JP4129062B2 - 酸性感受性哺乳動物ニュ−ロン陽イオンチャンネル、そのクロ−ニングおよびその用途 - Google Patents
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Description
酸に対する感受性は、同時に、侵害受容(1)および味覚伝達(2)に結びついている。酸類による感覚ニュ−ロンの刺激は重要性が大である。多くの疼痛を伴う炎症性および虚血性の状態に伴って酸性が生じるからである。酸類によって惹起される疼痛は、感覚ニュ−ロンの領域に存在し、プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルによって媒介されると考えられている(3−5)。本発明のASICチャンネルの生物物理学的および薬理学的性質は、すでに記載されているプロトンにより活性化される感覚ニュ−ロンの陽イオンチャンネルのそれら(3,15,16)に近い。しかし、以下の記載から明らかになるであろうが、ASICチャンネルよりも単純なリガンドによって活性化されるイオンチャンネルは今日まで記載されていない。
それゆえ、本発明は、アミロライドに対して感受性でプロトンにより活性化されるニュ−ロン陽イオンチャンネルを構成する蛋白質を対象とする。より詳しくは、本発明は、添付の配列表中の配列番号:1によって表わされているアミノ酸配列を有するASICチャンネル構成蛋白質またはこの蛋白質の機能上均等な誘導体に関するものである。
かかる誘導体は、1つまたはいくつかのアミノ酸残基の修飾および/または欠失および/または付加を包含する配列を有し、この修飾および/または欠失および/または付加によってASICチャンネルの機能上および構造上の諸性質、とくにプロトンによるその活性化が変化しないものである。かかる誘導体は、当業者ならば、ASICチャンネルの生物物理学的および薬理学的諸性質を明らかにできた後記実施例記載の手法に従って分析することができる。
かかる機能上均等な誘導体の一例は、添付の配列表中、配列番号:2のもとに示されているアミノ酸配列を有し、添付の配列表中、配列番号:1のもとに示されているラットのASICチャンネル(ASIC1Aと呼ぶ)のそれと実質的に同じ配列のヒトASIC蛋白質である。
かかる機能上均等な誘導体の他の一例は、MDEG(14)またはBNaCI(20)と呼ばれ、以下ASIC2AまたはMDEG1とも呼ぶデジェネリンの陽イオンチャンネルを構成する蛋白質であり、そのアミノ酸配列は添付の配列表の配列番号:3のもとに示されている。MDEGは、C.elegans(シ−・エレガンス、線虫の一種)のデジェネリンによる神経変性の原因となる変異によって活性化されるアミロライド感受性哺乳動物陽イオンチャンネルとして記載されている。MDEGチャンネルはASICチャンネルの親構造であり、ASICチャンネルのアミノ酸配列はMDEGイオンチャンネルの配列と約67%の相同性を示す。しかし、これらのチャンネルの電気生理学的性質は相違している。それらはpHの同じ変化によって活性化されないからである。たとえば、MDEGの感受性の範囲(EC50=4.05)はASICのそれ(EC50=6.2)とは異なる。
MDEGチャンネルは、C.elegansにおいてニュ−ロン変性を惹起するものと同じ変異によって活性化されることが示されている。また、C.elegansのデジェネリンの高活性変異体と同様、MDEGの活性変異体は細胞死の原因となり、このニュ−ロンイオンチャンネルによる機能獲得が、哺乳動物、とりわけヒトのニュ−ロン変性の多くの形態に関与することを示している。しかし、本発明の陽イオンチャンネルに合致するプロトンによるそれの活性化が明らかになるまでは、MDEGの正常な生理学的機能は知られていなかった。
アミロライドに感受性でプロトンにより活性化されるニュ−ロン陽イオンチャンネルを構成する本発明の蛋白質の他の例を、以下に示す。
− ASIC1Bと名付けたチャンネル、それの559個のアミノ酸の配列は添付の配列表中、配列番号:4のもとに示されている。ASIC1Bは、ラットの脳から縮重PCRによってクロ−ン化されたASIC1Aチャンネルの組み継ぎ変異体である。最初の185個のアミノ酸が、配列番号:4中で下線を付してある218個のアミノ酸からなる新規配列によって置換されている。
− DRASICと名付けたチャンネル、それの533個のアミノ酸の配列は添付の配列表中、配列番号:5のもとに示されている。DRASICは、デ−タバンク中の部分配列(W62694なる番号をもつ「Tag発現配列」)を用いてラットの感覚ニュ−ロンからクロ−ン化された。DRASICの性質はつぎの通りである:
− それは、感覚ニュ−ロン中で発現されるが、脳中では発現されない。
− アフリカツメガエル卵母細胞または哺乳動物細胞中でのそれの発現によって、プロトンにより活性化されるナトリウムの流れを記録することができる。それは、速やかに活性化および不活性化される成分とより緩徐に活性化され、不活性化されない成分との2つの成分を有する。それら2つの成分はNa+に対して選択的である。プロトンにより活性化され、不活性化されない陽イオンチャンネルは、アシド−シスにより惹起された持続痛覚と関連付けられている。
本発明は、本発明のプロトンにより活性化されるイオンチャンネルを構成する第一の蛋白質とプロトンにより活性化されるイオンチャンネルを構成する第二の蛋白質との組合せからなるハイブリッド陽イオンチャンネルにも関するものである。該第二の蛋白質も本発明のプロトンにより活性化されるイオンチャンネルを構成する蛋白質であることが有利である。かかる組合せの例として、チャンネル蛋白質ASIC1AまたはASIC2AまたはDRASICとチャンネル蛋白質MDEG1との組合せを挙げることができ、pHに対する第三の感受性範囲(ASICとでは:EC50=4.8)を示すハイブリッドチャンネルを形成することができる。かかるハイブリッドチャンネルの他の一例は、チャンネル蛋白質ASIC1A、ASIC1B、MDEG1またはDRASICとチャンネル蛋白質MDEG2との組合せである。
MDEG2は、デ−タバンクから入手可能なマウスの部分配列(「受入れ番号W50528のTg発現配列」)を用いてラットの脳からクロ−ン化されたチャンネルであり、それの563個のアミノ酸配列は添付の配列表の配列番号:6のもとに示されている。
MDEG2は、MDEG1の組み継ぎ変異体である。最初の185個のアミノ酸が配列番号6中で下線の付されている236個のアミノ酸からなる新規な配列によって置換されている。MDEG2は、脳ならびに後根神経節の感覚ニュ−ロンで発現される。
アフリカツメガエル卵母細胞中または哺乳動物細胞中で発現されたMDEG2単独では、プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルを形成しない。それにもかかわらず、それは、MDEG1またはDRASICと連合して、性質が修飾された、プロトンにより活性化されるヘテロ多体チャンネルを形成することができる:
− MDEG1とMDEG2との共発現後に形成されるチャンネルの活性化pHはさまざまである。COS細胞中での発現後には、電流はpH3で極大値に達しないが、MDEG1単独により誘発される電流は4.5〜4.0の間のpHで飽和に達する。
− MDEG1とMDEG2との共発現後に形成されるチャンネルの不活性化速度およびイオン選択性は、MDEG1単独の場合のそれらと明瞭に異なる。緩徐に不活性化され、Na+およびK+についてあまり選択性でない流れが出現する。
− DRASICの発現後に得られるナトリウムの流れの持続は、MDEG2がDRASICと共発現されたときには、選択的ではなくなる(ナトリウムとカリウムとをもはや区別しない)。この新しい性質は、アシド−シスにより惹起される持続性疼痛感覚に関連付けられているところのプロトンにより活性化される陽イオンチャンネルのそれと類似している。
本発明に言うチャンネルASIC1A、ASIC1Bを構成する蛋白質のアミノ酸配列の相同性を、以下の表1に示す。
本発明のイオンチャンネルを構成する少なくとも1つの蛋白質および/または上記ハイブリッドチャンネルに対するポリおよびモノクロ−ナル抗体は、文献記載の標準的方法によって調製できる。これらの抗体は、ヒトまたは動物の種々の組織中での本発明の陽イオンチャンネルの存在を調べるのに有用であるが、それらは、それらの特異性のために、ASICチャンネルおよび/またはその誘導体を生体内で阻害または活性化するための医療領域での用途も見出しうる。
本発明は、さらに、アミロライドに感受性で、プロトンにより活性化されるニュ−ロン陽イオンチャンネルを構成する蛋白質をコ−ドするヌクレオチド配列を包含する核酸分子または該配列により構成された核酸分子をも対象とする。より詳しくは、本発明は、添付の配列表の配列番号:1に示されているアミノ酸配列のASICチャンネルを構成する蛋白質またはこの蛋白質に機能上均等な誘導体をコ−ドする少なくとも1つの配列を包含する核酸分子に関するものである。ASIC蛋白質をコ−ドする配列を包含するDNA分子は、添付の配列表の配列番号:1に示されているものまたはその相補配列である。本発明の他の分子は、添付の配列表中、配列番号:2または配列番号:3のもとに示されているものあるいはそれらの相補配列である。
ASIC1B蛋白質をコ−ドする配列を包含するDNA分子は、添付の配列表の配列番号:4のもとに示されている3647bpのものまたはその相補配列である。より詳しくは、本発明は、添付の配列表の配列番号:4のもとに示されている配列のヌクレオチド109と1785との間に包含されるヌクレオチド配列またはその相補配列に関するものである。
DRASIC蛋白質をコ−ドするDNA分子は、添付の配列表の配列番号:5のもとに示されている1602bpのものまたはその相補配列である。
MDEG2蛋白質をコ−ドするDNA分子は、添付の配列表の配列番号:6のもとに示されている1602bpのものまたはその相補配列である。
本発明は、少なくとも1つの前記核酸分子、有利には適合した調節配列と組合せられたものを包含するベクタ−ならびに本発明のイオンチャンネルを構成する蛋白質を宿主細胞中で産生または発現させる方法に関するものでもある。これらのベクタ−の調製および本発明チャンネルの宿主中での産生または発現は、当業者には周知の分子生物学および遺伝子工学の諸手法によって実現できる。
一例として、本発明の陽イオンチャンネルを構成する蛋白質の一製造方法は下記からなる:
− 本発明の核酸分子または該分子を含有するベクタ−を宿主細胞に移入する;
− 陽イオンチャンネル構成蛋白質の産生を可能ならしめる条件下で該宿主細胞を培養する;
− 本発明の陽イオンチャンネルを構成する蛋白質を適当な任意の手段で単離する。
本発明のイオンチャンネルを発現させる方法は、たとえば、下記からなる:
− 本発明の核酸分子または該分子を含有するベクタ−を細胞に移入する;
− 本発明のイオンチャンネルの発現を可能ならしめる条件下で該宿主細胞を培養する。
上記の方法で用いる宿主細胞は、原核細胞および真核細胞、とりわけ細菌、酵母、哺乳動物細胞、植物細胞または昆虫細胞のうちから選ぶことができる。
使用するベクタ−は、それを移入する宿主に応じて選択する;プラスミドなどのあらゆるベクタ−を挙げることができる。
それゆえ、本発明は、前記の方法に従って得られたASICチャンネルおよび/またはMDEGなどのそれらの誘導体を発現する形質転換細胞にも関するものである。これらの細胞は、侵害受容に関するものであれ、味覚の伝達に関するものであれ、酸性の知覚を調整することのできる物質をスクリ−ニングするのに有用である。このスクリ−ニングは、種々の量の試験すべき物質をASICチャンネル発現細胞と接触させ、つぎに、該物質が該チャンネルの流れに対してもっているかもしれない作用を任意の適当な手段で測定することによって実施する。電気生理学的手法によってもこれらの検討が可能であり、ASICチャンネルまたはそれらの誘導体を使用する限り、それらの手法も本発明の対象となるものである。これらのスクリ−ニングにより、疼痛の処置または予防に有用な新規医薬を識別することが可能である。それらは、酸味調整剤の探究をも可能ならしめる。さらに、それらは、これらのチャンネルの過剰発現により惹起される神経変性を阻止することのできるブロッカ−の探究をも可能ならしめる。前記の方法のおかげで単離または検出されたこれらの医薬品も、本発明の一部をなすものである。ASICチャンネルはイオン選択性という特性を有し、とりわけ、それらが過剰刺激されたときに毒性刺激的性質をもつこととなるナトリウム、カリウムおよびカルシウムの選択的透過性に関してそうである。
ASICニュ−ロンイオンチャンネルを構成する蛋白質は、炎症性疾患、虚血およびいくつかの腫瘍において生じる酸性に対する疼痛性知覚を伴う疾患の処置または予防向けの医薬品の製造にも有用でありうる。それゆえ、本発明は、本発明のイオンチャンネルを構成する蛋白質の少なくとも1種を活性成分として含有する医薬組成物に関するものでもある。
ASICチャンネルまたはその誘導体を構成する蛋白質をコ−ドする核酸分子またはこの核酸分子を包含するベクタ−もしくはASICチャンネルを発現する細胞は、トランスジェニック(形質転換)動物の調製に有用である。それらとしては該チャンネルを過剰発現する動物を挙げることができるが、とりわけいわゆる「ノックアウト」動物、すなわちこれらのチャンネルが欠如している動物を挙げることができる;これらのトランスジェニック動物は、当業者に既知の方法により調製され、ASICチャンネル関連動物病理研究用の生きたモデルを準備することを可能ならしめる。
本発明の核酸分子または該分子により形質転換された細胞は、それゆえ、患者の1つまたはいくつかの組織におけるASICチャンネルの欠如を補償するための遺伝子治療戦略に使用できる。それゆえ、本発明は、本発明の核酸分子または該分子により形質転換された細胞を含有するASICチャンネルまたはそれらの誘導体が関連する疾患の治療のための医薬に関するものでもある。
酸性感知領域で生じる前記のプロトンにより活性化されるという性質および前記の諸用途に加えて、実はMDEGチャンネルと構造上の類縁関係にあるASICチャンネルは、変異後のニュ−ロンデジェネリンと同じように挙動することができる。
ある種のニュ−ロンの死は、アルツハイマ−病、ハンチントン病、パ−キンソン病、筋萎縮性側索硬化症、小脳性運動失調などのいくつかのタイプのニュ−ロン変性を特徴とする。いくつかの欠損遺伝子が知られているのみで、多くはなお特定、確認しなければならない。線虫C.elegansの原始神経回路網はニュ−ロンの発生および死のすぐれたモデルである。C.elegansにおける遺伝的変性は、デジェネリンdeg−1、mec−4およびmec−10の変異によるものである可能性がある。アミロライド感受性ナトリウムチャンネルのサブユニット、上皮ナトリウムチャンネルのキメラmec−4の機能性発現産物との相同性は、デジェネリンが、機能獲得がニュ−ロン変性の原因となるイオンチャンネルであることを示唆している。
それゆえ、本発明は、変性へと導きうるこれら病的修飾の研究のためのASICチャンネルの応用にも関するものである。これらの応用のために、たとえば薬物スクリ−ニングのために利用する手法は、先に記載した味覚修飾剤または鎮痛剤の探究のためのものと同様である。
さらに、ASICニュ−ロンイオンチャンネルを構成する蛋白質、これのアゴニスト(作動物質)またはアンタゴニスト(拮抗物質)は、脳ニュ−ロン変性を伴う疾患の治療または予防のための医薬品の製造にも有用でありうる。従って、本発明は、これらの蛋白質を活性成分として含有し、場合によりそれらを生理学的に許容しうる担体と組合せた医薬組成物に関するものでもある。
とりわけ、本発明は、ヒト被験者・患者または動物において、侵害受容ならびに味覚伝達に関連して、酸性の感知を調整することのできる医薬品の調製のための、本発明のイオンチャンネルおよび/またはハイブリッドチャンネルの流れを修飾しうる化学物質または生物物質に関するものである。
本発明の他の特徴および長所は、ASICチャンネルの証明およびキャラクタリゼ−ションに至った研究を、添付の配列および図面を参照しながら報告する以下の記載から明らかになるであろう。それら配列および図面において、
− 配列番号:1は、ラットcDNAの配列から推定されるASICチャンネル蛋白質の526個のアミノ酸からなる配列を示す。
− 配列番号:2は、ヒトcDNAの部分配列から推定されるASICチャンネル蛋白質の514個のアミノ酸からなる部分配列を示す。
− 配列番号:3は、ヒトcDNAの配列から推定されるMDEGチャンネル蛋白質の512個のアミノ酸からなる配列を示す。
− 配列番号:4は、ASIC1Bチャンネル蛋白質の559個のアミノ酸からなる配列ならびにこの蛋白質をコ−ドする配列を含むDNA分子の配列を示す。
− 配列番号:5は、DRASICチャンネル蛋白質の533個のアミノ酸からなる配列およびこの蛋白質をコ−ドするDNAの配列を示す。
− 配列番号:6は、MDEG2チャンネル蛋白質の563個のアミノ酸からなる配列ならびにこの蛋白質をコ−ドする配列を含むDNA分子の配列を示す。
− 図1は、配列番号:1および配列番号:2のラット(上側)およびヒト(下側)のASIC蛋白質の配列を整列させたところを示す。これらの配列を比較すると、ラットのそれと比較して、ヒトのコ−ド領域の最初に14個のアミノ酸が存在しないことが分かる。
図2は、ASICチャンネル蛋白質の配列と下記の他のイオンチャンネルの配列との比較を示す。
− MDEG(14)、C.elegansのデジェネリンによる神経変性の原因となる変異により活性化される哺乳動物陽イオンチャンネル;
− FaNaCh(10)、FMRFアミドにより活性化されるHelix aspersa(リンゴマイマイの一種)ナトリウムチャンネルのペプチド;
− C.elegansのデジェネリンMEC−4(12)。
この図において、ASICの残基と同一または類似の残基はそれぞれ黒地に白および灰色地に黒で記されている。ASICの膜貫通ドメインと推定される領域(MI,MII)は黒の棒線で標示されている。
図3は、C.elegansのアミロライド感受性ナトリウムチャンネルのサブユニットαNaCh、βNaCh、γNaCh、δNaChならびにデジェネリンMEC−4、MEC−10およびDEG−1の系統樹を示す。
図4は、この最後のイオンチャンネルファミリ−について提案されているトポロジ−(30)を示す。
図5は、プロトンにより活性化されるASICチャンネルの生物物理学的性質を示す。
− a:pH7.4からpH6への速やかなpH変化ののちに−70mVで記録された巨視的入来電流。
− b:細胞外pHの用量反応曲線。初期pHは7.4であり、点は6実験の平均値を示す。この図のはめ込み図は−70mVでの典型的反応を示す。
− c:浴溶液中に140mMのNa+(■)またはLi+(●)を用いた「アウトサイド−アウト」パッチのQ−V関係。QはpHの酸性移行の間に運搬される電荷である。この図のはめ込み図は、Na+含有媒質中での典型的な応答を示している。
− d:Na+含有媒質中の「アウトサイド−アウト」パッチにおける種々の電圧で記録されたプロトンH+により活性化された電流。
− e:140mMのNa+(■)、140mMのLi+(●)または1.8mMのCa2+( )を外部溶液中の透過性多数イオンとして用いた「アウトサイド−アウト」パッチから測定された平均i−V関係;逆転電位はそれぞれ65mV、59mVおよび−34mVであった。
− f:ASICチャンネルを通るプロトンの流れ。電流ピ−クと電圧との関係は、遊離Na+、遊離Ca2+の溶液中、遊離K+の溶液の入ったピペットを用いた「アウトサイド−アウト」パッチから、pH4(●)およびpH3(■)で測定した。( )は(■)と同じ条件下で、ただしピペット中にKClを用いて得られた結果を示す。この図のはめ込み図は、条件( )で記録された典型的応答を示している。
図6は、ASIC電流に対するCa2+およびアミロライドの影響を示す。
− a:遊離Na+の溶液中1.8mMのCa2+を用いたアウトサイド−アウト・パッチから種々の膜電位で記録されたプロトンH+により活性化された電流;電流は−35mVで逆転する。
− b;1.8mMのCa2+(〇、逆転電位−34mV)または0.1mMのCa2+(●、逆転電位−80mV)を含有する遊離Na+の溶液中で記録されたアウトサイド−アウト・パッチからの平均Q−V関係。
− c:−70mVで記録され、pH7.4からpH6への急速なpH変化により活性化された入来電流の巨視的ピ−クに対する外部Ca2+の影響。この図のはめ込み図は、典型的な応答を示している。点は、5個の卵母細胞の平均値±seを示している。
− d:アウトサイド−アウト・パッチから0mVで記録されたプロトンH+により活性化される電流に対するアミロライドの影響。
− e:巨視的電流(pH7.4からpH6へのpH変化により惹起)のアミロライドおよび誘導体による−70mVでの阻害。点は、5個の卵母細胞の平均値を表わす。
図7は、ASICチャンネルmRNAの組織分布を示す。
− a:ヒトの諸組織におけるASICチャンネルのmRNA発現のノ−ザンブロット分析。
− b:ラットの脳および後根神経節(DRG)におけるASICチャンネルmRNAの発現のRT−PCRによる分析。(+)、(−)はそれぞれ逆転写酵素を含むまたは含まないサンプルを表わす。1%臭化エチジウムに暴露したアガロ−スゲル切片。矢印は、PCR産物の予想サイズ(657bp)を示す。
図8は、in situハイブリダイゼ−ションを表わす。
− aおよびb:3か月齢のラット後根神経節の6μm切片とジゴキシゲニン標識プロ−ブEとのハイブリダイゼ−ション。a:低照明力での顕微鏡写真(倍率30倍)。b:aの高分解能での像(倍率80倍)。小直径のニュ−ロンの強度の標識付け(矢印)が認められる。プロ−ブA、CおよびDを用いても同様の結果が得られた。
− c:アンチセンスオリゴヌクレオチドCを用いたin situハイブリダイゼ−ションにより分析した成熟ラットの脳におけるASICチャンネルmRNAの分布。オリゴヌクレオチドBを用いて、同じ結果が得られている。色は存在量を示す(赤:高発現;青:検出できず)。図中で用いた略号はつぎの通りである:Cer=小脳;Hip=海馬;OB=嗅球;Cx=皮質。
I − 材料および方法。
1)ASICチャンネルのクロ−ニング。
ASICイオンチャンネルファミリ−の保存配列を利用して、つぎの配列のPCRプライマ−を調製した:
ラット脳cDNAバンク(ストラタジ−ン#936515)をラットの脳の1kbのPCR産物とハイブリダイズさせて、部分クロ−ンを単離した。cDNAの5’末端(202bp)を、二重鎖cDNAに適合したライゲ−ションののちにPCRにより単離した。
2)電気生理学的検討。
0.25ngのcDNAをアフリカツメガエルの卵母細胞に注入し、注入から2日後に印加電圧およびパッチクランプに対する記録用微小電極を取り付けた。アウトサイド−アウト・パッチ記録用浴溶液ならびにアウトサイド−アウト・パッチおよび全細胞の記録のためのピペットは以下を含有していた:140mM KCl(またはNMDG)、2mM MgCl2、5mM EGTA、10mMHepes、pH7.4(KOHによる)。アウトサイド−アウト・パッチ記録用ピペットならびにアウトサイド−アウト・パッチおよび全細胞記録用浴溶液は以下を含有していた:140mM NaCl(またはLiClまたはNMDGCl)、2mM MgCl2、1.8mM CaCl2、10mM Hepes、pH7.4(HCl、NaOH、LiOHまたはTMAOHで調整)。初期pHからの迅速なpH変化は、図に示されているpHに調整した浴溶液を灌流させることによって得た。卵母細胞の細胞内酸性化は、pH2の内部溶液50nlの注入または20mM NH4Cl含有浴媒質の灌流および抜き出しによって実現した。記録された電流のいずれもが、アフリカツメガエル卵母細胞のCl−感受性のCa2+の流れによって影響されていなかった。デ−タを2kHzでサンプリングし、500Hzで濾波して、分析に供した(ソフトウェア:バイオパッチ)。
3)ノ−ザンブロット、RT−PCRおよびin situハイブリダイゼ−ションによる分析。
ノ−ザンブロットはクロンテック社(パロ・アルト、カリフォルニア州)から入手した。それはライン当たり約2μgのポリ(A+)RNAを含有していた。プロットを、6xSSC中65℃で32Pで標識化したヒト部分クロ−ンの断片(ラットクロ−ンの塩基270から764までに対応)とハイブリダイズさせた。RT−PCRのためには、ラット脳の全RNA 5μgおよび後根神経節3μgを逆転写させ、サンプルの1/30を、下記配列のプライマ−を用いた30サイクルのPCRにより増幅させた:
陰性対照を同様に処理した。ただし、逆転写酵素は添加しなかった。塩基70〜114(A)、215〜248(B)、1821〜1859(C)、1896〜1940(D)に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび塩基1685〜2672に対応する二重鎖DNAを、in situハイブリダイゼ−ションに用いた。成熟ラットの脳切片を、32Pで末端を標識化したオリゴヌクレオチドBまたはCと、50%ホルムアミド、2xSSC中37℃で一夜ハイブリダイズさせ、つぎに外界温度において1xSSCで洗った。信号は、500倍過剰の未標識化オリゴヌクレオチドによって消し去られた。後根神経節切片を、ジゴキシゲニン(DIG)−dUTPで標識化したオリゴヌクレオチドA、CまたはDおよびPCRによりDIG−dUTPで標識化したプロ−ブEとハイブリダイズさせた。プロ−ブの標識化、サンプル調製、ハイブリダイゼ−ションおよび抗DIG抗体に結合させたアルカリホスファタ−ゼによるDIG核酸の可視化は、供給者(ベ−リンガ−・マンハイム)のプロトコ−ルに従って実施した。
4)情報分析。
配列の整列および系統樹(木村置換、オプションUPGMA)は、ソフトウェアGCG(ジェネティックス・コンピュ−タ・グル−プ、マディソン、ウィスコンシン州)を用いて実施、作成した。
II − 結果。
ラットの脳から単離した35kbのcDNAは、526アミノ酸の蛋白質をコ−ドし、そのアミノ酸は、図2に示したように、アミロライド感受性デジェネリンナトリウムチャンネルファミリ−のクロ−ン化されたすべてのメンバ−と相同性を示す。
図5に示したように、アフリカツメガエル卵母細胞中でのcRNAの発現は、プロトンH+により活性化される入来電流を誘発した。ASICチャンネルの生物物理学的性質および薬理学的性質は、感覚ニュ−ロンのプロトンにより活性化される陽イオンチャンネルについて記載されているもの(3,15,16)に近似している。細胞外pHのpH6.9より下への低下は、速やかに高められ、感受性を減じられる入来電流を賦活する(図5aおよびb)。このチャンネルは細胞外プロトンにより活性化される。図5(cおよびd)に示されているように、アウトサイド−アウト・パッチの細胞外面への酸の適用が該チャンネルを活性化するからである。卵母細胞の細胞内酸性化およびアウトサイド−アウト・パッチの細胞内面の酸性化は、ASICチャンネルを活性化せず、細胞外プロトンにより誘発されるASIC電流を変化させもしない。
種々の細胞外陽イオンを用いて記録された図5(cおよびe)のI−V曲線の分析により、Na+が透過性多数イオンであることが示される(14.3pSの単一コンダクタンスのチャンネル)。感覚ニュ−ロンのプロトン感受性イオンチャンネル(15,16)と同様に、ASICチャンネルは陽イオンの間の識別がわずかである(図5c,e,f)。実際に、このチャンネルはLi+、K+、Ca2+およびH+に対しても透過性であって、比pNa+/pLi+=1.3(図5c,e)、pNa+/pK+=13(図5c,e)、pNa+/Ca2+=2.5(図5e)、pNa+/pH+=0.8(図5f)である。Ca2+に対するASICの透過性は、細胞内Ca2+に依存しない電圧入来路でありうる。ASICチャンネルを通ってのCa2+の入来流は、細胞外Na+の不存在下で検出できる(図6a,b)。図5(e)に示したように、Ca2+についての単一コンダクタンスは5.2pSであった。140mMの細胞外Na+の存在下での外部Ca2+濃度の上昇は、プロトンにより活性化される電流の振幅を減少させ(図6c)、かくして、Ca2+がNa+に対する透過性を阻害することを示す。外部Ca2+によるブロッキングは、感覚ニュ−ロンのI(H+)に特徴的である(17)。感覚ニュ−ロン中のH+により活性化される入来電流は、アミロライド(18)およびエチルイソプロピルアミロライド(EIPA)(19)により阻害される。図6(d,e)に示した通り、ASICチャンネルは同じ薬理学的性質を示し、アミロライドおよびそのベンザミル誘導体およびEIPAによって可逆的にブロックされる(Kd=10μM)。
一方、ASICチャンネルの蛋白質は、MDEG(14)またはBNaCI(20)と名付けられたデジェネリンのイオンチャンネルと67%の配列の相同性を示す。しかし、アフリカツメガエル卵母細胞中で発現されたこれら2つのクロ−ンの電気生理学的性質は明瞭に相違している:
− 図5aに示したように、MDEGチャンネルは、ASICチャンネルと同じpHの変化によって活性化されない。
− MDEGの430位のグリシン残基をバリン、フェニルアラニンなどの酸障害性アミノ酸で置換すると、そのチャンネルを活性化し(14)、デジェネリンMEC−4の704位のアラニンのまったく同じ変異はC.elegansにおいて神経変性を惹起する(12)。ASICの同じ変異(431位のグリシンのバリンまたはフェニルアラニンによる置換)は活性をもたらさず、変異体はプロトンによって活性化されることができない。
プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルは、感覚ニュ−ロン中のものだけでなく、中枢神経系のニュ−ロン中のものも記載されている(21)。ASICチャンネルmRNAの発現の組織分布は、この観察と一致している。図7aに示したように、ノ−ザンブロット分析によって4.3kbの転写産物が脳中に検出されており、図7bに示したRT−PCRの結果は、後根神経節がASICmRNAを発現することを示している。図8(a,b)は、後根神経節の小ニュ−ロン中でASICmRNAがよく発現されることを示しており、このことは、ASICが、侵害受容感覚ニュ−ロン中の、迅速減感性のプロトンにより活性化される既に記載されている陽イオンチャンネルであるという事実を支持する。プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルが後根神経節中に存在することは侵害受容におけるそれらの酸性検出機能と一致するが、脳中でのそれらの役割はなお明らかにする必要がある。図8cのinsituハイブリダイゼ−ションの結果は、ASICチャンネルmRNAの幅広い不均一な発現を示している。もっとも高い発現レベルは、主嗅球、大脳皮質、海馬、手綱、基底外側の扁桃核および小脳で観察されている。シナプスの活動は細胞外pHの変化を伴い(22,23)、シナプス間隙の中または近傍でのpHの速やかな局部的変化は、報告したpHの巨視的変動よりも実質的により飽和しており、より大きい。
プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルは、pHの変化により直接的に活性化される唯一の既知のイオンチャンネルであり、pHの細胞外変動が神経変調物質の役割を果たすと考えられている(23)。さらに、脳での陽イオンチャンネルの発現は、pH変動は生成物によるニュ−ロンの活性化であるだけでなく、むしろ中枢神経系における伝達路であるという仮説を支持する。
プロトンにより活性化され、速やかに不活性化される陽イオンチャンネルのほかに、プロトンにより活性化され、より緩徐な動力学を示す陽イオンチャンネルが感覚ニュ−ロン中に存在することが報告されている(4,24)。おそらく、プロトンにより活性化される陽イオンチャンネルは、リガンドにより活性化される他の陽イオンチャンネル(25,26)と同様に、異なるサブユニットまたはサブユニットの組合せが種々の薬理学的および生物物理学的性質をもつチャンネルを構成している陽イオンチャンネルの1つのファミリ−を形成しているのであろう。
酸性の知覚は、単に侵害受容に関与しているだけではなく、味覚の伝達にも関連している(2)。酸性の刺激は、味覚細胞中のプロトンにより活性化される陽イオンチャンネルを活性化し(2,27)、アミロライドは酸味の知覚を阻害する(2)。また、生理学的ならびに薬理学的デ−タは、ASICおよびこのファミリ−の他のメンバ−が味覚伝達に関与していることを示している。実際、とくに驚くべきことに、同じクラスのイオンチャンネルが感覚知覚の異なる面に関係している:
− アミロライド感受性ナトリウムチャンネルは塩味の伝達に関連している(2)。
− C.elegansのデジェネリンは機械的伝達に関与しており、機械的感受性イオンチャンネルを形成していると提案されている。(28,29)。
− ASICチャンネルは、侵害受容および酸味の伝達に関与している。
ASICチャンネルのクロ−ニングにより、このイオンチャンネル群を研究するための新しいツ−ルを準備することが可能となり、とりわけ鎮痛剤としての用途のある特異的ブロッカ−(遮断薬)を開発することが可能となる。
参考文献
配列表
配列の数:6
配列番号:1に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:3562塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ラット
ix)特徴
A)名称/符号:ASIC
B)存在位置:123・・・1700
xi)配列の記載:配列番号:1:
配列番号:2に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:1620塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ヒト
ix)特徴
A)名称/符号:ASIC
B)存在位置:1・・・1542
xi)配列の記載:配列番号:2:
配列番号:3に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:1666塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ヒト
ix)特徴
A)名称/符号:MDEG
B)存在位置:127・・・1663
xi)配列の記載:配列番号:3:
配列番号:4に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:3647塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ラット
ix)特徴
A)名称/符号:ASIC1B
B)存在位置:109・・・1785
xi)配列の記載:配列番号:4:
配列番号:5に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:1602塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ラット
ix)特徴
A)名称/符号:DRASIC
B)存在位置:1・・・1602
xi)配列の記載:配列番号:5:
配列番号:6に関する情報:
i)配列の特徴:
A)長さ:1948塩基対
B)型:核酸
C)鎖の数:二本鎖
D)トポロジ−:直鎖状
ii)配列の種類:DNA
vi)起源:ラット
ix)特徴
A)名称/符号:MDEG2
B)存在位置:16・・・1707
xi)配列の記載:配列番号:6:
Claims (14)
- アミロライドに感受性で、プロトンにより活性化される哺乳動物ニュ−ロン陽イオンチャンネルを構成する蛋白質またはその機能上均等な誘導体であって、該蛋白質が配列表中の配列番号:1に示されているアミノ酸配列からなり、該機能上均等な誘導体が、前記アミノ酸配列において1つまたはいくつかのアミノ酸残基の欠失および/または付加を包含するアミノ酸配列からなり、アミロライドに感受性で、プロトンにより活性化されることを特徴とする前記蛋白質またはその機能上均等な誘導体。
- アミロライドに感受性で、プロトンにより活性化される哺乳動物ニュ−ロン陽イオンチャンネルを構成する蛋白質またはその機能上均等な誘導体であって、該蛋白質が配列表中の配列番号:2に示されているアミノ酸配列からなり、該機能上均等な誘導体が、前記アミノ酸配列において1つまたはいくつかのアミノ酸残基の欠失および/または付加を包含するアミノ酸配列からなり、アミロライドに感受性で、プロトンにより活性化されることを特徴とする前記蛋白質またはその機能上均等な誘導体。
- 請求項1または2に記載の蛋白質またはその機能上均等な誘導体に対するモノクロ−ナルまたはポリクロ−ナル抗体。
- 請求項1または2に記載の蛋白質またはその機能上均等な誘導体をコ−ドするヌクレオチド配列からなる核酸分子。
- 配列表中の配列番号:1に示されている配列の123番ヌクレオチドと1700番ヌクレオチドとの間に含まれているヌクレオチド配列またはその相補配列を包含するまたはそれにより構成される請求項4に記載の核酸分子。
- 配列表中の配列番号:2に示されている配列の1番ヌクレオチドと1542番ヌクレオチドとの間に含まれているヌクレオチド配列またはその相補配列を包含するまたはそれにより構成される請求項4に記載の核酸分子。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1つの核酸分子を、調節配列に結びついた形で、含有するベクタ−。
- (a)請求項4〜6のいずれか1項に記載の核酸分子または請求項7に記載のベクタ−を宿主細胞に移入すること、
(b)イオンチャンネル構成蛋白質の産生を可能ならしめる条件下で該宿主細胞を培養すること、
(c)前記培養物からイオンチャンネル構成蛋白質を単離すること、
を含む、請求項1または2に記載のイオンチャンネル構成蛋白質またはその機能上均等な誘導体を製造する方法。 - (a)請求項4〜6のいずれか1項に記載の核酸分子または請求項7に記載のベクタ−を宿主細胞に移入すること、
(b)イオンチャンネル構成蛋白質の産生を可能ならしめる条件下で該宿主細胞を培養すること、
を含む、請求項1または2に記載のイオンチャンネル構成蛋白質またはその機能上均等な誘導体を発現させる方法。 - 宿主細胞を原核細胞または真核細胞から選択することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
- 宿主細胞を細菌、酵母、哺乳動物細胞、植物細胞または昆虫細胞のうちから選択することを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 請求項7に記載のベクターを宿主細胞に移入した、アミロライドに感受性でプロトンにより活性化される哺乳動物ニュ−ロン陽イオンチャンネルを発現する形質転換細胞。
- 種々量の試験すべき物質を請求項12に記載の細胞と接触させ、つぎに、アミロライドに感受性でプロトンにより活性化される陽イオンチャンネルの流れに対する該物質の影響を測定することを特徴とする、哺乳動物ニュ−ロンイオンチャンネルの活性を調整できる物質のスクリ−ニング方法。
- 侵害受容に関するものか、味覚伝達に関するものかのいずれかの酸性知覚を調整できる物質のスクリ−ニングに適用する請求項13に記載の方法。
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