JP4128923B2 - 金属材料から成る螺刻部の表面処理方法及び金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部を備えた金属材料から成る螺刻部及び金属材料から成る螺刻部材 - Google Patents

金属材料から成る螺刻部の表面処理方法及び金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部を備えた金属材料から成る螺刻部及び金属材料から成る螺刻部材 Download PDF

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Description

本発明は、金属材料から成る螺刻部の表面処理方法、金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部を備えた金属材料から成る螺刻部及び螺刻部材に関し、より詳細には、例えばボルトやナットのような固着具又は各種締結具あるいは機械構成部品などに植接あるいは刻設され一体形成された雄ねじ又は雌ねじが切られて、他の部材と螺合して締結される部分(本明細書において、「螺刻部」という。)を備えた固着具、締結具、螺刻部材等の螺刻部において、これらを螺合・締結した際に前記螺刻部において生じる凝着や変形、破損、特に高温下での使用における凝着、変形、破損等の発生を好適に防止することのできる、金属材料から成る螺刻部の表面処理方法、凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部を備えた金属材料から成る螺刻部及び螺刻部材に関する。
各種機械器具や装置等において部品等の取り付けや固着等に際し、雄ねじが形成された金属材料から成る螺刻部と、雌ねじが形成された螺刻部とを螺合により締結して取り付け等することが行われており、例えばボルトとナットの組合せから成る締結具による固定や、相互に固定される複数の金属部品に雌ねじの切られた開孔、雄ねじの切られた突起をそれぞれ形成して直接螺合して固定することが行われている。
このようにして、雄ねじ、雌ねじの螺合により締結される螺刻部は、雄の螺刻部と雌の螺刻部間で凝着が生じ、両者を分離することができなくなったり、また、分離できたとしてもねじ山が破損してしまう、所謂「かじり」が発生する場合があり、特に高温下で使用される螺刻部にあっては所謂「焼き付き」が生じ易く、凝着により雄、雌部材間の取り外しができなくなったり、ねじ部分の破損が生じ易い。
このような破損が生じた場合には、かりに両者を分離することができたとしても、分離された雄又は雌の螺刻部は再使用できず、新たなものに交換する必要がある。
また、分離不能な迄に凝着が進んでいる場合には、例えば各部品等の取り付けがボルトやナット等の締結具により行われている場合には、ナットを破壊したり、ボルトを切断する等の煩雑な作業を経ることにより部品の取り外しを行うことができるものの、例えば装置の本体等を成す部品に直接雌ねじの切られたボルト孔等が形成されている場合には、凝着により装置自体を破損するおそれがある。
そのため、各種機械や装置類等を整備、点検等のために分解する場合には、凝着による破損の発生を予想して予め交換用のボルトやナット等の螺刻部材、その他の交換部品を準備しておく必要があり、このような準備がない状態では、緊急に機械器具や装置類の分解が必要となってもこれを行うことができない。
このような凝着等の発生を防止するために、銅やニッケル等の金属粒子、その他凝着防止効果のある粒子、その他の成分を含んだ潤滑剤(本明細書において「焼付防止潤滑剤」という。)が市販されており、これを螺刻部に塗布した後、雄及び雌の螺刻部を螺合することにより、高温下での使用によっても螺刻部の焼き付きが生じ難いものとすることができる。
しかし、このような焼付防止潤滑剤は、使用に際してこれを均一に塗布する必要があり、塗りむらや切れ等が生じている場合には、依然として凝着が生じるおそれがある。
また、このような焼付防止潤滑剤は、単に螺刻部に塗布されているのみであり、螺刻部表面に対する付着強度が弱いため締結時の摩擦によりに剥離したり、熱により流動して流れ出てしまうおそれがあり、その凝着防止効果は完全ではない。
さらに、高温下で使用される螺刻部にあっては、加熱、冷却が繰り返されることにより螺刻部の表面が軟化したり脆化することにより、取り外しの際に螺刻部の変形や欠け、割れが発生したり、また、相互に接触している螺刻部の金属間で、金属原子の拡散が温度上昇と共に活発となり結合状態を作ってしまうことによる凝着が生じる等、螺刻部自体の変質に伴う変形や破損、凝着が生じる場合があり、焼付防止潤滑剤の塗布のみによっては十分な凝着や変形、破損等の発生を防止することができないという問題があった。
これらの問題を解消するために、螺刻部の表面に電気メッキ等により銅メッキを施したものや(特許文献1参照)、ねじ部品のねじ面を含む表面を、表面からの深さ(X)と硬さ(Y)との関係が、X軸を表面からの深さ(μm)とし、前記X軸に直交するY軸をビッカース硬さ(HV)とした場合に、
0≦X<20 ,−10X+600≦Y≦−26X+1000
20≦X<30 ,−10X+600≦Y≦−6X+600
30≦X<40 , 300≦Y≦−6X+600
40≦X<100, 300≦Y≦360
の関係を満たすように浸炭処理したものがある(特許文献2参照)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2002−276636号公報(第1−4頁) 特開2001−140834号公報(第1−5頁)
前述の特許文献1に開示されているように、ボルト等のねじの形成面に対してメッキを施す場合には、前述の焼付防止潤滑剤を単に塗布する場合に比較して、凝着防止効果のある物質の付着強度が高いため、このような凝着防止効果のある物質が容易にはげ落ちる等の問題を解消し得るものとなっている。
しかし、前述の特許文献1に示すように、ねじの形成面上に銅等のメッキを施した場合においても、雄ねじ、雌ねじの螺合の際の摩擦により表面に形成されたメッキ層が剥離し易く、また、メッキ層と基材層との間の熱膨張率の差によりメッキ層にクラック等が生じて剥離する場合がある等、長期乃至は繰り返しの使用に対しては十分な凝着防止効果を発揮しないという問題を有している。
また、基材自体の改質は何等行われていないことから、基材が熱膨張や高温下での使用により軟化、脆化すれば、取り外しの際に螺刻部の表面が変形したり欠ける等の問題は依然として生じるおそれがある。そのため、高温下での使用に対しては未だ十分な効果を発揮するものとはなっていない。
一方、ねじの形成部分に浸炭処理を施した前掲の特許文献2に示すねじ部品にあっては、浸炭によりねじ部品のねじの形成部分自体の改質が行われるため、熱膨張等に由来する変形や破損等は生じ難いものとなっている。そのため、比較的高温下での使用によっても凝着や変形、破損等が生じ難いものとなっている。
しかし、表面からの深さと硬度との関係が前述した限定された関係となるように浸炭処理を行う必要があるために、浸炭処理の際の温度、圧力、ガス濃度等の条件管理が難しく、これらを自動で制御しようとすれば装置が大がかりとなり多大な設備投資を強いられる。
また、浸炭処理を行う際に成品全体が加熱されるため、この加熱によって変形や変質等の生じるおそれのある螺刻部については、このような処理を行うことができない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり、比較的簡単な方法により長期にわたり、かつ、高温下での使用においても好適に凝着や変形、破損等の発生を防止することのできる金属材料から成る螺刻部の表面処理方法及び金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部及び螺刻部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の金属材料から成る螺刻部の表面処理方法は、ボルト、ナット、その他の熱処理可能性を有する金属材料から成る螺刻部に、
該螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、鉄系の金属材料にあっては噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射してその表面付近の温度をA3変態点以上に上昇させ、非鉄系の金属材料にあっては噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射してその表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させる処理を施した後、
30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、前記螺刻部の表面に錫元素を拡散・浸透させることを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法は、雄ねじの切られた雄の螺刻部と、雌ねじの切られた雌の螺刻部とを螺合する熱処理可能性を有する金属材料から成る螺刻部の締結において、
雄又は雌のいずれか一方、好ましくは双方の前記螺刻部に、前記螺刻部が鉄系の金属材料であるとき噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射して表面付近の温度をA3変態点以上に上昇させ、前記螺刻部が非鉄系の金属材料であるとき噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させ、次いで、30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、該部分の表面に錫元素を拡散・浸透させたことを特徴とする(請求項2)。
前記金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法にあっては、雄の螺刻部を雌の螺刻部に螺合する前に、雄及び/又は雌の螺刻部に、さらに焼付防止潤滑剤を塗布することが好ましい(請求項3)。
さらに、本発明の凝着防止可能な螺刻部にあっては、該螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、鉄系の金属材料にあっては噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射して、その表面付近の温度をA変態点以上に上昇させ、非鉄系の金属材料にあっては噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、その表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させる処理を施した後の前記螺刻部上に、30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して形成された、酸化錫の被膜を備えたことを特徴とする(請求項4)。
さらに、前記酸化錫の被膜上には、焼付防止潤滑剤を塗布することにより、又は焼付防止潤滑剤を含む樹脂コーティングを施す等することにより、焼付防止潤滑剤層を設けた構成とすることもできる(請求項5)。
なお、前述の構成を備えた、雄の螺刻部(例えばボルト)と、雌の螺刻部(例えばナット)のそれぞれに前述の処理を施し、これらを組合せて螺刻部材として使用すれば好適である(請求項6)。
前述の表面処理を螺刻部に施すことにより、高温下で使用される螺刻部においても凝着を好適に防止することができると共に、熱による軟化等に伴う変形、破損等の発生を好適に防止することができた。
その結果、本発明の方法により処理が施された螺刻部、例えばボルトやナット等を使用することにより、各種機械器具、装置類の解体、分解による点検等に際してボルト、ナット、その他の螺刻部を取り外す際の工数が減少し、工期が短縮することにより大幅なコスト低減を図ることができた。
また、取り外されたボルト、ナット、その他の螺刻部は、その後繰り返し使用することができ、代替品の手配が不要となり、代替品の手配や在庫管理等に要する管理費、購入費等の削減が可能である。
次に、本発明の実施形態につき説明する。
本発明における金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法は、ボルト、ナットなどの締結具、その他、螺刻部に対し、該螺刻部の凝着、変形、破損等の発生を防止し得る所定の表面処理を行うことにより得られるものであり、より好ましくは、このような表面処理が行われた螺刻部間を螺合する際に、雄、雌少なくとも一方の螺刻部に焼付防止潤滑剤を塗布し、前記表面処理と焼付防止潤滑剤との相乗効果により、より一層の凝着防止を図るものである。
〔表面処理〕
前述のように、螺刻部の凝着、変形や破損等の防止を目的として螺刻部に対して行われる表面処理は、該螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、螺刻部が鉄系の金属材料より成る場合には噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射し、該螺刻部の表面付近の温度をA変態点以上に上昇させ、前記螺刻部が非鉄系の金属材料より成る場合には、噴射速度80m/sec以上、噴射圧力0.25MPa以上で噴射し、該螺刻部の表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させる処理を行い(以下、これらの処理を「表面加工熱処理」という。)、
この表面加工熱処理後の螺刻部に対し、30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPaで噴射して、表面加工熱処理後の螺刻部の表面に錫元素を拡散・浸透させる処理から成る。
(1)表面加工熱処理
この工程は、既知のブラスト加工装置によって前述のショットを螺刻部の表面に噴射することにより行うものであり、螺刻部がショットと衝突することにより、該ショットとの衝突部分における螺刻部の表面付近の温度が、鉄系の金属材料より成る螺刻部にあってはA変態点以上に、非鉄系の金属材料より成る螺刻部にあっては再結晶温度以上に上昇すると共に、瞬時に常温までの急冷され、この温度上昇と冷却とが繰り返し行われることにより、螺刻部表面に残留圧縮応力を付与し、組織を微細化、緻密化、高硬度化させることで、後述する錫粉体の拡散・浸透と相俟って高温下での使用において締結された螺刻部間の凝着や、変形、破損の生じ難い性質を付与するための処理である。
このような凝着や変形、破損等の生じ難い性質は、この表面加工熱処理における以下の作用により得られるものと考えられる。
すなわち、微小なショットをブラスト加工装置により螺刻部に対して噴射すると、噴射されたショットは螺刻部の表面に衝突して跳ね返るが、衝突後はその速度が遅くなる。
衝突前と衝突後の速度の比、すなわち反発計数は成品の材質硬度により異なるが、衝突前の速度をV1、衝突後の速度をV2とすると、エネルギーの減少Eeはショットの重量をWとすると、
Ee=W/2g×(V1−V2)となる。反発計数をeとすると、
V2=V1×eとなるので、
Ee=W/2g×V1(1−e
0<e<1
上記減少エネルギーは、エネルギー不変の法則から、音以外にその大部分は熱エネルギーに変換される。熱エネルギーは衝突時に衝突部が変形することによる内部摩擦と考えられるが、ショットの衝突した変形部分のみで熱交換が行われるので部分的には高温になる。
ショット及びおよび成品の表面硬度が共に高い場合の衝突においては反発計数eは1に近いが、変形部分が小さいため局部的にはより高温になる。
同じ加工条件においてeは一定であるとすると、
Ee=W/2g×V1(1−e
K1=(1e−e)とすると
Ee=W/2g×V1K1
変形して温度上昇する部分の重量を衝突物体の重量に比例するとしてK2Wと考えその比熱をCとして温度上昇をtとすると、Eeと温度上昇は比例すると考えられる。
従って、
Ee=W/2g×V1K1=K2W×C×r
t=W/2g×V1K1÷K2W×C
=V1K1/2gK2C=K3V1
かように、変形して温度上昇する部分の重量は速度が速くなるに従って大きくなるが、その比率は小さい。速度に比例するとしても温度上昇tはV1に比例することになる。
従って、鉄系の金属材料にあってはA変態点以上、非鉄系の金属材料にあっては再結晶温度以上の加熱、ピーニング加工、焼き入れ焼き戻しが繰り返し成品表面に対して行われ、圧縮残留応力の付与に伴う螺刻部表面の加工硬化、疲労強度の増大により、螺刻部は、高温化によってもその表面が軟化、脆化することを抑制でき、従って螺合や取り外しの際に螺刻部に高負荷が加わったとしても、この部分が変形したり、破損することを好適に防止でき、また、前記処理による組織の螺刻部表面組織の微細化、緻密化、高硬度化により転位密度が高くなり、螺刻部の負荷時に螺刻部の表面の変形が起こり難く、雄及び雌の螺刻部間の凝着、変形や破損等が低減されるものと考えられる。
なお、ショットが螺刻部に衝突したときに、衝突部分において鉄系の金属材料にあってはA変態点以上に、非鉄系の金属材料にあっては再結晶温度以上に部分的な温度上昇が生じるが、この温度上昇は局部的かつ、瞬間的なものであることら、従来技術において紹介した浸炭処理におけるような加熱とは異なり、螺刻部の全体に対して意図しない熱処理が施されることもない。
本発明において、表面加工熱処理工程において噴射するショット径を40〜200μmとてしているのは、上記噴射速度と噴射密度との関係からで、噴射速度を高速とするには、ショットの径があまりに大きいものでは無理であり、また、噴射密度が低いと噴射圧力を大きくしても、加工層が著しく不均一となる。
なお、前述の硬度、粒径を有するショットを前述の噴射速度、又は噴射圧力で噴射することができるものであれは、ブラスト装置としては種々のものを使用することができ、圧縮空気等の圧縮気体と共にショットを噴射する形式のものに限定されず、遠心力により、又は回転する羽根車との衝突によりショットを噴射する型式の既知の各種のブラスト加工装置を使用することができ、また、例えばエア式のブラスト加工装置にあっても、重力式、直圧式、サイホン式等の既知の各種のブラスト装置を使用することができる。
(2)錫の拡散・浸透
以上のようにして、表面加工熱処理が終了した後、この螺刻部に対しては、さらに粒径30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射し、表面加工熱処理が行われた螺刻部の表面に錫元素を拡散・浸透させる処理が行われる。
この工程により、螺刻部の表面付近には、凝着抑制効果のある錫の元素が拡散・浸透して、螺刻部の表面と一体化した付着強度の高い錫の被膜が形成されるだけでなく、形成される錫被膜の表面は、錫粉体の噴射流体として使用されている圧縮空気や、周辺雰囲気中の酸素との反応により酸化された錫の酸化被膜となっており、この酸化物による凝着抑制効果とも相俟ってより高い凝着抑制効果を発揮し、耐熱、潤滑効果が高められるものと考えられる。
使用する錫粉体の粒径としては、錫元素の拡散浸透を得るに必要な噴射速度を得るために、前述のように30〜300μmの粉体を使用する。
また、このような錫粉体を被処理成品に噴射する方法としては、前述の表面加工熱処理と同様に既知の各種のブラスト装置を使用することができるが、噴射速度や噴射圧力の調整が比較的容易であることから、エア式のブラスト装置の使用が好ましく、前述した錫粉体を噴射速度80m/sec以上又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射することができる性能を備えたものであれば、特にその型式等は限定されない。
以上のようにして、錫粉体を螺刻部表面に高速で噴射すると、前述の表面加工熱処理の場合と同様、錫粉体の螺刻部表面への衝突前後の速度変化により、エネルギー不変の法則を考慮すると、熱エネルギーが生じる。このエネルギーの変換は、錫粉体が衝突した変形部分のみで行われるので、錫粉体及び螺刻部の表面付近に局部的に温度上昇が起こる。
また、温度上昇は錫粉体の衝突前の速度に比例するので、前記錫粉体の速度を高速にすると、前記錫粉体及び螺刻部表面の温度を上昇させることができる。このとき錫粉体が螺刻部表面で加熱され、さらには加熱分解し、これを構成する錫元素が螺刻部の表面に活性化吸着して拡散浸透するものと考えられる。
したがって、本工程において形成される錫の被膜は、電気メッキ等により形成される被膜とは異なり、ブラスト処理により錫粉体を被処理成品に衝突させたときの錫粉体の温度上昇による加熱分解と、その分解により錫元素を被処理成品に拡散浸透させることにより被膜を形成するものであり、また、このようにして形成される錫被膜は、噴射流体として使用されている圧縮空気や空気中の酸素と反応してその表面に、凝着防止効果のある酸化物(酸化錫)を形成することから、本工程において錫被膜を形成することにより発揮される凝着防止効果は顕著である。
なお、錫粉体が螺刻部に衝突したときに、錫粉体及び螺刻部が部分的に温度上昇するとはいえ、この温度上昇は局部的かつ、瞬間的なものであることら、従来技術において紹介した浸炭処理におけるような加熱とは異なり、螺刻部全体に意図しない熱処理が施されるこもない点については、前述の表面加工熱処理と同様である。
〔焼付防止潤滑剤の塗布〕
以上のようにして表面処理が施された螺刻部は、これをそのまま締結して高温下で使用する場合においても、凝着や変形、破損等が生じないものとなっているが、より好適にはこれを締結する際にその螺刻部に焼付防止潤滑剤を塗布することにより、又は、前述の表面処理後の螺刻部に、焼付防止潤滑剤を含む樹脂等をコーティングすることにより、焼付防止潤滑剤層を形成することで、さらに一層の凝着防止を図ることができる。
ここで使用する焼付防止潤滑剤は、銅、ニッケル等の金属粒子、その他の凝着防止効果を有する粒子、その他の成分を含有する既知の潤滑剤であり、市販の各種の焼付防止潤滑剤、コーティング剤等を使用することができる。
次に、本発明の方法により処理された金属材料から成る螺刻部の凝着、変形、破損防止効果を測定した結果を以下に示す。
〔試験例1〕 高温化におけるナットねじ面の硬度比較試験
下記の表1に示す条件により、表面加工熱処理を施したナット(S45C-QT M24)(実施例1)を400℃に4時間加熱した後、その硬度変化を測定した結果を表2に示す。
なお、比較例1は、表面加工熱処理を施していないナットである。
Figure 0004128923
Figure 0004128923
以上の結果から明らかなように、表面加工熱処理を施していないナット(比較例1)にあっては、400℃、4時間の加熱により表面付近の硬度低下が見られ、この硬度低下が取り外し時のねじ山の変形や破損等の発生原因となっているものと考えられる。
これに対し、表面加工熱処理を施したナットにあっては、400℃、4時間の加熱後においても、比較例1のナットに比較して高い表面硬度を維持しており、これにより取り外し時に変形や破損等が生じることを有効に防止できるものとなっていることを確認することができた。
〔試験例2〕 圧縮残留応力の測定
下記表3の加工条件において表面加工熱処理を施したボルト〔SNB-7 M24×110(半ねじ)〕(実施例2)及びナット(S45C-QT M24)(実施例3)について圧縮残留応力を測定した結果を表4に示す。
なお、比較例3は表面加工熱処理を施していないボルト、比較例4は表面加工熱処理を施していないナットである。
Figure 0004128923
Figure 0004128923
以上の結果、表面加工熱処理の施されたボルト及びナットはいずれも高い残留圧縮応力が付与されていることが確認された。この残留圧縮応力は、ボルト、ナットの螺刻部(ねじ切り面)が、組織の微細化、緻密化、高硬度化により強化されていることを示しており、従ってこの圧縮残留応力の増加からねじ切り面の転位密度の増加が想定される。
その結果、このような表面加工熱処理の施された螺刻部にあっては、ボルト、ナットの締結時、ねじ切り面に負荷が生じた場合においてもねじ山の変形や破損等が制約される。
〔試験例3〕 錫粉体の噴射による取り外しトルク値の変化
表面加工熱処理が施されたボルト及びナットに対し、さらに錫粉体の噴射を行った後、これらのボルト及びナットを締め付けトルク値800N・m、1000N・mで締結し、これを400℃で4時間加熱した後、取り外す際の取り外しに要したトルク値を測定した。その結果を表6に示す。
なお、表面加工熱処理及び錫粉体の噴射条件はそれぞれ下記の表5に示す通りである。
また、比較例4は、表面加工熱処理、錫粉体の噴射のいずれも行っていないボルト及びナットである。
Figure 0004128923
Figure 0004128923
以上の結果、比較例4のボルト及びナットにあっては、凝着が生じて取り外すことができなくなっていたのに対し、実施例4のボルト及びナットにあっては、取り外しが可能であると共に、取り外しに要するトルクも低減された。これにより、ボルト及びナット間での凝着が好適に抑制されていることが確認できた。
また、800N・mの締め付けの場合には、かじりの発生率も少なく、再使用可能である。
〔試験例5〕 焼付防止潤滑剤塗布後の取り外しトルク値の変化測定
上記試験例4において使用した、表面加工熱処理及び錫粉体の噴射を行ったボルト及びナットのねじ切り面に対し、さらに市販の焼付防止潤滑剤(ヘンケルジャパン株式会社「ロックタイト:アンチシーズN−5000」)を塗布したボルト及びナット(実施例5)を所定トルクで締結した後、400℃で4時間加熱し、その後これらを取り外す際に必要なトルクを測定した。その結果を表7に示す。
なお、比較例5として、未処理のボルト及びナットに対して同様の焼付防止潤滑剤のみを塗布し、ボルト及びナットを取り外した結果を表8に示す。
Figure 0004128923
Figure 0004128923
以上、表7及び表8に示すように、本願の方法による表面処理を施していないボルト及びナットに焼付防止潤滑剤の塗布のみを行ったもの(比較例5)にあっては、400℃の温度で4時間加熱することにより凝着が生じ、ボルトとナットとを取り外すことができなくなっていたのに対し、本発明の方法により表面処理を行ったボルト及びナットに対してさらに焼付防止潤滑剤を塗布したボルト及びナット(実施例5)にあっては、凝着が生じておらず取り外しが可能であると共に、凝着に伴うかじりの発生も生じ難くなっていることが確認された。
〔試験例6〕 焼付防止潤滑剤塗布後の摩擦係数の比較
上記実施例5のボルト及びナットと、比較例5のボルト及びナットとを試料として、摩擦計数を測定した結果を表9に示す。
Figure 0004128923

実施例5のボルト及びナットにあっては、比較例5のボルト及びナットに比較して、摩擦係数が大幅に減少していることが確認された。
このような摩擦係数の減少により、ボルト及びびナットの高温化におけるかじりを好適に防止することができる。
以上説明した本発明の金属材料から成る螺刻部の表面処理方法及び金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法、並びに凝着防止可能な螺刻部及び螺刻部材にあっては、発電所一般、土木工事、建築工事、管工事、金属加工機械製造機器、空調設備、ボイラー、原動機、電子機械部品、産業機械器具等の種々の分野において使用することが可能であり、これらの機器において各部品間を固定し、又は部品の取り付け等に使用する締結具乃至は螺刻部に応用可能である。
特に、発電所等における配管設備、自動車、航空機、船舶等のエンジン、その他、締結具乃至は螺刻部が高温となる用途に使用するに特に有効であり、高温下で使用する場合であっても螺刻部の凝着や変形、破損によるかじりを有効に防止し得る。


Claims (6)

  1. 熱処理可能性を有する金属材料から成る螺刻部に、
    該螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、鉄系の金属材料にあっては噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射してその表面付近の温度をA3変態点以上に上昇させ、非鉄系の金属材料にあっては噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射してその表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させる処理を施した後、
    30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、前記螺刻部の表面に錫元素を拡散・浸透させることを特徴とする金属材料から成る螺刻部の表面処理方法。
  2. 雄ねじの切られた雄の螺刻部と、雌ねじの切られた雌の螺刻部とを螺合する熱処理可能性を有する金属材料から成る螺刻部の締結において、
    雄及び/又は雌の前記螺刻部に、該螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、前記螺刻部が鉄系の金属材料であるとき噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射して表面付近の温度をA3変態点以上に上昇させ、前記螺刻部が非鉄系の金属材料であるとき噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させ、次いで、30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、該部分の表面に錫元素を拡散・浸透させたことを特徴とする金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法。
  3. 雄の螺刻部を雌の螺刻部に螺合する前に、雄及び/又は雌の螺刻部に焼付防止潤滑剤を塗布することを特徴とする請求項2記載の金属材料から成る螺刻部の凝着防止方法。
  4. 熱処理可能性を有する金属材料から成る螺刻部と同等以上の硬度を有する40〜200μmのショットを、鉄系の金属材料にあっては噴射速度100m/sec以上、又は噴射圧力0.3MPa以上で噴射して、その表面付近の温度をA3変態点以上に上昇させ、非鉄系の金属材料にあっては噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、その表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇させる処理を施した後の前記螺刻部上に、30〜300μmの錫粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.25MPa以上で噴射して、酸化錫の被膜を形成したことを特徴とする金属材料から成る螺刻部。
  5. 前記錫の被膜上に、さらに焼付防止潤滑剤層を設けた請求項4記載の金属材料から成る螺刻部。
  6. 請求項4又は5記載の雄の螺刻部と、請求項4又は5記載の雌の螺刻部との組合せから成る金属材料から成る螺刻部材。
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