JP2022133587A - ショットピーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材料からなる対象物の長寿命化を更に図ることができるショットピーニング方法を提供する。【解決手段】ショットピーニング方法は、金属材料からなる対象物1の表面2に第1深さd1で残留応力を付与する第1ショットピーニングを行う工程S2と、第1ショットピーニング後に、対象物1の表面2に第1深さd1よりも深い第2深さd2で残留応力を付与する第2ショットピーニングを行う工程S4と、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、ショットピーニング方法に関する。
金属材料からなる対象物の表面に高硬度の投射材(ショット)を投射するショットピーニングが知られている(例えば、特許文献1)。ショットピーニングは、金属材料からなる製品の長寿命化に有効である。例えば、ダイカスト金型の破損は、熱膨張及び熱収縮を繰り返すことで生じるヒートチェック(ヒートクラック)によることが多い。ショットピーニングによれば、金型の表面に残留応力(圧縮残留応力)を付与し、ヒートチェックを抑制することができる。ショットピーニングにより金型が長寿命化すれば、製品の製造コストに含まれる型費を減少させることができる。
特開2011-235318号公報
本開示は、金属材料からなる対象物の長寿命化を更に図ることができるショットピーニング方法を提供する。
本開示の一側面に係るショットピーニング方法は、金属材料からなる対象物の表面に第1深さで残留応力を付与する第1ショットピーニングを行う工程と、第1ショットピーニング後に、対象物の表面に第1深さよりも深い第2深さで残留応力を付与する第2ショットピーニングを行う工程と、を含む。
このショットピーニング方法では、第1ショットピーニングにより対象物の表面に残留応力が付与されるので、ヒートチェックの抑制効果が得られる。対象物の使用中に第1ショットピーニングの効果が低下しても、第2ショットピーニングにより対象物の表面に残留応力が付与されるので、再びヒートチェックの抑制効果が得られる。特に、第1ショットピーニングでは、第1深さで残留応力が付与されるのに対し、第2ショットピーニングでは、第1深さよりも深い第2深さで残留応力が付与される。したがって、第1深さより深く進展した亀裂について、それ以上の進展を抑制することができる。以上のことから、金属材料からなる対象物の長寿命化を更に図ることができる。
一実施形態に係るショットピーニング方法では、第2ショットピーニングの投射材の粒径は、第1ショットピーニングの投射材の粒径よりも大きくてもよい。また、第2ショットピーニングの投射材の投射速度は、第1ショットピーニングの投射材の投射速度よりも大きくてもよい。また、第2ショットピーニングの投射材の硬さは、第1ショットピーニングの投射材の硬さよりも硬くてもよい。これらの場合、第2深さを第1深さよりも容易に深くすることができる。
一実施形態に係るショットピーニング方法では、対象物は、鉄系合金又はチタン系合金からなってもよい。鉄系合金及びチタン合金は広く用いられているので、更なる長寿命化が可能なショットピーニング方法の必要性が高い。
一実施形態に係るショットピーニング方法では、対象物は、ダイカスト金型又はトランスミッション用歯車であってもよい。ダイカスト金型は高温で使用されるので、ヒートチェックの抑制効果が低下し易い。トランスミッション用歯車は、非常に負荷がかかる部品である。また、特に建設機械に用いられる場合、稼働率が高いことや大型機械であることから交換が困難である。よって、ダイカスト金型及びトランスミッション用歯車では、更なる長寿命化が可能なショットピーニング方法の必要性が高い。
本開示に係るショットピーニング方法によれば、金属材料からなる対象物の長寿命化を更に図ることができる。
実施形態に係るショットピーニング方法を示すフローチャートである。 対象物における影響層及びヒートチェックについて説明するための模式的な断面図である。
以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
実施形態に係るショットピーニング方法は、金属材料からなる対象物にショットピーニングを行う方法である。対象物は、例えば、鉄系合金又はチタン系合金からなる。鉄系合金は、例えば、鉄鋼材料である。鉄鋼材料として、具体的には、炭素含有量が0.5%~0.6%である中炭素の焼入材、炭素含有量が0.8%~1.1%である高炭素の浸炭材等が挙げられる。中炭素の焼入材は、例えば、ばね材、アルミダイカスト用の金型材に用いられる。高炭素の浸炭材は、例えば、歯車材に用いられる。これらの鉄鋼材料は、いずれもマルテンサイト組織を有するマルテンサイト鋼である。
チタン系合金は、例えば、αチタン合金(例えば、Ti-5Al-1Mo-1V)、α-βチタン合金(例えば、Ti-6Al-4V)、又は、βチタン合金(例えば、Ti-14-3-3-3)である。チタン系合金の中では、α-βチタン合金であるTi-6Al-4V、いわゆる64チタンが最も使用されている。使用用途は、人工関節をはじめとしたインプラント、及び、航空機の骨組み部材等である。
対象物は、例えば、ダイカスト金型又はトランスミッション用歯車である。典型的なダイカスト金型の材料はSKD61(JIS規格)である。JIS規格のSKD61は、ISO規格(ISO4957:1999)のX40CrMoV5-1に対応している。ダイカスト金型では、一般的に焼き入れ焼き戻し後に窒化が適用される。窒化のタイプとして、塩浴軟窒化、ガス窒化、プラズマ窒化が挙げられる。なかでも塩浴軟窒化は、コストが低く、大物にも適用できるので、多用される。塩浴軟窒化は、鋼表面に化合物層が生成された後、窒素が拡散していくプロセスであり、表面には必ず化合物層が存在する。この化合物層には、鉄とアルミニウムの凝着を抑制する働きがある。母相である鋼と化合物層との間には明確な境目がなく、組成(化学成分)が母相から連続的に変化し化合物層となっている。化合物層は、硬い反面、脆く割れやすい性質も有し、母相の鋼の結晶粒界にも亀裂を引き起こすと言われている。
アルミ合金ダイカスト金型の場合を例に説明を更に続ける。アルミ合金ダイカスト金型の破損原因の約70%は、ヒートチェックと呼ばれる亀裂の発生である。高温のアルミ溶湯及び低温の離型剤から金型が受ける熱サイクルによって、結晶粒の膨張収縮が生じる。その結果、ヒートチェックが結晶粒界から発生する。ヒートチェック抑制のために、ショットピーニングによる残留応力の付与が効果的であるとの文献が散見される。このとき、残留応力の評価には、X線を用いた方法が用いられる。ヒートチェックは、結晶粒界を起点とした亀裂である。これに対し、X線では、結晶粒内の残留応力が評価される。結晶粒内の残留応力がヒートチェック抑制に対してどのように寄与しているのか不明である。しかしながら、結果論として、ショットピーニングによってヒートチェックが抑制できていることは事実であると考えられる。
ダイカスト金型は、アルミ溶湯から受ける熱により、常に550度前後の温度になっている。この温度は、鋼の再結晶温度とほぼ同じである。仮にショットピーニングによって残留応力が付与されたとしても、この温度域では、応力が解放されてしまう。したがって、ヒートチェック抑制の理由をショットピーニングによる残留応力だけと考えるのはやや乱暴である。
ショットピーニングは、塑性変形を起こす加工である。ショットピーニングによれば、結果として結晶粒の微細化が発生している。ヒートチェックは結晶粒界から発生する。よって、結晶粒の微細化及び経路の複雑さは、ヒートチェックが発生する機会の損失という意味で、効果を発揮していると考えられる。結晶粒微細化は、X線による残留応力測定結果としての数値に表れない。X線応力測定により得られる数値としては、半価幅が結晶性を表すパラメータである。半価幅の数値が大きいほど、結晶粒が微細化及び複雑化していることを示している。
前述のとおり、ダイカスト金型は常に鋼の再結晶温度にさらされている。ショットピーニングにより結晶粒微細化が起こったとしても、ダイカスト金型の使用中に結晶粒の再結晶化が進み、ショットピーニングの効果は低下していく。ダイカスト金型の寿命を延ばすために、初期にショットピーニングを行うことはもちろん効果的である。しかしながら、ショットピーニングの効果は低下していく。よって、使用途中に再度ショットピーニングを行って結晶粒を微細化すれば、ダイカスト金型の更なる長寿命化が期待できる。ここでは、このようなショットピーニングを再ショットピーニングと呼ぶ。
図1は、実施形態に係るショットピーニング方法を示すフローチャートである。図1に示されるように、実施形態に係るショットピーニング方法は、第1ショットピーニングのための第1ショットピーニング条件を設定する工程S1と、第1ショットピーニングを行う工程S2と、第2ショットピーニングのための第2ショットピーニング条件を設定する工程S3と、第2ショットピーニングを行う工程S4と、を含む。第2ショットピーニングは、再ショットピーニングに相当する。工程S1及び工程S2は、例えば、対象物の製造時に行われる。工程S3及び工程S4は、例えば、対象物のメンテナンス時に行われる。以下、各工程について説明する。
工程S1では、第1ショットピーニング条件として、対象物に最大残留応力を付与するための条件を設定する。最大残留応力とは、対象物に付与可能な圧縮残留応力の最大値である。最大残留応力は、対象物によって異なる。工程S1で設定される第1ショットピーニング条件は、例えば、投射材の硬さ、投射材の粒径、投射材の投射速度等である。
ヒートチェックの原因は、結晶の熱膨張収縮による応力なので、応力が最大となる表面だけが破壊の起点である。もともとショットピーニングは、表面に応力を付与する処理である。したがって、新規に製造された対象物に対して行う第1ショットピーニングでは、対象物の硬さ等にあわせた適当な第1ショットピーニング条件が設定される。
ショットピーニングでは、投射材の硬さを高めることにより、対象物に付与される残留応力を高めることができる。しかしながら、対象物の硬さが投射材の硬さに見合っていないと、投射材の硬さを高めることにより、対象物に付与される残留応力がかえって低下する場合がある。つまり、対象物に最大残留応力を付与するには、対象物の硬さと投射材の硬さとのバランスを適正化する必要がある。
第1ショットピーニングによって対象物に最大残留応力を付与するには、例えば、投射材の硬さを対象物の硬さよりも50HV(ビッカース硬さ)以上250HV以下の範囲内で高く設定する。50HV以上とすることで、対象物の表面部分に残留応力を付与することができる。250HVよりも高く設定すると、投射のエネルギーが対象物の表面の削食に使われるので、対象物の表面部分に効果的かつ安定的に残留応力を付与することができない。削食量が大きくなると、対象物の寸法の変化量も大きくなる。対象物の削食量を5μm以下とすることで、対象物の表面部分に効果的かつ安定的に残留応力を付与することができる。また、対象物の寸法の変化を抑制することができる。更に、対象物の表面粗度の悪化を抑制することができる。
ただし、対象物の硬さが750HVよりも低いと、対象物の表面部分に十分な残留応力を付与することができない場合がある。対象物の硬さは、例えば、対象物の表面から深さ0.050mmまでの表面部分の硬さを意味する。
硬さの場合と同様に、投射材の粒径を大きくすることにより、対象物に付与される残留応力を高めることができる。投射材の粒径が大きくなるにつれて、ピーニング影響層が深くまで形成される。しかしながら、投射材の粒径が大きすぎると、対象物に付与される残留応力がかえって低下する場合がある。対象物のダメージが大きくなり、材料自体の脆化、対象物の表面粗度の悪化、又は、寸法の変化が生じるおそれもある。例えば、表面粗さは、投射材の粒径に依存する。また、投射材の粒径が大きすぎると、投射設備の能力的に加工できないおそれもある。更に、単位流量当たりのショット数が減るので、加工時間が長くなる。
投射材の粒径は、例えば、投射材が球状である場合、投射材の直径である。第1ショットピーニングによって対象物に最大残留応力を付与するには、投射材の粒径は、例えば、50μm以上1000μm以下である。投射材の粒径を50μm以上とすることにより、対象物の表面直下の改質を行うことができる。対象物の硬さや用途にもよるが、投射材の粒径を1000μm以下(1mm以下)とすることにより、表面粗さの悪化を抑制することができる。投射材の粒径を1000μmとして得られるピーニング影響層の深さ(厚さ)は、500μm程度である。表面粗さが悪化するので、ピーニング影響層をこれ以上厚くすることは困難である。
硬さの場合と同様に、投射材の投射速度を大きくすることにより、対象物に付与される残留応力を高めることができる。しかしながら、投射材の投射速度が大きすぎると、対象物に付与される残留応力がかえって低下する場合がある。材料自体の脆化、対象物の表面粗度の悪化、又は、寸法の変化が生じるおそれもある。第1ショットピーニングによって対象物に最大残留応力を付与するには、投射材の投射速度は、例えば、50m/s以上150m/s以下である。ノズルを使ったエア式ピーニング装置を用いる場合、投射圧(エア圧力)を、例えば、0.05MPa以上0.5MPa以下とすることにより、上記投射速度を実現できる。
工程S2では、対象物に対し、工程S1で設定された第1ショットピーニング条件で第1ショットピーニングを行う。これにより、図2(a)に示されるように、対象物1の表面2にピーニング影響層3が形成される。ピーニング影響層3には、第1ショットピーニングにより歪が導入され、残留応力が付与されている。すなわち、第1ショットピーニングは、対象物1の表面2に、ピーニング影響層3の厚さと等しい第1深さd1で歪を導入し、残留応力を付与する処理である。ピーニング影響層3では、結晶粒が微細化され、結晶粒界が複雑化されている。ピーニング影響層3は、歪が導入された歪導入層であると共に、残留応力が付与された残留応力付与層である。
工程S2後の対象物1をある程度使用すると、図2(b)に示されるように、対象物1の表面2にヒートチェック4が発生し、対象物1の内部に向かって進行する。前述のように、ダイカスト金型の使用環境は再結晶が起こる温度領域であるため、結晶粒が第1ショットピーニングの影響から回復していく。つまり、対象物1における結晶粒微細化及び歪の導入の効果が低下していく。その過程で、ヒートチェック4も進展してしまう。ヒートチェック4は、図2(c)に示されるように、いずれはピーニング影響層3を超えて進展する。
工程S3では、第2ショットピーニングのための第2ショットピーニング条件を設定する。第2ショットピーニング条件は、例えば、投射材の硬さ、投射材の粒径、投射材の投射速度等である。第2ショットピーニングは、ヒートチェック4が進展した状態の対象物1に対して行われる。対象物1の更なる寿命延長を狙うためには、ヒートチェック4よりも深い位置までピーニング影響層3を形成する必要がある。すなわち、第2ショットピーニング条件は、第1ショットピーニング条件よりもピーニング影響層3がより深くなるように設定される。
例えば、第2ショットピーニングの投射材の粒径は、第1ショットピーニング条件の投射材の粒径よりも大きくなるように設定される。第2ショットピーニングの投射材の投射速度は、第1ショットピーニングの投射材の投射速度よりも大きくなるように設定される。第2ショットピーニングの投射材の硬さは、第1ショットピーニングの投射材の硬さよりも硬くなるように設定される。工程S3では、このような設定が少なくとも1つ行われればよい。例えば、第2ショットピーニングの投射材の粒径が、第1ショットピーニング条件の投射材の粒径よりも大きくなるように設定されれば、第2ショットピーニングの投射材の投射速度及び硬さは、第1ショットピーニングの投射材の投射速度及び硬さと同じであってもよい。
工程S4では、工程S2後の対象物1に対し、工程S3で設定された第2ショットピーニング条件で第2ショットピーニングを行う。これにより、図2(d)に示されるように、対象物1の表面2に第1深さd1よりも深い第2深さd2で残留応力が付与され、第2深さd2と等しい厚さのピーニング影響層3が形成される。第2ショットピーニングは、投射材の衝突により塑性流動を起こし、既に発生しているヒートチェック4を閉じる作用をもたらす。対象物1の内部ではこの作用が弱いため、ヒートチェック4の全部は改善されず、一部が残存する場合もある。しかしながら、ヒートチェック4は対象物1の最表面から発生するため、最表面に対する作用が重要である。
以上説明したように、実施形態に係るショットピーニング方法は、金属材料からなる対象物1の表面2に第1深さd1で残留応力を付与する第1ショットピーニングを行う工程S2と、第1ショットピーニング後に、対象物1の表面2に第1深さd1よりも深い第2深さd2で残留応力を付与する第2ショットピーニングを行う工程S4と、を含む。
このショットピーニング方法では、第1ショットピーニングにより対象物1の表面2に残留応力が付与されるので、ヒートチェック4の抑制効果が得られる。対象物1の使用中に第1ショットピーニングの効果が低下しても、第2ショットピーニングにより対象物1の表面2に残留応力が付与されるので、再びヒートチェック4の抑制効果が得られる。特に、第1ショットピーニングでは、第1深さd1で残留応力が付与されるのに対し、第2ショットピーニングでは、第1深さd1よりも深い第2深さd2で残留応力が付与される。したがって、第1深さd1より深く進展した亀裂について、それ以上の進展を抑制することができる。以上のことから、金属材料からなる対象物1の長寿命化を更に図ることができる。
第2ショットピーニングの投射材の粒径は、第1ショットピーニングの投射材の粒径よりも大きくてもよい。また、第2ショットピーニングの投射材の投射速度は、第1ショットピーニングの投射材の投射速度よりも大きくてもよい。また、第2ショットピーニングの投射材の硬さは、第1ショットピーニングの投射材の硬さよりも硬くてもよい。これにより、第2深さd2を第1深さd1よりも容易に深くすることができる。すなわち、第2ショットピーニングにより形成されるピーニング影響層3を、第1ショットピーニングにより形成されるピーニング影響層3よりも容易に厚くすることができる。
対象物1は、鉄系合金又はチタン系合金である。鉄系合金及びチタン合金は広く用いられているので、更なる長寿命化が可能なショットピーニング方法の必要性が高い。
対象物1は、ダイカスト金型である。ダイカスト金型は、高温で使用されるので、ヒートチェックの抑制効果が低下し易い。よって、ダイカスト金型では、更なる長寿命化が可能なショットピーニング方法の必要性が高い。また、対象物1はトランスミッション用歯車である。トランスミッション用歯車は、非常に負荷がかかる部品である。特に建設機械に用いられる場合、稼働率が高いことや大型機械であることから交換が困難である。よって、トランスミッション用歯車では、更なる長寿命化が可能なショットピーニング方法の必要性が高い。
本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
ショットピーニング方法は、工程S4後に再ショットピーニングを行う工程を更に含んでもよい。工程S4後の対象物1を使用すると、新たなヒートチェック4が再び表面2から発生し、対象物1の内部に向かって進行する。新たなヒートチェック4は、内部に残存したヒートチェック4と結合して進展する場合がある。したがって、工程S4後に再ショットピーニングを行う場合は、直前に行ったショットピーニングで残留応力を付与した深さよりも深い深さで残留応力を付与する必要がある。したがって、再ショットピーニングを逐次行う場合は、例えば、投射材の粒径を逐次大きくしていくことになる。
1…対象物、2…表面、3…ピーニング影響層、4…ヒートチェック、d1…第1深さ、d2…第2深さ。

Claims (6)

  1. 金属材料からなる対象物の表面に第1深さで残留応力を付与する第1ショットピーニングを行う工程と、
    前記第1ショットピーニング後に、前記対象物の表面に前記第1深さよりも深い第2深さで残留応力を付与する第2ショットピーニングを行う工程と、を含む、
    ショットピーニング方法。
  2. 前記第2ショットピーニングの投射材の粒径は、前記第1ショットピーニングの投射材の粒径よりも大きい、
    請求項1に記載のショットピーニング方法。
  3. 前記第2ショットピーニングの投射材の投射速度は、前記第1ショットピーニングの投射材の投射速度よりも大きい、
    請求項1又は2に記載のショットピーニング方法。
  4. 前記第2ショットピーニングの投射材の硬さは、前記第1ショットピーニングの投射材の硬さよりも硬い、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のショットピーニング方法。
  5. 前記対象物は、鉄系合金又はチタン系合金からなる、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のショットピーニング方法。
  6. 前記対象物は、ダイカスト金型又はトランスミッション用歯車である、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のショットピーニング方法。
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