JP4127632B2 - 袋詰装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は袋に物品を挿入して袋詰めする袋詰装置に関し、物品包装の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えばパーティー用等にスナック菓子を充填した小袋を複数個整列して大袋に詰めた商品が販売されることがある。大袋は合成樹脂製で軟らかく可撓性に富み、手を通す穴が開けられて購入後の携行が容易とされている。一般に、このように袋に物品を詰める装置では、(1)袋を貯留部から取り出す行程、(2)取り出した袋を袋詰ステーションまで搬送する行程、(3)搬送した袋を開口する行程、及び(4)開口した袋に物品を挿入して袋詰めする行程等が実行される。
【0003】
例えば米国特許第5799465号明細書が教示する袋詰装置の概略構成を図28(a),(b)に示す。この装置は前記(1)の袋取出し行程や前記(2)の袋搬送行程を行わず、袋sの貯留部aにおいて最下層の袋sを開口し該最下層の袋sに物品xを詰めるものである。袋貯留部aには平たく折り畳まれたカラの袋sが複数枚水平に積み重ねられている。貯留部aは左右一対の底板b,bを有し、その間に、折り畳まれた袋sの幅より狭い幅の溝cが形成されている。各底板bからピンdが起立し、積み重ねられた袋s…sを貫いている。より詳しくは、袋sの上面に口部tを超える延長部uが設けられ、該延長部uに形成された穴v,vをピンd,dが貫いている。よって袋sは上面がピンd,dで係止されているが下面が自由な状態である。
【0004】
前記(3)の袋開口作業及び前記(4)の物品挿入作業はすべて底板b,bの下方で行われる。特に図28(b)に明らかなように、まず爪部材eが下方から上昇してきて最下層の袋sの閉じた口部tの下面側の縁部を引っ張って下降する。これにより袋sの口部tが下方に引っ張られて三角形状に予備的に開く。このとき底板b,bと上層の袋sとの間に挟まれていた最下層の袋sの両側部が溝cの中に引き出されて該袋sの下面が溝cから下方に垂れ下がる。次に左右一対の開口用板部材f,fが相互に近接した状態で前記予備開口した口部tから袋sの中に突入したのち左右に離間する。これにより袋sの口部tが左右に引っ張られて矩形状に大きく開く。このとき袋sの両側部が溝cの中にさらに大量に引き出される。そして、図28(a)に示したように、この大きく開いた口部tを介して袋sの中に物品xがプッシャpで挿入されて袋詰めされる。袋詰めされた袋sは前記ピンd,dと穴v,vとの係止が外れて溝cから下方に落下し排出される。なお、前記米国特許第5799465号明細書には、爪部材eに代えて負圧吸着部材を使用することも可能であると言及されている。
【0005】
次に特開昭54−24185号公報が教示する袋詰装置の概略構成を図29(a)〜(d)に示す。この装置はまず図外の袋貯留部から搬送してきた袋sを複数の負圧吸着部材g…gで上下に引っ張って開口する(図29(a))。次に物品xを載置したトレイh及びプッシャpが開口した袋sの中に突入する(図29(b))。次にトレイhだけを先に袋sから引き出したのち(図29(c))、プッシャpを引き出すことにより、物品xが袋sの中に残される(図29(d))。このようにトレイhが物品挿入のガイド役を果たすから、物品xの袋詰作業が円滑化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者技術にあっては次のような不具合がある。まず、爪部材eで袋sが破損する心配がある。前述したように、爪部材eで袋sの口部tを下方に引っ張って袋sを予備開口するときは、袋貯留部aの底板b,bと上層の袋sとの間に挟まれていた最下層の袋sの両側部が溝cの中に引き出されるのであるが、最下層の袋sにはその上に積み重ねられたすべての袋s…sの荷重が負荷されているから、該袋sの両側部が溝cの中に引き出されるときの抵抗が大きく、爪部材eで袋sの口部tを下方に引っ張るときに袋sが延びたり破れたりする懸念がある。また、爪部材eに代えて負圧吸着部材を使用したときは、その吸着が外れる心配がある。
【0007】
次に、物品xを袋sいっぱいに詰めることができない。これは物品挿入時に袋sの口部tを最大に広げることができないことに起因する。左右一対の開口用板部材f,fを左右に離間して袋sの口部tを矩形状に大きく開くとき、袋sの口部tを全開にすると、袋sの両側部が全部溝cの中に抜けてしまって、袋sが垂下し、物品xの挿入が円滑に行えなくなる。あるいはピンd,dと穴v,vとの係止が外れてしまって、袋sが溝cから下方に落下し、物品xの挿入前に袋sがカラのままで排出される。つまり、物品xの挿入が完了するまで袋sを上面側でしっかりつかんでおく必要があり、そのために底板b,bと上層の袋sとの間に所定量の挟み代を残しておかねばならないのである。その結果、袋sを最大限に開くことができず、物品xを袋sいっぱいに詰めることができなくなって、最終的に出来上がった袋sがブカブカと余裕が残り、袋詰商品としての見栄えも低下してしまう。
【0008】
次に、物品xを袋sの底まできっちりと挿入できない心配がある。これは開口した袋sを全体的にしっかりと保持していないことに起因する。前述したように、左右一対の開口用板部材f,fは、底板b,bと上層の袋sとの間に所定量の挟み代を残しておかねばならないから、袋sの両側部をそれほど強く押し広げることはしていない。すると、物品xの挿入時に該物品xが袋sと接触して該袋xをその挿入方向(図28(a)に示す矢印方向)に押したときに、袋s(特に溝cから垂れ下がった自由な状態の下面)が同方向に移動する。その結果、プッシャpが同一ストローク前進しても、物品xの挿入位置が浅くなり、物品xを袋sの底まできちんと挿入することができなくなる。のみならず、袋sが物品xの挿入方向に移動することにより、爪部材eもしくは負圧吸着部材が外れたり、あるいは開口用板部材f,fが口部tから外れたりして、開口が閉じたり、開口した袋sの保持そのものが外れてしまう懸念もある。
【0009】
一方、後者技術にあっては次のような不具合がある。すなわち、袋sの開口を該袋sの外部に配置した吸着部材g…gによる負圧吸引にのみ依存しているから、開口した袋sの保持力が弱く、前記吸引が外れて、やはり開口が閉じたり、開口した袋sの保持そのものが外れてしまう心配がある。また、そのように開口した袋sを全体的にしっかりと保持できていないから、前記と同様、袋sに物品xやトレイhを突入させたときに、該物品xやトレイhが袋sと接触して袋sが同方向に移動し、物品xの挿入位置が浅くなる問題も生じ得る。
【0010】
本発明は、従来の袋詰装置における前記のような不具合に対処するもので、袋の破損を回避しながら、袋を最大限に開口し、かつその状態でしっかりと袋を保持して、袋が物品挿入方向に移動することを抑制することを課題とする。以下、その他の課題を含め本発明を詳しく説明する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、軟らかく可撓性に富む袋を開口して該袋へ物品を挿入する袋詰装置であって、袋の上下面をそれぞれ吸引する吸引部を上昇、下降させることにより前記袋を予備開口する予備開口手段と、袋の口部近傍で該袋の両側縁部を把持する把持部材を有し、前記予備開口手段による袋の予備開口時に袋の両側縁部を保持する保持手段と、前記物品の挿入方向に延び、予備開口された袋に挿入される複数の袋開口部材と、袋に挿入された状態で前記袋開口部材を前記物品の挿入方向と直交する方向で前記袋の4つの角部に向けて移動させることにより前記袋を内側から押圧して面取りされた4つの角部を備えた形状に開口する開口手段と、該手段で開口された袋に物品を挿入する物品挿入手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、まず、保持手段により軟らかく可撓性に富む袋の口部近傍の両側縁部が保持された状態で予備開口手段により袋が予備開口され、この状態で物品の挿入方向に延びる複数の袋開口部材が袋に挿入される。そして、これらの袋開口部材が袋の4つの角部に向けて移動することにより袋を内側から押圧して開口するから、袋は全開状態に開口されると共に、その状態でしっかりと保持される。よって、袋に物品をいっぱいに詰めることができるばかりでなく、袋の位置が物品挿入方向に移動して開口が閉じたり、開口した袋の保持が外れたり、物品の挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。しかも、袋開口部材は物品の挿入方向と直交する方向で移動するから、その移動時に該開口部材と袋とが接触しても、開口部材は袋を物品挿入方向に押すことがない。よって、やはり袋の位置が物品挿入方向に移動して開口が閉じたり、開口した袋の保持が外れたり、物品の挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。加えて、袋部材を内側から押圧する袋開口部材は複数であるから、例えば前述の爪部材のように袋を1箇所で引っ張るようなことがなく、応力が袋の1箇所に集中せずに複数箇所に分散して袋の破損を極力回避することができる。また、前記袋開口部材が袋に挿入される前に該袋の予備開口が行われると共に、その際に保持手段により袋の口部近傍の両側縁部が保持されるので、予備開口ないし袋開口部材の挿入が良好に行われることになる。
【0016】
そして、特にこの発明によれば、袋は、前記開口部材による押圧により4つの角部が面取りされた形状に膨らむ。その結果、物品を袋の中に余分な隙間なく密にいっぱいに詰めることができ、最終的に出来上がった袋がブカブカとならず、袋詰商品としての見栄えも向上する。
【0017】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、予備開口した袋の中に前記複数の袋開口部材を相互に近接させた状態で前記袋と非接触に挿入させる袋開口部材挿入手段を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、予備開口された袋に袋開口部材が挿入される際に、その挿入が袋と非接触に行われるので、そのときにおいても袋開口部材は袋をいずれの方向にも押すことがなく、結果として、袋の位置が変動して開口が閉じたり、開口した袋の保持が外れたり、物品の挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。ここで、前記複数の開口部材を相互に近接させた状態とは、例えば、物品の挿入方向と直交する面内で拡縮する前記複数の開口部材が集合して縮小した状態である。これに対し、前記複数の開口部材を袋の角部に向けて移動させて該袋を内側から押圧する状態とは、物品の挿入方向と直交する面内で拡縮する前記複数の開口部材が離散して拡大した状態である。
【0019】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記袋開口部材挿入手段による袋開口部材の袋への挿入中は、前記袋の両側縁部を保持していることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、予備開口時に加えて、袋開口部材が袋に挿入されている期間中も、該袋が保持部材によって保持されるから、前記開口部材と袋とが相対移動してずれを起こすことが回避される。よって袋の開口が確実に達成される。
【0021】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記袋開口部材は、袋と接触する部位に該袋との摩擦の大きい部位を有することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、袋開口部材が袋を内側から押圧したときに、該開口部材と袋との摩擦が大きくなるから、たとえ物品挿入時に物品が袋と接触して袋を該挿入方向に押しても、袋が同方向に移動することがより一層規制される。その結果、袋の位置が物品挿入方向に移動して開口が閉じたり、開口した袋の保持が外れたり、物品の挿入位置が浅くなるような不具合がより一層抑制される。
【0023】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれかに記載の発明において、前記袋開口部材は、扇型に揺動することにより前記袋の角部に向けて移動し、前記揺動の支点が、前記物品の挿入経路の外にあることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、袋開口部材が袋の角部に向けて移動する駆動の支点が物品挿入の邪魔になることがないから、袋の角部に向けて移動し拡散した複数の開口部材で囲まれる領域内で物品を支障なく通過させて袋の中に円滑に挿入することができる。以下、発明の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、図1を参照して本実施形態に係る袋詰商品生産ライン1の全体構成を説明する。この生産ライン1は大袋Yの中に複数の小袋X…Xを詰めた袋詰商品Zを生産する。小袋Xは例えばポテトチップス等のスナック菓子を充填したものである。本実施形態では、袋詰商品Zは、6個×2列に整列した計12個の小袋X…Xを1つの大袋Yに袋詰めしたものである。生産ライン1は主たる構成要素として、包装機10、シールチェッカ20、搬送装置30、及び袋詰装置40を含む。
【0026】
包装機10は周知の縦ピロー包装機である。包装機10は図外の計量装置で所定重量に計量されたスナック菓子を小袋Xに充填して該小袋Xをコンベア11上に縦シール部を上に向けた姿勢で排出する。排出された小袋Xはコンベア11で搬送されながらシールチェッカ20を通過する間にシールの良否が検査される。シールチェッカ20を通過した小袋Xは導入コンベア31を経由して搬送装置30に1個づつ順に供給される。搬送装置30は供給された小袋Xを搬送部32で縦姿勢に起こし、6個1組として袋詰装置40の正面まで搬送する。
【0027】
袋詰装置40の正面に搬送された小袋群X…Xは袋詰装置40の導入部41に押し出されたのち、整列部42で列方向に寄せられて、次に到来する1組と共に2列に整列される。後に詳しく説明するように、カラの大袋Yが袋貯留部44から袋詰ステーション43に搬送され(矢印B)、ここで該大袋Yの口部が開けられて、6個2列に整列した小袋X…Xが該大袋Yの中に挿入されて(矢印A)袋詰めされる。そののち、大袋Yは口部が横シールされ、最終の袋詰商品Zとなって、横シールされた口部を上に向けた立ち姿勢で排出部45により次行程に運び出される。
【0028】
次に、図2を参照して前記大袋Yの構成を説明する。大袋Yは、例えば、薄く、軽量で、可撓性に富み、軟らかく、腰の弱い、合成樹脂製である。大袋Yは、図示したように平たく折り畳んだとき、その一方の面にのみ口部Tを超えて延びる延長部Yaが形成されている。そして該延長部Yaに2つの穴Yb,Ybが設けられている。袋Yは、前記延長部Yaのある面を上にして袋貯留部44に複数枚が積み重ねられる。そのとき、例えば図3に示したように、袋貯留部44に立設したピン51が前記穴Ybを貫通する。
【0029】
図2に示すように、袋Yは、前記口部Tが形成された端部寄りに、手を通す長円形の穴Ycが設けられている。そして、該穴Ycより下の部分に小袋X…Xが詰め込まれる。大袋Yは、最終商品Zに出来上がったとき、前記携行用穴Ycを挟んでその上下2箇所で横に熱シールS1,S2される。そのうち下側の横シールS2は袋Yの上面と下面とを溶着して詰め込んだ小袋X…Xを密封するものである。これに対し、上側の横シールS1は同じく袋Yの上面と下面とを溶着するが、その溶着と同時に前記延長部Yaを袋Yの本体から切り離して除去するものである。大袋Yの底部には、襠(まち)をとって袋Yの厚みを生成するための折返しYdが形成されている。
【0030】
なお、図2には、後に説明する袋搬送装置200のプレート205に組み付けた複数の吸引部211a〜211d,212a,212b,213a,213bの吸引位置、袋側縁部把持用チャック120a,120a,120b,120bの把持位置、及び袋延長部押さえ部材160,160の押さえ位置を重ねて示してある。以下の記述及び図面において特に区別する必要のないときは符号の添字(a,b,…等)は省略する。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して袋詰装置40の機械的構成を説明する。図3は袋詰装置40の主要構成要素のレイアウトの1例を示す概略側面図(図1において右方から見た図)、図4は同じく概略背面図(図1において下方から見た図)である。袋詰装置40は、袋貯留部44に袋収容コンテナ50を備え、袋詰ステーション43に、物品挿入ガイド101、袋開口装置110、袋側縁部把持用チャック120a,120a,120b,120b、下側吸引部130、横シールジョー140a,140b,141a,141b、袋延長部押さえ部材160,160、及び袋排出フラップ170等を備え、袋貯留部44と袋詰ステーション43との間に袋搬送装置200を備える。
【0032】
袋収容コンテナ50は前記袋Yの穴Yb,Ybを貫通するピン51,51を有し、複数の大袋Y…Yが積み重ねられる。物品挿入ガイド101は筒状で、軸心が水平に延びるように配置されている。そして袋詰装置40の上部フレーム40a等に図示しないブラケット等を介して固定されている。挿入ガイド101は袋詰ステーション43にセットされ口部Tが開かれた大袋Yに小袋X…Xを挿入する際のガイド役を果たす。小袋X…Xは挿入ガイド101の中を前記A方向に水平に通過して大袋Yの中に送り込まれる(図22参照)。小袋X…Xをこのように大袋Yの中に挿入する物品挿入用プッシャ151(図5参照)が備えられている。
【0033】
袋開口装置110は袋詰装置40の床面に配設されたロッド115,115に沿って図3に示した矢印cのように前後に移動自在である。袋開口装置110をこのように前後移動させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)119(図5参照)が備えられている。
【0034】
図4に明らかなように、袋開口装置110は左右一対のブラケット114,114を有する。ブラケット114は袋開口装置110の縦壁116,116間に架設されたロッド117,117に沿って矢印dのように左右に移動自在である。ブラケット114をこのように左右移動させるアクチュエータ(例えば直動モータ)118(図5参照)が備えられている(左右共通でも個別でもよい)。
【0035】
また図4に明らかなように、ブラケット114は上下一対の袋開口用の部材111,111を有する(したがって計4つある)。この袋開口部材111は、後に詳しく説明するように、比較的長尺でリンク機構112を介して大袋Yの角部に向けて扇型に揺動する。開口部材111をこのように揺動させるアクチュエータ(例えば直動モータ)113(図3及び図5参照)が備えられている(左右共通でも個別でもよい)。なお、図4では、便宜上前記アクチュエータ113の図示を省略した。
【0036】
袋側縁部把持用チャック120は左右一対かつ前後一対に設けられている。図2に明らかなように、チャック120は、袋詰ステーション43にセットされた大袋Yの比較的前部(上部)の左右側縁部、すなわち袋Yの口部Tの近傍で該袋Yの両側縁部を把持(保持)する。特に前側のチャック120a,120aは前記2つの横シールS1,S2が施される部位の間をつかみ、後側のチャック120b,120bは下側の横シールS2が施される部位の直後方(下方)をつかむ。チャック120をこのように把持動作させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)121(図5参照)が備えられている(共通でも個別でもよい)。
【0037】
チャック120は図4に示した矢印eのように左右に移動自在である。チャック120をこのように左右移動させるアクチュエータ(例えば直動モータ)122(図5参照)が備えられている(共通でも個別でもよい)。
【0038】
下側吸引部130は図3に示した矢印gのように上下に移動することにより、袋詰ステーション43にセットされた大袋Yの下面を負圧により吸引保持して口部Tを開く機能を果たす。下側吸引部130をこのように上下移動させるアクチュエータ(例えば直動モータ)131(図5参照)が備えられている。
【0039】
横シールジョー140,141は上下一対かつ前後一対に設けられている。シールジョー140,141は図3に示した矢印f及びgのように上下に移動して対接することにより、特に前側のシールジョー140a,140bは前記前側(上側)の横シールS1を行い、後側のシールジョー141a,141bは後側(下側)の横シールS2を行う。シールジョー140,141をこのように上下移動させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)142(図5参照)が備えられている(共通でも個別でもよい)。
【0040】
袋延長部押さえ部材160は図3に示した矢印fのように上下に移動して大袋Yの前記延長部Yaを上方から押さえることにより、上側横シールS1時における該延長部Yaの袋本体からの切り離しを確実とする機能を果たす。押さえ部材160をこのように上下移動させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)161(図5参照)が備えられている。なお、図5に示すように、切れ端排除用真空ポンプ162が備えられている。該ポンプ162は、袋Yの横シールS1,S2が完了し、押さえ部材160が延長部Yaの押さえを解除して上昇するときに、上側横シールS1で切り離された袋Yの延長部Yaの切れ端を袋詰ステーション43から排除するように、前記切れ端を下方から吸引するものである。
【0041】
袋排出フラップ170は図3に示した矢印hのように上下に揺動する。そして上方に揺動したときは袋詰ステーション43にセットされた大袋Yをその上に寝かせる(図21〜23参照)。一方、下方に揺動したときは、図3に示したように、最終商品Zに出来上がった袋Yを底部Ydを下に口部Tを上にした立ち姿勢に立たせて排出部45に受け渡す。排出フラップ170をこのように上下に揺動させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)171(図5参照)が備えられている。
【0042】
袋搬送装置200は、図3に示すように、左右の上部フレーム40a間に架設されたベース201を有する。該ベース201は矢印aのようにフレーム40a上を前後に移動自在である。ベース201をこのように前後移動させるアクチュエータ(例えばエアシリンダ)222が備えられている(図5参照)。
【0043】
ベース201に電動シリンダ202が搭載され、該シリンダ202の側部にリニアガイド203,203が固定されている。水平方向に展開するプレート205がシリンダ202のロッドに吊り下げられている。プレート205に立設したガイドロッド204,204が前記リニアガイド203,203を挿通している。プレート205は前記シリンダ202の作動により矢印bのように上下に移動する。
【0044】
前記プレート205に複数の吸引部211,212,213が組み付けられている。各吸引部211,212,213は、下側吸引部130と同様、負圧により大袋Yの上面を吸引保持する。図2に明らかなように、すべての吸引部211,212,213は袋Yの端部近傍を吸引する。例えば、最も箱詰ステーション43に近い側で横一列に配置された4つの吸引部(最前列の吸引部)211a,211b,211c,211dは、袋Yの口部Tが形成された端部の近傍を吸引して保持する。また袋Yの上下方向の中央部に配置された2つの吸引部(2列目の吸引部)212a,212bは、袋Yの左右の両側縁部の近傍を吸引して保持する。そして最も箱詰ステーション43から遠い側に配置された2つの吸引部(最後列の吸引部)213a,213bは、袋の底部Ydが形成された端部の近傍を吸引して保持する。
【0045】
もっとも、袋Yの左右の幅方向を基準として見れば、最前列の吸引部211のうちでも、袋Yの隅部の近傍に配置されている2つの吸引部211a,211dは、袋Yの左右の両側縁部の近傍もまた同時に吸引保持している。これに対し、最前列の残りの2つの吸引部211b,211c、及び最後列の2つの吸引部213a,213bは、袋Yの左右の幅方向の中央部寄りを吸引保持している。そして、これらの袋Yの左右の幅方向の中央部寄りを吸引保持する吸引部211b,211c,213a,213bは第1真空ポンプ206(図3〜図5参照)に接続され、1組として同時に負圧制御される。同様に、袋Yの左右の両側縁部の近傍を吸引保持する吸引部211a,211d,212a,212bは第2真空ポンプ207(図3〜図5参照)に接続され、1組として同時に負圧制御される。ここで、袋Yの左右の両側縁部の近傍を吸引保持する吸引部211a,211d,212a,212bは、長穴等を介して、その左右方向の位置調整が可能とされている。
【0046】
図6に拡大して示すように、吸引部211,212,213はプレート205に固定されているのではなく、スプリング231を介して下方からの突き上げのショックが緩衝・吸収されるように組み付けられている。また、最前列の吸引部、すなわち袋Yの口部T側の端部近傍を吸引する吸引部211は吸盤形状であり、それ以外の2列目の吸引部212及び最後列の吸引部213は蛇腹形状である。さらに、プレート205が上昇して、吸引部211,212,213が自然の長さになったときには、吸盤形状の吸引部211は蛇腹形状の吸引部212,213よりもΔhだけ高い位置に位置する。加えて、吸盤形状の吸引部211の径は蛇腹形状の吸引部212,213の径よりも太くされている。つまり、吸盤形状の吸引部211の吸引力は蛇腹形状の吸引部212,213の吸引力よりも大きくされている。
【0047】
このように、吸盤形状の吸引部211は、袋Yの口部T側の端部近傍の吸引に採用している。そして、それ以外の端部近傍の吸引は蛇腹形状212,213の吸引部で行っている。ここで、吸盤形状の吸引部211と蛇腹形状の吸引部212,213との相違点はおよそ次のようである。すなわち、一般に、吸盤は横ずれに弱い(例えば、横ずれしたときに吸引が外れ易い、等)。しかし吸盤は上下方向の吸着に関しては強い(例えば、上下移動時に横ずれすることなく強くしっかりと袋Yを吸引保持する、等)。したがって袋Yの口部T(ないしは開口部)を吸盤形状の吸引部211で吸引することにより、専ら、袋Yの取出しの際に、袋Yを確実に持ち上げることができるようになる。また、袋Yの開口の際に、袋Yを確実に開口することができるようになる。一方、一般に、蛇腹は上下方向の吸着に関しては弱い。しかし横ずれに関しては、吸着部が袋Yの表面を滑る(スライドする:滑り効果を併せ持つ)ことにより対応可能である。また蛇腹部が変形することにより、吸着部を袋Yに対して追従させることが可能である。よって、蛇腹形状の吸引部212,213は総じて吸盤形状の吸引部211を補助する目的で用いることができる。
【0048】
図5に示すように、この袋詰装置40のコントロールユニット300は、前記計量装置や包装機10あるいは搬送装置30等の上流側装置の稼動状況や、小袋Xの搬送経路上に配設された物品検出センサの検出結果等に応じて、前記各構成要素のアクチュエータ等に適宜タイミングで制御信号を出力する。その際、コントロールユニット300は、物品導入部41に対しては、6個1組の小袋群X…Xを搬送装置30から受け取る制御を行う。また物品整列部42に対しては、小袋群X…Xを6個2列に幅寄せし整列する制御を行う。その際、最初の1列が搬送装置30から袋詰装置40に供給された段階では該1列を最終目標幅まで幅寄せせず少しだけ幅寄せし、次の1列が到来して2列に並べた段階で該2列を一緒に最終目標幅まで幅寄せする。最初の1列だけを先に最終目標幅まで幅寄せしてしまうと、幅寄せのために左右に移動する例えば幅寄せ用板部材間に、幅寄せ前の2列目の6個の小袋群X…Xが良好に入らなくなるからである。また商品排出部45に対しては、出来上がった袋詰商品Zを例えば排出用プッシャやコンベアベルト等を用いて袋詰装置40の外へ排出する制御を行う。
【0049】
次に、フローチャート及び動作図を参照して前記コントロールユニット300が実行するこの袋詰装置40の具体的動作の1例を説明する。その前に、図7及び図8を参照して袋開口部材111による袋Yの開口動作を説明する。図7に示すように、開口部材111は小袋Xの挿入方向Aに延び、挿入ガイド101とオーバーラップして位置している。開口部材111は相互に直行する方向(水平方向と垂直方向)に延びる2つの当接面α,βを有する。ただし該当接面α,βは直接交差しておらず、所定距離だけ離れている。そして本実施形態では2つの当接面α,βの間に、該当接面α,β同士の交点の角部を面取りするように第3の面(傾斜面)γが介在している。
【0050】
開口部材111の一端にリンク機構112が設けられ、該リンク機構112に開口部材111の揺動の支点111aが設けられている。該揺動支点111aは挿入ガイド101の外、すなわち小袋Xの挿入経路の外に位置している。開口部材111は、大袋Yと接触する前記当接面α,β及び傾斜面γに、該袋Yとの摩擦が大きくなる摩擦部fを有する。摩擦部fは例えば切欠き溝で提供される(切欠き溝により面α,β,γ表面に凹凸が生成し摩擦係数が高くなる)。あるいは摩擦部fはゴム部材や軟質の樹脂部材等で提供される(そのような部材を貼付することにより面α,β,γ表面の質感が変化し摩擦係数が高くなる)。
【0051】
図8に示すように、計4つの開口部材111は左右対称及び上下対称に配置されている。図8(a)に示すように、開口部材111が集合して縮小した状態では開口部材111は挿入ガイド101の筒状空間内にある。アクチュエータ113のロッドが後退すると、図8(b)に示すように、開口部材111は挿入ガイド101の角部に向けて扇型に揺動する。そしてついに、図8(c)に示すように、開口部材111は挿入ガイド101の角部に到達し、該角部と輪郭が一致し、挿入ガイド101と面一となる。図7は、このように開口部材111が離散して拡大した状態を示している。ただし、開口部材111はこのような離散拡大時にのみ挿入ガイド101の中から小袋挿入方向Aに前進し、集合縮小時は挿入ガイド101の中に後退している。この開口部材111の前進後退は、前述の袋開口装置110を前後移動させるアクチュエータ119によって達成される。このような開口部材111及びリンク機構112の前後移動の障害とならないように、図7に明らかなように、挿入ガイド101の左右の側面がリンク機構112の通路として切り欠かれている。
【0052】
図9は袋詰装置40の実行動作のメインフローである。この袋詰装置40は、主として、大袋Yを袋貯留部44から取り出す行程、取り出した袋Yを袋詰ステーション43へ搬送する行程、搬送した袋Yの口部Tを開く行程、開いた口部Tを介して袋Yに小袋Xを挿入する行程、及び小袋Xを挿入した袋Yを最終の袋詰商品Zに仕上げ処理する行程を繰り返し行う。図10〜図14に各ルーティンを、図3及び図15〜図23に各段階における袋詰装置40の状況を示した。
【0053】
袋詰動作の1サイクルはおよそ図3に示す状況から始まる。すなわち、袋搬送装置200は袋貯留部44の上方に位置している。ステップS1〜S5は袋取出し行程である。まず袋搬送装置200の吸引部211〜213が袋貯留部44に向けて下降を開始する。吸引部211〜213は袋貯留部44に積み重ねられた最上層の袋Yの上面に当接する。吸引部211〜213は真空度が所定値以上となったのち所定時間待機する(図15)。これは吸引部211〜213による袋Yの吸引保持を確実にするためである。このとき前述のショック緩衝用スプリング231により吸引部211〜213間の高低差Δhが解消され、すべての吸引部211〜213が同一平面内にあって、最上層の袋Yの上面を同時に同程度の力で下方に押圧する。
【0054】
所定時間の待機が完了すると、袋搬送装置200の吸引部211〜213が上昇を開始する。このとき図16に示したように、吸引部211〜213間の高低差Δhによって、吸引保持した最上層の袋Yとその下の袋Yとの間に段差ができる。その結果、該段差空間に空気が入り、上下の袋Y,Y同士が確実に分離して、吸引保持した最上層の袋Yだけを袋貯留部44から取り出すことが担保される。そして、吸引部211〜213の上昇が完了すれば袋取出し行程が終了する(図17)。
【0055】
次のステップS6〜S10は袋搬送行程である。まず袋搬送装置200が取り出した袋Yを吸引保持したまま袋詰ステーション43に向けて前進を開始する(図18)。吸引部211〜213が一体に袋搬送方向Bに水平移動し、袋Yが袋詰ステーション43に向けて略水平に搬送される。袋搬送装置200の前進が完了すれば吸引部211〜213が袋詰ステーション43の袋セット位置に向けて下降を開始すると同時に、下側吸引部130が上昇を開始する(図19)。そして、吸引部211〜213の下降及び下側吸引部130の上昇が完了すれば袋搬送行程が終了する。
【0056】
次のステップS11〜S19は袋開口行程である。まず袋側縁部把持用チャック120が把持動作を開始する。すなわち前側のチャック120a,120aが横シールS1,S2が施される部位間で袋Yの左右両側縁部を把持し、後側のチャック120b,120bが下側横シールS2が施される部位の直後方で袋Yの左右両側縁部を把持する。このときの状況を図24(a)に示す。そして把持動作が完了すれば袋Yの予備開口を行う。すなわちチャック120が1段だけ前進し、上側吸引部211〜213が1段だけ上昇し、下側吸引部130が1段だけ下降する(図20)。このときの状況を図24(b)に示す。
【0057】
袋Yの予備開口が完了すれば、袋開口装置110が前進することにより、その少しだけ開いた口部Tを介して袋Yの中に袋開口部材111を挿入させる(図21)。その場合、開口部材111は、相互に近接した集合縮小状態で袋Yと非接触的に挿入される。このとき排出フラップ170が上方に揺動する。そして開口部材111の袋Yへの挿入が完了すれば袋Yの本開口を行う。すなわちチャック120が最も前進し、上側吸引部211〜213が最も上昇し、下側吸引部130が最も下降する(図22)。このときの状況を図24(c)に示す。
【0058】
袋Yの本開口が完了すれば、前述のようにアクチュエータ113を作動させて開口部材111を挿入ガイド101の角部に向けて扇型に揺動させ、開口部材111を相互に離反した離散拡大状態とする。これにより、開口部材111は小袋Xの挿入方向Aと直交する方向で袋Yの角部に向けて移動し、前記袋Yを内側から押圧して開口する(図22及び図24(c))。袋Yは口部Tが全開状態で保持される。前述の図7はこの状態を示している。そして6個2列に幅寄せされ整列された小袋群X…Xがプッシャ151で挿入方向Aに押圧されて挿入ガイド101から全開状態の袋Yの中に挿入される(図22及び図24(c))。小袋Xの袋詰めが済めば、袋開口部材111…111を集合収縮状態とし、袋開口装置110を後退させる。
【0059】
次のステップS20〜S27は仕上げ処理工程である。まずチャック120が把持状態のまま最初の位置まで後退する。これにより袋Yが左右の幅方向に引っ張られる。これは次に行う横シールS1,S2に皺が寄るのを回避するためである。次に、図23に示すように、上側のシールジョー140a,141aが下降し、下側のシールジョー140b,141bが上昇する。これにより袋Yを挟んで上下のシールジョー140a,140b,141a,141b同士が対接し、袋Yの横シールS1,S2が施される。
【0060】
次に、押さえ部材160が下降し、上側横シールS1により切断された袋Yの延長部Yaを上方から押さえ付ける。次に、上側のシールジョー140a,141aが上昇し、下側のシールジョー140b,141bが下降して横シールS1,S2を終了する。次に、押さえ部材160で袋Yの延長部Yaを上方から押さえ付けたまま、排出フラップ170が下方に揺動する。これにより、図3に示したように、最終商品Zに出来上がった袋Yが底部Ydを下に口部Tを上にした立ち姿勢で排出部45に受け渡される。出来上がった袋詰商品Zは商品排出部45により袋詰装置40の外に搬出される。このとき袋Yの延長部Yaが最終的に袋Yの本体部から切り離される。
【0061】
そして、前述したように、切り離された延長部Yaの切れ端を吸引してこの袋詰ステーション43から排除するように、切れ端排除用真空ポンプ162をONにしたうえで、押さえ部材160を上昇させる。以上で袋詰動作の1サイクルが終了する。
【0062】
次に、本実施形態の特徴を説明する。以上のように、本実施形態では、大袋Yを開口して該袋Yへ小袋Xを挿入する袋詰装置40は、小袋Xの挿入方向Aに延びる比較的長尺の複数の袋開口部材111と、該開口部材111を前記挿入方向Aと直交する方向で前記袋Yの角部に向けて移動させることにより前記袋Yを内側から押圧して開口する袋開口装置110と、該装置110で開口された袋Yに小袋Xを挿入する物品挿入用プッシャ151とを備えている。
【0063】
まず、小袋Xの挿入方向Aに延びる複数の袋開口部材111が大袋Yの角部に向けて移動することにより、該大袋Yを内側から押圧して開口するから、大袋Yは全開状態に開口されると共に、その状態でしっかりと保持される。よって、大袋Yに小袋Xをいっぱいに詰めることができる。のみならず、大袋Yの位置が物品挿入方向Aに移動して開いた口部Tが閉じたり、開口した大袋Yの保持が外れたり、小袋Xの挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。しかも、開口部材111は小袋Xの挿入方向Aと直交する方向で移動するから、その移動時に該開口部材111が袋Yとが接触しても、開口部材111は袋Yを物品挿入方向Aに押すことがない。よって、やはり袋Yの位置が物品挿入方向Aに移動して開口Tが閉じたり、開口した袋Yの保持が外れたり、小袋Xの挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。加えて、袋Yを内側から押圧する袋開口部材111は複数設けられているから、押圧の応力が袋Yの1箇所に集中せずに複数箇所に分散して袋Yの破損が極力回避される。
【0064】
次に、前記袋開口部材111は、大袋Yの角部を挟む袋の隣接面とそれぞれ当接する2つの当接面α,βを有している。これにより、複数の開口部材111がそれぞれ大袋Yの角部を挟む大袋Yの隣接面と同時に当接するから、大袋Yの角部を確実にしっかりと内側から押圧することができる。また、袋開口部材111が面で袋Yを押圧するから、応力分散がさらに進み、袋Yの破損がより一層回避される。さらに、開口部材111の当接面α,βが小袋Xの挿入ガイドを兼ねるから、小袋Xの袋詰作業の円滑化が図られる。
【0065】
次に、前記2つの当接面α,βは、所定距離だけ離れている。これにより、大袋Yは、袋開口部材111による押圧時には、前記隣接面の間にある角部が面取りされたような形状に開口される。その結果、小袋Xを大袋Yの中に余分な隙間なく密にいっぱいに詰めることができ、最終的に出来上がった袋Yがブカブカとならず、袋詰商品Zとしての見栄えも向上する。つまり大袋を例えば四角い矩形状に広げると、その角部は被包装物Xが存在しないデッドスペースとなってしまうのである。
【0066】
次に、前記袋開口装置110による大袋Yの開口の前に、袋搬送装置200の吸引部211〜213と下側吸引部130とにより前記大袋Yを予備開口すると共に、前記袋開口装置110は、そのように予備開口した大袋Yの中に複数の袋開口部材111を相互に近接させた状態で該袋Yと非接触に挿入させる。したがって、開口部材111が予備開口した大袋Yの中に挿入される際においても、該開口部材111は大袋Yをいずれの方向にも押すことがなく、結果として、大袋Yの位置が変動して開口Tが閉じたり、開口した大袋Yの保持が外れたり、小袋Xの挿入位置が浅くなるような不具合が抑制される。
【0067】
次に、前記大袋Yの口部Tの近傍で該袋Yの両側縁部を保持する左右一対のチャック120を備え、該チャック120は、少なくとも前記袋開口装置110が前進して袋開口部材111が大袋Yの中に挿入されている期間中は、前記大袋Yの両側縁部を把持している。したがって、袋開口部材111が大袋Yの中に挿入されている期間中(袋開口部材111が大袋Yを内側から押圧して開口している期間中を含む)は、該大袋Yが左右一対のチャック120によってしっかりと把持されるから、前記開口部材111と袋Yとが相対移動を起こして位置ずれが発生することが回避され、大袋Yが確実に開口される。
【0068】
次に、前記袋開口部材111は、大袋Yと接触する部位に該大袋Yとの摩擦の大きい部位fを有している。これにより、該開口部材111が袋Yを内側から押圧したときに、該開口部材111と袋Yとの摩擦が大きくなるから、たとえ小袋Xの挿入時に該小袋Xと大袋Yとが接触して大袋Yを挿入方向Aに押しても、大袋Yが同方向Aに移動することがより一層規制される。その結果、大袋Yの位置が挿入方向Aに移動して開口Tが閉じたり、開口した袋Yの保持が外れたり、小袋Xの挿入位置が浅くなるような不具合がより一層抑制される。
【0069】
次に、前記袋開口部材111は、扇型に揺動することにより前記袋Yの角部に向けて移動すると共に、前記揺動の支点111aが、小袋Xの挿入経路(挿入ガイド101)の外に位置している。これにより、該開口部材111が袋Yの角部に向けて移動する駆動の支点111aが、挿入ガイド101内における小袋Xの通過、及び、袋Yの角部に向けて移動し拡散した複数の開口部材111で囲まれる空間内における小袋Xの通過を邪魔しないから、小袋Xの大袋Yの中への挿入が円滑に支障なく行われる。
【0070】
なお、以上の実施形態は特許請求の範囲に基き解釈される技術思想を逸脱しない限り種々の変更や修正が可能である。例えば図25や図26に示すように、袋開口部材111を平行四辺形リンク機構によって袋Yの角部に向けて略直線的に移動させてもよい。図中黒丸は固定点(開口部材111の駆動の支点111a)、白丸は可動点である。また図27に示すように、ガイドロッド401に沿って2つの開口部材111を逆ネジ402,403を使って相反する方向に同時に直線移動させることもできる。そして、袋Yの4つの角部に対しては、この機構を2組用いる。図例では逆ネジ402,403を傘歯歯車404,405で回転させているが、他にも例えばピニオンとウォームギヤ等を採用することもできる。また、袋開口部材111は大袋Yの角部を内側から押圧する丸棒のような部材であってもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、袋の破損を回避しながら、袋を最大限に開口し、かつその状態でしっかりと袋を保持して、袋が物品挿入方向等に位置ずれすることを抑制できる。本発明は、袋詰装置一般に適用でき、物品包装の技術分野において産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る袋詰商品生産ラインのレイアウトを示す概略平面図である。
【図2】 同生産ラインで用いる袋の構造、及び該袋と袋搬送装置の吸引部等との位置関係を示す平面図である。
【図3】 同生産ラインに備えられ、前記袋搬送装置を搭載する袋詰装置の主要構成要素を側面から概略図示するレイアウト図であって、最終の袋詰商品が完成し、前記袋搬送装置が袋貯留部の上方に位置している状況を示している。
【図4】 同じく、前記袋詰装置の主要構成要素を背面から概略図示するレイアウト図である。
【図5】 前記袋詰装置の制御システム図である。
【図6】 前記袋搬送装置の吸引部の詳細構造を示す部分拡大側面図である。
【図7】 前記袋詰装置に搭載される袋開口装置の袋開口部材が挿入ガイドから前進して離散し拡大した状態を示す斜視図である。
【図8】 同袋開口部材の動作を段階的に示す図4と類似の部分拡大背面図であって、(a)は前記開口部材が集合して縮小した状態、(b)は開口動作の過渡状態、及び(c)は前記開口部材が離散して拡大した状態である。
【図9】 前記袋詰装置が実行する具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図10】 袋取出し工程の具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図11】 袋搬送工程の具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図12】 袋開口工程のうち袋予備開口作業の具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図13】 同じく、袋開口工程のうち袋本開口作業の具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図14】 仕上げ処理行程の具体的動作の1例を示すフローチャート図である。
【図15】 前記袋詰装置の動作を段階的に示す前記図3と類似のレイアウト図であって、前記袋搬送装置が下降して袋貯留部の最上層の袋を上面から押圧している状況を示している。
【図16】 次に、前記袋搬送装置が上昇を開始して最上層の袋とその下の袋との間の段差に空気が入る状況を示している。
【図17】 次に、袋搬送装置が上昇を完了して袋を水平姿勢のまま袋貯留部から取り出した状況を示している。
【図18】 次に、袋搬送装置が前進を完了して袋を袋詰ステーションの上方まで水平搬送した状況を示している。
【図19】 次に、袋搬送装置が下降を完了し、下側吸引部が上昇を完了して袋を袋詰ステーションにセットした状況を示している。
【図20】 次に、袋搬送装置が1段上昇を完了し、下側吸引部が1段下降を完了して袋を予備開口した状況を示している。
【図21】 次に、袋開口装置が前進し、袋開口部材が予備開口した袋に非接触的に挿入された状況を示している。
【図22】 次に、袋搬送装置が最上昇を完了し、下側吸引部が最下降を完了して袋を本開口し、然る後、袋開口部材が拡大し、さらに、袋の中に物品が挿入された状況を示している。
【図23】 次に、袋の口部が閉じられ、袋の上部が横シールされている状況を示している。
【図24】 前記袋詰ステーションにおける袋開口行程の動作を段階的に示す図4及び図7と類似の部分拡大背面図であって、(a)は袋が袋詰ステーションにセットされた状態、(b)は袋が予備開口された状態、及び(c)は袋が本開口された状態である。
【図25】 袋開口部材の別の構成を示す図7と類似の背面からのレイアウト図であって、(a)は前記開口部材が集合して縮小した状態、及び(b)は前記開口部材が離散して拡大した状態である。
【図26】 袋開口部材のさらに別の構成を示す図7と類似の背面からのレイアウト図であって、(a)は前記開口部材が集合して縮小した状態、及び(b)は前記開口部材が離散して拡大した状態である。
【図27】 袋開口部材のさらに別の構成を示す図4と同様の背面からの部分拡大図である。
【図28】 従来の袋詰装置を説明する(a)は平面図、及び(b)は正面図である。
【図29】 また別の従来の袋詰装置の動作を段階的に説明する側面図である。
【符号の説明】
1 袋詰商品生産ライン
40 袋詰装置
110 袋開口装置(開口手段、袋開口部材挿入手段)
111 袋開口部材
120 袋側縁部把持用チャック(保持手段)
130 下側吸引部(予備開口手段)
151 物品挿入用プッシャ(物品挿入手段)
211〜213 吸引部(予備開口手段)
X 小袋
Y 大袋(袋)
Z 袋詰商品

Claims (5)

  1. 軟らかく可撓性に富む袋を開口して該袋へ物品を挿入する袋詰装置であって、袋の上下面をそれぞれ吸引する吸引部を上昇、下降させることにより前記袋を予備開口する予備開口手段と、袋の口部近傍で該袋の両側縁部を把持する把持部材を有し、前記予備開口手段による袋の予備開口時に袋の両側縁部を保持する保持手段と、前記物品の挿入方向に延び、予備開口された袋に挿入される複数の袋開口部材と、袋に挿入された状態で前記袋開口部材を前記物品の挿入方向と直交する方向で前記袋の4つの角部に向けて移動させることにより前記袋を内側から押圧して面取りされた4つの角部を備えた形状に開口する開口手段と、該手段で開口された袋に物品を挿入する物品挿入手段とを備えることを特徴とする袋詰装置。
  2. 予備開口した袋の中に前記複数の袋開口部材を相互に近接させた状態で前記袋と非接触に挿入させる袋開口部材挿入手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の袋詰装置。
  3. 前記保持手段は、前記袋開口部材挿入手段による袋開口部材の袋への挿入中は、前記袋の両側縁部を保持していることを特徴とする請求項2に記載の袋詰装置。
  4. 前記袋開口部材は、袋と接触する部位に該袋との摩擦の大きい部位を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の袋詰装置。
  5. 前記袋開口部材は、扇型に揺動することにより前記袋の角部に向けて移動し、前記揺動の支点が、前記物品の挿入経路の外にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の袋詰装置。
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