JP4078628B2 - ポンプインポンプアウト判定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプインポンプアウト判定方法に係り、ラジアル及びスラスト動圧軸受を使用した、例えば、ハードディスクドライブ(以下HDD)用のスピンドルモータに適用でき、特に、潤滑油の流出を防止する信頼性の高い動圧軸受に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の機器の一層の小形化、高容量化により、それらに組み込まれるHDD用のスピンドルモータについても、一層の小形化、高精度化が要請されてきている。そしてそれに伴い、この種のスピンドルモータの軸受についても一層の小形化、高精度化が要求されてきている。
【0003】
従来、スピンドルモータに用いる軸受としては、玉軸受が多く採用されている。ところが、スピンドルモータの小形化、特に小外径化が進行すると、それに見合う小外径の玉軸受を用いたのでは、モータ組立時に内外輪の変形が生じ易いこと等により、十分な回転精度を実現することが実際上困難なものとなりがちである。また、騒音や振動の問題も起こり易い。
【0004】
HDD用のスピンドルモータの場合、小外径化に伴い高速回転が要求されるので、これらの問題が一層助長される。さらに、外径の大小にかかわらず、玉軸受の精度には限界があり、要求仕様を満足しない場合が考えられる。
【0005】
そのため、主として小形のスピンドルモータとして、ロータハブ部の基部の内周側に回転スリーブ部を有し、その回転スリーブ部が固定支柱部に外嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジアル軸受が構成されているスピンドルモータが提案されている。
【0006】
ところが、回転駆動される記録媒体面上に磁気ヘッド等をミクロン或はサブミクロンオーダで浮上させて読み/書きを行うためのHDD用のスピンドルモータにおいては、ロータの軸線方向の変位も十分に小さく抑えねばならず、また、軸受の潤滑剤が飛散して記録媒体面等を汚損するおそれがあるので、それを効果的に防がなければならない。
【0007】
ここで、従来技術になる動圧軸受を使用したHDD用のスピンドルモータについて概説する。図6は動圧軸受を使用したHDD用のスピンドルモータ30の縦断面図である。図6中、1は基部となるモータベース、2は、前記したモータベース1の中央に固定され軸受部材を構成する筒状のスリーブ6の図示しない挿通孔に軸心を上下に向けて挿通されたシャフト、3,4は、前記した筒状のスリーブ6の内側の上下に設けられラジアル軸受を構成する動圧溝部、5は、中央部の貫通孔5aに前記したシャフト2を固定したハブであり、このハブ5は、下端の一側にリング状磁石12を固着したヨーク13を固定している。
【0008】
6は前記したモータベース1に固着された筒状のスリーブ、7は、前記したシャフト2の下端側で、かつ、前記したスリーブ6の下端に取付けられたスラスト軸受を構成するスラストプレート、8は、後に詳述する前記したスラストプレート7の上側で、前記したシャフト2と一体的に形成した動圧スラスト軸受を構成するフランジである。以下、このフランジ8について具体的に説明すると、このフランジ8は銅系の材料で、中央には貫通孔(図示せず)を有して円盤状に形成してあり、前記貫通孔にシャフト2の下端を圧入嵌合あるいは貫通した後にこれと接着剤にて接着することにより、シャフト2と一体化される。
【0009】
また、基部となるモータベース1側には、コイル11を巻回したコア10が、前記したリング状磁石12と所定間隔を持って固定されている。なお、15はステータ、16はロータ、30は前記したHDD用スピンドルモータである。
【0010】
すなわち、HDD用スピンドルモータ30を構成するステータ15としては、前記した基部となるモータベース1と、このモータベース1に固定されたコイル11と、このコイル11を巻回したコア10と、同じくモータベース1に固着されたスリーブ6とからなる。
【0011】
前記したステータ15に対向して回転自在に配置されるロータ16としては、シャフト2と、このシャフト2を固着したハブ5と、このハブ5の下端の一側で、その内側にリング状磁石12を固着したヨーク13とからなる。そして、前記したロータ16を構成するシャフト2は、前記した如くモータベース1の中央に固定された筒状のスリーブ6内に回転自在に軸支されている。
【0012】
前記したモータベース1は、アルミあるいはアルミ合金で形成され、また、前記したシャフト2はステンレス系材料で形成されている。なお、ハブ5の外周部は、図示しないがデータを記録するためのハードディスク(以下、HDと記す)が装着できる構造となっている。
【0013】
ここで、ラジアル動圧軸受部について、概説する。筒状のスリーブ6内において、ラジアル方向の動圧を発生するラジアル動圧軸受部は、シャフト2とスリーブ6とから構成される。スリーブ6の内周面には、この内周面に挿入され回転自在に軸支されるシャフト2の外周面に近接対向する内周面の軸方向上下2個所に、動圧溝部3、4が環状に形成されている。この動圧溝部3、4にはへリングボーン(魚骨)状の動圧溝がそれぞれ横向きで環状に形成されている。
【0014】
一方、シャフト2の外周面には、前記した動圧溝部3、4のそれぞれに近接対向する2つの第1のシャフト部分2a,2bと、これら2つの第1のシャフト部分2a,2bに挟まれる第2のシャフト部分2cとが設けられており、これら第1、第2のシャフト部分2a,2b及び2cのそれぞれのシャフト径は、第1のシャフト部分の径2a,2b>第2のシャフト部分の径2cに設定してある。
【0015】
また、スリーブ6内には、このスリーブ6の内周面とシャフト2の外周面とで成す間隙に、粘性を有する潤滑油が充填されている。この間隙に充填されている潤滑油は、ラジアル動圧溝部3、4間と前記したフランジ8、スラストプレート7等で構成されるスラスト動圧軸受間を流動可能としてある。前記した構造のラジアル動圧軸受部においては、シャフト2の回転時にスリーブ6の動圧溝部3、4及び潤滑油によって、ラジアル方向の動圧が発生する。このラジアル方向の動圧はシャフト2の外周面全体に均等な押圧力として印加される。
【0016】
シャフト2の外周面への前記した押圧力によって、シャフト2は、スリーブ6内において安定した回転を常時維持することができる。なお、前記した動圧溝部3、4はスリーブ6内に設けずにシャフト2の外周面に同様に環状に形成しても、前記したラジアル方向の動圧を発生することができることは勿論である。この図6では、説明の便宜上、動圧溝部3、4はシャフト2に形成したものとして図示してある。
【0017】
次に、スラスト動圧軸受部について、概説する。前記したラジアル動圧軸受部に対する一のスラスト動圧軸受部は、シャフト2の下端周面に固定又はシャフト2と一体的に形成されたフランジ8の上面8aとスリーブ6の端面(後述する一段深い凹部)6aとから構成される。前記したフランジ8の上下両平面8a、8b上には、へリングボーン状の動圧溝(図示せず)がそれぞれ形成されている。
【0018】
前記したスリーブ6の内周下面には、深さが異なった同心円状の2段の段差6a、6bが形成されている。この段差のうち内周側の一段深い凹部6aには、前記したシャフト2と一体化されたフランジ8が嵌合される。一方、この段差のうち外周側の一段浅い凹部6bには、後述する他のスラスト動圧軸受部を構成するスラストプレート7が圧入嵌合されて、このスラストプレート7によりスリーブ6の内周下面を封止する。
【0019】
スラストプレート7によって封止されたスリーブ6の内周下面には、フランジ8と一体化したシャフト2が回転可能なように軸支されている。このスラストプレート7で封止されたスリーブ6の内周下面には、シャフト2の外周面に固定されたフランジ8とスラストプレート7との間で形成される間隙に潤滑油が充填されている。
【0020】
前記した構造のスラスト動圧軸受部においては、シャフト2の回転時に、フランジ8に近接対向するスリーブ6の内周面6aと、前記したフランジ8の上下両平面8a、8bに設けられた図示しない2つのへリングボーン状の動圧溝と、スラストプレート7の上面と、潤滑油とによってスラスト方向の動圧が発生する。この結果、シャフト2が回転しない場合には、シャフト2の下端及びフランジ8の下面8bはスラストプレート7の上面に当接係止され、またシャフト2が回転している場合には、シャフト2の下端及びフランジ8の下面8bはスラストプレート7の上面から離脱する。
【0021】
このスラスト方向の動圧は、シャフト2と一体化したフランジ8の上下両平面8a、8bに対して、それぞれ互いに異なる押圧方向でかつ均等な押圧力として印加される。
【0022】
具体的には、このスラスト方向の動圧は、フランジ8の上面8aにある動圧溝によりロータ16(シャフト2)を下方に押し下げる方向に発生する動圧と、フランジ8の下面8bにある動圧溝によりロータ16を上方に押し上げる方向に発生する動圧とがバランスすることによって、ロータ16はシャフト2によって回転自在にスラスト方向に支持されることになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したように、図6のHDD用のスピンドルモータ30におけるラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部には、ラジアル方向及びスラスト方向の各動圧をそれぞれ発生するために必要な粘性を有する潤滑油が、各動圧軸受部内に必要量充填されている。この潤滑油は、シャフト2が回転しない時は各動圧軸受部内に留まっているが、シャフト2が回転すると、流動してスリーブ6の上方にある開放端部に湧出する。
【0024】
一般に、この現象をポンプアウトの状態という。このポンプアウトの状態では、ロータ16の回転によりロータ外周部に潤滑油が流出し、これがロータ16のハブ5上に載置されるHDの表面に付着してデータの記録再生に支障をきたす恐れがあった。また、こうした潤滑油の流出によって前記各動圧軸受部内に充填してある潤滑油の油量が不足して、各動圧軸受部により発生するラジアル方向及びスラスト方向の各動圧力が効果的に機能しなくなる。
【0025】
この結果、ロータ16は規定の回転数の回転が得られなくなるので、HDD用のスピンドルモータ30は、本来のHDD用スピンドルモータとしての機能が得られず、回転性能に不具合を生じる恐れがあった。なおこの反対に、動圧軸受内に潤滑油が保持されている状態をポンプインという。
【0026】
通常、図6の例えば動圧溝部3はa=bとして加工するものであるが、時には、b>aとなったり、円筒度や真円度の加工誤差によりポンプアウトの状態になってしまう場合がある。このような場合、スリーブ6外へ潤滑油が流出しないように、スリーブ6の開放端部であるシャフト2とスリーブ6の内周上部をテーパ部17(角度θ)とすることにより、シーリング(封止)手段を構成しているものであるが、この手段だけではシーリング効果としては不十分であった。
【0027】
本発明は、前記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、潤滑剤が漏出してモータ外部の空間を汚染することなく、かつ、モータの小形化を損なわずに効果的に防止することができるポンプインポンプアウト判定方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した課題を解決するために、手段として1)の手順を有する。
1) 一端部側にフランジを有するシャフトと、
該シャフトが挿通されたスリーブと、
前記フランジと対向して該スリーブの一端側を封止するスラストプレートと、
前記スリーブの他端側を開放端部とし、前記シャフト及び前記フランジと前記スリーブ及び前記スラストプレートとの間に介在する潤滑剤と、を含み、
前記シャフトと前記スリーブとから構成されるラジアル動圧軸受部と、
前記フランジの上下両面と該上下両面にそれぞれ対向するスリーブの端面及びスラストプレートとから構成され、スラスト方向の動圧を前記フランジの上下両平面に対してそれぞれ互いに異なる押圧方向でかつ均等な押圧力として印加するスラスト動圧軸受部と、から構成された動圧軸受部における前記ラジアル動圧軸受部について、前記潤滑剤が前記シャフトの回転時にポンプインになるかポンプアウトになるかを判定するポンプインポンプアウト判定方法であって、
前記開放端部を上側にした第1の状態において前記シャフトを所定の回転数で回転させた際の、前記スラストプレートの上面から該上面と対向する前記フランジの下面までの距離を第1の浮上高さt1として測定する一方、
前記開放端部を下側にした第2の状態において前記シャフトを前記所定の回転数で回転させた際の、前記フランジの下側となる面から該下側となる面に対向するスリーブの端面までの距離を第2の浮上高さt2として測定し、
測定した前記第1の浮上高さt1と前記第2の浮上高さt2とを比較して、t1>t2となる場合にポンプインになると判定することを特徴とするポンプインポンプアウト判定方法である
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0031】
以下に、本発明を適用するスピンドルモータの一例を図1乃至図5を参照して順次説明する。なお、従来と同一構成部分には同一の符号を用い、その詳細説明は省略する。
【0032】
図1は、本実施例を適用するスピンドルモータに適用される動圧軸受部がハブ内に前記スリーブの開放端部を上側とした一の状態で設置される場合における一例の断面図、図2は、図1の動圧軸受部がハブ内に前記スリーブの開放端部を上側とした一の状態に対し180°反対の状態、すなわち、上下反対に設置した場合における断面図、図3は、本実施例を適用するスピンドルモータの一例の縦断面図、図4は、他のスピンドルモータの一例の縦断面図、図5は、潤滑油保持容量と保持力との関係を示すグラフである。
【0033】
図1中2Aは、動圧軸受部40を構成する、後述するスリーブ6A内を挿通されるシャフト2の先端部、6Aは、スリーブ、7aは、スラストプレート7の上面部、9は、シャフト2の下端部に凹設された潤滑油保持部、14は、シャフト2の上端部2eとこのシャフト2の先端部2Aとの間に形成されたオイルバリア保持部である。
【0034】
ここで、図1の状態において、シャフト2の先端部2Aを外部から、例えば、図示しないベルト等を介し定格回転数で回転させた際の、シャフト2の浮上高さ(量)t1とは、スラストプレート7の上面7aからスラスト軸受部(フランジ)8の下面8bまでの距離を意味する。また、図2の状態は、前記した如く図1を上下反対に設置した状態であり、この場合のシャフト2の浮上高さ(量)t2とは、スリーブ6A上端面6aとフランジ8の上面8aまでの距離を意味する。なお、説明の便宜上、これら図1,図2の状態においては、シャフト2がそれぞれ浮上した状態として図示してある。
【0035】
図3、図4におけるHDD用のスピンドルモータ20、20Aは、そこに示す設置状態で使用されることが多いが、実使用状態においては、必ずしもこの設置状態に限定されることはなく、任意の設置状態であっても良い。また、図1乃至図4の動圧溝部3,4は模式的に平面的に描いてあるものである。
【0036】
次に、前記した第1の動圧溝部3に保持された潤滑油のスリーブ6A外部への流失を阻止するシーリング効果についての具体的な動作について、図1〜図3を参照して説明する。
【0037】
前記した第1の動圧溝部を構成するラジアル動圧軸受3は、スリーブ6Aとシャフト2の先端部2Aの円筒度や、真円度等加工精度の組合わせにより、組立てた状態で回転させないとポンプインかポンプアウトかの判定が出来ない。ラジアル動圧発生用溝3の動圧発生部の幅a部とb部はa>bに設定すると、b側よりa側の方が動圧発生力が大きいので、潤滑油が流出しないポンプインの状態となる。逆にa<bとすると、潤滑油は上側から流出するポンプアウトの状態となる。従って、b部側が大きすぎるとa部に十分に潤滑油が流動しないため、動圧軸受の機能を果たさない。
【0038】
本実施例では、例えば、シャフト2の径が4.5mmで回転数が7200r/min、a+b=1.8mm、a−b=10μm±5μmとしてある。この結果、動圧軸受の潤滑油はポンプインの状態となる。この時のシャフト2の浮上量は、t1=5μm、t2=4μmである。図1、図2の設置方法でt1>t2であればポンプインで、t1<t2の時はポンプアウトとなる。従って、動圧軸受のシャフト浮上量をt1>t2とすれば潤滑油の流出しない信頼性の高いハードディスク用スピンドルモータ20を得ることができる。
【0039】
適用例では、更に潤滑油の流出を防ぐためハブ内周部と接するシャフト2の先端部2Aとシャフト2の上端部2eとの間にオイルバリア保持部14を設けている。具体的には、シャフト2の表面から0.2mmの溝を幅1mm幅で構成して、これをオイルバリア保持部14としている。そして、このオイルバリア保持部14に撥油剤(例えばフッ素系ポリマ等)を塗布することで、潤滑油の流出を防止している。発油剤は、シャフト2に塗布後拭き取られるが、溝に塗布された撥油剤は拭き取られず保持されるので、潤滑油を排除する効果は保たれるものである。
【0040】
なお、前記の説明は図3において、ロータ16にシャフト2が固定され、このシャフト2とステータ15との間でスラスト動圧軸受が機能する構成として説明した。しかし本発明の実施にあたっては、前記した構成に限定されるものではない。例えば、図4に示す他の実施例になるスピンドルモータ20Aは、シャフト2Bがステータ15Aに固定され、このシャフト2Bとロータ16Aとの間でラジアル動圧軸受が機能する構成で、同様に効果が発揮されるものである。
【0041】
ここで、図4の構成について概説する。この図4に示すように、基部となるモータベース(以下、基部と呼ぶ)1に固定されて軸心を上下に向けたシャフト2Bが、軸受部材を構成するスリーブ6Bの挿通孔に挿通されて構成され、上記スリーブ6B側が回転する構造となっている。
【0042】
即ち、上記シャフト2Bの外周面とスリーブ6Bの内周面とは、動圧軸受の二つのラジアル動圧軸受3A,4Aを形成すると共に、上記シャフト2Bの上方に、このシャフト2Bの軸径より大径のスラスト軸受部(フランジ)8を設ける。そして、上記スリーブ6Bの上端面部6aと上記スラスト軸受部8の下端面部8aとの間、及びスラスト軸受部8上面とブッシュ18下面との間でスラスト動圧軸受を形成する。このように、ラジアル動圧軸受3A,4A及びスラスト軸受8を設けることによって、上記スリーブ6Bは回転可能に上記シャフト2Bに支持される。なお、スラスト軸受部8は、上記したように、シャフト2Bの軸径より大径に形成したことにより、シャフト2Bの上下方向の抜け防止の役割をも果たしているものである。
【0043】
5Aは、前記スリーブ6Bと一体的に形成されたハブであって、このハブ5Aは、その内側に、リング状磁石12を固着したロータヨーク13を固定している。一方、基部1には、シャフト2Bに同心状にコイル11を巻回したコア10が前記したリング状磁石12と所定間隙をもって固定されている。そして、前記したロータヨーク13等のロータ部分とコイル11等のステータ部分とによって、上記スリーブ6Bは高速で回転駆動されるものである。また、コイル11の端末の引き出し線19は、基部1に設けた孔を通しフレキシブル基板21のパターンに、例えば、半田で接続されている。
【0044】
上記ラジアル動圧軸受3A,4Aは、上記シャフト2Bの外周面に設けられた図示しないラジアル動圧軸受部と、スリーブ6Bの内周面に設けられた、これまた図示しないラジアル動圧受面とが所定の軸受隙間をあけて対向するよう構成されている。
【0045】
さらに、上記スリーブ6Bの前記した図示しないラジアル受面と、シャフト2Bの前記したこれまた図示しないラジアル動圧軸受部との間に、潤滑流体が充填されている。上記潤滑流体としては、例えば油、グリースなどが使用される。また、上記シャフト2Bの図示しないラジアル動圧軸受部には、所謂ヘリングボーン状の動圧溝が刻設されている。この動圧溝によって、スリーブ6Bの回転の際に、潤滑流体は動圧溝の中央に向けてそれぞれ圧送され、必要な潤滑流体が上記ラジアル動圧軸受部とラジアル動圧受面との間の軸受隙間に供給されるものである。
【0046】
ここで、再び図3に戻って潤滑油の流出を防止について改めて説明する。図3は、ラジアル軸受とスラスト軸受を動圧軸受で構成したスピンドルモータ20の構造断面図である。シャフト2のスラストプレート7側端面に潤滑油保持部9を設け、ここに図示しない潤滑油を保持している状態を示しているものである。この潤滑油保持部9内に保持される潤滑油には気泡が含まれないよう組立てなければならない。このように、潤滑油保持部9を前記した部分に設けることにより、下記に詳述するように、動圧軸受3でポンプアウトの状態になった場合、潤滑油の流出を防止することが出来るものである。
【0047】
ここで、スラスト動圧軸受8とラジアル動圧軸受3、4全体に保持されている潤滑油容量をS、潤滑油保持部9に保持される保持容量をSaとした場合、図5に示す如くの動圧発生部の寸法差と容量比を示すグラフが得られる。この図5から潤滑油保持容(積)量は、5%≦Sa/S≦20%が良いことが分かる。これはSa/Sが5%以下では潤滑油保持部を設ける意味がなく、又30%を超えるとラジアル動圧部4で十分に潤滑油を吸引(ポンプイン)させる事が出来ない事を示している。
【0048】
従って、潤滑油保持部9の容積を5%≦Sa/S≦20%と設定することにより、スラスト軸受側のラジアル動圧軸受4の動圧溝をポンプインの構成とすることができるので、潤滑油保持部9に保持された潤滑油はラジアル軸受側に吸引され動圧部を循環する効果が得られる。実施例では、S=27μl(マイクロリットル)でSa=3μlである。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、潤滑油の流出を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するスピンドルモータに適用される動圧軸受部が、ハブ内に前記スリーブの開放端部を上側とした一の状態で設置される場合における一例の断面図である。
【図2】図1の動圧軸受部がハブ内に前記スリーブの開放端部を上側とした一の状態に対し180°反対の状態、すなわち、上下反対に設置した場合における断面図である。
【図3】本発明を適用するスピンドルモータの一例の縦断面図である。
【図4】本発明を適用するスピンドルモータの他の例の縦断面図である。
【図5】潤滑油保持容量と保持力の関係を示すグラフである。
【図6】従来のスピンドルモータの断面図である。
【符号の説明】
1 モータベース、基部
2、2B シャフト
2A 先端部
2a、2b 第1のシャフト部分
2c 第2のシャフト部分
3、4 動圧溝部、動圧軸受
3A、4A 動圧軸受
5、5A ハブ
6、6A、6B、6a スリーブ
7 スラストプレート
7a 上面
8 フランジ、スラスト軸受
8a 上面
8b 下面
9 潤滑油保持部
10 コア
11 コイル
12 リング状磁石
13 ヨーク
14 オイルバリア保持部
15、15A ステータ
16、16A ロータ
17 テーパ部
18 ブッシュ
19 引き出し線
20、20A スピンドルモータ
21 フレキシブル基板
30 HDD用スピンドルモータ
40 動圧軸受部

Claims (1)

  1. 一端部側にフランジを有するシャフトと、
    該シャフトが挿通されたスリーブと、
    前記フランジと対向して該スリーブの一端側を封止するスラストプレートと、
    前記スリーブの他端側を開放端部とし、前記シャフト及び前記フランジと前記スリーブ及び前記スラストプレートとの間に介在する潤滑剤と、を含み、
    前記シャフトと前記スリーブとから構成されるラジアル動圧軸受部と、
    前記フランジの上下両面と該上下両面にそれぞれ対向するスリーブの端面及びスラストプレートとから構成され、スラスト方向の動圧を前記フランジの上下両平面に対してそれぞれ互いに異なる押圧方向でかつ均等な押圧力として印加するスラスト動圧軸受部と、から構成された動圧軸受部における前記ラジアル動圧軸受部について、前記潤滑剤が前記シャフトの回転時にポンプインになるかポンプアウトになるかを判定するポンプインポンプアウト判定方法であって、
    前記開放端部を上側にした第1の状態において前記シャフトを所定の回転数で回転させた際の、前記スラストプレートの上面から該上面と対向する前記フランジの下面までの距離を第1の浮上高さt1として測定する一方、
    前記開放端部を下側にした第2の状態において前記シャフトを前記所定の回転数で回転させた際の、前記フランジの下側となる面から該下側となる面に対向するスリーブの端面までの距離を第2の浮上高さt2として測定し、
    測定した前記第1の浮上高さt1と前記第2の浮上高さt2とを比較して、t1>t2となる場合にポンプインになると判定することを特徴とするポンプインポンプアウト判定方法。
JP2001217732A 2001-07-18 2001-07-18 ポンプインポンプアウト判定方法 Expired - Fee Related JP4078628B2 (ja)

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