JP4131249B2 - 車両用発進クラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用発進クラッチの制御装置に関する。
特許文献1には、目標クリープ速度を設定し、この目標クリープ速度に実際の車速を追従させるように、原動機(エンジン)のトルク及び発進クラッチの伝達トルクを制御してクリープ走行を行わせる車両のクリープ制御装置が記載されている。
特開2003−262240号公報
上記従来の車両のクリープ制御装置によれば、走行抵抗が大きくなると、クリープ走行を行うために前記発進クラッチが伝達すべきトルク(クリープクラッチトルク)も大きく設定されることになるため、走行抵抗にかかわらず安定したクリープ走行を行うことができると考えられる。
しかし、走行抵抗が変化した場合の発進の制御については何ら記載されておらず、以下に記すように、車両の発進性能や発進クラッチの耐久性といった点で改良の余地がある。
すなわち、車両発進時における発進クラッチの制御としては、一般に、エンジン回転数に基づいて前記発進クラッチが伝達(発生)すべきトルク(発進クラッチトルク)を設定し、この発進クラッチトルクを発生(伝達)するように発進クラッチの係合状態(クラッチ容量)を制御することで、発進時のトルク変動等を防止して運転性の向上を図るようにしている。そして、このようにして設定された発進クラッチトルクが前記クリープクラッチトルクを上回ることにより、クリープ走行から発進(通常の走行)に切り換わることになる。
上記従来の車両のクリープ制御装置では、勾配路等の走行抵抗が大きい場合には、平坦路等の走行抵抗が小さい場合に比べて、より大きなクリープクラッチトルクが設定されることになる。このため、走行抵抗が大きくなると、アクセル操作時に設定される発進クラッチトルクがクリープクラッチトルクを上回るまでに遅れが生じることとなり、運転者に発進レスポンスが低下したと感じさせるおそれがある。また、クラッチ締結時間の増加を招くことになり、発進クラッチの耐久性の悪化を促進させるおそれもある。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、車両の走行抵抗にかかわらず安定したクリープ走行を行いつつ、発進レスポンスの低下や発進クラッチの耐久性の悪化を防止することのできる車両用発進クラッチの制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る車両用発進クラッチの制御装置は、エンジンと駆動輪との間に設けられ、その係合状態が可変の発進クラッチと、車両の走行抵抗に応じて、車両をクリープ走行させるために前記発進クラッチが伝達すべきクリープクラッチトルクを設定するクリープクラッチトルク設定手段と、アクセル操作時に、エンジン回転数に基づいて前記発進クラッチが伝達すべき発進クラッチトルクを設定する発進クラッチトルク設定手段と、車両の走行抵抗に応じて、前記発進クラッチトルクを補正する補正手段と、アクセル操作によりクリープ走行から通常の走行へと移行する際に、前記クリープクラッチトルク設定手段により設定されたクリープクラッチトルクと前記補正手段により補正された補正後の発進クラッチトルクとを比較して、大きい方を前記発進クラッチの目標クラッチトルクとして設定する目標クラッチトルク設定手段と、設定された目標クラッチトルクに基づいて前記発進クラッチの係合状態を制御する制御手段と、を備える。
本発明に係る車両用発進クラッチの制御装置によると、車両の走行抵抗に応じて設定されるクリープクラッチトルクと、エンジン回転数に基づいて設定される発進クラッチトルクを車両の走行抵抗に応じて補正した補正後の発進クラッチトルクとを比較して、大きい方を発進クラッチの目標クラッチトルクとして設定、この設定した目標クラッチトルクを実現するように発進クラッチの係合状態制御る。これにより、走行抵抗にかかわらず安定したクリープ走行を行うことができる共に、アクセル操作がなされて、クリープ走行から発進(通常の走行)へと移行する際のトルク段差の発生をも抑制できる。
また、発進クラッチトルクは車両の走行抵抗に応じて補正されるので、走行抵抗に応じてその立ち上がり特性を変化させる(早める)ことができる。したがって、例えば目標クラッチトルクの設定に際し、クリープクラッチトルクと補正後の発進クラッチトルクとの最大値選択を行う構成において、走行抵抗が大きくクリープクラッチトルクが大きな値に設定された場合であっても、それに応じて発進クラッチトルクの立ち上がり特性を早めるような補正を行い、(補正後の)発進クラッチトルクがクリープクラッチトルクを上回るまで(に要する時間)をほぼ一定とすることができる。この結果、走行抵抗に応じてクリープクラッチトルクを設定することによって生じるおそれのある、発進レスポンスの低下やクラッチ締結時間の増加による発進クラッチの耐久性の低下等の不具合を防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す車両の構成を示す概略図である。この図に示すように、車両には、エンジン1と、このエンジン1に発進クラッチ(湿式多板クラッチ等)2を介して接続される無段変速機3とが搭載されている。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト101は、発進クラッチ2の入力側に結合されており、無段変速機3の入力軸301は、発進クラッチ2の出力側に結合されている。無段変速機3の出力軸302は、プロペラシャフト4、ファイナルギヤ5及びディファレンシャルギヤ6を介して車輪駆動軸7及び駆動輪8に結合されている。
発進クラッチ2は、そのクラッチ板が油圧シリンダのピストンによって駆動される。そして、この(発進クラッチ2の)油圧シリンダの油圧が制御されることにより、発進クラッチ2の係合状態(クラッチ容量)が調整され、エンジン1からの駆動力が所定のトルクで無段変速機3に伝達されるようになっている。
無段変速機3は、その入力軸301側に設けられ、有効径が可変のプライマリプーリ303と、出力軸302側有効径が可変のセカンダリプーリ304と、これらのプーリ303、304の有効径を変更させる油圧シリンダ305、306と、これらのプーリ303、304に巻回される伝達ベルト307と、を含んで構成され、(無段変速機3の)油圧シリンダ305、306の油圧が制御されることによって、プーリ比を変化させて変速比を無段階に制御可能となっている。
エンジン1の動作は、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という)10によって制御される。このECU10には、アクセル開度APO(図示しないアクセルペダルの操作量)を検出するアクセル開度センサ31、クランクシャフト101の回転速度(エンジン回転数Ne)を検出するエンジン回転センサ32、車速Vsを検出する車速センサ33、エンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ34等の各種センサの検出信号(出力信号)が入力される。
発進クラッチ2及び無段変速機3の動作(すなわち、発進クラッチ2の係合状態、無段変速機3の変速比)は、トランスミッションコントロールユニット(以下、「TCU」という)20によって制御される。このTCU20には、無段変速機3の入力軸301の回転速度(プライマリプーリ303の回転数)Ntを検出するプライマリ回転センサ41、無段変速機3の出力軸302の回転速度(セカンダリプーリ304の回転数)Nsを検出するセカンダリ回転センサ42、路面の勾配(車体の傾斜)を検出する勾配検出センサ43、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ操作検出センサ44、無段変速機3のレンジを検出するレンジ検出センサ45等の検出信号(出力信号)が入力される。
なお、EUC10とTCU20とは接続されており、互いに所定信号のやり取りが可能になっている。そして、ECU10は、これらの入力信号に基づいて、エンジン1の運転状態に応じたエンジン制御(エンジントルク制御等)を行い、TCU20は、これらの入力信号に基づいて、発進クラッチ2の油圧シリンダ、無段変速機3の油圧シリンダ305、306の油圧を制御してクラッチ制御、変速制御を行う。従って、かかるTCU20によって、本発明に係るクリープクラッチトルク設定手段、発進クラッチトルク設定手段、補正手段、目標クラッチトルク設定手段及び制御手段が実現される。
以下、本実施形態において、TCU20によって実行される発進クラッチ2のクラッチ制御を図2〜図4に基づいて説明する。
図2、3は、発進クラッチ2のクラッチ容量制御を示すフローチャートであり、例えば、キースイッチがONされると開始される。
S11では、選択されているレンジを確認し、選択レンジが走行レンジ(L、2、D、Rレンジ)であるか否かを判定する。選択レンジが走行レンジであればS12に進み、走行レンジ以外(N、Pレンジ)であれば本フローを終了する。
S12では、車両の走行抵抗を検出する。ここでは、車両の走行抵抗の代表として路面勾配を検出する。但し、路面勾配に加えて車両の乗員数や荷物の積載量等も考慮するようにしてもよい。
S13では、ブレーキが操作されていないか否かを判定する。ブレーキ操作がない場合にはS14に進み、ブレーキ操作がある場合には本フローを終了する。
S14では、クリープ走行を行わせるために発進クラッチ2が伝達(発生)すべきトルク(以下、これを「クリープクラッチトルク」という)CrpTrqを算出する。かかる算出は、例えば、検出した走行抵抗及び車速Vsに基づいて、あらかじめ設定されたマップを参照することにより行う(図4のB31参照)。このクリープクラッチトルクcrpTrqは、走行抵抗が大きいほど(すなわち、路面の勾配が急であるほど)大きな値に設定される。なお、次式に示すように、マップを参照して平坦路におけるクリープクラッチトルク(以下、「平坦路クリープクラッチトルク」又は「基本クリープクラッチトルク」という)CrpTrq0を算出し、これに勾配抵抗Rsを加算してクリープクラッチトルクCrpTrqを算出するようにしてもよい。
CrpTrq=CrpTrq0+Rs
Rs=M・g・sinθ=W・sinθ (M:車両質量、g:重力加速度、W:車両重量、θ:路面の勾配(傾斜)角)
S15では、アクセルペダルが踏込まれているか(アクセル操作がなされているか)否かを判定する。アクセル操作がなされていない場合はS16に進み、S14で算出したクリープクラッチトルクCrpTrqを目標クラッチトルクTgTrqに設定し、その後S22に進む。アクセル操作がなされている場合はS17に進む。
S17では、プライマリプーリ303の回転数Nt(発進クラッチ2の出力側回転数)をエンジン回転数Ne(発進クラッチ2の入力側回転数)で除算してクラッチ速度比(Nt/Ne)を算出する。
S18では、発進クラッチ2の容量係数τを算出する。かかる算出は、算出したクラッチ速度比(Nt/Ne)に基づいて、あらかじめ設定されたテーブルを検索することにより行う(図4のB32参照)。
S19では、補正係数kを算出する。かかる算出は、例えば、S14で算出したクリープクラッチトルクCrpTrqに基づいて、あらかじめ設定されたテーブルを検索することにより行う(図4のB33参照)。この補正係数kは、クリープクラッチトルクCrpTrqが大きいほど(すなわち、走行抵抗が大きいほど)大きな値が設定される。なお、ここでは、クリープクラッチトルクCrpTrqに基づいて補正係数kを算出するようにしているが、路面勾配に基づいて補正係数kを算出するように構成してもよい。
S20では、容量係数τ、補正係数k及びエンジン回転数Neに基づいて、車両発進時に発進クラッチ2が伝達(発生)すべきトルク(以下、これを「発進クラッチトルク」という)StrTrq(=k・τ・Ne2)を算出する。これにより、アクセル操作時に、容量係数τ及びエンジン回転数に基づいて通常設定される発進クラッチトルク(以下、これを「基本発進クラッチトルク」という)StrTrq0が車両の走行抵抗に応じて補正されることになる。なお、この発進クラッチトルクStrTrqが車輪駆動軸7及び駆動輪8に伝達されると「クリープ走行」から「発進(通常の走行)」へと切り換わり、発進Gが発生することになる(運転者が車両の発進を感じることになる)。
S21では、S14で算出したクリープクラッチトルクCrpTrqと、S20で算出した発進クラッチトルクStrTrqとを比較して(最大値選択を行い)、大きい方を発進クラッチ2が伝達すべき目標クラッチトルクTgTrqとして設定(決定)する(図4のB35参照)。
S22では、設定(決定)した目標クラッチトルクTgTrqに基づいて、発進クラッチ2の目標クラッチ容量(目標係合状態)を設定する。
S23では、目標クラッチ容量(目標係合状態)を発進クラッチ2に出力し、その油圧(すなわち、クラッチ締結(係合)圧)を制御して、実際のクラッチ容量(係合状態)を目標クラッチ容量(目標係合状態)へと制御する。これにより、発進クラッチ2は目標クラッチトルクTgTrqを発生することになる(伝達することになる)。
図4は、発進クラッチ2のクラッチ制御を示すブロック図であり、上記図2のフローチャートと同じ内容を示している。
図4において、クリープクラッチトルク算出部B31は、路面勾配(走行抵抗)及び車速Vsに基づいて、図に示すようなマップを参照してクリープクラッチトルクCrpTrqを算出し、算出したクリープクラッチトルクCrpTrqを容量補正係数算出部B33及び最大値選択部B36に出力する。
容量係数算出部B32では、クラッチ速度比(プライマリプーリ回転数Nt/エンジン回転数Ne)に基づいて、図に示すようなテーブルを検索して発進クラッチ2の容量係数τを算出し、算出した容量係数τを発進クラッチトルク算出部B34に出力する。
容量補正係数算出部B33では、入力されたクリープクラッチトルクCrpTrq(又は、勾配等の走行抵抗)に基づいて、図に示すようなテーブルを検索して補正係数kを算出し、算出した補正係数kを発進クラッチトルク算出部B34出力する。
なお、図中破線で示すように、容量係数τと補正係数kとをあらかじめ乗算し、これを発進クラッチトルク算出部B34に出力するようにしてもよい。この場合、補正係数kによって容量係数τを補正することになり、クリープクラッチトルクCrpTrq(又は走行抵抗)毎に補正された容量係数をテーブルとして作成しておき、これを検索するよう構成することも可能である。
発進クラッチトルク算出部B34は、入力された容量係数τ、補正係数k及びエンジン回転数Neの二乗とから発進クラッチトルクStrTrqを算出し、算出した発進クラッチトルクStrTrqを最大値選択部B35に出力する。上述したように、この発進クラッチトルクStrTrqは、容量係数τとエンジン回転数Neの二乗とから算出される基本発進クラッチトルクStrTrq0が車両の走行抵抗に応じて補正されたものに相当する。
最大値選択部B35は、入力されたクリープクラッチトルクCrpTrqと発進クラッチトルクStrTrqとの最大値選択を行い、その結果を目標クラッチトルクTgTrqとして出力する。
これにより、発進クラッチ2の係合状態(クラッチ容量)は、目標クラッチトルクTgTrqを発生する状態(目標係合状態、目標クラッチ容量)へと制御されることになる。
図5は、以上説明したクラッチ制御におけるタイミングチャートを示している。
発進クラッチ2の目標クラッチトルクTgTrqは、クリープクラッチトルクCrpTrqと発進クラッチトルクStrTrqとの最大値選択によって決定される。従って、運転者がアクセル操作を行った後、発進クラッチトルクStrTrqがクリープクラッチトルクCrpTrqを上回って初めてクリープ走行から発進へと切り換わることになる(発進Gが発生することになる)。
図5において、破線は、車両の走行抵抗に応じた補正(又は発進クラッチ2の容量係数τの補正)が行われない場合に算出される発進クラッチトルク、すなわち、基本発進クラッチトルクStrTrq0(=τ・Ne2)を示し、実線は、補正係数kにより発進クラッチ2の容量係数τの補正が行われた場合の発進クラッチトルクStrTrq(=τ1・Ne2=k・τ・Ne2)を示している。
また、クリープ走行は、クリープ力と走行抵抗(路面勾配)が釣り合う車速で行われるから、走行抵抗にかかわらず安定したクリープ走行を確保するためには、図に示すように、勾配路におけるクリープクラッチトルク(勾配路クリープクラッチトルク)CrpTrqを、平坦路クリープクラッチトルクCrpTrq0よりも大きく設定する必要がある。
車両の走行抵抗に応じた補正が行われない場合(破線)には、平坦路では図中A点において基本発進クラッチトルクStrTrq0が平坦路クリープクラッチトルクを上回り、発進Gが発生することになるが(車速Vs1)、勾配路では図中B点に至るまでは、勾配路クリープトルクを上回ることができず発進Gが発生しないことになる(車速Vs2)。
すなわち、平坦路に対して勾配路では図中Dで示す間は応答がないことになり、運転者としてみれば発進レスポンスが低下したと感じることになる。また、このことは、発進クラッチ2が滑った状態でトルクを伝達する時間(クラッチ締結時間)が長くなることにもつながるから、平坦路の場合に比べて、摩耗や摩擦に伴う発熱によって発進クラッチ2の耐久性の悪化を招くことになる。
そこで、本実施形態では、通常設定(算出)される基本発進クラッチトルクStrtrq0を車両の走行抵抗に応じて補正すること(又は、発進クラッチ2の容量係数τを車両の走行抵抗に応じて補正すること)により、設定(算出)される発進クラッチトルクを図中矢印で示す方向にシフトさせ、勾配路における発進クラッチトルクの立ち上がりを早くして、発進レスポンスの低下やクラッチ締結時間の増加を防止するようにしている。
ここで、本実施形態において、補正係数kは、設定されたクリープクラッチトルクCrpTrqと基本クリープクラッチトルクCrpTrq0から次式により算出されるものであり、前記図4のB33に示すテーブル検索により設定されるようになっている。
k=CrpTrq/CrpTrq0=(CrpTrq0+Rs)/CrpTrq0
この補正係数kによって基本発進クラッチトルクStrTrq0が補正される(すなわち、発進クラッチトルクStrTrqが算出される)場合は、図中実線で示すように、補正が行われない場合に比べて、その立ち上がりが早くなり、具体的には、勾配路においても、発進クラッチトルクStrTrqがクリープクラッチトルク(勾配路クリープクラッチトルク)CrpTrqを上回るのが図中C点となり、平坦路と同じ車速Vs1にて発進Gが発生することになる。
従って、勾配路等の走行抵抗が大きいときでも、運転者に発進レスポンスが低下したと感じさせず、また、クラッチ締結時間の増加による発進クラッチ2の耐久性の悪化を抑制できる。
なお、以上の説明では、勾配路においても平坦路と同じ時間で発進Gを発生させるように補正係数kを設定したが、これに限られるものではなく、勾配路における発進クラッチトルクの立ち上がりが、平坦路における発進クラッチトルクの立ち上がりよりも早くなっていれば発進レスポンスと発進クラッチ2の耐久性を改善できることはいうまでもない。
本実施形態によれば、車両の走行抵抗に応じて、車両をクリープ走行させるために発進クラッチ2が伝達すべきクリープクラッチトルクを設定する一方(S14、B31)、アクセル操作時に発進クラッチ2が伝達すべき発進クラッチトルクをエンジン回転数に基づいて設定し、この発進クラッチトルクを車両の走行抵抗に応じて補正する(S17〜S20、B32〜B34)。そして、これらの値の最大値選択を行って発進クラッチ2の目標クラッチトルクを決定し(S21、B35)、この目標クラッチトルクを実現するように発進クラッチ2の係合状態を制御する。
ここで、クリープクラッチトルクは車両の走行抵抗が大きいほど大きな値に設定され、発進クラッチトルクは車両の走行抵抗が大きいほど大きな値となるよう補正される。
これにより、走行抵抗にかかわらず安定したクリープ走行を行うことができる共に、クリープ走行から発進(通常の走行)へと移行する際のトルク段差の発生を抑制できる。
また、走行抵抗が大きくクリープクラッチトルクが大きな値に設定された場合であっても、それに応じて発進クラッチトルクを補正して、その立ち上がり特性を変化させる(早める)ことができるので、発進クラッチトルクがクリープクラッチトルクを上回るまでに要する時間を早めて、発進レスポンスの低下やクラッチ締結時間の増加による発進クラッチの耐久性の低下を防止できる。
また、走行抵抗(路面勾配)に応じて設定されたクリープクラッチトルクCrpTrqを、平坦路において設定される基本クリープクラッチトルクCrpTrq0で除算して補正係数kを算出し、この補正係数を、クラッチ速度比に基づいて設定される容量係数τとエンジン回転数Neの二乗とから算出される基本発進クラッチトルクStrTrq0に乗算することにより発進クラッチトルクの補正を行うので、走行抵抗に応じてクリープクラッチトルクが設定された場合であっても、走行抵抗にかかわらず、アクセル操作がなされて発進Gが発生するまでをほぼ一定とすることができる。これにより、発進レスポンスの低下やクラッチ締結時間の増加による発進クラッチの耐久性の低下をさらに効果的に防止できる。
本発明の一実施形態を示す車両の概略構成図である。 発進クラッチの制御を示すフローチャート1である。 同じく発進クラッチの制御を示すフローチャート2である。 発進クラッチの制御ブロック図である。 発進クラッチ制御時の変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1…エンジン、2…発進クラッチ、3…無段変速機、101…クランクシャフト、301…プライマリプーリ、302…セカンダリプーリ、10…エンジンコントロールユニット(ECU)、20…トランスミッションコントロールユニット(TCU)、31…アクセルセンサ、32…クランク角センサ、33…車速センサ、41…プライマリ回転センサ、43…勾配検出センサ、44…ブレーキ操作検出センサ、45…レンジ検出センサ

Claims (3)

  1. エンジンと駆動輪との間に設けられ、その係合状態が可変の発進クラッチと、
    車両の走行抵抗に応じて、車両をクリープ走行させるために前記発進クラッチが伝達すべきクリープクラッチトルクを設定するクリープクラッチトルク設定手段と、
    アクセル操作時に、エンジン回転数に基づいて前記発進クラッチが伝達すべき発進クラッチトルクを設定する発進クラッチトルク設定手段と、
    車両の走行抵抗に応じて、前記発進クラッチトルクを補正する補正手段と、
    アクセル操作によりクリープ走行から通常の走行へと移行する際に、前記クリープクラッチトルク設定手段により設定されたクリープクラッチトルクと前記補正手段により補正された補正後の発進クラッチトルクとを比較して、大きい方を前記発進クラッチの目標クラッチトルクとして設定する目標クラッチトルク設定手段と、
    設定された目標クラッチトルクに基づいて、前記発進クラッチの係合状態を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用発進クラッチの制御装置。
  2. 前記クリープクラッチトルク設定手段は、車両の走行抵抗が大きいほど前記クリープクラッチトルクを大きな値に設定し、
    前記補正手段は、車両の走行抵抗が大きいほど大きな値となるように前記発進クラッチトルクを補正することを特徴とする請求項1記載の車両用発進クラッチの制御装置。
  3. 前記補正手段は、設定されたクリープクラッチトルクを平坦路において設定される基本クリープクラッチトルクで除算して補正係数を算出し、
    算出した補正係数を前記発進クラッチトルクに乗算することにより、前記発進クラッチトルクを補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用発進クラッチの制御装置。
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