JP7195217B2 - 採便容器 - Google Patents

採便容器 Download PDF

Info

Publication number
JP7195217B2
JP7195217B2 JP2019100384A JP2019100384A JP7195217B2 JP 7195217 B2 JP7195217 B2 JP 7195217B2 JP 2019100384 A JP2019100384 A JP 2019100384A JP 2019100384 A JP2019100384 A JP 2019100384A JP 7195217 B2 JP7195217 B2 JP 7195217B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
stool
liquid reservoir
stool collection
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019100384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020193898A (ja
Inventor
裕康 石井
弘隆 渡野
覚 入澤
義弘 瀬戸
美広 岡田
晴康 中津川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2019100384A priority Critical patent/JP7195217B2/ja
Publication of JP2020193898A publication Critical patent/JP2020193898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7195217B2 publication Critical patent/JP7195217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示の技術は、採便容器に関する。
大腸癌を発見するための便潜血検査に用いられる採便容器が知られている。特許文献1には、便を採取する採便棒と、採便棒が取り付けられる容器本体とを備える採便容器が記載されている。容器本体は、収容部と、フィルタ部と、液溜め部とを有している。収容部には、採便棒で採取された便が懸濁される保存溶液が収容されている。フィルタ部にはフィルタが配されている。フィルタは、便が懸濁された保存溶液(以下、懸濁液)中の、便潜血検査の妨げとなる不純物をろ過する。液溜め部は、フィルタ部を介して収容部と繋がっている。液溜め部には、フィルタにより不純物がろ過された懸濁液が溜められる。液溜め部は、容器本体の外壁によって取り囲まれた空間で形成されている。
特許文献1に記載の採便容器においては、便潜血検査の際に収容部が圧縮される。こうして収容部が圧縮されることで、収容部内の懸濁液がフィルタ部を通されて液溜め部に移動される。液溜め部には徐々に懸濁液が溜められていく。液溜め部に溜められた懸濁液は、その液面高さが予め設定された高さとなった場合に、ノズル等の採液具で採液されて便潜血検査に供される。
特許第6322634号
便潜血検査の効率を上げるため、液溜め部の懸濁液を、より短時間で採液に必要な液面高さとすることが求められている。一方で、周囲環境の汚染を防止するため、採便容器から懸濁液を漏出しにくくする仕組みも求められている。
本開示の技術は、周囲環境の汚染を防止しつつ、便潜血検査の効率を上げることが可能な採便容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の採便容器は、便を採取する採便棒と、採便棒が取り付けられる容器本体とを備え、容器本体は、採便棒で採取された便が懸濁される保存溶液が収容される収容部と、便が懸濁された保存溶液である懸濁液をろ過するフィルタが配されたフィルタ部と、容器本体の外壁によって取り囲まれた空間内に設けられ、フィルタを通ってろ過された懸濁液が溜められる液溜め部であり、フィルタ部との連通口を取り囲み、かつ、外壁の全周のうちの少なくとも一部との間に間隔を空けられた内壁で形成された液溜め部と、を有する。
内壁は、外壁の全周にわたって間隔を空けられていることが好ましい。
内壁は、外壁よりも高さが低いことが好ましい。
容器本体は、懸濁液を採液する採液具を液溜め部に導入するための第1開口を有し、液溜め部は、採液具を受け入れるための第2開口を有し、第1開口および第2開口のうちのいずれかはシールで塞がれ、シールには、採液具が挿脱される十字穴が形成されていることが好ましい。
液溜め部は、フィルタ部とは反対側に向かって幅広となっていることが好ましい。
液溜め部には親水処理が施されていることが好ましい。
本開示の技術によれば、周囲環境の汚染を防止しつつ、便潜血検査の効率を上げることが可能な採便容器を提供することができる。
採便容器を示す斜視図である。 採便容器の分解斜視図である。 液溜め部周辺を示す図であり、図3Aは断面図、図3Bは容器本体の高さ方向から平面視した図をそれぞれ示す。 採便棒で便を採取している様子を示す図である。 捕捉部に便が捕捉された採便棒を容器本体に戻す様子を示す図である。 検査装置内における採便容器の扱いを示す図であり、図6Aは、穿刺針でシールを破断している様子、図6Bは、収容部の懸濁液をフィルタでろ過して液溜め部に移している様子、図6Cは、液溜め部の懸濁液をノズルで採液している様子をそれぞれ示す。 液溜め部における懸濁液の液面高さの変化を示す図であり、図7Aは、本開示の技術に係る液溜め部の場合、図7Bは、内壁がなく、容器本体の外壁によって取り囲まれた空間で形成された液溜め部の場合をそれぞれ示す。 液溜め部から溢れ出た懸濁液が空間に溜まった状態を示す図である。 液溜め部のバリエーションを示す図であり、図9Aは、容器本体の面積の大きいほうの対向する2つの側面を繋ぐよう、容器本体の奥行方向に沿って延びる一対の内壁で形成された液溜め部、図9Bは、容器本体の面積の小さいほうの対向する2つの側面を繋ぐよう、容器本体の幅方向に沿って延びる一対の内壁で形成された液溜め部、図9Cは、容器本体の面積の大きいほうの対向する2つの側面のうちの一方から容器本体の奥行方向に沿って延び、容器本体の面積の大きいほうの対向する2つの側面のうちの他方の手前で直角に折れ曲がった内壁で形成された液溜め部をそれぞれ示す。 外壁と同じ高さの内壁で形成された液溜め部を示す図である。 液溜め部の開口を、十字穴が形成されたシールで塞いだ第2実施形態を示す図であり、図11Aは断面図、図11Bは容器本体の高さ方向から平面視した図をそれぞれ示す。 十字穴の部分の拡大図であり、図12Aは十字穴が閉塞されている状態、図12Bは十字穴がノズルで押し広げられた状態をそれぞれ示す。 容器本体の開口を、十字穴が形成されたシールで塞いだ第2実施形態の変形例を示す図であり、図13Aは断面図、図13Bは容器本体の高さ方向から平面視した図をそれぞれ示す。 容器本体の開口を、十字穴が形成されたシールのみで塞いだ第2実施形態の変形例を示す図であり、図14Aは断面図、図14Bは容器本体の高さ方向から平面視した図をそれぞれ示す。 フィルタ部とは反対側に向かって幅広な第3実施形態の液溜め部を示す図であり、図15Aは断面図、図15Bは容器本体の高さ方向から平面視した図をそれぞれ示す。 親水処理が施された第4実施形態の液溜め部を示す図である。 採便容器の別の例を示す図である。
[第1実施形態]
図1および図2において、採便容器2は、全体が細長で偏平なスティック状をしており、大腸癌を発見するための便潜血検査に用いられる。採便容器2は、便S(図4等参照)を採取する採便棒10と、採便棒10が着脱可能に取り付けられる容器本体11とを備える。
採便棒10は、色付きの樹脂で形成される。採便棒10は、キャップ15、棒本体16、および捕捉部17で構成される。キャップ15は略直方体形状をしており、採便時に被検者により把持される(図4等参照)。棒本体16は、キャップ15から下方に延びる細長円筒形状をしている。捕捉部17は、棒本体16の先端に形成されている。捕捉部17には、手際よく便Sを捕捉するための溝が複数形成されている。
容器本体11は、外側から内部を視認できるよう、透明な樹脂で形成される。透明な樹脂は、例えば、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等である。
容器本体11は、内部に、挿通部20と、収容部21と、フィルタ部22と、液溜め部23とを有する。これら挿通部20、収容部21、フィルタ部22、液溜め部23は、容器本体11の高さ方向HDに、この順に連なって設けられている。挿通部20の端部には、キャップ15と圧入嵌合して、容器本体11からの液漏れを防止する円筒形状の栓部25が形成されている。また、挿通部20内には、捕捉部17を含む棒本体16が挿通される挿通穴26が形成されている。
挿通部20と収容部21とを隔てる第1隔壁27には、擦り切り部28が設けられている。擦り切り部28は円錐形状をした筒状体である。擦り切り部28は、挿通穴26から収容部21に向かって、徐々に捕捉部17の外径と同程度まで内径が狭まっている。
収容部21には、保存溶液30が収容される。保存溶液30は水を主成分とする。採便棒10が容器本体11に取り付けられた図1に示す状態において、捕捉部17の全体が収容部21に進入し、捕捉部17の先端は、容器本体11の高さ方向HDの略中央部分まで到達する。そして、収容部21は、7割~8割程度が保存溶液30で満たされる。このため、図1とは上下を逆にした状態においては、捕捉部17の全体が保存溶液30に浸かる(図6参照)。保存溶液30には、捕捉部17で捕捉された便Sが懸濁される。以下、便Sが懸濁された保存溶液30を、懸濁液30S(図6参照)と表現する。
フィルタ部22は、連通路31とフィルタ32とを有する。連通路31は、収容部21と液溜め部23とを隔てる第2隔壁33に形成された連通口34を有する、収容部21と液溜め部23とを繋ぐ通路である。フィルタ32は、懸濁液30S中の、便潜血検査の妨げとなる不純物をろ過する。フィルタ32は、凸円柱状の外形状を有している。フィルタ32は、連通口34側から挿入されて、圧入嵌合等により連通路31に収容される。このため、連通路31は、フィルタ32の外形状に倣って、内径が二段階に変化する階段形状となっている。
連通口34はシール35により塞がれている。シール35は、例えば熱溶着により貼り付けられる。シール35は、金属あるいは樹脂の薄膜からなる。シール35は、懸濁液30Sを便潜血検査のために採液する場合に破断される(図6A参照)。なお、シール35は省略してもよい。
液溜め部23は、フィルタ32により不純物がろ過された懸濁液30Sを溜める。
容器本体11は開口36を有している。開口36はシール37により塞がれている。シール37は、シール35と同じく、例えば熱溶着により貼り付けられ、金属あるいは樹脂の薄膜からなる。シール37は、シール35と同じく、懸濁液30Sを便潜血検査のために採液する場合に破断される(図6A参照)。開口36は、懸濁液30Sを採液するノズル60(図6C参照)を液溜め部23に導入するために設けられている。すなわち、開口36は、本開示の技術に係る「第1開口」の一例である。
採便容器2の組み立て手順は、まず、フィルタ32を連通路31に収容して、シール35で連通口34を塞ぎ、さらにシール37で開口36を塞ぐ。そして、挿通穴26を介して、保存溶液30を収容部21に流し込む。最後に、採便棒10を容器本体11に取り付けて組み立て終わる。
図3Aおよび図3Bに示すように、液溜め部23は、容器本体の外壁45によって取り囲まれた空間内に設けられている。液溜め部23は、連通口34を取り囲む内壁46で形成されている。内壁46は、連通口34を中心とした四角筒状をしている。内壁46は、高さ方向HDから平面視した場合、容器本体の外壁45を1/2程度に縮小した形状をしている。このため、内壁46は、外壁45よりも周囲長が短く、外壁45の全周にわたって間隔を空けられている。この間隔によって、内壁46と外壁45との間には、空間47が生じる。また、内壁46は、外壁45よりも高さが低い。
液溜め部23は開口48を有する。開口48は、ノズル60を液溜め部23に受け入れるために設けられている。すなわち、開口48は、本開示の技術に係る「第2開口」の一例である。なお、図3では、保存溶液30の図示を省略している。以降の図9等も同様である。また、図3Bは、シール37を剥がした状態を示している。
次に、上記構成の採便容器2による採便から便潜血検査までに至る手順を、図4~図6を参照して説明する。まず、被検者は、便器に便Sを排泄する。そして、容器本体11から採便棒10を取り外し、図4に示すように、採便棒10の捕捉部17を便Sに接触させて、捕捉部17で便Sの表面をなぞる。捕捉部17は複数の溝を有するので、便潜血検査に必要十分な量の便Sを容易に捕捉することができる。
続いて、被検者は、図5に示すように、捕捉部17に便Sが捕捉された採便棒10を容器本体11に戻し、図1に示す状態とする。この際、捕捉部17は、挿通穴26を挿通されて擦り切り部28を通過し、収容部21に至る。捕捉部17が擦り切り部28を通過することで、捕捉部17に捕捉された便Sのうちの余分な便Sが除去される。
採便後の採便容器2は、便潜血検査を実施する検査施設に輸送される。この輸送中に収容部21内の保存溶液30が攪拌される。そして、捕捉部17に捕捉された便Sが保存溶液30中に拡散され、便潜血検査に好適な懸濁液30Sが生成される。
図6に示すように、検査施設において、採便容器2は、図1とは上下を逆にした状態で、図示しない検査装置にセットされる。そして、図6Aに示すように、検査装置内で、穿刺針55によりシール37およびシール35が破断される。次いで、図6Bに矢印CMPで示すように、面積が大きいほうの側面から収容部21が圧縮される。こうして収容部21が圧縮されることによって、収容部21内の懸濁液30Sがフィルタ32を通過し、液溜め部23に溢れ出る。この過程で懸濁液30Sがフィルタ32でろ過される。
液溜め部23の懸濁液30Sの液面高さが予め設定された高さとなった場合、検査装置内において、図6Cに示すように、本開示の技術に係る「採液具」の一例であるノズル60が、高さ方向HDに沿って、開口36および開口48を介して液溜め部23に導入される。そして、ノズル60により、液溜め部23内の懸濁液30Sが便潜血検査のために採液される。なお、予め設定された高さは、例えば3mmである。
図3で示したように、液溜め部23は、外壁45によって取り囲まれた空間内に設けられている。また、液溜め部23は、フィルタ部22との連通口34を取り囲み、かつ、外壁45の全周にわたって間隔を空けられた内壁46で形成されている。このため、内壁46がなく、外壁45によって取り囲まれた空間で液溜め部23が形成されている図7Bの場合と比べて、液溜め部23の容積を小さくすることができる。これにより、図7Aの矢印の下段に示すように、同じ条件で収容部21を圧縮した場合、懸濁液30Sを、図7Bの場合よりも短時間で採液に必要な液面高さとすることができる。具体的には、外壁45によって取り囲まれた空間で液溜め部23が形成されている図7Bの場合の半分程度の時間で、採液に必要な液面高さとすることができる。したがって、便潜血検査の効率を上げることができる。
なお、図7Aおよび図7Bの矢印の上段は、収容部21が圧縮される前で液溜め部23に懸濁液30Sが溜まる前を示す。図7Aの矢印の下段は、収容部21が圧縮されて液溜め部23の懸濁液30Sが採液に必要な液面高さとなった状態を示す。図7Bの矢印の下段は、図7Aの矢印の下段と同じ量の懸濁液30Sが液溜め部23に溜まっているが、採液に必要な液面高さとなっていない状態を示す。
また、内壁46が外壁45の全周にわたって間隔を空けられていることで、内壁46と外壁45との間には空間47が生じている。このため、万が一液溜め部23から懸濁液30Sが溢れ出たとしても、図8に示すように懸濁液30Sは空間47に溜まって採便容器2外に漏出することはない。したがって、周囲環境の汚染を防止することもできる。
内壁46は、外壁45の全周にわたって間隔を空けられている。したがって、より液溜め部23の容積を小さくすることができ、便潜血検査の効率をさらに上げることができる。
内壁46は、外壁45よりも高さが低い。したがって、液溜め部23から溢れ出た懸濁液30Sが空間47に導かれる可能性が高まり、周囲環境の汚染をより確実に防止することができる。
図9は、高さ方向HDから平面視した場合に、外壁45の全周のうちの一部との間に間隔を空けられた内壁で形成された液溜め部の例を示す。図9Aの液溜め部65は、容器本体11の面積の大きいほうの対向する2つの側面を繋ぐよう、容器本体11の奥行方向に沿って延びる一対の内壁66で形成されている。図9Bの液溜め部70は、容器本体11の面積の小さいほうの対向する2つの側面を繋ぐよう、容器本体11の幅方向に沿って延びる一対の内壁71で形成されている。また、図9Cの液溜め部75は、容器本体11の面積の大きいほうの対向する2つの側面のうちの一方から容器本体11の奥行方向に沿って延び、容器本体11の面積の大きいほうの対向する2つの側面のうちの他方の手前で直角に折れ曲がった内壁76で形成されている。内壁76は、高さ方向HDから平面視した場合の形状が略U字状である。このように、液溜め部の内壁は、外壁45の全周にわたって間隔を空けられている必要はなく、外壁45の全周のうちの少なくとも一部との間に間隔を空けられていればよい。なお、図9は、図3Bと同じく、シール37を剥がした状態を示している。
図10に示す液溜め部80は、外壁45と同じ高さの内壁81で形成されている。この場合、液溜め部80の開口82は、容器本体11の開口36と同じ面にある。このように、液溜め部の内壁は、外壁45よりも高さが低くなくてもよい。ただし、図9で示した液溜め部65、70、75の場合は、内壁66、71、76は、外壁45よりも高さが低い必要がある。
なお、「高さ方向HDから平面視した場合」は、「ノズル60の挿脱方向から平面視した場合」、「フィルタ部22側から平面視した場合」等と言い換えてもよい。
[第2実施形態]
図11~図14に示す第2実施形態では、ノズル60が挿脱される十字穴86が形成されたシール85で、開口36および開口48のうちの少なくともいずれかを塞ぐ。なお、以下では、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図11において、液溜め部23の開口48は、シール85で塞がれている。シール85は、例えばシリコーンゴム製である。シール85の中心部には、十字穴86が形成されている。
図12に示すように、十字穴86にはノズル60が挿脱される。図12Aは、ノズル60が挿入されておらず、十字穴86が閉塞されている状態、図12Bは、ノズル60が挿入され、十字穴86がノズル60で押し広げられた状態をそれぞれ示す。シール85はシリコーンゴム製であるため、十字穴86は、図12Aに示す閉塞状態と、図12Bに示す拡開状態とに可逆的に変形する。
このように、開口48がシール85で塞がれており、ノズル60が挿入されていない場合は十字穴86が閉塞されている。したがって、液溜め部23から懸濁液30Sが溢れ出ることをより確実に防止することができる。また、液溜め部23に溜まった懸濁液30Sの臭いが漏れることも防止することができる。
懸濁液30Sを採液した後のノズル60が引き上げられて十字穴86を通過することで、ノズル60に付着した懸濁液30Sが十字穴86で拭い取られる。したがって、懸濁液30Sの臭い漏れをより効果的に防止することができる。また、ノズル60に付着した懸濁液30Sが落ちて検査装置内が汚染されることを防止することができる。さらに、ノズル60の洗浄が容易になる。
図13は、容器本体11の開口36を、シール37で塞いだうえで、さらにシール85で塞いだ例である。図14は、シール37を除いて、容器本体11の開口36をシール85のみで塞いだ例である。また、これらの場合も図11の場合と同じく、懸濁液30Sの臭い漏れ、および懸濁液30Sによる検査装置内の汚染を防止することができる。また、ノズル60の洗浄が容易になる。図14の場合は、シール37の分の生産コストを削減することができる。なお、図13Bは、図3B等と同じく、シール37を剥がした状態を示している。
[第3実施形態]
図15に示す第3実施形態では、フィルタ部22とは反対側に向かって幅広な液溜め部90とする。
図15において、液溜め部90は、フィルタ部22とは反対側に向かって幅広な内壁91で形成されている。このため、液溜め部90の開口92は、液溜め部23の開口48よりも径が大きい。
このように、液溜め部90は、フィルタ部22とは反対側に向かって幅広となっているので、液溜め部23よりも容積が大きくなる。したがって、液溜め部23よりも、懸濁液30Sが溢れ出るおそれを低減することができる。また、液溜め部90は、液溜め部23よりも、穿刺針55およびノズル60の挿入が容易になる。
なお、内壁91の傾斜角度が大きすぎると、懸濁液30Sを採液に必要な液面高さとする時間がそれだけ長時間化する。反対に内壁91の傾斜角度が小さすぎると、穿刺針55およびノズル60の挿入が容易になるという効果が薄い。このため、内壁91の傾斜角度は、懸濁液30Sを採液に必要な液面高さとする時間と、穿刺針55およびノズル60の挿入の容易性との兼ね合いで適切な角度とすればよい。
[第4実施形態]
図16に示す第4実施形態では、液溜め部23に親水処理を施す。
図16において、液溜め部23には、ハッチングおよび符号95で示すように、懸濁液30Sと最初に接する連通口34と連なる面に親水処理が施されている。親水処理は、例えば粗面化処理、プラズマ照射処理、紫外線照射処理、フッ素ガス処理等である。なお、図16は、図3B等と同じく、シール37を剥がした状態を示している。
このように、液溜め部23に親水処理が施されているので、フィルタ32を通過した懸濁液30Sが液溜め部23内に素早く濡れ広がり、懸濁液30Sの液面高さが短時間で安定化する。したがって、便潜血検査の効率をさらに上げることができる。なお、連通口34と連なる面だけでなく、内壁46の内面にも親水処理を施してもよい。
図17に示す採便容器100のように、棒本体16および捕捉部17を、キャップ15の中心から片側に偏心させて設けた採便棒101を用いてもよい。こうすることで、符号OLで示すように、捕捉部17をフィルタ部22に対してオーバーラップさせた状態で、採便棒101を容器本体102に収容することができる。このため、容器本体102、特に収容部103の高さを、容器本体11の収容部21よりも低くすることができ、結果として採便容器100を採便容器2よりも小型化することができる。採便容器100を小型化することができれば、一度により多くの採便容器100を検査装置にセットすることができ、検査効率を向上させることができる。また、収容部103の容積が小さくなることで、保存溶液30の量を少なくすることができ、コストダウンが可能となる。なお、棒本体16および捕捉部17の代わりに、フィルタ部22および液溜め部23を片側に偏心させて設けてもよい。
液溜め部を形成する内壁を、四角筒状ではなく円筒状としてもよい。
収容部21、フィルタ部22、液溜め部23は、容器本体11の高さ方向HDに、この順に連なって設けられていなくともよい。収容部21、フィルタ部22、液溜め部23が、容器本体11の幅方向に、この順に連なっていてもよい。
本開示の技術は、上述の種々の実施形態と種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。例えば、上記第3実施形態の液溜め部90の内面に、上記第4実施形態で説明した親水処理を施してもよい。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
2、100 採便容器
10、101 採便棒
11、102 容器本体
15 キャップ
16 棒本体
17 捕捉部
20 挿通部
21、103 収容部
22 フィルタ部
23、65、70、75、80、90 液溜め部
25 栓部
26 挿通穴
27 第1隔壁
28 擦り切り部
30 保存溶液
30S 懸濁液
31 連通路
32 フィルタ
33 第2隔壁
34 連通口
35、37、85 シール
36 開口(第1開口)
45 外壁
46、66、71、76、81、91 内壁
47 空間
48、82、92 開口(第2開口)
55 穿刺針
60 ノズル(採液具)
86 十字穴
95 親水処理が施された液溜め部の内面
HD 高さ方向
CMP 収容部の圧縮方向
OL 捕捉部とフィルタ部のオーバーラップ部分
S 便

Claims (6)

  1. 便を採取する採便棒と、
    前記採便棒が取り付けられる容器本体とを備え、
    前記容器本体は、
    前記採便棒で採取された便が懸濁される保存溶液が収容される収容部と、
    便が懸濁された前記保存溶液である懸濁液をろ過するフィルタが配されたフィルタ部と、
    前記容器本体の外壁によって取り囲まれた空間内に設けられ、前記フィルタを通ってろ過された前記懸濁液が溜められる液溜め部であり、前記フィルタ部との連通口を取り囲み、かつ、前記外壁の全周のうちの少なくとも一部との間に間隔を空けられた内壁で形成された液溜め部と、
    を有し、
    前記内壁は、前記外壁よりも高さが低い、採便容器。
  2. 便を採取する採便棒と、
    前記採便棒が取り付けられる容器本体とを備え、
    前記容器本体は、
    前記採便棒で採取された便が懸濁される保存溶液が収容される収容部と、
    便が懸濁された前記保存溶液である懸濁液をろ過するフィルタが配されたフィルタ部と、
    前記容器本体の外壁によって取り囲まれた空間内に設けられ、前記フィルタを通ってろ過された前記懸濁液が溜められる液溜め部であり、前記フィルタ部との連通口を取り囲み、かつ、前記外壁の全周のうちの少なくとも一部との間に間隔を空けられた内壁で形成された液溜め部と、
    を有し、
    前記液溜め部には親水処理が施されている、採便容器。
  3. 前記内壁は、前記外壁よりも高さが低い請求項2に記載の採便容器。
  4. 前記内壁は、前記外壁の全周にわたって前記間隔を空けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の採便容器。
  5. 前記容器本体は、前記懸濁液を採液する採液具を前記液溜め部に導入するための第1開口を有し、
    前記液溜め部は、前記採液具を受け入れるための第2開口を有し、
    前記第1開口および前記第2開口のうちのいずれかはシールで塞がれ、
    前記シールには、前記採液具が挿脱される十字穴が形成されている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の採便容器。
  6. 前記液溜め部は、前記フィルタ部とは反対側に向かって幅広となっている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の採便容器。
JP2019100384A 2019-05-29 2019-05-29 採便容器 Active JP7195217B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100384A JP7195217B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 採便容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100384A JP7195217B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 採便容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020193898A JP2020193898A (ja) 2020-12-03
JP7195217B2 true JP7195217B2 (ja) 2022-12-23

Family

ID=73548728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019100384A Active JP7195217B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 採便容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7195217B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7019785B1 (ja) 2020-11-20 2022-02-15 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000258308A (ja) 1999-01-05 2000-09-22 Eiken Chem Co Ltd 検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器
JP2003139780A (ja) 2001-08-17 2003-05-14 Becton Dickinson & Co 液体検体収集システム
US20090024055A1 (en) 2007-07-16 2009-01-22 Phuong Nguyen All-in-one biological specimen collecting, transporting and analyzing device
WO2010026913A1 (ja) 2008-09-08 2010-03-11 アークレイ株式会社 試料採取用具

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2665867B2 (ja) * 1992-12-18 1997-10-22 栄研化学株式会社 輸送採便容器
JP2688566B2 (ja) * 1994-08-24 1997-12-10 臨床器材株式会社 医療検査等に用いる検査対象物の収納具
JP3424403B2 (ja) * 1995-08-18 2003-07-07 東洋製罐株式会社 検体採取容器
JP3718017B2 (ja) * 1996-12-02 2005-11-16 インターメディック株式会社 押し込み強制濾過構造を有する採便容器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000258308A (ja) 1999-01-05 2000-09-22 Eiken Chem Co Ltd 検診用容器、試料検体の採取方法および採便容器
JP2003139780A (ja) 2001-08-17 2003-05-14 Becton Dickinson & Co 液体検体収集システム
US20090024055A1 (en) 2007-07-16 2009-01-22 Phuong Nguyen All-in-one biological specimen collecting, transporting and analyzing device
WO2010026913A1 (ja) 2008-09-08 2010-03-11 アークレイ株式会社 試料採取用具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020193898A (ja) 2020-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6799043B2 (ja) 生物体液の極微標本管理装置
JP6612259B2 (ja) 流体移送デバイスおよび流体を無菌で移送する方法
KR101181396B1 (ko) 검체 용기
CN105358957B (zh) 细胞收集装置
RU2752706C1 (ru) Устройство для сбора биологической жидкости и модуль сбора
KR101725090B1 (ko) 타액 수집용 키트
JP7195217B2 (ja) 採便容器
KR100893365B1 (ko) 주사액 주입장치의 말단접속구, 필터장치 및 이를 포함하는 주사액 주입장치
JP2020517269A (ja) サンプルを調製するためのガラス化デバイス及び方法
JP6322634B2 (ja) 採便容器
JP2008279195A (ja) 血液分離フィルタ装置
EP4233724A2 (en) Biological fluid micro-sample management device
JP3424403B2 (ja) 検体採取容器
US20160114317A1 (en) Device and system for sampling and analyzing a liquid specimen
JP2002513150A (ja) 体液内の粒子を濃縮するための装置
RU2772925C1 (ru) Колпачок с вентиляционной пробкой для устройства сбора биологической текучей среды
JP5955353B2 (ja) 体液収容器
US20210291164A1 (en) Stool sampling container
JP6883703B2 (ja) 検体容器および検体吸引装置
FR2771294A1 (fr) Procede de decontamination d'une aiguille creuse affectee au prelevement ou a la distribution d'un liquide contaminateur et dispositif permettant la mise en oeuvre d'un tel procede
CN217424790U (zh) 粪便采样杆、粪便采样及收集装置、粪便采样及处理设备
JP2021148737A (ja) 採便容器
KR200382860Y1 (ko) 액상세포 추출기구
US20190357829A1 (en) Push- or twist- initiated blood metering, filtering and/or storage
JP6836433B2 (ja) 体液収容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7195217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150