JP4123308B2 - ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、ガラスを製造する方法に係わり、更に詳細には一成分ガラス又は特性が一成分ガラスの特性に匹敵する多成分ガラスを製造する方法に係る。
一成分にて形成されたガラスは優れた物理的及び化学的特性を有する。これらの特性により過酷な条件下に於いても一成分ガラスを使用することができる。例えば純粋のSiO2であるクォーツガラスは高い融点及び軟化点を有し、高い強度、硬さ、耐摩耗性、耐熱性を有し、腐食性物質に対する耐久性に優れ、可視光及び紫外線に対する高い透過性を有する。しかしクォーツガラスは優れた特性を有する一方で製造コストが高いという問題がある。クォーツガラスを製造するために一般に使用されるプロセス、即ち電気−熱プロセス、ガス火炎法、プラズマ法、流相法は何れも多大の労力を必要とするものである。更にクォーツガラスの溶融温度は非常に高く(約1750℃)、用途に合わせてガラスが広範囲に熱処理される必要がある。これらの全ての因子によりクォーツガラスの製造コストが高くされており、これによりクォーツガラスの広範な使用が阻害されている。
初期融点を低下させてコストを低減すべく、ガラスに種々の修正剤が添加されることが多い。また修正剤はガラスの特定の望ましい特性を得るためにも使用される。しかしガラス中に修正剤が存在することによりガラスの基本的な特性が損なわれる。多成分ガラスは二つの部分、即ち格子及び修正剤を有するものと考えられる。ガラスの格子は実質的に一片の三次元的な陰イオンである。ガラスの特性は主として格子により決定される。修正剤は高温度に於いて格子内を移動することができる陽イオンの群である。修正剤は格子の元素とのイオン結合に侵入する。
特性が一成分ガラスの特性に匹敵するガラスを多成分ガラス混合物より製造すべく、従来より研究者は多成分ガラス系より修正剤を除去しようとしている。特性がクォーツガラスの特性に匹敵する幾つかの周知の多成分ガラスが開発されている。例えば約96%のSiO2を含有するVicor(登録商標)ガラスは、約10%Ni2Oと30%のB23と60%のSiO2とよりなる出発混合物より製造される。成分は溶融ガラスの状態になるよう約1600℃に加熱され、しかる後冷却される。過冷却された液体は準安定領域へ移行し、二つの液相に分離する。一方の液相は純粋のSiO2の組成に近い組成を有し、他方の液相はNa2O及びB23の濃度が高い。これら二つの液相は相互に浸透した組織を形成する。次いで材料を酸にて処理することにより酸化ナトリウム及び酸化ホウ素が浸出によって除去される。かくして処理された材料はガラス状の実質的に純粋の酸化ケイ素である。次いで材料は約1000℃の温度にて熱処理され、これにより材料は流動可能な状態になり、クォーツガラスの特性に匹敵する特性を有する小孔を有しない透明のガラスを形成する。
純粋のクォーツガラスと同様に挙動する他の一つの多成分ガラスはPyrex(登録商標)ガラスである。Pyrex(登録商標)ガラスの組成は約4%Na2O、16%B23、80%SiO2である。Na2813−SiO2系の状態図によれば、このガラス組成は過冷却された液体偏析の領域にある。四ホウ酸ナトリウムの体積率は僅か(10〜20wt%)であるので、酸化ナトリウム及び酸化ホウ素の互いに孤立した粒子がガラスマトリックス中に形成される。これらの粒子はマトリックス相により覆われているので、これらの粒子を浸出によって除去することはできない。
一成分ガラスや一成分ガラスに匹敵する特性を有する多成分ガラスを製造する方法が従来より知られているが、これらの方法は高価であり、また複雑である。従って一成分ガラス又は一成分ガラスの特性に匹敵する特性を有する多成分ガラスを製造することのできる単純にして低廉なプロセスが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の方法を使用したバッチプロセスの説明図である。
図2はフロートガラスプロセスの説明図である。
図3は電気化学場及び電場と共に本発明の方法を使用したバッチプロセスを示す説明図である。
図4はガラスの製造中にガラス中に正の電荷を発生する本発明の方法の説明図である。
図5は本発明の方法を使用して製造されたガラス片の製造又はリチャージングの方法の説明図である。
図6は既存のガラス片中に正の電荷を発生する本発明の方法の説明図である。
図7は多成分系用の電気化学的プロセスの典型的な電圧−電流特性のグラフである。
図8は中立化された溶融金属陰極の再使用を含むプロセスの説明図である。
図9は本発明に従って製造されたガラスをエネルギアキュムレータとして使用する要領の説明図である。
発明の説明
一成分ガラス又は一成分ガラスの特性に匹敵する多成分ガラスの製造方法が開示される。本発明の方法はガラス形成物質と、溶融ガラスより除去可能な陽イオンを有するガラス修正物質とを有する溶融ガラス浴を用意する工程を含んでいる。溶融ガラス中の陽イオン濃度が低下するよう、電場、静電場、磁場、電磁場よりなる群より選択された少なくとも一つの力場が適用され、これにより溶融ガラスよりガラス修正物質の陽イオンが除去される。
本発明の方法は好ましくは溶融ガラス浴より連続的に溶融ガラスを引き抜く工程を含んでいる。また本発明の方法は好ましくは溶融ガラス中の陽イオン濃度を低減すべく少なくとも二つの力場を適用する工程を含んでいる。
本発明の方法の一つの実施形態は、ガラス形成物質を有する溶融ガラス浴と、溶融ガラスより除去可能な陽イオンを有するガラス修正物質とを用意する工程を含んでいる。第一及び第二の電極が溶融ガラスに接触した状態にて設けられ、第二の電極は溶融ガラスより陽イオンを受けることができる。第一の電極の極性が第二の電極に対し正である状態が維持され、第一の電流が第一の電極から第二の電極へ溶融ガラスの一部を経て流れるよう、第一の電圧が第一の電極と第二の電極との間に印加される。溶融ガラスより陽イオンを受けることができる第三の電極が溶融ガラスに接触した状態にて設けられ、また不活性の導電媒体により溶融ガラスより分離された第四の電極が溶融ガラスに接触しない状態にて設けられる。第四の電極の極性が第三の電極に対し正である状態が維持され、第二の電流が第四の電極から第三の電極へ溶融ガラス及び不活性の導電媒体を経て流れ、第二及び第三の電極に於いてガラス修正物質の陽イオンが還元されると共に溶融ガラスより陽イオンが除去され、これにより溶融ガラス中の陽イオンの濃度が低減されるよう、第二の電圧が第三の電極と第四の電極との間に印加される。
第二及び第三の電極は一つの溶融電極であることが好ましい。溶融ガラスがその浴より連続的に引き抜かれることが好ましい。第二の電流の方向は溶融ガラスの流れ方向に対し垂直であることが好ましい。
正の電荷を有するガラスはこの方法を使用して製造可能である。このことはガラスの表面に接触していない第五及び第六の電極と、ガラスの表面に接触した埋設された電極とを設けることにより行われることが好ましい。第三の電圧が第五の電極と第六の電極との間に印加され、第三の電流が電位の低い方向へガラスより埋設された電極を経て流され、これにより正の電荷がガラス中に形成されるようガラスより電子が除去される。
本明細書に記載されたプロセスを使用してガラス片が形成されると、以下の方法を使用してそのガラス中に正の電荷を形成することができる。ガラスはその軟化点よりも高い温度に加熱され、ガラスの表面に接触した埋設された電極が設けられる。電圧がガラスの表面に接触していない一対の電極の間に印加され、電流が電位の低い方向へガラスより埋設された電極を経て流され、これにより正の電荷がガラス中に形成されるようガラスより電子が除去される。
陰極に於いて陽イオンが還元されることにより形成された金属は酸化され、このプロセスに於いて出発原料として再使用される。
「ガラス形成物質」なる用語はSiO2やAl23の如くガラスを形成することができる物質を意味する。これらの物質として、(1)P5+、V5+、Si4+、Ti4+、Zn4+、Ge4+、B3+、Al3+、Fe3+やこれらと同様の結晶化学挙動を有する陽イオンの如く高い電荷を有するガラス形成元素、(2)Fe2+、Co2+、Ni2+、(3)Pb2+、Cd2+、Zn2+、Be2+やこれらと同様の結晶化学挙動を有する陽イオンの如き化学元素であって、周期表の第VI族及び第VII族の元素と反応して安定な同位多面体結晶を形成するガラス形成元素がある。これらのガラス形成元素は周期表の第VI族及び第VII族の元素又は炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩の如き塩又は塩の混合物と組み合わされる。
「ガラス修正物質」なる用語は、それ自身ガラスを形成しないが溶融状態にてガラス形成物質と組み合わされるとガラスを形成する物質を意味する。ガラス修正物質の例としてNa2OやMg2Oがある。またこれらの物質として、(1)Li+、Na+、K+やこれらと同様の物理的及び化学的性質を有する陽イオン、(2)Ca2+、Sr2+、B2+やこれらと同様の物理的及び化学的性質を有する陽イオン、(3)Pb2+、Cd2+、Zn2+及びこれらと同様の物理的及び化学的性質を有する陽イオンの如きガラス修正元素であって、周期表の第VI族及び第VII族の元素と安定なボンドを形成しないガラス修正元素がある。ガラス修正元素は周期表の第VI族及び第VII族の元素又は炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩の如き塩又は塩の混合物と組み合わされる。
本発明によるガラスを製造する方法は、溶融ガラスが一つ又はそれ以上の力場に曝される点を除き、当技術分野に於いて従来より使用されている方法と実質的に同一である。これより本発明をバッチプロセス及びフロートガラスプロセスとの関連で説明するが、他のプロセスが使用されてもよい。
図1に於いて、シールされた水晶レトルト10が1mmHgの真空よりも低い真空にて運転される高温真空炉12内に配置される。適当な組成及び混合物の原料が、溶融陰極16になる低融点金属の床上にて水晶るつぼ14内に配置される。好適な物質としてスズ及び鉛があるが、これらに限定されるものではない。低抵抗物質、好ましくはプラチナよりなる電極18が適宜に構成され且つ外部より調節可能なロッド20により原料の表面の上方に懸垂支持される。低抵抗物質、好ましくはプラチナよりなる電極22が溶融ガラスになる原料中に水平に配置される。好ましくはプラチナよりなる他の電極24が原料の表面近傍に配置される。低抵抗の電極導線26、28、30が各電極に接続され、シールされた水晶管を経てレトルトの上端より外へ配線される。乾燥した不活性の気体(好ましくはヘリウム又は窒素)の供給源31が適当な流量制御装置を使用してレトルトへ供給される。レトルトの内部は適当な制御装置を有する真空装置32により連続的に脱気され、1〜2mmHgの真空に維持される。真空導管はこのプロセス中に発生する反応の性質を判定するために使用される質量分光計34により連続的に監視される。電極導線26は高電圧電源36の正の端子に接続される。溶融陰極16よりの電極導線38は高電圧電源36の負の側に接続される。低電圧電源40の正の端子は電極導線28に接続される。低電圧電源40の負の端子は溶融陰極16よりの電極導線38に接続される。第二の低電圧電源42の一方の端子は電極導線30に接続される。電源42の他方の端子は異なる電位の点、好ましくは接地電位の点に接続される。
このプロセスに於いては、電気化学的電池を形成するために静電場のみが使用される。陽極は溶融ガラスと接触していないので、中立層は形成されない。溶融陰極はガラス修正物質としての鉄を吸収し、また中立層の形成を阻止する。低電圧電源に接続された二つの埋設された電極はガラスの性質を測定するためにのみ使用され、鉄を除去するための電気化学的反応を創成するためには使用されない。
Na2CO3(純度99.99%)とSiO2(純度99.99%)とよりなる出発混合物を使用するバッチプロセスの一例が、水、酸素、窒素、他の雰囲気汚染物質が全て除去されたヘリウムの環境中に於いて1mmHgの真空にて溶融状態に加熱される。Na2CO3は加熱されるとNa2OとCO2(気体)とに分解する。CO2気体は容器より除去される。残存する固体成分は移動可能な陽イオンNa2Oと移動不可能な陰イオンSiO2との組成を有する溶融ガラスを形成する。気体のイオン化が生じるまで電圧が電極18と溶融陰極16との間に印加される。この電圧は温度、圧力、電極とガラスとの間の間隙、気体の組成の如き変量次第である。ヘリウムの場合には、間隙が5mmであるときの電圧は15000Vである。電圧が印加されることにより、金属イオンが溶融金属(この例の場合スズ)中に蓄積せしめられる。このことによりガラス中に過剰の電子が存在するようになる。電子は埋設された電極により大地へ導かれる。ガラスが冷却されて固体状態になり或いは過冷却された液体状態になると、ガラスは正の電荷を有するようになる。電荷の大きさは理論的にはガラス1Kg当り227Ahrin/onである。加熱炉が使用されない点を除き図6と同様の方法がガラスの内外に流れる電子の流れ(電流)を制御するために使用されてよい。
特定の作動理論に限定することを意図するものではないが、本発明は以下の如く作動するものと考えられる。
ガラス形成物質及びガラス修正物質の混合物がその遷移温度(混合物が或る相より他の相へ変化する温度)よりも高い温度に加熱されると、その融液中の成分は反応して構造的化合物を形成する。一つの構造成分は二つの部分、即ち比較的動き難い部分と比較的動き易い部分とを有する特殊な種類の真の溶液である。動き難い部分は実質的にそれぞれ負の電荷を有する相互に独立のマクロパート又は一つの方向又は二つの方向に互いに結合し負の電荷を有するマクロパートよりなる格子の形態をなす一つの三次元陰イオンである。動き易い部分は格子中に無作為に分散され、熱的力場の作用により移動し群又は会合を形成する金属イオンよりなる。各イオン(一般には陽イオンである)は格子とそれぞれ独立のイオンボンドを有する。
融液は出発原料成分の新たな状態を示す。融液は電解質の性質を有し、出発原料が電解質の性質を有していたか否かに拘らず、電流を導く。二つの部分はそれぞれ互いに逆の符号の電荷キャリヤであり、所望の方向に移動される。
動き易い部分の陽イオンは熱拡散により格子構造中を移動する。このことにより格子の状態が変化する。この中間状態は化学的ボンドの連続的な破壊及び形成の結果である。この状態は短時間のみ存在する負の電荷キャリヤの存在により格子の初期状態より区別される。この中間状態が形成された時点に於いては、負の電荷キャリヤは格子の残りの部分のエネルギよりも高いエネルギの電子を有する。
融液に与えられる力場は熱拡散のプロセス中に於ける電荷キャリヤの移動方向を規定する。力場は高いエネルギにより格子の中間状態の負の電荷キャリヤより電子の配向、移動、抽出を行う。このことにより動き易い部分の濃度が変化する。動き易い部分は融液より部分的に又は完全に除去される。更に力場は融液中に正の電荷を形成する。
通常の電気化学的電池に於いては、イオンが電極に接触すると、イオンは電子を獲得又は放出し、中立状態の原子又は分子になる。原子又は分子は気泡となって上方へ流れ、或いは粒子となって沈降し、熱拡散により出発電解質中に分散される。このことにより新たなイオンのための空間が電極の近傍に形成される。電気化学的プロセスの効率は電極の近傍に於ける中立層の更新の速度に大きく依存する。電気化学的プロセスは中立層の更新が不十分であったり全く行われない場合にはその速度が低下し或いは全く停止する。
溶融ガラスの浴に於いては、格子は実質的に一つの陰イオンである。溶融ガラス中に於いて電気化学的プロセスが行われる場合には、まず格子の陽極と接触した部分のみが外部電気回路へ電子を放出し、電気的中立層を形成する。格子は比較的動き難く、従って電気化学的プロセスが遅くなり或いは停止するので、この中立層は通常の速度にては更新されない。
融液の塊中に空間的に分散されたマイクロパートよりなる格子を有する構造的化合物を形成すべく出発原料の化学組成を選択することによっては上述の問題を解消することができない。相互に独立の陰イオンであるマイクロパートは陽極へ移動し、通常の電解質中の場合と同様に中立化される。中立化されたマイクロパートは互いに接触し、互いに結合して新たなマイクロパートの中立化を阻止する電気的中立層を成形する。このことにより一般的な格子を有する構造的化合物の場合と同様電気化学的プロセスが終了する。陽極の近傍に於ける中立層の更新が不十分であると、陽極の近傍に於ける中立層中の構造的化合物の分解を惹起す程度にまで電場強さが増大される。電気化学的電池の外部電気回路の電圧が約1.6〜2Vになると分解が開始する。
陽極の表面と陰極の表面との関係及び陽極の表面の長さにより電気化学的電池の回路中の電流密度の値が決定される。これらの関係は出発混合物の特定の化学組成について極限電流密度値を達成するよう決定される。これらの因子は溶融ガラスより陽イオンを除去する効率を決定する。
ガラスが種々の陽イオンを有する二つ又はそれ以上のガラス修正物質を含有する場合や、ガラスが同一の陽イオンであるが電荷が異なる二つ又はそれ以上のガラス修正物質を含有する場合には、陰極プロセスはそれぞれ互いに異なる電流値を有する二つ又はそれ以上の順次発生する抽出プロセスよりなる。まず最も低い極限電流値にて陽イオンが抽出され、次いで次に低い極限電流値にて陽イオンが抽出される。電流値の増大は種類又は電荷の値が異なる陽イオンの移動の運動エネルギが異なることに起因して発生する。これらの変化は外部電気回路の最大電圧値内に於いて生じ、不活性の導電媒体の破壊は発生しない。
図2は典型的なフロートガラス製造プロセスを示している。ガラス成分は炉50内に於いて遷移温度よりも高い温度に加熱される。ガラス成分は溶融された後炉52へ移動される。炉52は溶融金属54の浴を有し、該浴上に溶融ガラス56が注がれる。溶融ガラス56は溶融金属54の表面上に広がり、ガラスの上面及び下面は実質的に平坦で互いに平行な状態になる。炉52は温度が順次低下する一連の温度領域を有する。ガラスは炉内を通過する際に冷却され、これにより粘性が増大する。溶融ガラスの浴よりガラスシートが連続的に引き抜かれ、必要に応じて更に処理される。
図3は本発明のプロセスの一つの実施形態を示している。溶融ガラス56は炉50より炉52内へプラチナの如き電気抵抗の低い物質にて形成された陽極60を経て移動される。溶融ガラス56中に電気化学的電池が形成される。陽極60と陰極62との間に電圧58が印加され、これにより陰極62より陽極60へ向けて溶融ガラス56中に電流が流される。フロートガラスプロセスに使用される溶融金属(スズ又は鉛)は陰極62として使用される。
図3に示されている如く、溶融ガラスは電気的力の作用によって陽極へ移動するマトリックスマクロパートの速度の絶対値よりも高い速度にて移動する。陽極60の近傍の領域を経て溶融ガラスが移動する際に、新たな格子部分が陽極60と常に接触した状態になり、外部電気回路へ連続的に電子を放出し、これにより陽極近傍の中立層の更新が行われる。このことにより従来の陽極−陰極プロセスが継続的に行われる。またこのことにより融液より移動可能な部分を効率的に除去するに必要な条件が創成される。
炉52中の溶融ガラス56は電気化学的電池の溶融スズ陰極上へ流れるが、スズ浴の壁には接触しない。自由に流れる溶融ガラス56はその表面全体に亘り陰極と最大の面接触した状態になる。陰極プロセスは溶融ガラスが下方へ流れて溶融スズと接触する位置に於いて開始する。陰極プロセスは陰極の表面に存在する陽イオンの中立化を特徴としている。中立化の度合は陽極に於いて格子より抽出される電子の数に比例する。
溶融ガラスは図3に示されている如く第二の力場に曝される。電圧64が陰極62と溶融ガラスと接触していない陽極66との間に印加される。陽極66は窒素やヘリウムガスの如き乾燥した不活性の導電媒体により溶融ガラスより分離される。このことにより陰極62より陽極66へ流れる電流が形成される。陽極66はプラチナにて形成され、陽極が溶融ガラスの最大の表面積にオーバラップすると共に、電極と炉構成材料と溶融ガラスにより覆われていない溶融スズの表面との間に放電が生じない大きさに設定されることが好ましい。
静電場は熱的力場と共働して溶融ガラス中の可動の陽イオンに作用し、これにより陰極62の方向へ陽イオンが移動される。また静電場は格子を分解することなく電子を抽出するに十分なエネルギレベルにまで格子中の電子のエネルギを増大させる。構造的化合物の化学結合を構成する電子のエネルギよりも高いエネルギを有する電子がまず抽出される。
陽極66の方向へ移動する結合していない電子及び陰極62の方向へ移動する陽イオンは、溶融ガラスと不活性の導電媒体と陰極62と陽極66とを含む電気回路中に電流を形成する。陽極66は融液と接触していないので、陽極に於ける中立層の更新及び分解の問題は生じない。この電気回路の最大電圧は導電媒体を破壊する電圧である。
溶融スズ陰極にはガラスより中立化された陽イオンが連続的に供給される。溶融スズはガラスより陽イオンが連続的に除去されるよう連続的に更新されなければならない。スズ/金属合金は純粋の金属を形成するよう公知の方法を使用して収集され処理される。かくして形成される金属は更に処理され、ガラス組成物の出発成分として使用される。金属の処理の際に発生された熱は上述のプロセスに使用される。
図4に示されている如く、正の電荷が或る状況下にてガラス中に導入される。単位時間当りに格子より除去される電子の数が陰極に於いて中立化される陽イオンの数を越えると、電子は0電位の方向へ移動する。この場合電極が電子を吸収するガラスの表面に位置する電極の電位とは異なる電位を有する任意の表面に導電体によって接続されていれば、電子は電流を形成する。このことが生じると、正の電荷がガラス中に形成される。
図4に於いてガラスは第三の力場に曝される。ガラスは炉52内に於いて冷却され、ガラスの粘性は高くなるので、陽イオンはガラス内を容易には移動することができない。電圧68が一対の電極70と72との間に印加される。一対の電極70及び72は溶融ガラスには接触していない。埋設された電極74がガラスの表面と接触している。かかる状況に於いては、溶融ガラスの粘性が高いことにより、陰極72に於いて低減される陽イオンの量よりも多い電子が陽極70に於いて溶融ガラスより除去される。従って電子が埋設された電極74の方向に流れ、過剰の正の電荷が溶融ガラス中に形成される。
また正の電荷を有するガラスは図5に示されている如き構成を使用してバッチプロセスにて製造される。出発原料はガラス形成物質とガラス修正物質との組合せより選択される。これらの混合物は真空及び不活性ガスの環境に於いて溶融状態に加熱される。典型的には真空は1mmHgであり、ガスはヘリウム又は窒素である。電極78と80との間に印加される電圧76が、ガスのイオン化が発生して電極78よりガラスを経て溶融陰極80まで電流が流れ得る程度にまで増大される。このことにより金属イオンが溶融金属中に収集され、混合物中に自由電子が発生する。自由電子は埋設された電極82により大地へ導かれ、これにより正の電荷が発生する。混合物が冷却されると、正の電荷を有するガラスが形成される。電子は放電プロセス中にガラスへ戻される。しかし電子は元の格子の位置へ戻されるのではなく、繰り返し除去され(これによりガラス中に電荷を発生する)且つ放電中に戻される「自由電子」として存在する。
例1
26%のNa2Oと74%のSiO2とを含有する融液よりガラスが形成される。水晶砂(SiO2)及びソーダ灰(Na2CO3)が融液になるよう真空炉中にて約900℃の温度に加熱される。真空炉の表面よりガラスの融液が汚染されることがないよう中間容器、即ちレトルト(図1参照)が必要とされる。レトルト内の圧力が1mmHgの真空に維持され、炉内の圧力がこれよりも僅かに低い圧力に維持される。ガラスとプラチナ陽極との間の間隔が約5mmになるようガラス融液の上方にプラチナ陽極が配置される。陽極とガラスとの間に於いてガスをイオン化するに十分な直流電圧が4時間までの時間に亘り印加される。この例に於いては溶融ガラスの上方に1mmHgのヘリウム雰囲気が維持される。ガラスは冷却され、その性質が室温に於いて検査される。ガラスは理論的にはガラス1kg当り10Ahrまでの多量のエネルギを保存する。
レトルト、即ち中間容器を加熱する際には注意が払われなければならない。水晶レトルトが損傷しないよう毎分2℃の加熱速度が採用されなければならない。この例に於いては、炉は接地されてはならず、漂遊電場が存在しないよう直流電圧が加熱要素に印加されなければならない。余分な汚染物質がレトルト中へ侵入しないよう、炉内の真空はレトルト内の圧力よりも僅かに低く設定されなければならない。できるだけ余分な鉄分による汚染が生じないよう、真空炉の構成材料としてステンレス鋼が選択された。
本発明を以下の如く更に説明することができる。ガラスはMe2O、MeO、Me23、MeO2、Me25、MeO3の如き種々の金属酸化物を含む特殊な系である。酸素に代えてフッ素、塩素、及び物理的性質や化学的性質の点でこれらと同様の元素が存在していてもよい。
下記の多数の全ての物理化学的プロセスを順次行わせることによって従来のガラス製造パターンが実現される。
T,T1,T2,…,Tn (1)
これらのプロセスの大まかな分類は以下の技術的工程として表される。即ち天然材料又は合成材料よりガラスを形成する出発混合物を形成する工程、混合物を完全に溶融状態にもたらし新たな物質を形成するに必要な温度に出発混合物を加熱する工程、かくして融液の状態にて得られた物質を物品を形成するに必要な温度に冷却する工程、所望の微細組織及び物理的性質及び化学的性質を得るべく物品に対し熱処理又は他の処理を施す工程である。
力場(機械的力場、熱的力場、電気的力場、これらと同様の作用を有する力場)の作用により行われる下記の多数の物理化学的プロセスが完了すると、出発原料が電解質の性質を有していたか否かに拘らず、電解質の性質を示す構造的化合物よりなる物質が融液の状態にて形成される。
T,T1,T2,…,Tn-m (2)
かくして形成された融液に於いては、二つの成分部分を同定することができる。一方の成分部分は一般的な負の電荷を有する格子−イオンの形態をなす比較的動き難い実質的に連続的な部分である。格子の化学元素中に侵入する他の電子よりも高いエネルギを有する幾つかの電子が格子全体に負の電荷を与える。
構造的化合物の他の部分は上述の第一の部分に比して活性が高く動き易い部分であり、正の電荷(陽イオン)を有する化学元素の相互に独立した群又は会合(結晶ではない)を構成し、各陽イオンは格子との相互に独立のイオン結合を有する。
下記の多数の物理化学的プロセスが、ガラスが得られる瞬間に於ける融液の状態及び化学組成により決定される物理的性質及び化学的性質を有するガラスと呼ばれる物質を形成することによって終了する。
n-m,…,Tn-1,Tn (3)
融液中の場合と同様、ガラス中の二つの成分部分を識別することができる。ガラス格子は一群の陽イオン全体により占有されている空間にのみ可動の陽イオンを有する一片の三次元的な陰イオンである。高温度に於いては陽イオンはガラス格子の連続性を破壊することなく一つの群より他の群へ移動することができる。
格子はその特性を決定するガラスの基本である。格子を形成する化学元素のみよりなるガラス(一成分系、即ちクオーツガラス)は最良の性質を有し、陽イオンの群はそれらが格子中に存在する場合(多成分系、例えばシリケートガラスの場合)にのみガラスの主要な性質を損ね、一般的には使用者が最も低い製造コストにて許容し得るガラスの技術的特徴を得るべくガラス組成中に導入される。一成分ガラスの利点は一般的に知られている。かかるガラスの技術的特徴により、最終製品の重量を低減し、過酷な作動条件下に於いてガラス物品を使用することができる。かかるガラスにて形成された物品の価格が高いことのみがそれらの広範な適用を阻害する。
二つの成分部分を同定することができる実質的に任意のガラス形成用化学組成の出発混合物の低温の多成分融液より直接化学組成の点で一相のガラス状材料を製造する問題は、下記の多数の物理化学的プロセスを順次実行することによって解決され、これらのプロセスの大部分はガラス製造工業に於いて従来より一般的な方法によりガラス製造工業により採用されている技術に従って実行される。
T,T1,T2,…,Tn-m,Tn-(m+1),…,Tn-1,Tn (4)
構造的化合物はその成分の物理的混合物でもなければ機械的混合物でもなく、特殊な真の溶液である。構造的化合物は二つの成分部分、即ち変化不可能な部分(主要な部分)と変化可能な部分とが存在することを特徴とする複雑系を呈する不確定な化学化合物である。その変化が化合物全体の変化に通じる構造的化合物の部分はガラスの主要な部分として理解される。これに対し変化可能な部分は変化や置換に曝される。構造的化合物の成分部分のみを同定すべく、これらの部分は例えばA(変化不可能な部分(主要な部分))、B(変化可能な部分)、C(構造的化合物)の記号により表示される。従って構造的化合物Cは二つの記号(AB)によっても表される。
一つの相はその系の化学組成の部分に応じて均一である。
構造的化合物Cの変化不可能な部分(主要な部分)A及び変化可能な部分Bを製造すべく、適当な成分、即ち出発化学化合物(例えばNa2O)又は出発化学化合物(例えばNa2CO3)を含有する成分及び添加成分(例えば物理化学的プロセスの促進剤)が、所定の化学組成の出発ガラス形成混合物を形成するに必要な量にて均一に混合される。
構造的化合物に於いて部分Aと同定される出発混合物の成分は、(a)陽イオンがP5+、V5+、Si4+、Ti4+、Zn4+、Ge4+、B3+、Al3+、Fe3+の如き高い電荷を有する陽イオン及びこれらと同様の結晶化学挙動を有する陽イオンを有する出発化学化合物の組成物中に侵入する化学元素、(b)Fe2+、Co2+、Ni2+、(c)Pb2+、Cd2+、Zn2+、Be2+の如く高い電荷を有する陽イオン及びこれらと同様の結晶化学挙動を有する陽イオンを有する化学元素であって、周期表の第VI族及び第VII族の元素と化合して安定な同位多面体を形成する(例えば酸素と化合してMeO11を形成する)化学元素であることを特徴としている。
また構造的化合物に於いて部分Bとして同定される出発混合物の成分は、(a)出発化学化合物の組成物中に侵入する化学元素、即ちLi+、Na+、K+及びこれらと物理的性質及び化学的性質の点で同様の陽イオン、(b)Ca2+、Sr2+、B2+及びこれらと物理的性質及び化学的性質の点で同様の陽イオン、(c)Pb2+、Cd2+、Zn2+及び物理的性質及び化学的性質の点でこれらと同様の陽イオンを有する化学元素であって、周期表の第VI族及び第VII族の元素(例えば酸素)と安定なボンドを形成しない化学元素であることを特徴としている。
これらの成分より形成された混合物はその出発混合物の各成分の遷移温度に加熱され、これにより溶融状態にもたらされる。
出発混合物の成分は融液中に於いてそれらの個別性を喪失し、構造的化合物Cを形成する。構造的化合物Cの部分Aはそれぞれ負の電荷を有する個別のマクロパート又は一つの負の電荷を有する一方向又は二方向又は三方向に互いに結合されたマクロパートよりなる格子の形態をなす一つの三次元的な陰イオンである。部分Aよりも活性が高く動き易い構造的化合物Cの部分Bは部分A中に無作為に分散された金属イオンよりなり、これらの金属イオンは熱的力場の作用を受けて移動し、群又は会合を形成し、各イオン(一般には正の電荷を有する)は部分Aとの相互に独立のイオン結合を有する。
出発成分より形成される融液は出発成分の新たな状態を呈し、各融液は電解質の性質を呈し、イオン及び電子又はイオンのみによって電流を導き、二つの互いに異なる成分部分A及びBを有し、各部分は物理化学的プロセスが所望の方向に進行することを許す融液中に分散された互いに逆の符号の電荷キャリヤである。
下記の物理化学的プロセスが熱的力場及び電場の作用により融液中に於いて行われる。
n-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1 (6)
熱的力場は融液の部分Aの塊中に正の電荷を有する可動の部分Bを熱拡散させ、部分Aの中間状態を形成する。この部分Aの中間状態は化学的結合の連続的な破壊及び形成の結果であり、この現象は負の電荷キャリヤがごく短時間のみ存在することによって中間状態を部分Aの初期状態より区別する。部分Aの中間状態の負の電荷キャリヤはそれが形成された瞬間に於いて部分Aの他の電子のエネルギよりも高いエネルギを有する電子を有する。
電場及び静電場又はそれらの組合せは熱拡散のプロセスに於ける電荷キャリヤの移動方向を規定し、それらの配向及び変位を規定し、融液の部分Aの中間状態の負の電荷キャリヤより高いエネルギを有する電子を抽出し、熱的力場の作用と共働して融液中の活性の高い可動の部分Bの濃度を変化し、或いは融液の他の部分中に過剰の正の電荷を形成しつつ或いは形成することなく融液より可動の部分Bを完全に除去し又は部分的に除去する。
融液の部分Aは下記の一般式により表される。
Meq mk n
ここに
Meqは出発混合物の部分Aのための成分と同定される化学元素である。
kは周期表の第VI族及び第VII族の化学元素、特に酸素である。
融液の部分Bは以下の式により表される。
SMePf
ここに
MePは出発混合物の部分Bのための成分と同定される化学元素である。
物理化学的プロセスは一般式
SMePfMeq mk n
の形態をなす構造的化合物Cにより表される均一な系が過剰の正の空間電荷を有する構造的化合物Cの修正された部分Aと構造的化合物Cの修正された部分Bとの少なくとも二つの相よりなるマクロ不均一の系に変化するよう、融液を修正する。
均一な系が少なくとも二つの相よりなる不均一な系へ移行する変化は下記のパターンに従って発生する。
SMeP fMeq mk n→rfMef
+(S−rf)MeP fMeq mk n
ここに
fMefは化合物Cの修正された部分Bである。
(S−rf)MeP fMeq mk nは過剰の正の空間電荷を有する単分子若しくは単結晶の化合物の形態をなす化合物Cの修正された部分Aである。
i、j、f、m、nは整数である。
r、S>0は実数である。
下記の物理化学的プロセスは、熱的力場及び静電場(及びこれらと同様の力場)により活性の高い可動の部分が除去された粘性の高い融液中に化学的結合が再度形成されることを特徴としており、同時に冷却されることによって所望のジオメトリのガラス状材料を形成する方法及び装置が設けられる。
n-1,…,Tn (7)
所定の構造的化合物Cの形成に必要な化学組成を有する出発混合物の融液より無機ガラス状材料を製造するためには、本発明によれば、下記の物理化学的プロセスを連続的に行わせる必要がある。
T,T1,T2,…,Tn-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1,Tn (8)
上記プロセスは出発原料成分を準備する工程より最終材料を製造する工程に至る技術的(又はプロセス)サイクル中に生じ、この技術的サイクルは三つの技術的(又はプロセス)工程、即ち(1)熱力学の法則に基づいて構造的化合物Cを形成する工程と、(2)熱的力場及び電場若しくは静電場の組合せの作用及びこれらと同様の作用により融液中の活性の高い可動の部分Bの濃度を変化させ、融液の残りの部分中に過剰の正の電荷を形成しつつ又は形成することなく融液より部分Bを完全に(又は部分的)除去する工程と、(3)無機ガラス状材料を製造し、融液より除去された金属を回収し若しくは金属より回収された金属を酸化させ、これにより出発混合物の成分を得ると共にこれと同時に金属の酸化のプロセス中に放出された熱を回収する工程とに分割される。
各技術的(又はプロセス)工程は、ガラス製造工業に於いて使用されている公知の方法及び装置を使用して、無機ガラス状材料を製造するためのプロセスサイクルの各工程の間に実行される。本発明の観点に於いては、本発明の実施に適した方法は図2に示されたフロートガラスの製造に使用される方法及び装置に基づくものである。
フロートガラスの製造は、(a)出発混合物成分を形成するための実質的に公知の装置を使用し、出発混合物を形成し、融液を得るための動作温度にて動作する炉50内へバッチ式に又は連続的に出発混合物を装入することにより下記の多数の物理化学的プロセスを順次行う工程と、
T,T1,T2,…,Tn-m
(b)溶融金属にて研磨された工業用シートガラスを連続的に製造し得るよう融液の粘性を変化させるに必要な温度条件を有する炉52内の溶融金属(例えばスズ)上へ炉50より融液を移動させる方法及び装置が設けられた下記の多数の物理化学的プロセスを順次行う工程と、
n-m,…,Tn-1 (9)
(c)炉52より高粘性の融液を引き抜いて所望のジオメトリの工業用シートガラスを製造するための方法及び装置が設けられた下記の多数の物理化学的プロセスを行う工程とを行うことを特徴としている。
n-1,…,Tn (10)
本発明によれば、下記の多数の物理化学的プロセスが、ガラス状物質を製造すべくガラス製造工業に於いて使用されている方法及び装置、例えばフロートガラスの製造に使用されている方法及び装置であって、下記の成分(構造的化合物Cを形成するに必要な成分)より出発混合物が形成されることを特徴とする方法及び装置により順次実行される。
T,T1,T2,…,Tn-m
構造的化合物Cを形成するに必要な成分とは、(a)高い原子価を有する金属フッ化物又はかかるフッ化物の混合物、高い原子価を有する金属酸化物又はかかる酸化物の混合物、高い原子価を有する金属の臭化物又はかかる臭化物の混合物の如き化合物により表される成分、及び(b)一価又は二価の金属の酸化物又は一価若しくは二価の酸化物の混合物、一価又は二価の金属のフッ化物又は一価若しくは二価のフッ化物の混合物、一価又は二価の金属の臭化物又は一価若しくは二価の臭化物の混合物の如き化合物により表される成分である。出発混合物の成分は周期表の第VI族及び第VII族の元素との他の化学的金属化合物であってもよく、また塩又は塩の混合物(例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩)であってもよい。
形成された出発混合物は一連のバッチとして又は連続的に炉50内へ装入され、組成が下記の式にて表される化合物Cを形成するに必要な温度に加熱される。
MeP fMeq mk n
物理化学的プロセスの結果として、炉50内へ装入された出発混合物の成分は互いに反応し、成分が融液内へ移動し、反応の最終生成物が化合物Cになるよう変化し、化合物Cに於いてはイオン結合した状態にある成分部分A及びB、即ち出発成分の新たな状態を同定することができる。
出発成分が電解質の性質を有していたか否かに拘らず電解質の性質を示し構造的化合物Cにより構成される融液は重力の作用により炉50より炉52内へ流れ、或いは機械的装置を使用して移動される。
本発明によれば、フロートガラスの製造に使用されている方法及び装置や、フロートガラスの製造に使用されているものと同様の方法及び装置であって、構造的化合物Cの融液が電気抵抗の低い物質にて形成され電気化学的電池の陽極である装置を経て炉50より炉52へ移動される点に於いて或る程度基本的な修正や追加が行われた方法及び装置を使用し、またフロートガラスの製造に使用される既存の技術的構成要素である溶融金属(例えばスズ又は鉛)であって本発明によれば電気化的電池の陰極として作用する溶融金属を使用して、下記の多数の物理化学的プロセスが行われ、出発原料が電解質の性質を有していたか否かに拘らず電解質の性質を呈する融液であって、イオン及び電子又はイオンのみによって電流を導く融液により内部電気回路が形成され、イオンや電子が所望の方向へ移動する際に仕事が行われ、電気化学的電池に一般に使用される構成要素よりなる外部電気回路が形成される。
n-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1
通常の電気化学的電池に於いては、互いに化学的(構造的)結合を有しない独立の構造的単位としてのイオンは電極に到達し電極と接触すると電子を獲得し又は電子を放出し、これにより中立の原子又は分子の状態になり、しかる後気泡となって上方へ流れ、或いは粒子となって沈降し、若しくは熱拡散によって出発電解質中に分散され、これにより電極の近傍に新たなイオンのための空間が形成される。電気化学的プロセスの効率はイオンによる電極近傍の中立層の更新の速度に大きく依存し、中立層の更新が不十分である場合や更新が全く行われない場合には電気化学的プロセスが実質的に停止する。
前述の如く、任意の構造的化合物の基本は実質的に一つの陰イオンであるマトリックスである。融液中に於いて電気化学的プロセスが行われる場合には、マトリックスはまず陽極と接触した部分のみによって電気化学的系の外部電気回路へ電子を放出し、これにより電気的中立層を形成する。この層は通常の電解質の場合のようには更新されず、その更新は共通の格子に組み込まれた原子及びイオンが長い空間範囲に亘り分散し直されることによってのみ可能である。
陽極の近傍に於ける中立層の更新の問題は、融液の塊中に空間的に分散されたマイクロパートよりなる格子を有する構造的化合物を製造すべく、出発原料の化学組成を適当に選択することによっては解決されない。相互に独立の陰イオンであるマイクロパートは通常の電解質の場合と同様陽極へ移動し、それが陽極と接触した状態になると中立化される。中立化されたマイクロパートは陽極に接触すると共に互いに接触し、互いに結合して共通の電気的中立層を形成し、中立層は新たなマイクロパート−陰イオンの中立化を阻止し、これらは陽イオンがない塊中に蓄積し、また互いに接触して陽極の近傍に共通の電気的中立層を形成し、これにより共通の格子を有する構造的化合物の場合と同様の要領にて電気化学的プロセスを終了させる。
陽極の近傍に於ける中立層の更新が不十分であると、陽極近傍の中立層中の構造的化合物を分解させる程度にまで電場強さが増大され、構造的化合物の分解は電気化学的電池の外部電気回路の電圧が約1.6〜2Vに到達すると開始する。かかる電気化学的電池の電気回路に於いては、融液より可動の部分を除去するプロセスは非効率的である。
図3に示されている如く炉50より炉52内へ移動される融液は、電気的力の作用を受けて融液のマクロパートの移動方向とは反対の方向へ陽極まで移動するマトリックスマクロパートの速度の絶対値よりも高い速度にて、電気抵抗の低い物質にて形成され且つ電気化学的電池の陽極である装置を経て移動する。融液が陽極近傍の領域を経て移動する際には、新たな格子部分が常に陽極と接触した状態になり、電気化学的電池の外部電気回路へ連続的に電子を放出し、これにより中立層を更新すると共に陽極−陰極プロセスにて従来の電気化学的プロセスの継続を可能にし、電子及びイオンにより内部電気回路内の導電が行われ、これにより電子の導電体(又は供給源)及び同様に中立化された陽イオンにより形成された材料が得られる。
図7は多成分系について電気化学的プロセスの典型的な電圧−電流特性を示している。大きさ、電荷の符号、性質が互いに同一である陰極に於ける電荷キャリヤの中立化のプロセス(陰極プロセスは分解プロセス及び移動プロセスを含む)若しくは大きさ、電荷の符号、性質が互いに同一である陽極に於ける電荷キャリヤの中立化のプロセス(陽極プロセスも分解プロセス及び移動プロセスを含む)は、それら自身の電圧−電流特性を有することを特徴とし、また融液中に性質は異なるが同様の電荷キャリヤが存在することに起因して、一つの陽極(若しくは陰極)プロセスが完全に完了した時点又は一つの陽極(若しくは陰極)プロセスが完了し他の一つの陽極(若しくは陰極)プロセスが開始した段階に於いて大きさが変化する極限電流を特徴としている。陽極(若しくは陰極)プロセスは他の陽極(若しくは陰極)プロセスの極限電流値よりも低い電流値を有するプロセスより順次行われる。
出発混合物の融液の場合には、電荷キャリヤの性質が変化しない(部分A)ので、部分Aより電子を抽出することを特徴とする電気化学的電池に於ける陽極プロセスは電気化学的プロセスの全体に亘り変化しない。移動する融液を有する電気化学的電池に於いては、性質の異なる陽イオンが存在すれば、電流の変化は陰極のプロセスの変化によってのみ可能である。一つの陰極プロセスの極限電流値(及びその電流値に対応する最大の所要の電圧)は、陽極(陰極)の表面及び形状、移動速度、融液の粘性が適正である場合に達成される。
炉52内の融液は電気化学的電池のスズ陰極上に流れ、融液の流れはスズ浴の壁に接触してはならない。自由に流れる融液はその表面全体に亘り陰極と最大の表面接触した状態になり、融液の移動方向に引き伸ばされた液滴の形状を有する。陰極プロセスは融液の流れが下方へ流れ溶融スズと接触する位置に於いて開始し、液滴内の幅方向の直径が最も大きい位置に於いて終了する。陰極プロセスが発生する接触面の長さ及び陰極プロセスの継続時間は融液(例えば比較的粘性の高い融液)中に於ける物理的プロセス及び化学的プロセスにより決定される。
実際問題として、陰極プロセスは陰極の表面に位置する陽イオンの中立化を特徴としており、この中立化の度合は陽極に於いて部分Aより抽出される陽イオンの数に比例する。
陰極の表面と陽極の表面との間の関係及び陽極の表面の長さは電気化学的電池の回路中の電流密度値を決定し、これらの関係及び長さは出発混合物の種々の特定の化学組成について極限電流密度値を達成するよう決定される。従ってこれらの因子は融液の活性の高い可動の部分Bを除去する効率を決定し、本発明によれば、少なくとも二つの相よりなる均一系よりマクロ不均一系が形成される。
MeP fMeq mk n→rMeP+MeP f-rMeq mk n
ここに
MeP f-rMeq mk nは構造的化合物Cの修正された部分Aである。
rMePは構造的化合物Cの修正された部分Bである。
部分Aがマトリックスを構成する化学元素の組成物中に侵入する他の電子よりも高いエネルギを有する電子を含む構造的化合物Cにより構成される融液は、炉50より炉52へ重力によって流れ或いは何らかの機械的装置により移動される。
本発明によれば、下記の多数の物理化学的プロセスが、フロートガラスの製造に使用されている方法及び装置や、フロートガラスの製造に使用されているものと同様の方法及び装置であって、構造的化合物Cの融液が炉50よりガラス除去装置を経て炉52内の溶融金属(例えばフロートガラスの製造に使用されるスズや鉛)上へ移動される点に於いて或る程度の変更や追加が行われた方法及び装置により達成され、この場合の溶融金属は正の電極が融液の上方に配置され且つ融液に対し不活性の導電媒体(例えばガス媒体)により融液より分離された静電場の負の電極であり、本発明によれば、両者の電極は融液より活性の高い可動の部分Bの除去が行われる電気回路の構成要素である。
n-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1
炉52内に於いては、融液は静電場の負の電極として作用するスズ上を移動し又はスズと共に移動する(図3参照)。第二の電極(正)は融液と接触しておらず、それが融液の移動方向に垂直な静電場を形成するよう乾燥した不活性の導電媒体により分離され、両者の電極は外部電気回路を構成する電源に接続される。正の電極の大きさは電極と炉構成材料と融液により覆われていないスズの表面との間に放電が生じないよう予め設定される。更に正の電極の表面領域は融液の最大の表面領域にオーバラップする。
構造的化合物Cにより表される出発混合物の融液に於いては、部分Aは機械的応力を発生する熱的力場の作用により発生する不安定な領域であって、融液中にミクロ不均一性が生じることにより説明され不安定な中間状態であることを特徴とする不安定な領域を有する。かかる状況(古い化学結合が緩くなり若しくは破壊され、新たな化学結合が形成される)に於いては、化学結合が破壊された瞬間に電子は電気素量に等しい局部的な官能値を有する電荷を有する。この電子のエネルギは部分A内に於いて化学結合を形成する他の電子のエネルギよりも高い。
不活性ガスを破壊するほど高くはない強さを有する強力な静電場であって、融液の部分B中の可動の陽イオンに作用する強力な静電場により陽イオンが移動され、この強力な静電場は十分な温度(化学結合の破壊が最大である場合には、格子の塊中に陽イオンを拡散させるに必要な条件のうちの一つである)の熱的力場の作用と共働して、部分Bの陽イオンを負の電極の方向へ移動させ、また格子を分解することなく格子より電子を抽出するに十分なエネルギにまで電子のエネルギを増大させる。構造的化合物Cの化学結合を構成する他の電子のエネルギよりも実質的に高いエネルギを有する電子がまず抽出される。
正の電極の方向へ移動する結合していない電子(格子より抽出された電子)及び負の電極の方向へ移動する陽イオンは、融液と不活性の導電媒体と静電場を形成する要素とを含む電気回路中に電流を発生する。この回路中に形成される電流は可動の部分Bの移動、中立化及び融液より可動の部分Bを除去することに関し行われる仕事の量を決定する。このことは、(a)内部電気回路が融液と不活性の導電媒体(例えばイオン化された気体)とよりなっており、(b)陽極及び陰極が静電場を形成する電気回路の電極であり、(c)陽極が融液と接触しておらず、陽極の近傍に中立層を形成すること、中立層の更新や分解に関するプロセス、通常の電気化学的電池に於いて一般的な陽極プロセス、電気回路に流れる電流の変化の特性に与える陽極プロセスの影響がない点を除き、電気化学的電池に於けるプロセスに対応している。
静電場の電気回路に流れる電流の変化は、不活性の導電媒体に電流が生じた瞬間より不活性の導電媒体に極限電流が達成される瞬間(少なくとも一つの陰極プロセスについて)まで生じる。この電気回路の電圧は不活性の導電媒体の破壊を惹起さない値により決定される。電流のそれ以上の変化は前記電圧限度内に於いて可能な陰極プロセスの変化が生じた場合にのみ生じる。
陰極プロセスの変化は、電気回路中の電流を新たな極限値にまで増大し、性質の異なる部分Bの陽イオンが移動する際の運動エネルギが異なること又はそれらの電荷キャリヤ(融液中に電荷キャリヤが存在する場合)の値が異なることに起因して生じる。この変化は外部電気回路に於ける電圧の値の範囲内に於いて生じ、不活性の導電媒体の電気的破壊は生じない。
融液と不活性の導電媒体(内部電気回路)と正の電極が不活性の導電媒体により融液より分離された静電場の負の電極とを含む構成要素により形成された電気回路に於ける熱的力場の作用を受けて炉52内の融液に発生する一組のプロセスが、電気化学的プロセスに於いて融液より活性の高い可動の部分Bを除去するための条件を創成し、電気化学的プロセスは本発明によれば少なくとも二つの相よりなる均一系よりマクロ不均一系を形成する。
MeP fMeq mk n→rMeP+MeP f-rMeq mk n
ここに
MeP f-rMeq mk nは構造的化合物Cの修正された部分Aである。
rMePは構造的化合物Cの修正された部分Bである。
構造的化合物C中に共通の正の電荷を有する部分Bの修正は、格子より静電場により抽出された電子によって相互に独立の陽イオンが中立化されるプロセスに於いて生じる。単位時間当りに格子より抽出される電子の総数が陰極に於いて中立化される陽イオンの数を越えると、電子は例えば0電位の方向へ移動する。
この場合、電気抵抗の低い物質にて形成され静電場中の電子を獲得(吸収)する電極であって、電気化学的プロセスが停止しないよう或いはそのプロセスを特徴付ける値の変化を無視し得るよう配置された電極を含む電気回路(例えば図5参照)中のこれらの電子は、電位が電子を吸収する電極の電位とは異なる任意の表面に電極が導電体によって接続されていれば電流を形成し、融液の塊中に分散された過剰の正の電荷が構造的化合物C中に形成される。
構造的化合物Cの活性の高い可動の部分Bの陽イオンが陰極へ伝達されず、自由電子を受けることができず、中立化されない場合には、構造的化合物の粘性が高く、活性の高い可動の部分Bの陽イオンが主として一群の陽イオンにより占有された塊中を移動するときには、電子の移動は実質的に電位の低い方向にのみ可能である。かかる条件により熱的力場及び静電場の作用を受けて構造的化合物C中に最大の過剰の正の電荷が形成される。
フロートガラスの製造に使用される方法及び設備により、粘性を変化させる温度条件が炉52内に存在すること及び構造的化合物C中に最大の過剰の正の電荷を得るための条件を創成すべく所望の粘性が確保される温度領域を形成することが可能になり、構造的化合物Cに対し電気回路の適当な構成要素が配設され、また静電場が炉52の温度領域内に形成される。
熱的力場及び静電場の組合せは融液中の活性の高い可動の部分Bの濃度を変化し、静電場により維持された融液の残りの部分の塊中に分散される過剰の正の電荷を形成しつつ(全ての電気回路が閉じられている場合)又は正の電荷を形成することなく(必ずしも全ての電気回路が閉じられていない場合)融液より部分Bを除去し又は部分的に除去する。
出発成分が電解質の性質を示していたか否かに拘らず電解質の性質を示す融液であって、部分Aがマトリックスを構成する化学元素の組成物中に侵入する他の電子よりも高いエネルギを有する電子を含む構造的化合物Cにより構成される融液は、炉50より炉52へ自動的に又は何らかの機械的装置により移動される。
本発明によれば、下記の多数の物理化学的プロセス
n-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1
が、フロートガラスの製造に使用されている方法及び装置や、フロートガラスの製造に使用されているものと同様の方法及び装置であって、構造的化合物Cの融液が炉50より炉52内へ電気抵抗の低い物質にて形成され且つ電気化学的電池の陽極でもあり既存の技術的構成要素及びフロートガラスの製造に使用されている溶融金属(例えばスズや鉛)を含む装置を経て移動される点に於いて、本発明の主題を構成するある程度の基本的な修正や追加が行われた方法及び装置により行われ、本発明によれば溶融金属は電気化学的電池の陰極として作用すると共に、正の電極が融液の上方に配置され且つ不活性の導電媒体(例えばガス媒体)により融液より分離された静電場の負の電極でもある。電気化学的電池の内部電気回路はイオン及び電子又はイオンのみにより電流を導く融液により形成され、内部電気回路(静電場の電気回路に於けるその電気化学的プロセスは電場を通過する電流の結果である)は融液及び不活性の導電媒体により形成され、本発明によれば、内部電気回路を完成する外部電気回路は電気化学的プロセスを行うべく電気化学的電池に一般に使用されている構成要素よりなっている。
構造的化合物C(その部分Aは実質的に一つの陰イオンであり、部分Bの陽イオンは部分A中の活性が高い可動の部分である)により構成されるガラス形成混合物の融液中の従来の電気化学的プロセスは、二つの相中に於いて進行し、陽極の近傍の電気的中立層の第一の相に部分Aの化学元素により構成される部分が形成され、中立層の厚さの範囲内に電場が形成される。第二の相は電場による陽極近傍の電気的中立層の分解を特徴としている。
電気化学的プロセスの両方の相の結果は、部分Bの分解された化学元素(例えばナトリウム)及び分解された部分A(例えばシリコン及び酸素)の反応生成物である。即ち従来の電気化学的プロセスに於いては、融液中に得られる物質(構造的化合物C)の分解が生じ、このプロセスの適用によっては部分Bが完全に又は部分的に除去された物質の形態にて部分Aを得ることができない。幾つかの材料の形態をなす相互に独立の化学元素を工業的に製造するための従来の電気化学的プロセスに前記融液を適用することは、融液の状態にある多成分の構造的化合物Cを完全に分解するプロセスに比較できないほど高い不可避の電力及び他の物質が必要とされ消費されるので、非効率的である。
融液中の従来の電気化学的プロセスは、その第一の相に於いて、電気化学的電池の外部電気回路へ電子を放出する陽極と接触した格子の部分の中立化より開始する。格子の一部の中立化のプロセスは該一部を格子の他の部分と結合させる構造的ボンドを乱すことなく生じ、陽極の近傍に一つの三次元的な電気的中立層を形成し、この中立層は部分Aを構成する化学元素のみにより構成される格子の実質的に連続的な延長部である。
一つのユニットとして電気的中立層を形成することによる格子の保存は、電気的中立層を形成した格子の部分の中立化後に格子の他の部分(負の電荷を有し一つの陰イオンである)の連続的な中立化が生じることを意味しない。構造的ボンドを経て或いは電気的中立層を含む格子中の他の通路を経て陽極へ電子を伝達するプロセスは最小限のものである必要があり、格子が電気絶縁体であるので通常の条件下に於いては妨げられる。この電気絶縁体は物質の分解を伴う高い破壊電圧を適用することによってのみ導電体となり、従って目的が一つのユニットとして格子を保存し材料の形態にて格子を得ることである場合には、このプロセスを行うことに意味がない。
格子の中立化は格子中に於いて導電が行われないので電気的中立層の形成によって終了し、電気回路内の電流が停止する。従って電気化学的プロセスに対応する電圧が格子の保存を生じる値又は値の範囲に到達する。
陽極の正の電荷及び格子(中立化された部分(電気的中立層)を含まない)の負の電荷は電位差を発生し、これにより電気的中立層の厚さが小さいことにより、電気化学的電池の外部電気回路の電圧が約1.6〜2Vに到達すると電気的中立層を分解するに必要な値に到達する強度を有する電場が陽極近傍の電気的中立層の厚さの範囲内に形成される。
格子の全ての原子が電気的中立層を含む三次元的な空間構造として互いに結合され、少なくとも一つの方向に構造的結合を維持するので、原子及びイオンが相互に独立のユニットでありイオンが電場により電極へ移動されることが許される電解質の場合と同様、陽極近傍の電気的中立層は更新されない。陽極近傍の電気的中立層中のイオンの数は動的な状態にあり、常に更新される中立化されたイオンが相互に独立の構造的ユニットの量を維持しまた電気回路中の電流の連続性を維持する。
電解質の場合と同様の要領にて陰イオンにより陽極近傍の電気的中立層を更新することは不可能である。何故ならば、融液中の部分Aが空間的に互いに分離されたマクロパート(相互に独立の構造的ユニットの形態をなす陰イオン)よりなる場合には、陽極近傍の電気的中立層中のマクロパート、即ち陰イオンが中立化され互いに強固に結合する際に、他のマクロパート、即ち陰イオンの中立化を阻止する一つの層を形成するからである。前記融液に於いては、電気的中立層は一つの格子内に於いて互いに組み合わされた原子及びイオンが長い空間範囲に亘り再分散される条件下に於いて更新される。
構造的化合物Cの部分A内の導電が不十分であり、また電解質に於ける場合と同様の通常の意味に於いて陽極近傍の電気的中立層の更新が不十分であることが理由で、陽極近傍の中立層中の構造的化合物を分解させる程度にまで静電場の強度が増大する。かかる電気化学的電池の電気回路に於いては、融液より可動の部分を除去するプロセスは効率的に行われる。
電気化学的電池の形成及び陽極近傍の格子の分解を惹起さない静電場(同時に閉じられる回路)の形成に通じる一組の物理化学的プロセスが炉50より陽極近傍の領域を経て炉52内の陰極上へ流れる融液中に発生し、融液は静電場を形成する外部電気回路の陰極でもある。電場と静電場とのかかる組合せに於いて格子が分解され、融液の可動の部分が効率的に除去される。
炉50より炉52内へ移動される融液(図3参照)は、融液のマクロパートの移動方向とは反対の方向に電場の作用を受けてマトリックスのマクロパートが陽極へ移動する際の速度よりも大きさが大きい速度にて、電気抵抗の低い物質にて形成され且つ電気化学的電池の陽極でもある装置を経て移動する。陽極近傍の領域を経て融液が移動する際には、新たな格子部分が常に陽極と接触した状態になり、電気化学的電池の外部電気回路へ電子を連続的に放出する。電気的中立層の更新、従来の電気化学的プロセス、陽極−陰極プロセス、電子及びイオンによる内部電気回路内の導電が行われる。
炉52内の融液は電気化学的電池のスズ陰極上に流れ、スズ浴の壁に到達してはならない。自由に流れる融液は陰極と最大の面接触を行い、静電場の負の電極として作用するスズ上を移動し或いはスズと共に移動する。第二の電極(正)は融液と接触せず、それが融液の移動方向に垂直な方向の静電場を形成するよう不活性の導電媒体により分離され、両者の電極は外部電気回路を構成する電源に接続される。静電場の正の電極の大きさは、電極と炉構成材料との間及び電極と融液により覆われていないスズの表面との間に放電が生じないよう予め設定される。これと同時に正の電極の表面領域は融液の最大の表面領域にオーバラップする。
不活性の導電媒体を破壊しない程度に十分強く融液の部分B中の可動の陽イオンに作用する静電場は部分Bを移動させ、十分な温度(化学結合の破壊が最大である場合には、格子の塊中に陽イオンを拡散させるに必要な条件のうちの一つである)の熱的力場の作用と共働して、負の電極の方向へ部分Bの陽イオンを移動させ、また格子より電子を抽出するに十分な程度にまで電子のエネルギを増大させる。構造的化合物Cの化学結合を構成する他の電子のエネルギよりも実質的に高いエネルギを有する電子がまず抽出される。かかる電子は部分Aの中間状態の領域に形成され、この中間状態の領域は化学結合の破壊の瞬間に化学結合が破壊され形成される結果生じる。
正の電極の方向へ移動する結合していない電子(格子より抽出された電子)及び負の電極の方向へ移動する陽イオンは、融液と不活性の導電媒体と静電場を形成する構成要素とを含む電気回路中に電流を形成する。かくして電気回路中に形成される電流は、電気化学的電池の場合と同様、活性の高い可動の部分Bの移動、中立化及び融液より部分Bを除去することに関し行われる仕事の量を決定する。
融液と不活性の導電媒体と熱的力場に静電場を形成する構成要素とを含む電気回路に於いて融液が移動する電気化学的電池内の熱的力場に於いて生じる一組のプロセスが、活性の高い可動の部分Bの除去を行うための最も効率的な条件を形成し、本発明によれば、この条件により少なくとも二つの相よりなる均一系よりマクロ不均一系が形成される。
MeP fMeq mk n→rMeP+MeP f-rMeq mk n
ここに
MeP f-rMeq mk nは構造的化合物Cの修正された部分Aである。
rMePは構造的化合物Cの修正された部分Bである。
陽極が融液と接触していない静電場により電気化学的電池に於いて構造的化合物の格子により放出される電子の総数が単位時間当りについて見て陰極に於いて中立化される活性の高い可動の部分Bの陽イオンの数よりも多い場合には、電子が0に等しい電位の方向へ移動し、これにより0に等しい電位の方向へ電子が移動するための電気回路が形成される。この電気回路により構造的化合物Cの塊中に分散された過剰の正の電荷が保存される。
構造的化合物Cの活性の高い可動の部分Bの陽イオンが陰極へ伝達されず、自由電子を受けて中立化されることがない場合には、構造的化合物の粘性が高く、活性の高い可動の部分の陽イオンが陽イオンの群により占有されていない主要な塊中を移動するときには、電子の移動は実質的に電位の低い方向にのみ可能である。本発明の観点から、これらの条件により構造的化合物C中に最大の過剰の正の電荷が形成される。
フロートガラスの製造に使用される方法及び設備により、融液の粘性を変化させる温度条件が炉52内に存在すること及び構造的化合物C中に最大の過剰の正の電荷を得るべく所望の粘性が確保される温度領域を形成することが可能になり、構造的化合物Cに対し電気回路の適当な構成要素が配設され、また静電場が炉52の温度領域に組み合わされる。
熱的力場及び静電場の組合せは融液中の活性の高い可動の部分Bの濃度を変化し、静電場により維持された融液の残りの部分の塊中に分散される過剰の正の電荷を形成しつつ(全ての電気回路が閉じられている場合)又は正の電荷を形成することなく(必ずしも全ての電気回路が閉じられていない場合)融液より部分Bを除去し又は部分的に除去する。
下記の多数の物理化学的プロセスは部分Bが除去された高粘性の融液中に於いて化学結合が形成し直されることを特徴としており、応力緩和プロセスを完了し構造的化合物Cを固相に完全に変化させるに必要な時間に亘り融液の粘性を所定の値に変化させる温度条件を有する炉52の領域に於いて融液を引き抜き加工する際に行われる。
n-1,…,Tn
陰極プロセスの一つの領域に於いて得られる融液を引き抜きプロセスに於けるガラス変態温度まで過冷却すること及び電気化学的電池や静電場の仕事により、応力緩和プロセスの終了の期間中に、融液の化学元素及び化合物の組織及び濃度に対応する化学元素及び化合物の組織及び濃度を有するガラスであって、電気化学的プロセスに於いて融液により獲得され静電場により保持された過剰の正の電荷(全ての電気回路が閉じられる場合)を有するガラスが選られる。
炉52の温度領域のなかには、構造的化合物の粘性が溶融金属よりなる陰極領域外に於いて形成される材料のジオメトリを安定なものにする領域が存在する。かかる領域に於ける熱的力場の作用は、この領域に設けられた電気回路が静電場の両方の電極(電気抵抗の低い物質にて形成される)が形成される物質より或る距離の位置に位置する場合には、空間的に正の電荷を効率的に形成するに十分である。
静電場の強度がガラス状材料の最大の電荷を得る瞬間に於ける静電場の強さに等しい強さである状況に於いては、同一の温度及び電気回路の組合せの条件であって、所要の寸法の先に得られたガラスシートがそのガラスシート(図6参照)に接触していない静電場用電極の間に静的に配置された条件に於いて形成される過剰の正の電荷が存在する。所要の寸法を有するガラスシートは、フロートガラスシートの製造の場合と同様、初期の組成又は融液より活性の高い可動の部分が除去された組成の連続的に移動するガラスストリップより形成される。
ガラスの過剰の正の電荷は周囲環境よりの電子若しくは電気化学的電池(それが存在する場合)の電気回路中の電流が遮断された場合に於ける電子の形成された流れにより中立化され、静電場の電極が放電せしめられる電気回路が存在する。
かくして得られた物質はガラス構造体中に侵入しない結合していない電子を含んでいる。何故ならば、プロセスが完了すると、融液が外部条件に対応するエネルギ平衡状態であって、原子及びイオンの相対位置が他の位置(プロセス開始前の位置とは異なる位置)に位置し、エネルギ状態及び電子が部分Aより抽出される前の構造中の電子の存在を決定する構造的結合が存在しないエネルギ平衡状態を融液が獲得することを特徴とする非可逆的構造変化が電気化学的プロセスの結果として生じるからである。
構造的化合物中の電子が化学的に結合した状態(電子)よりファンデルワールス力により決定される結合エネルギを有する結合していない電子の状態に変化することにより、ガラス中に電気エネルギが保存され、また電気抵抗の低い物質よりなる電極と電源とを含む電気回路中に電位の低い方向に流れる電子の流れが形成される。
中立化された陽イオンを含む溶融金属製の陰極及び陽イオンにより融液中に形成される純粋金属を製造し若しくは純粋金属を酸化させて混合物の出発成分を形成し酸化プロセスに於いて放出される熱を回収すべく公知の方法によりその後処理されるよう溶融金属が蓄積されることによって連続的に形成される更新用の技術的条件が、炉52の各領域内の設備により確保される。かかる技術的条件及び炉52内の設備により、以下の反応式に従って、所望の大きさ、ジオメトリ、技術的特徴、消費者の要求品質を有する化学元素により構成されたガラス状材料を形成する前に活性の高い可動の部分Bが除去された高粘性の融液を引き抜くことができる。
MeP fMeq mk n→rMeP+MeP f-rMeq mk n
下記の多数の物理化学的プロセスが活性の高い可動の部分が除去された高粘性の融液中に於いて化学結合を形成し直すに必要な条件が形成され、応力緩和プロセスが完了し構造的化合物を完全に固相に転換させるまで粘性を変化させる温度条件を有する炉52の領域に於いて活性の高い可動の部分の引き抜きが行われる。
n-1,…,Tn
例えば所定の構造的化合物C(SNa2rSiO2r+S)の形成に必要な化学組成(SNa2CO3+rSiO2)を有する出発混合物の融液より水晶のようなガラス状材料(Simn)を製造するためには、本発明によれば、以下の三つの技術的(又はプロセス)工程に分割可能な技術的(又はプロセス)サイクル(出発混合物成分を準備する工程より最終物質を製造する工程まで)にて進行する下記の物理化学的プロセスを連続的に行わせる必要がある。
T,T1,T2,…,Tn-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1,Tn, (8)
水晶のようなガラス状材料(Simn)を製造するプロセスサイクルの各技術的工程(及びそれらの工程の間の間隔)は、ガラス製造工業に於いて使用されている公知のものを含む方法及び装置により行われる。
本発明によれば、下記の多数の物理化学的プロセス
T,T1,T2,…,Tn-m
が、フロートガラスの製造に使用されている方法及び装置や、フロートガラスの製造に使用されているものと同様の方法及び装置を使用して順次行われ、構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))の変化しない(主要な部分)A及び変化可能な部分B)を得るべく、合成された酸化ケイ素(SiO2)の形態をなす出発化学化合物の適当な成分又は出発化学化合物(SiO2)を含む水晶砂の形態をなす成分及びNa2Oの形態をなす原料化学化合物を含むソーダ灰(Na2CO3)の形態をなす成分が製造され、所望の品質(例えば所定量の添加物が添加された後に所定の粒径を有する小片及び水分含有量)になるよう処理され、十分な保管手続きにより連続的な作業が可能になるよう製造現場に於いて蓄積され、上記成分は下記の出発化学組成を得るに必要な量にてバッチ式に均一になるよう混合される。
SNa2CO3+rSiO2
ここにS及びrは現在の成分濃度にて構造的化合物Cを得るための混合物中の各成分の量(重量)である。
構造的化合物に於いて部分Aと同定される出発混合物の成分は、出発化学化合物(SiO2)の組成物中に侵入する化学元素であるケイ素(Si)であり、その陽イオンは周期表の第VI族の元素である酸素(O)と結合して安定な同位多面体(SiO4)を形成する高い電荷(Si4+)を有する。
また構造的化合物に於いて部分Bと同定される出発混合物の成分は、出発化学化合物(Na2O)の組成物中に侵入する化学元素であるナトリウム(Na)であり、その陽イオン(Na+)は周期表の第VI族の元素である酸素(O)と結合して安定なボンドを形成しない。
かくして形成された出発混合物は順次バッチ式に又は連続的に炉50内へ装入され、化学元素の重量、化学組成、濃度が下記の式により表される化合物Cを形成するに必要な温度に加熱される。
SNa2rSiO(2r+S)
物理化学的プロセスの結果として、炉50内に装入された出発混合物の成分、即ちソーダ灰(Na2CO3)及び水晶砂(SiO2)は互いに反応し、それらの成分(Na2CO3及びSiO2)が融液中へ移動し、反応の最終生成物が二酸化炭素(CO2)及び化合物Cになるよう変化し、化合物Cに於いては成分部分A及びBをイオン結合した状態、即ち出発成分を新たな状態と同定することができる。
SNa2CO3+rSiO2
→SNa2O+rSiO2+SCO2
→SNa2rSiO(2r+S)
従って融液の部分Aは規定された濃度に応じて、化学結合により互いに結合されたケイ素(Si)及び酸素(O)の格子の形態をなす一つの三次元的な陰イオン又はそれぞれ負の電荷を有する相互に独立のマクロパート又は一つの方向又は二つの方向又は三つの方向に互いに結合され共通の負の電荷を有するマクロパートになり、融液の部分Aは下記の一般式により表される。
rSiO(2r+S)
ここに
Siは部分Aの一つの成分と同定される化学元素である。
Oは周期表の第VI族の化学元素である。
従って融液の部分B(部分Aに比して活性が高く動き易い)は部分A中に無作為に分散されたナトリウム陽イオン(Na+)よりなり、ナトリウム陽イオンは熱的力場の作用を受けて移動すると共に群又は会合(結晶ではない)を形成し、各ナトリウム陽イオン(Na+)は部分Aとのそれぞれ独立のイオン結合を有し、融液の部分Bは下記の一般式により表される。
SNa2
ここに
Naは部分Bの一つの成分と同定される化学元素である。
出発成分(Na2O及びSiO2)は電解質の性質を示さなかったにも拘らず電解質の性質を示す融液であって、構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))により表される融液(部分Aはマトリックスを構成する化学元素の組成物中に侵入する他の電子よりも高いエネルギを有する電子を含む)が、重力により又は何らかの機械的装置により炉50より炉52内へ移動され、炉52内に於いて電気化学的プロセス及び熱的力場、電場、静電場による構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))中の部分B(SNa2)の濃度の変化が生じる。
融液中に於ける電気化学的プロセスは本発明によれば下記の多数の物理化学的プロセスを含んでいる。
n-m,Tn-(m+1),Tn-(m+2),…,Tn-1
これらの電気化学的プロセスはフロートガラスの製造に使用されている方法及び装置や、フロートガラスの製造に使用されているものと同様の方法及び装置であって、構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))の融液が電気抵抗の低いプラチナ(Pt)にて形成され且つ電気化学的電池の陽極であり溶融金属(フロートガラスを製造するために使用されるスズ(Sn))上に既存の技術的構成要素を含む装置を経て炉50より炉52内へ移動される点に於いて或る程度の基本的な修正及び追加が行われた方法及び装置により行われる。溶融金属は本発明によれば電気化学的電池の陰極として作用すると共に、正の電極が融液の上方に配置され且つ不活性(融液に対し不活性)の導電窒素(N2)媒体により融液より分離された静電場の負の電極でもある。電気化学的電池の内部電気回路はイオン及び電子により又はイオンのみによって電流を導く融液により形成され、内部電気回路(静電場に於けるその電気化学的プロセスは内部電気回路を通過する電流の結果である)は融液及び不活性の導電窒素(N2)媒体により形成され、本発明によれば、内部電気回路を閉じる外部電気回路は電気化学的プロセスを行わせるために電気化学的電池に一般に使用されている構成要素よりなっている。
融液は、融液のマクロパートの移動方向とは反対の方向へ電場の作用により陽極へ移動するマトリックスのマクロパートの速度よりも大きさが大きい速度にて、プラチナ(Pt)にて形成され且つ電気化学的電池の陽極であるガラス移動装置を経て炉50より炉52内へ移動する(図3参照)。融液が陽極近傍の領域を経て移動する際には、新たな結晶の部分が常に陽極と接触した状態になり、電気化学的電池の外部電気回路へ連続的に電子を放出し、陽極−陰極プロセス及び電子及びイオンによる内部電気回路内の導電と共に中立層の更新及び従来の電気化学的プロセスが生じる。
炉52内の融液は電気化学的電池のスズ陰極上に流れ、スズ浴の壁に到達してはならない。自由に流れる融液は陰極と最大の面接触を行い、スズ上を移動し又はスズと共に移動し、スズは静電場の負の電極として作用する。第二の電極(正)は融液と接触せず、それが融液の移動方向に対し垂直な静電場を形成するよう不活性の導電窒素媒体により融液より分離され、両者の電極は外部電気回路を構成する電源に接続される。静電場の正の電極の大きさは、電極と炉構成材料との間及び電極と融液によって覆われていないスズの表面との間に放電が生じないよう予め設定される。これと同時に正の電極の表面領域は出発マトリックスの融液の最大の表面領域にオーバラップする。
不活性ガスを破壊するほど高くはない強さを有する強力な静電場であって、融液の部分B(Na+)中の可動の陽イオンに作用する強力な静電場により陽イオンが移動され、この強力な静電場は十分な温度(化学結合の破壊が最大である場合には、格子の塊中に陽イオンを拡散させるに必要な条件のうちの一つである)の熱的力場の作用と共働して、部分B(Na+)の陽イオンを負の電極の方向へ移動させ、また格子を分解することなく格子より電子を抽出するに十分なエネルギにまで電子のエネルギを増大させる。構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))の化学結合を構成する他の電子のエネルギよりも実質的に高いエネルギを有する電子がまず抽出される。かかる電子は部分A(rSiO(2r+S))の中間状態に於いて形成され、中間状態は化学結合の破壊及び形成の結果である。
≡Si−O−Si≡の化学結合により形成される部分A(rSiO(2r+S))は、熱的力場の作用の結果としての≡Si−O-+Si≡の中間状態であることを特徴としており、化学結合の破壊の瞬間に於いて≡Si−O-格子の一部は局部的な官能値を有する単位電荷に等しい電荷を有する。化学結合の破壊の瞬間に≡Si−O-格子の一部の電荷を決定する電子はSi−Oボンドを形成する電子よりも高いエネルギレベルになる。即ち十分な強度の静電場に於ける電子の抽出プロセスに於いては、Si−O化学結合の形成に関与する電子は抽出されず、応力緩和プロセスに於いて変化する部分A(rSiO(2r+S))が保存される。
正の電極の方向へ移動する結合していない電子(格子より抽出された電子)及び負の電極の方向へ移動する部分B(Na+)の陽イオンは、融液と不活性の導電窒素媒体と静電場を形成する要素とを含む電気回路中に電流を発生する。この電気回路に形成される電流は、電気化学的電池の場合と同様、可動の部分Bの移動、中立化及び融液より可動の部分B(Na+)を除去することに関し行われる仕事の量を決定する。
融液と不活性の導電窒素媒体と熱的力場に静電場を形成する構成要素とを含む電気回路に於いて融液が移動する電気化学的電池内の熱的力場に於いて生じる一組のプロセスが、活性の高い可動の部分B(Na+)の除去を行うための最も効率的な条件を形成し、本発明によれば、この条件により少なくとも二つの相よりなる均一系よりマクロ不均一系が形成される。
SNa2rSiO(2r+S)→SNa+rSiji
ここに
SNaは実質的に構造的化合物Cの修正された部分Bである相B′である。
rSijiは実質的に構造的化合物Cの修正された部分Aである相A′である。
また前記物理化学的プロセスはスズ中にナトリウム(Na)を溶解させるプロセスを含んでいる。
陽極が融液と接触していない静電場により電気化学的電池に於いて構造的化合物の格子により放出される電子の総数が単位時間当りについて見て陰極に於いて中立化される活性の高い可動の部分B(Na+)の陽イオンの数よりも多い場合には、結合していない電子が融液により閉じられた電気回路内の接地電極を経て大地へ流れ、従って塊中に分散された過剰の正の電荷が構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))中に保存される。
フロートガラスの製造に使用される方法及び設備により、融液の粘性を変化させる温度条件が炉52内に存在すること、及び融液の粘性が所定の値、即ち構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))の活性の高い可動の部分B(Na+)の陽イオンが陰極へ移動されず、自由電子を受けて中立化されることがなく、主として一群の陽イオンにより占有された塊中を移動する場合の値に到達する温度領域を得ることが可能になり、結合していない電子は融液により閉じられた電気回路の接地電極の大地電位へのみ移動され、熱的力場、電場、静電場の作用により最大の過剰の正の電荷が構造的化合物C(SNa2rSiO(2r+S))に於いて達成される。
下記の物理化学的プロセスは部分B(Na+)が除去され溶融スズ浴上を移動し(又は溶融スズ浴と共に移動し)スズ浴外に移動する高粘性の融液中に於いて進行し、これらのプロセスは応力緩和プロセスを完了するに必要な時間に亘り融液の粘性を所定の値に変化させる温度条件を有する炉52内の領域に於いて融液を引き抜く際に化学結合を形成し直すことを特徴としている。
n-1,…,Tn
陰極プロセスの領域に於いて融液を引き抜きプロセスに於けるガラス変態温度まで過冷却すること及び電気化学的電池や静電場の仕事により、融液の化学元素及び化合物の組織及び濃度に対応する化学元素及び化合物の組織及び濃度を有するガラスであって、電気化学的プロセスに於いて融液により獲得され静電場により保持された過剰の正の電荷(全ての電気回路が閉じられる場合)を有するガラスが応力緩和プロセスの終了時に得られる。
炉52内の設備により、中立化されたナトリウム(Na)陽イオンが連続的に供給される溶融スズの更新を行い、また純粋のナトリウム(Na)を製造し若しくは純粋のナトリウムを酸化させて混合物の出発成分(Na2CO3)を形成しその酸化プロセスに於いて放出される熱(Q)を回収すべく公知の方法によりその後処理されるようスズ−ナトリウム合金を蓄積するための技術的条件が得られる。また炉52内の設備により、所望の大きさ、ジオメトリ、技術的特性を有する化学組成の点で水晶に似たガラス状材料(Simn)を得る前に活性の高い可動の部分Bが除去された高粘性の融液を引き抜くことができる(図8参照)。
上述のプロセスの結果として、下記の式に従って変化が生じる。
SiO2→Siji→Simn
電場及び静電場の組合せ及び熱的力場の作用により、活性の高い可動の部分B(Na+)の濃度が変化され、また融液の他の部分の塊中に正の電荷を分散させつつ(全ての電気回路が閉じられる場合)又は正の電荷を分散させることなく(必ずしも全ての電気回路が閉じられない場合)部分Bが融液より完全に又は部分的に除去される。
過剰の正の電荷がガラス中に得られる場合には、その電荷は周囲環境よりの電子により若しくは電気回路が閉じられ静電場の電極が放電される場合に生じる電子の流れにより中立化される。
かくして形成される材料はガラスの組織中に侵入しない結合していない電子を含み、これらの電子は通常の周囲条件下に於いて0.5〜6.0KVの電圧にて静電場が適用されると電気回路中の接地電極に0.1〜2mAの電流値にて電流が流れるよう電子の流れを形成する。
過剰の正の電荷は最大の電気的容量を得るに適した強さの静電場により制御される。
静電場の強さがガラスの特定の容量に対応して低減されると、材料用の電気回路中の接地電極に逆方向の電流が流れ、これにより負荷が接続されると有用な仕事が与えられ、従ってエネルギ保存バッテリと同様の作用が得られる。
図9はエネルギアキュムレータ(エネルギ保存バッテリ)の機能を果す幾つかの構成のうちの一つを示している。プリセットされた電流及び電圧を維持することは高電圧電源(HVPS)により形成される電場の強さE1を制御することにより行われる。高電圧電源の電圧の制御は二つの装置、即ち電圧フィードバック監視装置VFMD及び電流フィードバック監視装置CFMDにより行われる。
負荷電圧を低減する場合には、電流Iが上昇するよう負荷電圧の低下に応じて電場の強さE1が低減されなければならず、これにより負荷電圧が上昇する。また電流を低減する場合には、高圧電源の電圧が低減され、これにより電流Iが上昇する。
以上に説明したガラスを製造する方法は本発明の好ましい実施形態を構成するものであるが、本発明は上述の装置や方法の正確な形態に限定されるものでなく、本発明の範囲内にて種々の変更が行われてよいことが理解されよう。

Claims (35)

  1. ガラス形成用多成分供給混合物の融液より単相のガラス状材料を製造する方法であって、
    (a)ガラス形成用供給混合物にして、その成分が、前記融液中に於いて可動の陽イオンになる一価の金属を含む化学化合物、前記融液中に於いて可動の陽イオンになる二価の金属を含む化学化合物及びそれらの混合物よりなる群から選択された化学化合物と、三価の金属を含む化学化合物、3よりも高い原子価を有する金属を含む化学化合物及びそれらの混合物とよりなる群から選択された化学化合物である供給混合物から、可動の陽イオンが存在する単相の融液を形成する工程と、
    (b)前記融液を電気抵抗の低い物質にて形成された第一の電極と第二の電極とに接触した状態にて前記電極の間にて前記第一の電極から前記第二の電極へ順次通す工程であって、前記第一の電極が第一の陽極として作用し前記第二の電極が陰極として作用するよう前記二つの電極が前記融液と直流電源と共に電気回路を構成するよう前記電極の間にて前記融液を通す工程と、
    (c)前記電気回路内に直流電流が形成され、前記陰極に於ける前記可動の陽イオンの還元及び該陽イオンと同一種の金属の低減に伴って前記融液中の前記可動の陽イオンの濃度が低減されるよう前記電気回路内の電圧を制御する工程と、
    (d)前記可動の陽イオンの濃度が低減された前記融液を冷却して構造的物品としてガラス状材料を製造する工程と、
    を含んでいることを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法であって、更に、電気抵抗の低い物質にて形成され且つ第二の陽極として作用し前記融液に対し不活性の媒体により前記融液から分離された更なる電極を配置し、これにより前記更なる電極が前記第二の電極と前記融液と前記媒体と直流電源とを含む第二の電気回路を構成し、前記第二の電気回路に於いて直流電流が形成され前記陰極、前記第二の陽極、前記媒体、前記融液を通過し、これにより前記陰極と前記第二の陽極との間に静電場を形成して前記陰極に於ける前記融液中の可動の陽イオンの還元及び該陽イオンと同一種の金属の低減と伴に前記融液中の可動の陽イオンの濃度が低下されるよう前記第二の電気回路の電圧を制御することを含んでいることを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2の方法であって、低濃度の前記可動の陽イオンを有する前記ガラス形成用供給混合物の融液は、前記融液が結晶化する温度範囲で前記融液から非晶状態にある材料を得ることができる速度にて冷却されることを特徴とする方法。
  4. 請求項1又は2の方法であって、低濃度の前記可動の陽イオンを有する前記ガラス形成用供給混合物の融液は、前記融液が結晶化する温度範囲に前記融液から結晶状態にある材料を得ることができるよう維持されることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4の方法であって、前記供給混合物の成分が酸化物、フッ化物、臭化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩及びこれらの混合物よりなる群より選択された化合物の形態をなすことを特徴とする方法。
  6. 請求項1乃至5の方法であって、前記供給混合物の成分が一価の金属ナトリウムを含む化学化合物である炭酸塩Na2CO3と、3よりも高い原子価を有する金属ケイ素を含む化学化合物である酸化物SiO2とを含んでいることを特徴とする方法。
  7. 請求項1乃至6の方法であって、前記一価の金属の陽イオンがナトリウム(Na)を含み、3よりも高い原子価を有する多価金属ケイ素(Si)の溶製された酸化物の単相の材料がクォーツガラス(SiO2)の形態にて得られるよう前記一価の金属の陽イオンの濃度が低下されることを特徴とする方法。
  8. 請求項1乃至7の方法であって、前記工程(b)、(c)が炉に於いて実行され、前記炉内の温度が、該炉内に配置される前記ガラス形成用供給混合物のガラス化温度よりも高いことを特徴とする方法。
  9. 請求項1又は2の方法であって、前記工程(a)、(b)、(c)、(d)を行うべくフロートガラスプロセスのための方法及び装置が使用され、前記工程(c)に於いて、液体金属を有する電極を含む炉が使用され、前記液体金属の前記電極が陰極として作用することを特徴とする方法。
  10. 請求項9の方法であって、前記炉がフロートガラスの融液を前記液体金属上へ移動させる装置を含み、前記フロートガラスの融液を移動させる前記装置が電気抵抗の低い物質にて形成された前記第一の陽極として作用することを特徴とする方法。
  11. 請求項10の方法であって、前記液体金属の電極が前記融液と接触した前記第一の陽極を有する前記電気回路及び前記融液より分離された前記第二の陽極を有する前記電気回路の両者に於いて陰極として作用とすることを特徴とする方法。
  12. 請求項1、2、又は8乃至11の方法であって、前記融液が前記融液と接触した前記第一の陽極から前記陰極上へ移送されることを特徴とする方法。
  13. 請求項2の方法であって、前記可動の陽イオンの濃度を低下させるよう構成された炉内に於いて、温度及び印加電圧が、前記第二の陽極と前記炉を構成する材料との間又は前記第二の陽極と前記媒体に直接接触した前記陰極との間に電気アークによる前記媒体の破壊を惹起しないように前記第二の電気回路中に有効な電流を形成するよう制御されることを特徴とする方法。
  14. 請求項13の方法であって、可動の陽イオンの濃度を実質的に低減すべく、前記炉内の温度は電気抵抗の低い物質にて形成され且つ陰極として作用する前記電極上にて前記炉内に配置される前記ガラス形成用供給混合物の融液のガラス化温度よりも高いことを特徴とする方法。
  15. 請求項2又は14の方法であって、前記ガラス形成用供給混合物の前記融液中の可動の陽イオンの濃度の実質的な低減が前記第二の陽極に面する表面層に於いて生じるよう決定された時間に亘って前記方法を実行することによって修正された表面層を有する材料が得られることを特徴とする方法。
  16. 請求項13の方法であって、少なくとも前記融液が前記陽極として作用する少なくとも一つの電極と接触した位置に於いて前記温度が前記融液のガラス化温度よりも高い温度に維持されることを特徴とする方法。
  17. 請求項16の方法であって、前記可動の陽イオンの濃度を実質的に低下させるために、前記陰極及び前記第一の陽極と接触した状態にて移動される前記融液と前記融液に対し不活性の前記媒体により前記融液から分離された前記第二の陽極を有する前記電気回路の前記陰極と接触した状態にて移動される前記融液との双方に於いて、前記炉内の温度が、前記炉内に供給される前記ガラス形成用供給混合物の前記融液のガラス化温度よりも高い温度に設定されることを特徴とする方法。
  18. 請求項16の方法であって、修正された表面層を有するシートガラスが製造されることを特徴とする方法。
  19. 請求項18の方法であって、修正された表面層を有するシートガラスがガラス形成用供給混合物の低融点共晶の融液より製造されることを特徴とする方法。
  20. 請求項2、9又は16の方法であって、前記融液が、前記融液と接触した前記陽極を有する前記電気回路に於いて陽極として作用する前記電極から、前記融液と接触した前記陽極を有する前記電気回路及び前記融液より分離された前記陽極を有する前記電気回路の両者に於いて前記陰極として作用する前記電極まで移動されることを特徴とする方法。
  21. 請求項2の方法であって、前記ガラス形成用供給混合物に対し不活性の前記媒体がガスよりなることを特徴とする方法。
  22. 請求項21の方法であって、前記ガスが不活性ガスであることを特徴とする方法。
  23. 請求項21の方法であって、前記ガスが窒素であることを特徴とする方法。
  24. 請求項9、16又は21の方法であって、前記媒体はガスであり、前記融液中の可動の陽イオンの濃度を低下させる安定なプロセスを達成すべく、前記ガスをイオン化して前記ガスである前記媒体に於いて前記融液から前記陽極へ移動する電子の流れによる放電を形成するように、前記ガラス形成用供給混合物の前記融液と前記陽極との間の前記ガス媒体中に電流を形成するべく温度、印加電圧、圧力が制御されることを特徴とする方法。
  25. 請求項16又は17の方法であって、前記媒体により前記融液から分離された前記陽極と該融液が接触した状態にて通される前記陰極とを有する前記第二の電気回路に於いて、前記印加される電圧が、前記陽極と前記陰極との間に電流を形成する電子の数が前記陰極に於いて可動の陽イオンを中立化するのに必要な電子の数よりも高くなるようにする効果を有し、
    (1)電気抵抗の低い物質にて形成され電子を獲得することができ前記プロセスが遮断されることがないよう前記融液から分離された陽極と前記陰極との間にてこれらに接触しない状態にて配置された更なる電極と、乾燥した不活性の電流を伝達する媒体とを含む他の一つの電気回路を設け、前記更なる電極が導電体によって電位の高い面に接続され前記他の一つの電気回路に電流が形成され、これにより前記ガラス形成用供給混合物の前記融液中に正の電荷を形成することと、
    (2)正の電荷を有する前記融液が静電場より引き抜かれ、非晶状態又は結晶状態の材料が形成されるよう冷却されることと、
    を含んでいることを特徴とする方法。
  26. 請求項2の方法であって、前記工程(d)の前記融液は該融液がハンドリング可能であるよう物理的に安定になる温度に冷却され、
    (1)該融液が、電気抵抗の低い物質にて形成され前記冷却された融液に近接し且つこれより隔置された装置にして、直流電源に接続され、一方が陽極として作用し、他方が陰極として作用する装置の間に配置され、
    (2)前記冷却された融液が、電気抵抗の低い物質にて形成され正の電位の高い表面に接続された更なる電極に接触され、
    (3)前記正の電位の高い表面へ向けて流れる電子の流れの生成を惹き起こす電流を形成する電気回路を構成して過剰の正の電荷を前記冷却された融液中に形成するよう前記冷却された融液から隔置された装置間の電圧が制御されることを特徴とする方法。
  27. 請求項25又は26の方法であって、電気的負荷が前記正の電位の高い表面に接続された前記電気回路に挿入され、前記陽極と前記陰極と前記直流電源とを含む前記電気回路の電圧が前記正の電位の高い表面より前記形成された正の電荷を有する前記冷却された融液へ向けて流れる電子の流れを形成するよう制御され、前記電子の流れによって前記電気回路に於いて前記過剰の正の電荷が中立化され、前記電気的負荷は前記過剰の正の電荷の形成の結果として保存された電力を消費することを特徴とする方法。
  28. 請求項1、2、8、9、10、11又は16の方法であって、前記陰極として作用する前記電気抵抗の低い物質が該陰極に於いて還元される金属を含むことを特徴とする方法。
  29. 請求項1、2、8、9、10、11又は16の方法であって、前記陰極として作用する前記電気抵抗の低い物質は該陰極に於いて還元される金属を溶解することを特徴とする方法。
  30. 請求項1、2、9又は29の方法であって、前記陰極として作用する前記電気抵抗の低い物質はスズであることを特徴とする方法。
  31. 請求項1、2、8、9、10、11又は16の方法であって、前記陰極として作用し前記陰極に於いて還元される金属を含有する前記電気抵抗の低い物質は、後に前記還元された金属を得るべく前記陰極として作用する前記電極から除去されることを特徴とする方法。
  32. 請求項31の方法であって、前記後に得られる前記還元された金属は、回収される熱を得るべく酸化されることを特徴とする方法。
  33. 請求項32の方法であって、前記回収される熱は本発明の方法に於いて使用されることを特徴とする方法。
  34. 請求項33の方法であって、前記回収される熱は本発明の方法の前記工程(a)に於いて使用されることを特徴とする方法。
  35. 請求項31の方法であって、前記後に得られる前記還元された金属は前記ガラス形成用供給混合物を形成する成分を得るべく酸化されることを特徴とする方法。
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