JP7258612B2 - 高周波回路 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、高周波回路に関する。
従来の高周波トランジスタ回路は、バイアスを与える給電経路が高周波信号に影響しないようにするため、10MHz~10GHzの高周波信号の周波数帯域で高いインピーダンスが得られるλ/4線路をバイアス給電回路に用いていた。
高周波信号を増幅するトランジスタを備えた高周波回路では、信号歪を低減するために、高周波信号のベースバンド帯域でのインピーダンスをできるだけ下げるのが望ましいが、上述したように、給電経路にλ/4線路を用いていると、ベースバンド帯域である数10MHz~数100MHzのインピーダンスを下げることができないため、ベースバンド帯域が高周波信号周波数の1/100程度以下に制限されるという問題がある。
特許第6112500号公報
本発明の実施形態は、広帯域にわたってベースバンドのインピーダンスを低減可能な高周波回路を提供するものである。
本実施形態によれば、入力された高周波信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力ノードと直流バイアス電圧が給電される給電点との間に配置され、直列接続された第1インダクタ及び第2インダクタを有する給電経路と、
前記増幅器の出力ノードと前記給電経路との間に一端が接続されて他端が基準電位に設定される、直列接続された第3インダクタ及び第1キャパシタを有するか、または、前記増幅器の出力ノードと前記給電経路との間に前記第3インダクタの一部が挿入され、前記第3インダクタの一部と前記給電経路との間に一端が接続されて他端が基準電位に設定される直列接続された前記第3インダクタの他の一部と前記第1キャパシタを有し、前記第3インダクタのインダクタンスと前記第1キャパシタのキャパシタンスとに応じた直列共振周波数で共振する第1共振器と、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの接続ノードに一端が接続されて他端が前記基準電位に設定される、直列接続された第2キャパシタ及び第1抵抗を有し、前記第1インダクタのインダクタンスと前記第2キャパシタのキャパシタンスと前記第1抵抗の抵抗値とに応じた直列共振周波数で共振する第2共振器と、
前記第2インダクタに並列接続される第3キャパシタを有し、前記第3キャパシタのキャパシタンスと前記第2インダクタのインダクタンスとに応じた並列共振周波数で共振する第3共振器と、を備える、高周波回路が提供される。
トランジスタを含む増幅器を備えた高周波回路の等価回路図。 図1のインダクタ、キャパシタ、反共振点のインピーダンスを示す特性図。 キャパシタとインダクタの並列共振回路を一般化した回路図。 (a)は図3の並列共振回路のインピーダンスの絶対値の周波数依存性を示す特性図、(b)はリアクタンス成分の周波数依存性を示す特性図。 (a)~(i)は図3の並列共振回路の出力インピーダンスの絶対値とリアクタンス成分の特性図。 (a)~(f)は図5に続く出力インピーダンスの絶対値とリアクタンス成分の特性図。 図6に続く出力インピーダンスの絶対値とリアクタンス成分の特性図。 (6)式とシミュレーションによるZmaxと並列共振周波数の値とを示す図。 出力インピーダンスの絶対値の周波数依存性を示す特性図。 図1の回路の等価回路図。 図10の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 図10の回路から給電経路を省略した回路図。 図12の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 図12の回路に給電経路を追加した回路図。 図14の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 RFとLλ/4との対応関係を示す図。 給電経路のインダクタンスを5nHとした回路図。 図17の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 インダクタに抵抗を直列接続した高周波回路の回路図。 図19の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 給電点に接続されるインダクタを追加した高周波回路の回路図。 図21の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 インダクタに並列に寄生容量が接続された高周波回路の回路図。 図23の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 寄生容量を10nFにした場合の回路図。 図25の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 第3共振器のインダクタのインダクタンスを0.1μHにした高周波回路の回路図。 図27の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 第3共振器のインダクタのインダクタンスを0.01μHまで小さくした高周波回路3の回路図。 図29の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 第3共振器内にキャパシタと抵抗を追加した高周波回路の回路図。 図31の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 第3共振器内のインダクタ、キャパシタ及び抵抗を並列接続した回路図。 図33の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図。 フェライトビーズの簡易な等価回路図。 フェライトビーズの複雑な等価回路図。 第2の実施形態による高周波回路における増幅器の入力側の回路図。 第3の実施形態による高周波回路における増幅器内のトランジスタの周辺の回路図。 第5の実施形態による高周波回路の回路図。 第6の実施形態による高周波回路の等価回路図。 一比較例の等価回路図。 図39と図40の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す波形図。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1はトランジスタ1を含む増幅器2を備えた高周波回路3のベースバンド等価回路図である。従って、以降の説明では高周波信号を取り出すための整合や電力合成や伝送するための回路や電源は、それらの回路がベースバンド帯域で持つインピーダンスを表す等価回路に変換されている。また、ベースバンド帯域では無視できるようなインピーダンスを持つコンデンサやインダクタや分布定数素子・線路や電源は短絡や開放として扱われ省略されている。図1の高周波回路3は、増幅器2の出力ノードn1と低インピーダンス電源(短絡として等価回路化)の給電点4との間に接続される給電経路5と、増幅器2の出力ノードn1と回路の基準電位である接地ノードとの間に直列接続されるキャパシタC1及び抵抗R1を備えている。このキャパシタC1は、デカップリング容量又はバイパスコンデンサとも呼ばれる。
まず、図1から抵抗R1を省略した等価回路において、増幅器2の出力ノードn1から給電点4側のインピーダンスZbiasをベースバンドにおいて広帯域に低インピーダンス化することを考える。この場合、給電経路5等の配線のインダクタL1とキャパシタC1とで形成される並列共振回路が反共振を起こさないように設計を行う必要がある。
図1の回路では、次段のデカップリング容量や電源インピーダンスは等価的にゼロと見なせるため、給電点4は交流的には接地と等価になる。また、給電点4に接続される電源は通常安定化のための帰還を持つため、最も単純なモデルでは、出力抵抗を含めて、LとRの直列等価回路で表すことができる。本等価回路において、電源のLとR成分は小さいため、無視できる。
DC電源の電源インピーダンスのインダクタンスが電源ケーブルに対して無視できなくても、このインダクタンスは直列に接続されることから、図1のインダクタL1に含めることができる。この場合、DC電源から見た有意なデカップリング容量は、C1となる。
図1のインダクタL1とキャパシタC1とで形成される並列共振回路の共振周波数ω0でのリアクタンス成分Xは、以下の(1)式で表される。(1)式では、インダクタL1のインダクタンスをL、キャパシタC1のキャパシタンスをCとしている。
Figure 0007258612000001
図2は図1のインダクタL1、キャパシタC1、インダクタL1とキャパシタC1の並列共振回路のインピーダンスを示す特性図である。図2の横軸は周波数[Hz]、縦軸はインピーダンスの絶対値である。図2に示すように、インダクタL1のインピーダンスは周波数が高くなるに従って線形に増大し、キャパシタC1のインピーダンスは周波数が高くなるに従って線形に低下する。インダクタL1の直線とキャパシタC1の直線との交点でのインピーダンス(図2の交点での縦軸の値)が並列共振周波数におけるインピーダンス(リアクタンス)Xである。例えば、C1=100μF、L1=1nHの場合は、X=0.1Ωである。この交点の縦軸方向の延長線上に反共振点のピークが現れる。このピーク位置でのインピーダンスは、理論上は無限大である。増幅器2の歪を抑えるために必要なバイアス回路のインピーダンスが仮に1Ωだったとすると、この高周波回路で扱える信号のベースバンド帯域は図2からおよそ15KHzとなる。
次に、図1の回路に損失を与えて反共振点のピークを抑えることを考える。具体的には、キャパシタC1とインダクタL1の並列共振回路を一般化し、図3に示すように、キャパシタC1のキャパシタンスCとインダクタL1のインダクタンスLにそれぞれ抵抗成分RcとRlがある場合を考える。図3の並列共振回路の虚数部分がゼロになる周波数fは、以下の(2)式で表される。
Figure 0007258612000002
すなわち、(2)式の右辺の右側のルートの中の値がゼロ以下になると、(2)式の回路はリアクタンスが正負で反転しなくなる。ただし、リアクタンスの絶対値にピークは残る。
図4(a)は、C=100μF、L=1μHで、√(L/C)=X=0.1、Rc=0.05Ω、Rl=0.05Ωの場合の図3の並列共振回路のインピーダンスの絶対値|Zbias|の周波数依存性を示す特性図、図4(b)はリアクタンス成分Xの周波数依存性を示す波形図である。これらの特性図の横軸は周波数[Hz]である。左側の波形の縦軸は絶対値|Zbias|、右側の波形の縦軸はリアクタンス成分Xである。図4(a)と図4(b)の各特性はシミュレーションにより得られたものである。
図4(a)の特性図からわかるように、出力インピーダンスの絶対値|Zbias|は、0.2よりも大きくなることはない。√(L/C)=Rc=Rlとすることで、|Zbias|=X、X=0で周波数によらず一定にでき、共振は生じない。RcもしくはRlの片方のみで損失を与える場合は、1.5537~1.5538の間に存在する閾値よりも大きい値をXに乗じて得た抵抗値とすると共振が生じない。実用上は2次フィルタと同様にQ=1/√2となるようにXに√2倍した値を選ぶことでインピーダンスに生じる共振のピークはかなり平坦になり、概ねXにすることができる。X=1でも実用上問題ないが、若干共振ピークが見える。従って、マージンとして1~2が有用である。なお、本開示では慣例に倣って対象とする物理量であるインピーダンスの絶対値にピークが現れることを「共振」と定義する。
ここで、(2)式の右辺の右側のルート中の値がゼロ未満の場合と、ゼロの場合と、ゼロより大きい場合における抵抗Rc、Rlが、以下の(3)~(5)式で表されるものとする。
Figure 0007258612000003
(3)~(5)式で表される抵抗Rc、Rlの任意の組合せにおける、図3の並列共振回路の出力インピーダンスの絶対値とリアクタンス成分の特性は、図5~図7で表される。図5~図7はシミュレーションによる特性図である。
図5~図7における抵抗Rc、Rlの各組合せの左側の特性図は出力インピーダンスの絶対値|Zbias|の周波数依存性を表し、右側の波形はリアクタンス成分Xの周波数依存性を表している。
図5(a)、図6(a)、図6(d)、図7に示す抵抗Rc、Rlの各組合せは、リアクタンス成分Xの特性が正から負に変化しているため、共振する場合がある。例えば、抵抗Rc、Rlがともに(3)式で表される場合、図5(a)に示すように図3の並列共振回路は共振し、反共振点でのピークも高くなる。一方、抵抗Rc、Rlがともに(5)式で表される場合、図5(i)の波形に示すように図3の並列共振回路は共振するが、出力インピーダンスの絶対値は共振点で低くなるため、反共振点のピークは抑えられる。
図3の並列共振回路のリアクタンスがゼロとなる周波数でのインピーダンスの最大値Zmaxは、以下の(6)式で表される。
Figure 0007258612000004
ここで、C=100μF、L=1μHとすると、L/C=0.01である。仮に、キャパシタCだけに損失があり、抵抗Rl=0の場合、Rc<0.1のときに共振が起きる条件は、例えば、Rc=0.05とすると、Zmax=0.2となり、このときの並列共振周波数は18.378kHzである。一方、シミュレーションでは、Zmax=0.224で、並列共振周波数は16.12kHになる。
抵抗Rcが小さくなるほど、(6)式により計算されたZmaxとシミュレーションによる値との誤差は小さくなる。図8は、抵抗Rcの種々の抵抗値における、(6)式とシミュレーションによるZmaxと並列共振周波数の値とを示す図である。
以上より、図3の並列共振回路において、反共振点のインピーダンスを目標のX付近に抑えるには、鋭い共振が起きるR<√(L/C)の場合ではなく、R=√(L/C)の場合か、R>√(L/C)の場合が適していることがわかる。ただし、R<√(L/C)の場合であっても、図5(a)のように共振ピークは予測できるため、抵抗RcやRlの抵抗値を調整することで、反共振点のピークを所望の値にまで抑制することができる。
図1の回路におけるインピーダンスZbiasを、おおよそ所望の値Xに抑えるには、以下の(7)式を満たせばよい。
Figure 0007258612000005
(7)式は、L<X0 2C、または、C>L/X0 2の条件を満たせばよいことを示している。例えば、Xを0.1程度に抑えたければ、L=1μHの場合は、C>100μFとなり、このときに回路に与えるべき損失の目安もXになる。Cが50μFに減ると、X=0.14にインピーダンスが増大してしまう。逆に、100μFのCに2μHの配線を接続しても、X=0.14にインピーダンスが増大してしまう。
図9は、図1の回路において、デカップリング容量であるキャパシタC1=100μF、インダクタL1=1μH、√(L/C)=0.1よりR1=0.1Ωとした場合のインピーダンスZbiasの絶対値の周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図9の場合、出力インピーダンスZbiasのピーク値は1.4程度である。
実際の高周波回路3では、増幅器2内のトランジスタ1の直近に十分に大きな静電容量をもつデカップリングコンデンサを配置するのは部品寸法の制約上困難である。例えば、100μFのキャパシタは、100V品で10φ×20mmと大きく、部品自体に5nH以上の等価直列インダクタンスタ(ESL:Effective Series Inductance)があり、端子の引き出しにも数nHの寄生インダクタンスが付いてしまう。高出力の増幅器2は、電源電圧が増大傾向にあり、部品の大型化による寄生インダクタンスの増加は、昨今の変調信号の広帯域化との両立が難しく、バイアス回路の設計の課題となっている。
図1の回路において、増幅器2の出力ノードn1に100μFのデカップリング容量C1を接続する際の引き出し線に、ESLを含めて10nHのインダクタンスが負荷されると仮定すると、図10のような等価回路で表される。図10の回路では、増幅器2の出力ノードn1と給電経路5との間にインダクタL2が接続されている。このインダクタL2のリアクタンスにより、バイアス回路の周波数帯域の上限が制限されてしまう。
図11は図10の回路(R1=0.1Ω、C1=100μF、L1=1μH、L2=10nH)のインピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図示のように、インダクタL2があるために、高周波数帯域でのインピーダンスが上昇してしまう。図11の例では、15.8MHzでの出力インピーダンスZbiasが1Ωに達しており、無線LANや携帯電話等の多くの無線装置で使用される広帯域変調信号に対して、帯域が不十分である。よって、図11のバイアス回路は、広帯域変調された高周波信号を増幅する増幅器2には用いることができない。
なお、図11の波形において、デカップリング容量C1(=100μF)とインダクタL1(=1μH)は並列共振するため、上に凸の共振カーブを描き、デカップリング容量C1(=100μF)とインダクタL2(=10nH)は直列共振するため、下に凸の共振カーブとなる。
広帯域にバイアス回路のベースバンドインピーダンスを下げるには、増幅器2の出力ノードn1の直近に配置されるインダクタL2のインダクタンスを目標の値以下に抑制する必要がある。目標値のインピーダンスをX、増幅器2の出力ノードn1から出力される高周波信号の周波数をfとすると、許容されるインダクタンスは(8)式で表される。
Figure 0007258612000006
f=100MHzで、X<1Ωとすると、L≦1.59nHである。仮に、L=1nHとすると、対となるデカップリング容量は、(9)式で表される。
Figure 0007258612000007
ここで、L2=1nH、X=1Ωなので、C≧1nF=1000pFになる。上述した検討(RcもしくはRlの片方のみで損失を与える場合は、1.4~1.6の間に存在する閾値よりも大きい値をXに乗じて得た抵抗値とすると共振が生じない)から、2倍のマージンを確保すれば、インピーダンスのピークを抑圧できることがわかっているため、C≧2000pFが設計上の目標値となる。
図12は、図10の回路から給電経路5を省略し、インダクタL2=1nH、デカップリング容量C1=2000pF、抵抗R1=1Ωとした回路図である。図13は図12の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図13の波形は、設計値通りの特性になっており、100MHzで1Ωのインピーダンスが実現できている。図12、図13はLCR直列共振回路とその特性であるが、上述の並列共振回路の検討結果をそのまま適用することができる。LCR直列共振回路の場合、共振周波数でのインピーダンスは下に凸で深い減衰が現れるが、この深さはRで与えられる。
図13の特性では、低周波数帯域のインピーダンスが高く、直流電圧を給電できないため、直流電圧の給電の仕方を検討する。まず、図3の並列共振回路の例にならって、2000pFのキャパシタC1と並列共振するインダクタを考える。L<X0 2Cなので、1Ωを維持できるインダクタンスはL<2nHとなる。
図14は図12の回路に、デカップリング容量C1と並列共振する2nHのインダクタL1を有する給電経路5を追加した回路図である。図15は図14のベースバンド等価回路のインピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
インダクタL1を追加したことで、図15に示すように、低周波数帯域でのインピーダンスを下げることができる。しかしながら、図14の回路を実現するのは難しい。その理由は、高周波回路3の給電経路5は、λ/4線路すなわちショートスタブであることが多いためである。高周波回路3の給電経路5のインダクタンスは、(10)式で表される。(10)式において、fRFは、遮断したい周波数(通常は増幅する高周波信号の周波数)である。
Figure 0007258612000008
図16はfRFとLλ/4との対応関係を示す図である。図16から、一例として高周波信号の周波数として概ね2GHzを想定し、給電経路5のインダクタンスを5nHとして計算をやり直すと、図17に示す回路が得られる。図18は図17の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
図17の回路では、目標インピーダンスをX=1ΩとしてL1=5nHに適するようにデカップリング容量C1を図14の2000pFから5000pFまで大きくしているが、L2との関係でもXo=1Ω以下を満たす条件はC>1000pFであるため、問題はない。
図17の回路において、デカップリング容量C1に直列接続されている1Ωの抵抗R1は、この抵抗R1とインダクタL1との並列共振時のインピーダンスを1Ωに設定するためのものであるが、この抵抗R1は、インダクタL1に直列接続しても式(6)に示すように電気的特性上は問題ない。実際、増幅器2の近傍は部品の配置が混み合っているため、インダクタL1側に抵抗R1を移動させた方が実装が容易になる。
図19はインダクタL1に抵抗R1を直列接続した高周波回路3のベースバンド等価回路図である。より具体的には、インダクタL1とデカップリング容量C2と抵抗R1とが直列接続されている。デカップリング容量C2のキャパシタンスは1μFにしている。図20は図19の回路のインピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図19の回路では、デカップリング容量C1に抵抗R2を直列接続しているが、シミュレーションでは、抵抗R2の抵抗値を0Ωとしている。
なお、抵抗R2の抵抗値は、式(6)に示すように、必要に応じて任意の抵抗値に設定可能である。抵抗R2を0Ωにしたことにより、1nHのインダクタL2と5nFのデカップリング容量C1による直列共振によって71.2MHz付近でインピーダンスの深い落ち込みが見られる。この深さはR2で調整可能である。
なお、回路の損失を抵抗R2からR1に変更しているが、これは後述のデカップリング容量C2と並列共振する直流給電用のインダクタとの反共振のピークを抑圧する効果も提供する。また、後述するように、抵抗R2では高周波信号の阻止をインダクタL2のインダクタンスにのみ頼るため、高インピーダンスの高周波信号経路にL2とC1からなる共振回路を接続することを制限してしまうが、抵抗R1に損失を持たせる場合、抵抗R1は高周波で高いインピーダンスが与えられるインダクタL1(ショートスタブ)により高周波帯での損失を低減することが可能となる。このように、抵抗R2ではなくR1に損失を持たせるのは回路の簡素化と特性の両立に有効である。
図20の特性を見ればわかるように、図19の回路では、100MHz近傍でのインピーダンスを1Ωに維持できる。
次に、図19の回路に、バイアス電圧を供給するためのインダクタを接続することを検討する。これまで検討したように、デカップリング容量C2の1μFに対して並列共振で1Ωを維持する条件を満たす必要があることから、新たに接続するインダクタのインダクタンスの目安は1μH以下となる。
図21は給電点4に接続されるインダクタL3を追加した高周波回路3のベースバンド等価回路図である。インダクタL3のインダクタンスを1μHにしている。図22は図21の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
図21のようにインダクタL3を接続したことで、図22のように低域のインピーダンスが下がり、バイアス電圧の給電が可能になるが、この回路の設計には注意すべき点がある。
第1に、図21に示すようにC2=1μFに対して目標インピーダンスが得られる最大側のインダクタンスとして1μHを選択した場合である。1μHのような大きなインダクタンスには寄生容量があり、この寄生容量が5nHのインダクタL1と直列共振を起こす。この直列共振のインピーダンスは下に凸の特性であり、インピーダンスを下げる働きがあるため問題ないが、この寄生容量C3は抵抗R1と並列に入るため、インダクタL1とキャパシタC1の並列共振周波数においてC3のインピーダンスが低いと抵抗R1の効果が弱まり、、インダクタL1とキャパシタC1の反共振が強くでてインピーダンスのピークが大きくなってしまう。
図23はインダクタL3に並列に寄生容量C3が接続された高周波回路3のベースバンド等価回路図である。図24は図23の回路のインピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
図23の高周波回路3は、第1共振器11、第2共振器12及び第3共振器13を備えている。第1共振器11の一端は増幅器2の出力ノードn1と給電経路5との間に接続され、他端は基準電圧ノード(例えば接地ノード)に接続されている。第1共振器11は、1nHのインダクタL2と、5nFのデカップリング容量C1と、抵抗R2とが直列接続された直列共振回路である。図23では、抵抗R2の抵抗値を0Ωと表記しているが、抵抗R2の抵抗値を調整することで、図23の高周波回路3のインピーダンスの周波数依存性を制御できる。
図23の給電経路5上には、インダクタL1とインダクタL3が直列接続されている。第2共振器12は、インダクタL1と、デカップリング容量C2と、抵抗R1とが直列接続された直列共振回路である。より詳細には、インダクタL1とインダクタL3の接続ノードと、基準電圧ノード(例えば接地ノード)との間に、デカップリング容量C2と抵抗R1とが直列接続されている。
第3共振器13は、インダクタL3と寄生容量等のキャパシタC3とが並列接続された並列共振回路である。より詳細には、インダクタL3及びキャパシタC3は、インダクタL1の一端と基準電圧ノード(例えば接地ノード)との間に等価的に並列接続されている。
図23の高周波回路3では、キャパシタC3とインダクタL1の直列共振回路と、デカップリング容量C1とインダクタL2の直列共振回路とが並列共振して、インダクタL1とデカップリング容量C1が並列共振を起こす。これら直列共振回路には抵抗成分がないため、インダクタL1とデカップリング容量C1との並列共振により、鋭い反共振が生じる可能性がある。
より具体的には、図23の回路では、1μHのインダクタL3と1nFの寄生容量C3との第3共振器13の並列共振周波数は5MHz、1nFの寄生容量C3と5nHのインダクタL1との直列共振回路の共振周波数は71.2MHz、1nHのデカップリング容量C1と1nHのインダクタL2との直列共振回路からなる第1共振器11の共振周波数は71.2MHz、5nFのデカップリング容量C1と5nHのインダクタL1の並列共振周波数は31.8MHzである。31.8MHzの並列共振のピークを1Ω程度に抑えるために1ΩのR1が設けられているが、このR1と並列に寄生容量C3が等価的に接続されるため、C3の31.8MHzにおけるインピーダンスがR1の1Ωに対して有意な低インピーダンスになると並列共振のピークが1Ωを維持できなくなる。図23の例ではC3の31.8MHzのインピーダンスは5Ωであり、1Ωに対して大きいため、C3とR1の並列接続の実数部は0.96Ωとなり、反共振によりインピーダンスが顕著に増大することは避けられる。図24でも31.8MHzのインピーダンスのピークは寄生容量のC3が無い図22と比べても同程度である。
図24の波形は、寄生容量C3が1nFの場合であり、上述した並列共振による反共振はほとんどないが、寄生容量C3のキャパシタンスが大きくなるにつれて、並列共振による反共振が大きくなる。
図25は寄生容量C3を10nFにした場合の回路図、図26は図25の回路のインピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
図26に示すように、寄生容量C3が10nFになると、上述したインダクタL1とデカップリング容量C1との並列共振の影響が現れ、31.8MHzの近くに反共振によるインピーダンスのピークが生じる。これはC3の31.8MHzにおけるインピーダンスが0.5Ωに低下するため、R1との並列接続によるインピーダンスの実数部が0.2Ωとなり、反共振のインピーダンスを設計上の1Ωに抑えることが出来なくなったためである。また、図26では22.5MHz付近に5nHのインダクタL1と10nFの寄生容量C3による直列共振によるインピーダンスの低下も見られる。寄生容量C3が100nFになると、31.8MHzにおけるC3のインピーダンスは0.05Ωまで低下し、R1との並列接続のインピーダンスの実数部も2.5mΩまで低下するため反共振によるインピーダンスのピークはさらに高くなる。また、C3とL1の直列共振周波数も7.12MHzまで低下し、直列共振によるインピーダンスの低下も深くなる。10nFの寄生容量C3と1μHのインダクタL3との共振周波数は1.59MHzなので、かなり大型のインダクタでなければ、第3共振器13の反共振点が問題になるほど寄生容量C3が大きくなることはないが、注意が必要である。
本実施形態では、この様に、第3共振器13の構成要素であるインダクタL3を大きく選んだ場合、並列容量C3の値は、C1とL1の並列共振周波数において、その目標インピーダンスXを、R1とC3の並列接続インピーダンスの実数部が満足できるように選ぶ必要がある。CとRの並列接続のインピーダンスの実部はR/(1+ω222)で求まる。インダクタL1と寄生容量C3との直列共振周波数を、インダクタL1とデカップリング容量C1による並列共振周波数よりも高く設定するのが望ましい。これにより、鋭い反共振点のピークは現れなくなる。
第3共振器13のインダクタL3のインダクタンスを小さくする場合、反共振点のピークを抑制する方法は上記と異なる。図27は第3共振器13のインダクタL3のインダクタンスを0.1μHにした高周波回路3の回路図である。図28は図27の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
インダクタL3のインダクタンスを小さくすると、寄生容量も小さくなるため、図27ではインダクタL3に並列接続される寄生容量の表記を省略している。
図28に示すように、インダクタL3のインダクタンスを小さくしてもインダクタL3と抵抗R1の並列接続のインピーダンスの実数部が目標インピーダンスXを満足すれば、出力インピーダンスZbiasの絶対値を良好に維持しつつ、反共振点のピークを抑制できる。インダクタL3が0.1μHのとき、1Ωの抵抗R1との並列接続による31.8MHzにおけるインピーダンスの実部は0.9975Ωで目標インピーダンスの1Ωを概ね満たしている。実部はR=ω22R/(R2+ω22)で与えられる。
次に、第3共振器13のインダクタL3のインダクタンスをさらに小さくすることを検討する。図29は第3共振器13のインダクタL3のインダクタンスを0.01μHまで小さくした高周波回路3の回路図である。図30は図29の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
図30に示すように、第3共振器13のインダクタL3のインダクタンスを0.01μHまで小さくすると、約20MHzで反共振点のピークが増大する。これは、インダクタL3のインダクタンスを小さくしすぎると、第2共振器12内の抵抗R1を1Ωにした効果が得られなくなるためである。より詳細に説明すると、第1共振器11内の抵抗R2が0Ωの場合、第1~第3共振器11~13における全体的な共振のピークを決めているのは抵抗R1だけである。よって、インダクタL1とデカップリング容量C1の並列共振回路の反共振点のピークの鋭さは、抵抗R1に依存する。第2共振器12内のインダクタL2=5nHで、デカップリング容量C1=5nFの場合、X=1Ωであり、抵抗R1の適正な抵抗値は1Ωである。よって、抵抗R1が1Ωであれば、本来は反共振点のピークは現れないはずである。
ところが、インダクタL3=0.01μHにすると、0.01μHは反共振が生じている20MHzで1.26Ωのインピーダンスになるため抵抗R1の1Ωに比べて同程度のため、給電経路5上の電流は、抵抗R1を通らずにインダクタL3を通って接地に至る成分が増加する。すなわち、抵抗R1が減少した場合と等価になり、抵抗R1の効果が得られずに反共振点に鋭いピークが現れてしまう。さらに、反共振がインダクタL1とインダクタL3の直列接続のインダクタンスとデカップリング容量C1との間で生じるようになり、共振周波数が18.4MHz程度にまで低下することで、さらにインダクタンスL3のインピーダンスが抵抗R1に近付く効果も加わる。
この不具合は、インダクタL3のインダクタンスによるインピーダンスが抵抗R1の抵抗値よるインピーダンスと同程度まで低下したことで生じるため、インダクタL3に並列に寄生容量等のキャパシタC3を接続してインピーダンスを大きくすることで、反共振点のピークを抑制できる。
また、第3共振器13内にキャパシタC3だけでなく抵抗を追加することで、インピーダンスのQを下げることができる。なお、この抵抗は並直列変換によりC3の並列抵抗に置き換えることが可能であり、この場合抵抗R1の値を合成抵抗値に更新することで同等の効果を得ることができる。
図31は第3共振器13内にキャパシタC3と抵抗R3を追加した高周波回路3の回路図である。図32は図31の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。
第3共振器13内のキャパシタC3のキャパシタンスCは、以下の(11)式で求められる。
Figure 0007258612000009
(11)式において、インダクタL3=0.01μH、f=18.4MHzとすると、キャパシタC3のキャパシタンスC=7.5nFとなる。
図31の第3共振器13内の抵抗R3は、Qを下げる目的で設けられ、例えば0.5Ωに設定される。なお、この抵抗R3は省略してもよい。
図31の回路では、第3共振器13内のキャパシタC3と抵抗R3を直列接続した回路をインダクタL2に並列接続しているが、図33に示すように、第3共振器13内のインダクタL3、キャパシタC3及び抵抗R3を並列接続してもよい。図34は図33の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図34の特性を図32の特性と比較すればわかるように、抵抗R3をキャパシタC3に直列接続しても並列接続しても、ほぼ同様のインピーダンス特性が得られる。また、インダクタL3はXの減衰を補償するために直列抵抗(以下では、便宜上R3’と呼ぶ)を持っても良い。図31ではXを補償するためにC3に直列にR3を設け、図33ではXを補償するためにC3に並列にR3を設けたが、第3共振器13の内部でL3に直列にR3’を設けるか、第3共振器に直列にR3’を設けても良い。
なお、これらの回路図はベースバンド等価回路であるため、実使用に際してはDCがR3を介して流れないようにDCカットが必要である。また、R3はR1に並列に接続されているため、R3を省略してR1とR3の合成抵抗値にR1を更新してもよい。また、図31ではC3とR3の直列接続は接地され、L3は給電点4に接続されているが、ベースバンド帯域ではこれらは電気的に並列接続と見なせる。従って、C3とR3の直列接続を接地ではなく給電点4に接続しても良い。
図33の第3共振器13は、フェライトビーズでも代用可能である。フェライトビーズは、並列共振回路に似たインピーダンスを示すため、図34と同様のインピーダンス特性が得られる。
図35Aはフェライトビーズ10の簡易な等価回路図、図35Bはフェライトビーズ10の複雑な等価回路図である。図35Aに示すように、フェライトビーズ10は、インダクタ10Lと、キャパシタ10cと、抵抗10r2とを並列接続した並列共振回路に抵抗10r1を直列接続した回路構成を備えている。図35Bのフェライトビーズ10は、インダクタ10Lと抵抗10r2とが並列接続された並列回路を複数直列接続し、この直列接続回路に並列にキャパシタ10cを並列接続した回路にさらに、インダクタ10Lと抵抗10r2との並列回路と、抵抗10r1を直列接続したものである。フェライトビーズ10は、並列共振周波数でインピーダンスが最大になるインピーダンス特性を有するため、図33の回路に適用可能である。
なお、フェライトビーズの等価並列抵抗は数10Ω~数100Ωの高い値を示すため、第3の共振器を完全に代替するものではない。必要に応じて抵抗R1の値を調整したり、直列にインダクタを挿入してインピーダンスを調整してもよい。また、フェライトビーズは電流によりインダクタンス値が変化するため、直列接続してインダクタンス値を補償することもできる。また、フェライトビーズには電流制限があるため、必要に応じて並列接続してもよい。または、必要に応じて並直列の組み合わせで使用しても良い。
上述した図31や図33の高周波回路3では、第1共振器11と第2共振器12におけるインダクタ、デカップリング容量及び抵抗に寄生成分を持たせていないが、この寄生成分は、受動素子の主たるインピーダンスに対して小さいインピーダンスしか持たないため、回路動作に影響を与えない。
例えば、インダクタは、最も簡易的な等価回路では、直列接続された寄生抵抗と、並列接続された寄生容量とを有する。また、キャパシタは、最も簡易的な等価回路では、直列接続された寄生抵抗及び寄生容量を有する。また、抵抗も、直列接続された寄生インダクタと、パッドによる並列接続された寄生容量とを有する。インダクタ、抵抗、キャパシタの等価回路は実測データと一致させるために必要に応じて複雑化させることが出来て、例えば、インダクタでは図35Aの簡易モデルに対して図35Bの様な種々の複雑なモデルがあり、キャパシタの複雑な等価回路としては、ラダーモデルなどがある。
増幅器2の出力ノードn1にインダクタを接続する場合、このインダクタのインダクタンスは高周波回路3のインピーダンスの上限周波数を決定する要素となるため、このインダクタンスを考慮に入れて、第1共振器11の共振周波数を設定する必要がある。すなわち、第1共振器11内のインダクタL1が複数のインダクタに分割されていてもよい。この場合、分割されたインダクタのうち増幅器2の出力ノードn1に近い側のインダクタは給電経路5に含まれていても良い。
以上をまとめると、第1の実施形態による高周波回路3の基本的な形態は、図29のベースバンド等価回路構成である。すなわち、第1の実施形態による高周波回路3は、増幅器2と、給電経路5と、第1共振器11と、第2共振器12と、を備えている。また、図31の回路から抵抗R3を削除した第3共振器13を備えてもよい。
増幅器2は、入力された高周波信号を増幅する。給電経路5は、増幅器2の出力ノードと直流バイアス電圧が給電される給電点4との間に配置され、直列接続された第1インダクタL1及び第2インダクタL3を有する。
第1共振器11は、増幅器2の出力ノードと給電経路5との間に一端が接続されて他端が基準電位に設定される、直列接続された第3インダクタL2及び第1キャパシタC1を有し、第3インダクタL2のインダクタンスと第1キャパシタC1のキャパシタンスとに応じた直列共振周波数で共振する。また、第3インダクタL2はL2AとL2Bに直列に分割され、L2Aが増幅器2の出力ノードと第1インダクタL1の増幅器2側のノード端の間に挿入され、L2B以下第1共振器11は、一端が第1インダクタL1とL2Aの接続ノードに接続され、他端が基準電位に接続されたトポロジでも良い。すなわち、第1共振器11は、増幅器2の出力ノードと給電経路5との間に第3インダクタL2の一部が挿入され、第3インダクタL2の一部と給電経路5との間に一端が接続されて他端が基準電位に設定される直列接続された第3インダクタL2の他の一部と第1キャパシタC1を有していてもよい。
第2共振器12は、第1インダクタL1及び第2インダクタL3の接続ノードに一端が接続されて他端が基準電位に設定される、直列接続された第2キャパシタC2及び第1抵抗R1を有し、第1インダクタL1のインダクタンスと第2キャパシタC2のキャパシタンスと第1抵抗R1の抵抗値とに応じた直列共振周波数で共振する。
第3共振器13は、第2インダクタL3に並列接続される第3キャパシタC3を有し、第3キャパシタC3のキャパシタンスと第2インダクタL3のインダクタンスとに応じた並列共振周波数で共振する。
第1共振器11は、第3インダクタL2及び第1キャパシタC1に直列接続される第2抵抗R2を有し、第3インダクタL2のインダクタンスと第1キャパシタC1のキャパシタンスと第2抵抗R2の抵抗値とに応じた直列共振周波数で共振する。
第1インダクタL1及び第1キャパシタC1の並列共振による反共振点のピークは、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の抵抗値により制御することができる。
反共振点の周波数は、第1共振器11の直列共振周波数よりも低い周波数であってもよい。
第3共振器13は、第3キャパシタC3に直列接続されるか、又は第2インダクタL3及び第3キャパシタC3に並列接続される第3抵抗を有してもよい。
第3共振器13は、並列接続された第2インダクタL3、第3キャパシタC3及び第3抵抗を有してもよい。
第1インダクタL1の少なくとも一部は、給電経路5の寄生インダクタンスであり、第1抵抗R1の少なくとも一部は、給電経路5の寄生抵抗であってもよい。第1インダクタL1の少なくとも一部は、第2コンデンサC2の寄生インダクタンスであり、第1抵抗R1の少なくとも一部は、第2コンデンサC2の寄生抵抗であってもよい。第1インダクタL1の少なくとも一部は、第1抵抗の寄生インダクタンスであってもよい。第2インダクタL3の少なくとも一部は、給電経路5の寄生インダクタンスであり、抵抗R3’の少なくとも一部は、給電経路5の寄生抵抗であってもよい。第3インダクタL2の少なくとも一部は、給電経路5の寄生インダクタンスであり、第2抵抗R2の少なくとも一部は、給電経路5の寄生抵抗であってもよい。第3インダクタL2の少なくとも一部は、第1コンデンサC1の寄生インダクタンスであり、第2抵抗R2の少なくとも一部は、第1コンデンサC1の寄生抵抗であってもよい。第3インダクタL2の少なくとも一部は、第2抵抗R2の寄生インダクタンスであってもよい。
第3キャパシタC3の少なくとも一部は、第2インダクタL3の寄生容量であってもよい。
このように、第1の実施形態による高周波回路3は、増幅器2の出力ノードn1と給電経路5との間に第1共振器11を接続するとともに、給電経路5上の第1インダクタL1を含む第2共振器12と、給電経路5上の第1インダクタL1に直列接続される第2インダクタL3を含む第3共振器13を備えている。これにより、第1共振器11内の第1キャパシタC1と、第2共振器12内の第1インダクタL1との並列共振、および、第2キャパシタC2と第2インダクタL2との並列共振によるインピーダンスのピークを抑制でき、高周波回路3のインピーダンスをベースバンドの広帯域にわたって低減できる。
なお、第1の実施形態における高周波信号の取り出しは、増幅器2の出力ノードから第1インダクタL1の途中にかけて分岐される。従って、第3インダクタL2は高周波信号の周波数帯で高周波信号インピーダンスに対して高インピーダンスになるように選択されており、また、第1インダクタL1と第3インダクタL2の接続点では高周波信号が低インピーダンスになるように小容量によって高周波がシャントされており、また第1インダクタL1の高周波分岐点からL1とL2の接続点までのインダクタンスによる高周波インピーダンスが高くなるように選択されている。このインダクタンスは伝送線路で与えられても良く、L1とL2の接続点で高周波的に短絡された伝送線路は高周波信号帯域での高インピーダンスとベースバンド帯域での低インピーダンスを両立するのに好適である。伝送線路の長さを高周波信号帯域のλ/4とすることで開放に近い高インピーダンスが得られるため、この長さは高周波信号のインピーダンス変換を伴わない場合に選択される。
また、インピーダンス変換を伴う場合にはλ/4以外の長さが選択される。また、第1の実施形態の各回路図はベースバンド等価回路を用いたため、バイアス給電点4が接地されているが、実際の回路では給電点4と接地の間にベースバンド帯域で低インピーダンスとなるデカップリング容量や低インピーダンスの電源回路が接続される。また、第1の実施形態ではベースバンド帯域で回路に損失を与えるために第1、第2、第3抵抗R1,R2,R3と抵抗R3’を適宜用いたが、この損失は増幅器2のベースバンド帯域での安定化にも資する。従って、目標インピーダンスXは増幅器の歪、安定化、利得、出力電力、効率などの回路の諸特性を鑑みて決定される。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、増幅器2の入力側に共振器を設けることで、高周波回路3のインピーダンスを下げるものである。
第2の実施形態による高周波回路3は、図21、図23、図25、図27、図29、図31又は図33の高周波回路3の回路構成を備えていてもよい。
図36は第2の実施形態による高周波回路3における増幅器2の入力側のベースバンド等価回路図である。図36の高周波回路3は、第4共振器14を備えている。第4共振器14は、図36の増幅器2内のトランジスタ1のゲートと基準電圧ノード(例えば接地ノード)との間に接続されている。より詳しくは、第4共振器14は、第4インダクタL4と、第4キャパシタC4と、第4抵抗R4とを直列接続した直列共振回路である。第4共振器14の直列共振周波数は、高周波回路3の出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピークの周波数に合わせて設定される。例えば、高周波回路3の出力インピーダンスが図32のような特性になる場合、10~30MHzの間でインピーダンスがピークに達するため、そのときの周波数で第4共振器14が直列共振を行うように、第4インダクタL4、第4キャパシタC4及び第4抵抗R4の素子値が設定される。増幅器2の入力側における目標インピーダンスXを満足する素子値の決定方法は第1の実施形態と同じで、基本式は√(L/C)=R=Xであり、必要に応じてマージンを設けることができる。マージンとして√(L/C)やRを√2倍にとることで、インピーダンスのピークを概ね抑えることが可能である。上述の通り、有用なマージンは1~2である。
直列共振回路は、下に凸のインピーダンス特性を有するため、出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピーク位置の周波数に合わせて第4共振器14を共振させることで、出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピーク周波数での歪の発生を低減することができる。
なお、図36の高周波回路3に入力される高周波信号の具体的な入力場所は、ゲートと第4インダクタL4との接続経路上でもよいし、第4インダクタL4の内部でもよいし、第4インダクタL4と第4キャパシタC4との接続経路上でもよい。また、第4共振器14を構成する第4インダクタL4、第4キャパシタC4、第4抵抗R4の順序は適宜入れ替え可能であるが、図36の順番で並んでいる場合には、第4キャパシタC4と第4インダクタL4の接続経路上からはDCバイアスをゲートに供給できるが、第4キャパシタC4と第4抵抗R4の接続経路上からは第4キャパシタC4があるため、バイアスを供給出来ない。また、第4抵抗R4の配置により、増幅器2の安定化抵抗としての周波数特性が変化する。
このように、第2の実施形態では、増幅器2の入力側に直列共振回路からなる第4共振器14を設けて、高周波回路3の出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピーク位置の周波数で第4共振器14を共振させるため、高周波回路3の出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピーク周波数での歪の発生を低減することができ、広帯域にわたってベースバンドの歪を低減でき、高周波信号の歪が抑圧される。また、第2の実施形態では、入力側に第4共振器14の代わりに図21、図23、図25、図27、図29、図31又は図33に示した回路を用いても良い。この場合、第4共振器14は第1共振器11で代替される。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、高周波回路3の出力ノード側のベースバンドインピーダンスが高い周波数領域において、増幅器2の出力電圧が増幅器2内のトランジスタ1のドレイン側からゲート側に回り込まないようにしたものである。
第3の実施形態による高周波回路3は、図21、図23、図25、図27、図29、図31又は図33の高周波回路3の回路構成を備えていてもよい。また、第3の実施形態による高周波回路3は、図36の第4共振器14を備えていてもよい。
図37は第3の実施形態による高周波回路3における増幅器2内のトランジスタ1の周辺の回路図である。図37の回路は、トランジスタ1のドレインとゲートとの間に直列接続された第5キャパシタC5及び第5インダクタL5を有する。第5インダクタL5は、トランジスタ1のゲート-ドレイン間容量すなわち帰還容量との間で並列共振する。本明細書では、第5インダクタL5とトランジスタ1の帰還容量との並列共振回路を第5共振器15と呼ぶ。
高周波回路3の出力ノード側のベースバンドインピーダンスのピーク周波数では、増幅器2の出力のベースバンド電圧が、増幅器2内のトランジスタ1のドレインからゲート側に回り込むことによって歪が増加する。上述した第2の実施形態による第4共振器14は、回り込んだ歪成分を接地ノードに短絡させる動作を行う。これに対して、第3の実施形態では、トランジスタ1のゲートとドレイン間でアイソレーションを取ることで、ドレイン側の歪電圧成分をゲート側に伝達させないようにしたものである。
図37の回路における第5キャパシタC5は、直流成分を遮断するためのDCカット容量である。第5キャパシタC5は、大きな容量を持っている。仮に第5キャパシタC5を付けないとすると、第5インダクタL5を介してトランジスタ1のドレインとゲートがDCで短絡してしまい、バイアスがかからなくなる。本実施形態では、トランジスタ1の帰還容量と並列共振する第5インダクタL5を設けることで、トランジスタ1の帰還容量の影響をなくして、増幅器2の歪の低減を図る。
図37の第5共振器15は、第5インダクタL5に直列接続された抵抗を備えていてもよい。
このように、第3の実施形態では、トランジスタ1のドレインからゲート側に回り込むDC電圧成分を遮断する第5キャパシタC5を備えるとともに、トランジスタ1の帰還容量と並列共振する第5インダクタL5を備えるため、増幅器2の出力電圧の歪みを抑制しつつ、歪によるバイアス電圧低下に伴う利得圧縮も改善できる。
(第4の実施形態)
増幅器2内のトランジスタ1は、その周囲にあるリアクタンス素子とともに発振回路を形成するおそれがあることから、発振防止の安定化対策を行う必要がある。増幅器2から大電力を取り出す用途ではドレイン側に高周波数帯の安定化のための損失を持たせることは電力効率低下の観点から望ましくない。よって、高周波数帯の安定化に足りない抵抗成分をトランジスタ1のゲート側に入れる必要があり、図36に示す第4共振器14内の第4抵抗R4を安定化抵抗として用いることが考えられる。
高周波数帯以外では出力側で損失を与えることができるため、図31等に示した第2共振器12内の抵抗R1を、発振防止用の安定化抵抗として用いてもよい。あるいは、図33の第3共振器13を構成するフェライトビーズ10を安定化抵抗として用いてもよい。また、増幅器2が微弱な信号を取り扱う用途では高周波数帯の安定化のために入力側に損失を与えることは望ましくない。よって高周波数帯の安定化に足りない抵抗成分をトランジスタのドレイン側に入れる必要があり、図31等に示した第1共振器11内の第2抵抗R2を安定化抵抗として用いることが考えられる。
このように、第2~第4共振器12~14内の抵抗をトランジスタ1の発振防止用の安定化抵抗として用いることができるため、別途、安定化抵抗を接続する必要がなくなる。第2~第4共振器12~14の設計値を適当に選ぶことで、トランジスタの入力側と出力側において各周波数帯域で必要な損失をバランスよく提供することが可能となる。
(第5の実施形態)
図38は第5の実施形態による高周波回路3の回路図である。図38の高周波回路3内の増幅器2は、複数のトランジスタ1を備えている。各トランジスタ1のゲートは、複数の線路16を介して、高周波信号が入力される入力ノードRFinに接続されている。
各トランジスタ1のドレイン(出力ノードn1)には線路16がそれぞれ接続されている。これら線路16は段階的に統合すなわち合成されて、最終的にRFoutに接続されている。本明細書では、段階的に合成された複数の線路16からなる伝送線路群を合成器17と呼ぶ。
図38の高周波回路3は、例えば、パワーの大きい入力信号を増幅するために用いられる。図38の高周波回路3では、入力信号を複数の系統に分配して、複数のトランジスタ1で増幅した各信号を合成器17で合成して出力するため、パワーの大きい入力信号であっても、各トランジスタ1の耐圧を超えずに増幅動作を行うことができる。
各トランジスタ1のドレインの直近にはキャパシタC6が接続されている。各キャパシタC6は、各トランジスタ1の出力ノードn1と基準電位ノード(例えば接地ノード)との間に接続されている。これらキャパシタC6はマッチング用のキャパシタである。図38の回路では、一番上のトランジスタ1の出力ノードn1と一番下のトランジスタ1の出力ノードn1にそれぞれ、デカップリング用のキャパシタC1を接続しており、その他のキャパシタC6はマッチング用のキャパシタである。マッチング用のキャパシタC6のキャパシタンスは、デカップリング用のキャパシタC1のキャパシタンスよりも小さい。通常、各トランジスタ1のドレインにはドレインソース間容量があり、基本的にはこれを相殺して純抵抗負荷にマッチングが取られる。このため、トランジスタ1の出力ノードn1からマッチング用のキャパシタC6まではインダクタンスが必要となり、ドレインソース間容量とインダクタンスとC6でπ型ネットワークを構成する。従って、この場合、第1共振器11はマッチングに影響しないように高周波帯で高インピーダンスとなるインダクタL2を介してC1に接続されるが、積極的に第3インダクタL2と第1キャパシタC1を整合に用いても良い。通常、各トランジスタ1のゲートにはゲートソース間容量があり、基本的にはこれを相殺して純抵抗負荷にマッチングが取られる。マッチングの方法はドレイン側と同じである。第4共振器14を接続する場合も、第4キャパシタC4が高周波帯のインピーダンス整合に悪影響しないように第4インダクタL4を選ぶことが一般的であるが、積極的に第4インダクタL4と第4キャパシタC4と第4抵抗R4を整合に利用しても良い。なお、C-L-Cのπ型ネットワークは線路16と等価であるため、集中定数で組まずに分布定数で整合をとることは一般的に行われている。本実施形態はいずれの手法でも同等の効果が得られる。
なお、複数のトランジスタ1の出力ノードn1のうち、どの出力ノードn1にデカップリング用のキャパシタC1を接続するかは任意である。デカップリング用のキャパシタC1は、ベースバンド帯域でデカップリングするためのものである。各トランジスタ1のドレインは、線路16を通して導通しており、かつベースバンド帯域では電気長が短いことから、どのトランジスタ1の出力ノードn1に第1共振器11用のデカップリング容量を接続しても、各トランジスタ1の出力ノードn1に第1共振器11を接続した場合と同様のインピーダンス低減効果が得られる。複数接続すれば並列接続の効果が得られる。
また、図38の回路では、第1~第4の実施形態で説明した第2共振器12と第3共振器13を、合成器17の出力ノードに接続している。これにより、複数のトランジスタ1で第2共振器12と第3共振器13を共用することができ、高周波回路3の全体的な回路規模を縮小できる。ここで、第2共振器12のL1はその一部または全てを線路16で置き換えることができる。一般的には、RFoutに向かう信号線から分岐するため、信号線から第2共振器12側を見たインピーダンスが高くなるようにλ/4線路が用いられ、C2側にλ/4線路の先端を高周波において短絡させる小容量またはオープンスタブが接続される。なお、この給電用のスタブも必ずしも高インピーダンスにする必要は無く、整合素子の一部として積極的に利用することも可能である。各トランジスタ1は直流を導通する線路16を介して接続されているため、給電点4から共通のバイアスを与えることができる。また、第2共振器12を複数接続すれば、並列接続によりL1のインダクタンスを低減することが出来る。これは、C1とL1の比率で決まる目標インピーダンスの設定に自由度を与える。また、第2共振器12を複数接続した場合、全ての第2共振器12に第3共振器13を接続する必要は無く、無給電の第2共振器12を構成することもできる。また、トランジスタ1のゲート側に任意の数の第4共振器14を接続することも出来る。これにより歪特性をさらに改善する効果が得られる。第4共振器14の配置は第1共振器11の場合と同様に、入力側の線路16による分配回路の電気長がベースバンド帯域では短くなるため、任意の位置に配置できる。また、入力側にも第2共振器12、第3共振器13を接続して、ベースバンドでの広帯域な低インピーダンス化と安定性の両立を図ることができる。ゲート側に第2共振器12を配置する場合は、L1に直列に抵抗を挿入する場合が多い。これは抵抗R1を分割してC2よりも接地側と給電経路側に配置することで、安定化のための必用な回路損失に周波数特性を与えることができる。また、図38の様に複数のトランジスタ1を用いた電力増幅では高周波信号に意図的に位相差や電力差を与えて高効率に増幅したり線形性を高める技術が知られており、図38はプッシュプルアンプ、ドハティアンプ、アウトフェージングアンプ等に変形して用いることができる。また、線路16間にキャパシタを挿入してDCを遮断し、グループ毎に第2共振器12と第3共振器13を接続すれば各トランジスタに個別のバイアスを与えることが可能である。図38では第3共振器13に並列容量C3を与えているが、これは任意であり、設計上の目標インピーダンスが満たせれば省略可能である。高効率電力増幅のためにドレインバイアス電圧やゲートバイアス電圧に変調を掛けるエンベロープトラッキング技術などが知られており、本実施形態で提供される広帯域なベースバンド帯域の低インピーダンス化は電源変調技術には不可欠である。
(第6の実施形態)
上述した第1~第4の実施形態では、ベースバンド等価回路を用いて説明したため増幅器2の出力ノードn1から出力される高周波(RF)信号の取り出し経路について詳細に説明しなかったが、RF信号の取り出し経路は通常50Ωのインピーダンスを持っていることから、図39のような等価回路で表される。図39の等価回路において、1nHのインダクタL2と30nFのキャパシタC1が第1共振器11を構成している。また、直列接続された2つのλ/4線路16A、16Bの間に、1nFのカップリングコンデンサC9を介して50Ωの抵抗R6が設けられており、ここがRF信号の取り出し経路、すなわち高周波出力経路になる。2つのλ/4線路16A、16Bの寄生インダクタと、1nFのキャパシタC7と、直列接続された1μFのキャパシタC2、0.7Ωの抵抗R1及び1nHのインダクタL6とが第2共振器12を構成している。キャパシタC7はRF信号に対して給電側を見えなくするために設けられている。この様に、RF信号は第2共振器12から分岐され取り出される。インダクタL6は、キャパシタC2と抵抗R1の寄生インダクタである。λ/4線路16BとキャパシタC7は、ショートスタブを構成している。38nFのキャパシタC3と20nHのインダクタL3と0.6ΩのR3は第3共振器13を構成している。47μFのキャパシタC8は、給電点4に接続されるデカップリング容量である。C8は寄生の50mΩの等価直列抵抗と5nHの等価直列インダクタンスを持っている。給電点4には電源Vregが接続されている。電源Vregは0.5uHと10mΩの直列接続の等価回路で与えられている。シミュレーション上、Vregの電圧は任意である。線路16Aの特性インピーダンスは10Ωで、2GHzの高周波信号のインピーダンスをRF取り出し経路の50Ωから2Ωに変換するλ/4変成器である。
図40は一比較例による等価回路である。図40の回路は、図39の回路から第1共振器11を削除したものである。
図41は図39と図40の回路の出力インピーダンスの周波数依存性を示す特性図であり、シミュレーション結果を示している。図41の波形w1は図39の回路に対応し、波形w2は図40の回路に対応している。
第1共振器11を接続することにより、1Ω以下のインピーダンスを200MHzまでの維持している。第1共振器11が無いと1Ω以下の領域は20MHzにまで狭まってしまう。この設計例ではベースバンドインピーダンスを1Ω以下にすることを仕様としたが、増幅器2の設計によって歪を満足するために必要なインピーダンスは異なる。また、第1共振器11の有無で2GHzのインピーダンスに変化が無いことも確認できる。w1、w2どちらも2GHzのインピーダンス|Z|は2Ωであり、線路16Aで変換されたインピーダンスと一致している。また、2GHzの2倍波、3倍波などの高調波インピーダンスもw1とw2で一致している。この設計では第1共振器11はインダクタL2の効果により高調波インピーダンスに影響を与えないようにしている。第1共振器11に高周波帯用の共振特性を付加すれば積極的に高調波を制御できる。
なお、図39ではドレイン側の回路を説明したが、ゲート側のRF入力の分岐についても同様である。また、第5の実施形態でも説明したように、一般に、増幅器2のトランジスタ1はドレインソース間容量やゲートソース間容量を持っており、基本的にはこれらの容量を相殺するようにC-L-Cのπ型ネットワークなどを用いてインピーダンスを純抵抗に整合する。本実施形態でも増幅器2の内部で2Ωの純抵抗にインピーダンス変換が行われていることを想定している。従って、第1共振器11はトランジスタ1のドレインに直接接続されておらず、直列インダクタンスを介して接続されている。
なお、増幅器2の内部のトランジスタ1のレイアウト構成によっては第1共振器11と真正ドレイン間のインダクタンスを極力低減するように引き出すことも可能であり、高周波(RF)信号を整合して引き出す経路と、第1共振器11を接続するための引き出し経路を分けて取り出すことも可能である。この場合は、増幅器2が複数の出力ノードを持つ。これは入力側についても同様である。第4共振器14あるいは第1共振器11を接続するためのノードを持たせてもよい。また、第5共振器15を接続するためのノードを設けてもよい。
このように、第1共振器11を設けることで、広帯域にわたってベースバンドインピーダンスを下げることができる。また、第2共振器12からRF信号を分岐させることで、給電に影響を与えずにRF信号を出力できる。
上述した各実施形態では一般的な高周波帯域の増幅回路を例に説明したが、各実施形態は高周波帯域に依存しないため、高周波帯域の広帯域化技術や狭帯域化技術と組み合わせても利用できる。
各実施形態におけるトランジスタはFETを例に説明したが、各実施形態はトランジスタの種類やデバイス構造、材料系に依存しない。従って、FETでもバイポーラトランジスタでも、シリコン系デバイスでも化合物系デバイスでも利用することができる。
各実施形態はソース接地(バイポーラではエミッタ接地)を仮定して説明したが、各実施形態は接地方法に依存しない。従って、ゲート接地(ベース接地)、ドレイン接地(コレクタ接地)でも利用することができる。
各実施形態はシングルエンドのトランジスタを例に説明したが、各実施形態は増幅段の回路構成に依存しない。従って、カスコード接続、ダーリントン接続、負帰還増幅、プッシュプル、ハーフブリッジ、フルブリッジなど様々な形態が利用できる。
各実施形態はトランジスタの動作級を特に限定せずに説明したが、各実施形態はトランジスタの動作級には依存しない。従って、A級、AB級、B級、C級、D級、E級、F級、G級、H級、J級、S級、あるいはこれらと電流電圧を入れ換えたり複素共役関係にある、逆D級、逆E級、逆F級、逆J級など様々な動作モードが利用可能である。
各実施形態は一般的な増幅器2を例に説明したが、各実施形態は増幅器2の高効率化技術に依存しないため、エンベロープトラッキング、EERなどの電源変調技術、アウトフェージング、LINC、Doherty、逆Doherty、シーケンシャルアンプ、ダイナミックロードライン変調等の負荷変調技術などと組み合わせて利用できる。
各実施形態は回路素子の一部また全てを、可変素子に置き換える事が可能である。各実施形態は広帯域であるが、可変素子を用いる事により、さらに広帯域化したり、性能を改善したりすることが可能となる。
各実施形態の増幅器2は、ゲート変調(ベース変調)またはドレイン変調(コレクタ変調)と組み合わせることも可能である。特にドレイン変調では線形な電力制御が可能であり、振幅変調信号の増幅に適している。
各実施形態では一般的な増幅段、特に電力増幅器を例に説明したが、各実施形態は増幅器2の用途に依存しない。従って、電圧増幅器、電流増幅器、トランスインピーダンスアンプ、トランスコンダクタンスアンプなどに利用できる。また、周波数変換を伴う増幅、例えば、周波数変換器、ミキサ、アップコンバータ、ダウンコンバータ、ダブラ、トリプラなどの逓倍器、分周期、などに利用できる。また、増幅器2を利用する発振器にも利用できる。特に、変調を伴う発振器や周波数可変を伴う発振器に好適である。
各実施形態は、一般的な増幅器と同様に、プリディストーション、フィードフォワード、フィードバック等の歪補償と組み合わせることで、線形性を改善できる。特に、ベースバンドインピーダンスを広帯域に低減するため、メモリ効果の抑圧が期待できるが、メモリ効果抑圧機能を有するDPD(デジタルプリディストーション)などの歪補償技術と組み合わせることでさらに高い効果が期待できる。
各実施形態は増幅器2とDCバイアス端子間のDC供給経路ではローパス型の回路トポロジを用いているが、RF経路やバイアス経路でもコンデンサでDCカットされている領域にはハイパス型の回路が利用できる。従って、これらの領域毎に、Foster回路、non-foster回路、右手系、左手系、EBG、メタマテリアルなどの技術を組み合わせて利用可能である。
また各実施形態に係る高周波回路の用途は特定のものに限定されず、広く適用できる。たとえば、携帯電話端末、携帯電話基地局、携帯電話中継器、無線LANアクセスポイント、無線LANステーション、WiMAX等のワイヤレスアクセス基地局・中継局・端末、地上デジタル放送送信機、地上デジタル放送中継器、AM放送送信機、固定マイクロ波通信装置、STL/TTL装置、FPU装置、業務用無線装置、VSAT等の衛星通信装置、ETCやDSRC等の路車間、車間通信、車載レーダ、道路側のレーダ、空港管制レーダ、気象レーダ、イメージング、ビーコン、電力伝送、誘導加熱、高周波加熱、スパッタ装置、半導体プロセス装置、プラズマ発生器、加速器、医療・計測用高周波電源、など、広く一般の通信・放送・レーダ・イメージング・電波応用機器で利用される。
各実施形態は実装方法に依存しない。高周波回路をモノリシックでMMIC上に作製しても、セラミック基板や樹脂基板上の回路と半導体基板のハイブリッドで作製しても、半導体パッケージ内に作製しても、高周波モジュールとして作製しても、基板内蔵回路として作製しても、フレキシブル基板上に作製しても、各実施形態の例で示した回路構成が実現できれば、効果を得ることができる。実装によっては、給電経路の一部がワイヤボンディングになったり、フィードスルーになったり、貫通コンデンサになったり、バンプや半田ボール接続になったり、様々な変形が考えられるが、これらは通常の高周波回路で想定される実装形態であるため、上述した各実施形態の効果を得ることが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 トランジスタ、2 増幅器、3 高周波回路、4 給電点、5 給電経路、11 第1共振器、12 第2共振器、13 第3共振器、14 第4共振器、15 第5共振器、16 λ/4線路、17 合成器

Claims (16)

  1. 入力された高周波信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力ノードと直流バイアス電圧が給電される給電点との間に配置され、直列接続された第1インダクタ及び第2インダクタを有する給電経路と、
    前記増幅器の出力ノードと前記給電経路との間に少なくとも一部が接続され第3インダクタ、及び前記第3インダクタに直列接続される第1キャパシタを有し、前記第3インダクタのインダクタンスと前記第1キャパシタのキャパシタンスとに応じた直列共振周波数を有する第1共振器と、
    前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの接続ノードに接続され第2キャパシタ及び前記第2キャパシタと直列接続される第1抵抗を有し、前記第1インダクタのインダクタンスと前記第2キャパシタのキャパシタンスに応じた直列共振周波数を有する第2共振器と、
    前記第2インダクタに並列接続される第3キャパシタを有し、前記第3キャパシタのキャパシタンスと前記第2インダクタのインダクタンスとに応じた並列共振周波数を有する第3共振器と、を備える、高周波回路。
  2. 前記第1共振器は、前記第3インダクタ及び前記第1キャパシタに直列接続される第2抵抗を有し、前記第3インダクタのインダクタンスと前記第1キャパシタのキャパシタンスと前記第2抵抗の抵抗値とに応じた周波数で共振する、請求項1に記載の高周波回路。
  3. 前記第1インダクタ及び前記第1キャパシタの並列共振によるインピーダンスのピークは、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の抵抗値により制御される、請求項2に記載の高周波回路。
  4. 前記ピークの周波数は、前記第1共振器の直列共振周波数よりも低い周波数である、請求項3に記載の高周波回路。
  5. 前記第3共振器は、前記第3キャパシタに直列接続される抵抗と、前記第2インダクタ及び前記第3キャパシタに並列接続される抵抗と、前記第3共振器に直列接続される抵抗との少なくとも1つを含む第3抵抗を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高周波回路。
  6. 前記第3共振器は、並列接続された前記第2インダクタ、前記第3キャパシタ及び前記第3抵抗の少なくとも一部を含むフェライトビーズを有する、請求項5に記載の高周波回路。
  7. 前記第1インダクタの少なくとも一部は、前記給電経路の寄生インダクタンスであり、
    前記第1抵抗の少なくとも一部は、前記給電経路の寄生抵抗である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の高周波回路。
  8. 前記第3キャパシタの少なくとも一部は、前記第2インダクタの寄生容量である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の高周波回路。
  9. 前記増幅器の前記高周波信号が入力される入力ノードと基準電位との間に直列接続された第4インダクタ、第4キャパシタ及び第4抵抗を有し、前記第4インダクタのインダクタンスと前記第4キャパシタのキャパシタンスと前記第4抵抗の抵抗値とに応じた周波数で共振する第4共振器を備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の高周波回路。
  10. 前記増幅器の前記高周波信号が入力される入力ノードと前記出力ノードとの間に直列接続された第5インダクタ及び第5キャパシタを有し、
    前記第5インダクタと前記増幅器の帰還容量とは、並列共振を行う、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の高周波回路。
  11. 複数の前記増幅器を備え
    入力された第1高周波信号を増幅する第1増幅器および入力された第2高周波信号を増幅する第2増幅器を含み、
    前記第1共振器は、前記第1増幅器の第1出力ノードと前記給電経路との間に接続され、
    前記第1出力ノード、前記第2増幅器の第2出力ノード、および前記給電点との間に配置され、増幅された前記第1高周波信号および前記第2高周波信号を合成する合成器を備え、
    前記第2共振器及び前記第3共振器は、前記合成器に接続される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の高周波回路。
  12. 前記第2共振器における前記第1インダクタは、直列接続された2つのインダクタ部を有し、
    前記2つのインダクタ部の接続ノードに、前記増幅器の出力ノードから出力される高周波信号を出力する高周波出力経路が接続される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の高周波回路。
  13. 前記第1インダクタと前記第3インダクタとは、高周波信号の整合回路の一部もしくは全てである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の高周波回路。
  14. 前記第1インダクタと前記第3インダクタとは、前記合成器の一部もしくは全てである、請求項11に記載の高周波回路。
  15. 前記第1インダクタと前記第3インダクタとは、前記高周波出力経路の一部もしくは全てである、請求項12に記載の高周波回路。
  16. 前記第3インダクタは、前記増幅器の出力ノードと前記給電経路との間に接続される、または、前記増幅器の出力ノードと前記給電経路との間に前記第3インダクタの一部が挿入され、前記第3インダクタの他の一部は前記増幅器の出力ノードと前記給電経路と間に接続される、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の高周波回路。
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