでは1.3E−5であるが、屈折率差が0.08となるパターンNでは1.5E−5とBERは大きくなった。ここでも、屈折率差0.08より小さい方がよい傾向になった。
以上、種々の組み合わせから、凹凸のある境界において屈折率差が0.08以下であれば、1.5E−5以下のBERが得られ、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスを許容できるようになることがわかった。また、樹脂フィルムの凹凸が境界層形成により変化しないような場合は、樹脂フィルムと接着剤のちょうど中間の屈折率を有する境界層を用いることがよいこともわかった。このように、樹脂フィルムの傷の深さや突起の高さによって屈折率と厚みの境界層の材料を選ぶことにより、その光学的な影響(散乱や波面の乱れ等)を低減し、BERを抑制でき、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスを許容できるように、さらには十分生産マージンを得ることができる。
なお、本実施の形態1では、樹脂フィルムとしてポリカーボネート、接着剤層として感圧性接着剤や紫外線硬化樹脂を用い、nf>naの場合について記述したが、たとえば、PMMAフィルム(屈折率1.51)とPSA−Cを用いて、nf<naの場合についても、種々の境界層材料を種々の厚さで形成することにより、同様の効果が得られる。また、境界層として、ここではフッ素化合物、酸素化合物、また混合体材料としてZnSという硫黄化合物を用いたが、それらに限ることなく、その他の例として、窒素化合物、硫黄化合物、塩素化合物、臭素化合物、ヨウ素化合物等の化合物や、それらを含む無機化合物であってもよい。また、境界層として用いる有機材料に関しても、本実施の形態で用いたものに限らず、本実施の形態で使用した材料と同程度の屈折率と透明性を有するものであれば、かまわない。
さらに、樹脂フィルムとしては、屈折率が1.45〜1.65であれば、工業用プラスチックを材料として、容易にフィルム化できる材料が数多くあるといえる。たとえば、PMMAをはじめとするアクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは違い、樹脂フィルムと接着剤層のみを用いて、光情報記録媒体を作成する場合について説明する。(表2)は樹脂フィルムと接着剤層の組み合わせと、その場合の電気信号特性を示す。併せて、樹脂フィルムと接着剤層の波長405nmにおける屈折率nfとni、各パターンについて樹脂フィルムと接着剤層の屈折率差も示す。
Figure 0004132060
樹脂フィルムとしてポリカーボネートフィルムA((表2)内ではPC−Aと表示、厚さ80ミクロン、屈折率nf1.61)、PMMAフィルム((表2)内ではPMMAと表示、厚さ80ミクロン、屈折率nf1.51)を用いた。ポリカーボネートフィルムA、PMMAフィルムにはともに、表面に3ミクロン以下の高さや深さの突起や傷が存在した。
また、接着剤層として、日本化薬製紫外線硬化樹脂DVD−003(粘度450mPa・s、屈折率1.53)、感圧性接着剤A(表1内ではPSA−Aと表示、厚さ20ミクロン、屈折率1.51)、感圧性接着剤B(表1内ではPSA−Bと表示、厚さ20ミクロン、屈折率1.56)、感圧性接着剤C(表1内ではPSA−Cと表示、厚さ20ミクロン、屈折率1.61)の計4種類の接着剤層を用いた。DVD−003の場合は、厚み分布を得るため、回転数と回転時間を制御して20ミクロンの厚みでスピンコートを行い、フィルムと真空チャンバ内でフィルムと貼り合わせ、紫外線により硬化した。いずれの場合も樹脂フィルムと接着剤層を併せた透明保護層の厚みが約100ミクロンになっている。
また、信号記録層は実施の形態1と同様の案内溝と記録多層膜を用いた。そのため、ここでは説明を割愛する。記録及び再生条件に関しても、実施の形態1と同様である。
以下、本文中においても、(表2)内と同様、ポリカーボネートA、PMMAフィルムをそれぞれ、PC−A、PMMAと記述する。また、ビットエラーレートをBERと記述する。
パターンOでは、樹脂フィルムと接着剤層の屈折率差が0.10であるため、接着剤層側の樹脂フィルムの傷や突起の影響を受け、BERは2.0E−5と非常に大きかった。
接着剤層としてDVD−003を使用したパターンPでは、屈折率差が0.08まで減少するため、1.5E−5のBERになり、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスによる電気信号の劣化があっても、エラー訂正が可能な状態になる。さらに、接着剤層の屈折率を1.56、1.61とPC−Aに近づけ、屈折率差を0.05、0というように、より小さくしたパターンQ、Rでは、1.0E−5、6.0E−6と、より良好なBERが得られ、生産マージンを有する光情報記録媒体となる。
樹脂フィルムとしてPMMAを用いた場合(パターンS、T、U)においては、接着剤層の屈折率は樹脂フィルムであるPMMAより大きい傾向にある。しかしながら、パターンO〜Rと同様、PMMAとの屈折率差に依存して、屈折率差が小さくなるにつれ、BERが小さくなる結果が得られた。
以上、(表2)の結果からも、(表1)の結果同様、凹凸のある境界において屈折率差が0.08以下であれば、1.5E−5より小さいBERが得られ、光情報記録媒体の反り、厚み精度、あるいは光ピックのレンズ絞り等のばらつき、等のストレスを許容できるようになることがわかった。また、屈折率差が0.05より小さい場合、十分生産マージンのある光情報記録媒体を得ることができることがわかった。
なお、本実施の形態2では、2種類の樹脂フィルム、4種類の接着剤層についての例のみを説明したが、種々の樹脂フィルムに対して、屈折率差を考慮することにより、種々の有機接着剤を接着剤層として用いることで、同様の効果を得ることができる。たとえば、接着剤層として、エポキシ系接着剤も使用することができる。樹脂フィルムとしては、屈折率が1.45〜1.65であれば、工業用プラスチックを材料として、容易にフィルム化できる材料が数多くある。たとえば、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、実施の形態1、2においては言及しなかったが、樹脂フィルムの、記録及び再生を行うための光が入射する側に、さらに樹脂フィルムより硬い保護層を有していてもよい。樹脂フィルムの記録及び再生を行うための光が入射する側の面にも、傷や突起といった凹凸が多少はある。この凹凸は信号記録層から遠い位置にあるため、凹凸の大きさは記録あるいは再生の光のスポットに比べて小さく、境界層との界面の凹凸と比べると、記録あるいは再生への影響は小さい。この保護層の主な役割は、光情報記録媒体の表面に生じる新たな傷によるエラーレートの増大を抑制することである。しかし、樹脂フィルムの、記録及び再生を行うための光が入射する側の面の凹凸は、保護層形成によりその凹凸の高さあるいは深さを小さくすることができ、さらにエラーレートを低くすることができる。この凹凸の大きさは記録あるいは再生のスポットの大きさに比べて非常に小さいため、保護層の屈折率の制限は殆どないといってよい。そのため、樹脂フィルムより硬く、かつ透明であれば、無機材料であってもよいし、有機材料(たとえば、ハードコート剤や、硬度の高いシリカ等の無機物が分散された有機材料等)であってもよく、多くの材料が使用できる。有機材料であれば液体状で塗工することが可能であり、凹凸の高さや深さを小さくしたり、あるいは凹凸を埋めてしまうことも容易である。さらに、境界層をもたない光情報記録媒体の場合にも、樹脂フィルム上の保護層は同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、光情報記録媒体の製造方法の例について記述する。図3に、その製造方法の工程ブロック図を示す。まず、透明カバー層の母材になる樹脂フィルムの表面に存在する傷や突起等の凹凸を検査、測定する。これを樹脂フィルム検査工程と呼ぶ。ここで、樹脂フィルムの両面を検査してもよいし、接着剤層を形成する片面のみ検査をおこなってもよい。樹脂フィルムの両面を検査する場合は、各面の凹凸の大きさや高さ、数量等の統計を取り、その統計に基づき凹凸の影響がすくなくなると思われる面に接着剤層を形成するように選択することもできる。
樹脂フィルム検査工程の結果に基づいて、種々の境界層とその形成方法を蓄積した境界層種類・形成方法データベースより、境界層の種類と形成方法が決定される。次に、決定された境界層を凹凸のある樹脂フィルムの上に形成する境界層形成工程を行う。それと並行して、支持基板の案内溝あるいはピットのある信号面に信号記録層を形成する工程を行う。ここで、案内溝あるいはピットといった信号とその上に形成された記録多層膜や反射膜を総じて信号記録層と呼ぶことにする。
記録及び再生をおこなう光情報記録媒体の場合、支持基板側から順に反射膜Ag、誘電体層ZnS−SiO2、界面層、記録膜GeSbTe、界面層、誘電体層ZnS−SiO2と形成された記録多層膜や、支持基板側から順に反射膜Ag、色素膜と形成された追記型膜が上げられる。多層膜の各膜や、追記型膜のAg反射膜は通常スパッタリング法で形成される。また、その他の方法としては、蒸着やイオンプレーティングでも形成は可能である。追記型膜の色素膜は通常、溶剤に溶かした色素をスピンコーティングし、乾燥することにより得ることができる。また、その他の方法としては、蒸着も挙げられる。再生のみができる再生型光情報記録媒体の場合は、支持基板のピット上に、アルミニウムやその合金、あるいは、銀あるいはその合金等の金属膜をスパッタリング法で形成する。
最後に、信号記録層が形成された支持基板と、境界層の形成された樹脂フィルムを接着剤により接着する。これを接着工程とよぶ。接着剤は、図1に示すような接着剤層として光情報記録媒体の一部となる。接着剤としては、上記実施の形態1、2で説明したとおり、感圧性接着剤、ラジカル反応やカチオン反応を用いた紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂をはじめとする放射線硬化材料が例として挙げられる。接着工程が終了すれば、光情報記録媒体は完成となる。記録再生の可能なものに対しては、接着工程のあとに、初期化工程等のその他の工程が付随する。以上が、本発明の製造方法の概略である。
次に、図4、図5を用いて、図3で示した製造方法の各工程の詳細について説明する。図4に樹脂フィルム検査工程および境界層形成工程の詳細を示す。また、図5には、接着工程の詳細を示す。図4や図5において用いられる樹脂フィルム、境界層、接着剤層の材料の例は、上記実施の形態1、2に示したような材料であるため、これより以降記述を省略する。
図4(a)は樹脂フィルム検査工程における検査方法の一例を示すものである。樹脂フィルム401はロールの形で検査装置に供給される。樹脂フィルム401はロールから解かれ、凹凸測定器400に挿入される。凹凸測定器400は、光学的に凹凸を検知して、その反射光(散乱光)や透過光の受光することで、凹凸の大きさ、高さや深さを測定することができる。凹凸測定器400には、測定光源、反射光(散乱光)の受光素子(たとえば、CCD)、透過光の受光素子(たとえば、CCD)、等から成る。測定のための光の波長は、その凹凸の大きさ、高さや深さによって選ぶことができるが、光情報記録媒体の記録あるいは再生波長(たとえば波長405nm)に近い波長であるのが好ましい。記録あるいは再生波長に近い波長の光で検査を行えば、記録あるいは再生に影響を及ぼすレベルの凹凸をおのずと検査できるためである。
凹凸からの反射光(散乱光)と透過光を同時に検知することで、樹脂フィルム401の両方の表面にある凹凸を同時に検査することも可能である。また、凹凸からの反射光(散乱光)と透過光の強度や、凹凸のイメージを分析することで、樹脂フィルム401のどちらの面に凹凸があるか判断することもできる。凹凸測定器400で測定したデータは境界層決定手段410に送られる。境界層種類・形成方法データベース415からの情報を元に、境界層決定手段410により最適な境界層(材料と厚み)とその形成方法が決定される。境界層種類・形成方法データベース415には、表1や表2に示したような境界層の材料と各種材料に適した形成厚みと形成方法が蓄積されている。
図4(b1)に、境界層形成工程の一例であるローラ塗布の例を示す。また、図4(b2)には、境界層形成工程の一例であるスパッタリング法の例を示す。図4(a)において、決定された境界層種類と形成方法によって、図4(b1)や図4(b2)といった方法により、境界層を形成する。
たとえば、(表1)や(表2)に示したような、液体状あるいは半固体状の有機材料を境界層として用いる場合は、図4(b1)のローラ塗布が適している。樹脂フィルム402の境界層を塗布する面に境界層塗布ローラ405により、境界層407を形成する。ここでは、簡単化のために境界層塗布ローラ405のみを示すが、グラビア印刷用のグラビアローラであってもよい。グラビアローラであれば、境界層の厚みが均一に塗布することが可能である。境界層407が放射線硬化材料や熱硬化材料の場合、塗布後に放射線(たとえば、紫外線)照射、あるいは、加熱により硬化される。また、境界層407が感圧性接着剤である場合は、塗布後に加熱によって溶剤を揮発し半固体状の感圧性接着剤を得る。
また、無機材料を境界層として用いる場合は、図4(b2)のスパッタリング法が適している。樹脂フィルム403の境界層を塗布する面に、境界層ターゲット406を用いて境界層408をスパッタリングにより形成する。スパッタリング法では、境界層ターゲット406は高真空度に保たれたチャンバ内に配置される。また、境界層ターゲット406は、境界層408からなるターゲットであってもよいし、ガスと反応させて境界層408を形成する場合には、境界層Bを得るために十分なターゲットであればよい。たとえば、SiO2を境界層として用いる場合は、SiO2ターゲットを使用してもよいし、シリコンターゲットを用いて酸素と反応させてSiO2の境界層を形成してもよい。以上のように、境界層の材料によって種々の形成方法を使用することができる。
次に、図5に接着工程の一例を示す。図5(a)にしめすように、図4の方法で得た境界層付き樹脂フィルム510の境界層500の形成された面に接着剤層506を形成する。接着剤層506の材料は接着剤層塗布ローラ505により、均一に塗布される。図4(b1)同様グラビアローラであってもよい。接着剤層506が感圧性接着剤の場合は、塗布の後加熱により溶剤を揮発させる必要がある。また、揮発させた後は粘着性があるため、保護フィルムによって覆っておく必要がある。接着剤層506が放射線硬化材料の場合は、塗布の後放射線が照射されないように、保護フィルムによって覆っておく必要がある。その後、図5(b)に示すように、接着剤層保護フィルム515とラミネートされた境界層・接着剤層付き樹脂フィルム520を、境界層や接着剤層の形成されていない面から、打抜ダイ525により光情報記録媒体のような形状に打ち抜く。このとき、打ち抜かれた境界層・接着剤層付き樹脂フィルム527は、接着剤層まで打ち抜かれてはいるが、接着剤層保護フィルム515までは打ち抜かれてはいない。したがって、接着剤層保護フィルム515をベースフィルムとして容易に扱うことができる。
最後に、図5(c1)や図5(c2)のように、信号記録層540の形成された支持基板530と貼りあわせる。図5(c1)では、図5(b)で打ち抜かれた境界層・接着剤層付き樹脂フィルム527を、接着剤層保護フィルム515からはがして、接着剤層が支持基板530の信号記録層540の面に接するように、貼り合わせローラ541で接着する。貼り合わせローラ541は打ち抜かれた境界層・接着剤層付き樹脂フィルム527と接触して傷つかないように、たとえば表面が軟らかいゴムであることが好ましい。接着剤層が感圧性接着剤の場合、図5(c1)の方法を用いることができる。また、接着剤層がたとえば液体状の材料の場合(たとえば、紫外線硬化樹脂など)は、図5(a)のような接着剤層塗布ローラ505を使用せず、図5(c2)のように接着剤層545を支持基板530上にスピンコートで形成して、その上に打ち抜かれた境界層付き樹脂フィルム550を境界層と接着剤層545とが接するように重ねて貼ってもよい。その後、硬化するための処理(たとえば、紫外線照射や加熱)を行う。このとき、打ち抜かれた境界層付き樹脂フィルム550は図5(b)のような方法で打ち抜かれる。また、接着剤層545と境界層との間の気泡混入を防ぐため、重ね合わせるときには真空チャンバ内でおこなうことがこのましい。また、スピンコートではなく、支持基板530の上あるいは打ち抜かれた境界層付き樹脂フィルム550の上に、リング状に液体状接着剤を滴下して、重ねた後両方をスピンして接着剤を延伸してもよい。いずれの場合でも、樹脂フィルム、境界層、接着剤層を併せた透明保護層が所望の厚み(たとえば100ミクロン)になるように、接着剤層の厚みは制御されて形成される。
以上に示した工程から成る製造方法により、境界層を有した光情報記録媒体を安定に、かつ短タクトタイムで製造することができる。
なお、本実施の形態3では、樹脂フィルム検査工程を設けた製造方法の例を説明したが、樹脂フィルムの種類や厚み、あるいはフィルムの製造方法が固定されている場合、フィルム表面の凹凸が多く発生する面やその大きさや高さ、深さはおおよそ安定するため、過去のデータを用いることで樹脂フィルム検査工程を省略することも可能である。この場合、境界層の種類や厚み、形成方法も固定することができ、工程全体を簡単化することができる。
また、樹脂フィルム検査工程では、凹凸測定器の機能によっては、樹脂フィルムの片面ずつ合計2度検査をおこなってもよい。
また、境界層が有機材料の場合、図4(b1)の方法以外に、スクリーン印刷法を使用してもよい。境界層が無機材料の場合、図4(b2)の方法以外に蒸着、イオンプレーティングあるいはCVD法を使用してもよい。
また、図5(b)では、打ち抜きダイを使用したが、円筒状のロータリーダイを用いると、より高速に打ち抜きが可能となる。打ち抜きの工程は接着工程のあとに行ってもよい。その場合、図5(a)の接着剤塗布をおこなったのち、図5(c1)のような貼り合わせローラ541により境界層・接着剤層付き樹脂フィルム520を貼り、その後に打ち抜く。なお、実施の形態3では、円形に打ち抜く例を示したが、打ち抜く形状は支持基板の形状あるいは所望の形状に合わせて選択すればよい。
さらに、記録及び再生を行うための光が入射する側に、さらに樹脂フィルムより硬い保護層を形成する場合、保護層形成工程が加わり、以下のような工程の順になる。
(A)樹脂フィルム検査工程→図4(b1)あるいは(b2)の境界層形成工程→接着工程→保護層形成工程
(B)樹脂フィルム検査工程→保護層形成工程→図4(b1)あるいは(b2)の境界層形成工程→接着工程
ただし、(A)の場合、保護層形成工程が最終になり、保護層形成工程の前に樹脂フィルムの表面に埃や汚れ、傷が付いてしまう可能性が高くなるため、樹脂フィルム401に予め保護フィルムをラミネートしておくことが重要である。また、この凹凸測定器400での測定が不安定になる可能性があるため、樹脂フィルム検査工程の後に、保護フィルムをラミネートしてもよい。保護層は、この保護フィルムを剥離した直後に形成した方が、良好な保護層面を得ることができる。これにより、光情報記録媒体の表面にできる新たな傷を防ぐことができ、エラーレートの増大を抑制することができる。
本発明にかかる光情報記録媒体は、樹脂フィルム表面の凹凸の影響が境界層により緩和されるため、エラーレートを悪化させることなく、信号の記録あるいは再生することができ、安定かつ記録保存性の高い大容量記録媒体として利用することができる。
また、本発明にかかる光情報媒体の製造方法は、上記光情報記録媒体を安定に、かつ短タクトタイムで製造するために利用することができる。
本発明の光情報記録媒体の構造を示す模式図 本発明の光情報記録媒体の構造の別の例を示す模式図 本発明の光情報記録媒体の製造方法を示すブロック図 樹脂フィルム検査工程と境界層形成工程の一例を示す図 接着工程の一例を示す図
符号の説明
100,401,402,403 樹脂フィルム
101,530 支持基板
102,540 信号記録層
103,506,545 接着剤層
104,200,220,407,408,500 境界層
105 光情報記録媒体
106 透明保護層
110 傷
111 突起
210 深い傷
211 高い突起
213,223 凹部
214,224 凸部
400 凹凸測定器
405 境界層塗布ローラ
406 境界層ターゲット
410 境界層決定手段
415 境界層種類・形成方法データベース
505 接着剤層塗布ローラ
510 境界層付き樹脂フィルム
515 接着剤層保護フィルム
520 境界層・接着剤層付き樹脂フィルム
525 打抜ダイ
527 打ち抜かれた境界層・接着剤層付き樹脂フィルム
541 貼り合わせローラ
550 打ち抜かれた境界層付き樹脂フィルム
A 境界面
d,d1,d2 深さ
t,t1,t2 高さ

Claims (20)

  1. 表面に第1の凹凸を有する樹脂フィルムを用いて作成される光情報記録媒体であって、
    前記光情報記録媒体は、少なくとも記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層と信号記録層と支持基板を有し、前記透明保護層の厚みが10μm〜200μmである光情報記録媒体であって、
    前記透明保護層は、記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、少なくとも前記表面に凹凸の高さと深さが0.3μm〜3μmである第1の凹凸を有する樹脂フィルムと、前記第1の凹凸に接して形成される境界層と、前記境界層と前記信号記録層を接着する接着剤層から構成され、
    前記境界層は、前記境界層と前記接着剤層側の表面に前記第1の凹凸の影響により形成される第2の凹凸を有し、前記第2の凹凸の高さあるいは深さが、前記第1の凹凸の高さあるいは深さより小さく、
    波長405nm近傍における前記樹脂フィルムの屈折率、前記接着剤層の屈折率、前記境界層の屈折率をそれぞれnf、na、niとしたときに、
    na<ni≦nf、あるいはna>ni≧nf
    且つ
    |nf−ni|≦0.08、及び、
    |ni−na|≦0.1
    を満たすことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記nf、前記na、前記niの間に、
    ni=(nf+na)/2
    の関係があることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記境界層の厚さが2μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記nfと前記naの間に、
    |nf−na|>0.08
    の関係があることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記nfが1.45≦nf≦1.65であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  6. 前記樹脂フィルムがポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含む材料であることを特徴とする請求項5に記載の光情報記録媒体。
  7. 前記接着剤層が放射線硬化材料、感圧性接着剤のいずれかを主成分とする材料であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  8. 前記境界層の厚さが5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  9. 前記境界層は無機材料が主成分であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  10. 前記無機材料が、酸素化合物、窒素化合物、硫黄化合物、フッ素化合物、塩素化合物、臭素化合物、ヨウ素化合物のいずれかのうち少なくとも一つを含む材料であることを特徴とする請求項9に記載の光情報記録媒体。
  11. 前記境界層は有機材料が主成分であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  12. 前記境界層がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれかのうち少なくとも一つを含む材料であることを特徴とする請求項11に記載の光情報記録媒体。
  13. 表面に第1の凹凸を有する樹脂フィルムを用いて作成される光情報記録媒体の製造方法であって、
    記録及び再生を行うための光が入射する側から、透明保護層、信号記録層、支持基板の順に構成され、前記透明保護層は、記録及び再生を行うための光が入射する側から順に、前記表面に凹凸の高さと深さが0.3μm〜3μmである第1の凹凸を有する樹脂フィルム層、境界層、接着剤層からなる、前記透明保護層の厚みが10〜200ミクロンである光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記樹脂フィルムの前記第1の凹凸を有する表面上に境界層を形成する境界層形成工程と、
    前記境界層と前記信号記録層が形成された前記支持基板との間に接着剤層を配置して、前記境界層と前記信号記録層とが対向するように接着する接着工程とを含み、
    前記境界層は、前記境界層と前記接着剤層側の表面に前記第1の凹凸の影響により形成される第2の凹凸を有し、前記第2の凹凸の高さあるいは深さが、前記第1の凹凸の高さあるいは深さより小さく、
    波長405nm近傍における前記樹脂フィルムの屈折率、前記接着剤層の屈折率、前記境界層の屈折率をそれぞれnf、na、niとしたときに、
    na<ni≦nf、あるいはna>ni≧nf
    且つ
    |nf−ni|≦0.08、及び、
    |ni−na|≦0.1
    を満たすことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  14. 前記樹脂フィルム上の第1の凹凸の高さあるいは深さを検出したのちに、前記凹凸の高さあるいは深さに基づいて、前記境界層形成工程として、前記境界層の種類と厚さ、および形成方法が選択されることを特徴とする請求項13に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  15. 前記境界層形成工程が、前記境界層の材料が液体状あるいは半固体状であるときに塗工により形成する工程であることを特徴とする請求項13または14に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  16. 前記境界層形成工程が、前記境界層の材料をスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法のいずれかによってなされることを特徴とする請求項13または14に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  17. 前記接着工程は、前記接着剤層を前記境界層の上に形成し、前記境界層と前記信号記録層が形成された前記支持基板とを接着する工程であることを特徴とする請求項13に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  18. 前記接着工程において、前記接着剤層として感圧性接着剤を用いることを特徴とする請求項13から17のいずれか一項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  19. 前記接着工程において、前記接着剤層として放射線硬化材料を用いることを特徴とする請求項13に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  20. 前記樹脂フィルムを所望の形状に打ち抜く工程をさらに有する請求項13に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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