JP4122996B2 - 環境状態量の測定監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境の状態を表わす環境状態量を測定すると共に測定状態を監視する環境状態量の測定監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度センサ、湿度センサ、火災検知センサ、人体検知センサ等の環境状態量を測定するセンサを備える複数の測定装置を用いて、複数の位置における環境状態量を測定する場合には、インターネットを介して各測定装置に通信可能に接続された監視装置によって、各測定装置の測定状態の監視が行なわれていた(例えば、特許文献1参照)。また、インターネットを介して測定装置及び監視装置に通信可能に接続されたデータベースサーバ装置(以下、DBサーバという)によって、測定装置による測定結果等が格納されていた。
【0003】
図21は、従来の環境状態量の測定監視システムの構成図の一例である。測定監視システムは、環境状態量を測定する複数の測定装置100と、インターネット900を介して測定装置100と通信可能に接続され測定装置100の測定状態の監視を行なう監視装置200と、インターネット900を介して測定装置100及び監視装置200に通信可能に接続され測定装置100の測定結果情報を格納するDBサーバ300とを備えている。
【0004】
監視装置200は、インターネット900を介して測定装置100に対して測定結果情報の返信を要求し、測定結果情報の返信を受信してインターネット900を介してDBサーバ300に送信し、DBサーバ300は測定結果情報を受信して格納する。
【0005】
このようにして、監視装置200によって、測定結果情報のDBサーバ300への格納(測定状態の監視)が行なわれていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−222010号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の測定監視システムにおいては、測定装置100が、インターネット900への接続機能を備えたインターネット接続部101と、センサによる測定機能を備えた測定部102とを有しているため、下記の課題があった。
【0008】
まず、測定装置100の動作を制御するソフトウェアプログラムには、IPアドレスの取得等のインターネット900への接続を制御するソフトウェアプログラムと、センサからの測定結果の取り込み等の測定を制御するソフトウェアプログラムとが必要であるため、ソフトウェアプログラムが大規模となり、開発負荷及びメンテナンス性の向上が困難であった。
【0009】
また、測定装置100が、インターネット900への接続機能とセンサによる測定機能とを有しているため、モデム等のインターネット900への接続のためのハードウェアと、センサ信号の取り込み用インターフェイス回路等の測定のためのハードウェアとを備える必要があるため、測定装置100の小型化が困難となり、測定装置100の施工作業の容易化を阻害する要因となっていた。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、測定装置に搭載されるソフトウェアプログラムの小規模化を図ると共に、測定装置の小型化を可能とする環境状態量の測定監視システムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の環境状態量の測定監視システムは、環境の状態を表わす環境状態量を測定すると共に測定状態を監視する環境状態量の測定監視システムであって、センサを有し環境状態量を測定する複数の測定装置と、前記測定装置による環境状態量の測定結果情報及び前記測定装置の測定条件を含むセンサ情報を格納するデータベースサーバ装置と、前記データベースサーバ装置とインターネットを介して通信可能に接続され、前記測定結果情報を外部から目視可能に表示すると共に前記データベースサーバ装置へ送信し、前記センサ情報を前記データベースサーバ装置から取得して外部から目視可能に表示すると監視装置と、前記測定装置とローカルエリアネットワークを介して通信可能に接続されると共に、前記監視装置とインターネットを介して通信可能に接続され、ローカルエリアネットワークを介して接続された測定装置から前記測定結果情報を取得して前記監視装置へ送信し、前記監視装置からの前記センサ情報を受信してローカルエリアネットワークを介して接続された測定装置に送信するデータ制御装置とを備え、前記測定装置が、前記データ制御装置からの前記センサ情報を受信し、このセンサ情報に基づいて測定し、前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記センサ情報に基づいて測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する測定装置を判別する類似判別手段と、この類似判別手段によって、測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有すると判別された複数の測定装置である類似測定装置による測定結果の分布の特性値を求める特性値算出手段と、求められた特性値を前記類似測定装置の測定に使用すべく前記センサ情報に付与する特性値付与手段とを備え、前記測定装置は、前 記データ制御装置からの前記センサ情報を受信し、前記センサ情報に付与された特性値を測定値の較正に使用することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、測定装置によって、環境状態量が測定され、データ制御装置によって、ローカルエリアネットワークを介して測定装置から測定結果情報が取得されると共に、インターネットを介して測定結果情報が監視装置に送信される。そして、監視装置によって、測定装置による環境状態量の測定結果情報が外部から目視可能に表示されると共に、インターネットを介してデータベースサーバ装置へ伝送され、データベースサーバ装置によって、測定結果情報が格納される。
【0013】
また、データベースサーバ装置によって、測定装置の測定条件を含むセンサ情報が格納されており、監視装置によって、センサ情報がデータベースサーバ装置から取得されて外部から目視可能に表示されると共に、データ制御装置へ送信される。そして、データ制御装置によって、監視装置からのセンサ情報が受信されてローカルエリアネットワークを介して接続された測定装置に送信され、測定装置によって、データ制御装置からのセンサ情報が受信され、このセンサ情報に基づいて測定される。
【0014】
このように、測定装置とデータ制御装置とはローカルエリアネットワークを介して接続され、インターネットを介して測定結果情報を監視装置へ送信する場合及びインターネットを介してセンサ情報を監視装置から受信する場合に、IPアドレス取得等のインターネットに接続するために必要な機能(インターネット接続機能という)が、データ制御装置によって実現されるため、測定装置にはインターネット接続機能が不要となる。従って、測定装置に搭載されるソフトウェアプログラムの小規模化が図られると共に、測定装置の小型化が可能となる。
【0015】
また、測定装置による測定結果情報及び測定装置の測定条件を含むセンサ情報がデータベースサーバ装置において一元的に格納されるため、データの管理が効率的に行なわれる。
【0016】
さらに、上記の構成によれば、類似判別手段によって、センサ情報に基づいて測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する測定装置が判別され、特性値算出手段によって、この類似判別手段により測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有すると判別された複数の測定装置である類似測定装置による測定結果の分布の特性値が求められ、特性値付与手段によって、求められた特性値が類似測定装置の測定に使用すべくセンサ情報に付与される。
【0017】
従って、測定装置の測定条件(較正条件を含む)が、当該測定装置のセンサと測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する複数の測定装置である類似測定装置による測定結果の分布の特性値を用いて設定されるため、更に適正な測定条件の設定が可能となる。すなわち、測定装置が設置されている一箇所の局所的な測定結果ではなく、類似測定装置の設置されている複数箇所の(測定範囲がより広範囲である)測定結果を用いて測定条件が設定されるため、より適正な測定条件の設定が可能となる。
【0018】
請求項2に記載の環境状態量の測定監視システムは、前記測定装置が、ローカルエリアネットワークに接続されているか否かの判定を行なう接続判定手段を備え、この接続判定手段による判定が非接続状態から接続状態へ変化した場合に、前記測定装置が、前記データ制御装置に対して非接続状態から接続状態へ変化した旨の信号である接続開始信号を送信し、前記データ制御装置が、前記接続開始信号を受信した場合に、この接続開始信号を送信した測定装置について、測定結果情報の取得頻度を通常の取得頻度に対して所定期間高くすることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、測定装置の接続判定手段によって、当該測定装置がローカルエリアネットワークに接続されているか否かの判定が行なわれ、この接続判定手段による判定が非接続状態から接続状態へ変化した場合に、測定装置によって、データ制御装置に対して非接続状態から接続状態へ変化した旨の信号である接続開始信号が送信される。そして、データ制御装置によって、この接続開始信号が受信された場合に、この接続開始信号を送信した測定装置について、測定結果情報の取得頻度が通常の取得頻度に対して所定期間高くされる。
【0020】
測定装置が新たにローカルエリアネットワークに接続された場合、または、一旦なんらかの事情でローカルエリアネットワークから切り離され(非接続とされ)その後再度ローカルエリアネットワークに接続された場合に、接続から所定期間の間は測定結果が安定しない場合がある。このような場合に、上述のように、測定結果情報の取得頻度が通常の取得頻度に対して所定期間(測定結果が安定するまでの期間)高くされるため、監視装置等によって、測定結果が安定したか否かの判定を正確に行なうことが可能となる。
【0021】
請求項3に記載の環境状態量の測定監視システムは、前記データベースサーバ装置、監視装置、データ制御装置及び測定装置の少なくとも一の装置が、前記測定装置の測定結果が異常であるか否かを判定する異常判定手段を備え、前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置が、前記測定装置の設置位置を表わす設置位置情報を予め格納する設置位置記憶手段と、前記異常判定手段によって、異常であると判定された測定装置の設置位置情報を含む電子メールをインターネットを介して所定の報知先の受信装置へ送信する異常メール送信手段とを備えることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、設置位置記憶手段に、測定装置の設置位置を表わす設置位置情報が予め格納されており、異常判定手段によって、測定装置の測定結果が異常であるか否かが判定される。そして、異常メール送信手段によって、異常判定手段により異常であると判定された測定装置の設置位置情報を含む電子メールがインターネットを介して所定の報知先の受信装置へ送信される。
【0023】
このようにして、測定装置の測定結果に異常が発生した場合に、その測定装置の設置位置情報を含む電子メールがインターネットを介して所定の報知先の受信装置(例えば、保守要員、監視要員等の監視しているコンピュータ、または、保守要員、監視要員等が所持している携帯電話)へ送信されるため、保守要員、監視要員等が異常の発生した測定装置の設置位置を迅速且つ正確に知ることが可能となる。
【0024】
請求項4に記載の環境状態量の測定監視システムは、前記測定装置を較正するための環境状態量を測定する基準測定装置をさらに備え、前記基準測定装置は、測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信し、前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、基準測定装置によって、測定装置を較正するための環境状態量が測定され、測定された環境状態量の測定結果が前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信され、データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置によって、基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量が測定装置に送信され、測定装置によって、受信した基準環境状態量に基づいてセンサの較正情報が設定され、設定された較正情報を用いて環境状態量が測定される。
【0026】
したがって、基準測定装置によって測定された測定結果に基づいて、測定装置が有するセンサの較正情報が設定されるので、測定装置の較正を自動的に行なうことができ、測定装置の較正にかかるコストを削減することができ、複数の状態における較正が自動的に行なわれるので、測定装置の測定精度を容易に高くすることができる。
【0027】
請求項5に記載の環境状態量の測定監視システムは、前記基準測定装置を複数備え、前記複数の基準測定装置は、それぞれ測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記複数の基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信し、前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、基準測定装置が複数備えられ、複数の基準測定装置によって、それぞれ測定された環境状態量の測定結果がデータベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信され、データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置によって、複数の基準測定装置から受信した環境状態量の測定結果に基づいて、測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量が測定装置に送信され、測定装置によって、受信した基準環境状態量に基づいてセンサの較正情報が設定され、設定された較正情報を用いて環境状態量が測定される。
【0029】
したがって、複数の基準測定装置によって測定された環境状態の測定結果に基づいてセンサの較正情報が設定されるので、基準測定装置の設置場所による誤差がなくなり、測定装置の較正を高い精度で行なうことができ、測定装置の測定精度を容易に高くすることができる。
【0030】
請求項6に記載の環境状態量の測定監視システムは、前記測定装置と前記基準測定装置とを備え、全体を均一な環境状態に保つ動作を実行する環境維持装置をさらに備え、前記基準測定装置は、測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信するとともに、前記環境維持装置を動作させる動作情報を前記環境維持装置に送信し、前記環境維持装置は、受信した動作情報に基づいて装置内の環境状態を一定に保つ動作を実行し、前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、全体を均一な環境状態に保つ動作が実行される環境維持装置は、測定装置と基準測定装置とを備え、基準測定装置によって、測定された環境状態量の測定結果がデータベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信され、データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置によって、基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量が測定装置に送信されるとともに、環境維持装置を動作させる動作情報が環境維持装置に送信され、環境維持装置によって、受信した動作情報に基づいて装置内の環境状態を一定に保つ動作が実行され、測定装置によって、受信した基準環境状態量に基づいてセンサの較正情報が設定され、設定された較正情報を用いて環境状態量が測定される。
【0032】
したがって、環境維持装置の動作の実行を操作することで、環境維持装置内の環境の設定状態を柔軟に変更することができ、測定装置の較正後に次の設定状態に素早く変更することができるので、較正にかかる時間を短縮することができる。また、環境維持装置を動作させる時間を短縮することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態である環境状態量の測定監視システムについて説明する。図1は、本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第1の実施形態における構成を表わす構成図の一例である。測定監視システムは、センサ133を有して環境の状態を表わす環境状態量を測定する複数の測定装置1と、測定装置1の測定結果情報及び測定装置1の測定条件を含むセンサ情報を格納するデータベースサーバ装置(以下、DBサーバという)3と、インターネット(以下、WWWという)9を介してDBサーバ3と通信可能に接続され測定装置1の測定状態の監視及び測定装置1の測定動作の制御を行なう監視装置2と、監視装置2とWWW9を介して通信可能に接続され、測定装置1とローカルエリアネットワーク(以下、LANという)8を介して通信可能に接続され、測定装置1と監視装置2との間のデータ授受の制御を行なうデータ制御装置4とを備えている。
【0035】
監視装置2は、センサ情報をDBサーバ3から取得して外部から目視可能に表示する(例えば、モニタを備えてモニタ画面上にセンサ情報を表示する)と共にデータ制御装置4へ送信し、測定結果情報をデータ制御装置4から取得して外部から目視可能に表示する(例えば、モニタを備えてモニタ画面上に測定結果情報を表示する)と共にDBサーバ3へ送信するものである。
【0036】
また、データ制御装置4は、LAN8を介して接続された測定装置1から測定結果情報を取得して監視装置2へ送信し、監視装置2からのセンサ情報を受信してLANを介して接続された測定装置1に送信するものである。更に、測定装置1は、データ制御装置4からのセンサ情報を受信し、このセンサ情報に基づいて測定するものである。
【0037】
このように、測定装置1とデータ制御装置4とはLAN8を介して常時通信可能に接続され、WWW9を介して測定装置1からの測定結果情報を監視装置2へ送信する場合及びWWW9を介してセンサ情報を測定装置1へ伝送するために監視装置2から受信する場合には、IPアドレス取得等のWWW9に接続するための機能(インターネット接続機能という)がデータ制御装置4によって実現されるため、測定装置1には、インターネット接続機能が不要となる。従って、測定装置1に搭載されるソフトウェアプログラムの小規模化が図られると共に、測定装置1の小型化が可能となる。
【0038】
また、測定装置1による測定結果情報及び測定装置1の測定条件を含むセンサ情報がDBサーバ3において一元的に格納されるため、データの管理が効率的に行なわれる。
【0039】
ここで、センサ情報について図2〜図4を用いて説明する。図2は、DBサーバ3に格納されているセンサ情報の一例を示す説明図である。(a)は、センサ情報の一覧表(センサ情報一覧表という)を表わす図表である。左端の列がセンサ情報の項目名であり、その他の列は測定装置1に設けられたセンサ133毎の項目名に対応するデータである。例えば、「センサ名」が「AAA」のセンサは、「測定下限値」が「−20」で「測定上限値」が「50」に設定されている。また、センサ133を較正するためのデータはパターン番号(ここでは、較正パターンという)で格納されており、「センサ名」が「AAA」のセンサは、「較正パターン」が「1」であり、「センサ名」が「BBB」のセンサは、「較正パターン」が「2」である。
【0040】
図2の(b)はセンサ情報の較正パターンと較正テーブルとの対応関係を示す図表である。上段が「較正パターン」であり、下段が較正に使用されるデータをテーブル形式で格納する「較正テーブル」である。例えば、「較正パターン」が「1」である場合は、「較正テーブル」として「−20、−10、00、10、20、30、40、50」が使用される。
【0041】
図3は、監視装置2によって行なわれるセンサ情報の測定装置1への設定動作を説明するためのフローチャートの一例である。ここでは、監視装置2は、センサ情報等の情報を外部から目視可能に表示するLCD等のモニタと、外部からの入力を受け付けるキーボード、マウス等の操作手段とを備え、適宜、モニタに種々の画面を表示して、操作手段からの入力を受け付けるものとする。
【0042】
また、測定装置1に設定するセンサ情報のDBサーバ3からの取得方法としては、DBサーバ3に格納されているセンサ情報一覧表を取得してモニタに表示し、外部からの選択入力を操作手段から受け付けてその選択入力に対応するセンサ情報をDBサーバ3から取得する方法(一括設定という)と、ローカルアドレスから対応するセンサ情報をDBサーバから取得する方法(個別設定という)とがある。予めDBサーバ3に測定装置1に設定するセンサ情報が測定装置1のローカルアドレス等に対応付けて格納されている場合には、個別設定が用いられ、DBサーバ3に測定装置1のローカルアドレスに対応付けて格納されたセンサ情報がない場合には、一括設定が用いられる。
【0043】
まず、測定装置1のローカルアドレスの一覧表がモニタに表示され、センサ情報を設定する測定装置1のローカルアドレスの選択入力を受け付けることによって、センサ情報を設定する測定装置1が選択される(ステップS1)。そして、一括設定を行なうか否かの選択入力が受け付けられて、一括設定を行なうか否か(一括設定行なうか個別設定を行なうか)が判定される(ステップS3)。
【0044】
この判定が否定された場合(個別設定を行なう場合)にはステップS11へ進み、この判定が肯定された場合には、WWW9を介してDBサーバ3からセンサ情報一覧表が取得される(ステップS5)。つぎに、取得されたセンサ情報一覧表がモニタに表示され、選択入力が受け付けられて設定するセンサ情報が選択される(ステップS7)。次いで、選択されたセンサ情報がWWW9を介してDBサーバ3から取得され、WWW9、データ制御装置4及びLAN8を介してステップS1で選択されたローカルアドレスに対応する測定装置1に伝送される(ステップS9)。
【0045】
ステップS3の判定が否定された場合(個別設定を行なう場合)には、ステップS1によって選択された測定装置1のローカルアドレスに対応するセンサ情報がDBサーバ3から取得される(ステップS11)。そして、取得されたセンサ情報が、WWW9、データ制御装置4及びLAN8を介してステップS1で選択されたローカルアドレスに対応する測定装置1に伝送される(ステップS13)。
【0046】
図4は、測定装置1の後述する記憶部131に格納されたセンサ情報を表わす図表の一例である。左側の列が項目名であり、右側の列がその項目名に対応するデータである。(a)は、監視装置2によってセンサ情報が設定される前の状態を示し、(b)は、監視装置2によってセンサ情報が設定された後の状態を示している。(a)に示すように、監視装置2によってセンサ情報が設定される前は、センサ情報を構成する各項目には対応するデータが格納されていない(「−−−」はデータが無いことを表わしている)。(b)に示すように、監視装置2によってセンサ情報が設定された後は、センサ情報を構成する各項目には対応するデータが格納されている。すなわち、測定装置1は、監視装置2によって設定されたセンサ情報を記憶部131に格納して、そのセンサ情報に基づいて測定を行なう。
【0047】
このように、監視装置2によってDBサーバ3に格納されたセンサ情報の中から測定装置1に適したセンサ情報が選択されて設定されるため、測定装置1は適切なセンサ情報に基づいて測定を行なうことが可能となる。
【0048】
また、監視装置2が、DBサーバ3から取得したセンサ情報をモニタに表示し、外部からの入力を受け付けてセンサ情報のデータを変更し、変更後のセンサ情報をDBサーバに送信する形態でもよい。この場合には、監視装置2によって、センサ情報の含まれるデータの変更が可能となり、より適切なセンサ情報を設定することが可能となる。
【0049】
再び図1に戻って説明する。測定装置1は、ローカルアドレスを有してLAN8を介してデータ制御装置4とデータの伝送を行なうデータ伝送部11と、測定装置1がLAN8に接続されているか否かの判定を行なう接続判定部12(接続判定手段に相当する)と、測定装置1が配設されている環境の状態を表わす環境状態量の測定を行なう測定部13とを備えている。
【0050】
接続判定部12は、例えば、測定装置1のデータ伝送部11の端子にLAN8の配線が接続されているか否かを検出することによって、測定装置1がLAN8に接続されているか否かを判定するものである。接続判定部12による判定が非接続状態から接続状態に変化した場合に、データ伝送部11は、データ制御装置4に対して非接続状態から接続状態に変化した旨の信号である接続開始信号を送信し、データ制御装置4は、この接続開始信号を受信した場合に、この接続開始信号を送信した測定装置1について、測定結果情報の取得頻度を通常の取得頻度に対して所定期間Ta(例えば、5秒間)高く(例えば、通常の取得頻度の1.5倍と)する。
【0051】
測定部13は、温度、湿度、CO2濃度等の環境状態量を測定するセンサ133と、センサ133からの測定結果であるアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部132と、デジタル信号に変換された測定結果情報を一時的に格納すると共に測定条件を含むセンサ情報を格納する記憶部131とを備えている。なお、火災を検出するための火災検出センサ及び人体の有無を検知する人体検知センサも、センサ133に含まれるものとする。
【0052】
図5は、接続開始信号が検出された場合の測定結果情報の取得頻度の変化を説明するためのタイミングチャートの一例である。ここでは、予め測定装置1aと測定装置1bとがLAN8に接続されており、新たに測定装置1cがLAN8に接続されて、測定装置1cのデータ伝送部11からデータ制御装置4へ接続開始信号が受信された場合について図5を用いて測定結果情報の取得頻度の変化を説明する。
【0053】
(a)は、測定装置1cがLAN8に接続される前の測定結果情報の取得頻度を表わすタイミングチャートであり、(b)は、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta経過するまでの測定結果情報の取得頻度を表わすタイミングチャートであり、(c)は、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta以上経過後の測定結果情報の取得頻度を表わすタイミングチャートである。
【0054】
(a)に示すように、測定装置1cがLAN8に接続される前は、測定装置1aの測定結果情報と測定装置1bの測定結果情報とが所定間隔毎に交互に取得される。(b)に示すように、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta経過するまでの間は、測定装置1cの測定結果情報の取得、測定装置1bの測定結果情報の取得、測定装置1cの測定結果情報の取得、測定装置1aの測定結果情報の取得を1サイクルとして各測定結果情報が取得される。すなわち、この間は、測定装置1cの測定結果情報の取得頻度が、測定装置1a及び測定装置1aの測定結果情報の取得頻度の2倍となるように、データ制御装置4によって測定結果情報が取得される。(c)に示すように、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta経過後は、測定装置1cの測定結果情報の取得、測定装置1aの測定結果情報の取得、測定装置1bの測定結果情報の取得を1サイクルとして各測定結果情報が取得される。すなわち、この間は、測定装置1a、1b及び1cの測定結果情報の取得頻度が同じになるように、データ制御装置4によって測定結果情報が取得される。
【0055】
この場合には、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta経過するまでの間は、測定装置1cがLAN8に接続されて所定期間Ta経過後と比較して、測定装置1cの測定結果情報の取得が1.5倍となるようにデータ制御装置4による測定結果情報の取得頻度が変更される。
【0056】
一方、測定装置1が新たにLAN8に接続された場合、または、一旦なんらかの事情でLAN8から切り離され(非接続とされ)その後再度LAN8に接続された場合に、接続から所定期間Taの間は測定結果が安定しない場合がある。このような場合に、上述のように、測定結果情報の取得頻度が通常の取得頻度に対して所定期間Ta(測定結果が安定するまでの期間)高くされるため、監視装置2(またはデータ制御装置4)によって、測定結果が安定したか否かの判定を正確に行なうことが可能となる。
【0057】
再び、図1に戻って説明する。データ制御装置4は、IPアドレスを有しWWW9を介して監視装置2とデータの伝送を行なうインターネット接続部41と、LAN8を介して通信可能に接続された測定装置1とデータの伝送を行なうデータ伝送部42と、LAN8を介して通信可能に接続された測定装置1の中からセンサ情報に基づいて測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する測定装置1を判別する類似判別部43(類似判別手段に相当する)と、この類似判別部43によって測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有すると判別された複数の測定装置1である類似測定装置による測定結果の分布の特性値を求める特性値算出部44(特性値算出手段に相当する)と、求められた特性値を類似測定装置の測定に使用すべくセンサ情報に付与する特性値付与部45(特性値付与手段に相当する)と、LAN8を介して通信可能に接続された測定装置1の設置位置を表わす設置位置情報を予め格納する設置位置記憶部46(設置位置記憶手段に相当する)と、LAN8を介して通信可能に接続された測定装置1の測定結果が異常であるか否かを判定する異常判定部47(異常判定手段に相当する)と、異常判定部47によって異常であると判定された測定装置1の設置位置情報を含む電子メールをWWW9を介して所定の報知先の受信装置へ送信する異常メール送信部48(異常メール送信手段に相当する)とを備えている。
【0058】
インターネット接続部41は、LAN8を介して接続された測定装置1から取得された測定結果情報を監視装置2へWWW9を介して送信し、監視装置2からのセンサ情報をWWW9を介して受信するものである。ここで、測定結果情報の監視装置2への送信は、所定時間(例えば10秒)周期で繰り返し行なわれるものであり、監視装置2からのセンサ情報の受信は、監視装置2からの要求に基づいて割り込み処理にて行なわれる。更に、インターネット接続部41は、特性値付与部45によってセンサ情報に特性値が付与された場合に、WWW9を介して監視装置2へセンサ情報を送信し(監視装置2はセンサ情報を受信してDBサーバ3へ伝送し、DBサーバ3はセンサ情報を受信して格納する)、異常メール送信部48によって異常メールの送信指令が発せられた場合に、WWW9を介して所定の報知先の受信装置へ送信するものである。インターネット接続部41は、これらのデータの送信又は受信の度に、WWW9に接続するものである。
【0059】
データ伝送部42は、WWW9を介して監視装置2から受信された(または特性値付与部45によって特性値が付与された)センサ情報を監視装置2によって指示された(または特性値付与部45によって特性値が付与された類似測定装置に対応する)ローカルアドレスを有する測定装置1にLAN8を介して送信し、測定装置1による測定結果情報をLAN8を介して受信するものである。ここで、測定結果情報の受信は所定時間(例えば1秒)周期で繰り返し行なわれるものであり、センサ情報の送信は監視装置2から受信された(または特性値付与部45によって特性値が付与された)タイミングから所定時間(例えば1秒)後に割り込み処理にて行なわれる。
【0060】
類似判別部43は、LAN8を介して通信可能に接続された測定装置1の中からセンサ情報に基づいて測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する測定装置1を判別するものである。
【0061】
特性値算出部44は、この類似判別部43によって測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有すると判別された複数の測定装置1である類似測定装置による測定結果の分布の特性値(例えば、平均値、最小値、最大値等)を求めるものである。
【0062】
特性値付与部45は、特性値算出部44によって求められた特性値を類似測定装置の測定に使用すべくセンサ情報に付与し、LAN8を介して測定装置1に伝送すると共に、WWW9を介して監視装置2を経由してDBサーバ3に伝送するものである。測定装置1に伝送された特性値は測定に使用される。また、DBサーバ3に伝送された特性値を付与されたセンサ情報は更新されて格納される。
【0063】
ここで、類似判別部43、特性値算出部44及び特性値付与部45の動作の一例を、類似測定装置のセンサが、CO2濃度を測定する半導体ガスセンサである場合について説明する。半導体ガスセンサは、通常の(平均的な)ガス濃度(ここでは、CO2濃度)を較正データとして定期的に較正動作を行なう。一方、半導体ガスセンサが人間、動物、自動車等のCO2を発生するものの近傍に設置されている場合には、そのセンサで測定されるCO2濃度は、通常のガス濃度より高くなり、較正データとして使用することができない。そこで、較正データとして使用可能なデータを以下の手順で求める。まず、類似判別部43によって、LAN8を介して接続されている測定装置1の中からCO2濃度を測定するセンサを有する測定装置1が類似測定装置として判別される。つぎに、特性値算出部44によって、類似測定装置の測定値の平均値が求められ格納され、所定時間(例えば24時間)毎に、この平均値の最小値が通常のCO2濃度として算出される。このようにして、較正データとして使用可能な通常のCO2濃度が得られる。そして、特性値付与部45によってこの最小値が類似測定装置のセンサ情報に付与され、類似測定装置である測定装置1に伝送され、測定装置1の較正に使用される。
【0064】
従って、測定装置1の測定条件(較正条件を含む)が、当該測定装置1のセンサと測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する複数の測定装置1による測定結果の分布の特性値(例えば、平均値の所定期間内の最小値)を用いて設定されるため、更に適正な測定条件(又は較正条件)の設定が可能となる。
【0065】
再び、図1に戻って説明する。設置位置記憶部46は、LAN8を介して接続された測定装置1の設置位置情報と、異常判定部47によって行なわれる異常判定の基準値である警報上限値、警報下限値、測定上限値及び測定下限値とを測定装置1のローカルアドレスと対応付けて格納するものである。ここで、警報上限値及び警報下限値は、警報として後述する異常メールを送る(警報を出力する)か否かの判定基準であり、測定上限値及び測定下限値は、測定装置1の測定可能範囲を規定するものである。なお、警報上限値は測定上限値以下であり、警報下限値は測定下限値以上である。
【0066】
ここでは、DBサーバ3に測定装置1の設置位置情報、警報上限値、警報下限値、測定上限値及び測定下限値(以下、この5つの情報をまとめて警報用情報という)が予め格納されており、接続判定部12による判定が非接続状態から接続状態に変化した場合に、データ制御装置4は、非接続状態から接続状態に変化した旨の信号である接続開始信号を受信して、監視装置2に対して測定装置1の警報用情報の伝送を要求し、監視装置2はこの要求を受けてDBサーバ3に対して測定装置1の警報用情報の伝送を要求する。そして、警報用情報は、DBサーバ3からWWW9を介して監視装置2に伝送され、さらに、WWW9を介してデータ制御装置4へ伝送され、設置位置記憶部46に格納される。
【0067】
異常判定部47は、設置位置記憶部46に格納された警報上限値及び警報下限値と、測定装置1による測定結果とを比較して異常であるか否かを判定するものである。すなわち、測定装置1による測定値が警報上限値より大きい場合、又は、測定装置1による測定値が警報下限値より小さい場合に異常であると判定し、それ以外の場合には異常ではないと判定するものである。さらに、異常判定部47は、設置位置記憶部46に格納された測定上限値及び測定下限値と、測定装置1による測定結果とを比較して測定可能であるか否かを判定するものである。すなわち、測定装置1による測定値が測定上限値より大きい場合、又は、測定装置1による測定値が測定下限値より小さい場合に測定不能であると判定し、それ以外の場合には測定可能であると判定するものである。
【0068】
つまり、異常判定部47は、測定装置1による測定値と警報上限値、警報下限値、測定上限値及び測定下限値とを比較して、下記の(1)〜(5)のどれを満たすかを判定するものである。
(1)測定上限超:(測定値)>(測定上限値)
(2)警報上限超:(測定上限値)≧(測定値)>(警報上限値)
(3)正常:(警報上限値)≧(測定値)≧(警報下限値)
(4)警報下限超:(警報下限値)≧(測定値)≧(測定下限値)
(5)測定下限超:(測定下限値)>(測定値)
異常メール送信部48は、異常判定部47によって正常ではない(測定上限超、警報上限超、警報下限超又は測定下限超である)と判定された測定装置1の設置位置情報を設置位置記憶部46から取得して、この設置位置情報と(1)〜(5)のどれを満たすかの情報(例えば、(1)を満たす場合には「測定上限超」という情報:以下、異常判定情報という)と、異常発生時の測定値と、異常発生時の測定値の測定年月日時刻とを含む電子メール(以下、異常メールという)をWWW9を介して所定の報知先(例えば、監視装置2、保守要員や監視要員等の監視している図略のコンピュータ、または保守要員や監視要員等の所持している図略の携帯電話)へ送信するものである。
【0069】
図6は、設置位置記憶部46に格納された警報用情報の一例を示す図表である。一行目が項目名であり、それ以外(二行目以降)がデータである。左から順に、ローカルアドレス、警報下限値、警報上限値、測定下限値、測定上限値及び設置位置である。例えば、ローカルアドレスが「1」の測定装置1については、警報上限値は「−10℃」であり、測定上限値が「50℃」であり、設置位置が「KKK」である。また、ローカルアドレスが「4」の測定装置1については、警報下限値及び警報上限値が設定されておらず、ローカルアドレスが「5」の測定装置1については、測定装置1がLAN8に接続されていない(「−−−」はデータが無いことを表わしている)。
【0070】
図7は、異常判定部47と異常メール送信部48との動作を表わすフローチャートの一例である。まず、接続開始信号が受信されたか否かに基づいて測定装置1はLAN8に接続されているか否かが判定される(ステップS21)。この判定が否定された場合には、待機状態となる。この判定が肯定された場合には、警報上下限値等の警報用情報がDBサーバ3からWWW9を介して監視装置2に伝送され、さらに、WWW9を介してデータ制御装置4へ伝送され、設置位置記憶部46に格納される(ステップS23)。そして、測定装置1から測定結果情報が取得される(ステップS25)。つぎに、異常判定部47によって、測定値と警報上限値、警報下限値、測定上限値及び測定下限値とが比較されて測定値が正常である(警報上下限範囲内である)か否かの判定が行なわれる(ステップS27)。この判定が肯定された場合には、処理が終了される。この判定が肯定された場合には、異常メール送信部48によって異常メールが送信される(ステップS29)。
【0071】
このようにして、測定装置1の測定結果に異常が発生した場合に、その測定装置1の設置位置情報を含む電子メール(異常メール)が所定の報知先の受信装置(例えば、保守要員、監視要員等の監視しているコンピュータ等)へ送信されるため、保守要員、監視要員等が異常の発生した測定装置1の設置位置を迅速且つ正確に知ることが可能となる。さらに、異常メールには、異常判定情報、異常発生時の測定値及び異常発生時の測定値の測定年月日時刻が含まれるため、適切な対処が可能となる。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムについて説明する。第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムは、測定装置が有するセンサの較正を自動的に行なうものである。
【0073】
図8は、本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第2の実施形態における構成を表す構成図の一例である。測定監視システムは、センサ133を有して環境の状態を表わす環境状態量を測定する複数の測定装置1(1a,1b,1c,1d,・・・)と、複数の測定装置1を較正するための環境状態量を測定する基準測定装置1’と、測定装置1の測定結果情報及び測定装置1の測定条件を含むセンサ情報を格納するDBサーバ3と、WWW9を介してDBサーバ3と通信可能に接続され測定装置1の測定状態の監視及び測定装置1の測定動作の制御を行なう監視装置2と、監視装置2とWWW9を介して通信可能に接続され、測定装置1とLAN8を介して通信可能に接続され、基準測定装置1’とLAN8を介して通信可能に接続され、測定装置1と監視装置2及び基準測定装置1’との間のデータ授受の制御を行なうデータ制御装置4とを備えている。環境維持装置5は、装置内の環境状態を一定の状態に維持するものであり、複数の測定装置1と基準測定装置1’とで構成される。複数の測定装置1と基準測定装置1’とは、環境維持装置5内の環境状態を測定するのに適した所定の場所に配置されている。
【0074】
なお、図8に示す第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムは、図1に示す第1の実施形態における環境状態量の測定監視システムとほぼ同一の構成であるため、以下の説明では第1の実施形態における環境状態量の測定監視システムと異なる点についてのみ説明する。また、図8では、基準測定装置1’を複数の測定装置1とは別に設けているが、本発明は特にこれに限定されず、複数の測定装置1のいずれかを基準測定装置1’として用いてもよい。例えば、測定装置1bを環境状態量を較正するための基準値を測定する基準測定装置1’として機能させてもよい。この場合、環境状態量を較正するための基準値を測定する基準測定装置1’を別途設ける必要がなく、製造コストを削減することができる。
【0075】
基準測定装置1’は、ローカルアドレスを有してLAN8を介してデータ制御装置4とデータの伝送を行なうデータ伝送部11’と、測定装置1が配設されている環境の状態を表わす環境状態量の測定を行なう測定部13’とを備えて構成される。
【0076】
測定部13’は、温度、湿度、CO2濃度等の環境状態量を測定するセンサ133’と、センサ133’からの測定結果であるアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部132’と、デジタル信号に変換された測定結果情報を一時的に格納すると共にセンサ133’によって測定した値を較正するための較正情報を格納する記憶部131’とを備えている。なお、火災を検出するための火災検出センサ及び人体の有無を検知する人体検知センサも、センサ133’に含まれるものとする。
【0077】
ここで、測定装置1及び基準測定装置1’のセンサ133,133’を静電容量式湿度センサとし、環境維持装置5を恒温槽とした場合について説明する。静電容量式湿度センサは、親水性高分子の乾湿材料に吸着する水分の量に応じて静電容量が変化する性質を利用して湿度を測定するものであり、静電容量を測定することで雰囲気中の湿度を測定することができる。
【0078】
図9及び図10は、静電容量式湿度センサにおける湿度と静電容量との関係を示す図である。なお、図9及び図10において、横軸は湿度H(%RH)を表し、縦軸は静電容量C(pF)を表す。図11は、環境維持装置5内における湿度の経時変化を示す図である。なお、図11における横軸は時間t(s)を表し、縦軸は湿度H(%RH)を表す。
【0079】
静電容量式湿度センサでは、図9のA線に示すように、湿度H(%RH)と静電容量C(pF)との関係は略一次曲線で表され、湿度が高くなるにつれて静電容量が大きくなる。このように、環境維持装置5内における実際の湿度と静電容量との関係は、略一次曲線で表されるため、図9のB線に示すようなA線に近似する一次曲線を用いて湿度を測定した場合、実際の湿度と測定される湿度とに誤差が生じる可能性がある。
【0080】
また、図11に示すように、環境維持装置5では、環境維持装置5内の湿度があらかじめ設定された設定湿度Hxになるようプログラム運転される。環境維持装置5の動作が開始されると、環境維持装置5内の湿度は、一旦上昇して不安定な状態となり、一定時間が経過すると安定状態となる。環境維持装置5内の湿度が安定状態となった時点で、基準測定装置1’は、湿度の測定を行なう。ここで、上記の理由により、基準測定装置1’によって実際に測定される測定湿度Hyと、環境維持装置5によって設定される設定湿度Hxとには、誤差が生じることとなる。
【0081】
そこで、湿度と静電容量との関係を表す曲線上の複数のポイント(測定点)であらかじめ測定しておき、当該複数のポイントを結ぶことによって、略一次曲線を複数の一次曲線で表す。すなわち、図10に示すように、湿度がH1の状態における静電容量がC1となるポイントX、湿度がH2の状態における静電容量がC2となるポイントY、湿度がH3の状態における静電容量がC3となるポイントZを知ることができれば、A線における各ポイントX,Y,Zを結ぶことによって、略一次曲線で表されるA線をD線及びE線で表される一次曲線に近似させることができる。センサ133’によって測定される静電容量を、このD線及びE線を用いて湿度に変換することによって、実際の湿度と測定される湿度との誤差を小さくすることができる。なお、このポイントの数が多いほど誤差を小さくすることができる。
【0082】
また、静電容量式湿度センサによって測定される湿度H(%RH)は、下記の(1)式によって得られる。
【0083】
【数1】
なお、上記(1)式において、Hは湿度であり、C(H)は静電容量式湿度センサの静電容量測定値(pF)であり、H0は較正用基準湿度(%RH)であり、C0は湿度H0での静電容量事前測定値(pF)であり、Sは感度または変化率(pF/%RH)である。
【0084】
したがって、静電容量式湿度センサを有する測定装置1では、湿度H1に対応する静電容量C1、湿度H2に対応する静電容量C2及び湿度H3に対応する静電容量C3を、それぞれ湿度と対応付けて較正情報として記憶部131に保持していれば、測定された静電容量を湿度に変換する際にこの較正情報を用いることで精度の高い情報を得ることができる。
【0085】
湿度がH1,H2,H3の状態での静電容量C1,C2,C3の測量方法としては、まず、較正する静電容量式湿度センサを有する測定装置1と、基準となる静電容量式湿度センサを有する基準測定装置1’とを環境維持装置5内に配置する。そして、環境維持装置5内の湿度がH1,H2,H3の順に自動的に設定される。基準測定装置1’は、各設定湿度における実際の湿度を測定し、測定した湿度を湿度情報としてデータ制御装置4にLAN8を介して送信する。データ制御装置4は、LAN8を介して基準測定装置1’から湿度情報を取得する。そして、データ制御装置4は、基準測定装置1’から取得した湿度情報により環境維持装置5内の湿度が、あらかじめ設定した湿度の近傍で安定状態になったと判断すると、較正する測定装置1に安定状態と判断した湿度情報を送信する。
【0086】
図12は、第2の実施形態のデータ制御装置4における処理の一例を示すフローチャートである。ステップS31において、データ制御装置4は、あらかじめ所定の設定湿度に設定された環境維持装置5内において、基準測定装置1’によって測定された測定湿度を受信する。
【0087】
ステップS33において、データ制御装置4は、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内であるか否かを判断する。なお、この±α1%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内である場合(ステップS33でYES)、ステップS35に進み、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内でない場合(ステップS33でNO)、ステップS31に戻る。
【0088】
ステップS35において、データ制御装置4は、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内であるか否かを判断する。判断時間とは、湿度センサによって測定される湿度が安定した状態となっているかを判断する時間である。つまり、測定湿度が、所定の時間内において継続して所定の範囲内であれば、環境維持装置5内の湿度が安定状態になったと判断することができる。また、この±β%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内である場合(ステップS35でYES)、ステップS37に進み、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内でない場合(ステップS35でNO)、ステップS31に戻る。
【0089】
ステップS37において、データ制御装置4は、安定状態であると判断された測定湿度を湿度情報として複数の測定装置1に送信する。
【0090】
ステップS39において、データ制御装置4は、上記ステップS31〜S37とは異なる設定湿度に設定された環境維持装置5内において、基準測定装置1’によって測定された測定湿度を受信する。
【0091】
ステップS41において、データ制御装置4は、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α2%RH以内であるか否かを判断する。なお、この±α2%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α2%RH以内である場合(ステップS41でYES)、ステップS43に進み、受信した測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内でない場合(ステップS41でNO)、ステップS39に戻る。
【0092】
ステップS43において、データ制御装置4は、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内であるか否かを判断する。判断時間とは、湿度センサによって測定される湿度が安定した状態となっているかを判断する時間である。また、この±β%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内である場合(ステップS43でYES)、ステップS45に進み、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内でない場合(ステップS43でNO)、ステップS39に戻る。
【0093】
ステップS45において、データ制御装置4は、測定湿度を湿度情報として複数の測定装置1に送信する。
【0094】
なお、上記ステップS31からS45までの処理は、静電容量式湿度センサの湿度と静電容量との関係を表す曲線における2つのポイントを測定するための処理、つまり、あらかじめ設定された2つの設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定するための処理であるが、3つ以上のポイントを測定する場合、つまり、あらかじめ設定された3つ以上の設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定する場合は、ステップS31からS37までの処理をさらにポイントの数だけ行なう。つまり、図10に示すような3つのポイントX,Y,Zを測定する場合、ポイントX,Yを測定するための上記のステップS31からS45までの処理に加えて、ポイントZを測定するための上記ステップS31からS37までの処理が行なわれることとなる。
【0095】
また、本実施の形態では、上記処理がデータ制御装置4において行なわれるとしているが、本発明は特にこれに限定されず、上記処理を監視装置2又はDBサーバ3において行なってもよく、データ制御装置4、監視装置2及びDBサーバ3のいずれかで行なえばよい。
【0096】
そして、測定装置1は、受信した湿度情報と測定した静電容量とを較正情報として記憶部131に格納する。図13は、第2の実施形態の測定装置1における湿度情報を記憶部131に格納する処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS51において、測定装置1は、データ制御装置4から送信される湿度情報(基準湿度)を受信する。ステップS53において、測定装置1は、センサ133により静電容量を測定する。ステップS55において、測定装置1は、受信した湿度情報と測定した静電容量とを対応付けて較正情報として記憶部131に記憶する。
【0098】
測定装置1は、湿度を測定する際に記憶部131に格納されている較正情報に基づいて環境維持装置5内の湿度を測定する。図14は、第2の実施形態の測定装置1において湿度を測定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS61において、測定装置1は、環境維持装置5内の湿度を測定する旨の測定要求を受信する。ステップS63において、測定装置1は、センサ133により静電容量を測定する。ステップS65において、測定装置1は、記憶部131に格納されている較正情報を用いて、測定された静電容量を湿度に変換する。すなわち、測定装置1は、記憶部131に格納されている較正情報を用いて湿度と静電容量との関係を表す一次曲線を作成し、測定された静電容量に対応する湿度を、作成された一次曲線から求める。ステップS67において、測定装置1は、変換された湿度をデータ制御装置4に送信する。
【0100】
なお、図13及び図14における測定装置1の処理は、複数の測定装置1において行なわれる処理であるが、複数の測定装置1のうちの較正を必要とする測定装置1のみについて行なってもよく、また、湿度を測定する測定装置1のみについて行なってもよい。
【0101】
このように、基準測定装置1’によって、測定装置1を較正するための湿度が測定され、測定された湿度がDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置に送信され、測定された湿度が送信されたDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置によって、基準測定装置1’から受信した湿度が安定状態にあり、且つあらかじめ設定された設定湿度に近似している場合、当該湿度が測定装置1を較正するための湿度情報として測定装置1に送信され、測定装置1によって、受信した湿度情報と静電容量とが対応付けられたセンサの較正情報が記憶部131に設定され、記憶部131に設定された較正情報を用いて環境維持装置5内の湿度が測定される。
【0102】
したがって、基準測定装置1’によって測定された湿度に基づいてセンサの較正情報が設定されるので、測定装置1の較正を自動的に行なうことができ、測定装置1の較正にかかるコストを削減することができ、複数の設定状態における較正が自動的に行なわれるので、測定装置1の測定精度を容易に高くすることができる。また、従来、環境維持装置5の出荷前に人間によって手作業で行なわれていたセンサの較正を自動的に行なうことができるため、測定装置1の較正にかかるコストを削減することができる。
【0103】
次に、測定装置1及び基準測定装置1’のセンサ133,133’をサーミスタ式温度センサとし、環境維持装置5を恒温槽とした場合について説明する。サーミスタ式温度センサは、半導体の温度特性を利用しており、抵抗値を測定することで温度を測定することができる。
【0104】
図15は、サーミスタ式温度センサにおける温度と抵抗との関係を示す図である。なお、図15において、横軸は温度1/T(℃)を表し、縦軸は抵抗R(kΩ)を表す。図15に示す直線F、直線G及び直線Hは、それぞれ異なる測定装置1のサーミスタ式温度センサにおける温度1/Tと抵抗Rとの関係を表している。サーミスタ式温度センサによって測定される温度Tは、下記の(2)式によって得られる。
【0105】
【数2】
なお、上記(2)式において、Bは傾きを表す定数であり、R(T)はサーミスタ式温度センサの抵抗測定値(kΩ)であり、T0は較正用基準温度(℃)であり、R0は温度T0での抵抗事前測定値(kΩ)である。
【0106】
上記(2)式に示すように、環境維持装置5内の温度Tは、抵抗Rを測定することによって得ることができる。
【0107】
図15に示すように、サーミスタ式温度センサは、基準温度Taでのサーミスタ毎の抵抗値の差と定数B(図15における直線の傾き)とによって誤差が生じる。そこで、基準温度Taにおける抵抗値Raを較正情報として記憶部131に保持していれば、測定された抵抗値を温度に変換する際にこの較正情報を用いることで精度の高い情報を得ることができる。
【0108】
また、較正情報は、基準測定装置1’によって測定された各温度での定数Bに関する情報を含み、図16に示すように、温度T1に対応する定数B1、温度T2に対応する定数B2、温度T3に対応する定数B3等を基準温度Ta及び抵抗Raとともに較正情報として記憶部131に格納することでさらに精度の高い較正を行なうことができる。なお、定数Bは、温度1/Tと抵抗値Rとの関係を表す直線上の2点を測定することによって求めることができ、例えば、温度T1における抵抗値R1と、温度T2における抵抗値R2とを測定することによって、定数B1を得ることができる。
【0109】
なお、サーミスタ式温度センサを用いた場合についても、上記図12に示すフローチャートと同様な処理を行なうことによって、センサの較正が行なわれる。すなわち、基準測定装置1’によって、測定装置1を較正するための温度が測定され、測定された温度がDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置に送信され、測定された温度が送信されたDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置によって、基準測定装置1’から受信した温度が安定状態にあり、且つあらかじめ設定された設定温度に近似している場合、当該温度が測定装置1を較正するための温度情報として測定装置1に送信され、測定装置1によって、受信した温度情報と抵抗値とが対応付けられたセンサの較正情報が記憶部131に設定され、記憶部131に設定された較正情報を用いて環境維持装置5内の湿度が測定される。また、サーミスタ式温度センサを用いた場合においても、上記静電容量式湿度センサを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0110】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態における環境状態量の測定監視システムについて説明する。図17は、本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第3の実施形態における構成を表す構成図の一例である。測定監視システムは、センサ133を有して環境の状態を表わす環境状態量を測定する複数の測定装置1(1a,1b,1c,1d,・・・)と、複数の測定装置1を較正するための環境状態量を測定する複数の基準測定装置1’(1a’,1b’,1c’,1d’,・・・)と、測定装置1の測定結果情報及び測定装置1の測定条件を含むセンサ情報を格納するDBサーバ3と、WWW9を介してDBサーバ3と通信可能に接続され測定装置1の測定状態の監視及び測定装置1の測定動作の制御を行なう監視装置2と、監視装置2とWWW9を介して通信可能に接続され、測定装置1とLAN8を介して通信可能に接続され、複数の基準測定装置1’とLAN8を介して通信可能に接続され、測定装置1と監視装置2及び複数の基準測定装置1’との間のデータ授受の制御を行なうデータ制御装置4とを備えている。環境維持装置5は、装置内の環境状態を一定の状態に維持するものであり、複数の測定装置1と複数の基準測定装置1’とで構成される。複数の測定装置1と複数の基準測定装置1’とは、環境維持装置5内の環境状態を測定するのに適した所定の場所に配置されている。
【0111】
なお、図17に示す第3の実施形態における環境状態量の測定監視システムは、図8に示す第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムとほぼ同一の構成であるため、以下の説明では第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムと異なる点についてのみ説明する。また、図17では、複数の基準測定装置1’を複数の測定装置1とは別に設けているが、本発明は特にこれに限定されず、複数の測定装置1のいずれかを複数の基準測定装置1’として用いてもよい。例えば、測定装置1aを環境状態量を較正するための基準値を測定する基準測定装置1a’とし、測定装置1bを環境状態量を構成するための基準値を測定する基準測定装置1b’として機能させてもよい。この場合、環境状態量を較正するための基準値を測定する複数の基準測定装置1’を別途設ける必要がなく、製造コストを削減することができる。
【0112】
ここで、測定装置1及び基準測定装置1’のセンサ133,133’を静電容量式湿度センサとし、環境維持装置5を恒温槽とした場合について説明する。
【0113】
図18は、第3の実施形態のデータ制御装置4における処理の一例を示すフローチャートである。ステップS71において、データ制御装置4は、あらかじめ所定の設定湿度に設定された環境維持装置5内において、全ての基準測定装置1’によって測定された測定湿度を受信する。
【0114】
ステップS73において、データ制御装置4は、受信した全ての測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内であるか否かを判断する。なお、この±α1%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した全ての測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内である場合(ステップS73でYES)、ステップS75に進み、受信した全ての測定湿度があらかじめ設定された設定湿度の±α1%RH以内でない場合(ステップS73でNO)、ステップS71に戻る。
【0115】
ステップS75において、データ制御装置4は、受信した全ての測定湿度の平均があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内であるか否かを判断する。判断時間とは、湿度センサによって測定される湿度が安定した状態となっているかを判断する時間である。つまり、測定湿度が、所定の時間内において継続して所定の範囲内であれば、環境維持装置5内の湿度が安定状態になったと判断することができる。また、この±β%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した全ての測定湿度の平均があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内である場合(ステップS75でYES)、ステップS77に進み、受信した全ての測定湿度の平均があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内でない場合(ステップS75でNO)、ステップS71に戻る。
【0116】
ステップS77において、データ制御装置4は、全ての測定湿度の平均値を湿度情報として複数の測定装置1に送信する。
【0117】
なお、上記ステップS71からS77までの処理は、静電容量式湿度センサの湿度と静電容量との関係を表す曲線における1つのポイントを測定するための処理、つまり、あらかじめ設定された2つの設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定するための処理であるが、2つ以上のポイントを測定する場合、つまり、あらかじめ設定された2つ以上の設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定する場合は、ステップS71からS77までの処理をさらにポイントの数だけ行なう。つまり、図10に示すような3つのポイントX,Y,Zを測定する場合、上記のステップS71からS77までの処理が3回繰り返されることとなる。
【0118】
また、本実施の形態では、上記処理がデータ制御装置4において行なわれるとしているが、本発明は特にこれに限定されず、上記処理を監視装置2又はDBサーバ3において行なってもよく、データ制御装置4、監視装置2及びDBサーバ3のいずれかで行なえばよい。
【0119】
また、測定装置1における湿度情報を記憶部131に格納する処理は、上記図13に示すフローチャートと同じであり、測定装置1において湿度を測定する処理は、上記図14に示すフローチャートと同じであるため説明を省略する。
【0120】
このように、複数の基準測定装置1’によって、測定装置1を較正するための湿度が測定され、測定された湿度がDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置に送信され、測定された湿度が送信されたDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置によって、複数の基準測定装置1’から受信した全ての湿度が安定状態にあり、且つあらかじめ設定された設定湿度に近似している場合、当該全ての湿度の平均値が測定装置1を較正するための湿度情報として測定装置1に送信され、測定装置1によって、受信した湿度情報と静電容量とが対応付けられたセンサの較正情報が記憶部131に設定され、記憶部131に設定された較正情報を用いて環境維持装置5内の湿度が測定される。
【0121】
したがって、複数の基準測定装置1’によって測定された環境状態の基準値に基づいてセンサの較正情報が設定されるので、基準測定装置1’の設置場所による誤差がなくなり、測定装置1の較正を高い精度で行なうことができ、測定装置1の測定精度を容易に高くすることができる。
【0122】
なお、第3の実施形態において、静電容量式湿度センサではなく、サーミスタ式温度センサを用いた場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0123】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態における環境状態量の測定監視システムについて説明する。図19は、本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第4の実施形態における構成を表す構成図の一例である。測定監視システムは、センサ133を有して環境の状態を表わす環境状態量を測定する複数の測定装置1(1a,1b,1c,1d)と、複数の測定装置1を較正するための環境状態量を測定する基準測定装置1’と、測定装置1の測定結果情報及び測定装置1の測定条件を含むセンサ情報を格納するDBサーバ3と、WWW9を介してDBサーバ3と通信可能に接続され測定装置1の測定状態の監視及び測定装置1の測定動作の制御を行なう監視装置2と、監視装置2とWWW9を介して通信可能に接続され、測定装置1とLAN8を介して通信可能に接続され、基準測定装置1’とLAN8を介して通信可能に接続され、測定装置1と監視装置2及び基準測定装置1’との間のデータ授受の制御を行なうデータ制御装置4とを備えている。環境維持装置5は、装置内の環境状態を一定の状態に維持するものであり、複数の測定装置1と基準測定装置1’とデータ伝送部51とで構成される。複数の測定装置1と基準測定装置1’とは、環境維持装置5内の環境状態を測定するのに適した所定の場所に配置されている。データ伝送部51は、LAN8を介してデータ制御装置4との情報の送受信を行なう。
【0124】
なお、図19に示す第4の実施形態における環境状態量の測定監視システムは、図8に示す第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムとほぼ同一の構成であるため、以下の説明では第2の実施形態における環境状態量の測定監視システムと異なる点についてのみ説明する。また、図19では、基準測定装置1’を複数の測定装置1とは別に設けているが、本発明は特にこれに限定されず、複数の測定装置1のいずれかを基準測定装置1’として用いてもよい。例えば、測定装置1bを環境状態量を較正するための基準値を測定する基準測定装置1’として機能させてもよい。この場合、環境状態量を較正するための基準値を測定する基準測定装置1’を別途設ける必要がなく、製造コストを削減することができる。さらに、第4の実施形態における環境状態量の測定監視システムは、1の基準測定装置1’で構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、第3の実施形態のように基準測定装置1’を複数設けてもよい。
【0125】
ここで、測定装置1及び基準測定装置1’のセンサ133,133’を静電容量式湿度センサとし、環境維持装置5を恒温槽とした場合について説明する。
【0126】
図20は、第4の実施形態のデータ制御装置4における処理の一例を示すフローチャートである。ステップS81において、データ制御装置4は、環境維持装置5のデータ伝送部51にあらかじめ設定する設定湿度を送信するとともに、環境維持装置5内の湿度を設定湿度に制御するための動作開始命令を送信する。環境維持装置5は、送信された設定湿度を受信し、環境維持装置5内が受信した設定湿度となるように環境維持装置5内の湿度を制御する。
【0127】
ステップS83において、データ制御装置4は、基準測定装置1’によって測定された測定湿度を受信する。ステップS85において、データ制御装置4は、受信した測定湿度が、ステップS81で送信した設定湿度の±α1%RH以内であるか否かを判断する。なお、この±α1%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度がステップS81で送信した設定湿度の±α1%RH以内である場合(ステップS85でYES)、ステップS87に進み、受信した測定湿度がステップS81で送信した設定湿度の±α1%RH以内でない場合(ステップS85でNO)、ステップS83に戻る。
【0128】
ステップS87において、データ制御装置4は、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内であるか否かを判断する。判断時間とは、湿度センサによって測定される湿度が安定した状態となっているかを判断する時間である。つまり、測定湿度が、所定の時間内において継続して所定の範囲内であれば、環境維持装置5内の湿度が安定状態になったと判断することができる。また、この±β%RHとは、測定湿度と設定湿度との誤差の許容範囲内で設定される値である。ここで、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内である場合(ステップS87でYES)、ステップS89に進み、受信した測定湿度があらかじめ設定された判断時間内において継続して±β%RH以内でない場合(ステップS87でNO)、ステップS83に戻る。
【0129】
ステップS89において、データ制御装置4は、測定湿度を湿度情報として複数の測定装置1に送信する。ステップS91において、データ制御装置4は、環境維持装置5のデータ伝送部51に動作終了命令を送信する。環境維持装置5は、送信された動作終了命令を受信し、上記ステップS83からS89までの動作を終了する。
【0130】
なお、上記ステップS81からS91までの処理は、静電容量式湿度センサの湿度と静電容量との関係を表す曲線における1つのポイントを測定するための処理、つまり、あらかじめ設定された2つの設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定するための処理であるが、2つ以上のポイントを測定する場合、つまり、あらかじめ設定された2つ以上の設定湿度における環境維持装置5内の実際の湿度を測定する場合は、ステップS81からS91までの処理をさらにポイントの数だけ行なう。つまり、図10に示すような3つのポイントX,Y,Zを測定する場合、上記のステップS81からS91までの処理が3回繰り返されることとなる。
【0131】
また、本実施の形態では、上記処理がデータ制御装置4において行なわれるとしているが、本発明は特にこれに限定されず、上記処理を監視装置2又はDBサーバ3において行なってもよく、データ制御装置4、監視装置2及びDBサーバ3のいずれかで行なえばよい。
【0132】
また、測定装置1における湿度情報を記憶部131に格納する処理は、上記図13に示すフローチャートと同じであり、測定装置1において湿度を測定する処理は、上記図14に示すフローチャートと同じであるため説明を省略する。
【0133】
このように、全体を均一な環境状態に保つ動作が実行される環境維持装置5は、測定装置1と基準測定装置1’とを備え、基準測定装置1’によって、測定された湿度がDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置に送信され、測定された湿度が送信されたDBサーバ3、監視装置2及びデータ制御装置4の少なくとも一の装置によって、基準測定装置1’から受信した湿度が安定状態にあり、且つあらかじめ設定された設定湿度に近似している場合、当該湿度が測定装置1を較正するための湿度情報として測定装置に送信されるとともに、環境維持装置5を動作させる動作情報が環境維持装置5に送信され、環境維持装置5によって、受信した動作情報に基づいて装置内の湿度を一定に保つ動作が実行され、測定装置1によって、受信した湿度情報と静電容量とが対応付けられたセンサの較正情報が設定され、設定された較正情報を用いて環境維持装置5内の湿度が測定される。
【0134】
したがって、環境維持装置5の動作の実行を操作することで、環境維持装置5内の環境の設定状態を柔軟に変更することができ、測定装置1の較正後に次の設定状態に素早く変更することができるので、較正にかかる時間を短縮することができる。また、環境維持装置5を動作させる時間を短縮することができるので、省エネルギー化を図ることができる。また、較正にかかる時間を短縮することができるので、較正に必要となるポイントを容易に増やすことができ、精度の高い較正をすることができる。
【0135】
なお、第4の実施形態において、静電容量式湿度センサではなく、サーミスタ式温度センサを用いた場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0136】
なお、本発明は以下の形態をとることができる。
【0137】
(A)本実施形態においては、センサ情報が予めDBサーバ3に格納されている場合について説明したが、監視装置2がセンサ情報の外部からの入力を受け付けてDBサーバ3に伝送し、DBサーバ3がセンサ情報を格納する形態でもよい。
【0138】
(B)本実施形態においては、1つのDBサーバ3がセンサ情報及び測定結果情報を格納する場合について説明したが、センサ情報と測定結果情報とを別々のDBサーバ3に格納する形態でもよい。
【0139】
(C)本実施形態においては、測定監視システムが1つのデータ制御装置4を備える場合について説明したが、測定監視システムが複数のデータ制御装置4を備える形態でもよい。
【0140】
(D)本実施形態においては、測定装置1が接続判定部12を備える場合について説明したが、データ制御装置4が接続判定部12を備える形態でもよい。この場合には、接続判定部12はLAN8を介して測定装置1がLAN8に接続されているか否かを判定すればよい。また、この場合には、接続開始信号をデータ制御装置4に伝送する必要がない。
【0141】
(E)本実施形態においては、データ制御装置4が類似判別部43、特性値算出部44及び特性値付与部45を備える場合について説明したが、類似判別部43、特性値算出部44及び特性値付与部45の一部または全部をDBサーバ3又は監視装置2が備える形態でもよい。
【0142】
(F)本実施形態においては、特性値算出部44が類似測定装置による測定値の平均値の所定期間内における最小値を特性値として算出する場合について説明したが、類似測定装置による測定値のその他の分布の特性値を算出する形態でもよい。
【0143】
(G)本実施形態においては、データ制御装置4が異常判定部47を備える場合について説明したが、異常判定部47をDBサーバ3、監視装置2又は測定装置1が備える形態でもよい。例えば、測定装置1が異常判定部47を備える場合には、異常か否かの判定が迅速に行なわれる。
【0144】
(H)本実施形態においては、データ制御装置4が設置位置記憶部46及び異常メール送信部48を備える場合について説明したが、設置位置記憶部46及び異常メール送信部48の少なくとも一方をDBサーバ3又は監視装置2が備える形態でもよい。
【0145】
(I)本実施形態においては、設置位置記憶部46が測定装置1の設置位置情報と測定結果が異常であるか否かの判断基準である警報上下限値及び測定上下限値とを格納する場合について説明したが、異常判定部47が警報上下限値及び測定上下限値と格納する形態でもよい。
【0146】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、インターネットに接続するために必要な機能がデータ制御装置によって実現されるため、測定装置に搭載されるソフトウェアプログラムの小規模化を図ることができると共に、測定装置を小型化することができる。また、測定装置による測定結果情報及び測定装置の測定条件を含むセンサ情報がデータベースサーバ装置において一元的に格納されるため、データの管理を効率的に行なうことができる。
【0147】
また、測定装置の測定条件(較正条件を含む)が、当該測定装置のセンサと測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する複数の測定装置による測定結果の分布の特性値を用いて設定されるため、適正に測定条件を設定できる。
【0148】
請求項2に記載の発明によれば、測定結果情報の取得頻度が通常の取得頻度に対して所定期間高くされるため、測定結果が安定したか否かの判定を正確に行なうことできる。
【0149】
請求項3に記載の発明によれば、測定装置の測定結果に異常が発生した場合に、その測定装置の設置位置情報を含む電子メールがインターネットを介して所定の報知先の受信装置へ送信されるため、保守要員、監視要員等が異常の発生した測定装置の設置位置を迅速且つ正確に知ることができる。
【0150】
請求項4に記載の発明によれば、基準測定装置によって測定された測定結果に基づいて、測定装置が有するセンサの較正情報が設定されるので、測定装置の較正を自動的に行なうことができ、測定装置の較正にかかるコストを削減することができ、複数の状態における較正が自動的に行なわれるので、測定装置の測定精度を容易に高くすることができる。
【0151】
請求項5に記載の発明によれば、複数の基準測定装置によって測定された環境状態の測定結果に基づいてセンサの較正情報が設定されるので、基準測定装置の設置場所による誤差がなくなり、測定装置の較正を高い精度で行なうことができ、測定装置の測定精度を容易に高くすることができる。
【0152】
請求項6に記載の発明によれば、環境維持装置の動作の実行を操作することで、環境維持装置内の環境の設定状態を柔軟に変更することができ、測定装置の較正後に次の設定状態に素早く変更することができるので、較正にかかる時間を短縮することができ、また、環境維持装置を動作させる時間を短縮することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第1の実施形態における構成を表わす構成図の一例である。
【図2】 (a)及び(b)は、DBサーバに格納されているセンサ情報の一例を示す説明図である。
【図3】 監視装置によって行なわれるセンサ情報の測定装置への設定動作を説明するためのフローチャートの一例である。
【図4】 (a)及び(b)は、測定装置の記憶部に格納されたセンサ情報を表わす図表の一例である。
【図5】 (a)、(b)及び(c)は、接続開始信号が検出された場合の測定結果情報の取得頻度の変化を説明するためのタイミングチャートの一例である。
【図6】 設置位置記憶部に格納された警報用情報の一例を示す図表である。
【図7】 異常判定部と異常メール送信部との動作を表わすフローチャートの一例である。
【図8】 本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第2の実施形態における構成を表す構成図の一例である。
【図9】 静電容量式湿度センサにおける湿度と静電容量との関係を示す図である。
【図10】 静電容量式湿度センサにおける湿度と静電容量との関係を示す図である。
【図11】 環境維持装置内における湿度の経時変化を示す図である。
【図12】 第2の実施形態のデータ制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】 第2の実施形態の測定装置における湿度情報を記憶部に格納する処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】 第2の実施形態の測定装置において湿度を測定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】 サーミスタ式温度センサにおける温度と抵抗との関係を示す図である。
【図16】 サーミスタ式温度センサを用いた測定装置の記憶部に格納される較正情報の一例を示す図である。
【図17】 本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第3の実施形態における構成を表す構成図の一例である。
【図18】 第3の実施形態のデータ制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】 本発明に係る環境状態量の測定監視システムの第4の実施形態における構成を表す構成図の一例である。
【図20】 第4の実施形態のデータ制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】 従来の環境状態量の測定監視システムの構成図の一例である。
【符号の説明】
1 測定装置
1’ 基準測定装置
5 環境維持装置
11,11’ データ伝送部
12 接続判定部(接続判定手段に相当)
13,13’ 測定部
133,133’ センサ
2 監視装置
3 DBサーバ(データベースサーバ装置)
4 データ制御装置
41 インターネット接続部
42 データ伝送部
43 類似判別部(類似判別手段に相当)
44 特性値算出部(特性値算出手段に相当)
45 特性値付与部(特性値付与手段に相当)
46 設置位置記憶部(設置位置記憶手段に相当)
47 異常判定部(異常判定手段に相当)
48 異常メール送信部(異常メール送信手段に相当)
8 LAN(ローカルエリアネットワーク)
9 WWW(インターネット)
Claims (6)
- 環境の状態を表わす環境状態量を測定すると共に測定状態を監視する環境状態量の測定監視システムであって、
センサを有し環境状態量を測定する複数の測定装置と、
前記測定装置による環境状態量の測定結果情報及び前記測定装置の測定条件を含むセンサ情報を格納するデータベースサーバ装置と、
前記データベースサーバ装置とインターネットを介して通信可能に接続され、前記測定結果情報を外部から目視可能に表示すると共に前記データベースサーバ装置へ送信し、前記センサ情報を前記データベースサーバ装置から取得して外部から目視可能に表示する監視装置と、
前記測定装置とローカルエリアネットワークを介して通信可能に接続されると共に、前記監視装置とインターネットを介して通信可能に接続され、ローカルエリアネットワークを介して接続された測定装置から前記測定結果情報を取得して前記監視装置へ送信し、前記監視装置からの前記センサ情報を受信してローカルエリアネットワークを介して接続された測定装置に送信するデータ制御装置とを備え、
前記測定装置は、前記データ制御装置からの前記センサ情報を受信し、このセンサ情報に基づいて測定し、
前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、
前記センサ情報に基づいて測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有する測定装置を判別する類似判別手段と、
この類似判別手段によって、測定対象である環境状態量の種類が同一であるセンサを有すると判別された複数の測定装置である類似測定装置による測定結果の分布の特性値を求める特性値算出手段と、
求められた特性値を前記類似測定装置の測定に使用すべく前記センサ情報に付与する特性値付与手段とを備え、
前記測定装置は、前記データ制御装置からの前記センサ情報を受信し、前記センサ情報に付与された特性値を測定値の較正に使用することを特徴とする環境状態量の測定監視システム。 - 前記測定装置は、ローカルエリアネットワークに接続されているか否かの判定を行なう接続判定手段を備え、
この接続判定手段による判定が非接続状態から接続状態へ変化した場合に、前記測定装置は、前記データ制御装置に対して非接続状態から接続状態へ変化した旨の信号である接続開始信号を送信し、
前記データ制御装置は、前記接続開始信号を受信した場合に、この接続開始信号を送信した測定装置について、測定結果情報の取得頻度を通常の取得頻度に対して所定期間高くすることを特徴とする請求項1に記載の環境状態量の測定監視システム。 - 前記データベースサーバ装置、監視装置、データ制御装置及び測定装置の少なくとも一の装置は、
前記測定装置の測定結果が異常であるか否かを判定する異常判定手段を備え、
前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、
前記測定装置の設置位置を表わす設置位置情報を予め格納する設置位置記憶手段と、
前記異常判定手段によって、異常であると判定された測定装置の設置位置情報を含む電子メールをインターネットを介して所定の報知先の受信装置へ送信する異常メール送信手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の環境状態量の測定監視システム。 - 前記測定装置を較正するための環境状態量を測定する基準測定装置をさらに備え、
前記基準測定装置は、測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、
前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信し、
前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴とする請求項1記載の環境状態量の測定監視システム。 - 前記基準測定装置を複数備え、
前記複数の基準測定装置は、それぞれ測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、
前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記複数の基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信し、
前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴とする請求項4記載の環境状態量の測定監視システム。 - 前記測定装置と前記基準測定装置とを備え、全体を均一な環境状態に保つ動作を実行する環境維持装置をさらに備え、
前記基準測定装置は、測定した環境状態量の測定結果を前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置に送信し、
前記データベースサーバ装置、監視装置及びデータ制御装置の少なくとも一の装置は、前記基準測定装置から受信した測定結果に基づいて、前記測定装置を較正するための基準となる基準環境状態量を前記測定装置に送信するとともに、前記環境維持装置を動作させる動作情報を前記環境維持装置に送信し、
前記環境維持装置は、受信した動作情報に基づいて装置内の環境状態を一定に保つ動作を実行し、
前記測定装置は、受信した基準環境状態量に基づいて前記センサの較正情報を設定し、設定された較正情報を用いて環境状態量を測定することを特徴とする請求項4記載の環境状態量の測定監視システム。
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