JP4122895B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の前部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両としての自動車にあっては、車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成されている。車室側のうちダッシュパネルの直後方には、空調ユニットが配設されているのが通常である(例えば特開平8−58431号公報参照)。この空調ユニットは、車室内に開口された多くのエア吹出口に対して空調エアを供給する等のために車幅方向略中間部に位置されるのが一般的であり、このためエンジンの後方延長線上に空調ユニットが位置することとなる。空調ユニットは、少なくとも熱交換ユニット(冷房用と暖房用との2つの熱交換ユニットを有するのが一般的)を内蔵している他、この熱交換器を通過した後の空調エアが集合されるエアミックス室を有していることが多く、かなりの大型部材となると共に剛性に優れた強度部材ともなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両の運動性能向上等のために、車両の重心位置を極力車両の前後方向中間位置に設定することが望まれ、このために重量物であるエンジンを極力後方位置に配設することが望まれることになる。しかしながら、エンジンを単にダッシュパネル直近まで後方へ移動させた場合、ダッシュパネルを挟んでエンジンのすぐ後方に強度部材となる空調ユニットが位置してしまうことになる。このことは、前方衝突時において、後方へ移動されようとするエンジンによって空調ユニットが後方つまり車室側へと押圧されてしまうことになる。
【0004】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、前方衝突時に、エンジンによって空調ユニットが後方へ押圧されてしまうような事態の発生を極力防止あるいは低減できるようにした車両の前部車体構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニットが配設されてなる車両の前部車体構造において、
前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設され
前記ダッシュパネルの上端部に、車幅方向に延びるカウルボックスが接合され、
前記ダッシュパネルの下端部に、上方に向けて凸とされたトンネル部が、該ダッシュパネルから後方に延びるようにして一体的に連なり、
前記ダッシュパネルと前記空調ユニットとの間に鋼板製の基板が配設されて、少なくとも、前記カウルボックス、前記ダッシュパネル、前記基板により閉断面構造が構成されている、
ようにしてある。これにより、エンジンをダッシュパネルと干渉しない範囲で極力後方に配置した場合でも、空調ユニットとダッシュパネルとの間、つまりエンジンと空調ユニットとの間が所定距離離間したクラッシュスペースが位置することになるので、前方衝突時にエンジンによって空調ユニットが大きく後方へ押圧されてしまうような事態が防止あるいは低減されることになる。
【0006】
上記請求項1に係る発明の好ましい態様として、以下の態様を採ることができる。すなわち、
前記空調ユニットと前記ダッシュパネルとの間に、前記基板を構成要素として含む荷重吸収部材が配設され、
前記荷重吸収部材が、前方衝突時に発生する前後方向の荷重を吸収するように設定されている、ようにすることができる(請求項2対応)。この場合、前方衝突時に後方へ移動されようとするエンジンを荷重吸収部材によって受け止めて、請求項1に対応した効果をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0007】
前記カウルボックスに、フロントウインドガラスの下端部が支持されており、
前記空調ユニットは、該空調ユニットの存在する車幅方向において、前記フロントウインドガラスの下端位置よりも後方に位置されている、
ようにすることができる(請求項7対応)。この場合、空調ユニットは、フロントウインドガラス下端との位置関係を考慮したときに十分後方へ位置されたものとなり、クラッシュスペースを十分に確保する上で好ましい位置設定となる。
【0008】
また、前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項3に記載のように、
車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニッ トが配設されてなる車両の前部車体構造において、
前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設されることにより、該空調ユニットとダッシュパネルとの間が、前方衝突時における衝撃吸収用のクラッシュスペースとして設定され、
前記空調ユニットとダッシュパネルとの間には、前方衝突時に発生する前後方向の荷重を吸収する荷重吸収部材が配設され、
前記荷重衝撃部材が、前後方向の荷重を受けて前後方向に縮み変形されるクラッシュカンとされている、
ようにしてある。これにより、エンジンをダッシュパネルと干渉しない範囲で極力後方に配置した場合でも、空調ユニットとダッシュパネルとの間、つまりエンジンと空調ユニットとの間が所定距離離間したクラッシュスペースが位置することになるので、前方衝突時にエンジンによって空調ユニットが大きく後方へ押圧されてしまうような事態が防止あるいは低減されることになる。
また、空調ユニットとダッシュパネルとの間には、前方衝突時に発生する前後方向の荷重を吸収する荷重吸収部材が配設されていることに基づき、前方衝突時に後方へ移動されようとするエンジンを荷重吸収部材によって受け止めて、請求項1に対応した効果をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
さらに、前記荷重衝撃部材が、前後方向の荷重を受けて前後方向に縮み変形されるクラッシュカンとされている、ことに基づき、もっぱら衝撃緩和用として機能されるクラッシュカンによって、請求項2に対応した効果を十分に発揮させることができる。
【0009】
また、前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項4に記載のように、
車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニットが配設されてなる車両の前部車体構造において、
前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設されることにより、該空調ユニットとダッシュパネルとの間が、前方衝突時における衝撃吸収用のクラッシュスペースとして設定され、
前記空調ユニットとダッシュパネルとの間には、前後方向の荷重を受けて容易に変形し得る車両補機が配設され、
前記車両補機が、フロントウインドガラス用のウオッシャタンクとされている、
ようにしてある。これにより、エンジンをダッシュパネルと干渉しない範囲で極力後方に配置した場合でも、空調ユニットとダッシュパネルとの間、つまりエンジンと空調ユニットとの間が所定距離離間したクラッシュスペースが位置することになるので、前方衝突時にエンジンによって空調ユニットが大きく後方へ押圧されてしまうような事態が防止あるいは低減されることになる。
また、空調ユニットとダッシュパネルとの間に、前後方向の荷重を受けて容易に変形し得る車両補機が配設されていることに基づき、クラッシュスペースを、車両補機の設置スペースとしても、有効に利用できる。
さらに、車両補機が、フロントウインドガラス用のウオッシャタンクとされていることに基づき、フロントウインドガラスに近い位置に、そのウオッシャタンクを位置させることができる。勿論、ウオッシャタンクそのものは、内部が中空状とされていて前後方向には容易に変形できるので、エンジンからの後方への荷重が空調ユニットへダイレクトに伝達されてしまう事態を防止しつつ、適度な前後方向の衝撃緩和も期待できる。
【0010】
上記請求項1,3,4に係る発明の好ましい態様として、以下の態様を採ることができる。すなわち、
前記ダッシュパネルはその車幅方向略中間部が後方に向けて突出するように形成されて、該突出された部分に対応して前記エンジンルームには部分的に後方へ拡大された拡大部が構成されており、
前記エンジンの後端部が、前記拡大部内に入り込んでいる、
ようにすることができる(請求項対応)。この場合、重量物であるエンジンのみを特に後方へ位置させることが可能となって、車両の重心位置を車両の前後方向中心に近づける上で極めて好ましいものとなる。勿論、ダッシュパネルを全体的に後方へ移動させた場合に比して、車室空間特に前席の足下空間を大きく確保することができる。
【0011】
前記空調ユニットに対して、左右方向または上下方向にオフセットさせてオーディオユニットが配設されている、ようにすることができる(請求項対応)。この場合、前後方向にかなりの寸法を有するオーディオユニットを、空調ユニットに対して前後方向に直列に配設する必要がなくなる。このことは、クラッシュスペース確保のために、インストルメントパネルを後方つまり車室側に大きく後退させる必要がなくなり、車室空間(前後方向空間)を極力広く確保する上で好ましいものとなる。ちなみに、通常行われているように、空調ユニットの直後方にオーディオユニットを配設した場合は、このオーディオユニットの分だけインストルメントパネルの位置を後方へ位置させる必要が生じてしまうことになる。
【0012】
上記請求項3,4に係る発明の好ましい態様として、
前記ダッシュパネルの上端部は、車幅方向に伸びる閉断面状のカウルボックスに接合され、
前記カウルボックスに、フロントウインドガラスの下端部が支持されており、
前記空調ユニットは、該空調ユニットの存在する車幅方向において、前記フロントウインドガラスの下端位置よりも後方に位置されている、
ようにすることができる(請求項8対応)。この場合、空調ユニットは、フロントウインドガラス下端との位置関係を考慮したときに十分後方へ位置されたものとなり、クラッシュスペースを十分に確保する上で好ましい位置設定となる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンを極力後方へ配置しつつ、前方衝突時においてエンジンによって空調ユニットが後方へ押圧されてしまう事態を防止あるいは低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1、図2おいて、1はダッシュパネルであって、このダッシュパネル1の前方がエンジンルーム2とされ、ダッシュパネル1の後方が車室3とされている。エンジンルーム2には、エンジン4が配設されている。このエンジン4は、実施形態では、往復動型の直列多気筒エンジンとされて、そのクランク軸(出力軸)が前後方向に伸びる縦置き型の配置とされている。そして、エンジン4の後端部には変速機5が連結され、それぞれ図示を略すが、変速機5の後端部から伸びる出力軸が、前後方向に伸びるプロペラシャフトを介して後輪に連結されている。このように、実施形態では、車両は、後輪が駆動される後輪駆動車とされている。
【0015】
ダッシュパネル1は、図3に詳細に示すように、全体的にほぼ上下方向および車幅方向に伸びているが、その車幅方向略中間部において、後方(車室3側)に向けて膨出(突出)された膨出部(凹部)1aが形成されている。この膨出部1aに対応して、エンジンルーム2側においては、後方へ突出した拡大部が形成されることになる。つまり、エンジンルーム2は、膨出部1aに相当する分だけ後方へ拡大されている。なお、膨出部1aは、車幅方向略中間部のみに形成されているので、運転席や助手席の足下スペース(前後方向スペース)は十分確保されるものである。
【0016】
ダッシュパネル1の下端部は、車室床面を構成するフロアパネル6に連なっている。このフロアパネル6は、車幅方向略中間部において、上方に向けて凸となるように膨出形成されたトンネル部6aが形成されている。このトンネル部6aは、車室3のほぼ全長に渡って前後方向に伸ばして形成されていて、その前端部は、ダッシュパネル1のうち前記膨出部1aに一体的に連なっている。そして、前記変速機5やプロペラシャフトが、トンネル部6a内に配置されている。なお、トンネル部6aは、その前端部が、前方に向かうにつれて徐々にその幅が大きくされ、また徐々に上方に向けて伸びて、最終的にダッシュパネル1の膨出部1aに連なっている。
【0017】
ダッシュパネル1の上端部は、車幅方向ほぼ全長に渡って伸びるカウルボックス10の前端部に接合されている。このカウルボックス10は、全体的に閉断面状とされて、実施形態では、上方に向けて開口された断面略コ字状のロアパネル11と、ロアパネル11の上方開口を施蓋するようにロアパネル11に接合されたアッパパネル12とから構成されている。このようなカウルボックス10には、その前面において、ダッシュパネル1に形成された膨出部1aに対応させて、後方に向けて凸となるように膨出させることにより形成された凹部10aが形成されている。この凹部10aは、膨出部1aに連なって、エンジンルーム2を後方へ拡大するものとなる。このように、ダッシュパネル1の膨出部1aとカウルボックス10の凹部10aとによって、エンジンルーム2は、車幅方向略中間部において後方へ拡大されることになる。このようなカウルボックス10の後端部上面には、フロントウインドガラス13の下端部が支持されている。なお、図1中、符号14は、エンジンルーム2の上方を覆うボンネットである。
【0018】
エンジン4は、エンジンルーム2のうち十分に後方に位置されて、その後端部は、膨出部1a内に入り込んでいる。すなわち、エンジン4の上端(シリンダヘッドカバーの上端)の高さ位置は、カウルボックス10の下面よりも若干低くされているが、エンジン4の後端面は、膨出部1aの後端位置付近(ダッシュパネル1のうち膨出部1aのもっとも奥深い位置)に位置するようにされている。
【0019】
ダッシュパネル1の後方となる車室側には、空調ユニット20が配設されている。この空調ユニット20は、車幅方向略中間部に位置されて、エンジン4の後方延長線上に位置されている。つまり、エンジン4がまっすぐ後方へ大きく移動されたときに、後方へ移動されたエンジン4と干渉する位置に空調ユニット20が配設されている。空調ユニット20は、冷房用や暖房用の各熱交換器を有する他、温度や湿度が調整された後の空調エアが集合されるミックス室を有している。そして、空調ユニット20は、車室3内に設けられた複数の空調エア吹き出し口に連なる複数のダクトが接続されている。
【0020】
空調ユニット20は、ダッシュパネル1(の膨出部1a)よりも所定距離だけ後方に離れて位置されている。実施形態では、空調ユニット20の前端面位置が、空調ユニット20が存在する車幅方向範囲において、カウルボックス10の後端面位置に対してほぼ同じ位置か若干後方に位置するような位置設定とされている。このダッシュパネル1と空調ユニット20との前後方向の離間距離となる上記所定距離は、後述するように、前方衝突時において衝撃を吸収するクラッシュスペースCSとして機能するのに十分な距離とされている。具体的には、上記所定距離は、大きいほど衝撃吸収のためには好ましいものであるが、車室3の前後方向長さの確保の観点をも考慮して、例えば10cm〜20cm程度の範囲で設定することができる。上記クラッシュスペースCSが、図1において、一点鎖線のハッチングが施されたボックス形状として仮想的に示されている。
【0021】
前記クラッシュスペースCSには、前後方向の荷重を吸収するための荷重吸収部材30が配設されている。この荷重吸収部材30は、前方衝突時に前後方向の荷重を吸収して、空調ユニット20側つまり車室3側に大きな外力が作用するのを防止あるいは低減するための衝撃吸収を行うものである。実施形態では、荷重吸収部材30は、前後方向の荷重を受けたときに前後方向に縮み変形して、荷重吸収を行う専用部材とされている。
【0022】
前記荷重吸収部材30の具体例について、図5をも参照しつつ説明する。まず、荷重吸収部材30は、大別して、基板31と、変形用部材32と、調整板33とを有する。基板31は、剛性に優れた鋼板等によって形成されて、その大きさは、空調ユニット20を前後方向からみたときの投影面積よりも若干大きくされている。変形用部材32は、例えば鉄板等により断面略コ字状に形成されると共に、前後方向に容易に縮変形できるように蛇腹状に形成されている。調整板33は、全体的に平板状とされて、断面コ字状とされた変形用部材32の開口部を施蓋するようにして変形用部材32に接合されている。このように、変形用部材32と調整板33とは、互いに協働して前後方向に伸びる筒状(閉断面状)に形成されて、その後端部が基板31に接合されている。
【0023】
前記基板31は、上下方向(車幅方向)に伸ばした状態で、空調ユニット20の直前方に位置されている。基板31の上端部がカウルボックス10の後端部に接合され、その下端部がダッシュパネル1(のうち膨出部1aの最後端付近)に接合されている。このように、荷重吸収部材30は、空調ユニット20とエンジン4との間に位置されることになるが、変形用部材32と調整部板33との組み立てユニットの前端部は、エンジン4の直後方のダッシュパネル1(の膨出部1a)に接合されている。
【0024】
空調ユニット20は、インストルメントパネル40に覆われて、車室側からは目視できないようになっている(空調ユニット20がインストルメントパネル40内に配設されている)。インストルメントパネル40の上端部(前端部)は、カウルボックス10の後端部に接合されている。このインストルメントパネル40内には、図4に示すように、空調用のブロア(送風機)41と、オーディオユニット42とが配設されるとともに、助手席用のグローブボックス(小物入れ)43が配設されている。すなわち、空調ユニット20に対して、ブロア41、オーディオユニット42,グロブボックス43がそれぞれ、車幅方向にオフセットされている(実施形態では、助手席側にオフセットされている)より具体的には、空調ユニット20の側方にオーディオユニット42が配設され、このオーディオユニット42よりも車幅方向外側にグローブボックス43が配置されている。そして、ブロア41は、空調ユニット20の側方で、かつオーディオユニット42およびグローブボックス43の直前方に位置されている。なお、図4中、符号15は、ステアリングハンドルである。
【0025】
ブロア41は、図示を略すダクトを介して空調ユニット20と接続されて、空調エアの送風源として機能されるものである。オーディオユニット42は、例えばチューナや、CD、MD、カセットテープ等の各種の音声等の記録再成メテ゛ィアを受け入れて再成を行うドライブ類で構成されている。インストルメントパネル40の車幅方向略中間部には、操作部44が配設されている。この操作部44には、オーディオユニット42を操作するボリューム等の各種の操作スイッチやオーディオ用の表示部が集中配置され、同様に、温度調整スイッチ等の各種の空調用の操作スイッチや空調用表示部が集中配置されている。勿論、上記操作部44は、車室側にいる乗員によって操作されるものである。
【0026】
以上のような実施形態において、前方衝突時には、エンジン4が後方に向けて移動される(図において、後方へ移動されたエンジン4が二点鎖線で示される)。エンジン4と空調ユニット20との間には、あらかじめクラッシュスペースCSが形成(確保)されているので、後方へ移動するエンジン4によって空調ユニット20がエンジン4から後方への大きな押圧力を受ける事態が防止あるいは低減されることになる。そして、前方衝突時には、エンジン4が荷重吸収部材30を押しつぶしつつ後方へ移動しようとするので、エンジン4の後方への移動加速度あるいは移動速度が緩和されることとなる。つまり、後方へ移動されるエンジン4によってたとえ空調ユニット20が後方へ押圧されたとしても、この空調ユニット20へ作用する後方への押圧荷重は十分低減されたものとなる。
【0027】
図6、図7は、本発明の別の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する(このことは、以下のさらに別の実施形態についても同じ)。本実施形態では、クラッシュスペースCSに、前記荷重吸収部材30に代えて、前後方向に容易に変形できる車両補機としてのウオッシャタンク51を配設するようにしてある。
【0028】
ウオッシャタンク51は、例えばフロントウインドガラス用とされて、ウオッシャ液を補充するための補充口が、連通管52を介して、カウルボックス10の上面に開口されている(図面では、補充口を施蓋する蓋体53が示される)。カウルボックス10のパネル11、12には、カウルボックス10の上方からウオッシャタンク51に容易に接近できるように(ウオッシャタンク51の取付、取外しができるように)、整備用開口54、55が形成されており、もっとも上方に位置する開口55が、蓋部材56によって施蓋されている。なお、この蓋部材56は、ボルト等の固定具によって、カウルボックス10に対して着脱自在とされている。勿論、ウオッシャ液の補充口用の蓋体53は、蓋部材56よりも上方に位置されている。
【0029】
ウオッシャタンク51は、前記実施形態と同様に、基板57(前記実施形態における基板31に対応)を利用して、車体に保持される。すなわち、基板57には、取付用ブラケット58が複数個設けられる一方、ウオッシャタンク51には、取付ブラケット59が複数個設けられて、各ブラケット58と59とを整合させた状態で、図示を略すボルト等の固定具によって、ウオッシャタンク51が基板57に固定される。勿論、基板57は、実施形態における基板31と同じような形態で、ダッシュパネル1、カウルボックス10に接合されている。なお、図7中符号60は、ウオッシャポンプである。
【0030】
ウオッシャタンク51は、内部にウオッシャ液を多量に貯溜するために大きな中空部を内部に有していて、例えば合成樹脂によって形成されて、前後方向の荷重を受けたときに容易に変形できるようになっている。つまり、前方衝突時において、後方へ移動されようとするエンジン4からの後方への大きな荷重を受けたときに、容易に縮み変形されて、空調ユニット20に対して後方への大きな外力が伝達されないようになっている。
【0031】
図8は、本発明のさらに別の実施形態を示すものである。本実施形態では、オーディオユニット42を、空調ユニット20の上方に配設したものとなっている。これにより、オーディオユニット42を空調ユニット20に対して車幅方向にオフセットした場合と同様に、インストルメントパネル40を大きく後方へ移動させることなく、空調ユニット20を大きく後方へ移動させた位置に設定することが可能になる。
【0032】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず例えば次のような場合をも含むものである。エンジン4は、車両駆動用の駆動源として機能するものであれば、ロータリピストンエンジン等その種類を問うものではなく、また、エンジン4は横置きの場合であってもよい。クラッシュスペースCSに配設されるウオッシャタンク51は、ヘッドライト用等、その用途は特に問わないものである。また、クラッシュスペースCSに配設される車両補機としては、ウオッシャタンク51に限らず、前後方向の荷重を受けて容易に変形できるものであれば適宜のものを採択することができる。図2、図5に示す荷重吸収部材30の前端部は、ダッシュパネル1に対して接合することなく、単に当接させるだけ、あるいは若干の隙間をあけて配設してもよい。オーディオユニット42を、空調ユニット20の下方に配設するようにすることもできる。また、空調用のブロア41を、空調ユニット20に内蔵させてもよい。ただし、空調ユニット20の前後方向長さを極力短くして、クラッシュスペースCSの前後方向長さを極力長く確保するという観点からは、ブロア41を空調ユニット20に対して車幅方向あるいは上下方向にオフセットさせて配置するのが好ましい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す要部斜視図。
【図2】図1のX2−X2線相当断面図。
【図3】ダッシュパネルの斜視図。
【図4】ダッシュパネルおよびその周辺の部材を上方から見た平面図。
【図5】荷重吸収部材の一例を示す分解斜視図。
【図6】本発明の別の実施形態を示すもので、図2に対応した断面図。
【図7】図6に用いられたウオッシャタンクとその取付部分を示す分解斜視図。
【図8】本発明のさらに別の実施形態を示すもので、図2に対応した要部断面図。
【符号の説明】
1:ダッシュパネル
1a:膨出部
2:エンジンルーム
3:車室
4:エンジン
5:変速機
6:フロアパネル
10:カウルボックス
20:空調ユニット
30:荷重吸収部材
40:インストルメントパネル
41:ブロア
42:オーディオユニット
43:グローブボックス
51:ウオッシャタンク
CS:クラッシュスペース

Claims (8)

  1. 車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニットが配設されてなる車両の前部車体構造において、
    前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
    前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設され
    前記ダッシュパネルの上端部に、車幅方向に延びるカウルボックスが接合され、
    前記ダッシュパネルの下端部に、上方に向けて凸とされたトンネル部が、該ダッシュパネルから後方に延びるようにして一体的に連なり、
    前記ダッシュパネルと前記空調ユニットとの間に鋼板製の基板が配設されて、少なくとも、前記カウルボックス、前記ダッシュパネル、前記基板により閉断面構造が構成されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 請求項1において、
    前記空調ユニットと前記ダッシュパネルとの間に、前記基板を構成要素として含む荷重吸収部材が配設され、
    前記荷重吸収部材が、前方衝突時に発生する前後方向の荷重を吸収するように設定されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  3. 車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニットが配設されてなる車両の前部車体構造において、
    前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
    前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設されることにより、該空調ユニットとダッシュパネルとの間が、前方衝突時における衝撃吸収用のクラッシュスペースとして設定され、
    前記空調ユニットとダッシュパネルとの間には、前方衝突時に発生する前後方向の荷重を吸収する荷重吸収部材が配設され、
    前記荷重衝撃部材が、前後方向の荷重を受けて前後方向に縮み変形されるクラッシュカンとされている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  4. 車室の前方にエンジンが配設されるエンジンルームが構成されて、該車室とエンジンルームとがダッシュパネルによって画成され、該ダッシュパネル後方の車室側に空調ユニットが配設されてなる車両の前部車体構造において、
    前記空調ユニットは、車幅方向ほぼ中間部でかつ前記エンジンの後方延長線上に位置するように配設され、
    前記空調ユニットが前記ダッシュパネルに対して所定距離後方に位置するように該ダッシュパネルから離して配設されることにより、該空調ユニットとダッシュパネルとの間が、前方衝突時における衝撃吸収用のクラッシュスペースとして設定され、
    前記空調ユニットとダッシュパネルとの間には、前後方向の荷重を受けて容易に変形し得る車両補機が配設され、
    前記車両補機が、フロントウインドガラス用のウオッシャタンクとされている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    前記ダッシュパネルはその車幅方向略中間部が後方に向けて突出するように形成されて、該突出された部分に対応して前記エンジンルームには部分的に後方へ拡大された拡大部が構成されており、
    前記エンジンの後端部が、前記拡大部内に入り込んでいる、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    前記空調ユニットに対して、左右方向または上下方向にオフセットさせてオーディオユニットが配設されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  7. 請求項1又は2において、
    前記カウルボックスに、フロントウインドガラスの下端部が支持されており、
    前記空調ユニットは、該空調ユニットが存在する車幅方向範囲において、前記フロントウインドガラスの下端位置よりも後方に位置されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
  8. 請求項3又は4において、
    前記ダッシュパネルの上端部は、車幅方向に伸びる閉断面状のカウルボックスに接合され、
    前記カウルボックスに、フロントウインドガラスの下端部が支持されており、
    前記空調ユニットは、該空調ユニットが存在する車幅方向範囲において、前記フロントウインドガラスの下端位置よりも後方に位置されている、
    ことを特徴とする車両の前部車体構造。
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