JP4123029B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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JP4123029B2
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,点火プラグと点火コイルとを一体化した内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,点火コイルと点火プラグとを一体化した内燃機関用点火装置が提案されている。
このような内燃機関用点火装置としては,中心電極及び2次コイルを収容する筒状の碍子の外周側に1次コイルを配設したものがある。該内燃機関用点火装置は,内燃機関のシリンダヘッド等に直接取り付けられるため,内燃機関の振動や熱等が直接的に作用するおそれがある。そのため,このような内燃機関用点火装置では,1次コイルや2次コイル等,点火コイルをなす部品について,振動や熱等に対する耐久性を十分に確保しておく必要がある。
そこで,上記碍子の外周面に直接,電線を巻き付け,さらに樹脂等を含浸させて1次コイルを強固に形成する場合がある(例えば,特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−252040号公報(明細書中の段落番号「0027」〜「0036」)
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の内燃機関用点火装置には,次のような問題がある。すなわち,上記碍子の外周に巻き付けてなる上記1次コイルは,組み付け後の分解等が困難であるという問題がある。
そのため,1次コイルに検査不良を生じた場合であっても,該1次コイルのみを取り外して交換することが困難で,該1次コイルを含む点火装置全体が不良品となっていた。
【0005】
また,上記碍子の外周側に上記1次コイルを形成するに当たっては,外部から電力を供給するための電線端部(電線端)を予め,取り出しておく必要がある。そして,電線を巻回する際には上記の電線端部を上手く避けながら,上記1次コイルを形成する必要があり,その組み付性を十分に向上することが難しかった。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,耐久性と組み付け性とを両立した優れた内燃機関用点火装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
第1の発明は,外部から電気エネルギを供給するための一対の端子と電気的に接続した1次コイル及び該1次コイルの内周側又は外周側に配設した2次コイルを含む点火コイルと,中心電極及び接地電極を含む点火プラグとを,軸方向に長い筒状のケースに一体収容してなる内燃機関用点火装置において,
上記各端子は,上記一次コイルの軸方向両端のコイル端面のいずれか一方のコイル端面の少なくとも一部に当接する当接部を設けてなり,
上記1次コイルは,該1次コイルを構成する巻回した電線の一方の端部のひと巻きよりなる第1の巻回面,及び,他方の端部のひと巻きよりなる第2の巻回面を有し,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,異なる上記コイル端面に配置してなる1重巻構造を含む奇数多重巻き構造のコイルであり,
上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面にある上記第1の巻回面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
上記1次コイルにおける軸方向の他方の上記コイル端面にある上記第2の巻回面と対峙して該第2の巻回面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとがさらに配設されており,
上記一対の端子のうちいずれか一方の端子の上記当接部は,上記規制面と上記第1の巻回面との間に位置しており,他方の端子の上記当接部は,上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置しており,上記1次コイルは,上記各当接部から上記第1の巻回面及び上記第2の巻回面に向けて軸方向の荷重を作用した状態で収容してあることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項1)。
第2の発明は,外部から電気エネルギを供給するための一対の端子と電気的に接続した1次コイル及び該1次コイルの内周側又は外周側に配設した2次コイルを含む点火コイルと,中心電極及び接地電極を含む点火プラグとを,軸方向に長い筒状のケースに一体収容してなる内燃機関用点火装置において,
上記各端子は,上記一次コイルの軸方向両端のコイル端面のいずれか一方のコイル端面の少なくとも一部に当接する当接部を設けてなり,
上記1次コイルは,該1次コイルを構成する巻回した電線の一方の端部のひと巻きよりなる第1の巻回面,及び,他方の端部のひと巻きよりなる第2の巻回面を有し,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,同一の上記コイル端面に配置してなる偶数多重巻き構造のコイルであり,
上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
上記1次コイルにおける他方の上記コイル端面に対峙して該コイル端面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとがさらに配設されており,
上記一対の端子のうちいずれかの上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第1の巻回面との間に位置しており,
かつ,上記他方の端子の上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置しており,
上記1次コイルは,上記各当接部から上記第1の巻回面及び上記第2の巻回面に向けて軸方向の荷重を作用した状態で収容してあることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項2)。
【0008】
本発明の内燃機関用点火装置においては,上記1次コイルは,上記1対の端子の上記各当接部から軸方向の荷重を作用した状態で収容してある。
そのため,内燃機関の振動,熱等が,上記内燃機関用点火装置に作用した場合であっても,上記1次コイルを構成する巻線の弛み等を生じるおそれが少ない。したがって,本発明の内燃機関用点火装置は,上記1次コイルに弛み等を生じるおそれの少ない耐久性に優れた点火装置である。
【0009】
そしてまた,上記内燃機関用点火装置は,上記第1の巻回面及び第2の巻回面と,上記一対の端子の各当接部とが接触するように組み付け,その接触面に荷重を作用させてある。
そのため,相互に荷重を作用した状態で接触させた上記各端子と上記1次コイルとによれば,溶接等により接合しなくても,両者の位置関係が変動するおそれが少ない。
それ故,上記1次コイルと上記端子とを個別に組み付けることができ,組み付け性に優れている。
【0010】
以上のように,本発明の内燃機関用点火装置は,上記1次コイルの組み付け性が良好であると共に,組み付けた1次コイルの巻き線に緩み等を生じるおそれが少なく,組み付け性と耐久性とを両立した優れた点火装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における上記1次コイルとしては,絶縁被膜を被覆してなる電線を筒状に巻回して形成したものを用いることができる。この場合,上記端子と上記1次コイルとの電気的接触は,上記電線の巻き始め又は巻き終わりの端部に配設した電気的な接点部を介在して実現する。
ここで,該接点部は,上記巻回面に配置することもでき,上記1次コイルの内周面,外周面等に配置することもできる。
【0012】
また,第1の発明においては,上記1次コイルは,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,異なる上記コイル端面に配置してなる1重巻構造を含む奇数多重巻き構造のコイルであり,
上記内燃機関用点火装置は,上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面にある上記第1の巻回面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
上記1次コイルにおける軸方向の他方の上記コイル端面にある上記第2の巻回面と対峙して該第2の巻回面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとを有してなり,
上記一対の端子のうちいずれか一方の端子の上記当接部は,上記規制面と上記第1の巻回面との間に位置しており,他方の端子の上記当接部は,上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置している
【0013】
この場合には,上記規制面と上記加圧面との間において,軸方向に圧縮する荷重を作用した状態で上記1次コイルを挟持して,該1次コイルの巻線の弛み等を抑制することができる。
さらに,上記規制面と上記第1の巻回面との間又は上記加圧面と上記第2の巻回面との間に上記当接部を配置してなる端子によれば,上記1次コイルとの位置関係が変動するおそれが少ない。
そのため,上記端子と上記一次コイルとの接触関係を安定的に保持して,両者の電気的な接続状態を信頼性高く維持することができる。
【0014】
なお,上記1重巻き構造のコイルとは,巻回した電線を軸方向に1列に配列してなるコイルである。
また上記多重巻き構造のコイルとは,巻回した電線を軸方向に1列に配列した後,その外周側又は内周側において,さらに,巻回した電線を軸方向に配列してなる同軸多重構造のコイルである。
【0015】
さらに,上記奇数多重巻き構造とは,径方向に奇数個のコイルを重ね合わせたコイルの構造である。また,偶数多重巻き構造とは,径方向に偶数個のコイルを重ね合わせたコイルの構造である。
【0016】
また,第2の発明においては,上記1次コイルは,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,同一の上記コイル端面に配置してなる偶数多重巻き構造のコイルであり,
上記内燃機関用点火装置は,上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
上記1次コイルにおける他方の上記コイル端面に対峙して該コイル端面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとを有してなり,
上記一対の端子のうちいずれかの上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第1の巻回面との間に位置しており,
かつ,上記他方の端子の上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置している
【0017】
この場合には,上記規制面と上記加圧面との間において,軸方向に圧縮する荷重を作用した状態で上記1次コイルを挟持して,該1次コイルの巻線の弛み等を抑制することができる。
さらに,上記規制面と上記第1の巻回面との間又は上記加圧面と上記第2の巻回面との間に上記当接部を配置してなる端子によれば,上記1次コイルとの位置関係が変動するおそれが少ない。
そのため,上記端子と上記一次コイルとの接触関係を安定的に保持して,両者の電気的な接続状態を信頼性高く維持することができる。
【0018】
また,上記一次コイルは略円筒状を呈しており,上記各端子の上記当接部は,上記各巻回面に当接し得る円弧形状を呈していることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記円弧形状を呈する当接部と,上記巻回面との当接面を拡大して,該当接面を介して均一性高く上記巻回面に荷重を作用することができる。
【0019】
また,上記ケースは,上記加圧カバーに軸方向の荷重を付与するための保持部材を有していると共に,該保持部材を固定する締結部を有していることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記保持部から上記加圧カバーに軸方向の荷重をすることにより,上記規制面と上記加圧面との間で積み重ねた上記一次コイルと上記端子の上記当接部とに対して,軸方向に圧縮する方向の荷重を確実に作用することができる。
なお,上記締結部の締結構造としては,ねじ結合,位置固定用のキーやピンによるキー結合,ピン結合や,かしめ結合などによる締結構造がある。
【0020】
また,上記締結部は,上記保持部材の外周面に形成された雄ねじと係合する雌ねじであることが好ましい(請求項5)。
この場合には,上記締結部により,上記保持部を確実にねじ結合することができる。また,上記ケースに対する上記保持部の螺入トルクを調整することで,上記加圧カバーから上記1次コイルに向けて作用する軸方向の荷重の調整を容易に実施し得る。
【0021】
また,上記端子と上記1次コイルとは,上記当接部と上記巻回面との接触により電気的に接続してあることが好ましい(請求項6)。
この場合には,相互に荷重が作用した状態で接触させてある上記当接部と上記巻回面との接触面を介して,上記端子と上記1次コイルとを確実に電気的に接続することができる。
【0022】
また,上記端子の上記当接部は,上記巻回面に向けて突出する凸部を有していることが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記凸部を上記巻回面に食い込ませることにより,上記端子と上記1次コイルとの電気的な接続をさらに確実にすることができる。
なお,上記巻回面への押し付けにより該巻回面の絶縁被覆を突き破るように上記凸部を構成すれば,上記巻回面の絶縁被覆の剥離処理等の前処理を省略することもできる。
【0023】
また,上記端子は,軸方向の荷重により弾性変形する弾性部を有しており,上記当接部は,上記弾性部に形成してあることが好ましい(請求項8)。
この場合には,上記当接部を上記巻回面に押し付けた際,当接部が巻回面の表面形状に倣うように上記弾性部に弾性変形を生じ得る。そのため,巻回面と端子面との接触面積を広く確保することができる。
また,上記巻回面に弾性的に接触させた上記端子面であれば,接触面に振動等が作用した場合であっても,その振動等を上記弾性部によって吸収することができる。それ故,上記巻回面と上記当接部との接触状態に,悪影響を生じるおそれが少ない。
【0024】
また,上記端子は,上記1次コイルの径方向に弾性変形すると共に,その弾性変形による弾性力を上記1次コイルの外周面又は内周面に作用するよう構成した爪部を有しており,
上記端子と上記1次コイルとは,上記当接部を上記巻回面に当接した状態で,上記爪部と上記1次コイルの外周面又は内周面との接触により電気的に接続してあることが好ましい(請求項9)。
【0025】
この場合には,弾性変形を生じた上記端子の上記爪部と,1次コイルの外周面又は内周面とを,両者の間で上記爪部の弾性力を作用させた状態で接触させることにより,上記端子と上記1次コイルとの電気的な接続を確実にすることができる。
ここで,上記端子は,上記当接部を上記巻回面に押し付けた状態で配置してあるため,両者の位置関係が変動するおそれが少ない。そのため,上記爪部と上記1次コイルとの電気的な接続関係を,信頼性高く維持することができる。
【0026】
なお,上記爪部と,上記1次コイルの外周面又は内周面との間に弾性力を生じさせた状態で両者を接触させるためには,上記爪部は,上記1次コイルの周方向3方向に配置してあることが好ましい。
この場合には,上記端子の爪部により,上記1次コイルの外周面又は内周面をバランス良く把持することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
本例の内燃機関用点火装置1について,図1〜図11を用いて説明する。
本例の内燃機関用点火装置1は,図10に示すごとく,外部から電気エネルギを供給するための一対の端子61,62と電気的に接続した1次コイル31と該1次コイル31の内周側又は外周側に配設した2次コイル32とを組み合わせてなる点火コイル3と,中心電極22と接地電極23とを組み合わせてなる点火プラグ2とを,軸方向に長い筒状のケース10に一体収容してなる内燃機関用点火装置である。
ここで,上記各端子61,62は,図2に示すごとく,一次コイル31の軸方向のコイル端面319の少なくとも一部に当接する当接部612,622を設けてなる。
【0028】
この内燃機関用点火装置1では,図2に示すごとく,1次コイル31の一方の電線端部がなす第1の巻回面311であって,1次コイル31における軸方向のコイル端面319の少なくも一部を形成する巻回面には,端子61の当接部612が接触している。
また,他方の電線端部がなす第2の巻回面312であって,1次コイル31における軸方向のコイル端面319の少なくとも一部を形成する巻回面には,端子62の当接部622が接触している。
そして,1次コイル31は,各当接部612,622から各巻回面311,312に向けて軸方向の荷重を作用した状態で収容してある。
以下に,この内容について詳しく説明する。
【0029】
本例の内燃機関用点火装置1は,図10に示すごとく,磁性体で且つ導電性の鉄鋼材料よりなる円筒形状のケース10内に,点火プラグ2と点火コイル3とを収納してなる点火装置である。
この内燃機関用点火装置1は,点火プラグ2を構成する中心電極22及び接地電極23が内燃機関の燃焼室(図示略)に露出した状態で,内燃機関のシリンダヘッドのプラグホール(図示略)に装着されるように構成してある。
【0030】
ケース10は,図7に示すごとく,点火コイル3(図10)を収容するコイル収容部130と,該コイル収容部130よりも小径であり,点火プラグ2(図10)を収容するプラグ収容部120とを組み合わせた2重円柱状をなす貫通孔を設けてなる略円筒形状を呈する部材である。
ここで,ケース10における大径のコイル収容部130と小径のプラグ収容部120との間の内周面には,コイル収容部130からプラグ収容部120に向けて縮径するテーパ面123を形成してある。
【0031】
さらに,プラグ収容部120の内周面には,図7に示すごとく,該プラグ収容部120側の端部に近く,さらに小径を呈する段部121を形成してあり,該段部121におけるコイル収容部130側の表面には,後述する碍子5の当たり面523と当接する棚状の受け面125を形成してある。
また,ケース10におけるコイル収容部130側の端部の内周面には,雌ねじ部134を形成してある。そして,該雌ねじ部134には,後述する保持部8(図9)をねじ結合するように構成してある。
【0032】
またさらに,ケース10は,図8に示すごとく,コイル収容部130(図7)の外周に当たる部分の外径を,プラグ収容部120(図7)の外周に当たる部分の外径よりも大きく構成してなる2重円柱状を呈する外形状を呈する。
ケース10におけるプラグ収容部120側の端部付近の外周面には,雄ねじ部122を形成してあり,軸方向反対側の端部の外周面には,工具を係合可能な締め付け用ナット部132を形成してある。
【0033】
そして,本例の内燃機関用点火装置1は,図10に示すごとく,所定の工具を上記締め付け用ナット部132に係合して軸芯中心に回転させることにより,上記雄ねじ部122を,プラグホールの雌ねじ部(図示略)にねじ結合できるよう構成してある。
さらに,ケース10における雄ねじ部122側の先端には,接地電極23を溶融接合してある。該接地電極23は,後述する中心電極22の先端と対向するように構成してある。
【0034】
なお,図7及び図8に示すごとく,ケース10におけるコイル収容部130の外周に当たる外周部分は,点火コイル3の外周コアとしての作用を奏する部分である。
そこで,ケース10におけるコイル収容部130の外周側に位置する外周面には,軸方向に溝状に延設されてなり,磁束変化により生じるおそれがある環状電流を抑制するスリット15を形成してある。
【0035】
また,本例の内燃機関用点火装置1は,図10に示すごとく,アルミナ等の電気絶縁材料からなる円筒状の碍子5を,上記ケース10に内挿収容したものである。
この碍子5は,ケース10のプラグ収容部120に内挿されて点火プラグ2を構成するプラグ側筒部52と,コイル収容部130に内挿されて点火コイル3を構成するコイル側筒部53とからなる。
【0036】
上記プラグ側筒部52の外周面には,図10に示すごとく,コイル側筒部53に向けて拡径する段部521を形成してある。そして,該段部521におけるコイル側筒部53と反対側に向かう表面には,上記ケース10の受け面125と当接する当たり面523を形成してある。
【0037】
本例では,ケース10に対する碍子5の軸方向の挿入位置は,図10に示すごとく,受け面125と当たり面523との当接により規制されるように構成してある。
そして,両者を当接させた際,碍子5におけるプラグ側筒部52の先端が,接地電極23と所定の間隙を保持した状態で,ケース10の端部から突出するように構成してある。
また,上記の内燃機関用点火装置1は,受け面125と当たり面523との当接により,ケース10と碍子5との間の気密性を高く保持できるように構成してある。
【0038】
さらに,コイル側筒部53の外周面には,図10に示すごとく,1次コイル31を外挿配置する巻線配設部531を,コイル側筒部53側の端部を含めて形成してある。本例の巻線配設部531は,1次コイル31の軸方向の長さよりも長く形成してある。
また,プラグ側筒部52側の端部には,軸方向に略直交する棚面状の規制面538を設けてある。すなわち,巻線配設部531の外周面と,コイル側筒部53の大径部分(巻線配設部531以外の部分)の外周面とは,上記規制面538を介して接続してある。
【0039】
また,碍子5には,図10に示すごとく,同軸貫通する貫通孔を形成してある。該貫通孔は,コイル側筒部53の内周側に配置されるコイル孔部530と,プラグ側筒部52の内周側に配置されると共に,上記コイル孔部530よりも小径のプラグ孔部520とから構成されている。
該プラグ孔部520は,点火プラグ2の一部を収容するように構成してあり,コイル孔部530は,点火コイル3の一部を収容するように構成してある。
【0040】
上記点火プラグ2は,図10に示すごとく,導電性金属よりなるステム21と,導電性金属よりなる中心電極22と,導電性金属よりなる接地電極23とを有している。
そして,ステム21及び中心電極22は,碍子5のプラグ孔部520に収容してある。ここで,プラグ孔部520における接地電極23側に収容配置された中心電極22は,その先端と,上記接地電極23との間に所定の間隙を形成した状態で,内燃機関シリンダの燃焼室に突出するように構成してある。
【0041】
上記点火コイル3は,図10に示すごとく,点火電源91と点火用トランジスタ92との組み合わせにより電力供給される1次コイル31と,該1次コイル31の内周側に配置した2次コイル32と,該2次コイル32のさらに内周側に配置した円柱状の中心コア33との組み合わせにより,2次コイル32の両端に高電圧を発生するものである。
【0042】
なお,上記中心コア33は,図10に示すごとく,ケイ素鋼板を複数枚束ねたものである。そして,この中心コア33は,後述する2次スプール34に内挿した状態で,配置してある。
また,本例の点火コイル3は,一対の端子61,62を経由して,1次コイル31に電力が供給されるように構成してある。
【0043】
上記2次スプール34は,図10に示すごとく,2次コイル32を巻き付けてある巻線用筒部341と,この巻線用筒部341から後述するコネクタ6側に向かって突出する突出筒部342とを有している。
そして,本例の点火コイル3では,2次スプール34の巻線用筒部341の外周に2次コイル32を形成してある。
【0044】
また,2次スプール34と同軸に穿設した中心穴340には,図10に示すごとく,中心コア33を挿入してある。この中心穴340は,中心コア33と比較して軸方向に長く形成してある。そして,上記2次スプール34は,巻線用筒部341に対応して中心コア33が配置され,該中心コア33が突出筒部342の内周側に位置しないように構成してある。
また,突出筒部342の内周側に位置する中心穴340は,ゴムやスポンジ等の弾性材よりなるコア押え蓋35により封止してある。
さらに,本例の内燃機関用点火装置1では,上記のごとく組み付けた2次スプール34を収容した上記碍子5のコイル側筒部53内部を,電気絶縁性の樹脂により固めて固定してある。
【0045】
また,図10に示すごとく,2次コイル32の高電圧端は,ステム21を介して,点火プラグ2の中心電極22に電気的に接続してある。また,低電圧端は,図示しないターミナルを介してケース10に電気的に接続してある。
なお,ケース10はシリンダヘッド等を介して,内燃機関を搭載する車両のボデーに接地されている。
【0046】
上記のごとく,本例の内燃機関用点火装置1では,2次コイル32,ステム21及び中心電極22を含む高電圧部と,1次コイル31及びケース10を含む低電圧部とが,碍子5によって完全に絶縁されている。
そのため,本例の内燃機関用点火装置1は,電気的な信頼性が高く,優れた点火性能を有する装置である。
【0047】
上記の1次コイル31は,図1及び図3に示すごとく,碍子5における巻線配設部531に外挿する巻線である。
本例の1次コイル31は,図1に示すごとく,断面矩形状を呈する絶縁被覆付きの銅線を,100〜200回,巻回してなる巻線である。
なお,本例の1次コイル31を形成する巻線は,表面に自己融着層を有している。
【0048】
そして,この1次コイル31は,製造治具としての芯棒(図示略)の外周に電線を巻き付けた後,加熱により上記自己融着層を溶融させて巻線同士を接着し,さらにその後,上記自己融着層の硬化後に,上記芯棒を抜き取り製作したコイルである。
【0049】
なお,1次コイル31における軸方向の一方のコイル端面319には,図1に示すごとく,電線の巻き始め端部である第1の巻回面311が露出しており,他方のコイル端面319には,電線の巻き終わり端部である第2の巻回面312が露出している。ここで,上記各巻回面311,312は,絶縁被覆を除去する処理を施してある。
本例の内燃機関用点火装置1では,図3に示すごとく,第1の巻回面311が点火プラグ2側に配置され,第2の巻回面312が点火プラグ2と反対側に配置されるよう1次コイル31を配設してある。
【0050】
また,本例の内燃機関用点火装置1は,図3に示すごとく,該1次コイル31の軸方向両端の巻回面311,312に,一対の端子61,62の当接部612,622の端子面611,621がそれぞれ電気的に接触するように構成してある。
そして,点火コイル3(図10)では,上記の一対の端子61,62を介して,外部から1次コイル31に電気エネルギを供給し得るように構成してある。
【0051】
上記一対の端子61,62は,図2に示すごとく,りん青銅等のばね材よりなる平板部材を円弧状に形成した当接部612,622と,該当接部612,622の外周面に接続されてなると共に,該当接部612,622がなす円弧と略直交する方向に伸びる立ち上がり部613,623とを有する部材である。
当接部612,622は,碍子5の巻線配設部531よりもわずかに大きい内径と,1次コイル31と略同一の外径とを呈すると共に,周方向の一部に切り欠きを有する略C字状の円弧形状を呈する部分である。
【0052】
上記立ち上がり部613は,図2及び図10に示すごとく,碍子5の外周面に沿って,そのコイル側筒部53側の端部を越えるまで軸方向に伸びる直線部616,626と,該直線部616,626と略直交し,軸芯に向けて伸びる切替部614,624と,該切替部614,624と略直交し,上記直線部616,626と略平行に,さらに伸びる取りだし部615,625とから形成されている。
【0053】
ここで,図2に示すごとく,上記第1の巻回面311に当接する当接部612を含む端子61は,他方の端子62に比べて,1次コイル31の軸方向の長さ分だけ直線部616を長く形成してある。
このように各端子61,62の直線部616,626の長さを変更することで,図10に示すごとく,内燃機関用点火装置1において各切替部614,624の軸方向の位置を略一致させることができる。
【0054】
さらに,図4及び図5に示すごとく,碍子5における巻線配設部531のうち,1次コイル31から突出する部分には,略円筒状を呈する加圧カバー7を外挿するように構成してある。
該加圧カバー7は,図5に示すごとく,1次コイル31の外径と略同一の外径と,1次コイル31の内径と略同一の内径とを呈する部材であって,1次コイル31の反対側の端部には,巻線配設部531よりも小径の取り出し孔70を穿孔してなる作用端面710を形成してある。
【0055】
そして,加圧カバー7の軸方向における上記作用端面710と反対側の端面には,図5に示すごとく,1次コイル31側に向けて荷重を作用する加圧面720を形成してある。
なお,加圧カバー7は,その加圧面720を当接部622に当接する状態で,作用端面710と碍子5端部との内側に所定の隙間が形成されるように構成してある。
そして,加圧カバー7は,上記の隙間において,他の部材と干渉することなく,上記端子61,62の切替部614,624を収容し得るように構成してある。
【0056】
また,加圧カバー7の外周をなす壁面のうち,周方向の対向する2箇所の位置には,図5及び図6に示すごとく,上記端子61,62の直線部616,626との干渉を回避するための切り欠き730を形成してある。
該切り欠き730は,上記加圧面720側の端部から,作用端面710の手前に至るまで形成してあり,碍子5の巻線配設部531に加圧カバー7を外挿装着した際(図6参照。),該加圧カバー7と,端子61,62の直線部616,626とが干渉しないように構成してある。
【0057】
さらに,加圧カバー7は,図6に示すごとく,作用端面710に穿孔した取り出し孔70内に,端子61,62の取りだし部615,625を貫通収容するように構成してある。
上記のごとく,本例の加圧カバー7は,1次コイル31と電気的に接続されると共に,後述するコネクタ6に向かって伸びる端子61,62と干渉することなく,作用端面710に作用した軸方向の荷重を,加圧面720を介して1次コイル31に向けて伝達し得るように構成してある。
【0058】
さらに,内燃機関用点火装置1は,図9及び図10に示すごとく,加圧カバー7と同軸上に保持部8を配置するように構成してある。
この保持部8は,その軸方向に貫通する穴であって,加圧カバー7の上記取り出し孔70と略同一内径の貫通穴80を有する略円筒形状を呈する部材である。
【0059】
この保持部8の外周面のうち,ケース10に収容される部分には,図9に示すごとく,上記ケース10の雌ねじ部134とネジ結合する雄ねじ部84を形成してある。
また,保持部8の外周面のうち,ケース10に収容されず外部に露出する部分には,断面略6角形状を呈するナット部85を形成してある。
【0060】
そして,本例の内燃機関用点火装置1では,図9に示すごとく,スパナ等の工具(図示略)をナット部85に係合して保持部8を回転させることにより,該保持部8の雄ねじ部84と,ケース10の雌ねじ部134とのねじ結合による保持部8の進退を可能としてある。
【0061】
また,保持部8の軸方向における加圧カバー7側の端面には,図9に示すごとく,荷重作用面810を形成してある。そして,保持部8は,ケース10の内部への螺入に伴って,上記荷重作用面810から加圧カバー7の作用端面710に向けて軸方向の荷重を作用し得るように構成してある。
【0062】
なお,本例の内燃機関用点火装置1では,図10に示すごとく,加圧カバー7と,保持部8との間に,リング形状を呈する圧力検出素子4を配設してある。
そのため,保持部8から加圧カバー7に向けて作用する荷重は,上記圧力検出素子4を介して伝達されることになる。
【0063】
本例の圧力検出素子4は,図10に示すごとく,負荷される荷重の変化に伴って電位が変位するように構成した素子である。そして,この圧力検出素子4は,例えば,チタン酸鉛からなり,薄板のリング状を呈するように形成してある。
上記内燃機関用点火装置1では,圧力検出素子4は,導電性金属にて薄板リング状に形成されたターミナル(図示略)と電気的に接続されており,該ターミナルを介して計測信号を出力できるように構成してある。
【0064】
さらに,保持部8は,図10に示すごとく,PBT等の樹脂よりなるコネクタ6を貫通穴80に嵌合収容するように構成してある。
該コネクタ6は,略円筒状を呈する部材について,軸方向の1箇所に壁面65を形成してなるものである。
【0065】
該壁面65には,上記の端子61,62の取りだし部615,625を貫通する挿通穴を形成してある。
そして,端子61,62の取りだし部615,625の断面形状と略同一の形状を呈する該挿通穴は,取りだし部615,625を嵌合保持し得るよう構成してある。
【0066】
次に,本例の内燃機関用点火装置1の組付けの方法について説明する。
まず,図10に示すごとく,点火プラグ2を構成する中心電極22,ステム21及び,2次コイル32や中心コア33等を組み付けた2次スプール34等を,碍子5の内部に収容する。
そして,図3〜図5に示すごとく,この碍子5の外周面に形成した巻線配設部531に,端子61の当接部612,1次コイル31,端子62の当接部622,加圧カバー7を,この順番で装着していく。
【0067】
その後,図9に示すごとく,1次コイル31等を外挿した碍子5をケース10内部に収容する。
そして,図10に示すごとく,ケース10のコネクタ側の開口端からリング状を呈する圧力検出素子4を収容すると共に,保持部8を螺入する。
ここでは,保持部8の荷重作用面810から,加圧カバー7の作用端面710に向けて軸方向に所定の荷重が作用するまで,保持部8を螺入する。
【0068】
なお,本例では,圧力検出素子4の出力信号をモニターしながら,保持部8の螺入を実施することにより,上記所定の荷重を実現した。これに代えて,保持部8の締め付けトルクと上記軸方向の荷重との関係を,予め,実験的に求めておき,保持部8の締め付けトルクの調整により,上記所定の荷重を設定することもできる。
【0069】
そして,上記のごとく保持部8の荷重作用面810から,加圧カバー7の作用端面710に向けて軸方向の荷重を作用させることで,加圧カバー7の加圧面720とケース10の上記規制面538との間で積み重ねた端子61の当接部612,1次コイル31及び端子62の当接部622に対して,軸方向に圧縮する荷重を作用することができる。
【0070】
そして,この荷重は,当接部622と1次コイル31の第2の巻回面312との間,当接部612と1次コイル31の第1の巻回面311との間に,当接荷重を発生させる。
該当接荷重を相互に作用させることにより,端子61,62と1次コイル31とを確実に電気的に接触させることができる。
【0071】
次に,本例の内燃機関用点火装置1の動作について概説する。この内燃機関用点火装置1は,図10に示すごとく,バッテリやコンデンサ等の点火電源91と点火用トランジスタ92との組み合わせにより駆動される点火コイル3が高電圧を発生し,点火プラグ2はその高電圧を火花ギャップ間で放電して燃焼室内の混合気を着火させる。
また,燃焼室(図示略)内での燃焼によって発生した圧力は,碍子5を介して圧力検出素子4に伝達され,それにより圧力検出素子4は圧縮荷重を受ける。そして,圧力検出素子4は,その荷重に応じた電圧の出力信号を出力する。
【0072】
以上のように構成した本例の内燃機関用点火装置1では,保持部8の締め付け調整により,1次コイル31を軸方向に圧縮する荷重を作用させてある。
軸方向に圧縮荷重を作用した状態で組み付けた1次コイル31では,巻線の弛み等のトラブルを未然に防止することができ,1次コイル31自体に要求される強度を抑制することができる。
【0073】
すなわち,本例の内燃機関用点火装置1では,碍子5の外周面への電線の巻き付け等によって,1次コイル31の強度を高く確保する必要がない。
そのため,本例の内燃機関用点火装置1の製造過程では,予め1次コイル31を単体で作製しておき,これを検査した後,碍子5に組み付けることができ,効率良く上記内燃機関用点火装置1を製造することができる。
【0074】
さらに,上記の内燃機関用点火装置1では,軸方向に積み重ねた端子61,62の当接部612,622及び1次コイル31に対して,軸方向に圧縮する荷重を作用してある。そして,端子61,62の当接部612,622と,1次コイル31の巻回面311,312との間に当接荷重を作用させた状態で,両者を接触させて電気的な接続状態を確保してある。
【0075】
そのため,上記の内燃機関用点火装置1では,端子61,62と1次コイル31との接続状態を,溶接等による接合固定に頼ることなく,確実に維持することができる。
それ故,端子61,61及び1次コイル31を碍子5に組み付ける作業が非常に容易であり,効率良く作業することができる。
さらに,上記内燃機関用点火装置1の不良等を生じた場合には,端子61,62及び1次コイル31を容易に分解,調整等することができる。
【0076】
一方,上記のごとく,端子61,62の当接部612,622と,1次コイル31の巻回面311,312との接触面に当接荷重を作用させれば,該接触面に内燃機関の振動等が作用した場合であっても,安定的にその接触状態を維持して,電気的な接続状態を維持することができる。
そして,1次コイル31と端子61,62とを溶接接合した場合に発生するおそれがある接合クラック等を回避して,信頼性高く1次コイル31と端子61,62との間の電気的な接続状態を維持することができる。
【0077】
さらに,本例の内燃機関用点火装置1では,加圧カバー7の加圧面720から1次コイル32に向けて作用する荷重は,碍子5の規制面538を押圧するように作用する。そして,規制面538を軸方向に押圧する荷重は,点火プラグ2側に向けて碍子5を押し出すように作用する。
本例の内燃機関用点火装置1では,上記の作用により,ケース10の内周面に配設した受け面125と,碍子の外周面に配設した当たり面523との間に当接荷重を作用させて,両者を密着させることができる。
このように受け面125と当たり面523とを当接荷重を作用した状態で当接させることによれば,碍子5とケース10との間を確実にシールして,高い機密性を実現することができる。
【0078】
なお,本例の内燃機関用点火装置1は,内周側に2次コイル32を有し,外周側に1次コイル31を有しているが,これに代えて,外周側に2次コイル32を配置し,内周側に1次コイル31を配置することもできる。
さらに,なお,本例の端子61,62は,図11に示すごとく,それぞれ2片の金属板618,619(628,629)よりなる2分割構造とすることもできる。
すなわち,各2片の金属板618,619(628,629)を組み合わせたときの形状を,本例の61,62と略同一形状とする一方,上記2片の金属板を分割構造を呈するように構成すれば,さらに組み付け性を向上することができる。
【0079】
また,さらに,図12に示すごとく,偶数巻きの1次コイル312に対しては,軸方向の一方のコイル端面に現れる第1の巻回面311と,第2の巻回面312とに対して,端子61,62の当接部612,622が当接するように構成することができる。
ここでは,当接部612,622同士が接触しないように,それぞれの当接部612,622を180度未満の円弧状に形成するのが良い。
そして,加圧面720の内径を縮径して,該加圧面720の当接面を1次コイル31の内方にまで拡大した加圧カバー7によれば,当接部612,622を1次コイル31に向けて同時に押圧することができる。
【0080】
(実施例2)
本例は,実施例1の内燃機関用点火装置を基にして,端子の当接部の形状を変更した例である。本例の内容について,図13及び図14を用いて説明する。
本例における第1例の端子62は,図13に示すごとく,軸方向の荷重を受けて弾性変形するように構成した弾性変形部601を当接部622に形成してある。
そのため,当接部622と1次コイル31との間に軸方向の荷重を作用させたとき,1次コイル31の巻回面312の表面形状に倣って弾性変形部601が柔軟に変形し,両者間の接触面積を広く確保することができる。
【0081】
本例における第2例の端子61,62は,図14に示すごとく,当接部612,622の端子面611,621に凸状に突起する凸部608を形成した例である。
そのため,当接部612,622と,1次コイル31の各巻回面311,312との間に当接荷重を作用した際には,巻回面311,312の表面に上記凸部608を食い込ませることができる。そして,凸部608が巻回面311,312の表面に食い込む状態で接触した端子61,62と1次コイル31との間では,電気的な接続を安定的に維持することができる。
【0082】
また,凸部608を巻回面311,312の表面に食い込ませれば,巻線表面の絶縁被膜等を突き破って両者を電気的に接続することもでき,被膜を除去する作業工程を省略することもできる。
なお,その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0083】
(実施例3)
本例は,実施例1の内燃機関用点火装置を基にして,端子の当接部の形状を変更した例である。本例の内容について,図15を用いて説明する。
本例における端子61,62は,図15に示すごとく,その当接部611,612の周方向の3箇所に,1次コイル31の外周面を把持し得る爪部603を形成してある。
【0084】
一方,当接部611,1次コイル31及び当接部612は,積み重ねられ,さらにその軸方向に圧縮する荷重を作用して相互に密着させてある。
そのため,1次コイル31の軸方向の端面に密着配置した当接部612,622に形成した爪部603によれば,1次コイル31の外周面を確実に把持し,電気的な接続状態を安定的に維持することができる。
なお,その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0085】
(実施例4)
本例は,実施例1の内燃機関用点火装置を基にして,ハイサイド駆動用の点火装置に変更したものである。本例について図16及び図17を用いて説明する。ここで,内燃機関用点火装置1のハイサイド駆動とは,図17に示すごとく,1次コイル31に接続した一方の端子62に,点火電源91及び点火トランジスタ92を接続すると共に,他方の端子601をケース10を介してボデー接地した状態で実施する駆動方法である。
【0086】
本例の内燃機関用点火装置1において,1次コイル31の第1の巻回面311と電気的に接続する端子601は,図16に示すごとく,巻回面311と接触する端子面603を有する当接部602と,ケース10のテーパ面123と碍子5の外周面との間で挟持するテーパ当接部604とを有している。
【0087】
保持部8によって,ケース10の内方に向けて碍子5を押圧すれば,ケース10のテーパ面123と碍子5の外周面との間で当接荷重を作用させた状態でテーパ当接部604を挟持でき,該テーパ当接部604とケース10との電気的な接続を確実に確保することができる。
一方,ケース10は,シリンダヘッドに装着されており,確実にボデー接地されている。
【0088】
したがって,上記端子601によれば,ケース10を介して,1次コイル31の一方の電線端部部を確実にボデー接地することができ,上記内燃機関用点火装置1を安定してハイサイド駆動することができる。
なお,その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,1次コイルを示す斜視図。
【図2】実施例1における,一対の端子を示す斜視図。
【図3】実施例1における,1次コイルと一対の端子との組み付け構造を示す説明図。
【図4】実施例1における,碍子に端子と一対の端子を組み付けた様子を示す説明図。
【図5】実施例1における,加圧カバーの組み付け構造を示す説明図。
【図6】実施例1における,碍子に加圧カバーを装着した様子を示す説明図。
【図7】実施例1における,ケースの構造を示す断面図。
【図8】実施例1における,ケースを示す斜視図。
【図9】実施例1における,内燃機関用点火装置の組み付け構造を示す説明図。
【図10】実施例1における,内燃機関用点火装置の構造を示す断面図。
【図11】実施例1における,その他の組み付け構造を示す説明図。
【図12】実施例1における,その他の組み付け構造を示す断面図。
【図13】実施例2における,第1例の端子を示す説明図。
【図14】実施例2における,第2例の端子を示す説明図。
【図15】実施例3における,端子を示す説明図。
【図16】実施例4における,1次コイルに接続する端子を示す説明図。
【図17】実施例4における,内燃機関用点火装置の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1...内燃機関用点火装置,
10...ケース,
2...点火プラグ,
21...ステム,
22...中心電極,
23...接地電極,
3...点火コイル,
31...1次コイル,
311,312...巻回面,
32...2次コイル,
34...2次スプール,
5...碍子,
6...コネクタ,
61,62...端子,
612,622...当接部,
7...加圧カバー,
8...保持部,

Claims (9)

  1. 外部から電気エネルギを供給するための一対の端子と電気的に接続した1次コイル及び該1次コイルの内周側又は外周側に配設した2次コイルを含む点火コイルと,中心電極及び接地電極を含む点火プラグとを,軸方向に長い筒状のケースに一体収容してなる内燃機関用点火装置において,
    上記各端子は,上記一次コイルの軸方向両端のコイル端面のいずれか一方のコイル端面の少なくとも一部に当接する当接部を設けてなり,
    上記1次コイルは,該1次コイルを構成する巻回した電線の一方の端部のひと巻きよりなる第1の巻回面,及び,他方の端部のひと巻きよりなる第2の巻回面を有し,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,異なる上記コイル端面に配置してなる1重巻構造を含む奇数多重巻き構造のコイルであり,
    上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面にある上記第1の巻回面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
    上記1次コイルにおける軸方向の他方の上記コイル端面にある上記第2の巻回面と対峙して該第2の巻回面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとがさらに配設されており,
    上記一対の端子のうちいずれか一方の端子の上記当接部は,上記規制面と上記第1の巻回面との間に位置しており,他方の端子の上記当接部は,上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置しており,
    上記1次コイルは,上記各当接部から上記第1の巻回面及び上記第2の巻回面に向けて軸方向の荷重を作用した状態で収容してあることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 外部から電気エネルギを供給するための一対の端子と電気的に接続した1次コイル及び該1次コイルの内周側又は外周側に配設した2次コイルを含む点火コイルと,中心電極及び接地電極を含む点火プラグとを,軸方向に長い筒状のケースに一体収容してなる内燃機関用点火装置において,
    上記各端子は,上記一次コイルの軸方向両端のコイル端面のいずれか一方のコイル端面の少なくとも一部に当接する当接部を設けてなり,
    上記1次コイルは,該1次コイルを構成する巻回した電線の一方の端部のひと巻きよりなる第1の巻回面,及び,他方の端部のひと巻きよりなる第2の巻回面を有し,上記第1の巻回面と上記第2の巻回面とを,同一の上記コイル端面に配置してなる偶数多重巻き構造のコイルであり,
    上記1次コイルにおける軸方向の一方の上記コイル端面と対峙して上記1次コイルの軸方向位置を規制する規制面を設けてなる筒状の碍子と,
    上記1次コイルにおける他方の上記コイル端面に対峙して該コイル端面に軸方向の荷重を作用する加圧面を設けてなる加圧カバーとがさらに配設されており,
    上記一対の端子のうちいずれかの上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第1の巻回面との間に位置しており,
    かつ,上記他方の端子の上記当接部は,上記規制面又は上記加圧面と上記第2の巻回面との間に位置しており,
    上記1次コイルは,上記各当接部から上記第1の巻回面及び上記第2の巻回面に向けて軸方向の荷重を作用した状態で収容してあることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  3. 請求項1又は2において,上記一次コイルは略円筒状を呈しており,上記各端子の上記当接部は,上記各巻回面に当接し得る円弧形状を呈していることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記ケースは,上記加圧カバーに軸方向の荷重を付与するための保持部材を有していると共に,該保持部材を固定する締結部を有していることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  5. 請求項4において,上記締結部は,上記保持部材の外周面に形成された雄ねじと係合する雌ねじであることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記端子と上記1次コイルと は,上記当接部と上記巻回面との接触により電気的に接続してあることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  7. 請求項6において,上記端子の上記当接部は,上記巻回面に向けて突出する凸部を有していることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  8. 請求項6又は7において,上記端子は,軸方向の荷重により弾性変形する弾性部を有しており,上記当接部は,上記弾性部に形成してあることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記端子は,上記1次コイルの径方向に弾性変形すると共に,その弾性変形による弾性力を上記1次コイルの外周面又は内周面に作用するよう構成した爪部を有しており,
    上記端子と上記1次コイルとは,上記当接部を上記巻回面に当接した状態で,上記爪部と上記1次コイルの外周面又は内周面との接触により電気的に接続してあることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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