JP4122983B2 - Game machine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に係り、特に、仮想3次元空間内の様子を表示するための視点を設定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機であるパチンコ機では、多数個のパチンコ球を取得することができる遊技者にとって有利な遊技状態と、遊技者がパチンコ球を消費する遊技者にとって不利な遊技状態とを発生させており、いずれの遊技状態においても遊技者の面白味を永続させるために、臨場感のある表示態様を各遊技状態に応じて表示している。その表示態様として、例えば遠近法などを用いて描かれた2次元の画像である図柄を表示画面上で変動、例えば拡大または縮小、移動させたりすることにより、遊技者が臨場感を感じることができるような表示態様を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパチンコ機においては、次のような問題がある。
従来のパチンコ機では、表示画面上で2次元の画像である図柄を単に拡大または縮小、移動させているので、全体として臨場感が乏しく遊技者が臨場感を感じることができないという問題が生じていた。そこで、近年、ポリゴンで構成されたオブジェクトを3次元の座標空間である仮想3次元空間内で移動させることにより、表示画面に3次元の画像である図柄の変動を表示して臨場感のある表示態様を実現する試みが行われている。具体的には、仮想3次元空間内にオブジェクトを配置して、そのオブジェクトを変動させる。さらに、仮想3次元空間内の様子を表示するための視点を設定する。この視点は、3次元の座標系の原点であって、その3次元の各軸内の任意の一次元の軸を視線として設定されている。その3次元の座標系を各軸周りに回転させて視線を変位させる。その変位により、視線を仮想3次元空間内のオブジェクトに向ける。その視線の方向の仮想3次元空間内の様子を示す表示画像を生成し、その表示画像をモニタに順次表示することで、臨場感のある図柄の変動を表示している。
【0004】
しかし、仮想3次元空間内に設定された視点からの視線を変位させて、その視線の方向を仮想3次元空間内に配置されたオブジェクトに向けるための処理は非常に複雑であるという問題がある。また、視線が向けられた方向が例えばオブジェクトの方向に正確に向いていないと、仮想3次元空間内におけるオブジェクトが表示画面上の正確な位置に表示されないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、比較的簡単な処理で任意の方向を正確に向いた視線を有する視点を設定することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
本発明の構成は、仮想3次元空間内に配置されたオブジェクトが遊技状態に応じて変動され、前記仮想3次元空間内に設定された視点からの視線が前記変動されるオブジェクトに向けられており、前記視線が向けられた仮想3次元空間内の様子を表示画面に表示する遊技機において、前記仮想3次元空間内に注目点を設定する注目点設定手段と、前記注目点に向けられた視線上の基点である視点を前記仮想3次元空間内に設定する視点設定手段と、前記視点設定手段により設定された前記視点を基準として、遊技状態を識別するための複数の識別図柄に対応する複数のオブジェクトを前記仮想3次元空間内に配置する識別図柄配置手段と、前記識別図柄に対応するオブジェクトが仮想3次元座標空間内の視点に基づいて設定される投影平面に投影された表示画像を生成する表示画像生成手段とによって生成された少なくとも1画面分の表示画像を記憶する画像記憶手段を備え、前記視点設定手段は、前記注目点を原点とする新たな3次元の座標系を配置し、その新たな座標系内の2次元の各軸周りに回転させ、その回転後の新たな座標系を前記注目点から所定距離だけ離れた他の一次元の軸上の配置位置に移動させることにより、前記注目点を向く視線を有する視点を前記配置位置に設定するものであり、前記仮想3次元空間内における注目点の座標値と、前記注目点における新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、前記注目点からの距離とから算出される座標値を求めて、前記座標値で特定される仮想3次元空間内の配置位置に、前記注目点を向く新たな座標系の他の1次元の軸を視線の方向とする視点を設定することを特徴とするものである。なお、本発明の構成を構成1とすると、さらに本発明を以下のように構成することもできる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記画像記憶手段は、前記1画面分の表示画像を記憶する記憶領域を複数備え、前記表示手段は、前記複数の記憶領域のうちの1つを選択し、該選択された記憶領域に記憶された表示画像を前記表示装置に出力するものであることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項1に記載の発明は、「前記視点設定手段は、前記注目点を原点とする新たな3次元の座標系を配置し、その新たな座標系内の2次元の各軸周りに回転させ、その回転後の新たな座標系を前記注目点から所定距離だけ離れた他の一次元の軸上の配置位置に移動させることにより、前記注目点を向く視線上の基点である視点を前記配置位置に設定する」特徴(構成2)も備える。この構成によれば、視点設定手段は、新たな3次元の座標系の原点が注目点設定手段によって設定された注目点に一致するように、新たな3次元の座標系を仮想3次元空間内に配置する。さらに、新たな3次元の座標系を、その新たな座標系の2次元の各軸周りに回転させるとともに、新たな座標系の他の一次元の軸上における注目点から所定距離だけ離れた配置位置に、新たな座標系を移動させる。これにより、視点設定手段は、注目点を向く視線上の基点である視点を仮想3次元空間内に設定する。つまり、仮想3次元空間内に注目点を設定し、その注目点に基づいて、視線が注目点を向くような視点を設定しているので、従来のように例えば視点を設定してからその視線を変位させて任意の方向を向ける場合に比べて、比較的簡単な処理で任意の方向を正確に向く視線を有する視点を設定することができる。また、請求項2に記載の発明によれば、画像記憶手段は、1画面分の表示画像を記憶する記憶領域を複数備え、表示手段は、複数の記憶領域のうちの1つを選択し、この選択された記憶領域に記憶された表示画像が表示装置に出力される。
【0008】
また、請求項1に記載の発明は、「前記視点設定手段は、前記仮想3次元空間内における注目点の座標値と、前記注目点における新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、前記注目点からの距離とから算出される座標値を求めて、前記座標値で特定される仮想3次元空間内の配置位置に、前記注目点を向く新たな座標系の他の1次元の軸を視線の方向とする視点を設定する」特徴(構成3)も備える。この構成によれば、視点設定手段は、注目点設定手段によって設定された注目点の仮想3次元空間における座標値と、新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、注目点からの距離とから座標値を算出する。さらに、新たな座標系の原点である注目点を向く他の一次元の軸を視線の方向とする視点を、その座標値で特定される仮想3次元空間内の配置位置に設定する。つまり、注目点に配置された新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、注目点の座標値と、注目点からの距離とに基づいて、比較的簡単な処理で任意の方向を向く視線を有する視点を設定することができる。
【0009】
構成4は、構成1ないし構成3のいずれかに記載の遊技機において、前記注目点設定手段は、前記仮想3次元空間内に配置されたオブジェクトの配置位置にほぼ一致する位置に注目点を設定する遊技機である。この構成によれば、注目点設定手段は、仮想3次元空間内に配置されたオブジェクトの配置位置の座標値に基づいて、その座標値にほぼ一致するような座標値を求めて、その座標値の配置位置に注目点を設定する。なお、ほぼ一致とは、表示画面上の所望の位置にオブジェクトを表示できる程度の注目点の配置位置の座標値の範囲であり、オブジェクトの配置位置の座標値に一致する場合を含む。その結果、視点からの視線が仮想3次元空間内のオブジェクトが配置された方向に常に向くので、オブジェクトが変動する様子を表示画面に常に正確に表示させることができ、遊技者の面白味を永続させることができる。
【0010】
構成5は、上記構成1ないし構成4のいずれかに記載の遊技機がパチンコ機である。このパチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として表示手段における識別図柄および補助図柄の変動が開始することが挙げられる。また、特定の遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置された入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能として、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込む等も含む)が付与されることが挙げられる。その結果、パチンコ機を遊技する遊技者の面白味を永続させることができる。
【0011】
【作用】
本発明の作用は次のとおりである。
注目点設定手段は、変動されるオブジェクトが配置される仮想3次元空間内に、注目点を設定する。視点設定手段は、注目点に基づいて、その注目点に視線が向いた視点を仮想3次元空間内に設定する。識別図柄配置手段は、視点設定手段により設定された視点を基準として、遊技状態を識別するための複数の識別図柄に対応する複数のオブジェクトを仮想3次元空間内に配置する。画像記憶手段は、識別図柄に対応するオブジェクトが仮想3次元座標空間内の視点に基づいて設定される投影平面に投影された表示画像を生成する表示画像生成手段とによって生成された少なくとも1画面分の表示画像を記憶する。視点設定手段は、注目点を原点とする新たな3次元の座標系を配置し、その新たな座標系内の2次元の各軸周りに回転させ、その回転後の新たな座標系を前記注目点から所定距離だけ離れた他の一次元の軸上の配置位置に移動させることにより、注目点を向く視線上の基点である視点を配置位置に設定する。視点設定手段は、仮想3次元空間内における注目点の座標値と、注目点における新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、注目点からの距離とから算出される座標値を求めて、座標値で特定される仮想3次元空間内の配置位置に、注目点を向く新たな座標系の他の1次元の軸を視線の方向とする視点を設定する。表示画面には、視点からの視線が向いた方向の仮想3次元空間内の様子が表示される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
画像表示装置を備える遊技機としてパチンコ機を例に採って説明する。図1は本実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す正面図であり、図2はパチンコ機に備える制御基盤および画像表示装置の概略構成を示す機能ブロック図であり、図3は画像表示装置における3次元画像処理部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0013】
本実施例に係るパチンコ機は、パチンコ機の全体を制御する制御基盤1(図2参照)を備える遊技盤2と、遊技盤2が取り付けられた枠体3と、遊技盤2の下側に設けられた上受け皿4と、上受け皿4に貯留したパチンコ球を遊技盤2の盤面に発射する図示しない発射装置が連結された回転式ハンドル5と、上受け皿4の下側に設けられた下受け皿8と、遊技者が遊技状態を識別する識別図柄、およびその遊技状態における演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄を表示する液晶モニタ6の表示画面6aが遊技盤2の盤面のほぼ中央に配置されるように搭載された画像表示装置7(図2参照)とを備えている。なお、表示画面6aには、所定の模様が描かれた背景上で1または複数個の識別図柄および補助図柄の変動(移動,回転,変形等)が、遊技機における遊技状態に応じて表示される。ここで、識別図柄とは、パチンコ機における大当たりやリーチ等を遊技者に認識させるためのいわゆる図柄番号または図柄番号が付けられた図柄の画像をいい、補助図柄とは大当たりやリーチ等においてその演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄の画像をいう。また、大当たりとは、多数個のパチンコ球を取得できる遊技者に有利な状態をいい、通常の遊技状態とは、パチンコ球を消費する遊技者に不利な状態をいう。通常の遊技状態時に表示される識別図柄等の変動を通常変動といい、大当たりの発生の有無に関係なく、大当たりが発生するかのような演出(大当たりが発生する場合も含む)を行うための変動をリーチという。また、大当たり時には、ラウンドごとにそれぞれ異なるパターンの表示態様が表示される。さらに、パチンコ機における遊技が行われていない場合にはデモンストレーションなどの表示が行われる。
【0014】
遊技盤2には、回転式ハンドル5によって発射されたパチンコ球を盤面に案内するレール2aと、パチンコ球を不特定箇所に誘導する複数本の図示しないクギと、クギによって誘導されてきたパチンコ球が入賞する複数個の入賞口2bと、遊技盤2のほぼ中央付近に誘導されてきたパチンコ球が入賞する始動口2cと、特定の遊技状態において比較的多数のパチンコ球を一時に入賞させることができる大入賞口2dとが設けられている。各入賞口2b、始動口2cおよび大入賞口2d内には、パチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ11(図2参照)がそれぞれ設けられている。入賞検出センサ11がパチンコ球の入球を検出すると、遊技盤2に備える制御基盤1によって所定個数のパチンコ球が上受け皿4に供給される。また、始動口2c内には、始動開始センサ12(図2参照)が設けられている。さらに、大入賞口2dには、開閉式ソレノイド13(図2参照)が設けられており、この開閉式ソレノイド13の動作によって、大入賞口2dが 閉自在に構成されている。なお、上述したものの他に始動口2cに入球したパチンコ球の個数を記憶する例えば保留ランプ等を備えるが、この実施例ではその説明を省略する。
【0015】
上受け皿4は、受け皿形状になっており、パチンコ球が供給される球供給口4aから供給されたパチンコ球を貯留する。また、球供給口4aが配置された上受け皿4の反対側には、パチンコ球をレール2aに向けて発射する発射装置に連通する図示しない球送り口が設けられている。さらに、上受け皿4の上部には、貯留したパチンコ球を下受け皿8に移すための球抜きボタン4bが設けられており、この球抜きボタン4bを押すことで、上受け皿4に貯留したパチンコ球を下受け皿8に移すことができる。下受け皿8は、受け皿形状になっており、上受け皿4から移されてきたパチンコ球を受け止める。なお、下受け皿8には、その中に貯留したパチンコ球を抜く図示しない球抜きレバーが設けられている。
【0016】
回転式ハンドル5には、パチンコ球をレール2aに向けて発射する発射装置が連結されている。回転式ハンドル5を回転させることにより、発射装置はその回転量に応じた強さでパチンコ球を発射する。なお、遊技者が回転式ハンドル5を回転させた状態で保持することにより、発射装置はパチンコ球を所定の間隔ごとに一個ずつ発射する。
【0017】
図2に示すように、遊技盤2に備える制御基盤1は、メモリおよびCPU等で構成されるマイクロコンピュータである主制御部16と、遊技機における遊技状態を決定する値を出力するカウンタ14と、始動口2c(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する始動開始センサ12と、入賞口2b等(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ11と、大入賞口2d(図1参照)を開閉する開閉式ソレノイド13と、画像表示装置7のI/F(インターフェイス)17に情報流通可能に接続されるI/F(インターフェイス)15などを備えて構成されている。この制御基盤1は、上述した入賞口2bや始動口2cの球検出センサの検出に基づいて所定量のパチンコ玉を供給したり、図示しないランプやスピーカを作動させたりする各種のイベントを実行するものである。また、制御基盤1は、遊技状態に応じた表示態様を指示するための各種のコマンドをI/F15を通じて画像表示装置7に送信する。
【0018】
具体的に、制御基盤1で行なわれる処理について図4に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
ステップS1(入球を検出)
遊技者は、回転式ハンドル5によってパチンコ球を遊技盤2内に打ち込み、パチンコ遊技を開始する。遊技盤2内に打ち込まれた一部のパチンコ球は盤面の中央付近まで導かれ、始動口2cに入球する。パチンコ球が始動口2cに入球すると、始動口2c内に入球した球を検出する始動開始センサ12は、始動開始信号を主制御部16に送るとともに、始動口2c内に設けられた入賞検出センサ11は、入賞信号を主制御部16に送る。なお、この実施例では、始動開始センサ12と入賞検出センサ11とは、同一のセンサによって併用される。また、入賞口2bにパチンコ球が入球した場合にも、各入賞口2bの入賞検出センサ11は、入賞信号を主制御部16に送る。
【0019】
ステップS2(パチンコ球を供給)
主制御部16は、入賞検出センサ11からの入賞信号を検出すると、図示しないパチンコ球供給機構を稼働させて、所定数量のパチンコ球を球供給口4aを通じて上受け皿4に供給する。
【0020】
ステップS3(大当たり抽選)
主制御部16は、始動開始センサ12からの始動開始信号を検出すると、カウンタ14の出力値を読取り、大当たり抽選を行う。大当たり抽選では、カウンタ14の出力値が所定値であれば、「大当たり」を発生させる。一方、カウンタ14の出力値が所定値以外であれば、「はずれ」である通常の遊技状態を継続する。
【0021】
ステップS4(コマンドを送信)
主制御部16は、通常の遊技状態または特定の遊技状態に応じた表示態様を決定し、その表示態様に応じたコマンドをI/F15を介して画像表示装置7に送信する。コマンドは、画像表示装置7に所定の表示プログラムを実行させる命令であり、その表示プログラムの実行により遊技状態に応じた表示パターンが表示画面6aに表示される。例えば、大当たりの場合には、主制御部16は、所定のリーチの開始を指示するコマンドを送信し、所定時間経過後に、そのリーチの最終段階で停止させる大当たりの識別図柄の種類を指示するコマンドを送信する。これにより、画像表示装置7の表示画面6aには、コマンドで指示された種類のリーチが表示された後に、さらにコマンドで指示された種類の大当たりの識別図柄で停止するように表示される。このとき、主制御部16は、表示画面6aにおいて大当たりの識別図柄の停止が表示された後に、開閉式ソレノイド13に開放信号を与えて大入賞口2dを開放して、遊技者が多数個のパチンコ球を取得できる状態にする。さらに、この遊技状態において、制御基盤1は例えば約10個の球が大入賞口2dに入賞したのを1ラウンドとして、そのラウンドが終了するたびにそのラウンドの終了または次のラウンドの開始を指示するコマンドを画像表示装置7に送信する。これにより、表示画面6aには、ラウンドごとに異なるパターンの表示態様が表示される。一方、ハズレの場合には、リーチの最終段階で停止させるハズレの識別図柄の種類を指示するコマンド、または通常の遊技状態時に変動されている識別図柄をハズレの識別図柄で停止させるためのコマンドを画像表示装置7に送信する。これにより、表示画面6aには、リーチを表示した後にハズレの識別図柄で停止するように、または通常変動後にハズレの識別図柄で停止するように表示される。
【0022】
ステップS5(新たな入球検出?)
主制御部16は、始動開始センサ12からの新たな始動開始信号の有無(新たな入球)を検出するまで待機する。新たな始動開始信号がなければ、この処理を終了して新たな始動開始信号が検出されるまで待機する。上述したステップS1〜S5を実行する制御基盤1は、いわば遊技状態発生手段に相当する。なお、識別図柄の変動(リーチ、通常変動等)中にパチンコ球の入球を始動開始センサ12が検出し、その入球したパチンコ球の個数を記憶する上述で説明を省略した保留ランプが点灯している場合には、その保留ランプの点灯を新たな始動開始信号として検出する。新たな始動開始信号があれば、ステップS2〜S4を繰り返し行なう。
【0023】
画像表示装置7は、図2に示すように、制御基盤1から送られてきたコマンドを受信するI/F17と、そのコマンドに基づいて仮想3次元空間であるワールド座標系に配置される3次元情報であるオブジェクト、そのオブジェクトの模様の画像情報であるテクスチャおよび背景画像を記憶するキャラクタ記憶部18と、受信したコマンドに応じたプログラムを実行して、ワールド座標系にオブジェクトを設定するとともに、そのオブジェクトにテクスチャを貼付けた表示画像を生成する3次元画像処理部19と、3次元画像処理部19で生成された表示画像を一時的に記憶する画像記憶部20と、その表示画像を表示する液晶モニタ6とを備えている。なお、ワールド座標系とは、本発明における仮想3次元空間に相当する3次元の座標系である。オブジェクトとは、ワールド座標系に配置される3次元の仮想物体であり、複数のポリゴンによって構成された3次元情報である。ポリゴンとは、複数個の3次元座標の頂点で定義される多角形平面である。テクスチャとは、オブジェクトの各ポリゴンに貼付ける画像情報であり、テクスチャがオブジェクトに貼付けられることにより、オブジェクトに対応する画像、例えば識別図柄や補助図柄や背景などが生成される。
【0024】
I/F17は、制御基盤1のI/F15に情報流通可能に接続されており、制御基盤1から送られてくるコマンドを受信するものである。I/F17は、受信したコマンドを3次元画像処理部19に順次渡す。
【0025】
キャラクタ記憶部18は、3次元画像処理部19から適宜読み出される3次元情報であるオブジェクトおよびそのオブジェクトの2次元の画像情報であるテクスチャを記憶するメモリである。具体的には、キャラクタ記憶部18には、大当たり時の当たり識別図柄例えば魚やタコなどの模様のテクスチャと、大当たりのラウンドの回数を示すラウンド表示図柄のテクスチャと、そのラウンド時に演出用に表示される補助図柄例えば海亀の模様のテクスチャなどの種々のテクスチャとともに、それら各テクスチャが貼付けられる1または複数のポリゴンで構成された複数種類のオブジェクトが記憶されている。さらに、キャタクタ記憶部18には、液晶モニタ6の表示画面6aの背景として表示される例えば海底の珊瑚礁の模様が描かれた背景画像も記憶されている。これら各オブジェクト、テクスチャおよび背景画像の各データは、表示画像の生成時に3次元画像処理部19によって適宜読み出される。なお、オブジェクトやテクスチャを記憶するキャラクタ記憶部18はいわばオブジェクト記憶手段である。
【0026】
3次元画像処理部19は、画像表示装置全体を制御管理するCPU(中央処理装置)、CPUにおける演算結果等を適宜記憶するメモリ、液晶モニタ6に出力する画像を生成する画像データプロセッサなどで構成されるものである。3次元画像処理部19は、コマンドに応じた表示態様を実現するために、本発明の仮想3次元空間に相当する3次元の座標系であるワールド座標系内に、視点およびキャラクタ記憶部18から読み出した各種のオブジェクトを配置し、そのオブジェクトを変動させたり視点を変位させる、いわゆるジオメトリ演算処理を行う。また、ワールド座標系内のオブジェクトを視点からの視線に基づく投影平面に投影した2次元座標情報である投影情報を生成する。その投影情報に基づいて、画像記憶部20に設けられたフレームメモリ内における各オブジェクトの各ポリゴンの頂点に相当する位置すなわちフレームメモリ内のアドレスを求める。そして、キャラクタ記憶部18から読み出したテクスチャを各オブジェクトの各ポリゴンの頂点に合うように変形させて、そのテクスチャをフレームメモリ内の各アドレスに基づいて描画する。全てのオブジェクトへのテクスチャの描画が終了すると、画像記憶部20のフレームメモリ内に表示画像が生成され、その表示画像を液晶モニタ6に出力する。なお、後の説明で明らかになるが、3次元画像処理部19は、ワールド座標系にオブジェクトを配置するオブジェクト配置手段、そのオブジェクトを変動(拡大,縮小,移動,回転等)させるオブジェクト変動手段、視点を設定する視点設定手段としての機能を備える。さらに、視点からの視線方向のワールド座標系内の様子を示す表示画像を生成する表示画像生成手段の機能を備える。
【0027】
3次元画像処理部19は、具体的には例えば次のように構成されている。以下、3次元画像処理部19の一例について図3を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、3次元画像処理部19は、CPU21と、CPU21によって実行されるプログラムを記憶したプログラムROM22と、プログラムの実行によって得られたデータを記憶するワークRAM23と、CPU21の指示によってワークRAM23に記憶したデータを一括して転送するDMA24と、DMA24によって転送されたデータを受信するI/F25と、そのI/F25によって受信したデータに基づいて座標演算処理を行うジオメトリ演算処理部26と、I/F25によって受信したデータ等に基づいて表示画像を生成するレンダリング処理部27と、複数種類のカラーパレットに基づく色情報をレンダリング処理部27に適宜与えるパレット処理部28と、画像記憶部20内に設けられた複数のフレームメモリを切り換えるセレクタ部29と、表示画像を液晶モニタ6に出力するビデオ出力部30とを備えている。また、上述したCPU21とプログラムROM22とワークRAM23とDMA24とI/F25とは同一のデータバスに接続されており、オブジェクトおよびテクスチャ等を記憶したキャラクタ記憶部18は、上述したデータバスとは独立したデータバスを介してジオメトリ演算処理部26およびレンダリング処理部に接続されている。
【0028】
プログラムROM22は、遊技機に電源が投入された際にCPU21によって最初に実行されるプログラムや、制御基盤1から送られてくるコマンドの種類に応じた表示を行うための複数種類のプログラムやマップデータやカラーパレットなどを記憶したものである。表示を行うためのプログラムは、例えば予め用意されたテーブルを参照したり、参照したデータに演算処理を施すことで、コマンドに応じた表示態様を実現するためにワールド座標系にオブジェクトおよび視点を設定するための設定情報を導出するものである。表示プログラムには、単独で実行されるプログラムだけでなく、例えば複数個のタスクを組み合わせることで、コマンドの種類に応じた表示を行うためのタスクを生成するようなものも含まれる。また、設定情報は、ワールド座標系内にオブジェクトを配置するための配置座標値、ワールド座標系内に配置するオブジェクトの姿勢をそのオブジェクトの基準姿勢からの回転量で指示する回転角度、ワールド座標系内に視点を設定するための座標値、ワールド座標系における視点の視線(例えばz軸)を所定方向に定めるために視線を回転させる回転角度、キャラクタ記憶部18内に記憶されたオブジェクト、テクスチャ、背景画像などの格納アドレスなど各種のデータを含む情報であるとともに、表示画面6aに表示する一画面分の表示画像を生成するための情報である。
【0029】
CPU21は、プログラムROM22に記憶された制御プログラムによって画像表示装置7の全体を管理・制御する中央演算処理装置であり、主に、制御基盤1から送られてきたコマンドに応じたプログラムを実行することで、表示画面6aに所定の表示態様を表示するために、ワールド座標系内にオブジェクトおよび視点を設定する処理などを行うものである。具体的には、CPU21は、I/F17によって受信したコマンドの種類に応じて、そのコマンドに対応する表示を行うための表示プログラムを実行して得られた設定情報をワークRAM23に順次書き込み、所定の割り込み処理間隔(例えば1/30秒や1/60秒)ごとに、ワークRAM23内の設定情報の転送をDMA24に指示するものである。
【0030】
ワークRAM23は、CPU21によって得られた実行結果である設定情報を一時的に記憶するものである。また、DMA24は、CPU21での処理を介さずワークRAM23内に記憶されたデータを転送することができる、いわゆるダイレクトメモリアクセスコントローラである。つまり、DMA24は、CPU21からの転送開始の指示に基づいて、ワークRAM23に記憶された設定情報を一括してI/F25へ転送する。
【0031】
I/F25は、DMA24によって転送されてきた設定情報を受信する。I/F25は、設定情報に含まれる、キャラクタ記憶部18に記憶されたオブジェクトの格納アドレスや、オブジェクトをワールド座標系に配置するため配置座標値や、視点を設定する配置座標値などの座標演算の対象となるデータをジオメトリ演算処理部26に与えるとともに、画像描画の対象となる設定情報に含まれるキャラクタ記憶部18に記憶された基本テクスチャデータなどの格納アドレスのデータをレンダリング処理部27に与える。さらに、I/F25は、設定情報に含まれているテクスチャの色合いを指示するためのカラーパレットをパレット処理部28に与える。
【0032】
ジオメトリ演算処理部26は、I/F25から与えられたデータに基づいて、3次元の座標点の移動や回転等に伴う座標演算処理を行うものである。具体的には、ジオメトリ演算処理部26は、キャラクタ記憶部18内に記憶されたオブジェクトの格納アドレスに基づいて、ローカル座標系に配置された複数のポリゴン構成されたオブジェクトを読み出し、回転角度に基づいて回転させた姿勢のオブジェクトを配置座標値に基づいてワールド座標系に配置する際のワールド座標系におけるオブジェクトの各ポリゴンの座標値を算出する。ローカル座標系とは、基準の姿勢のオブジェクトが設定されるオブジェクト独自の座標系である。さらに、視点の配置座標値および回転角度に基づいて設定される視点を基準とする視点座標系におけるオブジェクトの各ポリゴンの座標値を算出する。さらに、視点に基づく視線に垂直に設定された投影平面にオブジェクトを投影した際の投影平面上のオブジェクトの各ポリゴンの2次元の座標値を含む投影情報を算出する。そして、ジオメトリ演算処理部26は、投影情報をレンダリング処理部27に与える。
【0033】
パレット処理部28は、CPU21によって書き込まれる複数種類の色情報で構成される複数種類のカラーパレットを格納する図示しないパレットRAMを備えており、CPU21からI/F25を通じて指示されたカラーパレットのデータをレンダリング処理部27に与えるものである。カラーパレットを与えるとは、例えばパレットRAMに記憶されたカラーパレットの格納アドレスをレンダリング処理部27に与えることをいい、レンダリング処理部27は、表示画像を生成する際にその格納アドレスに記憶された色情報を参照する。なお、各色情報は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の組合せによって決定されるものであり、カラーパレットのデータサイズが例えば16ビットの場合には、0〜15の各値に所定の色情報が割り当てられる。また、カラーパレットの各データすなわち各パレットは、テクスチャを構成する各ドットに割り当てられており、各パレットの色情報で各ドットを描画することで、テクスチャの全体が描画される。なお、このカラーパレットの各パレットに割り当てられている色情報を順次変更することで、段階的に色合いが異なる複数種類のテクスチャを生成することもできる。
【0034】
レンダリング処理部27は、まず、キャラクタ記憶部18内の背景画像が格納されている格納アドレスに基づいて背景画像を読み出し、その背景画像を画像記憶部20内に設けられたフレームメモリ内に描画し、そのフレームメモリ内に投影情報に基づくオブジェクトの各ポリゴンを展開する。さらに、レンダリング処理部27は、キャラクタ記憶部18内のテクスチャの格納アドレスとカラーパレットのデータに基づいて、キャラクタ記憶部18から読み出したテクスチャをフレームメモリ内の各ポリゴンに相当する領域上に描画する。これにより、フレームメモリ内には、背景画像上に各種のオブジェクトに対応する図柄の画像が描画された表示画像が生成される。この表示画像は、フレームメモリの容量にもよるが、所定の縦横比例えば縦横比が3:4の表示画像である。なお、上述したジオメトリ演算処理部26およびレンダリング処理部27では、画面に表示する部分を決定するクリッピング処理、ポリゴンの前後関係によって見える部分と見えない部分とを判定する隠面処理、光源からの光の当たり具合や反射の様子を演算するシェーディング計算処理などの処理も適宜行われる。
【0035】
セレクタ部29は、複数のフレームメモリを適宜選択するものである。具体的には、セレクタ部29は、上述したレンダリング処理部27によって画像の描画が行われる際には、画像記憶部20内に設けられた複数のフレームメモリである例えば第1フレームメモリまたは第2フレームメモリのいずれか一方を選択する。この場合には、その選択されている側のフレームメモリ内に表示画像が生成される。一方、セレクタ部29は、描画が行われていない側のフレームメモリから既に表示画像の生成が終わっている表示画像を読み出し、その表示画像をビデオ出力部30に送る。なお、セレクタ部29は、読み出し側のフレームメモリと、描画側のフレームメモリとを順次切り換える。ビデオ出力部30は、セレクタ部29から送られてきた表示画像をビデオ信号に変換して液晶モニタ6に出力する。
【0036】
画像記憶部20は、レンダリング処理部27によって生成される表示画像を記憶するいわゆるビデオRAMである。画像記憶部20には、例えば一画面分の表示画像を記憶する記憶領域である第1フレームメモリと、第2フレームメモリとが設けられたいわゆるダブルバッファを構成している。なお、画像記憶部20に設けるフレームメモリは、2つに限定されるものではなく、1つ以上であれば幾つでもよい。
【0037】
液晶モニタ6は、ビデオ出力部30から出力された表示画像を表示する画面6aを備えており、その画面6aが遊技盤2の盤面に露出するように取り付けられている。その表示画面6aは例えば縦横比が9:16のいわゆるワイド画面であり、液晶モニタ6は、ビデオ出力部30から出力されてきた縦横比が3:4の表示画像を表示画面6aの縦横比に合わせて、表示画面6aに表示画像を表示する。また、液晶モニタ6には、縦横比が3:4の表示画像をそのまま表示する機能をも備えており、遊技状態に応じて表示画面6aに表示される表示画像の縦横比を適宜変化させることもできる。なお、液晶モニタ6は、本発明における表示手段に相当する。
【0038】
まず、本実施例に係る遊技機で表示される表示態様について、図5を参照しながら説明する。
液晶モニタ6の表示画面6aには、制御基盤1から送られてきたコマンドに基づいて、例えば図5(a)〜(c)に示すような表示態様が表示される。この表示態様は、パチンコ機におけるリーチの一表示態様であり、図5に示すように、表示画面6a内を縦方向に3つに分けた上段領域61,中段領域62,下段領域63のそれぞれの領域内に識別図柄が表示されている。ここでは図示していないが、通常回転時には各領域61〜63内の表示される識別図柄がそれぞれ横方向に低速または高速で移動する。リーチが発生すると、図5に示すように、上段領域61と下段領域63とで移動していた識別図柄が、表示画面6aの斜め方向(または縦方向)に同一種類で揃うように停止し、中段領域62の識別図柄だけが横方向に移動を続けるように表示される。以下、この表示態様について具体的に説明する。
【0039】
具体的には、図5(a)〜(b)に示すように、表示画面6aの上段領域61の右側には図柄番号「1」が付けられたタコの画像である識別図柄61aが、上段領域61の左側には図柄番号「2」が付けられたハリセンボンの画像である識別図柄61bが、下段領域63の右側には図柄番号「2」が付けられたハリセンボンの画像である識別図柄63aが、下段領域63の左側には図柄番号「1」が付けられたタコの画像である識別図柄63aが、それぞれ移動が停止した状態で表示されている。また、ハリセンボンの識別図柄61b,63bは、それぞれの位置で停止した状態で尾びれを振って泳いでいるように表示されている。一方、タコの識別図柄61a,63aは、それぞれの位置で停止した状態で、図6(a)〜(h)に示すように、8本のそれぞれの腕をゆらゆらと波打つように動作させているように表示されている。この表示の状態は、図柄番号「1」のタコの識別図柄と、図柄番号「2」のハリセンボンの識別図柄とがそれぞれ斜めに揃っており、各図柄番号の識別図柄でリーチが掛かっている場合である。
【0040】
さらに、表示画面6aの中段領域62には、図5(a)〜(c)に示すように、図柄番号「7」が付けられたアザラシの画像である識別図柄62aが横方向に移動し、そのアザラシの識別図柄62aが中段領域62の左端に近づくと、中段領域62の右端から図柄番号「8」がつけられた魚の画像である識別図柄62bが現れるように、図示しない一連の図柄番号が付された各種の識別図柄が横方向に順次移動して表示される。なお、この実施例では特に説明しないが、表示画面6a内の縦または斜めに全て同一種類になるように、中段領域62の識別図柄が停止すれば大当たりが発生する一方、異なる種類の識別図柄で停止すればハズレとなり、通常の遊技状態が継続する。
【0041】
次に、上述した図5,図6に示す表示態様を実現するために画像表示装置7で行なわれる処理を図7に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0042】
ステップT1(コマンドの把握)
I/F17は、制御基盤1から送られてくるコマンドを順次受信して、そのコマンドを3次元画像処理部19に順次渡す。3次元画像処理部19は、そのコマンドをワークRAM23に設けた図示しないコマンドバッファ内に記憶する。さらに、3次元画像処理部19は、液晶モニタ6からの割り込み処理があるたびに、コマンドバッファ内に記憶したコマンドを読み出し、そのコマンドに対応するプログラムROM22内のプログラムを実行して1画面分の表示画像を順次生成する。そのプログラムの実行によって、3次元画像処理部19内では、以下のステップが実行される。なお、上述した割り込み処理は液晶モニタ6の1/30秒または1/60秒ごとの例えば垂直走査信号に同期して行われる。
【0043】
ステップT2(ワールド座標系に視点を設定)
3次元画像処理部19は、表示画面に表示するワールド座標系内の位置を決めるための注目点を設定する。この注目点は、例えばワールド座標系に配置される特定のオブジェクトの配置位置にほぼ一致するような位置に設定される。さらに、その注目点に基づいてワールド座標系内の様子を液晶モニタ6の表示画面6aに表示するための視点を設定する。この視点は3次元の座標系の原点であり、視点からの視線の方向が注目点を向くように設定される。視線は、視点を原点とした座標系の例えばz軸である。以下、注目点に向いた視線を有する視点をワールド座標系に設定するまでの概念および具体的な算出方法について説明する。
【0044】
表示画面6aに識別図柄が表示される初期の状態において、図8に示すように、各識別図柄を表示するための後述するオブジェクトB1〜B4が、ワールド座標系内にそれぞれ配置される場合に、3次元画像処理部19は、表示画面6aのほぼ中央付近に識別図柄62a〔図5(a)参照〕を表示するためのオブジェクトB3のワールド座標系における配置位置WPの座標値(WPx ,WPy ,WPz )を求める。この配置位置WPの座標値は、例えば本実施例のパチンコ機の場合にはプログラム内に予め用意されたワールド座標系の座標値を参照したり、例えばパチンコ機以外の遊技機の場合にはコントローラ等の入力手段からの入力信号に基づいて算出したりして求められるものである。3次元画像処理部19は、配置位置WPの座標値(WPx ,WPy ,WPz )を注目点の座標値として設定する。
【0045】
3次元画像処理部19は、図9に示すように、注目点の配置位置WPを原点Oとする新たな3次元の座標系をワールド座標系内に設定する。また、図10(a)に示すように、新たな3次元の座標系の2次元の各軸周りにその新たな3次元の座標系を回転させる。例えば、新たな3次元の座標系をx軸周りにθx °,y軸周りにθy °だけ回転させる。回転角度θx °,θy °は、例えば本実施例のパチンコ機の場合にはプログラム内に予め用意された回転角度のデータを参照したり、例えばパチンコ機以外の遊技機の場合にはコントローラ等の入力手段からの入力信号に基づいて算出したりして求められるものである。これにより、図10(b)に示すように、新たな座標系の他の一次元の軸であるz軸が、注目点を中心に各回転角度に応じて変位して、そのz軸が任意方向を向く。さらに、図10(c)に示すように、予め与えられている注目点から視点までの距離Lのデータに基づいて、新たな3次元の座標系のz軸上の注目点から距離Lだけ離れた配置位置P0 に、新たな座標系を移動させる。このとき、新たな3次元の座標系のz軸が注目点を向くように移動される。なお、本実施例では、視線の方向がz軸のプラス側になるように説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば視線の方向がz軸のマイナス側になるようにすることもできる。具体的には、3次元画像処理部19は、上述した注目点の配置位置WPの座標値と、新たな座標系の各軸周りの回転角度θx ,θy と、注目点からの距離Lとの各値を、次式(1)に示す式に代入する。
【0046】
(P0X, P0Y, P0Z)=(Lsinθy cosθx +WPx
,Lsinθx +WPy ,Lcosθy cosθx +WPz ) … (1)
【0047】
3次元画像処理部19は、上述した式(1)によって、注目点がz軸にある3次元の座標系の原点Oのワールド座標系における座標値(P0X, P0Y, P0Z)を算出し、その座標値(P0X, P0Y, P0Z)で特定されるワールド座標系の配置位置P0 に新たな3次元の座標系を移動させる。このワールド座標系の配置位置P0 における新たな3次元の座標系を、注目点を向く視線を有する視点SPとする。後の説明で明らかになるように、視点SPからの視線が向いた方向のワールド座標系内の様子が液晶モニタ6の表示画面6aに表示される。なお、この実施例では、注目点は移動させる場合について説明しないが、例えば適宜注目点を移動させることにより、視線の方向を変位させることもできる。ステップT2は、本発明の注目点設定手段および視線設定手段の機能に相当する。
【0048】
ステップT3(各オブジェクトを配置)
3次元画像処理部19は、表示画面6aにタコの識別図柄61a,63a(図5参照)をそれぞれ表示するためのオブジェクトB1と、ハリセンボンの識別図柄61b,63b(図5参照)をそれぞれ表示するためのオブジェクトB2と、アザラシの識別図柄62a(図5参照)を表示するためのオブジェクトB3と、魚の識別図柄62a(図5参照)を表示するためのオブジェクトB4とをキャラクタ記憶部18からそれぞれ読み出す。そして、図11に示すように、3次元画像処理部19は、各識別図柄が図5で図示した表示画面6a上の各位置に表示されるように、視点SPの配置位置P0 の座標値(P0X, P0Y, P0Z)を基準とする各座標値に応じて、ワールド座標系内の各座標値を求めて、それら各座標値に基づく各配置位置に各オブジェクトB1〜B4をそれぞれ配置する。具体的には、ワールド座標系内の配置位置P1 (P0X+ΔP1X,P0Y+ΔP1Y,P0Z+ΔP1Z)と配置位置P4 (P0X+ΔP4X,P0Y+ΔP4Y,P0Z+ΔP4Z)とにそれぞれオブジェクトB1を配置し、配置位置P2 (P0X+ΔP2X,P0Y+ΔP2Y,P0Z+ΔP2Z)と配置位置P3 (P0X+ΔP3X,P0Y+ΔP3Y,P0Z+ΔP3Z)とにそれぞれオブジェクトB2を配置し、配置位置P5 (P0X+ΔP5X,P0Y+ΔP5Y,P0Z+ΔP5Z)にオブジェクトB3を配置し、配置位置P6 (P0X+ΔP6X,P0Y+ΔP6Y,P0Z+ΔP6Z)にオブジェクトB4を配置する。さらに、アザラシの識別図柄62aの左右に表示される貝の図柄を表示するためのオブジェクトをそれぞれの配置位置に配置する。なお、図11では便宜上各オブジェクトの形態を球体形状で図示しているが、各オブジェクトの形状はそれぞれの画像の形状に応じた3次元形状で形成されている。また、本実施例では、視点SPを基準として各オブジェクトB1〜B4を配置しているので、視点SPの配置位置や視線方向を変位させた場合すなわち注目点を移動させた場合であっても、各オブジェクトB1〜B4によって表示される識別図柄を表示画面6a上の一定の位置に表示させることができる。
【0049】
次に、表示画面6aの中段領域62に表示される識別図柄62a,62bを表示するためのオブジェクトB3,B4の配置位置P5 ,P6 の各X軸成分の座標値を割り込み処理ごとに順次更新(座標値を減算または加算)して、オブジェクトB3,B4の各配置位置P5 ,P6 の位置を横方向(図11中の矢印で示す)に徐々に移動させる。なお、所定時間が経過すると、表示画面6aにはタコの画像を表示するための識別図柄が移動して現れるので、そのタコの識別図柄を表示するためのオブジェクトB1も同様にその配置位置が順次更新されて移動される。このオブジェクトB1を移動させる処理は、いわばオブジェクト移動手段の機能である。また、この移動は横方向に限らず、配置位置のX,Y,Zの各座標値を適宜更新することで、所定方向例えば縦,斜め,奥から手前方向にも同様に適用することができる。
【0050】
さらに、3次元画像処理部19は、オブジェクトB1〜B4の形態を変動させる。具体的には、ハリセンボンを表示するためのオブジェクトB2と、魚を表示するためのオブジェクトB4とは、それぞれが前後に分かれる2つの部品オブジェクトから構成されており、各部品オブジェクトは所定の連結点で連結されている。3次元画像処理部19は、前後の部品オブジェクトを連結点を中心に左右に揺動変位させて、オブジェクトB2,B4が尾びれを振って泳いでいるように変動させる。また、アザラシを表示するためのオブジェクトB3は、前後に分かれる3つの部品オブジェクトから構成されており、各部品オブジェクトとはそれぞれの連結点で連結されている。3次元画像処理部19は、各部品オブジェクトを連結点を中心に上下に揺動変位させて、アザラシが頭と尻尾とを振りながら移動するように変動させる。
【0051】
ここで、3次元画像処理部19は、図6(a)〜(h)に示したようなタコの動作を表示するためにオブジェクトB1も変動させるが、このときに3次元画像処理部19で行われる処理について、図12〜図14を参照しながら説明する。
【0052】
キャラクタ記憶部18には、図12に示すように、タコの頭部を表示する頭部部品オブジェクトB1aと、タコの8本の腕の部分を表示するための腕部部品オブジェクトB1bとが例えばローカル座標系の原点を連結点C0 として連結されて構成されているタコ全体を表示するためのオブジェクトB1が記憶されている。このオブジェクトB1の腕部部品オブジェクトB1bは、連結点C0 を中心とする水平方向(xy平面内)の一定角度例えば45度ごとに放射状に形成されている複数本例えば8本の腕L1〜L8で構成されており、各腕L1〜L8はタコの腕の一連の動作におけるそれぞれ異なる形態で形成されている。なお、各腕L1〜L8は延出部であり、連結点C0 はオブジェクトの基準点である。
【0053】
3次元画像処理部19は、オブジェクトB1をキャラクタ記憶部18内から読み出し、ワールド座標系の上述した配置位置P1 ,P4 にそれぞれ配置し、所定回数の割り込み処理があるたびに、ワールド座標系内に配置したオブジェクトB1の腕部部品オブジェクトB1bを連結点C0 を中心として所定角度例えば45度ずつ回転させて、オブジェクトB1を変動させる。具体的には、腕部部品オブジェクトB1bの平面図である図13および側面図である図14(a)に示すように、所定回数の割り込み処理があるたびに、各腕L1〜L8を連結点C0 を中心に所定方向例えば時計周りに45度ずつ回転させて、回転方向の後側の腕を回転方向の前側の腕の位置にまでほぼ移動させる。これにより、腕部部品オブジェクトB1bの腕L1〜L8が形成された角度と同一の角度だけ、連結点C0 を中心に腕部部品オブジェクトB1bを回転させているので、図13に示す矢印50の方向から位置Aにある腕ALだけに着目すると、図14(b)〜(i)に示すように、45度だけ回転される度に、位置Aの腕がz軸方向の上下に波打つように動作する。なお、本実施例では、45度ごとに形成されたタコの腕(延出部)を45度ずつ回転させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、360度の範囲内に均等の角度ごとに設けられた延出部を、その均等の角度ずつ回転させる場合であればよい。また、部品オブジェクトB1bは、本発明の延出部が設けられたオブジェクトに相当する。ステップT3では、以上のように変動する各オブジェクトB1〜B4をワールド座標系内に配置する。
【0054】
ステップT4(視点座標系を変形補正)
3次元画像処理部19は、ワールド座標系内に配置された各オブジェクトB1〜B3の座標値を、視点SPを基準すなわち原点とする視点座標系の座標値に変換する。ここで、レンダリング処理部27によってフレームメモリ内に生成される表示画像の縦横比は3:4であるので、この表示画像を縦横比が9:16の表示画面6aに表示すると、表示画像が間延びした画像となるという弊害が生じる。そこで、表示画像の縦横比と、表示画面の縦横比とに応じて、視点座標系を変形補正することにより、その視点座標系内に配置された各図柄等を変形させる。
【0055】
具体的には、3次元画像処理部19は、視点座標系を変形補正するための変形補正値を算出する。この変形補正値は、各オブジェクトB1〜B3の縦幅または横幅を拡大もしくは縮小するための倍率値である。変形補正値は、表示画面6aの縦横比をA:B、表示画像の縦横比をa:bとすると、次式(2)によって算出することができる。なお、次式(2)で算出される変形補正値は、表示画像の縦倍率を基準にして、その横幅を画面に合わせて変形した場合には、オブジェクト等の横幅を変形補正するための倍率値であり、表示画像の横倍率を基準にして、その縦幅を画面に合わせて変形した場合には、各オブジェクトB1〜B3の縦幅を変形補正するための倍率値である。
【0056】
(A×b)÷(a×B) …(2)
【0057】
フレームメモリ内に生成される表示画像の縦横比が3:4であり、表示画面6aの縦横比が9:16である場合には、表示画面6aには表示画像の縦横比が9:16で表示されるので、表示画像の横幅が4/3倍に拡大されたように表示される。このとき、表示画像に含まれるオブジェクトB1〜B3の図柄の横幅も4/3倍に拡大される。ここで、式(2)に表示画像および表示画面6aの縦横比の各値を代入することで、各オブジェクトB1〜B3の横幅を4分の3倍(以下、「3/4倍」と示す)に縮小する倍率値の変形補正値を算出する。さらに、3次元画像処理部19は、変形補正値に基づいて視点座標系の横方向(x軸方向)を3/4倍に縮小する。その結果、各オブジェクトB1〜B3は、視点座標系のx軸方向に3/4倍に縮小される。なお、この実施例では、ステップT4によって視点座標系を変形補正したが、変形補正することなくステップT4以降の処理を行うこともできる。
【0058】
ステップT5(投影平面に投影)
3次元画像処理部19は、視点SPとオブジェクトB1〜B3との間に、視点座標系の視線の方向であるz軸に垂直な投影平面TMを設定する(図11参照)。投影平面TMは、視点座標系のz軸に垂直であり、z値が固定されているので、投影平面TM上では2次元の座標系として取り扱うことができる。この投影平面TMは、画像記憶部20内に設けられたフレームメモリに対応する領域を有している。
【0059】
さらに、3次元画像処理部19は、投影平面TMに各オブジェクトB1〜B3を平行投影する。これにより、各オブジェクトB1〜B3をそれぞれ構成する各ポリゴンの各頂点は、投影平面TMに平行移動するようにそのまま投影され、各頂点の3次元の座標値が投影平面TM上の2次元の座標値に変換される。3次元画像処理部19は、全てのオブジェクトの投影が終了することにより、ワールド座標系内の各オブジェクトの投影情報を取得する。なお、本実施例では、遊技者が把握するための識別図柄を認識しすくするために、各オブジェクトB1〜B3を平行投影したが、例えばより立体感を表現するために透視投影することもできる。さらに、本実施例では、識別図柄以外の補助図柄について説明していないが、補助図柄は立体感を表現するために透視投影することが好ましい。
【0060】
ステップT6(表示画像の生成)
まず、3次元画像処理部19は、キャラクタ記憶部18に記憶されている背景画像を読み出し、その背景画像を画像記憶部20内のフレームメモリ内に描画する。この背景画像は、図5に図示したような例えば海中および海底の様子を表示する画像である。
【0061】
次に、3次元画像処理部19は、投影情報に含まれる各オブジェクトB1〜B3の各ポリゴンの各頂点の座標値に対応する画像記憶部20のフレームメモリ内のアドレス、すなわちフレームメモリ内の各オブジェクトB1〜B3の各ポリゴンの位置を求める。そして、キャラクタ記憶部18から読み出したテクスチャを各ポリゴンに描画する。これにより、背景画像上に、オブジェクトB1〜B3の画像すなわち識別図柄61a〜63bが重ねられた表示画像がフレームメモリ内に生成される。なお、ステップT6は、いわば表示画像生成手段の機能に相当する。
【0062】
ステップT7(表示)
3次元画像処理部19は、フレームメモリ内に生成された表示画像をビデオ出力部30を介して液晶モニタ6に出力する。液晶モニタ6は、割り込み処理ごとに3次元画像処理部19から送られてくる縦横比が3:4の表示画像を、縦横比が9:16の表示画面6aに合わせて順次表示する。その結果、図5(a)〜(c)に示した表示態様が表示される。
【0063】
上述したパチンコ機では、表示画面6aに表示するための基準である視点の視線の方向を注目点に基づいて設定しているので、任意の方向を向く視線を有する視点を設定するための例えばジオメトリ演算処理等の負担を軽減することができる。さらに、この注目点をオブジェクトの位置とほぼ一致する位置に設定することで、表示画面6aに所望の位置に正確に識別図柄を表示させて、遊技者の面白味を永続させることもできる。また、リーチ時に表示されるタコの腕が波打つような動作させるために、そのタコを表示するためのオブジェクトB1の腕部部品オブジェクトB1bを単に回転させているだけなので、パチンコ機におけるジオメトリ演算処理などの処理負担をさらに軽減することができる。また、タコの腕が波打つような動作による臨場感がある表示態様によってパチンコ機を遊技する遊技者の面白味をさらに永続させることができる。
【0064】
なお、上述した実施例では、液晶モニタについて説明したが、例えば、液晶モニタの代わりにCRTモニタや、LEDモニタなどにすることもできる。
【0065】
また、上述した実施例では、遊技機としてパチンコ機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスロットマシン、コインゲーム機などの遊技機に変形実施することができる。
【0066】
また、上述した実施例では、リーチ時におけるタコが動作する表示態様について説明したが、本発明はリーチ時の表示態様に限定されるものではなく、例えば大当たり中のラウンド時、通常変動時またはデモンストレーション時などの表示態様について適宜適用することもできる。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、仮想3次元空間内に注目点を設定し、この仮想3次元空間内の注目点に基づいて、その注目点を向く視線上の基点である視点を設定しているので、従来のように、視点を設定してから視線の方向を決める場合に比べて、比較的簡単な処理で任意の方向を正確に向く視線上の基点である視点を設定することができる。また、仮想3次元空間内で変動するオブジェクトの方向に視線を正確に向けることができるので、仮想3次元空間内のオブジェクトを表示画面上に正確に表示することができ、遊技者の面白味を永続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す外観図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機の機能ブロック図である。
【図3】3次元画像処理部の機能ブロック図である。
【図4】パチンコ機の制御基盤での処理を示すフローチャートである。
【図5】表示画面6aにおける一表示態様を示す図である。
【図6】タコの識別図柄の動作の様子を示す図である。
【図7】画像表示装置での処理を示すフローチャートである。
【図8】ワールド座標系内に各オブジェクトを配置した様子を示す図である。
【図9】オブジェクトB3の配置位置に注目点を設定した様子を示す図である。
【図10】注目点に基づいて視点を設定する様子を示す図である。
【図11】ワールド座標系内の視点と各オブジェクトとの関係を示す図である。
【図12】ローカル座標系内におけるタコのオブジェクトを示す図である。
【図13】腕部部品オブジェクトの回転動作を示す図である。
【図14】特定位置の腕の動作の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 … 制御基盤
6 … 液晶モニタ
6a… 表示画面
7 … 画像表示装置
18 … キャラクタ記憶部
19 … 3次元画像処理部
20 … 画像記憶部
61a,63a … タコの識別図柄
B1 … タコのオブジェクト
B1b… 腕部部品オブジェクト
SP … 視点[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gaming machine such as a pachinko machine, a slot machine, or a coin gaming machine, and more particularly to a technique for setting a viewpoint for displaying a state in a virtual three-dimensional space.
[0002]
[Prior art]
In this type of pachinko machine, a game state that is advantageous to a player who can obtain a large number of pachinko balls and a game state that is disadvantageous to a player who consumes the pachinko balls are generated. In order to perpetuate the interest of the player in any gaming state, a realistic display mode is displayed according to each gaming state. As the display mode, the player may feel a sense of reality by changing, for example, enlarging, reducing, or moving a pattern, which is a two-dimensional image drawn using a perspective method, on the display screen. The display mode which can be done is realized.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional pachinko machine described above has the following problems.
In conventional pachinko machines, a two-dimensional image that is a two-dimensional image is simply enlarged, reduced, or moved on the display screen, resulting in a lack of realism and an inability for the player to feel realism. It was. Therefore, in recent years, by moving an object composed of polygons in a virtual three-dimensional space, which is a three-dimensional coordinate space, a change in the design of a three-dimensional image is displayed on the display screen, thus providing a realistic display. Attempts have been made to implement the aspects. Specifically, an object is arranged in a virtual three-dimensional space and the object is changed. Further, a viewpoint for displaying the state in the virtual three-dimensional space is set. This viewpoint is the origin of a three-dimensional coordinate system, and an arbitrary one-dimensional axis within each three-dimensional axis is set as a line of sight. The line of sight is displaced by rotating the three-dimensional coordinate system around each axis. The line of sight is directed to the object in the virtual three-dimensional space by the displacement. A display image showing a state in the virtual three-dimensional space in the direction of the line of sight is generated, and the display image is sequentially displayed on the monitor, thereby displaying realistic variations in the design.
[0004]
However, there is a problem that the processing for displacing the line of sight from the viewpoint set in the virtual three-dimensional space and directing the direction of the line of sight toward the object arranged in the virtual three-dimensional space is very complicated. . Further, if the direction in which the line of sight is directed is not accurately directed to the direction of the object, for example, there is a problem that the object in the virtual three-dimensional space is not displayed at an accurate position on the display screen.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a gaming machine that can set a viewpoint having a line of sight accurately pointing in an arbitrary direction by a relatively simple process. And
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the present invention has the following configuration.
In the configuration of the present invention, an object arranged in a virtual three-dimensional space is changed according to a gaming state, and a line of sight from a viewpoint set in the virtual three-dimensional space is directed to the changed object. In a gaming machine that displays on the display screen a state in the virtual three-dimensional space to which the line of sight is directed, attention point setting means for setting a point of interest in the virtual three-dimensional space, and a line of sight directed to the point of interest A viewpoint setting means for setting a viewpoint that is the upper base point in the virtual three-dimensional space, and a plurality of identification symbols for identifying a gaming state based on the viewpoint set by the viewpoint setting means An identification symbol arrangement means for arranging the object in the virtual three-dimensional space, and a projection plane in which the object corresponding to the identification symbol is set based on the viewpoint in the virtual three-dimensional coordinate space Image storage means for storing a display image for at least one screen generated by a display image generation means for generating a shadowed display image, and the viewpoint setting means is a new three-dimensional image having the attention point as an origin. The coordinate system is arranged, rotated around each two-dimensional axis in the new coordinate system, and the new coordinate system after the rotation is placed on another one-dimensional axis separated from the point of interest by a predetermined distance. By moving to an arrangement position, a viewpoint having a line of sight toward the attention point is set as the arrangement position, and a coordinate value of the attention point in the virtual three-dimensional space and a new coordinate system at the attention point A coordinate value calculated from the rotation angle around each of the two-dimensional axes and a distance from the target point is obtained, and the target point is placed at the arrangement position in the virtual three-dimensional space specified by the coordinate value. Another one of the new coordinate system that faces It is characterized in that sets a viewpoint for the original axis as direction of gaze. In addition, if the structure of this invention is the
According to a second aspect of the present invention, in the gaming machine according to the first aspect, the image storage means includes a plurality of storage areas for storing display images for the one screen, and the display means includes the plurality of display areas. One of the storage areas is selected, and the display image stored in the selected storage area is output to the display device.
[0007]
Further, the invention according to
[0008]
Further, the invention according to
[0009]
In
[0010]
In Configuration 5, the gaming machine according to any one of
[0011]
[Action]
The operation of the present invention is as follows.
The attention point setting means sets the attention point in the virtual three-dimensional space where the object to be changed is arranged. The viewpoint setting means sets a viewpoint in which the line of sight is directed to the attention point in the virtual three-dimensional space based on the attention point. The identification symbol arrangement unit arranges a plurality of objects corresponding to the plurality of identification symbols for identifying the gaming state in the virtual three-dimensional space with the viewpoint set by the viewpoint setting unit as a reference. The image storage means includes at least one screen generated by a display image generation means for generating a display image in which an object corresponding to the identification symbol is projected on a projection plane set based on a viewpoint in a virtual three-dimensional coordinate space. Is stored. The viewpoint setting means arranges a new three-dimensional coordinate system with the attention point as the origin, rotates it around each two-dimensional axis in the new coordinate system, and uses the new coordinate system after the rotation as the attention target. By moving to a placement position on another one-dimensional axis that is a predetermined distance away from the point, the viewpoint that is the base point on the line of sight facing the point of interest is set as the placement position. The viewpoint setting means calculates a coordinate value calculated from the coordinate value of the target point in the virtual three-dimensional space, the rotation angle around each two-dimensional axis of the new coordinate system at the target point, and the distance from the target point. Then, a viewpoint is set at the arrangement position in the virtual three-dimensional space specified by the coordinate value, with the other one-dimensional axis of the new coordinate system facing the attention point as the direction of the line of sight. On the display screen, the state in the virtual three-dimensional space in the direction in which the line of sight from the viewpoint is directed is displayed.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings.
A pachinko machine will be described as an example of a gaming machine equipped with an image display device. FIG. 1 is a front view showing a schematic configuration of a pachinko machine according to the present embodiment, FIG. 2 is a functional block diagram showing a schematic configuration of a control board and an image display device provided in the pachinko machine, and FIG. 3 is an image display device. It is a functional block diagram which shows schematic structure of the three-dimensional image process part in FIG.
[0013]
The pachinko machine according to this embodiment includes a
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
The rotary handle 5 is connected to a launching device that launches a pachinko ball toward the
[0017]
As shown in FIG. 2, the
[0018]
Specifically, the processing performed in the
Step S1 (detects the incoming ball)
A player drives a pachinko ball into the
[0019]
Step S2 (supplying pachinko balls)
When detecting a winning signal from the winning detection sensor 11, the
[0020]
Step S3 (Lottery lottery)
When the
[0021]
Step S4 (send command)
The
[0022]
Step S5 (new entry detection?)
The
[0023]
As shown in FIG. 2, the image display device 7 includes an I /
[0024]
The I /
[0025]
The
[0026]
The three-dimensional
[0027]
Specifically, the three-dimensional
As illustrated in FIG. 3, the three-dimensional
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
The I /
[0032]
The geometry
[0033]
The
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
The
[0037]
The liquid crystal monitor 6 includes a
[0038]
First, a display mode displayed on the gaming machine according to the present embodiment will be described with reference to FIG.
On the
[0039]
Specifically, as shown in FIGS. 5A to 5B, an
[0040]
Further, in the
[0041]
Next, processing performed in the image display device 7 for realizing the display modes shown in FIGS. 5 and 6 will be described in detail with reference to the flowchart shown in FIG.
[0042]
Step T1 (Understanding commands)
The I /
[0043]
Step T2 (Set viewpoint in world coordinate system)
The three-dimensional
[0044]
In the initial state in which the identification symbol is displayed on the
[0045]
As shown in FIG. 9, the three-dimensional
[0046]
(P 0X , P 0Y , P 0Z ) = (Lsin θ y cos θ x + WP x
, Lsin θ x + WP y , L cos θ y cos θ x + WP z ) (1)
[0047]
The three-dimensional
[0048]
Step T3 (place each object)
The three-dimensional
[0049]
Next, the coordinate values of the X-axis components of the placement positions P 5 and P 6 of the objects B3 and B4 for displaying the
[0050]
Further, the three-dimensional
[0051]
Here, the 3D
[0052]
As shown in FIG. 12, the
[0053]
The three-dimensional
[0054]
Step T4 (deformation correction of the viewpoint coordinate system)
The three-dimensional
[0055]
Specifically, the three-dimensional
[0056]
(A × b) ÷ (a × B) (2)
[0057]
When the aspect ratio of the display image generated in the frame memory is 3: 4 and the aspect ratio of the
[0058]
Step T5 (projection on the projection plane)
The three-dimensional
[0059]
Further, the three-dimensional
[0060]
Step T6 (generation of display image)
First, the three-dimensional
[0061]
Next, the three-dimensional
[0062]
Step T7 (display)
The three-dimensional
[0063]
In the pachinko machine described above, the direction of the line of sight of the viewpoint, which is a reference for display on the
[0064]
In the above-described embodiment, the liquid crystal monitor has been described. However, for example, a CRT monitor or an LED monitor can be used instead of the liquid crystal monitor.
[0065]
In the above-described embodiments, the pachinko machine has been described as the gaming machine. However, the present invention is not limited to this, and can be modified to a gaming machine such as a slot machine or a coin game machine.
[0066]
Further, in the above-described embodiments, the display mode in which the octopus operates at the time of reach has been described. However, the present invention is not limited to the display mode at the time of reach. For example, during a big hit round, normal fluctuation, or demonstration A display mode such as time can be applied as appropriate.
[0067]
【The invention's effect】
As apparent from the above description, according to the present invention, sets the target point in the virtual three-dimensional space, based on the target point of the virtual three-dimensional space, in the base point of the line of sight facing the point of interest Since a certain viewpoint is set, the viewpoint that is the base point on the line of sight that accurately points in any direction with relatively simple processing compared to the case where the direction of the line of sight is determined after setting the viewpoint as in the past. Can be set. In addition, since the line of sight can be accurately directed in the direction of the object that fluctuates in the virtual three-dimensional space, the object in the virtual three-dimensional space can be accurately displayed on the display screen, and the fun of the player is made permanent. Can be made.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external view showing a schematic configuration of a pachinko machine according to an embodiment.
FIG. 2 is a functional block diagram of the pachinko machine according to the embodiment.
FIG. 3 is a functional block diagram of a three-dimensional image processing unit.
FIG. 4 is a flowchart showing processing on a control board of a pachinko machine.
FIG. 5 is a diagram showing one display mode on the
FIG. 6 is a diagram showing a state of operation of an octopus identification symbol.
FIG. 7 is a flowchart showing processing in the image display apparatus.
FIG. 8 is a diagram illustrating a state in which objects are arranged in a world coordinate system.
FIG. 9 is a diagram illustrating a state in which a point of interest is set at an arrangement position of an object B3.
FIG. 10 is a diagram illustrating how a viewpoint is set based on a point of interest.
FIG. 11 is a diagram illustrating a relationship between a viewpoint in the world coordinate system and each object.
FIG. 12 is a diagram illustrating an octopus object in a local coordinate system.
FIG. 13 is a diagram illustrating a rotation operation of an arm part object.
FIG. 14 is a diagram showing a behavior of an arm at a specific position.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記仮想3次元空間内に注目点を設定する注目点設定手段と、
前記注目点に向けられた視線上の基点である視点を前記仮想3次元空間内に設定する視点設定手段と、
前記視点設定手段により設定された前記視点を基準として、遊技状態を識別するための複数の識別図柄に対応する複数のオブジェクトを前記仮想3次元空間内に配置する識別図柄配置手段と、
前記識別図柄に対応するオブジェクトが仮想3次元座標空間内の視点に基づいて設定される投影平面に投影された表示画像を生成する表示画像生成手段とによって生成された少なくとも1画面分の表示画像を記憶する画像記憶手段を備え、
前記視点設定手段は、前記注目点を原点とする新たな3次元の座標系を配置し、その新たな座標系内の2次元の各軸周りに回転させ、その回転後の新たな座標系を前記注目点から所定距離だけ離れた他の一次元の軸上の配置位置に移動させることにより、前記注目点を向く視線上の基点である視点を前記配置位置に設定するものであり、
前記仮想3次元空間内における注目点の座標値と、前記注目点における新たな座標系の2次元の各軸周りの回転角度と、前記注目点からの距離とから算出される座標値を求めて、前記座標値で特定される仮想3次元空間内の配置位置に、前記注目点を向く新たな座標系の他の1次元の軸を視線の方向とする視点を設定することを特徴とする遊技機。The object arranged in the virtual three-dimensional space is changed according to the gaming state, and the line of sight from the viewpoint set in the virtual three-dimensional space is directed to the changed object, and the line of sight is directed In the gaming machine that displays the state in the virtual three-dimensional space on the display screen,
Attention point setting means for setting the attention point in the virtual three-dimensional space;
Viewpoint setting means for setting a viewpoint that is a base point on the line of sight directed to the attention point in the virtual three-dimensional space ;
Identification symbol arrangement means for arranging, in the virtual three-dimensional space, a plurality of objects corresponding to a plurality of identification symbols for identifying a gaming state with the viewpoint set by the viewpoint setting means as a reference;
Display images for at least one screen generated by display image generation means for generating a display image in which an object corresponding to the identification symbol is projected on a projection plane set based on a viewpoint in a virtual three-dimensional coordinate space. Image storage means for storing,
The viewpoint setting means arranges a new three-dimensional coordinate system having the attention point as an origin, rotates it around each two-dimensional axis in the new coordinate system, and sets the new coordinate system after the rotation. By moving to a placement position on another one-dimensional axis that is a predetermined distance away from the attention point, the viewpoint that is the base point on the line of sight facing the attention point is set as the placement position,
A coordinate value calculated from the coordinate value of the point of interest in the virtual three-dimensional space, the rotation angle around each two-dimensional axis of the new coordinate system at the point of interest, and the distance from the point of interest is obtained. A viewpoint having a line-of-sight direction as another one-dimensional axis of the new coordinate system that faces the point of interest is set at an arrangement position in the virtual three-dimensional space specified by the coordinate value. Machine.
前記画像記憶手段は、前記1画面分の表示画像を記憶する記憶領域を複数備え、 The image storage means includes a plurality of storage areas for storing display images for the one screen,
前記表示手段は、前記複数の記憶領域のうちの1つを選択し、該選択された記憶領域に記憶された表示画像を前記表示装置に出力するものであることを特徴とする遊技機。 The gaming machine is characterized in that the display means selects one of the plurality of storage areas and outputs a display image stored in the selected storage area to the display device.
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