JP4127326B2 - 印刷物検査装置およびプリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば罫線や共通的な項目などが予め印刷されている帳票などの媒体上にさらに印刷が行われた印刷物の印刷状態を検査する印刷物検査装置、および、そのような媒体上に入力されるイメージデータをさらに順次高速に印刷するプリンタ装置であって、特にその印刷結果を検査する機能を有するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙などの媒体上に所定の情報を視覚的に認識可能に記録する方法としては、刷版を用いて同一の内容を印刷機により高速かつ大量に記録する方法や、コンピュータの端末装置として用いられるようなプリンタなどにより、低速ながら任意のデータを比較的少数の媒体上に印刷する方法などが知られている。
また、たとえば株券や各種金券、あるいは多数の顧客に対する大量の請求書などのように、印刷量が大量でありかつそれぞれに異なる番号や内容を印刷しなければならないような書類を印刷したいという要望もあり、そのための高速なプリンタ装置も実用化されている。
【0003】
可変データを高速印刷するそのようなプリンタ装置は、印刷媒体を高速に搬送する搬送手段、その搬送手段により搬送される用紙上に高速にイメージを記録する印刷手段、順次入力される印刷データが適切に用紙上に印刷されるようにそれらを適切に制御する制御手段などから構成される。そして、その印刷手段には、たとえばインクジェットヘッドによりインクジェット方式により印刷を行う方法などが適用されている。
インクジェット方式により印刷を行うそのような高速プリンタ装置としては、たとえば毎秒5m、A4サイズの印刷用紙であれば毎秒15枚以上の速度で印刷を行う装置も実用化されている。
【0004】
ところで、そのようなインクジェット方式によるプリンタ装置においては、高速印刷が可能な反面、インクのぼた落ちや白抜けなどのストリーカと呼ばれる印刷不良が発生し易いという問題がある。これらはインクジェト方式が本質的に持っている問題で基本的に解決することは難しいため、このようなプリンタ装置においては印刷ヘッドの状態が実質的に印刷品質を決定することになる。そのため、このようなプリンタ装置において不良印刷物を外部に出さないようにするためには、何らかの方法で印刷結果を検査する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した各種金券や請求書などの印刷においては、予め罫線などの枠組みや各書類において同一の項目・印刷内容などが印刷された(以後、これをプレプリントと言う場合もある)用紙上に、各書類ごとに異なる番号や内容を重ね印刷する場合が多く、そのため印刷結果の検査が適切に行えないという問題があった。
印刷結果の検査は、通常、印刷されたイメージを読み取り、フォーマット情報に基づいて解析を行ったり元のイメージデータと比較したりして行われる。しかし印刷を行う帳票に、罫線や表などの枠や背景の絵柄、あるいは、各書類に共通的な内容や項目を示す文字などが予め記載されていた場合には、印刷されたイメージを読み取るとそれらの記載事項も一緒に読み込むことになり、今回印刷した内容を基準にして解析を行ったり比較をしたりすることができない。
【0006】
その結果、このようなプリンタ装置においては、作業者が目視で検査する程度の検査しか行えず、印刷結果を適切に自動的に検査する手段はなかった。
そのため、特に前述したような高速プリンタ装置においては、印刷不良の発生に作業者が気付くのが遅れると、膨大な量の不良印刷物を作成してしまい、印刷資源が大量に無駄になり、時間的にも費用的にも膨大な損失を招き、印刷コストが上昇するという問題が生じた。
【0007】
したがって本発明の目的は、予め罫線などが印刷されている印刷媒体へさらに印刷が行われた印刷物に対して、不良印刷物を排除できるようにその印刷状態を検査する印刷物検査装置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、予め罫線などが印刷されている印刷媒体への印刷においても、黒帯ストリーカなどの印刷不良を適切に検出し、これにより不良印刷物を排除し正確で高品質な印刷が行える信頼性の高いプリンタ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、被印刷媒体にさらに印刷されたイメージをセンサにより読み込み、そのイメージに対して被印刷媒体に予め印刷されていたイメージを用いてマスクをかけることにより、後から印刷したイメージのみを抽出し、そのイメージに対して検査を行うようにした。
【0009】
したがって、本発明の印刷物検査装置は、入力されたイメージデータを予め所定のイメージが印刷されている被印刷媒体にさらに印刷するプリンタ装置により印刷された印刷物を検査する装置であって、被印刷媒体に印刷されているイメージを読み込むイメージ読み込み手段と、入力される前記被印刷媒体に予め印刷されていたイメージに係わる情報に基づいて、前記読み込んだイメージの当該予め印刷されていたイメージに相当するイメージを実質的に無効にするようなマスク処理を行うマスク処理手段と、入力される前記プリンタ装置において印刷を行ったイメージに係わる情報に基づいて、前記マスク処理が施されたイメージが適切か否かを検査し、前記印刷物に適切に印刷が行われたか否かを判定する検査手段とを有する。
【0010】
好適には、前記検査手段は、前記印刷手段において印刷を行ったイメージのデータと、前記マスク処理が施された前記被印刷媒体より読み込んだイメージのデータとをテンプレートマッチングし、相違が所定量以上あった場合に前記印刷物には適切に印刷が行われていないと判定する。
また好適には、前記検査手段は、前記マスク処理が施されたイメージの、前記プリンタ装置により前記被印刷媒体に対して印刷が行われない非印刷領域に相当する領域のイメージデータに基づいて、前記印刷物に適切に印刷がおこなわれたか判定する。
さらに好適には、前記検査手段は、前記マスク処理が施されたイメージより構造的特徴を抽出し、前記プリンタ装置により前記被印刷媒体に対して印刷を行ったイメージのフォーマット情報を参照して、前記抽出された特徴が適切か否かを検出し、前記印刷物に適切に印刷がおこなわれたか判定する。
【0011】
また、本発明のプリンタ装置は、入力されたイメージデータを予め所定のイメージが印刷されている被印刷媒体にさらに印刷する印刷手段と、前記印刷が行われた被印刷媒体に印刷されているイメージを読み込むイメージ読み込み手段と、前記被印刷媒体に予め印刷されていたイメージの情報に基づいて、前記読み込んだイメージの当該予め印刷されていたイメージに相当するイメージを実質的に無効にするようなマスク処理を行うマスク処理手段と、前記印刷手段において印刷を行ったイメージに係わる情報に基づいて、前記マスク処理が施されたイメージが適切か否かを検査し、前記印刷物に適切に印刷が行われたか否かを判定する検査手段とを有する。
【0012】
特定的には、前記印刷手段は、前記検査手段により印刷の状態が不適切と判定された場合には、前記印刷を停止する。
また特定的には、本発明のプリンタ装置は、前記検査手段により印刷の状態が不適切と判定された場合に、前記印刷を実質的に無効化する印刷を当該被印刷媒体にさらに印刷する第2の印刷手段をさらに有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1〜図18を参照して説明する。
本実施の形態においては、入力される印刷データを、複数のインクジェットヘッドを用いてたとえば既に下地の絵柄が印刷された帳票上に高速に印刷し、さらに、印刷された結果を読み取り、その印刷状態を検査し、ヘッド異常などによる不良印刷を検出できるようにしたする大規模プリンタシステムについて説明する。
【0014】
図1は、そのプリンタシステム1の構成を模式的に示すブロック図である。
まず、そのプリンタシステム1の構成について説明する。
図示のごとく、プリンタシステム1は、第1〜第4の4個の印刷・検査ユニット10-1〜10-4、全体制御部20、スキャナ30、プリンタ40および図示せぬ用紙搬送部を有する。
印刷・検査ユニット10-i(i=1〜4)については、その構成について後に詳細に説明するが、装置構成上は、図1に示すように、各々、印刷ヘッド11-i、カメラ12-i、光源13-i、エンコーダ14-i、キューセンサ15-i、信号処理部16-iおよびモニタ17-iを有する。
【0015】
まず、プリンタシステム1の装置構成の概略について説明する。
このプリンタシステム1は、前述したように図示せぬ用紙搬送部を有しており、これにより搬送される印刷用紙(帳票と言う場合もある)上に第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の印刷ヘッド11-1〜11-4により所望の印刷内容を印刷し、また、搬送される印刷物よりカメラ12-1〜12-4により印刷画像を読み取る。
具体的には、図2に示すように、用紙搬送ユニットにより、連続用紙が途中で表裏が一度反転されながら所定の速度で順に搬送される。そして反転される前の位置で、第1および第2の印刷ヘッド11-1,11-2により帳票の表面が、反転された後の位置で第3および第4の印刷ヘッド11-3,11-4により帳票の裏面が各々印刷される。
【0016】
また、各々の面の印刷が行われる位置の、印刷ヘッド11-1,11-2および印刷ヘッド11-3,11-4の後段に、カメラ12-1,12-2およびカメラ12-3、12-4が設けられており、前段の印刷ヘッド11-iにより印刷されたイメージが直ちに読み取られる。また、そのカメラ12-iの近傍に、各々光源13-iが設けられる。
また、印刷・検査ユニット10-iのエンコーダ14-iおよびキューセンサ15-iは、これら各印刷ヘッド11-iおよびカメラ12-iの、用紙搬送方向における前方に配置され、その印刷ヘッド11-iおよびカメラ12-iに対する用紙の位置決めに利用される。
なお、印刷・検査ユニット10-iのこれら以外の構成部、すなわち信号処理部16-iおよびモニタ17-iは、図3に示すような筐体70-iに格納される。
【0017】
次に、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4について、詳細に説明する。
図4は、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の構成を示すブロック図である。
印刷・検査ユニット10-i(i=1〜4)は、各々、印刷部100-i、画像処理部110-i、検査基準イメージ記憶部120-i、イメージ読み取り部130-i、読み取りイメージ記憶部140-i、マスク処理部150-i、被検査イメージ記憶部160-i、モニタ170-iおよび検査部180-iを有する。
なお、印刷・検査ユニット10-iは、各々図示せぬ制御部をさらに有しており、この制御部からの制御信号に基づいて、前記各部が後述するような所望の動作を行う。
【0018】
印刷部100-iは、制御部からの制御信号に基づいて、全体制御部20より印刷・検査ユニット10-iに入力されたイメージデータを搬送される印刷用紙に印刷する。
印刷部100-iについて、図5〜図8を参照して詳細に説明する。
なお、ここでは、帳票の表面を印刷する2つの印刷ヘッド11-1,11-2に係わる第1および第2の印刷・検査ユニット10-1,10-2の印刷部100-1,100-2について一緒に図示し説明するが、帳票の裏面を印刷する第3および第4の印刷・検査ユニット10-3,10-4の印刷部100-3,100-4についてもこれと同様である。
図5は、印刷部100-iの構成を示すブロック図である。
【0019】
印刷部100-iは、印刷制御部111-iおよび印刷ヘッド11-iを有する。
印刷制御部111-iは、図示せぬ制御部から入力される制御信号,および、図示せぬ用紙搬送部のエンコーダから入力される信号に基づいて、搬送される印刷用紙に対する印刷ヘッド11-iの動作タイミングや、印刷ヘッド11-iにおける後述するインク滴下速度を制御する。なお、用紙搬送部のエンコーダからの信号は、全ての印刷部100-i(i=1〜4)に共通に入力される。
印刷ヘッド11-iは、各々ドット密度が240dpiで印字幅Wh が4インチのインクジェットヘッドであり、印刷制御部111-iからの制御に従って、全体制御部20より印刷・検査ユニット10-iに入力されたイメージデータを順次記録する。
【0020】
図6(A)は帳票の表面を印刷する2つの印刷ヘッド11-1,11-2の配置を示す図である。
図6(A)に示すように、本実施の形態のプリンタシステム1においては、2個の印刷ヘッド11-1、11-2が、各ヘッドの印字ドットが連続するように配置されており、全体として8インチ(4インチ×2個)の印字幅Wp で印刷用紙に印字できるようになっている。
【0021】
さらに、印刷ヘッド11-iの印字方式について、図7を参照して説明する。
図7は、印刷ヘッド11-iの構造および動作原理を説明する図である。
印刷ヘッド11-iにおいて、インクボトル221内のインク224は、各ドットに対応するノズル222から、100kHzの周期で、すなわち、毎秒10万滴の割合で滴下される。その各インク224に対して、ノズル222の下を搬送されている印刷用紙80の当該位置が黒に印字されるべき位置であった場合には、そのインク224はそのまま印刷用紙80上に滴下され、印刷用紙80のその位置を黒くする。また、その位置が印字されるべきでない空白の位置であった場合には、図示せぬ電界印加手段により電界を印加し、インク224をキャッチャ223側に引き寄せる。その結果、そのインク224はキャッチャ223内に回収され、印刷用紙80上には滴下されない。
【0022】
このような方法により、印刷ヘッド11-iは、図8に示すように、ドットピッチが約0.1mm、ドットサイズが直径約0.1mmのドットを適宜印字していき、所望のイメージを印刷する。
なお、印刷ヘッド11-iは、同一の位置に複数のインク224を滴下することも可能であり、プリンタシステム1においては、これにより疑似階調を表現する。
【0023】
画像処理部110-iは、印刷・検査ユニット10-iに入力された印刷イメージデータに所望の画像処理を行い、後述する検査部180-iにおいて、印刷物より読み取ったイメージデータと照合可能な形態に変換し、検査基準イメージ記憶部120-iに出力する。具体的には、画像処理部110-iは、デジタル的フィルタ処理および所定の解像度のイメージデータへの所定の圧縮処理を行う。
【0024】
検査基準イメージ記憶部120-iは、全体制御部20より印刷・検査ユニット10-iに入力され画像処理部110-iで所望の形態に変換された検査用のイメージデータを記憶する。検査基準イメージ記憶部120-iに記憶されたイメージデータは、検査部180-iからアドレス指定されることにより任意の時に任意のデータがアクセスされ、そのイメージデータが検査部180-iに出力される。
【0025】
イメージ読み取り部130-iは、印刷内容および印刷品質をチェックするために、印刷部100-iにより印刷された印刷用紙上のイメージを読み込み、ビットマップイメージデータとして読み取りイメージ記憶部140-iに出力する。
イメージ読み取り部130-iについて、図9〜図12を参照して説明する。
なお、ここでは、帳票の表面を印刷する2つの印刷ヘッド11-1,11-2に対応して設けられた2つのカメラ12-1,12-2に係わる第1および第2の印刷・検査ユニット10-1,10-2のイメージ読み取り部130-1,130-2について一緒に図示し説明するが、帳票の裏面を印刷する第3および第4の印刷・検査ユニット10-3,10-4のイメージ読み取り部130-3,130-4についてもこれと同様である。
【0026】
各イメージ読み取り部130-iは、制御部からの制御信号が入力される。また各イメージ読み取り部130-i-iからは、読み込まれたイメージデータが読み取りイメージ記憶部140-iに出力される。
【0027】
図9は、イメージ読み取り部130-1,130-2の構成を示すブロック図である。
イメージ読み取り部130-i(i=1,2)は、キューセンサ15-i、エンコーダ部420-i、光源13-i、カメラ12-iおよび制御部450-iを有する。
キューセンサ15-iは、各イメージ読み取り部130-iのカメラ12-iの近傍に設けられており、連続的に搬送されている印刷用紙80の印刷物の区切りごとに記録されているキューマークを検出する。キューマークを検出したら、その旨の信号を制御部450-iに出力する。
【0028】
エンコーダ部420-iは、同じくイメージ読み取り部130-iのカメラ12-iの近傍に設けられており、キューセンサ15-iで検出された印刷用紙80の搬送速度を検出する。
エンコーダ部420-1の構成について図10を参照して説明する。
エンコーダ部420-1は、エンコーダ14-1、カウンタ422-1および速度算出部423-1を有する。
エンコーダ14-1は、たとえば用紙搬送部の印刷用紙搬送ローラと一体的に回転し、回転角度に対応した所定のパルスを出力する。そのパルスをカウンタ422-1で計数し、速度算出部423-1において所定の時間内の前記計数値に基づいて、印刷用紙80の搬送速度を算出する。
【0029】
光源13-iは、後述するカメラ12-iにてイメージを取り込む印刷用紙上の領域に適切な光量を与える手段である。本実施の形態においては、筐体内に設けられたハロゲンランプの光を、ファイバケーブルにて案内して、カメラ12-iの撮像範囲に照射する。
カメラ12-iにおいてイメージを取り込む際には、印刷用紙80の搬送速度が速くなると必要な光量も大きくなる。すなわち、印刷用紙80の搬送速度と必要な光量はほぼ比例関係となる。したがって、光源13-iで照射する光量は、エンコーダ14-iにおいて検出された印刷用紙の搬送速度に基づいて制御される。
【0030】
カメラ12-iは、印刷されたイメージを読み込み、読み取りイメージ記憶部140-iに出力する。
そのカメラ12-iの構成について、図11および図12を参照して具体的に説明する。
図11は、カメラ12-iおよび読み取りイメージ記憶部140-iの構成を示すブロック図であり、図12は、さらにラインセンサ441の動作を説明する図である。
カメラ12-iは、ラインセンサ441-i、出力アンプ442-i、A/D変換器443-i、シフトレジスタ444-i、ラインメモリ445-iおよびバススイッチャ446-iを有する。
【0031】
ラインセンサ441-iは、分解能が16ドット/mmで、水平方向に2048素子、垂直方向に96段のTDI(時間遅延積分)段数を有するTDI−CCD(charge coupled device) センサである。したがって、1個のラインセンサ441による読み取り幅Wcは128mmとなる。
第1および第2の印刷・検査ユニット10-1,10-2のラインセンサ441-1,441-2の配置を図6(B)に示す。本実施の形態においては、図示のごとく、2個のラインセンサ441-1,441-2をその読み取り範囲の一部が重複するように配置しており、全体として、印刷ヘッド11-1,11-2により形成される印字幅Wp の範囲を全て読み込めるようになっている。
なお、TDI−CCDセンサ441-iには15MHzのクロックが印加される。したがって、1ラインスキャン時間は約17μsとなる。
【0032】
TDI−CCDセンサ441-iについて図12を参照して説明する。
TDI−CCDセンサ441-iにおいては第1列目の素子(ROW1)で検出した光学的イメージはアレイの前面に結像し、フォトンにより生成された電荷は1ラインの走査に対応する蓄積時間の間、ポテンシャル井戸に集められる。そして、垂直方向(TDI段方向)のクロックによって、その電荷は次の列(ROW2)に垂直的にシフトされる。次の列において、前と同じイメージが結像していれば、ROW2で生成された電荷が前の列からの電荷に加算されることになり、感度あるいは露出時間が2倍になったことになる。
【0033】
したがって、画像の動きに、垂直方向のクロックおよびTDI転送方向を同期させておけば、TDI段数だけ積分されることになる。
本実施の形態のTDI−CCDセンサ441-iにおいては、TDI段数が96段なので、検出されたイメージは96倍に積分される。積分されたデータは、最終的には、TDI−CCDセンサ441-iの水平方向シフトレジスタからシリアルに出力される。
また、TDI−CCDセンサ441-iは2048ビットの水平解像度を有しており、それらが8個のタップより出力される。したがって、1タップからは256ビットのデータが出力される。
【0034】
TDI−CCDセンサ441の各タップから出力されたデータは、出力アンプ442-1〜442-8で順次増幅され、A/D変換器443-1〜443-8でA/D変換されてシフトレジスタ444-1〜444-8に入力される。さらに、256ビット分のデータがラインメモリ445-1〜445-8に蓄積され、8個のラインメモリ445-1〜445-8が順次バススイッチャ446により選択されて、各ラインのデータごとにページメモリ460-iに入力される。
【0035】
制御部450-iは、イメージ読み取り部130-iの各部を制御する。
制御部450-iにおいては、印刷・検査ユニット10-iの図示せぬ制御部からの制御信号や、キューセンサ15-iによるキューマーク検出の情報、エンコーダ部420による印刷用紙搬送速度の情報などに基づいて、光源13-iの光量の制御や、カメラ12-iにイメージ読み込みの制御などを行う。
なお、イメージ読み取り部130-iでは、印刷部100-iで印刷される有効なビットマップイメージの大きさ・領域に関わらず、印刷用紙80の全領域のイメージを読み込む。
【0036】
読み取りイメージ記憶部140-iは、イメージ読み取り部130-iで読み込まれたイメージデータを記憶する記憶手段であり、具体的には前述したページメモリ460-iである。読み取りイメージ記憶部140-iに記録されたイメージデータは、順次マスク処理部150-iに出力される。
【0037】
マスク処理部150-iは、読み取りイメージ記憶部140-iより入力されるイメージデータより、印刷部100-iにより印刷用紙80に対して新たに印刷されたイメージデータを抽出する。マスク処理部150-iには、全体制御部20より印刷用紙80に予め印刷されているイメージのデータがマスキングフォーマット情報として入力される。マスク処理部150-iは、このマスキングフォーマット情報に基づいて、読み取りイメージ記憶部140-iに記憶されている印刷用紙80より読み取ったイメージデータの予め印刷用紙80に印刷されているイメージに対応する領域のデータを実質的に無効にすることにより、印刷部100-iにより新たに印刷されたイメージデータのみを有効なデータとして残す。
【0038】
具体的には、マスク処理部150-iは、全体制御部20より入力されるマスキングフォーマット情報に基づいて、予め印刷用紙80に印刷されているイメージが存在する画素の画素値が0、イメージが存在しない画素の画素値が1となっているようなビットマップデータを生成する。これと、読み取りイメージ記憶部140-iより読み込んだビットマップデータとの各ビット同士の論理積(AND)をとることにより、予め印刷用紙80に印刷されているイメージ部分の画素値を0にした新たなビットマップデータを生成する。
マスキング処理が施され生成された印刷部100-iにより新たに印刷されたイメージを抽出したイメージデータは、被検査イメージ記憶部160-iに出力される。
【0039】
被検査イメージ記憶部160-iは、マスク処理部150-iでマスキング処理が施されたイメージデータを記憶する。被検査イメージ記憶部160-iに記憶されたイメージデータは、検査部180-iからアドレス指定されることにより任意の時に任意のデータがアクセスされ、そのイメージデータが検査部180-iに出力される。
【0040】
モニタ170-iは、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている印刷部100-iにより印刷用紙80上に印刷されたイメージデータを、そのまま表示する表示装置である。このモニタ170-iは、通常は作業者が目視で大まかな状況把握をするために用いられる。また、異常時には印刷結果を確認するために用いられる。
【0041】
検査部180-iは、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている印刷物から読み込んだ被検査イメージデータに基づいて、印刷状態が適切か否かを判定する。
検査部180-iにおいては、フォーマット情報による検査、および、原イメージデータとのマッチングによる検査を順次行い、印刷状態が適切か否かを判定する。
検査部180-iの構成および動作について図13を参照して説明する。
検査部180-iは、第1のアドレスカウンタ501、第2のアドレスカウンタ502、第1の圧縮器503、第2の圧縮器504、マッチング回路505、エラー数カウンタ506、フォーマット情報記憶部507およびCPU508を有する。
【0042】
第1のアドレスカウンタ501は、検査部180-iに読み出す検査基準イメージ記憶部120に記憶されている基準イメージデータのアドレスをコントロールするカウンタである。また、第2のアドレスカウンタ502は、検査部180-iに読み出す被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータのアドレスをコントロールするカウンタである。これらのアドレスカウンタ501,502により指定されたアドレスのイメージデータが、検査基準イメージ記憶部120-iおよび被検査イメージ記憶部160-iより読み出され、検査部180-iに入力される。なお、これらのアドレスカウンタ501,502は、CPU508から入力される初期値設定、カウントアップ/ダウンなどの信号により制御される。
【0043】
第1の圧縮器503および第2の圧縮器504は、イメージデータの照合を、圧縮したイメージデータで行う場合に、検査基準イメージ記憶部120-iより読み出された基準イメージデータ、および、被検査イメージ記憶部160-iより読み出された被検査イメージデータを各々圧縮する。この圧縮は、たとえば、2×2あるいは3×3の画素にイメージを分割し、各要素の合計画素値が所定値以上だった場合に対応する画素を1にする処理を行い、原イメージを1/4あるいは1/9に圧縮する。
また、圧縮を行わずに元のイメージデータを用いて照合を行う場合には、第1の圧縮器503および第2の圧縮器504は各々入力されたイメージデータをそのまま出力する。
【0044】
さらに、検査基準イメージ記憶部120-iに、画像処理部110-iにおいて既に圧縮されたイメージが記録されている場合には、第1の圧縮器503は入力されたイメージデータをそのまま出力し、第2の圧縮器504においてのみ圧縮処理を行う。
これら、第1の圧縮器503および第2の圧縮器504を有効にして照合を圧縮したイメージで行うか、あるいは、元の倍率のイメージで照合を行うかのモードの設定、および、圧縮イメージで照合を行う場合の倍率の設定などは、外部より印刷・検査ユニット10-iの制御部を介して図示せぬ制御信号により入力される。
【0045】
マッチング回路505は、第1の圧縮器503より入力された基準イメージデータと第2の圧縮器504より入力された被検査イメージデータとの対応する画素同士を順次比較照合し、その結果をエラー数カウンタ506に出力する。この照合は、対応する画素の画素値の差を求め、その差が所定値未満だった場合に両画素が一致しているものとし、所定値以上だった場合にそれらの画素は異なると判定する。
エラー数カウンタ506は、マッチング回路505において行われた各画素ごとの照合結果の、異なる画素と判定された画素数を累積し、累積結果をエラー画素数としてCPU508に出力する。
【0046】
フォーマット情報記憶部507は、制御部600を介して入力される基準イメージデータの共通的なフォーマット情報を記憶する。この共通的なフォーマット情報とは、たとえば宛名情報の印刷領域、表の位置、マークの位置、文字の位置、非印刷領域の位置、その他の罫線の位置などのデータである。フォーマット情報記憶部507に記憶されている情報は、CPU508より読み出されて、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータのチェックに用いられる。
【0047】
CPU508は、検査部180-iの各部を制御して、非印刷領域の検査などのフォーマット情報に基づく検査、および、前述した原イメージデータとのマッチングによる検査を行う。
たとえば、CPU508は、まず、フォーマット情報記憶部507に記憶されている非印刷領域情報に基づいて第2のアドレスカウンタ502を制御し、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータの当該非印刷領域を副走査方向に順次アクセスする。そして、その非印刷領域に、予め定めた所定の長さ以上の黒画素の連続が存在するか否かを検査する。検査の結果、そのような黒画素の連続が存在した場合には、黒帯ストリーカが発生しているものと判定し、印刷結果が不良である旨の検査結果を出力する。
【0048】
また、CPU508は、フォーマット情報記憶部507に記憶されているその他のフォーマット情報に基づいて、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されているイメージデータを構造解析的な手法により検査する。
この構造解析的な手法による被検査イメージデータのチェックとは、フォーマット情報記憶部507に記憶されている基準イメージデータのフォーマット情報に基づいて、基準イメージデータの構造的な特徴を抽出し、被検査イメージデータも同様の特徴になっているか否かをチェックすることにより、基準イメージデータが適切に印刷されているか否かをチェックする処理である。
【0049】
たとえば、フォーマット情報記憶部507に記憶されている情報より基準イメージデータ中のある程度の面積を有する空白領域の位置の情報を獲得し、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータの対応する場所が同様に空白領域になっているか否かをチェックする。その領域が適切に空白領域になっていれば次のチェックに移り、その領域からノイズ以上の黒画素が検出された場合にはチェックを終了して印刷結果が不良である旨の検査結果を出力する。
また、たとえばフォーマット情報記憶部507に記憶されている罫線情報を獲得し、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータより対応する領域の垂直方向あるいは水平方向の黒画素ヒストグラムを求めて、その位置に罫線があるか否かのチェックを行う。
【0050】
また、文字が印刷されている領域を文字列方向に走査すると黒画素と白画素の変化が頻繁に生じるため、そこに文字が印刷されていることを検出することができるが、このような方法により、文字が印刷されているべき領域に文字が印刷されているかなどのチェックを行う。
その他、表の有るべき位置に適切に表があるか、マークが適切にあるかなどのチェックも行う。
この構造解析的な手法による検査時には、矛盾が検出された時点で直ちに印刷結果が不良である旨の検査結果を出力して、以後の処理を終了する。
【0051】
また、CPU508は、第1のアドレスカウンタ501、第2のアドレスカウンタ502、および、第1の圧縮器503〜エラー数カウンタ506を制御して、検査基準イメージ記憶部120-iに記憶されている原イメージデータと、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータのマッチングの処理を行う。そして、エラー数カウンタ506より入力されるエラー画素数を閾値THLと比較して、エラー画素数が閾値THLより大きくなったら不良印刷、閾値THLを越えずにマッチングが終了したら正常印刷との判定を行う。
【0052】
なお、これらの検査を行う前に、CPU508においては、基準イメージデータと被検査イメージデータの位置合わせを行う。この位置合わせは、検査基準イメージ記憶部120-iと被検査イメージ記憶部160-iの各画像メモリ上のイメージデータの対応する位置を検出する処理であり、たとえば、両イメージデータのキューマークが検出された上辺の画素を基準にして対応をとったり、両者の黒画素の重心点を検出して、その点を基準にして対応する画素を決定するなどの処理を行う。
このようなCPU508の動作により、検査部180-iは被検査イメージ記憶部160-iに記憶されいている被検査イメージデータを検査する。
【0053】
次に、プリンタシステム1の印刷・検査ユニット10-i以外の構成部について説明する。
全体制御部20は、プリンタシステム1において所望の印刷用紙80に所望のデータが印刷されるように、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4、後述するスキャナ30、プリンタ40、および、図示せぬ用紙搬送部などを制御する。具体的には、全体制御部20は、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4において印刷を行うための処理、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4において印刷された印刷物を検査するための処理、その検査結果を含めて印刷物および印刷作業を管理する処理などを行う。
【0054】
まず、全体制御部20は、所定の単位ごとに順次印刷ビットマップデータを生成し、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の各々で印刷すべきデータに分割し、そのビットマップデータを各第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4に出力する。この印刷イメージデータは、たとえばさらに上位の制御装置などから入力される印刷内容のデータ、および、印刷フォーマットの情報に基づいて生成される。また、前述した一連の処理で生成する印刷ビットマップデータの単位とは、たとえば印刷物の1ページごとや、印刷物が送付物である場合には一送付先ごとなどである。
第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4に入力された印刷ビットマップデータは、印刷部100-iに入力されて直ちに印刷に供されるとともに、画像処理部110-iに入力されて後段の印刷物の検査に用いられる。
【0055】
また、全体制御部20は、印刷物の検査を行うために、予め印刷用紙80に印刷されているイメージのフォーマットの情報(マスキングフォーマット情報)、および、印刷イメージデータのフォーマットの情報を、各印刷・検査ユニット10-i(i=1〜4)に出力する。印刷イメージデータのフォーマットの情報は、印刷内容のデータとともに入力される印刷のために供されたフォーマット情報に基づいて、前述した印刷・検査ユニット10-iの検査部180にて行う検査内容に必要な情報を抽出して得る。
また、予め印刷用紙80に印刷されているイメージ(以後、プレプリント絵柄と言う)のフォーマットの情報は、たとえば全体制御部20に接続されているスキャナ30により、印刷用紙80に印刷されているイメージを予め読み取ることにより獲得する。
【0056】
その、プレプリント絵柄の獲得方法について図14のフローチャートを参照して説明する。
まず、その印刷用紙80をスキャナ30に載置し、ページ単位にそのイメージを読み取る(ステップS1)。次に、読み取ったイメージデータにデジタル的フィルターをかけたり、圧縮するなどして、マスキング処理に適した所定の画像に変換する(ステップS2)。そのようにして得られたイメージデータに基づいて、そのイメージデータを示すフォーマットデータを抽出し(ステップS3)、全体制御部20内の所定の記憶部に記憶する(ステップS4)。このようにして、印刷用紙80の異なるプレプリント絵柄ごとに順次そのフォーマット情報を抽出する。
【0057】
また、全体制御部20は、各第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の検査部180-iでの検査結果に基づいて、プリンタシステム1における印刷処理全体を管理する。具体的には、たとえば第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4のいずれかの検査部180-iより印刷不良の検出が報知された場合には、全体制御部20は、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の全てに印刷処理の中断を指示する。そして、その印刷不良が発生した印刷物を特定する情報を、プリンタ40に印刷出力する。また、印刷不良が発生せず適切に印刷が行われている場合にも、所定の印刷量、所定の印刷時間ごとに、その印刷作業の進捗状況を示す情報をプリンタ40に出力する。なお、これらの管理情報は、プリンタ40に出力するとともに、上位の制御装置にも出力される。
【0058】
スキャナ30は、印刷用紙80に予め印刷されているプレプリント絵柄を読み込むためのスキャナであり、本実施の形態においては400DPIの解像度を有するフラットベット型のスキャナである。
プリンタ40は、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4における印刷物の検査結果や、プリンタシステム1の印刷処理の進捗状態などの情報などを印刷する。
【0059】
次に、プリンタシステム1の動作について図15〜図18を参照して説明する。
本実施の形態においては、電話料金の請求書を印刷する場合を例にしてプリンタシステム1の動作について説明する。
図15に、予め罫線などが記載された電話料金の請求書用の印刷用紙80を示す。
印刷用紙80には、請求先の宛名の欄81、請求先の諸情報の欄82、各ページごとの請求先のコードを記載する欄83-1〜83-3および請求の明細の欄84-1〜84-3が予め印刷されている。また、各請求書の1ページ目の右上にキューマーク85が印刷されている。このキューマークにより、連続紙より1つずつの請求書の区切り位置を知ることができる。
なお、図15は、印刷用紙80の表面を示す図であるが、裏面にも同様の印刷が行われる。
【0060】
以下、このような印刷用紙80に請求内容を印刷し請求書を作成する場合について、プリンタシステム1の動作を説明する。
まず、図15に示すような印刷用紙80をスキャナ30上にセットし、予め印刷されているイメージのデータをプリンタシステム1に入力する。図15に示す印刷用紙80においては、請求先の宛名の欄81などが記載されている1ページ目と、請求の明細の欄84がページ全体に記載されている2ページ目以降との2種類のプレプリント絵柄がある。したがって、この2ページについて、プレプリント絵柄を入力する。すなわち、1ページ目、2ページ目を各々スキャナ30にセットして、イメージを読み込む。
スキャナ30に読み込まれたイメージは、各ページごとに、全体制御部20においてフィルタ処理などの処理が施され、マスキングフォーマット情報が抽出され、全体制御部20内の記憶部に記憶される。
【0061】
次に、実際の印刷作業を開始する。
プリンタシステム1に対しては、たとえば上位の制御装置などより印刷内容のデータが順次あるいは予め一括して入力される。
プリンタシステム1においては、全体制御部20でその印刷内容のデータに基づいて各ページごとの印刷用ビットマップデータを順次生成し、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の各ユニットで印刷を行う印刷用ビットマップデータに分割し、各データを各ユニットに出力する。
【0062】
第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4に各々全体制御部20より入力された印刷ビットマップイメージデータは、各印刷部100-i(i=1〜4)より、図示せぬ用紙搬送部により順次供給される印刷用紙80に印刷される。この時印刷部100-iは、印刷用紙80に記載されているキューマーク85を検出し、これにより印刷位置を決定して印刷を行う。その結果、図16に示すように、予め記載された請求先の宛名の欄81、請求先の諸情報の欄82、各ページごとの請求先のコードを記載する欄83-1〜83-3および請求の明細の欄84-1〜84-3の各欄に適切に印刷内容が印刷され、請求書が作成される。
【0063】
またこの時に、印刷・検査ユニット10-iに入力された各印刷ビットマップイメージデータは、画像処理部110-iで所定のフィルタ処理などが施されて印刷物の検査を行うための基準イメージデータに変換され、検査基準イメージ記憶部120-iに記録される。
また全体制御部20は、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の各マスク処理部150-iに対して前述したマスキングフォーマット情報を、また、各検査部180-iに対してフォーマット情報を出力する。マスク処理部150-iに入力されたマスキングフォーマット情報は、読み取ったイメージデータと単純に論理積をとるのみでそのイメージデータの印刷用紙80のプレプリント絵柄に相当する部分を実質的に無効にすることができるようなマスクデータに変換される。また、検査部180-iに入力されたフォーマット情報は、検査部180-iのフォーマット情報記憶部507に記録される。
【0064】
そして、印刷部100-iにより印刷が行われた図16に示すような印刷用紙80は、イメージ読み取り部130-iによりその印刷イメージが読み込まれ、読み取りイメージ記憶部140-iに一旦記憶される。読み取りイメージ記憶部140-iに記憶されたイメージデータは、マスク処理部150-iに読み出され、マスク処理部150-iに記憶されている前述したマスクデータでマスクされる。これにより、図17に示すような、印刷用紙80のプレプリント絵柄に相当する部分が実質的に無効にされ、印刷部100-iで印刷されたイメージのみが残ったイメージデータが抽出される。抽出されたイメージデータは、被検査イメージ記憶部160-iに記憶される。
被検査イメージ記憶部160-iに記憶されたイメージデータは、検査部180-iにおける印刷状態の検査に供されると同時に、逐次モニタ170-iに出力される。
【0065】
検査部180-iにおいては、まず、フォーマット情報記憶部507に記憶されているフォーマット情報に基づいて、印刷用紙80上の非印刷領域に相当する領域に、黒帯ストリーカが存在するか否かを検査する。具体的には、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている被検査イメージデータの、非印刷領域に相当する領域をフォーマット情報記憶部507に記憶されているフォーマット情報に基づいて検出し、その領域を順次印刷用紙80の副走査方向に走査する。そして、その領域に黒画素が予め定めた所定の閾値以上連続していた場合に、黒帯ストリーカが存在しており、印刷ヘッドが異常であると判定する。なお、この閾値は、発生し得るノイズの大きさなどを考慮して決定する。
そして、黒帯ストリーカが存在すると判定された場合には、直ちに印刷状態が適切でない旨を示す信号が印刷・検査ユニット10-iの図示せぬ制御部に出力され、さらに全体制御部20に報知され、第1〜第4の印刷・検査ユニット10-1〜10-4の印刷処理が直ちに停止される。
【0066】
たとえば、図18(A)に示すような、2ページめの中段以降に黒帯ストリーカ86が発生しているような帳票80bが作成された場合には、マスク処理部150-iでマスキング処理が施されることにより、図18(B)に示すような印刷部100-iで新たに印刷されたイメージのみが残されたイメージデータが生成される。そして、検査部180-iにおいて、このイメージの2ページ目と3ページ目の間の余白が走査された時に、この黒帯ストリーカ86が検出され、印刷状態が適切でない旨の信号が出力され、印刷処理が終了される。
なお、図18(B)において、黒帯ストリーカ86に対応するイメージが破線状態となっているのは、マスク処理部150-iにおいて、請求先のコードを記載する欄83および請求の明細の欄84の横枠の位置のイメージデータが無効にされたためである。
【0067】
非印刷領域に黒帯ストリーカが存在しなかった場合には、次段階の検査として、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている検査イメージデータが、フォーマット情報記憶部507に記憶されているフォーマット情報と矛盾しない構造的特徴を有しているか否か、すなわち、前述したように、所定の空白領域や、文字列、罫線などが適切に存在するか否かを検査する。この検査時にも、検査イメージデータの特徴が適切でないと判定された場合には、直ちに印刷状態が適切でない旨を示す信号が出力され、印刷処理は停止される。
【0068】
そして、最後の検査として、検査基準イメージ記憶部120-iに記憶されている検査基準イメージデータと、被検査イメージ記憶部160-iに記憶されている検査イメージデータとのマッチングを行う。両イメージを、圧縮イメージあるいは原イメージで順次照合し、異なる画素が所定数以上あった場合には、両イメージが一致しない、すなわち、何らかの理由により印刷状態が適切でないと判断して、その旨の信号を出力し、これまでの他の検査の時と同様に直ちに印刷作業は中止される。
これら3段階の検査を全てクリアした場合には、印刷が適切に行われたものと判定され、印刷が継続される。
なお、第1および第2の印刷・検査ユニット10-1,10-2により、印刷用紙80の表面が印刷され検査されると、次に第3および第4の印刷・検査ユニット10-3,10-4により印刷用紙80の裏面が印刷され同様に検査される。これにより、両面に所望のデータが印刷された印刷物が作成せれる。
【0069】
このように、本実施の形態のプリンタシステム1においては、印刷物より印刷されたイメージデータを読み取り、入力された印刷用のイメージデータと照合することにより印刷結果を検査しているので、不良印刷物がそのまま作成される可能性が著しく低く、重要な書類も高い信頼性をもって印刷することができる。
そして特に、本実施の形態のプリンタシステム1においては、印刷物より読み取った被検査用のイメージデータに対して、印刷用紙80に予め印刷されているプレプリント絵柄をマスキング処理により除去し、プリンタシステム1により印刷されたイメージデータのみを抽出し、このイメージデータを用いて印刷状態の検査を行っている。したがって、そのような、プレプリントされた印刷絵柄上に異なる印刷を行う重ね印刷を行った印刷物に対しても、適切に検査を行うことができる。
【0070】
また、本実施の形態のプリンタシステム1においては、印刷イメージデータがカバーしていない余白領域を非印刷領域とし、この領域を副走査方向に走査することにより黒帯ストリーカを検出している。したがって、まず簡単な処理により黒帯ストリーカを検出して印刷ヘッドの異常を発見することができ、不良印刷を迅速に検出することができる。特にこのような黒帯ストリーカは、インクジェット方式のプリンタ装置にしばしば発生するため、そのような印刷方式のプリンタ装置にはより有効である。
【0071】
また、本実施の形態のプリンタシステム1においては、非印刷領域に基づく検査の他に、さらに印刷イメージデータのフォーマット情報に基づいてその構造的な特徴を抽出して印刷状態を検査している。これにより、たとえば印刷領域中に発生するストリーカや、白抜けなどが有効に検出され、印刷状態の検査が有効に行える。
そして、プリンタシステム1においては、構造的な特徴に基づく検査の後に、さらに、印刷のために入力されたイメージデータと印刷物より読み取ったイメージデータとのテンプレートマッチングを行い印刷状態の検査を行っている。これにより、印刷内容の違いなどの細かな差異も累積されて抽出され、印刷状態の検査がより有効に正確に行える。
このように、プリンタシステム1においては個々の印刷物に対して3段階の検査を行っているので、種々の面から印刷状態の検査を行うことができ、不良印刷物を適切に検出し排除し、正確で高品質な印刷物を出力することができる。
【0072】
また、プリンタシステム1においては、不良印刷を発見した場合には、直ちにプリンタシステム1の動作を停止しているため、不良印刷物の発生を最小限に抑えることができ、時間・印刷資源などの無駄を極力少なくすることができる。
【0073】
なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではなく、種々の改変が可能である。
たとえば、本実施の形態の検査部180においては、非印刷領域の情報などのフォーマット情報を用いた第1の検査、および、マッチングによる第2の検査を行って印刷状態をチェックしている。しかし、このような検査が必須なわけではなく、任意の検査方法を選択して用いるようにしてよい。また、これ以外の任意の検査方法を用いてよい。また、着目するフォーマット情報、および、マッチングの方法なども任意の情報および方法を用いてよい。
【0074】
また、検査部180で行う非印刷領域の情報に基づいた検査の方法も、本実施の形態においては、印刷用紙80の副走査方向にイメージデータを走査して、黒画素の連続を行うものであった。この方法は、インクジェット方式のヘッドなどにしばしば発生する黒帯ストリーカの検出には非常に有効であるが、これもこの方法に限られるものではない。たとえば、主走査方向に対して同様のストリーカの検出を行うようにしてもよいし、任意の方向に走査して、所定の数以上連なっている黒画素のブロックを抽出するようにしてもよい。そのようにすれば、たとえば点状に落下したインクのぼた落ちなども検出することができ、より広範な印刷ヘッドの異常を検出することができる。
【0075】
また、プリンタシステム1において印刷を行う被印刷媒体は、本実施の形態に示したような連続紙に限られるものではなくカット紙でもよいし、紙以外の素材の被印刷媒体であってもよい。
【0076】
また、本実施の形態のプリンタシステム1は、同時に2つずつの印刷・検査ユニット10が印刷用紙80上を走査し、印刷および検査を行っている。そのため、印字可能幅は8インチであった。しかし、たとえば4個の印刷・検査ユニット10-1〜10-4を同時に用いて、16インチの印字幅で印字および検査を行うようにしてもよい。このように、印刷・検査ユニット10の印刷ヘッド11およびカメラ12の構成は任意の形態にしてよい。
また、本実施の形態のプリンタシステム1においては、2個の印刷・検査ユニット10を2組用いて、印刷用紙80の表裏両面に印刷を行う両面印刷を行っていた。しかし、片面印刷に対し本発明が適用できることは明らかである。その場合には、用紙搬送部の用紙反転のための機構や、裏面プリントのための印刷・検査ユニットが不必要になりより簡単になる。
【0077】
また、本実施の形態においては、不良印刷が検出された場合には直ちにプリンタシステム1を停止するようにしたが、不良印刷検出後の処置なども任意に決定してよい。
たとえば、ある程度連続して不良印刷が生じた場合に、プリンタシステム1を停止するようにしてもよい。
インクジェットヘッドにより一時的に生じる黒帯ストリーカなどは、しばらくして自然に復旧してしまう場合がある。そのような印刷不良の復旧が見込める場合で、一度プリンタシステムを停止すると再始動するまでの処理が複雑で時間がかかる場合などには、印刷不良を検出しても装置を停止させずに運転を継続した方が効率よく印刷作業が行える場合がある。そのような場合には、直ちにプリンタシステムを停止せず、可能な限り継続運転をするような構成にしてよい。その際の、プリンタシステム1の停止の条件などは任意に決定してよい。
【0078】
なお、そのようなプリンタシステムを直ちに停止しない場合には、不良印刷物を識別する、あるいは、不良印刷物を適切に排除するために、印刷不良と判定された印刷物を後に容易に特定できるようにしておく必要がある。
そのためには、たとえば、その識別コード、請求書番号などをモニタ470などに表示するようにしておくことが望ましい。
【0079】
また、印刷不良と判定された印刷物に対して何らかのマーキングを行うような構成にしてもよい。
そのようなプリンタシステムの印刷・検査ユニット10bの構成を図19に示す。
この印刷・検査ユニット10bにおいては、検査部180の後段に、マーク印刷部190を設けてある。このプリンタシステム190は、図示せぬが内部に塗り潰し用印刷ヘッドおよび不良表示マーク印刷ヘッドを有する。
【0080】
そして、検査部180における検査により不良印刷と判定された印刷物に対して、図20に示すような塗り潰しパタンおよびマークの印刷を行う。
すなわち、不良印刷が生じた印刷用紙80に対して、前記不良表示マーク印刷ヘッドにより、その印刷物のたとえば送付先の欄81などのようなその後の印刷物の処理において重要な項目を無効にするような塗り潰しパタン87を印刷したり、その不良印刷の原因が分かるようなエラーコード88を印刷したりする。
なお、このエラーコード88は、バーコード、OCR文字、任意の図形などを用いてもよい。
【0081】
なお、図20においては、単票の印刷用紙80bに対して塗り潰しパタンやエラーコードが付された例を示したが、図15に示すような連続帳票に対しても同様のパタン、エラーコードを付してよい。
なお、このマーク印刷部190は、前述したように各印刷・検査ユニット10ごとに設けてもよいし、また、複数の印刷・検査ユニット10における検査結果に基づいて機能するようなマーク印刷部190をプリンタシステム1に1つ設けるような構成でもよい。
このように、印刷不良を検出した後の処置は、任意の方法でよい。
【0082】
また、本実施の形態のプリンタシステム1においては、印刷用紙80に予め印刷されているイメージデータを全体制御部20に接続されたスキャナ30により予め読み込み記憶しておくものとした。しかし、印刷・検査ユニット10-iのカメラ12によりこのイメージデータを読み込むような構成にしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態は本発明をプリンタ装置として実施したものであるが、たとえば既存のプリンタによる印刷物の検査装置として適用することも可能である。
その印刷物検査装置の構成は、前述した各実施例のプリンタ装置の印刷部のみを除外した構成である。すなわち、その検査装置にはプリント出力用データが入力され、印刷物を走査して獲得したイメージデータをそのプリント出力用データに基づいて検査する。
【0084】
そして、このような検査装置は、既存の種々のプリンタ装置に適用可能である。その適用例を図21(A)および21(B)に示す。
図21(A)および21(B)は、電子写真方式のプリンタ装置(レーザビームプリンタやLEDプリンタなど)に対して、本発明に係わる印刷物検査装置を適用した場合の構成を示す図であり、図21(A)はプリンタ装置に印刷物検査装置を内蔵した形態を示す図であり、図21(B)はプリンタ装置の外部に印刷物検査装置を設け、プリンタ装置から排出される印刷物を検査できるようにしたものである。
【0085】
図21(A)および図21(B)に示したプリンタ装置は、印字幅がほぼ17インチで印刷速度は70m/分程度であり、十分高速である。そして、電子写真方式においては、1つのヘッドで17インチの印字領域全域に渡って印字を行うので、ヘッドを検査するという意味では、カメラユニットは1つで対応可能になる。
このような電子写真方式のプリンタ装置においても、大量に印刷をしているうちに、印刷濃度が薄くなったり、背景に汚れが発生したりする。そこで、その印刷結果である印刷物を検査することにより、そのような不良を迅速に発見し対処することができる。なお、図21(A)および図21(B)に示した各検査部の具体的な検査方法および構成などは、前述した方法および構成をそのまま適用できる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の印刷物検査装置によれば、予め罫線などが印刷されている印刷媒体へさらに印刷が行われた印刷物に対しても、適切に印刷状態を検査し、不良印刷物を排除することができる。
また本発明のプリンタ装置によれば、予め罫線などが印刷されている印刷媒体に対しても、高速に印刷を行い、黒帯ストリーカなどの印刷不良を適切に検出し、これにより不良印刷物を排除し正確で高品質な印刷が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のプリンタシステムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1に示したプリンタシステムにおける、用紙搬送の状態、および、搬送される用紙に対する印刷ヘッドおよびカメラの配置位置を示す図である。
【図3】図1に示したプリンタシステムの信号処理部およびモニタの設置状態を説明するための図である。
【図4】図1に示したプリンタシステムの印刷・検査ユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した印刷・検査ユニットの印刷部の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示したプリンタシステムにおける印刷ヘッドおよびカメラの配置を示す図であり、(A)は帳票の表面に印刷を行う2つの印刷ヘッドの配置を示す図、(B)はその表面の基準イメージを読み取る2つのカメラの配置を示す図である。
【図7】図5に示した印刷部の印刷ヘッドの、構造および動作原理を説明する図である。
【図8】図5に示した印刷部の印刷ヘッドにより印字されたドットを示す図である。
【図9】図4に示した印刷・検査ユニットのイメージ読み取り部の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示したイメージ読み取り部のエンコーダ部の構成を示すブロック図である。
【図11】図9に示したイメージ読み取り部のカメラおよび図4に示した印刷・検査ユニットの読み取りイメージ記憶部の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示したラインセンサの動作を説明する図である。
【図13】図4に示した印刷・検査ユニットの検査部の構成を示すブロック図である。
【図14】図1に示したプリンタシステムの全体制御部で行うマスキングフォーマット情報の生成の処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】印刷用紙の例を示す図である。
【図16】図15に示した印刷用紙に、所望のイメージが印刷された状態を示す図である。
【図17】図16に示した印刷物より得られたイメージデータにマスキング処理を行い、プレプリント絵柄を除去し新たに印刷されたイメージデータのみを抽出した状態を示す図である。
【図18】印刷物に黒帯ストリーカが発生した状態を示す図であり、(A)は黒帯ストリーカが発生した印刷物を示す図であり、(B)は(A)のイメージデータにマスキング処理を施しプレプリント絵柄を除去した後のイメージデータを示す図である。
【図19】図1に示したプリンタシステムの印刷・検査ユニットの他の構成例を示すブロック図である。
【図20】図19に示した印刷・検査ユニットのマーク印刷部で行われるマークを説明するための図である。
【図21】電子写真方式のプリンタ装置に本発明に係わる印刷物検査装置を適用した場合の構成を示す図であり、(A)はプリンタ装置に印刷物検査装置を内蔵した形態を示す図であり、(B)はプリンタ装置の外部に印刷物検査装置を設けた形態を示す図である。
【符号の説明】
1…プリンタシステム
10…印刷・検査ユニット
11…印刷ヘッド 12…カメラ
13…光源 14…エンコーダ
15…キューセンサ 16…信号処理部
17…モニタ
100…印刷部 110…画像処理部
120…検査基準イメージ記憶部 130…イメージ読み取り部
140…読み取りイメージ記憶部 150…マスク処理部
160…被検査イメージ記憶部 170…モニタ
180…検査部 190…マーク印刷部
20…全体制御部
30…スキャナ
40…プリンタ
80…印刷用紙

Claims (7)

  1. 入力されたイメージデータを予め所定のイメージが印刷されている被印刷媒体にさらに印刷するプリンタ装置により印刷された印刷物を検査する装置であって、
    被印刷媒体に印刷されているイメージを読み込むイメージ読み込み手段と、
    入力される前記被印刷媒体に予め印刷されていたイメージに係わる情報に基づいて、前記読み込んだイメージの当該予め印刷されていたイメージに相当するイメージを実質的に無効にするようなマスク処理を行うマスク処理手段と、
    入力される前記プリンタ装置において印刷を行ったイメージに係わる情報に基づいて、前記マスク処理が施されたイメージが適切か否かを検査し、前記印刷物に適切に印刷が行われたか否かを判定する検査手段と
    を有する印刷物検査装置。
  2. 前記検査手段は、前記印刷手段において印刷を行ったイメージのデータと、前記マスク処理が施された前記被印刷媒体より読み込んだイメージのデータとをテンプレートマッチングし、相違が所定量以上あった場合に前記印刷物には適切に印刷が行われていないと判定する
    請求項1記載の印刷物検査装置。
  3. 前記検査手段は、前記マスク処理が施されたイメージの、前記プリンタ装置により前記被印刷媒体に対して印刷が行われない非印刷領域に相当する領域のイメージデータに基づいて、前記印刷物に適切に印刷がおこなわれたか判定する
    請求項1または2記載の印刷物検査装置。
  4. 前記検査手段は、前記マスク処理が施されたイメージより構造的特徴を抽出し、前記プリンタ装置により前記被印刷媒体に対して印刷を行ったイメージのフォーマット情報を参照して、前記抽出された特徴が適切か否かを検出し、前記印刷物に適切に印刷がおこなわれたか判定する
    請求項1〜3いずれか記載の印刷物検査装置。
  5. 入力されたイメージデータを予め所定のイメージが印刷されている被印刷媒体にさらに印刷する印刷手段と、
    前記印刷が行われた被印刷媒体に印刷されているイメージを読み込むイメージ読み込み手段と、
    前記被印刷媒体に予め印刷されていたイメージの情報に基づいて、前記読み込んだイメージの当該予め印刷されていたイメージに相当するイメージを実質的に無効にするようなマスク処理を行うマスク処理手段と、
    前記印刷手段において印刷を行ったイメージに係わる情報に基づいて、前記マスク処理が施されたイメージが適切か否かを検査し、前記印刷物に適切に印刷が行われたか否かを判定する検査手段と
    を有するプリンタ装置。
  6. 前記印刷手段は、前記検査手段により印刷の状態が不適切と判定された場合には、前記印刷を停止する
    請求項5記載のプリンタ装置。
  7. 前記検査手段により印刷の状態が不適切と判定された場合に、前記印刷を実質的に無効化する印刷を当該被印刷媒体にさらに印刷する第2の印刷手段
    をさらに有する請求項6記載のプリンタ装置。
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