JP4123401B2 - 検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器 - Google Patents

検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器に関し、特に上向きに開口した液溜部に収納した液体試料をノズルで吸引して自動分析機に取り込み、直接自動分析機に適用できる検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液体試料、例えば糞便懸濁液、尿、血液は、臨床検査試料として好適であるため、診断上有用な情報を提供している。とりわけ、糞便中の潜血の検出は、消化器系の疾患、特に大腸癌等の診断上非常に有用であることから、住民検診や職場検診等にも取り入れられており、国民の健康の維持に不可欠なものとなっている。
【0003】
糞便中の潜血の検出法としては、免疫学的な反応原理に基づく検出法(例えば、特開昭59−125064号公報)が従来のグアヤック試薬を利用した試験紙による検出法に比べて特異性や感度の点で優れており、前記疾患の新しいスクリーニング法として汎用されている。
【0004】
しかしながら、この免疫学的な反応原理に基づく糞便中の潜血の検出法を実施するに際しては、前もってある程度定量的に糞便を採取し、これを適当な液体に懸濁させて所定の糞便懸濁液を調製しておく必要がある。
【0005】
免疫学的検出試薬は、一定の糞便量に応じた感度を得られるように設定されているため、被検糞便量が少なすぎると感度の低下を招く。逆に、被検糞便量が多すぎると、輸送、例えば郵送に不便であり悪臭のもとになると共に、検査終了後に余分な検体(被検糞便)を処分する際にも問題を生ずる。
【0006】
この問題を解決することを目的として、これまで種々の糞便採取容器が提案されている。例えば、先端部付近に形成された切欠部、凹部また貫通孔に略一定量の糞便試料が保持されるので、糞便の採取量をある程度に制限することができる採便容器が提案されている(実開昭62−69160号公報)。しかしながら、この採取容器では、採便棒の先端構造だけで糞便採取量を制御することには限界があり、例えば糞便の物理的性状によっては、その採取量に過不足が生じるという問題があった。
【0007】
この問題を解決するため、採取棒を被検体である糞便に突き刺して先端部にある程度の量の糞便を採取した後、採便棒を分離壁の孔を貫通させて容器本体の内部に挿入する際、余分な糞便を孔によって擦りきることができ、その結果、切欠部に一定量の糞便試料を容易に採取することができる採便容器が提案されている(実開昭64−42454号公報)。
【0008】
一方、採便棒を被検体である糞便に突き刺して先端部にある程度の量の糞便を採取した後、採便棒を分離壁の孔部を通過させて容器本体の内部に挿入し、この際、余分な糞便を分離壁の周面によって擦りきることができ、その結果、螺旋状溝に一定量の糞便試料を容易に採取し、これを液体に懸濁させることによって検査試料とすることができる採便容器が提案されている(特開平6−186227号公報)。
【0009】
しかしながら、この採便容器は、採便棒を挿入する際に、その外周面が分離壁の孔壁の軸方向の全長に亘って気密に摺動するため、両部材の間の摺動抵抗が大きく、充分な密封性を維持しながら採便棒を容器本体に挿入することが困難であった。
【0010】
また、採便棒を分離壁の孔部に貫通するに際して、両部材の周面が気密に摺合して容器本体内の液収容器が分離壁によって上方の部分から区画され、この状態で採便棒を容器本体に挿入すると容器本体内の圧力が増加し、検査の際の操作によって懸濁液が噴出したり、飛散したりして外部を汚染する場合があった。
【0011】
この問題を解決するため、分離壁に採便棒の外周壁に気密に係合する凸条を周設すると共に、採便棒の周面の少なくとも一部に分離壁の凸条の軸方向長よりも長い凹部を分離壁に対向して形成した採便容器が提案されている(特開平7−12808号公報)。
【0012】
上記特開平7−12808号公報に記載された採便容器は、容器本体内の内部にフィルターを備えた滴下部を有するキャップを密封状態で装着し、キャップに孔を開けて、柔軟なプラスチックからなる便懸濁液室を外側から押圧して室内の懸濁液をフィルターを通して滴下部から外部に滴下するものである。
【0013】
このように従来の採便容器では、上部位置の便懸濁液室から下部位置のフィルター部を通して便懸濁液を便懸濁室の外側から加える押圧力または重量によって上から下に抽出するものであるから、上向きに開口した試験管のような容器に便懸濁液を収納してから、分析装置の試料吸引ノズルを上方から試験管に挿入して一定量を吸引して自動分析機に適用しなければならず、作業工程が煩雑であり、非能率的で手間が掛かるという問題があった。
【0014】
この問題を解決することを目的として、濾液受容体を便懸濁液室に押し込むと同時に便懸濁液室からフィルター部を通して便懸濁液を重力に逆らって下から上に注出して液溜部に溜め、上方からノズルで吸引して自動分析機に適用し便の潜血判定をすることができる押し込み強制濾過構造を有する採便容器が提案されている(特開平10−160728号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記採便容器では、液溜部に過剰な便懸濁液が溜まるおそれがあり、上方からノズルで吸引して自動分析機に適用する際に、便懸濁液を定量的な採取をするため、液溜部に残存する余分な検体試料を廃棄しなければならず、未だ煩雑な操作を必要とし、しかも廃棄にあたって非衛生的であった。
【0016】
本発明の第一の課題は、容器本体の外部を押圧することによって液体試料が容器本体内に形成されたガイド部を有する栓体部を通過してこの栓体部より上部に設けられた液溜部に収容されるようにし、上方から直接ノズルを挿入して定量的に自動分析機に吸引した後、押圧をなくすことによって液溜部に残存する液体試料を再度容器本体内に戻すことができるので、余分な液体試料を廃棄するという煩雑な操作を必要としない検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器を提供することにある。
【0017】
本発明の第二の課題は、容器本体の外部を一定圧力で押圧することによって液体試料が容器本体内に形成されたガイド部を有する栓体部を通過してこの栓体部の上部に設けられた液溜部に一定量収容されるようにし、上方から直接ノズルを挿入してその一定量の液体試料を定量的に自動分析機に吸引できるので、余分な液体試料を廃棄するという煩雑な操作を必要としない検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記第一の課題を解決すべく鋭意研究した結果、容器本体の外部を押圧することによって液体試料が容器本体内に形成されたガイド部を有する栓体部を通過してこの栓体部より上部に設けられた液溜部に収容され、上方から直接ノズルを挿入して自動分析機に吸引できるようにし、更に栓体部に凹部を形成することにより、押圧がなくなると液溜部に残存する液体試料が前記凹部を介して再度容器本体内に戻るため、上記第一の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0019】
また、本発明者らは、上記第二の課題を解決すべく鋭意研究した結果、容器本体の外部を一定の圧力で押圧することによって一定量の液体試料が容器本体内に形成されたガイド部を有する栓体部を通過してこの栓体部の上部に設けられた液溜部に収容され、その一定量の液体試料を上方から直接ノズルを挿入して自動分析機に吸引できるので、上記第二の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0020】
本発明の検診用容器は、液体試料を内部に収納する容器本体と、該容器本体内に形成された栓体部とから構成されてなり、
前記栓体部より上部の前記容器本体に、上向きに開口した液溜部が設けられてなり、
前記栓体部に形成された凹部の下に、フィルター部を介して、ガイド部を有するストッパー部が設けられている検診用容器であって、
前記凹部は前記液溜部の底面であり、前記栓体部の中央に設けられた小孔にむかって全面的に下向きに傾斜しているように形成されており、
前記ガイド部は、前記ストッパー部から、下方に延びた細長い管であり、
前記容器本体の外部を押圧することによって前記液体試料が前記ガイド部、前記フィルター部、前記小孔を、順次に通過し、前記液溜部に収容され、その際前記ストッパー部が該ガイド部を通過しない前記液体試料を遮断し、そして該押圧をなくして該液溜部に残存する該液体試料を前記凹部を介して再度該容器本体内に戻すことができるように構成したことを特徴とする。
【0021】
本発明の試料検体の採取方法は、本発明の検診用容器から試料検体を採取する方法であって、液体試料を内部に収納する容器本体の外部を押圧し、前記液体試料を前記検体部に形成されたフィルターを通過させて前記栓体部の上部に設けられた上向きに開口した液溜部に収容し、該液溜部に収容された前記液体試料をサンプリングすることを特徴とする。
【0022】
本発明の採便容器は、糞便を懸濁させる液体を内部に収納する容器本体と、該容器本体内に形成された栓体部と、該容器本体の下端部から該容器本体内に挿入される採便棒とから構成されてなり、
前記栓体部より上部の前記容器本体に、上向きに開口した液溜部が設けられてなり、
前記栓体部に形成された凹部の下に、フィルター部を介して、ガイド部を有するストッパー部が設けられている採便容器であって、
前記凹部は前記液溜部の底面であり、前記栓体部の中央に設けられた小孔にむかって全面的に下向きに傾斜しているように形成されており、
前記ガイド部は、前記ストッパー部から、下方に延びた細長い管であり、
前記容器本体の外部を押圧することによって糞便懸濁液が前記ガイド部、前記フィルター部、前記小孔を、順次に通過し、前記液溜部に収容され、その際前記ストッパー部が該ガイド部を通過しない糞便懸濁液を遮断し、そして該押圧をなくして該液溜部に残存する液体試料を前記凹部を介して再度該容器本体内に戻すことができるように構成したことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の構成によれば、検診用容器は、採取した液体試料を収納して密封した上で、検査機関に送付され、検査機関では容器本体に収納された液体試料を自動分析機に供給する。供給される液体試料は、容器本体の外部を押圧することによって容器本体内に形成された栓体部を通過させて栓体部より上部に形成された液溜部に収容される。この際、栓体部に形成された所定の細孔径を有するガイド部容器本体内で下方に向かって伸長しており、容器本体の外部から押圧を加えると、液体試料がガイド部を介してフィルター部通過して液溜部に収容される。この収容された液体試料は、ノズルで吸引されて便潜血等を判定する自動分析機に適用される。
【0024】
本発明においては、ノズルで一定量を定量的にサンプリングした後、栓体部に凹部を形成することによって、容器本体の外部の押圧をなくすると液溜部に残存する液体試料を容器本体内に戻すことができるので、余分な試料を廃棄するという煩雑な操作を不要とすることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例である容器本体内に形成された栓体部の部分断面図である。図1において、1は容器本体、2は栓体部、3は密閉手段、4は液溜部、5はストッパー部、6はフィルター部、7は凹部、8はガイド部を示す。
図1の実施例には、凹部7は液溜部4の底面であり、栓体部2の中央に設けられた小孔にむかって全面的に下向きに傾斜しているように形成されており、
前記ガイド部8は、前記ストッパー部5から、下方に延びた細長い管であるものが図示されている。
【0027】
本発明の検診用容器は、容器本体1と該容器本体1内に形成された栓体部2とから構成されている。この容器本体1の形状としては、特に限定されないが、例えば略円筒状や角筒状のものが挙げられるが、強度や製造のし易さの点から略円筒状とすることが好ましい。
【0028】
容器本体1の大きさも、特に制限されないが、郵送封筒(定型)によって送付および/または返送し得るように、最大径10mm以下とすることが好ましい。容器本体1の材質は、液体試料、例えば、糞便懸濁液、尿、血液、特に糞便中の成分と反応せず、縦長に成形した変形しやすいものが得られる限り、公知のプラスチックの中から適宜選択すれば良い。中でも、容器本体1内の液体試料の押し出し易さの点から、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。また、容器本体1の上端部に密閉手段3を設けて液溜部4に異物が混入するのを防止することもできる。
【0029】
栓体部2は、容器本体1内に形成できる限り、公知の手段の中から適宜選択して形成すれば良く、例えば容器本体1と一体成形しても良く、また別部材として容器本体1内に装着しても良い。この栓体部2は、容器本体1の外部を押圧することによって内部に収納された液体試料をこの栓体部2を通過させて容器本体1の上部に設けられた液溜部4に収容できるような位置に形成させる。この栓体部2は、ストッパー部5、フィルタ−部6、凹部7およびガイド部8が形成されている
【0030】
本発明では、所定の細孔径を有するガイド部8が、容器本体1内で下方に向かって伸長している。ガイド部8をストロー状に成形することによって、容器本体1の外部から押圧を加えると、液体試料がガイド部8を介してフィルター部6、凹部7の順に通過して液溜部4に収容される。この際、ガイド部8は、ストロー状に形成されているため、比較的小さな圧力でも、液体試料を液溜部4に供給でき、しかもガイド部8の長さを適宜調節することで液体試料の液面高さにも自在に対応することができる。ガイド部8の孔径は、液体試料を液溜部4に導入できる限り、特に制限されないが、より小さな圧力で液溜部に供給できるように、0.5から3mm程度とすることが好ましい。また、ガイド部8の形成材料としては、公知のプラスチックの中から適宜選択すればよいが、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の透明な樹脂が好ましい。
【0031】
フィルター部6は、検査の際に障害となる被検試料中の固形物の濾過を目的として設けられ、分析対象物質に対して不活性である限り、その材質は特に制限されない。具体的には、ポリウレタンスポンジや濾紙等の多孔性物質が挙げられるが、特に所定の細孔径を有するグラスウールフィルターやメンブレンフィルターが好ましい。このようなフィルターは、1種類からなるものであっても良く、2種類以上のフィルターを積層して形成されたものでも良い。
【0032】
凹部7が形成されていることによって、液体試料を収容した液溜部4に、上方からノズルを挿入し、一定量の液体試料を吸引して自動分析機に取り込んだ後、余分な液体試料を、押圧をなくすことで再度容器本体1内に戻すことができるので、余分な液体試料を廃棄するという煩雑な操作を不要とすると共に、衛生的にサンプリングを行うことができる。
【0033】
また、凹部7に代えて、凸部10を形成した形状を有するものとすることもできる(図2参照)。このような形状に形成することによって、一定量の液体試料を液溜部4に収納した後、容器本体1の外部から押圧をなくしても、液体試料が容器本体1内に戻らないため、液溜部4に収納された一定量の液体試料をノズルで定量的に吸引して自動分析機に取り込むことができる。この際、液溜部には、余分な液体試料が残存しないため、その廃棄にあたって煩雑な操作を必要とせず、しかも衛生的なサンプリングを行うことができる。また、余分な液体試料が残存する場合には、容器本体1の上端部に設けられた密閉手段3で容器本体を密閉して廃棄することで衛生的な廃棄処分を行うことができる。密閉手段3としては、例えば、開閉自在に成形された蓋体や膜部を容器本体1に貼着したものなどが挙げられる。
【0034】
便を懸濁させる液体を内部に収納する容器本体1と、容器本体1の下端部から容器本体1内に挿入される採便棒9と、容器本体1内の上部に形成された栓体部2と、栓体部2の上端部に形成された液溜部4とから構成される採便容器であって、容器本体1の外部を押圧することによって糞便懸濁液が栓体部2を通過して液溜部4に収容されるようにした採便容器が提供される( 図3参照) 。
【0035】
糞便を懸濁させるための液体としては、本発明の目的を達成できる範囲で任意のものを適宜選択でき、また必要に応じて緩衝剤、安定剤、防腐剤、色素、消臭剤等の添加剤を含有させても良い。緩衝剤としては、一定領域のpHを保持できるものであれば良く、例えばHEPES、PIPES、TES、MOPS、トリスなどが挙げられる。安定剤としては、例えば牛血清アルブミン、オボアルブミンおよび卵白アルブミンなどの不活性蛋白質が挙げられ、その使用量は0.1〜10w/v %の範囲とすることが好ましい。
【0036】
容器本体1内に挿入される採便棒9の形状は、先端部に糞便を定量的に採取する糞便採取手段を有すれば良い。糞便採取手段の具体例としては、例えば、先端部に形成された切欠部、凹部および貫通孔から選択される少なくとも1種が挙げられる。その材質も合成樹脂等糞便中へ容易に突き入れられる程度の硬さを有するものであれば任意のものを使用しうる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の検診用容器および採取方法は、容器本体の外部を押圧することによって液体試料が容器本体内に形成されたガイド部を有する栓体部を通過してこの栓体部の上部に設けられた液溜部に収容されるようにし、上方から直接ノズルを挿入して定量的に自動分析機に吸引した後、押圧をなくすことによって液溜部に残存する液体試料を再度容器本体内に戻すことができる。従って、本発明の検診用容器および採取方法によれば、余分な検体試料を廃棄するという煩雑な操作を不要とすると共に、衛生的に便潜血等を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である検診用容器の部分断面図である。
【図2】 本発明の参考例である検診用容器の部分断面図である。
【図3】 本発明の別の参考例である採便容器の断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 栓体部
3 密閉手段
4 液溜部
5 ストッパー部
6 フィルター部
凹部
8 ガイド部
9 採便棒
10 凸部

Claims (9)

  1. 液体試料を内部に収納する容器本体と、該容器本体内に形成された栓体部とから構成されてなり、
    前記栓体部より上部の前記容器本体に、上向きに開口した液溜部が設けられてなり、
    前記栓体部に形成された凹部の下に、フィルター部を介して、ガイド部を有するストッパー部が設けられている検診用容器であって、
    前記凹部は前記液溜部の底面であり、前記栓体部の中央に設けられた小孔にむかって全面的に下向きに傾斜しているように形成されており、
    前記ガイド部は、前記ストッパー部から、下方に延びた細長い管であり、
    前記容器本体の外部を押圧することによって前記液体試料が前記ガイド部、前記フィルター部、前記小孔を、順次に通過し、前記液溜部に収容され、その際前記ストッパー部が該ガイド部を通過しない前記液体試料を遮断し、そして該押圧をなくして該液溜部に残存する該液体試料を前記凹部を介して再度該容器本体内に戻すことができるように構成したことを特徴とする検診用容器。
  2. 前記フィルター部が被検試料中の固形物濾過できるような材質で形成されてなる請求項1記載の検診用容器。
  3. 前記容器本体の上端部に密閉手段が形成されてなる請求項1または2記載の検診用容器。
  4. 前記液体試料が糞便懸濁液、尿または血液である請求項1乃至3記載の検診用容器。
  5. 請求項1記載の検診用容器から試料検体を採取する方法であって、液体試料を内部に収納する容器本体の外部を押圧し、前記液体試料を栓体部に形成されたガイド部を通過させて前記栓体部の上部に設けられた上向きに開口した液溜部に収容し、該液溜部に収容された前記液体試料をサンプリングすることを特徴とする試料検体の採取方法。
  6. 前記フィルター部を通して被検試料中の固形物を濾過する請求項5記載の試料検体の採取方法。
  7. 前記容器本体の上端部に密閉手段を形成して液溜部への異物の混入を防止する請求項5または6記載の試料検体の採取方法。
  8. 糞便を懸濁させる液体を内部に収納する容器本体と、該容器本体内に形成された栓体部と、該容器本体の下端部から該容器本体内に挿入される採便棒とから構成されてなり、
    前記栓体部より上部の前記容器本体に、上向きに開口した液溜部が設けられてなり、
    前記栓体部に形成された凹部の下に、フィルター部を介して、ガイド部を有するストッパー部が設けられている採便容器であって、
    前記凹部は前記液溜部の底面であり、前記栓体部の中央に設けられた小孔にむかって全面的に下向きに傾斜しているように形成されており、
    前記ガイド部は、前記ストッパー部から、下方に延びた細長い管であり、
    前記容器本体の外部を押圧することによって糞便懸濁液が前記ガイド部、前記フィルター部、前記小孔を、順次に通過し、前記液溜部に収容され、その際前記ストッパー部が該ガイド部を通過しない糞便懸濁液を遮断し、そして該押圧をなくして該液溜部に残存す
    る液体試料を前記凹部を介して再度該容器本体内に戻すことができるように構成したことを特徴とする採便容器。
  9. 前記容器本体の上端部に密閉手段が形成されてなる請求項8記載の採便容器。
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