JP4129308B2 - 水と溶剤の分離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、精密機器、電子部品、プレス部品、ゴム部品等のワーク洗浄処理に於いて、ワークを洗浄するための溶剤から水を分離するときに用いられる水と溶剤の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような水と溶剤とを分離する方法としては、例えば、洗浄槽に貯液した溶剤中にワークを浸漬して、ワークに残着した水を超音波振動子により超音波振動させて水を洗浄除去したとき、分離された水は溶剤よりも比重が軽いので、溶剤の液面部分に向けて浮上する。液面部分に浮上した水を洗浄槽から分離槽に向けてオーバーフローさせ、分離槽に貯液された水と溶剤とを比重差により分離すると共に、液面部分に浮上した水を排出し、液面部分の水よりも下部領域に貯液された溶剤を回収して、ワークの洗浄処理に再利用する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した分離方法は、分離槽に貯液された水と溶剤とを比重差により上下分離し、液面部分に浮上した水を槽外部に排出して、水よりも下部領域に貯液された比較的濃度の濃い溶剤を回収するが、液面部分の水を排出するとき、水と溶剤とが一緒に排出されてしまうので、溶剤のみを分離回収することが困難である。排出時の流速が速く、水及び溶剤が大量に排出されるため、溶剤の回収効率が悪く且つ損失量が大きく、不経済であるという問題点を有している。
【0004】
この発明は上記問題に鑑み、濾過膜に吸収される水のみを通過させ、該濾過膜に吸収される水の膜により溶剤の通過を阻止するので、水と溶剤とを確実に分離することができ、溶剤の回収効率の向上及び損失量を低減を図ることができる溶剤及び水の分離方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、濾過槽内部に敷設された吸水性を有する濾過膜に水を適量吸収させ、上記濾過槽に貯液される水と溶剤とを比重差により上下分離して、上記液面部分に浮上する水を、該水と接触する部分に敷設した濾過膜で吸収し、上記濾過膜全体に吸収される水の膜により、上記液面部分の水よりも下部領域に貯液された溶剤の通過を阻止し、上記濾過膜の下層側から滲み出される水を排出手段により排出し、上記液面部分の水よりも下部領域に貯液された溶剤を回収手段により回収する水と溶剤の分離方法であることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記濾過膜を、吸水性を有する吸収材の上下層又は一方の層に、該吸収材よりも浸透性の小さい被覆材を重合して形成した水と溶剤の分離方法であることを特徴とする。
【0007】
【作用】
請求項1記載の水と溶剤の分離方法は、濾過槽に敷設された濾過膜(フィルター)に適量の水を予め吸収させ、濾過槽に貯液される水と溶剤とを比重差により上下分離して、液面部分に浮上する水を濾過膜に吸収させ、濾過膜全体に吸収される水の膜により溶剤の通過を阻止する。つまり、水と溶剤との物性が異なるため、静止状態に於いて、水と溶剤とが混合しにくく、溶剤の通過が確実に阻止される。
【0008】
濾過膜に吸収された水は低位側に向けて流下するが、濾過膜の低位側には飽和量以上の水が吸収されているので、濾過膜の下層側から水が滲み出され、排出手段により排出される。一方、液面部分に浮上する水よりも下部領域に貯液された溶剤は回収手段により回収するので、水と溶剤とを確実に分離することができ、水が分離された溶剤を蒸留再生してワークの洗浄処理に再利用するので、溶剤の回収効率が向上し、溶剤の損失量を低減することができる。
【0009】
請求項2記載の水と溶剤の分離方法は、上記請求項1記載の作用と併せて、濾過槽に貯液される水と溶剤とを、吸収材の上下層又は一方の層に被覆材を重合してなる濾過膜により濾過するので、吸収材に吸収された水の滲み出し量が被覆材により制限され、溶剤の通過を阻止するのに適した保水量を維持することができる。且つ、吸収材の上層側に被覆材を重合することで、吸収材に吸収された水が液面部分に浮上したり、吸収材に溶剤が吸収されるのを防止でき、水と溶剤とに濾過分離する作用が安定して得られる。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、濾過槽内に敷設した濾過膜に液面部分の水を吸収させ、濾過膜に吸収された水の膜により溶剤の通過を阻止して、濾過膜から滲み出される水を排出手段により排出し、下部領域に貯液された溶剤を回収手段により回収するので、従来例のように水と溶剤とを比重差により分離するよりも損失が少なく、水と溶剤とを確実に分離することができる。且つ、水が分離された溶剤を再生してワークの洗浄処理に再利用するので、溶剤の回収効率の向上及び損失量の低減を図ることができ、経済的である。
【0011】
しかも、吸収材の上下層又は一方の層に被覆材を重合した濾過膜により濾過するので、吸収材に吸収された水の滲み出し量が被覆材により制限され、溶剤の通過を阻止するのに適した保水量を維持することができる。且つ、吸収材の上層側に被覆材を重合することで、吸収材に吸収された水が液面部分に浮上したり、吸収材に溶剤が吸収されるのを防止でき、水と溶剤とに分離する作用が安定して得られ、溶剤を分離回収する作業が確実に行える。
【0012】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は超音波洗浄装置によりワークに付着した水を溶剤により洗浄除去したとき、洗浄に使用された溶剤を分離回収する水と溶剤の分離方法を示し、図1及び図2に於いて、この超音波洗浄装置1は、装置本体2の上方中央部にワークAを出入れするための出入口2aを設け、下方中央部に、所定量貯液された溶剤C(例えば、フッ素系溶剤のHFE溶剤+IPA溶剤)にワークAを浸漬し、ワークAに付着した水B(洗浄時に付着した水)を洗浄除去するための洗浄槽3を配設している。洗浄槽3の一側には、IPA溶剤が含まれる水Bと、フッ素系溶剤のHFE溶剤とIPA溶剤とを混合してなる溶剤Cとに分離するための溶剤分離槽4と、溶剤Cを蒸気化するための溶剤蒸留槽5とを順に配設し、他側には、凝縮液化された水Bと溶剤Cとを分離するための水分離槽6を配設している。
【0013】
溶剤Cは、フッ素系溶剤のHFE溶剤(ハイドロ・フルオロ・エーテル=商品名HFE7100又はHFE7200)と、IPA溶剤(イソプロピルアルコール)とを洗浄に適した割合、例えば、HFE溶剤=約95wt%、IPA溶剤=約5wt%の混合比に設定している。なお、HFE溶剤及びIPA溶剤の割合を、ワークAの洗浄に適した割合に変更してもよい。水Bの比重は、約1.0で、HFE溶剤の比重は、約1.43〜約1.52で、IPA溶剤の比重は、約0.786〜約0.787である。
【0014】
洗浄槽3は、ワークA全体が溶剤Cに対して浸漬される大きさ及び深さに形成され、低位側の溶剤分離槽4に向けてオーバーフローされる液レベルに溶剤Cを貯液する。且つ、槽底部には、溶剤Cに超音波振動を誘起するための超音波振動子7と、溶剤Cを所定温度に加熱するための加熱体8(例えば、加熱管、電熱ヒータ等)とを配設している。
【0015】
溶剤分離槽4は、図2にも示すように、洗浄槽3からオーバーフローされるIPA溶剤が含まれる水Bと溶剤Cとを所定量貯液して、IPA溶剤が含まれる水Bと、溶剤Cとに比重分離及び濾過分離する。且つ、溶剤分離槽4の上部側には、水Bと溶剤Cとに分離するための濾過槽10を配設し、溶剤分離槽4の下部側には、濾過槽10から滴下される水Bを貯液するための貯液槽11を配設している。
【0016】
濾過槽10の底部には、IPA溶剤が含まれる水Bの通過を許容し、溶剤Cの通過を阻止するための濾過膜12(フィルター)を敷設している。濾過膜12は、洗浄槽3からオーバーフローされるIPA溶剤が含まれる水B及び溶剤Cが所定量貯液される大きさ及び形状に形成され、濾過槽10に貯液される液面部分の水Bが接触するように敷設している。且つ、濾過槽10の内周縁部と、濾過膜12の外周縁部とを水密状態に固定して、濾過槽10と濾過膜12との対向面間に形成した空間部に対して溶剤Cが侵入するのを防止する。
【0017】
濾過膜12は、図3にも示すように、例えば、紙、綿、織物、不織布、シート等で構成される吸収材13と被覆材14とを上下に重合して形成され、濾過膜12の中間層には、例えば、化学繊維、天然繊維、発泡体、高分子吸収体等の吸水性に優れた素材で形成又は構造に形成され、濾過槽10の底部内壁と対応する大きさ及び形状に形成した吸収材13(例えば、吸水性の紙=ティッシュ、セルロースアセテート等)を単一層重合している。その上下層には、吸収材13よりも浸透性の小さい素材で形成又は構造に形成され、且つ、吸収材13が覆われる大きさ及び形状に形成した被覆材14(例えば、キムワイプ(商品名)、親水性PTFE等)を一体的に重合している。なお、吸収材13の下層側又は上層側に被覆材14を一体的に重合してもよい。
【0018】
また、図4に示すように、濾過膜12の中間層に、上述のような吸水性に優れた素材で形成又は構造に形成した吸収材13…を複数層重合してもよく、単一の吸収材13を重合するよりも、吸水性が向上する。
【0019】
上述した濾過槽10及び濾過膜12の底部は、後述する滴下孔10aに向けて濾過膜12を通過した水Bが流下される形状(例えば、漏斗形、コーン形)に形成され、滴下孔10aは、濾過槽10と濾過膜12との対向面間に形成した空間部と連通して形成している。
【0020】
貯液槽11は、濾過槽10の下部外面に対して水密状態に連設され、貯液槽11の底部と、後述する溶剤蒸留塔30の一側とをバルブ16及びポンプ17を介して供給路18で接続し、ポンプ17の移送力により、貯液槽11に貯液された水B(IPA溶剤が含まれる水)を溶剤蒸留塔30に供給する。
【0021】
且つ、濾過槽10の側部と、後述する予備分離槽19の上部とを回収路20で接続し、濾過槽10の液面部分に浮上する水Bよりも下部領域に貯液された溶剤Cを、その自重又は圧力により予備分離槽19に向けて流下供給する。なお、ポンプ等の移送手段により濾過槽10から予備分離槽19に向けて溶剤Cを移送してもよい。
【0022】
予備分離槽19は、溶剤分離槽4と溶剤蒸留槽5との間に配設され、予備分離槽19の内部を仕切り板19aにより分割して、濾過槽10から供給される溶剤Cを、水Bが含まれるIPA溶剤と、溶剤C(HFE溶剤+IPA溶剤)とに比重差により分離する。且つ、同槽の流出側に貯液された液面部分の溶剤Cは低位側の溶剤蒸留槽5に向けてオーバーフローされる。
【0023】
溶剤蒸留槽5は、予備分離槽19からオーバーフローされる溶剤Cを貯液し、槽底部には、溶剤Cを加熱するための加熱体21(例えば、加熱管、電熱ヒータ等)を配設している。加熱体21は、溶剤Cを沸点温度まで加熱して、溶剤Cの蒸気を、洗浄槽3及び水分離槽6の液面と、その上部に配設された冷却ジャケット22及び冷却コイル23との間に放出して蒸気空間を形成する。
【0024】
且つ、冷却ジャケット22は、装置本体2の出入口2aよりも下方であって、洗浄槽3及び水分離槽6の上部壁面に沿ってワークAの出入れが妨げられないように配設され、冷却コイル23は、水分離槽6の上部壁面に近接して配設されている。冷却ジャケット22及び冷却コイル23は、管内部に供給される冷却媒体(例えば、チラー等の冷凍装置により適宜温度に冷却された冷媒)により溶剤Cの蒸気及び槽内部に侵入する大気中の水分を凝縮液化する温度に冷却し、その凝縮液化した水Bと溶剤Cとを水分離槽6に滴下する。
【0025】
水分離槽6は、洗浄槽3の上位側に配設され、水分離槽6の内部を仕切り板6a,6bにより分割して、一方の仕切り板6aで仕切られた部分には、凝縮液化した水Bと溶剤Cとが貯液されるように設け、他方の仕切り板6bで仕切られた部分には、比較的濃度の濃い溶剤Cが貯液されるように設けている。且つ、仕切り板6aで仕切られた側部と、溶剤分離槽4の上部とを返還路29で接続して、仕切り板6a側に貯液された液面部分の水Bを、その自重又は圧力により溶剤分離槽4に流下供給する。なお、ポンプ等の移送手段により水分離槽6から予備分離槽19に向けて水Bを移送してもよい。
【0026】
洗浄槽3と冷却ジャケット22との間には、ワークAの出入れが妨げられないように液吹付け装置24を配設している。同装置は、ワークAと対向して配設した噴射器25,25と、水分離槽6の底部とをバルブ26及びポンプ27を介して供給路28で接続し、ポンプ27の移送力により、仕切り板6b側に貯液された比較的濃度の濃い溶剤Cを噴射器25,25に供給して、噴射器25,25から吐出される溶剤CによりワークA表面をシャワー洗浄する。なお、洗浄槽3上方に放出された溶剤Cの蒸気のみでワークA表面を蒸気洗浄するもよく、また、蒸気洗浄とシャワー洗浄とを併用してワークA表面を洗浄処理してもよい。
【0027】
溶剤蒸留塔30は、例えば、IPA溶剤を蒸留再生するアルコール蒸留塔等で構成され、溶剤蒸留塔30の上部と、溶剤分離槽4の上部とを返還路31で接続して、蒸留再生されたIPA溶剤を溶剤分離槽4又他の槽3,5に返還供給する。溶剤蒸留塔30の側部と、IPA溶剤が分離された水Bを回収するための回収部(図示省略)とを排出路32で接続して、IPA溶剤が分離された水Bのみを塔外部に排出し、塔外部に配設した回収部(図示省略)に供給する。なお、ポンプ等の移送手段により蒸留再生されたIPA溶剤を溶剤分離槽4又他の槽3,5に移送してもよく、また、溶剤蒸留塔30に供給される水Bを循環させて、蒸留再生を何回も繰り返してもよい。
【0028】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、超音波洗浄装置1によりワークAに付着した水Bを溶剤Cにより洗浄除去するとき、洗浄に使用された溶剤Cを分離回収するときの方法を説明する。
先ず、図1に示すように、装置本体2の出入口2aを開放して、洗浄槽3に貯液された溶剤CにワークA全体を浸漬する。出入口2aを閉塞した後、、超音波振動子7を振動させて、洗浄槽3に貯液された溶剤Cに超音波振動を誘起し、ワークAに付着した水Bを溶剤Cの超音波振動により洗浄除去し、IPA溶剤の物性によりワークAに付着した水Bを吸着分離する。出入時に於いて、洗浄槽3の上方に放出された溶剤Cの蒸気にワークAを接触させて蒸気洗浄し、液吹付け装置24を駆動して、噴射器25,25から吐出される溶剤CによりワークAの表面を洗浄する。
【0029】
洗浄時に於いて、ワークAから分離された水Bは、溶剤Cよりも比重が軽いため、洗浄槽3に貯液された溶剤Cの液面部分に浮上する。その溶剤Cの液面部分に浮上する水Bを、洗浄槽3から溶剤分離槽4に向けてオーバーフローさせるが、液面部分の水Bと、溶剤Cとが一緒にオーバーフローされるため、溶剤分離槽4を構成する濾過槽10には、水Bと溶剤Cとの混合液が一時貯留される。
【0030】
続いて、図2にも示すように、濾過槽10に貯液されたIPA溶剤が乳化した水Bと溶剤Cとを比重差により上下分離し、溶剤Cの液面部分に水Bを浮上させる。液面部分に浮上した水Bは、濾過槽10内部に敷設した濾過膜12に接触しているので、濾過膜12に重合した上層側の被覆材14を介して吸収材13に吸収され、吸収材13に吸収された水Bは自重により流下するため、液面部分に浮上する水Bが続いて吸収される。一方、液面部分に浮上した水Bよりも下部領域に貯液された溶剤Cは、濾過膜12に吸収された水Bの膜により通過が阻止されるため、水Bと溶剤Cとに分離することができる。
【0031】
濾過膜12に吸収された水Bは、その自重又は圧力により濾過膜12の低位側に流下するが、吸収材13には、飽和量の水Bが既に吸収されているため、飽和量以上の水Bは、濾過膜12に重合した下層側の被覆材14から滲み出し、濾過槽10と濾過膜12との間に形成した空間部に滴下される。なお、濾過槽10内に形成した被覆材14には、飽和量の水Bを予め含浸している。
【0032】
濾過膜12から滲み出した水Bは、その自重又は圧力により濾過膜12の下部周面に沿って低位側に流下しながら、濾過槽10の底部中央に形成した滴下孔10aに向けて集合され、滴下孔10aを介して貯液槽11に滴下される。且つ、濾過膜12の下部周面に沿って流下する一部の水Bは、濾過槽10の底部に滴下され、該底部に沿って低位側に流下しながら滴下孔10aに向けて集合され、滴下孔10aを介して貯液槽11に滴下される。
【0033】
貯液槽11に滴下された水BにはIPA溶剤が含まれているため、ポンプ17の移送力により溶剤蒸留塔30に供給し、水Bに含まれるIPA溶剤を蒸留再生する。その再生されたIPA溶剤は、返還路31を介して溶剤分離槽4又他の槽3,5に返還供給する。一方、IPA溶剤が分離された水Bは、排出路32を介して塔外部に配設した回収部(図示省略)に供給するので、IPA溶剤の回収効率が向上する。
【0034】
一方、濾過槽10の液面部分に浮上した水Bよりも下部領域に貯液された溶剤Cは、回収路20を介して、予備分離槽19に供給する。予備分離槽19に貯液された溶剤Cを溶剤蒸留槽5にオーバーフローさせ、溶剤蒸留槽5に貯液された溶剤Cを沸点温度に加熱して、その溶剤Cの蒸気を、洗浄槽3の上方に放出してワークAの表面を蒸気洗浄する。
【0035】
冷却ジャケット22及び冷却コイル23で溶剤Cの蒸気及び槽内部に侵入する大気中の水分を凝縮液化して水分離槽6に滴下し、液吹付け装置24を駆動して、水分離槽6に貯液された比較的濃度の濃い溶剤Cを噴射器25,25に供給し、噴射器25,25から吐出される溶剤CでワークAの表面を洗浄して、その溶剤Cを洗浄槽3に滴下供給するので、ワークAの洗浄処理に再利用することができる。
【0036】
以上のように、ワークAの洗浄時又は洗浄後に於いて、洗浄槽3の液面部分に浮上するIPA溶剤が含まれる水Bと溶剤Cとを溶剤分離槽4の濾過槽10に供給し、濾過槽10に貯液された水Bと溶剤Cとを比重差により上下分離して、濾過槽10内に敷設した濾過膜12に液面部分の水Bを吸収させ、濾過膜12に吸収された水Bの膜により溶剤Cの通過を阻止して、濾過膜12から滲み出される水Bを貯液槽11に滴下供給する。一方、濾過槽10の下部領域に貯液された溶剤Cを予備分離槽19及び溶剤蒸留槽5に供給し、溶剤蒸留槽5から放出される溶剤Cの蒸気を洗浄槽3に返還するので、従来例のように水Bと溶剤Cとを比重差により分離するよりも損失が少なく、水Bと溶剤Cとを確実に分離することができる。且つ、水Bが分離された溶剤Cを再生してワークAの洗浄処理に再利用するので、回収効率の向上及び損失量の低減を図ることができ、経済的である。
【0037】
しかも、濾過膜12を構成する吸収材13の上下層に浸透性の小さい被覆材14,14を重合しているので、吸収材13に吸収された水Bの滲み出し量が被覆材14により制限され、溶剤Cの通過を阻止するのに適した保水量を維持することができる。且つ、吸収材13の上層側に被覆材14を重合しているため、吸収材13に吸収された水Bが液面部分に浮上したり、吸収材13に溶剤Cが吸収されるのを防止でき、水Bと溶剤Cとに分離する作用が安定して得られ、溶剤Cを分離回収する作業が確実に行える。
【0038】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の排出手段は、実施例の貯液槽11と、バルブ16と、ポンプ17と、供給路18と、溶剤蒸留塔30と、排出路32とに対応し、
以下同様に、
回収手段は、溶剤蒸留槽5と、水分離槽6と、予備分離槽19と、回収路20と、加熱体21と、冷却ジャケット22と、冷却コイル23と、液吹付け装置24とに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0039】
上述した実施例では、濾過膜12を、吸収材13の上下層に被覆材14を一体的に重合して構成しているが、例えば、図5に示すように、濾過膜12を、上述のような吸水性に優れた素材で形成又は構造に形成した一層の吸収材13のみで構成してもよく、実施例と略同等の作用効果を奏することができる。
【0040】
且つ、実施例では、濾過膜12を、半円形状を有する濾過槽10の底部と対応する形状に形成しているが、例えば、正方形、長方形、五角形、円形等の方形を有する濾過槽10の底部と対応する形状に濾過膜12を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶剤分離槽を備えた超音波洗浄装置の全体構成を示す側面図。
【図2】 溶剤分離槽に貯液された水及び溶剤の分離状態を示す側面図。
【図3】 吸収材を単一層重合してなる濾過膜を示す側面図。
【図4】 吸収材を複数層重合してなる濾過膜を示す側面図。
【図5】 吸収材のみで形成した濾過膜を示す側面図。
【符号の説明】
A…ワーク
B…水
C…溶剤
1…超音波洗浄装置
2…装置本体
3…洗浄槽
4…溶剤分離槽
5…溶剤蒸留槽
6…水分離槽
10…濾過槽
10a…滴下孔
11…貯液槽
12…濾過膜
13…吸収材
14…被覆材
18…供給路
19…予備分離槽
20…回収路
30…溶剤蒸留塔
31…返還路
32…排出路

Claims (2)

  1. 濾過槽内部に敷設された吸水性を有する濾過膜に水を適量吸収させ、
    上記濾過槽に貯液される水と溶剤とを比重差により上下分離して、
    上記液面部分に浮上する水を、該水と接触する部分に敷設した濾過膜で吸収し、上記濾過膜全体に吸収される水の膜により、上記液面部分の水よりも下部領域に貯液された溶剤の通過を阻止し、
    上記濾過膜の下層側から滲み出される水を排出手段により排出し、
    上記液面部分の水よりも下部領域に貯液された溶剤を回収手段により回収する
    水と溶剤の分離方法。
  2. 上記濾過膜を、吸水性を有する吸収材の上下層又は一方の層に、該吸収材よりも浸透性の小さい被覆材を重合して形成した
    請求項1記載の水と溶剤の分離方法。
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