JP4125202B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスク用スピンドルモータなどに使用される流体軸受装置に関する。
近年のハードディスクの高容量化に伴い、ハードディスクのスピンドルモータなどに用いられている軸受装置として、従来用いられた玉軸受装置に代わって、玉軸受装置よりも回転精度が優れ、しかも静音性にも優れている流体軸受装置が多く用いられつつある。この種の流体軸受装置としては、特許文献1などにも開示されているように、片側が密閉された片持ちタイプで、シャフトとこのシャフトが挿入されているスリーブとの間に潤滑油などからなる作動流体を充填した流体軸受装置が近年においては主流である。
この流体軸受装置は、図7に示すように、一方側がスラストプレート1により密閉され、他方側が開口されるスリーブ2内の空間に、固定ねじ15により円盤形状のスラストフランジ3が取り付けられたシャフト4を、そのスラストフランジ3がスラストプレート1に対向する姿勢で挿入させて配置し、それぞれ互いに対向する、シャフト4とスリーブ2との間、スラストプレート1とスラストフランジ3との間、およびスラストフランジ3とスリーブ2との間にかけて、潤滑油などからなる作動流体5を充填させている。これにより、作動流体5を介してシャフト4とスリーブ2とを互いに相対的に回転自在に配置している。また、シャフト4とスリーブ2とが対向する少なくとも何れかの面(例えばスリーブ2側)に動圧発生溝を形成してラジアル軸受6を設け、スラストプレート1とスラストフランジ3とが対向する少なくとも何れかの面に動圧発生溝を形成してスラストメイン軸受7を設け、スラストフランジ3とスリーブ2とが対向する少なくとも何れかの面に動圧発生溝を形成してスラストサブ軸受8を設けている。
なお、図7に示すように、この流体軸受装置が設けられているスピンドルモータにおいては、所定位置に固定されているベース11にスリーブ2が嵌合されて固定され、ベース11にはコア12が取り付けられている。また、シャフト4にはハブ13が取り付けられ、このハブ13には、コア12と対向するようにマグネット14が取り付けられている。
ここで、各動圧発生溝は、例えば、図8に示すような、ヘリングボーン形状とされている。また、ラジアル軸受6については、例えば、スリーブ2の開口部9に近い箇所とスラストフランジ3に近い箇所との2箇所に形成されている。さらに、スラストサブ軸受8におけるスラストフランジ3とスリーブ2との対向部分は、図9において簡略的に示すように、各面がシャフト4の軸心Oに対してほぼ直交し、これらの間の間隔L0がほぼ一定となる平面形状に形成されている。また、スラストサブ軸受8におけるヘリングボーン形状の動圧発生溝は、図10に示すように、内周側溝形状部8aと外周側溝形状部8bとが形状折り返し点8cにて屈曲されたような形状の溝の集まりとされ、内周側溝形状部8aにより作動流体5を内周側から外周側へ移動させる流れと、外周側溝形状部8bにより作動流体を外周側から内周側へ移動させる流れとが、ほぼ等しくなるように、その形状折り返し点8c間の直径Cに対する位置が設定されている。
シャフト4とスリーブ2との間に充填された作動流体5は、表面張力によってスリーブ2内部に保持されているが、動圧流体軸受装置の回転駆動により作動流体5が開口部9側から飛散したり滲み出したりすると、動圧流体軸受装置の回転不良や外部への汚染を生じるため、好ましくない。
このような不具合を防止する方法として、図8に示すように、開口部9に近い側のラジアル軸受6に形成された動圧発生溝(図8においては、スリーブ2の内面に形成された動圧発生溝の場合を示す)を、作動流体5を開口部9側からスラストプレート1などが配設された閉鎖部10側へ移動させるように作用する動圧発生溝部6aの形成寸法Aを、閉鎖部10側から開口部9側へ移動させるように作用する動圧発生溝部6bの形成寸法Bよりも大きくなるように形成することが提案されている。この構造によれば、このラジアル軸受6の動圧発生溝6a、6bの面積差により、作動流体5を閉鎖部10側(スラストプレート1側)へ押し込む圧力が作用し(ポンプ作用と称す)、この結果、開口部9からの作動流体5の飛散や滲み出しを防止することができる。
なお、動圧発生溝の形状を工夫する技術としては、例えば特許文献2に、スラスト軸受の動圧発生溝を、中心側から外周側に近づくほど深くなるように形成して、動圧発生溝により発生するポンプ作用を増加させる構成が開示されている。
特開2001−274361号公報 特許第2781573号公報
しかしながら、上記したように、作動流体5を閉鎖部10側に積極的に送り込む構造を採用すると、開口部9から作動流体5が飛散したり滲み出したりすることを防止できる利点がある一方で、作動流体5が最終的に流れ込む閉鎖部10、すなわちスラストプレート1とスラストフランジ3との間の箇所での作動流体5の圧力を高める作用があるので、スラストメイン軸受7の浮上量が大きくなり、これによって、逆に、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなるおそれがある。
このように、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなると、スラストフランジ3とスリーブ2とが接触するおそれがある。スラストフランジ3とスリーブ2とが接触した場合には、スリーブ2に対するシャフト4の回転が不安定となる不具合を生じる。
また、上述したように、スラストサブ軸受8におけるスラストフランジ3とスリーブ2との対向部分は、これらの間の間隔L0がほぼ一定となる平面形状に形成されているが、製造誤差などにより、図11において誇張して示すように、スラストフランジ3とスリーブ2との対向する面が、スラストフランジ3やスリーブ2の内周側ほど離間距離L0が小さくなるように傾斜して形成されることがある。この場合には、スラストフランジ3やスリーブ2の内周側の間隔L1よりも外周側の間隔L2が広くなるので、このスラストサブ軸受8により、内周側箇所から外周側箇所へ向かう流れが生じてこの流れによる圧力がスラストメイン軸受7に作用し、この圧力によってスラストメイン軸受7での作動流体5の圧力がさらに高くなって浮上量が一層大きくなる。この結果、逆にスラストサブ軸受8での浮上量がさらに小さくなってしまい、この場合には、スラストフランジ3とスリーブ2とが接触する可能性がさらに高くなってしまう。
本発明は上記不具合や課題を解決するもので、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなることを抑制できて、スラストフランジとスリーブとが接触することを確実に防止できる流体軸受装置を提供することを目的とする。
上記不具合や課題を解決するために本発明の流体軸受装置は、一方側がスラストプレートにより密閉され、また他方側が開口したスリーブ前記スリーブ内の空間に挿入されて相対回転自在に配置されたスラストフランジが取り付けられたシャフトと、互いに対向する、前記シャフトと前記スリーブとの間、前記スラストプレートと前記スラストフランジとの間、および前記スラストフランジと前記スリーブとの間に充填された作動流体前記シャフトと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れかに、前記スラストプレートに向かって前記作動流体を押し込む流れを生じる動圧発生溝を形成したラジアル軸受前記スラストプレートと前記スラストフランジとの間の対向面の少なくとも何れかに動圧発生溝を形成しスラストメイン軸受前記スラストフランジと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れかに動圧発生溝を形成しスラストサブ軸受前記スラストサブ軸受の前記スラストフランジと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れか形成された内周側ほど前記スラストフランジと前記スリーブの離間距離が大きくなるような傾斜面備え、前記スラストサブ軸受の動圧発生溝または、前記傾斜面により前記スラストサブ軸受の前記作動流体には外周側から内周側へ向かう流れが形成されるとともに、前記傾斜面において、前記スリーブからの前記スラストフランジの浮上量が小さくなるほど、前記スラストフランジの外周側から内周側へ向かう流れがより大きくなることを特徴とする。
この構成により、スラストサブ軸受において傾斜面が形成されたスラストフランジとスリーブとが対向する箇所の離間間隔が、スラストフランジやスリーブの内周側ほど大きくなるので、この傾斜面が設けられている箇所において、狭い流路となっている外周側から広い流路となっている内周側へ作動流体が流れ込む流れが生じて、作動流体がスラストメイン軸受側からスラストサブ軸受内に流れ込み、この結果、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなることを抑制できて、スラストフランジとスリーブとが接触することを防止できる。
また、本発明の他の流体軸受装置は、前記スラストサブ軸受の動圧発生溝を、その内周側溝形状部により前記作動流体を前記スラストフランジ内周側から外周側へ移動させる流れよりも、外周側溝形状部により前記作動流体を前記スラストフランジの外周側から内周側へ移動させる流れが、大きくなる形状に形成したものである。
この構成によっても、スラストサブ軸受における動圧発生溝が設けられている箇所において、作動流体が前記スラストフランジの外周側から内周側へ流れ込む流れが生じて、作動流体がスラストメイン軸受側からスラストサブ軸受内に流れ込み、この結果、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなることを抑制できて、スラストフランジとスリーブとが接触することを防止できる。
上記構成によれば、スラストサブ軸受における傾斜面や動圧発生溝が設けられている箇所において、前記スラストフランジの外周側から内周側へ流れ込む流れが生じるので、作動流体がスラストメイン軸受側からスラストサブ軸受内に流れ込み、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなることを抑制できて、スラストフランジとスリーブとが接触して損傷することを防止できる。そして特に、スラストフランジにおけるスリーブと対向する面に、スラストフランジの内周側ほどスリーブからの離間距離が大きくなるような傾斜面を形成したり、スリーブにおけるスラストフランジと対向する面に、スリーブの内周側ほどスラストフランジからの離間距離が大きくなるような傾斜面を形成したりすることにより、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなるほど、スラストサブ軸受の傾斜面が形成された箇所において、最も外周側位置での通路断面積に対する内周側での通路断面積の比が大きくなり、狭い流路である外周側から広い流路である内周側へ流れ込む流れがより大きくなるので、スラストサブ軸受での浮上量が小さくなることを効果的に抑制できて、スラストフランジとスリーブとが接触することを一層確実に防止できる。これにより、スリーブに対するシャフトの回転が不安定となることがなくなり、信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、図10に示す流体軸受装置の構成要素と同様な機能のものには同符号を付してその説明は省略する。
この実施の形態の流体軸受装置においても、図8に示すように、開口部9に近い側のラジアル軸受6に形成された動圧発生溝が、作動流体5を開口部9側からスラストプレート1が設けられている閉鎖部10側へ移動させるように作用する動圧発生溝部6aの形成寸法Aが、作動流体5をスラストプレート1側から開口部9側へ移動させるように作用する動圧発生溝部6bの形成寸法Bよりも大きくなるように形成されている。これにより、このラジアル軸受6の動圧発生溝6a、6bの面積差で、作動流体5を、スラストプレート1などが設けられている閉鎖部10側へ押し込む圧力(ポンプ作用と称す)が作用し、この結果、開口部9からの作動流体5の飛散や滲み出しが防止されている。このように、この流体軸受装置においても、作動流体5を、外部に開口された開口部9側から、流路が閉じられた閉鎖部10側に送り込む送り込み手段が、ラジアル軸受6に形成された動圧発生溝により構成されている。
しかしながら、図10に示すような従来の流体軸受装置とは異なり、この流体軸受装置では、図1および図2において誇張して示すように、スラストサブ軸受8を構成するスラストフランジ3におけるスリーブ2と対向する面に、スラストフランジ3の内周側ほどスリーブ2からの離間距離Lが大きくなるような傾斜面3aを形成している。
また、図3に示すように、スラストフランジ3とスリーブ2とが対向する少なくとも何れかの面(例えばスラストフランジ3側の面)にヘリングボーン形状の動圧発生溝を形成してスラストサブ軸受8を設けているが、その内周側溝形状部8aにより作動流体5を内周側から外周側へ移動させる流れよりも、外周側溝形状部8bにより作動流体を外周側から内周側へ移動させる流れが、大きくなるように、その形状折り返し点8c間の直径Dに対する位置が設定されている。すなわち、図10に示すような、内周側溝形状部8aにより作動流体5を内周側から外周側へ移動させる流れと、外周側溝形状部8bにより作動流体を外周側から内周側へ移動させる流れとが、ほぼ等しくなるように、その形状折り返し点8c間の直径に対する位置が設定されている場合と比較して、この直径D(図10参照)よりも前記直径D(図3参照)が小さくなるように形成されている。したがって、例えばこの実施の形態では、その内周側溝形状部8aを形成している溝の長さよりも、外周側溝形状部8bを形成している溝の長さが、長くなるように形成されているが、これに限るものではなく、溝が形成される面積やその深さなどを調整してもよい。
ここで、例えば、外周直径約7mm、内周直径約4.5mmのスラストフランジ3においては、片側の傾斜量を1.5μmとすれば、極めて良好に内周側への流れを形成できるが、これに限るものではなく、例えば片側の傾斜量を0.5μm〜2.5μmとすればよく、外周直径や内周直径も前記値に限るものではないことはもちろんである。
また、スラストサブ軸受8の動圧発生溝における形状折り返し点8c間の直径Dが、前記直径C(その内周側溝形状部8aにより作動流体5を内周側から外周側へ移動させる流れと、外周側溝形状部8bにより作動流体を外周側から内周側へ移動させる流れとが、ほぼ等しくなる形状折り返し点8c間の直径)よりも例えば、0.2mm小さくなるように形成すれば、極めて良好に作動流体5の内周側への流れを形成できるが、これに限るものではない。
また、スラストフランジ3の傾斜面3aの形成手法としては、コイニングなどのプレス成形によればよいが、これに限るものではない。
上記構成によれば、スラストサブ軸受8において傾斜面3aが形成されたスラストフランジ3とスリーブ2とが対向する箇所の離間間隔Lが、スラストフランジ3やスリーブ2の内周側ほど大きくなるので、狭い流路である外周側から広い流路である内周側へ作動流体5が流れ込む流れが生じ、作動流体5がスラストメイン軸受7側からスラストサブ軸受8内に流れ込み、この結果、スラストメイン軸受7での浮上量が縮小しながらスラストサブ軸受8での浮上量が増加し、このようにしてスラストサブ軸受8での浮上量が小さくなることを抑制できる。
また、スラストサブ軸受8における動圧発生溝によっても、作動流体5を外周側から内周側へ移動させる流れが生じているので、これによっても、スラストサブ軸受8での浮上量をさらに拡大できる。
したがって、ラジアル軸受6に形成された動圧発生溝の作用により、作動流体5をスラストプレート1側に押し込んで作動流体5の飛散や滲み出しを積極的に抑える構造を採用することで、スラストプレート1とスラストフランジ3との間の箇所に流れ込む作動流体5の圧力が高くなる傾向を有する場合でも、スラストサブ軸受8での浮上量を良好に確保できる。
そして特に本発明によれば、スラストフランジ3におけるスリーブ2と対向する面に、スラストフランジ3の内周側ほどスリーブ2からの離間距離Lが大きくなるような傾斜面3aを形成したので、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなるほど、最も外周側位置での通路断面積に対する内周側での通路断面積の比が大きくなり、狭い流路である外周側から広い流路である内周側へ流れ込む流れがより大きくなるので、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなることを効果的に抑制できて、スラストフランジ3とスリーブ2とが接触することを一層確実に防止することができる。
この結果、スリーブ2に対するシャフト4の回転が不安定となったり、コア12への通電量を増加させなければならなかったりすることがなくなり、信頼性が向上する。
次に、図4は、本発明の他の実施の形態にかかる流体軸受装置のスラストフランジ3およびその近傍箇所を概略的に示すものである。この流体軸受装置においては、スラストサブ軸受8を構成するスラストフランジ3におけるスリーブ2と対向する面には傾斜面3aが形成されず、これに代えて、図4に示すように、スリーブ2におけるスラストフランジ3と対向する面に、スリーブ2の内周側ほどスラストフランジ3からの離間距離Lが大きくなるような傾斜面2aが形成されている。なお、この傾斜面2aは、上記実施の形態1における傾斜面3aとほぼ同様の傾斜角度に形成されている。なお、この実施の形態2のスラストサブ軸受8におけるヘリングボーン形状も、上記実施の形態1と同様とされている。
この実施の形態2によっても、スラストサブ軸受8において傾斜面2aが形成されたスラストフランジ3とスリーブ2とが対向する箇所の離間間隔Lが、スラストフランジ3やスリーブ2の内周側ほど大きくなるので、スラストサブ軸受8の箇所において狭い流路である外周側から広い流路である内周側へ作動流体5が流れ込む流れが生じ、この結果、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなることを抑制できる。また、この構成によっても、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなるほど、最も外周側位置での通路断面積に対する内周側での通路断面積の比が大きくなり、外周側から内周側へ流れ込む流れ(狭い流路から広い流路へ流れ込もうとする流れ)がより大きくなるので、スラストサブ軸受8での浮上量が小さくなることを効果的に抑制できて、スラストフランジ3とスリーブ2とが接触することを一層確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態1、2では、何れの場合も、スラストサブ軸受8におけるヘリングボーン形状の動圧発生溝を、その内周側溝形状部8aにより作動流体5を内周側から外周側へ移動させる流れよりも、外周側溝形状部8bにより作動流体を外周側から内周側へ移動させる流れが、大きくなるように形成されている場合を述べた。この場合には、傾斜面2aまたは傾斜面3aによる作用に加えて、前記動圧発生溝による作用により、スラストサブ軸受8における作動流体5の外周側から内周側への流れを形成できて浮上量を良好に確保できる利点がある。この場合に、傾斜面2aまたは傾斜面3aによる作用では、浮上量が少ないほど前記作用(浮上量調整効果)を強めることができる一方、前記動圧発生溝による作用では、浮上量にあまり関わることなく外周側から内周側への流れを一定量増加させるように形成できるので、これらの性質を利用して、適した勾配の傾斜面2a、3aと、適した形状の動圧発生溝とを最適な値で組み合わせて用いると、極めて最適な浮上量に調整できる効果を得ることができる。しかし、これに限るものではなく、傾斜面2a、3aまたは前記動圧発生溝の何れかの構成だけを採用しても効果を有することはもちろんである。
また、図5、図6に示すように、スリーブ2の傾斜面2aとスラストフランジ3の傾斜面3aとの両方の構成を採用したり、さらにこれらの構成に加えて前記動圧発生溝の構成を組み合わせたりしてもよい。なお、図5においては、スラストフランジ3とスリーブ2との対向する面それぞれに、シャフト4の軸心0に直交する面Mに対して、それぞれ内周側ほど離間するように傾斜する傾斜面2a、3aを形成した場合を示し、この場合には、傾斜角度を、図2や図4に示す場合の傾斜角度と比較してそれぞれほぼ半減させることが望ましい。また、図6においては、シャフト4の軸心Oに直交する面Nに対して、一方の傾斜面3aが内周側ほど離間するように大きく傾斜し、他方の傾斜面2aが外周側ほど離間するように小さく傾斜し、この結果、これらの傾斜面2a、3a間の離間距離がスラストフランジ3やスリーブ2の内周側ほど大きくなるように形成されている場合を示す。
また、何れの場合も、傾斜面2a、3aは、スラストフランジ3とスリーブ2との対向面の全面に設けなくてもよく、その一部(外周寄り側や内周寄り側や中間部など)に設けるだけでも効果がある。また、傾斜面2a、3aの形状も、一律な勾配の直線断面形状に限るものではなく、湾曲面やその他の形状でもよい。
さらに、上記実施の形態1、2においては、ラジアル軸受6の動圧発生溝6a、6bの寸法差や面積差で、作動流体5をスラストフランジ3側へ押し込む圧力を作用させて、開口部9からの作動流体5の飛散や滲み出しを防止した場合を述べたが、これに限るものではなく、別途構成により、作動流体5をスラストフランジ3側へ押し込むポンプ作用を生じさせたものにも適用可能である。
本発明の流体軸受装置は、ハードディスク用スピンドルモータに適しているが、この他
、光ディスク駆動装置、ビデオテープレコーダ等の各種のモータなどの軸受けに対して有用である。
本発明の実施の形態にかかる流体軸受装置の断面図 同流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図 同流体軸受装置のスラストサブ軸受における動圧発生溝を示す平面図 本発明の他の実施の形態にかかる流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図 本発明のその他の実施の形態にかかる流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図 本発明のさらに他の実施の形態にかかる流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図 従来の流体軸受装置の断面図 ラジアル軸受の要部拡大図 従来の流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図 同従来の流体軸受装置のスラストサブ軸受における動圧発生溝を示す平面図 他の従来の流体軸受装置のスラストサブ軸受およびその近傍箇所を簡略的に示す断面図
符号の説明
1 スラストプレート
2 スリーブ
2a、3a 傾斜面
3 スラストフランジ
4 シャフト
5 作動流体
6 ラジアル軸受
6a、6b 動圧発生溝部
7 スラストメイン軸受
8 スラストサブ軸受
8a 内周側溝形状部
8b 外周側溝形状部
8c 形状折り返し点
9 開口部
10 閉鎖部

Claims (3)

  1. 一方側がスラストプレートにより密閉され、また他方側が開口したスリーブ
    前記スリーブ内の空間に挿入されて相対回転自在に配置されたスラストフランジが取り付けられたシャフトと、
    互いに対向する、前記シャフトと前記スリーブとの間、前記スラストプレートと前記スラストフランジとの間、および前記スラストフランジと前記スリーブとの間に充填された作動流体
    前記シャフトと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れかに、前記スラストプレートに向かって前記作動流体を押し込む流れを生じる動圧発生溝を形成したラジアル軸受
    前記スラストプレートと前記スラストフランジとの間の対向面の少なくとも何れかに動圧発生溝を形成しスラストメイン軸受
    前記スラストフランジと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れかに動圧発生溝を形成しスラストサブ軸受
    前記スラストサブ軸受の前記スラストフランジと前記スリーブとの間の対向面の少なくとも何れか形成された内周側ほど前記スラストフランジと前記スリーブの離間距離が大きくなるような傾斜面備え、
    前記スラストサブ軸受の動圧発生溝または、前記傾斜面により前記スラストサブ軸受の前記作動流体には外周側から内周側へ向かう流れが形成されるとともに、
    前記傾斜面において、前記スリーブからの前記スラストフランジの浮上量が小さくなるほど、前記スラストフランジの外周側から内周側へ向かう流れがより大きくなることを特徴とした流体軸受装置。
  2. 前記傾斜面の傾斜量は、0.5〜2.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受装置。
  3. 前記スラストサブ軸受の動圧発生溝を、その内周側溝形状部により前記作動流体を前記スラストフランジ内周側から外周側へ移動させる流れよりも、外周側溝形状部により前記作動流体を前記スラストフランジの外周側から内周側へ移動させる流れが、大きくなる形状に形成した請求項1または2に記載の流体軸受装置。
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