JP4125899B2 - N置換ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びn置換ヒドロキシルアミン誘導体の保存方法 - Google Patents
N置換ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びn置換ヒドロキシルアミン誘導体の保存方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及び保存方法、詳しくは、未精製のヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及び保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシルアミン誘導体は還元作用を有すること、種々の有機化合物と反応することから、その用途は多岐にわたり、例えば各種有機化合物の安定化、金属類の腐食防止、脱酸素剤、メッキ光沢剤あるいはレジスト剥離等の様々な工業分野で用いられている。
【0003】
一般的なヒドロキシルアミン誘導体は、例えば2級アミン化合物の酸化反応、置換又は無置換ヒドロキシルアミンのオレフィンへの付加反応等の方法で得ることができる。本来、上述したような効果を得るためには精製したヒドロキシルアミン誘導体を用いることが望ましい。広く用いられる精製方法としては、蒸留、再結晶、抽出、クロマトグラフィーによる分取若しくは精製容易な誘導体への誘導等があげられる。しかし、上述の方法により得られたヒドロキシルアミン誘導体は、(1)通常物性の良く似た副生成物(不純物)も多く含まれてしまい、その中でもヒドロキシル基やカルボキシル基等の置換基を有するものは沸点が無く、蒸留による精製は不可能であり、その他の誘導体でも、不純物の沸点と目的物の沸点とが近い場合が多く、温度差による精製が困難、(2)多くのヒドロキシルアミン誘導体はその物性として結晶化が難しく、結晶化する場合であっても不純物との溶解度差の大きい良好な再結晶溶媒がほとんど無いため不純物の除去は困難、(3)カラムクロマトグラフィーを用いた化学吸着も目的物と不純物とで近似しており、精製が困難、(4)精製しやすい結晶性の誘導体の合成は困難、であることから精製が困難なものが多い。
【0004】
しかし、一方、未精製であっても、還元能においては精製物同様の効果を得ることができ、逆に精製工程を省略できるのでコストも抑えることができるという利点があり、そのため未精製品であっても使用の希望が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら未精製のヒドロキシルアミン誘導体を使用した場合、時間が経過するにつれて変色し、やがて暗褐色に着色してしまうという問題がある。精製、未精製に関わらずヒドロキシルアミン及びその誘導体は酸化されやすいため、保存及び流通時には空気の出入りを遮断した密閉容器で貯蔵するようになっている。こうすることで空気酸化による変質を防ぐことができる。しかし、酸素を遮断した密閉状態でも着色は起こり、特に未精製のヒドロキシルアミン誘導体の場合には、この経時変化としての着色が著しい。このような場合、酸化と異なり品質自体には何の問題も生じないが、外見上酸化による着色と混同されることが多く商品価値が下がってしまうという問題もある。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ヒドロキシルアミン誘導体の経時変化による着色、特に未精製ヒドロキシルアミン誘導体の酸素非存在下における経時変化による着色を抑えることができるヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びヒドロキシルアミン誘導体の安定化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段により上記目的を達成した。
【0008】
すなわち本発明は、下記化合物群〔A〕の少なくとも1種類の化合物からなるヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤に関する。
【0009】
化合物群〔A〕
(a)下記一般式〔I〕で表される数平均分子量300〜600000のポリエチレンイミン
(b)下記一般式〔II〕で表される化合物
(c)下記一般式〔III〕で表される化合物
【化3】
【0010】
上記〔I〕中、AはH又は下記式で表され、
【化4】
【0011】
A´はHまたはAを表す。また、mは1以上の整数を示す。
【0012】
上記〔II〕中、R1〜R3は各々独立して(i)水素原子、(ii)アルキル基で置換されても良いアミノ基、及び(iii)アルキル基からなる群から選択され、アルキル基の場合、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基若しくはアルコキシ基で置換されていてもよい。ただし、R1、R2及びR3が同時に水素原子となることはない。また、R1〜R3のうちの任意の二つは共同で環を形成しても良い。
【0013】
上記〔III〕中、R1〜R5は各々独立して水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基の場合、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基若しくはホスホノ基で置換されていても良い。また、L1及びL2は各々独立してアルキレン基を示す。nは0〜5の整数を示す。
【0014】
また、前記(b)の化合物において、R1とR2がともにヒドロキシル基で置換されているアルキル基であって、該アルキル基の炭素数は3以上であることが好ましい。
【0015】
また、前記(c)の化合物において、L1、L2は各々独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、n=0〜5であることが好ましい。
【0016】
また、前記(c)の化合物において、n=0であることが好ましい。
【0017】
また、前記(c)の化合物において、n=1以上且つR1〜5が水素原子であることが好ましい。
【0018】
また、前記ヒドロキシルアミン誘導体が未精製であることを特徴とする。
【0019】
本発明のヒドロキシルアミン誘導体の保存方法は、前記化合物群[A]をヒドロキシルアミン誘導体と共存させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のヒドロキシルアミン誘導体の保存方法は、密閉容器中で前記化合物群[A]をヒドロキシルアミン誘導体と共存させることを特徴とする。
【0021】
本発明のヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤は、前記化合物群[A]のうち、少なくとも1種類の化合物からなるヒドロキシルアミン誘導体の着色防止剤であることを特徴としている。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
まず、本発明の安定化剤について説明する。
【0023】
本発明の安定化剤は、上記化合物群[A]のうち少なくとも一つを含む。
<(a)一般式[I]で表されるポリエチレンイミン>本発明に用いられるポリエチレンイミンの構造は、以下に示す高分子化合物である。
【0024】
【化5】
【0025】
上記〔I〕中、AはH又は下記式で表され、
【化6】
【0026】
A´はHまたはAを表す。mは1以上の整数を示す。
【0027】
本発明のポリエチレンイミンの具体例としては、(1)線状構造及び(2)網目状構造のポリエチレンイミンを使用できる。(1)、(2)共通の数平均分子量範囲は300〜600000である。(1)は下記式で表される構造をしており、n=6〜15,000である。
【0028】
【化7】
【0029】
また、(2)は下記構成単位A,B,Cからなり、1級、2級及び3級アミンを含む分岐構造をとる。
【0030】
【化8】
【0031】
上記式中、A:B:C=1〜4:3〜7:1〜4であり、好ましくは1:1.5〜3:0.5〜2である。
【0032】
また、(2)のポリエチレンイミンは1級、2級及び3級アミンのおおよその比率は、25%/50%/25%(1H−NMRより)であることがより好ましい。
【0033】
本発明にかかるポリエチレンイミンの例としては、数平均分子量300(a−1)、1800(a−2)、10000(a−3)、70000(a−4)及び600000(a−5)のもの等があげられるが、なかでも数平均分子量300〜10000のものが好ましい。
【0034】
<(b)一般式〔II〕に表される化合物>
本発明で用いられる化合物(b)の構造は以下の一般式〔II〕に示す通りである。
【0035】
【化9】
【0036】
上記〔II〕中、R1〜R3は各々独立して(i)水素原子、(ii)アルキル基で置換されても良いアミノ基、及び(iii)アルキル基からなる群から選択され、アルキル基の場合はカルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基若しくはアルコキシ基で置換されていても良い。また、R1、R2及びR3が同時に水素原子となることはない。また、R1〜R3のうちの任意の二つは共同で環を形成しても良い。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは1〜4である。
【0037】
これらのうち、好ましい例として、R1〜R3のうち少なくとも一つが水素原子のものがあげられる。より好ましくはR1とR2がともにヒドロキシル基で置換されているアルキル基であって、該アルキル基の炭素数は3以上であるものがあげられる。
【0038】
このような例としては以下の化合物があげられる。
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
このうち特に好ましい化合物として、b−6、b−8、b−9、b−10があげられる。
【0042】
また、他の好ましい例として、R1〜R3がいずれも(iii)アルキル基であるものがあげられる。このような化合物としては、以下のものが例示できる。
【0043】
【化12】
【0044】
<(c)一般式〔III〕で表される化合物>
本発明で用いられる化合物(c)は一般式〔III〕で表される化合物である。
【0045】
【化13】
【0046】
R1〜R5は各々独立して水素原子、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基を表す。L1及びL2は各々独立してアルキレン基、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。nは0〜5の整数を示す。
【0047】
このような例としては以下の化合物があげられる。
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
これらのうち、好ましいものとしてはn=0のものをあげることができる。その場合、更にL2がエチレン基であり、R1〜5中のカルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基及びアミノアルキル基におけるアルキル基の炭素数が1又は2であることが好ましい。
【0052】
また、このような化合物のうち、R1〜R4全てカルボキシメチル基であるものが好ましい。
【0053】
このような例としてはc−3が上げられる
また、上記の例において更に好ましいものとしてはR1〜R4が水素原子:アミノエチル基=1:1であることがあげられる。
【0054】
このような例としてはc−12があげられる。
【0055】
また、より好ましいものとしては、R1〜R4が、カルボキシメチル基:ヒドロキシエチル基=3:1であることが良い。
【0056】
このような例としては上述したもののうち、c−4があげられる。
【0057】
上記化合物はヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸であり、市販品として入手することが可能である。
【0058】
また、化合物(c)の他の好ましい例として、n=1以上且つR1〜5が水素原子である物があげられる。L1及びL2がエチレン基であることが更に好ましい。
【0059】
このような例としてはc−8,c−9、c−10、c−11があげられる。
【0060】
本発明の上記安定剤は、ヒドロキシルアミン誘導体と共存させることにより該誘導体を安定化させ、着色を防止することができる。
【0061】
特に、未精製のヒドロキシルアミン誘導体を用いる場合、経時変化によりヒドロキシルアミン誘導体を含む処理液が着色してしまう。本発明の安定化剤を適用することにより、このような着色を防止することができる。未精製の程度は限定されないが、不純物成分3%以上、より具体的には10%以上のものについて効果が著しい。
【0062】
このような本発明の効果を発揮できるヒドロキシルアミン誘導体としては、特にN置換誘導体があげられる。より具体的には以下のA〜Eのいずれかの方法で合成された未精製の反応生成物があげられるが、これらに限定されるものではない。
A 2級アミン化合物の酸化反応
B ハロゲン化アルキル化合物と、置換又は無置換ヒドロキシルアミンとの脱ハロゲン化水素反応
C 置換又は無置換ヒドロキシルアミンのオレフィンへの付加反応
D 置換又は無置換ヒドロキシルアミンのエポキシ化合物、ラクトン化合物若しくはスルトン化合物等への開環付加反応
E アミンオキシド化合物の熱分解反応
上記方法の詳細は、例えば下記資料中に記載されている。
【0063】
"AC.Cope et al.,JACS,79,964(1957)","Dunstan, Goulding,JCS,75,800(1899)","Dunstan,Goulding,JCS,75,1009(1899)","Harries, Haarmann, Ber., 37,255(1904) DP 1 159 634","大有機化学(朝倉書店),2,348(1957)"
上記の方法で合成されたN置換ヒドロキシルアミン誘導体の例としては以下のようなものがあげられる。
【0064】
A
【化17】
【0065】
B
【化18】
【0066】
C
【化19】
【0067】
D
【化20】
【0068】
E
【化21】
【0069】
本発明の安定化方法は、本発明に係る安定化剤をヒドロキシルアミン誘導体に対して共存させるというものであり、0.2〜100wt%共存させることが好ましい。これにより、より良好な安定化効果が認められる。
【0070】
本発明の具体的な使用形態としては、通常は、ヒドロキシルアミン誘導体と本発明の安定化剤を直接混合させるか、ヒドロキシルアミン誘導体を含む液体に本発明の安定化剤を混合させれば良い。
【0071】
上述したような、本発明の安定化剤は、酸素遮断下の密閉状態におけるヒドロキシルアミン誘導体の着色防止に特に効果がある。よって、密閉保存下でも着色が進行してしまうヒドロキシルアミン誘導体の保存に好適に用いられる。
【0072】
すなわちヒドロキシルアミン誘導体を保存する際に、本発明に係る安定化剤をヒドロキシルアミン誘導体に対して好ましくは0.2〜100wt%共存させることにより、ヒドロキシルアミン誘導体の着色が防止され、ヒドロキシルアミン誘導体を安定して保存することができる。
【0073】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
[N置換ヒドロキシルアミンの合成例]
[合成例1]
ジエタノールアミン105gを水400gに溶解し、60℃攪拌下35%−過酸化水素水78gを60分間で滴下した。60℃で更に1時間反応後、全量を151gまで濃縮した。得られた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の測定、マススペクトルの結果から例示化合物−2を40%含有することを確認した。
【0075】
[合成例2]
水200gに水酸化カリウム40g、アクリル酸72gを溶解し、室温下、50%−フリーヒドロキシルアミン33gをゆっくり加える。更に室温下10時間攪拌し、析出成分を濾別乾燥した。得られた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の測定、マススペクトルの結果から、例示化合物−10を80%含有することを確認した。
【0076】
[合成例3]
水200gに1−クロロ−2−プロパノール94.5g、50%−フリーヒドロキシルアミン33gを加え、40℃攪拌下、40%−NaOHを60分間で滴下した。全量を215gまで濃縮し、析出した塩化ナトリウムを濾別した。得られた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の測定、マススペクトルの結果から、例示化合物−17を64%含有することを確認した。
【0077】
[合成例4]
水200gにグリシジルメチルエーテル88gを溶解し、50℃攪拌下、50%−フリーヒドロキシルアミン33gを60分間滴下した。60℃で更に3時間反応後、全量を110gまで濃縮した。得られた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の測定、マススペクトルの結果から、例示化合物−12、13、14の混合物を85%含有することを確認した。例示化合物−12、13、14の含有比率は5:4:1であった。
【0078】
[合成例5]
水200gにエチレングリコールジグリシジルエーテル87gを溶解し、50℃攪拌下、50%−フリーヒドロキシルアミン33gを60分間で滴下した。60℃で更に3時間反応後、全量を130gまで濃縮した。得られた反応物は粘稠液体で、セリウム(IV)による還元物質量の測定、IRスペクトルの結果から例示化合物−16を87%含有することを確認した。
【0079】
以上の合成により入手した例示化合物を用いて以下の試験をおこなった。(合成例4で得られた化合物は化合物−12として使用した)
[実施例1:ヒドロキシルアミン誘導体の安定化試験]
<サンプルの作成>
ヒドロキシルアミン誘導体(有効成分として)20gへ下記表1に示すように安定化剤を各々添加し、硫酸又は水酸化カリウムを用いてpHを一律10.5に調整し、水を加えて総量を100mlとした。作成後サンプルは100mlガラス瓶に入れた。
【0080】
<試験方法>
瓶に入れたサンプルを、恒温恒湿槽EX−111型(タバイエスペック製)を用いて以下の条件で試験を行った。
【0081】
<試験条件>
1.密閉/加熱:サンプル瓶を密閉し、酸素遮断下120時間50℃で加熱した。
2.開放/加熱:サンプル瓶を開放したまま(酸素存在下)、120時間50℃で加熱した。
3.密閉/室温:サンプル瓶を密閉し、酸素遮断下50日間室温に置いた。
【0082】
なお、条件2に関してはヒドロキシルアミン誘導体が還元性物質であり、酸化によっても着色がおきることから、本実験の着色がヒドロキシルアミン誘導体自身の酸化によるものかどうかを調べるために行った。更に、酸化による着色の場合は酸化防止剤を添加することにより防止されるため、比較例として一般的な酸化防止剤(亜硫酸及びハイドロキノン)を添加する実験も行った。
【0083】
<サンプルの評価>
保存の前後に10mmのガラスセルを用いて、日立分光光度計U−3200型により500nmの透過率を測定し、着色の進行度を比較した。
この実験の結果で透過率が70%以上であれば、そのヒドロキシルアミン誘導体の商品価値は維持されることになる。
【0084】
<結果>
試験結果を以下の表に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
本発明に係る安定化剤を少なくとも1種類添加することにより、経時による着色の進行を抑えることが確認された。一方、本発明の安定化剤を添加していないサンプルでは、着色が激しく商品価値が低下する結果となった。また、未精製のヒドロキシルアミン誘導体に対し、精製された市販のヒドロキシルアミン誘導体は着色の進行は遅く実用上ほとんど問題にならない程度であるが、実験No.1,2では本発明の安定化剤を添加することで更に着色の進行が抑制されることが確認された。
【0087】
ヒドロキシルアミン誘導体が還元性物質であることから、着色現象がヒドロキシルアミン誘導体の酸化によるものかどうか密閉系と開放系のサンプル(No.14、15)で着色の進み具合を比較した。この結果、密閉系サンプルも開放系サンプルも同等に激しく着色が進んだことから、ヒドロキシルアミン誘導体の経時での着色の進行はヒドロキシルアミン誘導体が酸化を受けなくても生じる現象であることがわかった。更に、No.16、17では、本発明の安定化剤に代えて一般的な酸化防止剤である亜硫酸とハイドロキノンを添加したが、着色防止の効果は得られなかった。これらの結果から、本実験での着色は酸化によるものではないということが確認された。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の安定化剤、安定化方法を用いることにより、ヒドロキシルアミン誘導体の安定性を向上することが可能となり、経時による着色を防止することができ、精製、未精製を問わず効果があるが、特に未精製のヒドロキシルアミン誘導体でその効果は顕著に認められる。
Claims (5)
- N置換ヒドロキシルアミン誘導体の着色防止剤である、請求項1記載のN置換ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤。
- 前記N置換ヒドロキシルアミン誘導体が3%以上の不純物成分を含む未精製N置換ヒドロキシルアミン誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載のN置換ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定化剤をN置換ヒドロキシルアミン誘導体と共存させることを特徴とするN置換ヒドロキシルアミン誘導体の保存方法。
- N置換ヒドロキシルアミン誘導体を密閉状態で保存することを特徴とする請求項4に記載のN置換ヒドロキシルアミン誘導体の保存方法。
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