JP4127626B2 - 水性ブロックポリイソシアネート組成物 - Google Patents

水性ブロックポリイソシアネート組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性ブロックポリイソシアネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境、安全、衛生などの観点から水性塗料が注目されている。水性塗料は、建築外装から産業製品、例えば、食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料に使用されるようになってきた。更に、耐候性、耐薬品性、耐衝撃性等の高度な品質が要求される自動車用一液性塗料に対しても、数多くの水性塗料が提案されている。ここで用いられている硬化剤の多くはメラミン系である。しかし、メラミン系硬化剤は、120℃程度の硬化温度が必要であり、最近の溶剤系塗料と同様に、90℃〜100℃程度の更なる低温硬化が望まれている。この理由としては、主に2点ある。1点目は、特に自動車バンパー等のプラスチック用塗装においては、基材にポリプロピレン等を用いており、耐熱性が低く、硬化温度を高く設定できない。従って、できるだけ低い硬化温度、例えば、100℃以下が要求されるからである。2点目は、プラスチック用に限らず、ボディ等の鋼板用塗装においても、硬化温度を更に低くできれば、大幅なエネルギーコストダウンにつながるからである。このような低温硬化の要求を満足する硬化剤の提案として、例えば、特開平10−231347号公報、特開平10−231348号公報に、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル等の活性メチレン系化合物をブロック剤に用い、親水基成分を持つ低温硬化性の水性ブロックポリイソシアネート組成物、及び水親和性ポリオールと低温硬化性の水性ブロックポリイソシアネート組成物を含む水性塗料組成物が開示されている。ここでは、ブロックポリイソシアネートの水分散性、水性塗料における低温硬化性等に優れた性能を有していることが示されている。しかしながら、前記水性ブロックポリイソシアネート組成物の初期の水分散性は比較的良好であるものの、その水分散体の貯蔵安定性が十分でなく、沈殿を生じたり、pHが大きく変化したりする等の経時変化が認められる場合があった。これは、当該ブロックポリイソシアネート組成物を水性塗料に用いた場合、更に水希釈される処方等が取られた際、その水性塗料の貯蔵安定性(分散安定性、pH等)に大きく影響を及ぼす恐れがある。特に、水性塗料中で増粘剤等の使用のために塩基性雰囲気で調製される場合、その分散安定性、pH安定性が大きく低下してしまう恐れがある。このことは、貯蔵後の塗料を使用する際の制限となってしまうことを意味する。そのため、低温硬化性に優れた特徴を持つ活性メチレンブロックポリイソシアネート組成物の水分散体においても、貯蔵安定性が改良された水性ブロックポリイソシアネート組成物が強く求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温硬化性に優れ、貯蔵安定性、pH貯蔵安定性の改良された水性ブロックポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、マロン酸ジエステルをブロック剤に用い、かつ、親水性基成分を持つブロックポリイソシアネートと、炭素数1〜3の1価アルコールとを含む水性ブロックポリイソシアネート組成物が、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
【0005】
1.イソシアネート基がマロン酸ジエステルのみによりブロック化されており、かつ、親水基成分を有する、脂肪族及び/または脂環族ブロックポリイソシアネートと、炭素数1〜3の1価アルコール系化合物を含むことを特徴とする水性ブロックポリイソシアネート組成物。
2.前記1.に記載の水性ブロックポリイソシアネート組成物を含むことを特徴とする水性塗料組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、その好ましい実施態様を中心に、具体的に説明する。
本発明に使用するブロックポリイソシアネートの前駆体であるポリイソシアネートは、下記のようなジイソシアネートを主原料として得られる。ジイソシアネートは、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4〜30のものが好ましく、脂環族ジイソシアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましい。例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略す)、2,2,4(または、2,4,4)−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。中でも耐候性、工業的入手の容易さからHDI、IPDIが好ましく、これらは、単独で使用しても併用しても構わない。
【0007】
本発明に使用するポリイソシアネートは、1分子中にイソシアネート基を2〜20個有し、例えば、ビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキサジアジントリオン結合等を形成することにより製造されたジイソシアネートの2〜20量体のオリゴマーである。
ビウレット結合を有するポリイソシアネートは、例えば、水、t−ブタノール、尿素等のいわゆるビウレット化剤とジイソシアネートを、ビウレット化剤/(ジイソシアネートのイソシアネート基)のモル比が約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応のジイソシアネートを除去、精製して得られる。その具体例としては、特開昭53−106797号公報、特開昭55−11452号公報、特開昭59−95259号公報などに記載がある。
【0008】
イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートは、例えば、触媒等により環状3量化反応を行い、転化率が約5〜約80重量%になった時点で反応を停止し、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。この際に、1〜6価のアルコール化合物を併用することができる。その具体例としては、特開昭55−38380号公報、特開昭57−78460号公報、特開昭57−47321号公報、特開昭61−111371号公報、特開昭64−33115号公報、特開平2−250872号公報、特開平6−312969号公報等に記載がある。
【0009】
ウレタン結合を有するポリイソシアネートは、例えば、トリメチロールプロパン等の2〜6価のアルコール系化合物とジイソシアネートを、(アルコール系化合物の水酸基)/(ジイソシアネートのイソシアネート基)のモル比が、約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。
前記のポリイソシアネート組成物の中では、耐候性等の点から、イソシアヌレート結合を有するものが好ましい。
【0010】
ブロック化反応に用いるブロック剤は、マロン酸ジエステルである。その具体例としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルsec−ブチル、マロン酸エチルsec−ブチル、マロン酸メチルt−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルエチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネート等があり、前記の一種または二種以上のマロン酸ジエステルを使用することができる。
前記のマロン酸ジエステルの中では、工業的入手の容易さ等から、マロン酸ジエチルが好ましい。
【0011】
ブロック剤にマロン酸ジエステルを使用したものは、本発明の水性ブロックポリイソシアネート組成物を使用した水分散体の貯蔵安定性(特に、pH貯蔵安定性)において、より安定な方向となる。
【0012】
ポリイソシアネートとブロック剤との反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を使用する場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を使用するのが好ましい。ブロック化反応に際して、反応触媒を使用することもできる。具体的な反応触媒としては、一般に塩基性を有するものが好ましく、(1)例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、(2)例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸カプリン酸等の有機弱酸塩、(3)アルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属塩、(4)例えば、ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、(5)例えば、ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、(6)マンニッヒ塩基類、(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、(8)例えば、トリブチルホスフィン等の燐系化合物等がある。
【0013】
使用した反応触媒が塗料または塗膜物性に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、当該触媒を酸性化合物等で中和することが好ましい。この場合の酸性化合物としては、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、 p−トルエンスルホン酸エチルエステル等のスルホン酸またはその誘導体、燐酸エチル、燐酸ジエチル、燐酸ジイソプロピル、燐酸ブチル、燐酸ジブチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸イソデシル、燐酸ジイソデシル、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、ピロリン酸ブチル、亜燐酸ブチル等があり、二種以上を併用しても良い。
ブロック化反応は、−20℃〜150℃で行うことが好ましく、より好ましくは0〜100℃である。150℃を越えると副反応を起こしやすく、他方、あまり低温になると反応速度が小さくなる傾向がある。
【0014】
本発明における親水基成分とは、非イオン性親水基を有する化合物、または、イオン性親水基を有する化合物をイソシアネート基と反応させて形成される。非イオン性親水基を有する化合物としては、片末端に活性水素を有し、かつ、ポリエチレンオキサイド鎖を有する化合物(以下、エチレンオキサイド付加物と言う)が好ましい。エチレンオキサイド付加物は、メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得られ、エチレンオキサイド含有量は50重量%以上が好ましく、数平均分子量は200から2000が好ましい。エチレンオキサイド付加物は、プロピレンオキサイド単位を含んでも良い。エチレンオキサイド付加物とポリイソシアネートの反応は、溶剤を使用して行うこともできる。この場合に使用する溶剤は、イソシアネートに対して不活性なものが好ましい。反応温度は、40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物等の反応触媒を使用しても良い。イソシアネート基とブロック剤の反応、イソシアネート基とエチレンオキサイド付加物の反応は、いずれか一方を先行させることもできるし、同時に行うことも出来る。ポリイソシアネートのイソシアネート基は、前記のブロック剤及びエチレンオキサイド付加物の反応によりすべてが消費される。この場合のエチレンオキサイド付加物の含有モル比は、(エチレンオキサイド付加物のモル数)/(ブロックイソシアネート基モル数)=2/98〜50/50が好ましく、より好ましくは5/95〜40/60である。2/98未満であるとブロックポリイソシアネートの水分散性が低下する傾向があり、50/50を越えると塗膜物性が低下する傾向がある。
【0015】
イオン性親水基を有する化合物としては、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、アミノスルホン酸、ヒドロキシスルホン酸等のアニオン性化合物が好ましく、ヒドロキシピバリン酸等のヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。イオン性親水基を有する化合物とポリイソシアネートの反応は、溶剤を使用して行うこともできる。この場合に使用する溶剤は、イソシアネートに対して不活性なものが好ましい。反応温度は、0〜100℃が好ましく、より好ましくは10〜80℃である。必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物等の反応触媒を使用しても良い。イソシアネート基とブロック剤の反応、イソシアネート基とイオン性親水基を有する化合物の反応はいずれか一方を先行させることもできるし、同時に行うこともできる。ポリイソシアネートのイソシアネート基は、前記のブロック剤及びイオン性親水基を有する化合物の反応によりすべてが消費される。この場合のイオン性親水基を有する化合物の含有モル比は、(イオン性親水基を有する化合物のモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=2/98〜50/50であり、好ましくは5/95〜40/60である。2/98未満であるとブロックポリイソシアネートの水分散性が低下しやすく、50/50を越えると塗膜物性が低下する傾向がある。
【0016】
前記の親水基成分は、非イオン性親水基を有する化合物とイオン性親水基を有する化合物をそれぞれ単独、または、混合して用いても構わない。
【0017】
本発明の水性ブロックポリイソシアネート組成物には、炭素数1〜3の1価アルコールを含むことが必須である。その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等がある。これらのアルコールは、水溶性であり、水と任意の割合で溶解する。前記アルコールを含むブロックポリイソシアネート組成物を水に分散させた水分散体の貯蔵安定性は大きく向上する。特に、ブロック剤がマロン酸ジエステルのみであって、前記アルコールを含む場合には、当該ブロックポリイソシアネート組成物の水分散体のpH貯蔵安定性が飛躍的に向上する。なお、前記アルコールが、これらの貯蔵安定性を向上させる要因としては、含有する当該アルコールによって、ブロックポリイソシアネート基末端のアルキルエステルの加水分解が抑制されることによるものと推定される。この加水分解抑制の効果を十分に発揮させるためには、水溶性のアルコールを使用することが好ましい。当該アルコールの含有量としては、モル比で、(アルコールのモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=0.2〜20が好ましく、更に好ましくは、1〜15である。
【0018】
本発明の水性ブロックポリイソシアネート組成物には、更に水分散性の向上等の目的に応じて、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル燐酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤が挙げられる。
【0019】
このように調製された水性ブロックポリイソシアネート組成物は、水親和性ポリオールとともに混合され水性塗料組成物等の主要構成成分として利用される。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」、「%」は、質量基準である。また、評価法は下記の通りである。
【0020】
(水性ブロックポリイソシアネート組成物の水分散体の貯蔵安定性)
実施例に示した水性ブロックポリイソシアネート組成物と水で固形分30%に調製し、20%濃度のジメチルエタノールアミン水溶液(以下、20%DMEAと略す)の添加により塩基性雰囲気(pH=8.0〜8.5)にした水性ブロックポリイソシアネート組成物の水分散体の分散直後と、40℃で7日間貯蔵した後の分散状態を目視観察した。均一で分離、沈殿等がない場合を○、分離、沈降等の変化が生じた場合を×と評価した。
【0021】
(水性ブロックポリイソシアネート組成物の水分散体のpH貯蔵安定性)
前記の水分散体のpHを経時で測定した。分散直後と、40℃×7日間貯蔵した後のpHを測定した。(分散直後のpH)−(40℃×7日間貯蔵後のpH)=1.5以下を○、1.5を越えた場合を×と評価した。pH測定器:ガラス電極式水素イオン濃度計、(型式HM−30V)、東亜電波工業株式会社製。測定時は、40℃貯蔵中の水分散体を20℃にして測定した。
【0022】
(製造例1)ポリイソシアネートの製造
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDIを600部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール「プラクセル305」(ダイセル化学工業(株)製、分子量550)30部を仕込み、攪拌下、反応器内温度を90℃、1時間保持し、ウレタン化反応を行った。その後、反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラブチルアンモニウムアセテートを加え、収率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。25℃における粘度が20000mPa・sec、イソシアネート基含有量18.5%のポリイソシアネート(以下、ポリイソシアネートAと言う)を得た。
【0023】
【実施例1】
(水性ブロックポリイソシアネート組成物の製造(S1))
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1のポリイソシアネート組成物(ポリイソシアネートA)を100部、エチレンオキサイド付加物である分子量550のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂(株)製「ユニオックス」シリーズ)を72.7部(これは、(エチレンオキサイド付加物のモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=30/70に相当する))、溶剤として、N−メチルピロリドンを146部仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレート(以下、BTLと略す)を0.0086部(50ppm/(上記100部+72.7部))添加して、70℃で1時間保持した。その後、マロン酸ジエチルを51.9部、28%ナトリウムメチラートを1.49部添加し、80℃まで昇温した。80℃に到達後、2時間保持した。その後、燐酸2−エチルヘキシルを1.53部添加し、10分攪拌した。反応液の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基が消失し、固形分60%のブロックポリイソシアネートを得た。このブロックポリイソシアネートに対して、エタノール149.5部(これは、(アルコールのモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=10.5に相当する)を添加して、固形分42.8%、イソシアネート基濃度2.5%の水性ブロックポリイソシアネート組成物(S1)を得た。S1を使用した水分散体の貯蔵安定性、pH貯蔵安定性評価結果を表1に示す。
【0024】
【実施例2〜3、比較例1〜4】
表1に示す以外は実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
【0025】
【実施例4】
(水性ブロックポリイソシアネート組成物の製造(S4))
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1のポリイソシアネート組成物(ポリイソシアネートA)を100部、ヒドロキシピバリン酸(以下、HPAと略す)を10.5部(これは、(イオン性親水基を有する化合物のモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=21/79に相当する))、溶剤として、N−メチルピロリドン10.5部、酢酸n−ブチル44.8部を仕込み、触媒として、ジブチル錫ジラウレート(以下、BTLと略す)を0.033部(300ppm/(上記100部+10.5部))添加した。その後、50℃に保持してマロン酸ジエチルを55.2部、28%ナトリウムメチラートを0.65部添加し、80℃まで昇温した。80℃に到達後、2時間保持した。その後、エタノールを55.3部(これは、(アルコールのモル数)/(ブロックイソシアネート基におけるイソシアネート基のモル数)=3.5に相当する))添加し、60℃に温度調整した。60℃、1時間後、燐酸2−エチルヘキシルを0.67部添加し、10分攪拌した。反応液の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基が消失したことを確認した。固形分59%、イソシアネート基濃度5.2%の水性ブロックポリイソシアネート組成物(S4)を得た。S4を使用した水分散体の貯蔵安定性結果は○、pH貯蔵安定性結果は○であった。
【0026】
【表1】
Figure 0004127626
【0027】
【発明の効果】
本発明の水性ブロックポリイソシアネート組成物は、低温硬化性、貯蔵安定性、pH貯蔵安定性に優れた性能を有し、水性塗料組成物等の硬化剤として好適である。

Claims (2)

  1. イソシアネート基がマロン酸ジエステルのみによりブロック化されており、かつ、親水基成分を有する、脂肪族及び/または脂環族ブロックポリイソシアネートと、炭素数1〜3の1価アルコール系化合物を含むことを特徴とする水性ブロックポリイソシアネート組成物。
  2. 請求項1に記載の水性ブロックポリイソシアネート組成物を含むことを特徴とする水性塗料組成物。
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