JP4130067B2 - ジスアゾ化合物及びそれを用いる染色法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は反応性染料としてのジスアゾ化合物及びそれを用いるセルロース系繊維の染色法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の反応性染料が知られており、セルロース系繊維の染色の分野に広く使用されている。例えば、モノクロロトリアジニル、モノフロロトリアジニルフロロクロロピリミジニル、ジクロロキノキサジニル、ビニルスルホニル、スルファートエチルスルホニル等の反応基を有する染料であり、これ等は酸結合剤、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等を用い、染浴のpH10以上とし、100℃以下の温度にて染色されている。
この染色の際、不均染、加水分解によるカラーイールドの低下等を避けるため、通常、酸結合剤は、染色途時に段階的に添加する方法が多く採用されている。
一方、セルロース系繊維を含有する混合繊維として、特に、ポリエステル繊維と木綿の混紡品は優れた衣料特性を有することから、多量に使用されている。
ポリエステル繊維側を染色する分散染料は、自身の分解、変質を避けるため、通常、酸性〜中性の染浴、概ね100〜140℃の温度にて適用されることから、反応染料の適用条件とは合致せず、そのためこの混紡品の染色に於いては、各々の繊維を別の染浴で処理する二浴法又は、同一染浴で、各繊維に対する染料の適用条件をスライドさせ、逐次的に染色する一浴二段法が多く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の染色に対して、染色時間の短縮、省エネルギー、染色工程の処理操作の簡略化の目的より、染色途時での微妙且つ煩雑な薬剤添加の調整のない合理的な染色法、又、ポリエステル繊維と木綿の混紡品に於いては、同一染浴で、同時に染色する効率的な一浴一段法が望まれている。この場合、反応性染料に対しては、ポリエステル繊維への分散染料の染色条件下、染浴pH酸性〜中性、温度100〜140℃にて、分解を起こさない安定性、高い染着性を有することが求められている。
この主旨に沿ったいくつかの染料が提案されてはおり、本発明の黄色系染料分野に関連するものとして、例えば、特開昭60−86168号、特開平1−308460号等を挙げることが出来るが、必ずしも十分な特性を有してはおらず、例えば、100℃近傍の比較的低温領域では充分な染着性を示さないことから、高いカラーイールドを得られず又、他染料との配合染色時、色割れ、不均染の問題がある等、配合相容性、再現性に未だ満足のいくものではなく、安定的に高い染着性を示し再現性が良好で、各種の堅牢度、耐光性、耐塩素性、耐洗濯性等に優れ、熱変色性、フォトトロピー性等に問題のない反応性染料の開発が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者等は、染浴pH酸性〜中性、広い温度領域に於いて高い染着性を有し再現性の優れる反応性染料を開発すべく鋭意研究の結果、目的に合致するジスアゾ化合物を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)遊離酸の形で一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】
(式(1)中、R1は水素原子又はメトキシ基を表し、R2は水素原子、メチル基、メトキシ基、アセチルアミノ基叉はウレイド基を表し、R3は水素原子叉はメトキシ基を表し、R4は水素原子、メチル基、アセチルアミノ基叉はウレイド基を表し、mは2又は3を表す。)
で表されるジスアゾ化合物、
(2)(1)記載のジスアゾ化合物を用いることを特徴とするセルロース系繊維の染色法、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のジスアゾ化合物は、遊離酸の形で前記式(1)で表され、これ等は、例えば、次の様な方法で合成される。
遊離酸の形で一般式(2)
【0009】
【化3】
【0010】
(式(2)中、mは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物をジアゾ化し、一般式(3)
【0011】
【化4】
【0012】
(式(3)中、R1、R2は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物とカップリング反応し、遊離酸の形で一般式(4)
【0013】
【化5】
【0014】
(式(4)中、R1、R2、mは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。この反応は、ジアゾ化は塩酸と亜硝酸ナトリウムによる常法で、温度0〜20℃にて、カップリング反応は温度0〜30℃、pH3〜8にて行われる。反応後、通常は、塩化ナトリウム等により塩析し、濾過、単離される。
一方、遊離酸の形で一般式(5)
【0015】
【化6】
【0016】
で表される化合物をジアゾ化し、一般式(6)
【0017】
【化7】
【0018】
(式(6)中、R3、R4は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物とカップリング反応し、遊離酸の形で一般式(7)
【0019】
【化8】
【0020】
(式(7)中、R3、R4は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。この反応は、ジアゾ化は塩酸と亜硝酸ナトリウムによる常法で、温度0〜20℃にて、カップリング反応は温度0〜30℃、pH3〜8にて行われる。
次いで、塩化シアヌルと前記式(4)又は前記式(7)の化合物を任意の順序で縮合反応し、遊離酸の形で一般式(8)
【0021】
【化9】
【0022】
(式(8)中、R1、R2、R3、R4、mは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。この反応は、第一の縮合は水中、温度0〜30℃、pH2〜8にて、第二の縮合は温度30〜70℃、pH3〜8にて行われる。
次いで、前記式(8)の化合物とニコチン酸を反応させ、前記式(1)で表されるジスアゾ化合物を得る。この反応は、水中、温度80〜100℃、pH4〜7にて行われる。
【0023】
本発明の前記式(1)のジスアゾ化合物は、遊離酸の形、その塩の形及びそれ等の混合物の形であってもよい。好ましくは、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩であり、殊に、Na塩、K塩及びLi塩が好ましい。通常は、必要に応じ、塩析等によりこれ等の塩の形で単離される。
【0024】
前記式(1)のジスアゾ化合物を製造するに際し、用いる前記式(2)の化合物の具体例としては、遊離酸の形で、mが2の例として、2−アミノ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−4,8−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−5,7−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−6,8−ナフタレンジスルホン酸等であり、mが3の例として、2−アミノ−3,6,8−ナフタレントリスルホン酸、2−アミノ−4,6,8−ナフタレントリスルホン酸等が挙げられる。
【0025】
又、前記式(3)の化合物の具体例としては、例えば、アニリン、2−メトキシアニリン、3−メチルアニリン、3−メトキシアニリン、3−アセチルアミノアニリン、3−ウレイドアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、2−メトキシ−5−アセチルアミノアニリン等を挙げることが出来る。
【0026】
一方、前記式(5)の化合物の具体例としては、遊離酸の形で、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸等であり、又、前記式(6)の化合物の具体例としては、アニリン、2−メトキシアニリン、3−メチルアニリン、3−アセチルアミノアニリン、3−ウレイドアニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、2−メトキシ−5−アセチルアミノアニリン等が挙げられる。
【0027】
本発明の前記式(1)のジスアゾ化合物は、セルロース系繊維の染色、例えば浸染法、通常の方法によるパディングによる連続染色法、捺染法にも適用することが出来る。又、本発明の染色方法、例えば浸染法の浴比は通常1:5〜1:50である。
本発明の染色方法で染色しうる繊維材料としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセル等の単独又は、これ等の混合繊維、更には、これ等と他繊維、例えば、ポリエステル繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル繊維、羊毛、絹、ナイロン等のポリアミド繊維等との混紡又は、交織品を挙げることが出来る。
【0028】
本発明のジスアゾ化合物は、反応性染料として染浴pH5〜9、95〜140℃の温度領域にて安定的に高い染着性を有していることから、セルロース系繊維を含有する混合繊維として、特に、ポリエステル繊維と木綿の混紡品を分散染料の併用下、合理的な一浴一段染色法に極めて有用である。
ポリエステル繊維と木綿の混紡品の一浴一段染色は、例えば次の様に行われる。前記式(1)のジスアゾ化合物、分散染料、必要に応じ無機塩(例えば、芒硝、食塩等)、pH5〜9に保持する緩衝剤、界面活性剤(分散剤、浸透剤等)、還元防止剤等を加え染浴を調製して、これに該混紡品を浸漬し、100〜140℃で20〜90分染色を行う。その後、通常の方法でソーピングを実施する。
更に、本発明のジスアゾ化合物は、100℃近傍の比較的低温領域にても高い染着性を示すことから、通常、染浴酸性〜中性、概ね100℃の温度で染色される塩基性染料によるポリアクリロニトリル繊維、酸性染料による羊毛、絹又は、ナイロン等のポリアミド繊維とセルロース系繊維の混紡品の染色に対する一浴法の適用にも同様に有用である。
本発明のジスアゾ化合物は、上記の対象に限定されるものではなく、セルロース系繊維のみの繊維材料に対しても、同様に適用することが出来る。
この染色を行う際、当該繊維材料を、先ず、染浴にて概ね40〜100℃の温度で処理した後、染浴に酸結合剤を添加し染色する通常の方法を採用出来るのは無論のこと、初期の染浴に、pH5〜9に保持する程度の酸結合剤又は、緩衝剤を予め一括添加し染色する所謂オールインワン染色法を適用することが出来る。
本発明のジスアゾ化合物を用いることにより、染色途中での微妙且つ煩雑な酸結合剤の添加に伴う、加水分解によるカラーイールドの低下、不均染、配合染色時の色割れ等の不都合を回避し、工程の効率化と共に再現性良く染色出来る。
尚、染色を行う際、本発明のジスアゾ化合物は、単独又は二種以上混合して用いることが出来る。
又、本発明のジスアゾ化合物以外に、所望により、本発明のジスアゾ化合物以外の反応性染料、分散染料、酸性染料等を併用することが出来る。
【0029】
本発明の染色方法において、使用しうる酸結合剤又は、緩衝剤は特に限定されず、例えば、酸結合剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、ピロ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム等緩衝剤としては、酢酸+酢酸ナトリウム、燐酸一ナトリウム+燐酸二ナトリウム燐酸一カリウム+燐酸二ナトリウム、マレイン酸+ホウ砂系等が挙げられ、必要に応じ、これ等を単独あるいは適宜組合せて用いることが出来る。
又、本発明の染色方法において、染色を行う際、必要に応じ、公知の添加剤、例えば、溶解助剤、分散剤、乳化剤、均染剤、緩染剤、キャリヤー剤、発色促進剤、沈澱防止剤、金属イオン封鎖剤、酸化又は還元防止剤等を用いることが出来る。
【0030】
前記式(1)で表されるジスアゾ化合物は、反応性染料として、染浴pH5〜9に保持する緩衝作用のある薬剤の存在下、95〜140℃の温度領域にて安定的に高い染着性を有しており、セルロース系繊維に対して、高いカラーイールド、ビルドアップ性、均染性、再現性に優れた染色を行うことが出来る。
この特性より、セルロース系繊維を含有する混合繊維として、特に、ポリエステル繊維と木綿の混紡品を分散染料の併用下、合理的な一浴一段染色法の適用に極めて有効である。もちろん対象はこれに限定されるものではなく、セルロース系繊維材料として、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセル等の単独又は、これ等の混合繊維に対しても、好適な特性を示し、各種の堅牢度、耐光性、耐塩素性、耐洗濯性等に優れ、熱変色性、フォトトロピー性等に問題のない染色を行うことが出来る。
更には、これ等とポリエステル繊維のみならず、羊毛、絹、ナイロン等のポリアミド繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の混紡品に対しても、各々適応する染料として、酸性染料、分散染料、塩基性染料の併用下、効果的に染色を行うことが出来る。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。実施例中、部は重量部を表す。
【0032】
実施例1
2−アミノ−4,8−ナフタレンジスルホン酸をジアゾ化し、3−アセチルアミノアニリンとカップリング反応を行い、その後、塩化ナトリウムにて塩析し、濾過分離して得た2−(4−アミノ−2−アセチルアミノフェニルアゾ)−4,8−ナフタレンジスルホン酸23.2部を水酸化ナトリウムを加えて水300部に溶解した。ここに塩化シアヌル9.3部を加え、0〜5℃、pH5〜7にて一次縮合を行った。反応中、炭酸ナトリウムを添加し反応を完結させた。次いで、これに4−(4−アミノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸13.8部を水200部に溶解して加え、50℃、pH6〜7にて二次縮合を行った。次いで、これにニコチン酸12部を水100部に懸濁して加え、95℃、pH6〜7にて反応し完結させた。その後、塩析して、遊離酸の形で式(9)
【0033】
【化10】
【0034】
で表されるジスアゾ化合物41部を得た。この化合物は、水に極めて良く溶解し、その溶液の極大吸収波長は、365nmであった。
尚、本実施例で用いた化合物4−(4−アミノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸は、予め、ホルマリンと亜硫酸水素ナトリウムにてスルホメチル化したアニリンとジアゾ化した4−アミノベンゼンスルホン酸をカップリング反応し、その後、アルカリ下にてスルホメチル基を加水分解し、塩析、分離して得た。
【0035】
実施例2
2−アミノ−3,6,8−ナフタレントリスルホン酸をジアゾ化し、3−アセアセチルアミノアニリンとカップリング反応を行い、その後、塩化ナトリウムにて塩析し、濾過分離して得た2−(4−アミノ−2−アセチルアミノフェニルアゾ)−3,6,8−ナフタレントリスルホン酸27.2部を水酸化ナトリウムを加えて水300部に溶解した。ここに塩化シアヌル9.3部を加え、0〜5℃、pH5〜7にて一次縮合を行った。反応中、炭酸ナトリウムを添加し反応を完結させた。次いで、これに4−(4−アミノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸13.8部を水200部に溶解して加え、50℃、pH6〜7にて二次縮合を行った。次いで、これにニコチン酸12部を水100部に懸濁して加え、95℃、pH6〜7にて反応し完結させた。その後、塩析して、遊離酸の形で式(10)
【0036】
【化11】
【0037】
で表されるジスアゾ化合物44部を得た。この化合物は、水に良く溶解し、溶液の極大吸収波長は、377nmであった。
【0038】
実施例3〜18
遊離酸の形で下記一般式(11)に於て、以下の表1の構造のジスアゾ化合物を実施例1に準拠して合成した。得られた結果、水溶液の極大吸収波長(nm)を示す。
【0039】
【化12】
【0040】
【0041】
実施例19〜29
遊離酸の形で下記一般式(12)に於て、以下の表2の構造のジスアゾ化合物を実施例2に準拠して合成した。得られた結果、水溶液の極大吸収波長(nm)を示す。
【0042】
【化13】
【0043】
【0044】
実施例30
実施例2で得られたジスアゾ化合物0.5部、芒硝60部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム1部に水を加えて全容1000部の染浴を調製した。この時の染浴のpH値は7であった。この染浴に木綿メリヤス50部を繰入れ、30分間で130℃迄昇温し、同温度で40分間染色した。染色後のpH値は開始前と同様7であった。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、黄色の染色物を得た。
得られた染色物は、カラーイールドが高く、均一に染色され、熱変色、フォトトロピーの問題はなく、耐光、耐塩素、耐洗濯堅牢度が良好であった。
【0045】
実施例31
実施例1で得られたジスアゾ化合物 0.3部、Kayacelon Yellow E−3GL(日本化薬(株)製、分散染料)0.15部、Kayacelon Yellow E−BRLCONC(日本化薬(株)製、分散染料)0.05部、芒硝60部、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物(分散剤)2部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部に水を加え、pH7の全容1000部の染浴を調製した。
この染浴に、ポリエステル繊維/木綿(50/50)の混紡布50部を繰入れ、30分間で130℃迄昇温し、同温度で60分間染色した。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、黄色の染色物を得た。
得られた染色物は、ポリエステル繊維側、木綿側共に均一に染色され、カラーイールドが高く、耐光、耐塩素、耐洗濯堅牢度が良好であった。
【0046】
実施例32
実施例1で得られたジスアゾ化合物 0.3部、Kayacelon Yellow E−3GL 0.15部、Kayacelon Yellow E−BRLCONC 0.05部、芒硝60部、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物(分散剤)2部、ミグノールRP100(一方社KK製、特殊乳化剤)3部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部に水を加え、pH7の全容1000部の染浴を調製した。この染浴に、ポリエステル繊維/木綿(50/50)の混紡布50部を繰入れ、30分間で100℃迄昇温し、同温度で60分間染色した。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、黄色の染色物を得た。得られた染色物は、実施例31の場合と同様にポリエステル繊維側、木綿側共に均一に染色され、カラーイールドが高く、各堅牢度が良好であった。
【0047】
実施例33
実施例2で得られたジスアゾ化合物0.5部、芒硝60部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部に水を加えて全容1000部の染浴を調製した。この時の染浴のpH値は7であった。この染浴に木綿メリヤス50部を繰入れ、30分間で95℃迄昇温し、同温度で60分間染色した。染色後のpH値は開始前と同様7であった。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、黄色の染色物を得た。得られた染色物は、実施例30の場合と同様に、カラーイールドが高く、均一に染色され、各堅牢度が良好であった。
【0048】
実施例34
実施例2で得られたジスアゾ化合物 0.5部、Kayacelon React Blue CN−MG(日本化薬(株)製、反応染料)0.5部、芒硝60部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部に水を加え、pH7の全容1000部の染浴を調製した。
この染浴に木綿メリヤス50部を繰入れ、30分間で95℃迄昇温し、同温度で60分間染色した。染色後のpH値は開始前と同様7であった。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、緑色の染色物を得た。染色途時、配合染色の相容性は良く一致しており、被染物は同様の色相を推移し得られた染色物は、色割れ、不均染等の問題はなく、均一に染色され、再現性に優れていた。
【0049】
実施例35
実施例1で得られたジスアゾ化合物 0.3部、Kayanol Milling Yellow 5GW(日本化薬(株)製、酸性染料)0.2部、Kayanol Milling Yellow RW new(日本化薬(株)製、酸性染料)0.04部、芒硝30部、燐酸二ナトリウム2部、燐酸一カリウム0.5部に水を加え、pH7の全容1000部の染浴を調製した。
この染浴に、ナイロン/木綿(50/50)の交織布50部を繰入れ、30分間で100℃迄昇温し、同温度で60分間染色した。
次いで、水洗し、アニオン界面活性剤を含む水溶液で100℃にてソーピングした後、水洗、乾燥し、黄色の染色物を得た。得られた染色物は、ナイロン側、木綿側共に均一に染色され、カラーイールドが良好であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明のジスアゾ化合物を用いることにより、セルロース系繊維を良好な均染性、再現性のもと高いカラーイールド且つ各種の堅牢度に優れ、熱変色性、フォトトロピー性の良好な染色を行うことが出来た。
ポリエステル繊維と木綿の混紡品を分散染料の併用下、合理的な一浴一段法で、更に、セルロース系繊維を効率的なオールインワン法で、再現性の優れた染色が出来た。
Claims (2)
Priority Applications (7)
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---|---|---|---|
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