JP4126639B2 - 排気ガス浄化システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関、燃焼器等から排出される排ガスを浄化するための方法に係り、特に、排ガス中の窒素酸化物を高効率で浄化するための浄化システムとその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の内燃機関から排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等を浄化する触媒としては、理論空燃比で働く三元触媒あるいは、三元触媒では窒素酸化物の浄化が不可能な内燃機関の排気ガスが酸素過剰時の窒素酸化物を浄化する触媒があるが、これらの触媒のS被毒対策として、特開平9−10601号公報に開示されているような、触媒中に含まれるBaあるいはLa等の元素が排気中のSやH2Oによる被毒を防止するために触媒の内層に該Ba,Laを含有するNOx吸蔵触媒を配置し、その上側の表層に吸水剤を配置し、該吸水剤で水をトラップすることで内層のNOx触媒のBa,LaにSや水が付着しないため被毒劣化を防止するという浄化触媒が用いられている。
【0003】
また、触媒の表層にNOx還元用ゼオライト層を配置し、内層のNOx浄化触媒とともに使用することで表層のNOx還元触媒の昇温を防止し、熱劣化を抑制するというものが提案されている。(特開平11−226415号公報、特開平9−57066号公報参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平9−10601号、特開平11−226415号公報、特開平9−57066号公報に開示されているような、排気浄化システムのNOx浄化触媒は表層を構成するゼオライト材がY型、モルデナイト、MFI、β等からなり、細孔径が6オングストローム(Å)程度と大きいため、分子径が3.6ÅであるSO2を透過し、内層のNOx吸蔵触媒にSO2が到達する。そのため、NOx吸蔵触媒に用いられたBa,LaにSが付着し、S被毒による被毒劣化防止が十分ではなかった。また、細孔径の小さいゼオライト材料をNOx浄化触媒の表層に使用してSO2を分離できても、従来のNOx浄化のための還元剤は分子径が大きいHC,COが主成分であったため、内層のNOx吸蔵触媒には分子径の小さいNOxのみが到達し、NOx吸蔵反応のみが進行してしまうため、浄化されないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、NOx浄化触媒の表層に細孔径が2〜3.5Åの範囲のゼオライトおよび無機材からなるSO2分離層を配置し、この細孔径より分子径が大きなSO2を透過できなくすることでその内側に配置されるNOx吸蔵触媒にSO2が到達しなくなり、Sによる被毒が防止できる。
【0006】
一方、分子径が2〜3.5Åの範囲にあるNOxとNOx還元剤としてのH2は表層のゼオライト層を透過できるため、NOx吸蔵触媒に到達し、吸蔵したNOxとH2による還元・浄化反応が進行する。
【0007】
通常のエンジン排気中にはH2濃度は全還元成分濃度中の0.3以下の存在比を示す。このH2濃度比をエンジンの燃焼制御および排気上流の三元触媒により増加させることにより還元剤のH2濃度を増大させ、NOx吸蔵触媒に到達するH2を増大させることでNOx浄化量を増大させるものである。
【0008】
このように、NOx吸蔵触媒の表層にSO2分離層を設けることにより、SO2が内層のNOx吸蔵触媒に付着させないようにすることでNOx吸蔵触媒のS被毒を防止するとともに、SO2分離層を透過できる分子径の小さい還元剤としてのH2を多量にNOx吸蔵触媒に供給することでNOx浄化量の増大を図るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による排気ガス浄化システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
本発明の浄化システムは、排気ガス通路中に、還元剤によりNOxを浄化するNOx浄化触媒を配置している。排気ガス中に含まれる主な還元成分としては、HC、CO、H2が知られているが、特開平9−10601号におけるリーン域においてNOxを吸収し、理論空燃比あるいは燃料過剰領域においてNOxを放出させ、還元剤により還元浄化する場合の還元剤としては、主にHC、COが用いられている。また、リーン域でNOxを還元剤により選択還元浄化する触媒においても、還元剤としては主にHC、COを用いている。
【0011】
しかしながら、大気環境保全の意味から、昨今、内燃機関から排出される排出ガス成分のよりいっそうの浄化が必要となってきている。そのために、内燃機関の改良や、排気浄化用触媒の改良が進められているが、HC、
COの還元成分をあまり減らしてしまうと、NOxの浄化を行なう還元成分が無くなり、十分なNOx浄化が行なえない。そこで、HC、COをある程度、排気ガス中に残した状態でNOx浄化触媒に流す必要があり、さらにNOx浄化触媒においても排気ガス中に残ったHC、COの一部しかNOx浄化で消費されずに残ってしまい、HCやCOをより高いレベルで浄化することが困難であった。
【0012】
そこで、本発明においては、NOx浄化触媒におけるNOx浄化に用いる還元剤として、従来、主に用いられていたHC、COのかわりにH2を用いることとし、そのH2の濃度をH2/全還元成分比として、NOx浄化触媒の入口ガスとして制御することにより、高いNOx浄化性能を得ている。
【0013】
そのため、HC、COについてはNOx浄化触媒の前で処理することが可能となり、NOx浄化触媒においてHC、COの浄化が行なえなくても、十分に高いレベルのHC、CO浄化性能を排気浄化システムとして達成することが可能となる。たとえば、本排気浄化システムにおいては、HCのNOx浄化触媒出口排出量/NOx浄化触媒入口輩出量の比率は、1.0〜0.75でありほとんどNOx浄化触媒において、HCは浄化されていない。このように、本発明による排気浄化システムにおいては、NOx浄化触媒はNOx浄化機能に特化した触媒でもよく、従来の排気浄化システムのように、NOx浄化性能に加えて、高いHC浄化性能は必ずしも必要ではない。
【0014】
一般的に内燃機関から排出される排出ガス中の主な成分としては、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、水(H2O)、酸素(O2)、水素(H2)、窒素(N2)が含まれている。内燃機関としてガソリンエンジンを用いた場合の排出ガス中の排出ガス成分としては、理論空燃比近傍では、CO:0.3〜1.0%、NO:0.05〜0.15%、H2O:約13%、H2:0.1〜0.3%、HC:0.03〜0.08%、O2:0.2〜0.5%、CO2:約12%となっている(触媒講座:工業触媒反応II、講談社、P193)。また、空燃比の違いによる排出ガス成分の違いは、図5に示すような特性をとることが知られている(新・自動車用ガソリンエンジン、山海堂、p103)。
【0015】
これらの結果からもわかるように、一般的に、内燃機関から排出される排出ガス中に含まれるH2成分の比率は、HC、CO等を含む全還元成分に対して、H2/全還元成分<0.3となっている。
【0016】
また、排出ガスを内燃機関の排気通路内に配置した触媒内を通過させた場合、その触媒においては、
CO+1/2O2→CO2 (1)
HC+O2→CO2+H2O (2)
2NO+2CO→2CO2+N2 (3)
NO+HC→CO2+H2O+N2 (4)
2NO+2H2→2H2O+N2 (5)
CO+H2O→CO2+H2 (6)
HC+H2O→CO2+H2 (7)
H2+1/2O2→H2O (8)
の反応がおこり、排出ガス成分が浄化される。理論空燃比においては還元成分(HC、CO、H2)が酸化成分(O2、NOx)とほぼバランスがとれているため、三元触媒を用いることにより、HC、CO、NOxが同時に浄化される(触媒講座:工業触媒反応II、講談社、P193−194)。その際に、通常の三元触媒を用いてしまうと上記の反応式がバランスよく進行してしまい、H2は他の還元成分(HC、CO)と同様な割合で、酸素あるいはNOxと反応し消費され、H2/全還元成分の比率は触媒入口のガス組成とほぼ同様なガス組成比となってしまう。また、酸化触媒を用いた場合は、上記の反応式における酸化反応(式(1)、(2)、(8))のみが優先的に進行し、やはりH2は他の還元成分(HC、CO)と同様な比率で減少する。そのため、触媒出口においても触媒入口のH2/全還元成分とほぼ同様になってしまい、H2濃度のコントロールを行なえず、NOx浄化触媒においてH2を用いたNOx浄化反応を選択的に進めることができない。
【0017】
そこで、本発明においては、NOx浄化触媒の入口のH2濃度を制御する方法を用いてNOx浄化触媒において、H2を用いたNOx浄化反応が優先的に進むようにしている。
【0018】
以下、本発明による内燃機関の排気ガス浄化システムの好適な方法の実施例について説明する。本発明の実施例において触媒を用いる場合、触媒としては、一体構造型担体に担持して用いるのが好ましい。一体構造型担体には、耐熱性材料からなるモノリス担体が好ましく、たとえばコーディライトなどのセラミックや、あるいはフェライト系ステンレスなどの金属製のものが用いられる。
【0019】
本発明において、NOx浄化触媒の入口の排気ガスとして、排気ガス中のH2の比率が全還元剤成分がH2/全還元剤≧0.3となるように制御している。上記のように、一般的にエンジンからの排気ガス中および従来の触媒を用いた場合においては、排気ガス中のH2の比率は、H2/全還元成分<0.3となっており、H2を有効に利用するためにはH2の比率を高くする必要という意味でH2/全還元成分≧0.3としている。より好ましくは、H2/全還元成分≧0.5である。
【0020】
このように、還元剤としてのH2濃度を高めた排気中に表層SO2分離層を持ちその内層にNOx吸蔵触媒を持つNOx浄化触媒を配置する構成とするものである。
【0021】
(実施例1)
図1に示すように、排気通路の前段側に酸化触媒あるいは三元触媒を配置し、排気通路の後段側にNOx浄化触媒を配置したシステムとしている。
【0022】
本実施例では、NOx浄化触媒の入口の排気ガス成分の制御方法を酸化触媒または三元触媒により行なっている。本実施例で用いる酸化触媒あるいは三元触媒としては、排気中の還元成分として含まれるガス組成のうち、HC、COは酸化反応で浄化し、H2については反応させずに、できるだけ残すようにした触媒としている。
【0023】
なお、本発明における触媒で用いる多孔質担体としては、アルミナ、シリカアルミナおよびゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種が好適に用いられるが、特に活性アルミナが好ましい。また、耐熱比表面積を高める目的で、これに希土類元素やジルコニウムなどを添加してもよい。多孔質担体の使用量は触媒1L当たり50〜300gの範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明における触媒で用いる貴金属の量は、NOx吸収機能と三元機能が十分に得られる限り、特に制限されないが、一般の三元触媒で用いられているように、触媒1L当たり0.1〜10gの範囲であることが好ましい。0.1g以下では浄化効果が発現しない。10g以上では増量による浄化効果の向上が見込めないためである。
【0025】
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末1)を得た。この粉末のPd濃度は17.0重量%であった。
【0026】
硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末2)を得た。この粉末のRh濃度は3.0重量%であった。
【0027】
硝酸Pt水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt担持アルミナ粉末(粉末3)を得た。この粉末のPt濃度は1.0重量%であった。
【0028】
粉末1を377.6g、粉末2を107.6g、粉末3を64.9g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を200.9g、アルミナゾルを1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。さらに、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒を調製した。このときの貴金属量としては、白金/パラジウム/ロジウムの比が1/100/5としてトータルの貴金属量が14g/Lになるようにした。
【0029】
次に、本発明で用いる後段のNOx浄化触媒の調製方法の一実施例を示す。
【0030】
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末のPd濃度は5.0重量%であった。
【0031】
硝酸Rh水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末C)を得た。この粉末のRh濃度は3.0重量%であった。
【0032】
粉末Bを347g、粉末Cを58g、活性アルミナ粉末を496g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリ液を得た。粉砕時間を1時間とした。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量200g/L−担体を得た。さらに、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥した。これにより内層NOx吸蔵触媒層を得る。
【0033】
次に、A型ゼオライト粉末を300g、シリカゾル100gとを水400gと混合粉砕してスラリ液を得た。粉砕時間を1時間とした。このスラリ液を前記内層NOx吸蔵触媒層をコーティングした担体に付着させ、空気流にて余剰スラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、トータルのコート層重量300g/Lの担体を得た。これにより表層のSO2分離層を得る。さらにこの担体を400℃で焼成を行ない触媒を調製した。この触媒をNOx浄化触媒(I)として後段に配置する。
【0034】
他の実施例を示す。
【0035】
(実施例2)
図1に示すように、排気通路の前段側に酸化触媒あるいは三元触媒を配置し、排気通路の後段側にNOx浄化触媒を配置したシステムであり、NOx触媒の構成以外は実施例1と同様のシステムとしている。
【0036】
次に、本発明で用いる後段のNOx浄化触媒の調製方法の一実施例を示す。
【0037】
NOx浄化触媒の内層は実施例1と同様のNOx吸蔵触媒を用いる。
次に、MFI粉末300gとシリカゾル100gに硝酸銀5%溶液100gと燐酸水素アンモニウム3%溶液50gとを含浸し、これに水250gを混合粉砕してスラリ液を得た。粉砕時間を1時間とした。このスラリ液を前記内層NOx吸蔵触媒層をコーティングした担体に付着させ、空気流にて余剰スラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、トータルのコート層重量300g/Lの担体を得た。これにより表層のSO2分離層を得る。さらにこの担体を400℃で焼成を行ない触媒を調製した。この触媒をNOx浄化触媒(II)として後段に配置する。
【0038】
他の実施例を示す。
【0039】
(実施例3)
図2に、本実施例の排気浄化システムの構成図を示す。本実施例においては、NOx浄化触媒の入口ガスのH2比の調製方法として、ガス中のHCをO2と反応させてHCの部分酸化物を生成させる手段とガス中のCOとH2Oとを反応させてH2を生成させるのに、燃焼ガス中のガス成分の濃度制御、ガス温度の温度制御、ガスの圧力制御により行なうこととしている。燃焼ガス中のガス成文の濃度制御、ガス温度の温度制御、ガスの圧力制御する具体的な方法としては、内燃機関に噴く燃料の噴射量、噴射タイミングおよび点火タイミング、および、吸排気弁の開閉タイミングを任意の値で制御することで行なう。
【0040】
図3に、本実施例の制御のフローチャートを示す。
A/Fの検出(ステップP1)、エンジンに入る吸入空気量の検出(ステップP2)、エンジンから排出される排気ガスの排気温度を検出(ステップP3)する。
【0041】
それらのデータとあらかじめECU上に記憶しておいたA/F、吸入空気量、排気温度とエンジンから排出されるH2量との関係のマップ(ステップP4)とから、H2の生成量(hii)の推定を行なう(ステップP5)。
【0042】
次に、排気ガス組成(HC濃度、CO濃度、O2濃度、NOx濃度)を検出(ステップP6)し、ステップP5で推定したH2生成量(hii)から、H2/全還元剤成分の比率(Kh)を計算し、その値が所定の値(0.3)以上であるかどうかを判断する(ステップP7)。所定の値以下の場合には、所定値以上とする燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火タイミング、吸排気弁の開閉タイミングの計算を行なう(ステップP8)。この計算結果から、必要な燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火タイミング、吸排気弁の開閉タイミングの設定を行ない(ステップP9)、それぞれを制御する。
【0043】
排気通路内に配置したNOx浄化触媒としては、実施例1と同様にして調製した。
【0044】
他の実施例を示す。
【0045】
(実施例4)
図4に、本実施例の排気浄化システムの構成図を示す。本実施例においては、NOx浄化触媒の入口ガスのH2比の調製方法として、外部装置からのH2供給により制御している。
【0046】
外部装置からのH2供給方法としては、水素吸蔵合金等を用いてあらかじめ水素貯蔵しておいたり、水素ボンベ等を用いる方法や、改質器を用いてガソリンあるいはメタノールなどから生成させる方法を用いることができる。
【0047】
H2の供給量のコントロールは、エンジンに入る吸入空気量、エンジン出口の排気ガスのA/F、NOx浄化触媒入口の排気ガスの温度等をモニターし、外部装置から排気通路内への供給パイプに配置した流量制御弁を用いて、流量制御を行なうことができる。
【0048】
排気通路内に配置したNOx浄化触媒としては、実施例1と同様にして調製した。
【0049】
(比較例1)
排気通路内のNOx制御触媒の前段に、通常用いられる三元触媒を配置したシステムとした。ここで用いたNOx浄化触媒の表層にはSO2分離層を設けない内層のNOx吸蔵触媒のみがコーティングされたNOx浄化触媒を用いる。
【0050】
三元触媒として、硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末1)を得た。この粉末のPd濃度は17.0重量%であった。
【0051】
硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末2)を得た。この粉末のRh濃度は3.0重量%であった。
【0052】
実施例1で用いた粉末1を190.7g、粉末2を54.0g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を506.3g、アルミナゾルを1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。さらに、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒を調製した。このときの貴金属量としては、パラジウム/ロジウムの比が20/1としてトータルの貴金属量が7g/Lになるようにした。
【0053】
(比較例2)
NOx浄化触媒の前段に、用いられる三元触媒は比較例1同様の三元触媒を配置したシステムとした。ここで用いたNOx浄化触媒の表層にはSO2分離層を設けた実施例1で用いたNOx浄化触媒を用いた。
【0054】
(比較例3)
NOx浄化触媒の前段に、用いられる三元触媒は実施例1同様の三元触媒を配置したシステムとした。ここで用いたNOx浄化触媒の表層にはSO2分離層を設けない比較例1で用いたNOx浄化触媒を用いた。
【0055】
<性能評価方法>
NOx吸蔵触媒を下記S被毒条件で被毒させた後、排気量1.8Lの直噴ガソリンエンジンを搭載した乗用車を用いて性能評価を行なった。
【0056】
(S被毒条件)
台上エンジンの排気中にNOx触媒を設置し、下記条件の排気に3時間さらす。
・使用ガソリン中S濃度:100ppm
・エンジン排気温度:350℃
・排気A/F:18.5(30sec)+A/F:11(2sec)
【0057】
表1に本発明による排気ガス浄化システムの一覧を、表2に本排気システムの評価結果を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、NOx吸蔵触媒の表層にSO2分離層を設けることにより、SO2が内層のNOx吸蔵触媒に付着させないようにすることでNOx吸蔵触媒のS被毒を防止することができ、また、SO2分離層を透過できる分子径の小さい還元剤としてのH2を多量にNOx吸蔵触媒に供給することでNOx浄化量の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による排気ガス浄化システムの実施例1および2の構成を示す図である。
【図2】 本発明による排気ガス浄化システムの実施例3の構成を示す図である。
【図3】 本発明による排気ガス浄化システムの実施例3の制御フローチャートである。
【図4】 本発明による排気ガス浄化システムの実施例4の構成を示す図である。
【図5】 空燃比の違いによる排出ガス成分の違いを示すグラフである。
Claims (4)
- 還元剤によりNOxを還元処理するNOx浄化触媒を内燃機関又は燃焼装置の排気通路に設置してなり、NOx浄化触媒の入口ガスを、ガス中のHCとO2とを反応させてHCの部分酸化物を生成させる手段とガス中のCOとH2Oとを反応させてH2を生成させる手段とを用いて制御された排気ガスのガス組成として、還元成分中におけるH2の濃度比率が0.3以上になるよう制御した排気ガス浄化システムであって、
前記NOx浄化触媒は、触媒表層にSO2分離層を設け、内層にNOx吸蔵触媒を設け、該触媒内層の上側に触媒表層を配置してなることを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 請求項1に記載の排気ガス浄化システムにおいて、
前記NOx浄化触媒は、その触媒表層に設けるSO2分離層が2オングストローム(Å)以上3.5オングストローム(Å)以下の細孔径を持つゼオライトおよび無機材からなり、分子径の大きいSO2は内層に到達できないが、分子径が3.5(Å)より小さいH2、NOxは内層に到達できる構造を持つことを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 請求項2に記載の排気ガス浄化システムにおいて、
前記NOx浄化触媒のSO2分離層は、A型、X型ゼオライト、フェリエライト、フィリップサイト、MFI、βゼオライトおよびこれらのゼオライトAg,P等の金属を添加することにより細孔径を2オングストローム(Å)以上3.5オングストローム(Å)以下にしたゼオライト群の中から少なくとも1種を用いて構成されたことを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 請求項3に記載の排気ガス浄化システムにおいて、
前記NOx浄化触媒の内層のNOx吸蔵触媒は、セシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタンおよびカルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素と、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素とを含み、金属元素の重量は0.1g/L〜50g/Lの範囲にあり、貴金属元素の重量は0.1g/L〜20g/Lの範囲にあることを特徴とする排気ガス浄化システム。
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