JP4122846B2 - 放電ランプ給電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプロジェクタなどの光学装置用の光源として使用される、高圧水銀放電ランプやメタルハライドランプ等の高輝度放電ランプ(HIDランプ)を点灯するための放電ランプ給電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタやDLP(TM)(テキサスインスツルメンツ社)プロジェクタ等の光学装置ための光源装置においては、高輝度放電ランプとこれを点灯するための給電装置が組み合わせて使用される。
【0003】
放電ランプの駆動に関しては、放電ランプの両極の電極の極性、すなわち一方が陰極で他方が陽極という関係が変化しないDC駆動と、陰極と陽極の関係が略周期的に交代するAC駆動とがある。また、AC駆動においては、その極性変化の速さ、すなわち駆動周波数については、数十ヘルツから数メガヘルツまで、広い周波数での駆動が可能である。
【0004】
前記放電ランプに放電電流を供給するための給電装置の構造に関しては、非常に大雑把に言えば、AC駆動のための給電装置は、DC駆動のための給電装置における、チョッパ回路などのバラスト回路の後に、極性反転させるためのインバータを追加したものである。
【0005】
したがって、DC駆動であれ、AC駆動であれ、この種の放電ランプの始動に際して、前記インバータを除外して考えれば、給電装置の働きと放電ランプの挙動は同様であるため、以下においては、主としてDC駆動の場合について簡単に説明する。
【0006】
給電装置の始動シーケンスの最初は、放電ランプに無負荷開放電圧と呼ばれる電圧の印加である。高電圧を発生させるスタータを動作させ、前記放電ランプの両極間に高電圧を印加して、放電空間に絶縁破壊を発生させ、これを種として放電を開始させる。絶縁破壊に成功すると、グロー放電と呼ばれる放電に移行する。以下において、グロー放電およびアーク放電時のランプ電圧(VL)とランプ電流(IL)の関係について表した図13を用いて説明する。
【0007】
グロー放電は、アーク放電に比して一般に放電電圧が高く、電流密度が低い放電であり、このときのランプは、図13においては、例えば点(J00)に示す状態が対応する。グロー放電期間において、電極、特に陰極の温度が十分上昇し、熱電子放出が可能な温度に達すると、放電形態はアーク放電に移行する。
【0008】
アーク放電に移行直後においては、ランプ電圧は、例えば10V程度の低い電圧を示すため、もしこの時点から定格電力をランプに投入しようとすると過大な電流を流さなければならない。そのため通常は、図13の点(J02)に示すように、ある一定水準の電流制限値(IL0)より小さいランプ電流しか流れないように、給電装置の回路が制御される。
【0009】
アーク放電に移行直後において低かったランプ電圧は、ランプの温度の上昇とともに高まって矢印(Y03)のように移行し、やがては、点(J03)に示すように、前記した電流制限値の範囲内のランプ電流によって定格電力をランプに投入できるようになる。
【0010】
ここで、定電力特性線(Fp0)は、ランプに投入される電力が定格電力値に等しくなる条件、すなわちランプ電圧(VL)とランプ電流(IL)の積が一定の条件を示し、ランプ電流の前記電流制限値(IL0)より小さい領域では、ランプ電圧(VL)とランプ電流(IL)の関係が概ねこの定電力特性線(Fp0)上に位置するように給電装置の回路が制御される。
【0011】
ランプの温度がさらに上昇すると、定電力特性線(Fp0)に沿って矢印(Y04)のように移行し、最終的にランプ電圧の上昇が飽和して、例えば点(J04)に示すような位置で定常状態に達する。
【0012】
ここで注意すべきは、前記電流制限値(IL0)の設定にはあまり自由度が無いということである。前記電流制限値(IL0)を大きくし過ぎると、給電装置を構成するFET等のスイッチ素子やダイオード等の半導体素子、チョークコイル等のコイル類などのパワー系素子の発熱が大きくなるため、より大型のスイッチ素子やダイオード、コイル類を用いたり、放熱フィンを大型化したり、冷却ファンを強化する必要があり、光学装置の大型化や重量化、高コスト化が避けられない。逆に、前記電流制限値(IL0)を小さくし過ぎると、前記点(J03)に示した、電流制限値の範囲内のランプ電流によって定格電力をランプに投入できるようになるまでの時間がかかり、ランプが実用的な明るさに達するまでの待機時間が長くなる。したがって、光学装置のコストや寸法、重量などの物的制約と、光学装置が使用可能になるまでの待機時間による実用的制約とから、前記電流制限値(IL0)の設定範囲が限定される。
【0013】
グロー放電はランプ電圧が高く、アーク放電はランプ電圧が低いが、給電装置の方式がどのようなものであれ、一般に、電圧の高い負荷には電力供給が困難であり、電圧の低い負荷には電力供給が容易である。ランプへの給電のための給電装置が、例えば図14に記載のような、降圧チョッパ方式のものを例にとって説明すると、この場合、バラスト回路(Bx’)の電力供給能力は、スイッチ素子(Qx)がオン状態であるデューティサイクル比により制御するが、放電ランプ(Ld)がグロー放電状態のときは、ランプ電圧が高いため、ランプに流れる電流は小さくても、前記デューティサイクル比は大きい値とすることが必要である。一方、放電ランプ(Ld)がアーク放電状態のときは、ランプ電圧が低いため、ランプに流れる電流は大きくても、前記デューティサイクル比は小さい値にしなければならない。
【0014】
ところが、前記したグロー放電からアーク放電への移行は、非常に急峻に起こる。このため、スイッチ素子(Qx)のデューティサイクル比を制御する回路は、デューティサイクル比の大きな値から小さな値まで、急峻に制御を行わなければならないことになるが、通常はこれに遅れを生じるため、グロー放電からアーク放電への移行時のランプ電圧とランプ電流の状態の軌跡は、図13において概念的に示す矢印(Y01)のようになり、電流制限値(IL0)を超えたオーバーシュート電流がランプに流れてしまうことが多い。
【0015】
回路技術的には、応答速度の速い素子を使用するなどすれば、このような制御の遅れを防止することができそうであるが、実際には、このようなスイッチング回路においては、スイッチ素子(Qx)をオン・オフする周期毎の離散的なタイミングでしか能力の制御を行うことができず、仮に、スイッチ素子(Qx)をオン・オフする周期よりも応答時間を短くしても、動作が不安定になるだけで、問題が解決しない。
【0016】
一方、スイッチ素子(Qx)をオン・オフする周波数を高めることにより、動作を安定な状態で応答速度を高めることは可能ではあるが、ランプ電流において、スイッチ素子(Qx)のオン・オフに起因するリプル成分の周波数が高いほど、放電ランプ(Ld)の音響共鳴現象が生じ易くなるため、この方法による応答速度の高速化にも限界がある。因みに、音響共鳴現象とは、前記リプル成分のランプ電流の摂動を受けて、放電ランプの放電空間に音波の定在波が立ち、プラズマが振動することにより発光のチラツキが発生したり、場合によっては放電が立ち消えたりする現象である。
【0017】
前記オーバーシュート電流は、ランプにダメージを与えるもので、特に陰極材料の急激な溶融や蒸発を助長し、また、蒸発した陰極材料がランプ封体に内面に付着することにより、ランプの黒化を生じて光の透過率を低下させたりするため、ランプの寿命を短縮する原因となる。
【0018】
この寿命短縮は、ランプの始動時に発生するため、ランプの点滅点灯の回数に依存して進行する。近年は、地球温暖化を防止するために、省エネルギーが求められており、前記光学装置に関しては、できる限り頻繁に消灯することが望ましいのであるが、前記したアーク放電移行時の寿命短縮が、ランプの点滅点灯の回数に依存して進行するものであるため、ランプ寿命の観点からは、なるべく頻繁に消灯させないような使い方が有利となるが、このような使い方は、前記省エネルギーの要求と相容れないものであった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術が抱える放電、すなわち、高輝度放電ランプのグロー放電からアーク放電への移行時に生じるオーバシュート電流にもとづくランプの寿命の短縮という問題を解決することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の請求項1の発明は、一対の電極が対向配置された放電ランプを始動し、前記電極に放電電流を供給するための給電装置において、前記給電装置は、前記放電ランプに流れる電流が所定の電流制限値を超えないように、ランプ電流とランプ電圧の関係を点でつないだ特性線上で制御するものであって、前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記電流制限値が第1の制限値であり、その後前記電流制限値を第2の制限値に変更する機能を有し、前記第1の制限値は前記第2の制限値の70%以下であり、かつ前記放電ランプがアーク放電に移行してから0.2ms以上の期間は前記電流制限値を第1の制限値保持されることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項2の発明は、一対の電極が対向配置された放電ランプを始動し、前記電極に放電電流を供給するための給電装置において、前記給電装置は、前記放電ランプに流れる電流が所定の電流制限値を超えないように、ランプ電流とランプ電圧の関係を点でつないだ特性線上で制御するものであって、前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記電流制限値が第1の制限値であり、その後前記電流制限値を第2の制限値に変更する機能を有し、前記第1の制限値は前記第2の制限値の70%以下であり、かつ前記放電ランプがアーク放電に移行してから前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでの時間が1ms以上となるように、前記電流制限値を徐々に変更することを特徴とするものである。
【0022】
【作用】
図1に、DC駆動方式の放電ランプ給電装置(Ex)の構成の、簡略化された一例を示す。給電装置(Ex)において、降圧チョッパ型のバラスト回路(Bx)は、PFC等のDC電源(Mx)より電圧の供給を受けて動作する。前記バラスト回路(Bx)においては、FET等のスイッチ素子(Qx)によってDC電源(Mx)よりの電流をオン・オフし、チョークコイル(Lx)を介して平滑コンデンサ(Cx)に充電が行われ、この電圧が放電ランプ(Ld)に印加され、放電ランプ(Ld)に電流を流すことができるように構成されている。
【0023】
なお、前記スイッチ素子(Qx)がオン状態の期間は、スイッチ素子(Qx)を通じた電流により、直接的に平滑コンデンサ(Cx)への充電と負荷である放電ランプ(Ld)への電流供給が行われるとともに、チョークコイル(Lx)に電流の形でエネルギーを蓄え、前記スイッチ素子(Qx)がオフ状態の期間は、チョークコイル(Lx)に電流の形で蓄えられたエネルギーによって、フライホイールダイオード(Dx)を介して平滑コンデンサ(Cx)への充電と放電ランプ(Ld)への電流供給が行われる。
【0024】
スタータ(Ui)においては、抵抗(Ri)を介して、ランプ電圧(VL)によってコンデンサ(Ci)が充電される。ゲート駆動回路(Gi)を活性化すると、サイリスタ等よりなるスイッチ素子(Qi)が導通することにより、前記コンデンサ(Ci)がトランス(Ki)の1次側巻線(Pi)を通じて放電し、2次側巻線(Hi)に高電圧パルスを発生する。
【0025】
スタータ(Ui)の2次側巻線(Hi)に発生した高電圧は、バラスト回路(Bx)の出力電圧に重畳されて電極(E1,E2)間に印加され、放電ランプ(Ld)の放電を始動することができる。給電制御回路(Fx)はあるデューティサイクル比を有するゲート駆動信号(Sg)を生成し、前記ゲート駆動信号(Sg)は、ゲート駆動回路(Gx)を介して、前記スイッチ素子(Qx)のゲート端子に加えられることにより、前記したDC電源(Mx)よりの電流のオン・オフが制御される。
【0026】
前記放電ランプ(Ld)の電極(E1,E2)間を流れるランプ電流(IL)と、電極(E1,E2)間に発生するランプ電圧(VL)とは、電流検出手段(Ix)と、電圧検出手段(Vx)とによって、検出できるように構成される。なお、前記電流検出手段(Ix)については、シャント抵抗を用いて、また前記電圧検出手段(Vx)については、分圧抵抗を用いて簡単に実現することができる。
【0027】
前記電流検出手段(Ix)よりのランプ電流信号(Si)、および前記電圧検出手段(Vx)よりのランプ電圧信号(Sv)は、給電制御回路(Fx)に入力され、その時点における放電ランプ(Ld)の放電状態の別、すなわち非放電状態であるか、グロー放電状態であるか(場合によっては、どのようなグロー放電状態であるか)、アーク放電状態であるか(場合によっては、どのようなアーク放電状態であるか)などに基づいて、ランプ電流(IL)やランプ電圧(VL)が、あるいはこれら電流と電圧の積であるランプ電力が、その目標値との差が減少するように、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比がフィードバック的に制御される。
【0028】
以下において、本発明の効果について、発明者らの実験結果を記載した図3、図4を用いて説明する。図3、図4は、異なる給電装置を用いて同じ種類のランプを5分間点灯し5分間消灯する点滅点灯サイクルを約500回繰り返した場合の、ランプの出力光量の減衰を示すものである。
【0029】
供試ランプは、石英ガラスよりなる封体に放電空間の容積1立方ミリメートルあたり0.15mgの水銀と臭素、アルゴンが封入された、定格電力が150Wのものを使用した。
実験に際し、放電ランプ(Ld)は、結晶化ガラスよりなる放物面鏡に対して、電極(E1,E2)間のアーク領域が、前記放物面鏡の焦点に位置するように装着し、ランプの出力光量は、前記電極(E1,E2)間のアーク領域から1mの距離において、光束のほぼ中央部に対応する地点の照度を照度計を用いて測定した。図3、図4においては、実験初期の照度を100%と見なした規格化により、縦軸を照度維持率として表してある。
【0030】
本発明の請求項1の発明に従い、給電装置(Ex)の構成を、原理的に後述の第1の実施例において説明する、図7の給電制御回路(Fx1)を用いたものとすることによって、前記給電装置(Ex)の出力であるランプ電流(IL)とランプ電圧(VL)との関係、すなわち出力電流電圧特性を、前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記電流制限値が第1の制限値IL1となるような、図2の点(P0a)、点(P0b)、点(P0c)、点(P11)、点(P1e)をつないだ特性線(Fg1)として示すような特性であるが、前記放電ランプがアーク放電への移行を検出後、前記電流制限値を第1の制限値に対する保持時間τ1を待って、矢印(Y12)のように前記電流制限値を第2の制限値に変更するようにし、前記第2の制限値IL2に対する前記第1の制限値IL1の比の値k(k=IL1/IL2)と、前記保持時間τ1として様々な値を有する給電装置とした場合の、実験終了時点での照度維持率として、図3の測定結果を得た。
【0031】
各測定は、2本のランプについての実験結果の平均値とした。また、前記電流制限値を第2の制限値IL2は、従来の技術の部分において述べた物的制約と実用的制約とから3.4Aとした。これに対し比較のための実験として、図13に記載の特性線(Fg0)のような出力電流電圧特性を有する、従来の給電装置とした場合の、実験終了時点での照度維持率は約65.5%であり、図3には、この実験結果を、k=1、τ1=0msとして記載してある。
【0032】
この実験結果から、前記比の値kが70%(0.7)以下である場合に、従来よりも照度維持率が改善され、また前記保持時間τ1が0.2ms以上である場合に、その改善の効果が大きくなっている。したがって、本発明の請求項1の発明に従う放電ランプ給電装置は、高輝度放電ランプのアーク放電移行時にランプの寿命が短縮する問題を解決することができることがわかる。
【0033】
なお、請求項1の発明の効果は、前記したアーク放電移行時のオーバーシュート電流が、従来のものでは、図13において概念的に示した矢印(Y01)のようであったものが、本発明においては、オーバーシュート電流が、前記電流制限値の小さい方の値である第1の制限値IL1が設定された状態において発生するため、図2において概念的に示す矢印(Y11)のように小さくなることによるものと推測される。
【0034】
また、本発明の請求項2の発明に従い、給電装置(Ex)の構成を、原理的に後述の第2の実施例において説明する、図9の給電制御回路(Fx2)を用いたものとすることによって、前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記特性線(Fg1)として示すような特性であるが、前記放電ランプがアーク放電への移行を検出後、矢印(Y12)のように前記電流制限値を第2の制限値に変更するに際し、前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでに遷移時間τ2を要するように徐々に変更するようにし、前記比の値kと、前記遷移時間τ2として様々な値を有する給電装置とした場合の、前記請求項1に関する実験と同様の実験により、実験終了時点での照度維持率として、図4の測定結果を得た。
【0035】
なお、この測定結果において前記遷移時間τ2の値の記載に少々の幅があるのは、前記給電制御回路(Fx2)において、前記比の値kの設定を抵抗(R12)によって行い、前記遷移時間τ2の設定を、専らコンデンサ(C12)によって行ったが、前記コンデンサ(C12)の静電容量を一定としても、前記抵抗(R12)の抵抗値を変えると、前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでに遷移時間が、図4に記載の、少々の幅の範囲内で変動することによるものである。
【0036】
この実験結果から、前記比の値kが70%(0.7)以下である場合に、従来よりも照度維持率が改善され、また前記遷移時間τ2が1ms以上である場合に、その改善の効果が大きくなっている。したがって、本発明の請求項2の発明に従う放電ランプ給電装置は、高輝度放電ランプのアーク放電移行時にランプの寿命が短縮する問題を解決することができることがわかる。
【0037】
なお、請求項2の発明の効果は、前記したアーク放電移行時のオーバーシュート電流が、従来のものでは、図13において概念的に示した矢印(Y01)のようであったものが、本発明においては、オーバーシュート電流が、前記電流制限値の小さい方の値である第1の制限値IL1から大きい方の値である第2の制限値IL2への遷移が十分には進んでいない状態において発生するため、図2において概念的に示す矢印(Y11)のように小さくなることによるものと推測される。
【0038】
【実施例】
先ず、本発明の請求項1の発明に基づく、第1の実施例について説明する。図5は、給電制御回路(Fx)の簡略化された構成を示すものである。前記ランプ電圧信号(Sv)は、総合制御部(Xpu)のなかのAD変換器(Adc)に入力されて、適当な桁数を有するディジタルのランプ電圧データ(Sxv)に変換され、マイクロプロセッサユニット(Mpu)に入力される。
【0039】
ここで、マイクロプロセッサユニット(Mpu)は、CPUやプログラムメモリ、データメモリ、クロックパルス発生回路、タイムカウンタ、ディジタル信号の入出力のためのIO制御器などを含む。
【0040】
マイクロプロセッサユニット(Mpu)は、前記ランプ電圧データ(Sxv)を参照した計算や、その時点の系の状態に応じた条件判断に基づき、後述するチョッパ能力制御回路(Ud)のための、チョッパ能力制御目標データ(Sxt)を生成する。前記チョッパ能力制御目標データ(Sxt)は、DA変換器(Dac)によって、アナログのチョッパ能力制御目標信号(St)に変換され、端子(Tt)よりチョッパ能力制御回路(Ud)に入力される。
【0041】
チョッパ能力制御回路(Ud)には、前記ランプ電圧信号(Sv)は端子(Tv)より、また前記ランプ電流信号(Si)は端子(Ti)よりそれぞれ入力される。さらに、ランプ電圧(VL)に応じて決められる、許容されるランプ電流の上限値を規定するためのランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流上限信号発生回路(Uc)により発生され、端子(Tk)より入力される。
【0042】
前記チョッパ能力制御回路(Ud)内においては、前記チョッパ能力制御目標信号(St)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad1)とダイオード(Dd1)を介して、さらに、前記ランプ電流上限信号(Sk)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad2)とダイオード(Dd2)を介して、ともにプルアップ抵抗(Rd1)の一端に接続され、チョッパ駆動目標信号(Sd2)が生成される。なお、前記プルアップ抵抗(Rd1)の他端は適当な電圧を有する基準電圧源(Vd1)に接続される。
【0043】
したがって前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)は、前記チョッパ能力制御目標信号(St)に対応する信号(Sd3)または前記ランプ電流上限信号(Sk)に対応する信号(Sd4)のうちの、何れか大きくない方が選択された信号となる。
【0044】
すなわち、前記総合制御部(Xpu)が、例えば、定格電力に対応する定数を前記ランプ電圧データ(Sxv)で除算して、定格電力を達成するためのランプ電流(IL)の値を算出し、この値に対応するものとして生成するなど、何らかの方法で前記チョッパ能力制御目標信号(St)を生成したとして、仮にこれが不適当であった場合でも、前記チョッパ能力制御回路(Ud)内において、ハードウェア的に、ランプ電流(IL)が前記ランプ電流上限信号(Sk)を超えないように、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)が制限されることになる。
【0045】
因みに、前記したAD変換器(Adc)やマイクロプロセッサユニット(Mpu)を介した制御は、動作速度が遅い(もしくは速いものとすると高コストとなる)ため、例えばランプの放電状態が急変するなどの事態が生じた場合には、その動作遅れによって、前記したチョッパ能力制御目標信号(St)の不適当が発生し得るため、このような電流制限機能をハードウェア的に構成することは、ランプや給電装置の保護の観点からも有益なことである。
【0046】
一方、前記ランプ電流信号(Si)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad3)とダイオード(Dd3)を介して、一端がグランド(Gndx)に接続されたプルダウン抵抗(Rd5)の他端に接続され、制御対象信号(Sd5)が生成される。
【0047】
さらに、前記ランプ電圧信号(Sv)は、比較器(Cmv)によって、前記した無負荷開放電圧に対応する電圧を有する基準電圧源(Vd2)の電圧と比較され、もし、前記ランプ電圧信号(Sv)が、無負荷開放電圧より高い場合は、トランジスタ(Qd1)がオフまたは能動状態になり、適当な電圧源(Vd3)から、抵抗(Rd4)とダイオード(Dd4)を介して、前記プルダウン抵抗(Rd5)に電流を流すことにより、前記制御対象信号(Sd5)の水準を上げるように動作する。
【0048】
逆に前記ランプ電圧信号(Sv)が、無負荷開放電圧より低い場合は、前記トランジスタ(Qd1)がオン状態になるため、前記電圧源(Vd3)からの電流は短絡され、前記制御対象信号(Sd5)は、前記ランプ電流信号(Si)に対応するものとなる。
【0049】
何となれば、前記のプルダウン抵抗(Rd5)とダイオード(Dd3)、ダイオード(Dd4)よりなる回路は、各ダイオードのアノード側の信号(Sd6)と信号(Sd7)の何れか小さくない方に対応する電圧が選択されてプルダウン抵抗(Rd5)に発生するからである。
【0050】
なお、前記比較器(Cmv)については、その出力端子と非反転入力端子に正帰還抵抗を挿入する(図示を省略)などして、比較動作にヒステリシスを持たせることにより、比較出力が変化する際の意図しない発振現象を防止することができる。
【0051】
このように構成したことにより、たとえ出力電流がほとんど停止して、前記ランプ電流信号(Si)がほとんど入らない状態であっても、前記ランプ電圧信号(Sv)が、前記無負荷開放電圧より高くなろうとすると、前記制御対象信号(Sd5)が急速に上昇することにより、ランプ電圧(VL)は、概略無負荷開放電圧以下に、常にハードウェア的に制限される。
【0052】
前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)は、抵抗(Rd2)と抵抗(Rd3)で分圧されて、演算増幅器(Ade)の反転入力端子に入力される。一方、前記制御対象信号(Sd5)は、前記演算増幅器(Ade)の非反転入力端子に入力される。そして、前記演算増幅器(Ade)の出力信号(Sd1)は、積分コンデンサ(Cd1)とスピードアップ抵抗(Rd6)を介して反転入力端子にフィードバックされているため、前記演算増幅器(Ade)は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)の抵抗(Rd2)と抵抗(Rd3)による分圧電圧に対する、前記制御対象信号(Sd5)の電圧の差を積分する、誤差積分回路としてはたらく。
【0053】
時定数を決めるための抵抗(Rd0)とコンデンサ(Cd0)が接続された発振器(Osc)は、図6のaに示すような鋸歯状波信号(Sd0)を発生し、この鋸歯状波信号(Sd0)と、前記誤差積分回路の出力信号(Sd1)とは、比較器(Cmg)で比較される。
【0054】
ただし比較に際しては、前記誤差積分回路の出力信号(Sd1)に対してオフセット電圧(Vd4)を加えた信号(Sd8)と前記鋸歯状波信号(Sd0)とが比較される。
【0055】
前記鋸歯状波信号(Sd0)の電圧が前記信号(Sd8)の電圧よりも高い期間においてハイレベルとなる前記ゲート駆動信号(Sg)が生成され、端子(Tg)を通して前記チョッパ能力制御回路(Ud)から出力される。
【0056】
前記したように、前記信号(Sd8)は誤差積分回路の出力信号(Sd1)にオフセットを加えたものであるため、前記誤差積分回路の出力信号(Sd1)が仮に零であったとしても、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比は、100%より小さいある最大値、すなわち最大デューティサイクル比DXmax以下になるように構成されている。
【0057】
図6のaおよびbには、前記誤差積分回路の出力信号(Sd1)、およびこれに対してオフセットを加えた信号(Sd8)、前記鋸歯状波信号(Sd0)と前記ゲート駆動信号(Sg)の関係が示されている。
【0058】
前記給電制御回路(Fx)から出力された前記ゲート駆動信号(Sg)が、前記ゲート駆動回路(Gx)に入力されることにより、結果として、前記ランプ電流信号(Si)および前記ランプ電圧信号(Sv)が、スイッチ素子(Qx)の動作にフィードバックされたフィードバック制御系が完成する。
【0059】
なお、前記図5に記載のチョッパ能力制御回路(Ud)の構成に際しては、前記演算増幅器(Ade)や発振器(Osc)、比較器(Cmg)などが集積された市販の集積回路として、テキサスインスツルメンツ社製TL494などを利用することができる。
【0060】
先述の図5においては、前記給電制御回路(Fx)内の前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc)は、内部構成が示されないブロックとして記載したが、図7に、具体的に構成を示したランプ電流上限信号発生回路(Uc1)とした給電制御回路(Fx1)の簡略化された実施例を示す。
【0061】
始めに、総合制御部(Xpu)よりの抑制信号(Sa)はローレベルであり、そのため、トランジスタ(Q12)はオフ状態であるとする。ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)へは、端子(Tf)よりランプ電圧信号(Sv)が入力され、比較器(Cm11)により、基準電圧源(V12)の電圧と比較され、もし、前記ランプ電圧信号(Sv)が、前記基準電圧源(V12)の電圧より高い場合は、前記比較器(Cm11)はハイレベルの信号を出力するため、ダイオード(D11)を介してコンデンサ(C11)を充電するとともに、抵抗(R13)、抵抗(R14)を介して、トランジスタ(Q11)がオン状態にされるため、適当な電圧値を有する電圧源(V11)の電圧が抵抗(R11)と抵抗(R12)によって分圧され、端子(Tj)から低い方のレベルのランプ電流上限信号(Sk)として出力される。
【0062】
逆に前記ランプ電圧信号(Sv)が、前記基準電圧源(V12)の電圧より低い場合は、前記比較器(Cm11)はローレベルの信号を出力するため、前記トランジスタ(Q11)がオフまたは能動状態になり、前記電圧源(V11)の電圧が、前記抵抗(R11)を介して、高い方のレベルのランプ電流上限信号(Sk)として出力される。
【0063】
ただしこの場合、前記比較器(Cm11)は、前記コンデンサ(C11)を放電しなければならないが、前記ダイオード(D11)が逆方向であることにより、抵抗(R15)を介して放電されため、前記比較器(Cm11)がローレベルになった時点よりも、概ね前記コンデンサ(C11)の静電容量と、前記抵抗(R15)の抵抗値の積で計算される時定数だけ遅れて前記した高い方のレベルのランプ電流上限信号(Sk)が出力される。すなわち、前記ダイオード(D11)、前記抵抗(R15)前記コンデンサ(C11)からなる部分は、前記比較器(Cm11)がハイレベルからローレベルに遷移する場合にのみはたらく遅延回路として動作する。
【0064】
したがって、図7に示した前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)は、前記基準電圧源(V12)の電圧で決まる電圧VLt1を境界として、ランプ電圧(VL)がこの境界電圧VLt1より高い場合は、ランプ電流(IL)を前記電流制限値の第1の制限値IL1に制限し、ランプ電圧(VL)がこの境界電圧VLt1より低い場合は、ランプ電流(IL)を前記電流制限値の第2の制限値IL2に制限するように、前記電圧源(V11)の電圧と、抵抗(R11)と抵抗(R12)による分圧比を決めればよく、これらの関係を適宜設定することにより、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する第1の制限値IL1の比の値kを所望の値とすることができる。
【0065】
また、前記境界電圧VLt1が、グロー放電時に生じ得るランプ電圧の下限値よりも低く、グロー放電からアーク放電に移行直後のランプ電圧の下限値よりも高い値になるようにして、前記比較器(Cm11)がローレベルであるときにランプの放電状態がアーク放電であることを検知できるように、前記基準電圧源(V12)の電圧を決めればよい。
【0066】
さらに、前記放電ランプがアーク放電への移行を検出後に、前記電流制限値を第2の制限値に変更する前に第1の制限値に保持する、前記保持時間τ1を与えるように、前記コンデンサ(C11)の静電容量と、前記抵抗(R15)の抵抗値を決めればよく、これらの関係を適宜設定することにより、前記保持時間τ1を所望の値とすることができる。
【0067】
このようなバラスト回路(Bx)の構成により、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、総合制御部(Xpu)は、前記チョッパ能力制御目標信号(St)が十分に高く設定しておくとして、グロー放電時およびアーク放電移行直後から前記保持時間τ1を経過するまでの期間における出力電流電圧特性は、前記したように図2の点(P0a)、点(P0b)、点(P0c)、点(P11)、点(P1e)をつないだ特性線(Fg1)として示すような特性になる。そして、アーク放電移行直後から前記保持時間τ1を経過後の期間における出力電流電圧特性は、図8の点(P0a)、点(P0b)、点(P0c)、点(P11)、点(P12)、点(P13)、点(P0e)をつないだ特性線(Fg2)として示すような特性になる。
【0068】
ここで、点(P12)および点(P13)における電圧は概略同じで、前記境界電圧VLt1で規定される値となる。また、点(P11)および点(P12)における電流は概略同じで、前記電流制限値の第1の制限値IL1で規定される値となり、さらに、点(P13)および点(P0e)における電流は概略同じで、前記電流制限値の第2の制限値IL2で規定される値となる。
【0069】
以下において、給電制御回路(Fx)として図7に記載の給電制御回路(Fx1)を有する給電装置(Ex)が、前記図2、図8の特性線(Fg1,Fg2)に示す特性を与える理由を簡単に説明する。
【0070】
一般に、降圧チョッパ回路は、入力電圧と出力電圧の電圧差によって出力電流を流すものであるため、出力電圧が高くなるほど、出力電流供給能力は小さくなり、逆に出力電圧が低くなるほど、出力電流供給能力は大きくなる。言い換えれば、出力電流が小さいほど、高い電圧を出力することができるようになり、逆に出力電流が大きいほど、低い電圧しか出力できなくなる。
【0071】
前記特性線(Fg1,Fg2)の点(P0a)は、前記した無負荷開放電圧を発生している状態に対応し、点(P0a)から点(P0b)に至る平坦な部分は、ランプ電流(IL)が流れていない、もしくは小さいことに起因して、前記したように、ランプ電圧信号(Sv)が無負荷開放電圧より高くなろうとするために、前記トランジスタ(Qd1)がオフまたは能動状態になり、チョッパ能力制御回路(Ud)のフィードバック制御機能によって、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比を前記最大デューティサイクル比DXmaxから低下させ、ランプ電圧信号(Sv)が無負荷開放電圧を超えないように制御されることに対応して生ずる。点(P0a)から点(P0b)に至る部分を除いた他の部分では、ランプ電圧信号(Sv)が無負荷開放電圧より低いために前記トランジスタ(Qd1)がオン状態になる。
【0072】
一方、前記特性線(Fg1,Fg2)の点(P0b)から点(P0d)に至る部分では、前記制御対象信号(Sd5)は、前記ランプ電流信号(Si)に対応するものとなるが、前記したように前記チョッパ能力制御目標信号(St)は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記チョッパ能力制御目標信号(St)が選択されるように、十分に高く設定されており、また、前記したように前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比は、前記最大デューティサイクル比DXmaxを超えることができないため、前記ランプ電流信号(Si)は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)、すなわち前記ランプ電流上限信号(Sk)で規定される水準に達することができず、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比が前記最大デューティサイクル比DXmaxに固定された状態が維持される。
【0073】
前記特性線(Fg1,Fg2)の点(P0b)から点(P11)に至る部分のうち、点(P0b)から点(P0c)に至る双曲線様の部分は、前記スイッチ素子(Qx)と前記チョークコイル(Lx)、前記フライホイールダイオード(Dx)よりなる前記降圧チョッパ回路が断続モード(不連続モード)で動作している状態に対応する。
【0074】
さらに、点(P0c)から点(P11)または点(P0d)に至る右下がりの比較的平坦な部分は、前記降圧チョッパ回路が、連続モードで動作している状態に対応する。ここで、前記降圧チョッパ回路の断続モードとは、図6のcに示すように、前記ゲート駆動信号(Sg)に従ってスイッチ素子(Qx)のオン・オフが制御されるチョークコイル(Lx)に関して、その電流(Icoil)が概略0である期間(Tn)が存在する状態を意味し、また連続モードとは、図6のdに示すように、チョークコイル(Lx)の電流(Icoil)が概略0である期間(Tn)が存在しない状態を意味する。
【0075】
一般に、デューティサイクル比が固定され、断続モードで動作する降圧チョッパ回路においては、その出力電圧は、出力電流が増加するにしたがい低下する。
【0076】
なお、単純な近似理論では、デューティサイクル比が固定され、連続モードで動作する降圧チョッパ回路の出力電圧は、出力電流によらずに、DC電源(Mx)に最大デューティサイクル比DXmaxを乗じた一定値となるが、現実の降圧チョッパ回路においては、出力電流の増加に伴って出力電圧が低下するため、点(P0c)から点(P11)に至る部分は、右下がりの特性となる。
【0077】
前記したように、降圧チョッパ回路は出力電圧が低くなるほど、出力電流供給能力は大きくなるため、点(P11)から、ランプ電圧(VL)がさらに低下すると、ランプ電流(IL)が増加して、前記電流制限値の第1の制限値IL1を超えようとするために、前記ランプ電流信号(Si)に対応する前記制御対象信号(Sd5)は、前記ランプ電流上限信号(Sk)に対応する前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)の前記抵抗(Rd2)と抵抗(Rd3)による分圧電圧との差を解消することができるようになるため、前記誤差積分回路の出力信号(Sd1)が上昇し、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューテイサイクル比を低下させることにより、ランプ電流(IL)は前記電流制限値の第1の制限値IL1に維持されるようになる。前記特性線(Fg1)の点(P11)から点(P1e)に至る、あるいは前記特性線(Fg2)の点(P11)から点(P12)に至る、ランプ電流(IL)が一定の部分は、このようにして生ずる。
【0078】
前記特性線(Fg2)において、点(P12)から、ランプ電圧(VL)がさらに低下して、前記境界電圧VLt1以下になると、前記したようにランプ電流(IL)は前記電流制限値の第1の制限値IL1よりも大きい前記電流制限値の第2の制限値IL2に維持されるようになる。前記特性線(Fg1)の点(P13)から点(P0e)に至る、ランプ電流(IL)が一定の部分は、このようにして生ずる。
【0079】
以下において、給電制御回路(Fx)として前記図7に記載の給電制御回路(Fx1)を有する、前記図1に記載の本発明の放電ランプ給電装置の始動前、始動、グロー放電、アーク放電移行、定常状態のアーク放電への収束の各過程と、実際的な制御の要点について、簡単に説明する。
【0080】
この給電装置を始動する際には、総合制御部(Xpu)は、前記したように前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)を十分に高く設定して、出力電流電圧特性を前記図2に記載の特性線(Fg1)とした状態にする。
【0081】
この時点では放電ランプ(Ld)は消灯しており、ランプ電流(IL)は流れないため、無負荷開放電圧を発生する状態、すなわち点(P0a)に対応する状態になる。ここで、スタータ(Ui)を動作させることにより、前記したように前記電極(E1,E2)の間に高電を印加して絶縁破壊を発生させてグロー放電を開始させる。
【0082】
グロー放電期間中の系の状態は、前記特性線(Fg1)上の点(P0c)から点(P11)に至る部分、もしくは点(P11)から点(P1e)に至る部分の電圧の高い領域(通常は150V以上)の何れかの点、例えば点(J10)において暫く留まり、電極の温度が十分上昇すると、放電形態はアーク放電へと遷移する。
【0083】
これによりランプ電圧は前記境界電圧VLt1以下となるが、前記保持時間τ1の経過までは、特性線(Fg1)上の点(P11)から点(P1e)に至る部分の電圧の低い領域(通常は20V以下)にある、前記電流制限値が第1の制限値IL1に制限された点(J11)においてアーク放電を継続する。前記保持時間τ1の経過後は、前記電流制限値が前記第2の制限値IL2に変更されるため、特性線(Fg2)上の点(P13)から点(P0e)に至る部分の、前記点(J11)の電圧に概ね対応する電圧の点(J12)に移動する。
【0084】
なお、このようにして、前記電流制限値が前記第2の制限値IL2に変更された後で、ランプの放電状態がアーク放電からグロー放電に戻る場合もあるが、前記図7に記載の前記ダイオード(D11)のはたらきにより、前記コンデンサ(C11)が急速に充電されるため、グロー放電に戻った場合には、前記電流制限値は前記第1の制限値IL1に直ちに戻される。
【0085】
一方、前記したように、ランプがアーク放電に移行するとランプ電圧(VL)が急激に低下するから、AD変換器(Adc)を介してランプ電圧信号(Sv)を検出している総合制御部(Xpu)は、ランプ電圧(VL)の急激な低下を検知することができる。あるいは、前記したように、ランプがアーク放電に移行後にグロー放電に戻った後にアーク放電に再移行したり、あるいはこれを何度か繰り返した上でアーク放電に移行する場合に備えて、適当な時間経過を待ってランプ電圧(VL)の低下を検知することにより、ランプがアーク放電に移行したことを検知することができる。
【0086】
ランプがアーク放電に移行したことを検知したならば、総合制御部(Xpu)は、それまでの前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)を十分に高く設定する動作に代えて、略定期的にランプ電圧(VL)を検出し、設定されている目標電力を検出されたランプ電圧(VL)で除して目標電流を算出し、これを前記チョッパ能力制御目標信号(St)として、繰り返し設定する動作を開始する。
【0087】
前記したようにアーク放電の初期の期間においては、未だランプの温度が十分に高くなっておらず、算出された目標電流が前記電流制限値の第2の制限値IL2を超えるために目標電流を達成することができないが、時間の経過とともに、ランプの電圧が上昇して、算出された目標電流が前記電流制限値の第2の制限値IL2以下となり、設定されている目標電力をランプに投入することができるようになる。そしてそれ以降は、ランプの状態は、定電力特性線(Fp0)に沿って推移し、そして前記したように、ランプの状態は定常状態に落ち着く。
【0088】
ただし、前記図8においては、特性線(Fg2)が、点(P12)近傍において、定電力特性線(Fp0)より下に位置している。前記したように、前記チョッパ能力制御回路(Ud)の前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)は、前記チョッパ能力制御目標信号(St)に対応する信号(Sd3)または前記ランプ電流上限信号(Sk)に対応する信号(Sd4)のうちの、何れか大きくない方が選択されるため、特性線(Fg2)が、定電力特性線(Fp0)より下に位置している条件では、定電力特性線(Fp0)より優先されて、特性線(Fg2)が発現してしまうことになる。
【0089】
このような不都合が生ずることを防止するため、前記した、ランプがアーク放電に移行したことを検知した時点で、前記総合制御部(Xpu)は前記抑制信号(Sa)をハイレベルにすることにより、前記トランジスタ(Q12)をオン状態にして、前記トランジスタ(Q11)がオン状態になることを阻止し、結果としてランプ電圧(VL)が前記境界電圧VLt1より高いアーク放電の場合に、ランプ電流(IL)が前記電流制限値の第2の制限値IL2に制限される機能の発現を禁止することができる。
【0090】
当然ながら、前記したような、グロー放電の特性線がアーク放電の特性線より下に位置する条件が存在しない場合は、前記したような、前記トランジスタ(Q12)による前記トランジスタ(Q11)の動作阻止機能の実装を省略することができる。
【0091】
以上見てきたように、このように給電装置を設計し、前記した回路定数の設定方法により、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する第1の制限値IL1の比の値kを70%以下の所望の値、アーク放電に移行してから前記電流制限値を第2の制限値IL2に変更するまでの前記第1の制限値IL1の前記保持時間τ1を0.2ms以上の所望の値にそれぞれ設定することができる。
【0092】
これにより、作用の部分において述べたように、前記図1、図5、図7に記載の構成を有する本発明になる給電装置は、高輝度放電ランプのアーク放電移行時にランプの寿命が短縮する問題を解決することができる。
【0093】
次に、本発明の請求項2の発明に基づく、第2の実施例について説明する。図9は、前記図5に記載の前記給電制御回路(Fx)のなかのランプ電流上限信号発生回路(Uc)に対して、これの具体的な構成を示したランプ電流上限信号発生回路(Uc2)とした給電制御回路(Fx2)の簡略化された構成を示すものである。
【0094】
このランプ電流上限信号発生回路(Uc2)は、前記図7に記載の前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)の前記ダイオード(D11)、前記抵抗(R15)前記コンデンサ(C11)を除去し、前記トランジスタ(Q11)と並列にコンデンサ(C12)を追加したものである。これらの変更に無関係の部分の動作に関しては、前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)を用いるものについて説明したものと全く同様である。
【0095】
そのため、ランプがアーク放電に移行して前記トランジスタ(Q11)がオフになり、前記電圧源(V11)の電圧が前記抵抗(R11)と前記抵抗(R12)によって分圧されてこの電圧が前記ランプ電流上限信号(Sk)として出力される状態から、前記電圧源(V11)の電圧がそのまま前記ランプ電流上限信号(Sk)として出力される状態に移行するまでに、前記コンデンサ(C12)を前記抵抗(R11)と前記抵抗(R12)によって充電する必要があり、その間は、前記ランプ電流上限信号(Sk)は徐々に上昇することになる。
【0096】
このように構成したことにより、前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)においては、アーク放電に移行してから、前記電流制限値を前記第1の制限値IL1から第2の制限値IL2に変更するまでの前記保持時間τ1が挿入されたのに対し、このランプ電流上限信号発生回路(Uc2)においては、アーク放電に移行して前記電流制限値を前記第1の制限値IL1から第2の制限値IL2に変更するに際し、前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでに遷移時間τ2を要するように徐々に変更されるようになる。
【0097】
一方、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する前記電流制限値が第1の制限値IL1の比の値kに関しては、前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)と全く同様であって、前記電圧源(V11)の電圧と、前記抵抗(R11)と前記抵抗(R12)による分圧比を決めればよく、これらの関係を適宜設定することにより、前記kの値を所望の値とすることができる。
【0098】
また、前記コンデンサ(C12)が前記抵抗(R11)と前記抵抗(R12)によって充電される速さは、前記抵抗(R11)と前記抵抗(R12)のそれぞれの抵抗値の和と、前記コンデンサ(C12)の静電容量との積で計算される時定数に比例するから、前記コンデンサ(C12)の静電容量を適宜設定することにより、前記遷移時間τ2を所望の値にすることができる。
【0099】
なお、前記遷移時間τ2の定義に際して、前記電流制限値が第2の制限値に達する時間ではなく、前記第2の制限値の90%以上になるまでの時間としたのは、前記図9のランプ電流上限信号発生回路(Uc2)を用いた場合は、前記電流制限値の変化の様子は時間に依存する関数Ix(t)であり、この関数は、図10に記載するように、前記電流制限値の第2の制限値IL2を漸近値として、指数関数的に変化するものであるため、前記電流制限値が第2の制限値に達する時間が正確に定義できないため、代わりに、前記第2の制限値の90%の値IL2’に達する時間を用いるものである。
【0100】
このようなバラスト回路(Bx)の構成により、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、総合制御部(Xpu)は、前記チョッパ能力制御目標信号(St)が十分に高く設定しておくとして、グロー放電時における出力電流電圧特性は、前記したように図2の点(P0a)、点(P0b)、点(P0c)、点(P11)、点(P1e)をつないだ特性線(Fg1)として示すような特性になる。そして、アーク放電移行から前記遷移時間τ2を超えて十分な時間を経過後の出力電流電圧特性は、図8の点(P0a)、点(P0b)、点(P0c)、点(P11)、点(P12)、点(P13)、点(P0e)をつないだ特性線(Fg2)として示すような特性になる。
【0101】
以上見てきたように、このように給電装置を設計し、前記した回路定数の設定方法により、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する第1の制限値IL1の比の値kを70%以下の所望の値、アーク放電に移行してから前記電流制限値が前記第1の制限値IL1から第2の制限値IL2の90%に達するまでの前記遷移時間τ2を1ms以上の所望の値にそれぞれ設定することができる。
【0102】
これにより、作用の部分において述べたように、前記図1、図5、図9に記載の構成を有する本発明になる給電装置は、高輝度放電ランプのアーク放電移行時にランプの寿命が短縮する問題を解決することができる。
【0103】
次に、本発明の請求項2の発明に基づく、第3の実施例について説明する。これまで、前記電流制限値の第1の制限値IL1や第2の制限値IL2については、前記図2における、特性線上の点(P11)から点(P1e)に至る部分や、点(P0d)から点(P0e)に至る部分、あるいは前記図8における、特性線上の点(P11)から点(P12)に至る部分や、点(P13)から点(P0e)に至る部分など、その部分の特性線がVL軸に平行、すなわち電流制限値がランプ電圧に依存しない場合について説明してきたが、これを、その部分の特性線がVL軸に平行でない、すなわち電流制限値がランプ電圧に依存するような場合に適用しても、本発明は有効に作用する。
【0104】
例えば、図11に示すように、アーク放電移行前における出力電流電圧特性が、点(P30)、点(P32)をつないだ特性線(Fg31)として示すような特性であり、アーク放電移行後においては出力電流電圧特性が、点(P30)、点(P31)点(P33)、点(P34)をつないだ特性線(Fg32)として示すような特性に変更するようなものであっても、アーク放電移行前は点(P32)に対応する電流値で実質的にランプ電流が制限され、アーク放電移行後は点(P34)に対応する電流値で実質的にランプ電流が制限されるため、これらの電流制限値を、それぞれ前記第1の制限値IL1、および前記第2の制限値IL2として適用することができる。何となれば、前記したアーク放電の初期の期間のランプ電圧は低いため、出力電流電圧特性を考えるに際して、これを0Vと見なして、ランプ電流が前記第1の制限値IL1、または前記第2の制限値IL2によって制限されているとしても実質的に大差はないからである。
【0105】
図12は、前記図5に記載の前記給電制御回路(Fx)のなかのランプ電流上限信号発生回路(Uc)に対して、これの具体的な構成を示したランプ電流上限信号発生回路(Uc3)とした給電制御回路(Fx3)の簡略化された構成を示すものである。
【0106】
前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc3)へは端子(Tf)よりランプ電圧信号(Sv)が入力され、比較器(Cm31)により、基準電圧源(V32)の電圧と比較され、もし、前記ランプ電圧信号(Sv)の電圧が、前記基準電圧源(V32)の電圧より高い場合は、トランジスタ(Q31)がオン状態にされるため、抵抗(R35)が短絡され、演算増幅器(A32)の非反転入力端子からグランドに接続される抵抗値は、抵抗(R34)によるもののみの小さい方の値となる。
【0107】
逆に前記ランプ電圧信号(Sv)の電圧が、前記基準電圧源(V32)の電圧より低い場合は、前記トランジスタ(Q31)がオフまたは能動状態にされるため、抵抗(R35)が短絡されず、演算増幅器(A32)の非反転入力端子からグランドに接続される抵抗値は、抵抗(R34)と抵抗(R35)の和による大きい方の値となる。
【0108】
なお、前記比較器(Cm31)については、その出力端子と非反転入力端子に正帰還抵抗を挿入する(図示を省略)などして、比較動作にヒステリシスを持たせることにより、比較出力が変化する際の意図しない発振現象を防止することができる。
【0109】
前記演算増幅器(A32)の前記非反転入力端子には、適当な電圧値を有する基準電圧源(V31)が、抵抗(R33)を介して接続される。
【0110】
一方、前記ランプ電圧信号(Sv)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(A31)を介し、また抵抗(R31)を介して、前記演算増幅器(A32)の反転入力端子に入力される。そして、前記演算増幅器(A32)の前記反転入力端子には、抵抗(R32)を介して、前記演算増幅器(A32)の出力電圧がフィードバックされ、その結果、前記演算増幅器(A32)は差動増幅回路として機能する。
【0111】
このとき、前記演算増幅器(A32)の出力電圧Eoは、次の式1で表されるものとなる。
Eo=A+B・F(Ei)−C・Ei (式1)
【0112】
ここでEiは前記ランプ電圧信号(Sv)の電圧、A、B、Cは正の定数であり、F(Ei)はEiの関数で、前記トランジスタ(Q31)がオンのときには0、オフのときには1となるものである。
【0113】
ただし、前記定数A、B、Cの値は、前記抵抗(R31)、前記抵抗(R32)、前記抵抗(R33)、前記抵抗(R34)、前記抵抗(R35)の抵抗値、前記増幅器またはバッファ(A31)のゲイン、前記基準電圧源(V31)の電圧値から計算される。
【0114】
前記演算増幅器(A32)の出力電圧Eoは、抵抗(R36)を介して端子(Tj)より出力され、前記ランプ電流上限信号(Sk)として、前記チョッパ能力制御回路(Ud)に入力される。式1より明らかなように、前記ランプ電流上限信号(Sk)は、前記トランジスタ(Q21)がオンである領域、およびオフである領域で、ランプ電圧(VL)が高いほど直線的に小さくなる。
【0115】
前記バラスト回路(Bx)の出力電圧、すなわちランプ電圧(VL)は、前記比較器(Cmv)のはたらきによって、最終的に前記無負荷開放電圧を超えないようにされるから、前記トランジスタ(Q31)がオンである条件において、ランプ電圧(VL)が前記無負荷開放電圧以上の適当な電圧になるときに、前記ランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流(IL)を0Aに制限するようにすればよいことがわかる。
【0116】
ここで、もし前記トランジスタ(Q31)がオンである条件において、ランプ電圧(VL)が前記無負荷開放電圧になるときに、前記ランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流(IL)を0Aに制限するようにする場合は、前記した、図5に記載の、前記比較器(Cmv)や前記トランジスタ(Qd1)などの、ランプ電圧(VL)が前記無負荷開放電圧を超えないようにするための回路部分を省略することができる。
【0117】
ランプ電流制限値の第1の制限値IL1および第2の制限値IL2の実現に関しては、前記トランジスタ(Q31)がオンである条件において、ランプ電圧(VL)が0Vになるときに、前記ランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流(IL)を電流制限値の第1の制限値IL1に制限するように、また、前記トランジスタ(Q31)がオフである条件において、ランプ電圧(VL)が0Vになるときに、前記ランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流(IL)を電流制限値の第2の制限値IL2に制限するように前記式1の定数A,B,Cを決定すればよく、これらの関係を適宜設定することにより、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する第1の制限値IL1の比の値kを所望の値とすることができる。
【0118】
一方、前記比較器(Cm31)のスレショルドが、前記境界電圧VLt1となるように、前記基準電圧源(V32)の電圧を決定すればよいが、前記比較器(Cm31)の出力信号により制御される前記トランジスタ(Q31)に並列に、コンデンサ(C31)が設けられているため、前記図9に記載の前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc2)における前記コンデンサ(C12)のはたらきと全く同様に、ランプがアーク放電に移行して前記トランジスタ(Q31)がオフになり、前記基準電圧源(V31)の電圧が、前記抵抗(R34)および抵抗(R35)の合成抵抗と前記抵抗(R33)とによって分圧された状態から、前記抵抗(R34)と前記抵抗(R33)とによって分圧された状態に移行するまでに、前記コンデンサ(C31)を前記抵抗(R33)と抵抗(R34)によって充電する必要があり、その間は、前記ランプ電流上限信号(Sk)は徐々に上昇することになる。
【0119】
このように構成したことにより、このランプ電流上限信号発生回路(Uc3)においては、アーク放電に移行して前記電流制限値を前記第1の制限値IL1から第2の制限値IL2に変更するに際し、徐々に変更されるようになるため、前記コンデンサ(C31)の静電容量を適宜設定することにより、前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでの前記遷移時間τ2を、所望の値にすることができる。
【0120】
なお、前記演算増幅器(A32)の出力電圧Eoが、前記ランプ電流上限信号(Sk)として出力されるためには、総合制御部(Xpu)よりの抑制信号(Sa)をローレベルとして、トランジスタ(Q32)をオフ状態として、抵抗(R27)によってトランジスタ(Q33)をオフ状態にしておく必要がある。
【0121】
総合制御部(Xpu)よりの抑制信号(Sa)がハイレベルのときは、トランジスタ(Q32)はオン状態になり、また抵抗(R38)を介して前記トランジスタ(Q33)もオン状態になるため、前記ランプ電流上限信号(Sk)は、前記演算増幅器(A32)の出力電圧Eoによらず、概ね基準電圧源(V33)に等しい電圧に固定される。そして、この電圧値が、概ね前記電流制限値の第2の制限値IL2に対応するように、基準電圧源(V33)の電圧が決定される。
【0122】
このようなバラスト回路(Bx)の構成により、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)が十分に高く設定されているときには、出力電流電圧特性は、図11の点(P30)、点(P32)をつないだ特性線(Fg31)として示すような特性になる。そして、アーク放電移行から前記遷移時間τ2を超えて十分な時間を経過後の出力電流電圧特性は、点(P30)、点(P31)、点(P33)、点(P34)をつないだ特性線(Fg32)として示すような特性になる。また、アーク放電に移行した状態を、例えば点(J31)であるとすると、矢印(Y32)のように徐々に移動して、点(J32)に移行する。ここで、点(P31)および点(P33)における電圧は概略同じで、前記境界電圧VLt1で規定される値となる。
【0123】
ただし前記した、図2の点(P0b)から点(P11)に至る部分について説明したように、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比が前記最大デューティサイクル比DXmaxである降圧チョッパ回路における、断続モードで動作している状態に関する特徴、および連続モードで動作している状態に関する特徴に起因して生ずる、ランプ電圧(VL)の上限特性(Fdw)によって、特性線(Fg31,Fg32)の電力供給能力の制約を受けるが、これは問題にはならない。
【0124】
この給電装置を始動する際にも、総合制御部(Xpu)は、前記した第1の実施例に記載の給電装置の場合と同様に、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)を十分に高く設定して、出力電流電圧特性を図11に記載の特性線(Fg31)とした状態にする。
【0125】
そして、ランプがアーク放電に移行し、特性線(Fg32)に変化したことが確定した時点で、前記総合制御部(Xpu)は、前記した第1の実施例に記載の給電装置の場合と同様に、前記抑制信号(Sa)をハイレベルにすることにより、前記トランジスタ(Q32)を、そして前記トランジスタ(Q33)をオン状態にして、前記ランプ電流上限信号(Sk)が前記第2の制限値IL2に対応するものになるようにしてもよい。
【0126】
このようにすることにより、アーク放電に移行確定後は、特性線(Fg32)の出力電流電圧特性から離れて、図11に記載の点(P34)と点(P3f)を結ぶ定電流特性線に沿って、定電力特性線(Fp0)に移ることができる。この方が、特性線(F2a)に沿って移動するよりも速やかに定電力特性線(Fp0)に達することができる。
【0127】
このような出力電流電圧特性のさらなる変更は、定電力特性線(Fp0)への到達に速やかさを要しない場合は不要であるが、アーク放電の定電力特性線(Fp0)の常用領域(すなわち始動時や始動直後の発光が暗い領域を除いた、光源として利用される場合のアーク放電の領域)において、特性線(Fg32)の方が下に位置する条件が存在する場合は必要である。
【0128】
以上見てきたように、このように給電装置を設計し、前記した回路定数の設定方法により、前記電流制限値の第2の制限値IL2に対する第1の制限値IL1の比の値kを70%以下の所望の値、アーク放電に移行してから前記電流制限値が前記第1の制限値IL1から第2の制限値IL2の90%に達するまでの前記遷移時間τ2を1ms以上の所望の値にそれぞれ設定することができる。
【0129】
このように給電装置を設計することにより、作用の部分において述べたように、図11に記載の出力電流電圧特性を実現する、前記図1、図5、図12に記載の構成を有する本発明になる給電装置は、高輝度放電ランプのアーク放電移行時にランプの寿命が短縮する問題を解決することができる。
【0130】
前記図12の前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc3)においては、前記コンデンサ(C31)を設けることにより、請求項2の発明に基づくものとして構成する場合について記載したが、前記コンデンサ(C31)を除去し、代わりに前記図7の前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)における前記ダイオード(D11)、前記抵抗(R15)前記コンデンサ(C11)と同様の、前記比較器(Cm31)がハイレベルからローレベルに遷移する場合にのみはたらく遅延回路(Dly3)を、前記比較器(Cm31)の出力に対して設けることにより、請求項1の発明に基づくものとすることができる。
【0131】
このようなバラスト回路(Bx)の構成とした場合は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)が十分に高く設定されているときには、グロー放電時およびアーク放電移行直後から前記保持時間τ1を経過するまでの期間における出力電流電圧特性は、図11の点(P30)、点(P32)をつないだ特性線(Fg31)として示すような特性になる。そして、アーク放電移行直後から前記保持時間τ1を経過後の期間における出力電流電圧特性は、点(P30)、点(P31)、点(P33)、点(P34)をつないだ特性線(Fg32)として示すような特性とすることができる。
【0132】
ここまでの実施例においては、前記電流制限値の前記第2の制限値IL2に対する前記第1の制限値IL1の比の値kの実現や、アーク放電に移行してから前記電流制限値を第2の制限値IL2に変更するまでの前記第1の制限値IL1の前記保持時間τ1の実現、前記電流制限値を第1の制限値IL1から第2の制限値IL2に変更するに際し、前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでに設ける前記遷移時間τ2の実現など、本発明の重要な動作については、給電制御回路(Fx)のハードウェア構成によって実現するものとして説明した。
【0133】
そのため、前記総合制御部(Xpu)のマイクロプロセッサユニット(Mpu)によるプログラム制御により実現する機能としては、アーク放電への移行が確定したことの検知、そしてこのときの抑制信号(Sa)の出力、あるいは各時点のランプ電圧に対応した規定の定格電力を実現するためのランプ電流値の計算と、これを実現するための前記DA変換器(Dac)を介した前記チョッパ能力制御目標信号(St)の設定、および基本的なシーケンスの制御などに限定されていたが、これは本発明の内容を説明する上での都合によるものであり、何ら本質的な制約ではない。
【0134】
前記総合制御部(Xpu)の性能が許容する限り、前記した本発明の重要な動作の一部または全部を、前記総合制御部(Xpu)により実現するように構成することもできる。例えば、前記保持時間τ1の実現を前記総合制御部(Xpu)により行うことができるし、また、前記遷移時間τ2の実現のために前記総合制御部(Xpu)を活用することは好適な例の一つである。
【0135】
本発明の第2の実施例においては、前記図10に示した指数関数的な前記電流制限値の時間的変化Ix(t)を行うものについて説明したが、これを前記総合制御部(Xpu)が生成するディジタルデータをDA変換して実現したり、前記指数関数的な変化以外にも、例えば直線的な変化などの、他の変化様式を実現するものについても本発明の範囲内の工夫として任意に実施することができる。
【0136】
例えば、前記したようにこれまでの実施例においては、総合制御部(Xpu)は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるよう、前記チョッパ能力制御目標信号(St)を十分に高く設定しておき、アーク放電への以降が確定するまでは、ランプ電流に関する前記電流制限値の制御を前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc)に任せるものについて説明したが、これを、前記総合制御部(Xpu)が、アーク放電移行を検知後に前記電流制限値の所望の時間的変化Ix(t)を前記チョッパ能力制御目標信号(St)として設定するようにしてもよい。
【0137】
このようにする場合は、前記図7に記載のランプ電流上限信号発生回路(Uc1)に対して適用することが、特に好適である。この場合、前記総合制御部(Xpu)が、アーク放電移行を検知後に前記電流制限値の時間的変化Ix(t)をシーケンスとして前記チョッパ能力制御目標信号(St)として設定している途中で、もし前記したようなグロー放電への戻りが発生したとしても、これは前記したように比較器(Cm11)により検出されて前記トランジスタ(Q11)が即時にオン状態になり、結果として前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)として前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)が生成する前記ランプ電流上限信号(Sk)が選択されるため、前記総合制御部(Xpu)の応答速度が遅い場合でも問題はない。
【0138】
さらに、前記したようなアーク放電への再移行が発生した場合は、前記総合制御部(Xpu)は、前記電流制限値の時間的変化Ix(t)の再実行のためのプログラム的なリセット動作が必要であるが、前記ランプ電流上限信号発生回路(Uc1)が有する前記保持時間τ1として、前記リセット動作のために必要な時間以上の時間を設定しておくものとすれば、前記保持時間τ1までは、前記チョッパ能力制御目標信号(St)によらず前記電流制限値が第1の制限値IL1に維持されるため、前記リセット動作が確実に行われる。
【0139】
これまで、主として放電ランプに放電電流を供給するための給電装置の構造については、前記図1に記載のような、放電ランプに直流電圧を印加して放電させるDC駆動方式の給電装置に関して述べたが、前記したように、この種の放電ランプの始動に際して、給電装置の働きと放電ランプの挙動は、AC駆動方式のものにおいても同様であるため、例えば前記バラスト回路(Bx)の後段にフルブリッジインバータを設けて構成されるような、放電ランプに交流電圧を印加して放電させるAC駆動方式の給電装置においても本発明の作用は全く同様に発揮される。また、前記バラスト回路(Bx)の方式として、降圧チョッパ方式のものに関して述べたが、例えば、昇圧チョッパ方式や反転チョッパ(昇降圧チョッパ)方式のDC−DCコンバータなど、他の方式のバラスト回路を用いたものでも、本発明の作用は全く同様に発揮される。さらに、放電ランプを始動する方法については、前記図1に記載のような、スタータ(Ui)の高電圧を、電極(E1,E2)間に印加する方式の給電装置に関して述べたが、電極(E1)または電極(E2)何れかと、ランプ封体の放電空間包囲部の外面との間に印加する方式、いわゆる外部トリガ方式の給電装置においても本発明の作用は全く同様に発揮される。
【0140】
本明細書に記載の回路構成は、本発明の放電ランプ給電装置の動作や機能、作用を説明するために、必要最少限のものを記載したものである。したがって、実施例で説明した回路動作の詳細事項、例えば、信号の極性であるとか、具体的な回路素子の選択や追加、省略、或いは素子の入手の便や経済的理由に基づく変更などの創意工夫は、実際の装置の設計業務において、精力的に遂行されることを前提としている。
【0141】
とりわけ過電圧や過電流、過熱などの破損要因から給電装置のFET等のスイッチ素子などの回路素子を保護するための機構、または、給電装置の回路素子の動作に伴って発生する放射ノイズや伝導ノイズの発生を低減したり、発生したノイズを外部に出さないための機構、例えば、スナバ回路やバリスタ、クランプダイオード、(パルスバイパルス方式を含む)電流制限回路、コモンモードまたはノーマルモードのノイズフィルタチョークコイル、ノイズフィルタコンデンサなどは、必要に応じて、実施例に記載の回路構成の各部に追加されることを前提としている。
【0142】
本発明になる放電ランプ給電装置の構成は、本明細書の実施例に記載の回路方式のものに限定されるものではなく、また、実施例に記載の出力電流電圧特性の特性線の形状に限定されるものではない。
【0143】
さらに、例えば、前記図5における前記給電制御回路(Fx)の前記総合制御部(Xpu)は、ランプ電圧(VL)に対応する前記ランプ電圧信号(Sv)をAD変換し、これに基づいて前記チョッパ能力制御目標信号(St)を設定するものとしたが、ランプ電流(IL)に対応する前記ランプ電流信号(Si)についてもこれをAD変換し、得られた電流値が目標電流値に一致するように前記チョッパ能力制御目標信号(St)を補正して設定することにより、各回路素子パラメータのバラツキの影響を補正するような高精度化や高機能化、あるいは逆に、例えば、前記マイクロプロセッサユニット(Mpu)を廃して、より単純な制御回路に代えるような簡素化などの給電装置の構成の多様化のもとでも、本発明の効果は良好に発揮される。
【0144】
【発明の効果】
本発明に従う放電ランプ給電装置は、高輝度放電ランプのグロー放電からアーク放電への移行時に生じるオーバシュート電流にもとづくランプの寿命の短縮という問題を解決することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】DC駆動方式で内部トリガ方式の本発明の放電ランプ給電装置の構成の簡略化された一例を示す図である。
【図2】本発明の放電ランプ給電装置の給電装置の出力電流電圧特性の一例を示す概念図である。
【図3】本発明の請求項1の発明の放電ランプ給電装置の照度維持率を測定した実験の結果を示すグラフである。
【図4】本発明の請求項2の発明の放電ランプ給電装置の照度維持率を測定した実験の結果を示すグラフである。
【図5】本発明の放電ランプ給電装置の給電制御回路の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の放電ランプ給電装置の降圧チョッパ回路の動作を説明する図である。
【図7】本発明の放電ランプ給電装置の第1の実施例の給電制御回路の構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の放電ランプ給電装置の第1および第2の実施例の出力電流電圧特性の一例を示す概念図である。
【図9】本発明の放電ランプ給電装置の第2の実施例の給電制御回路の構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の放電ランプ給電装置の第2の実施例の電流制限値の変化の一例を示す図である。
【図11】本発明の放電ランプ給電装置の第3の実施例の出力電流電圧特性の一例を示す概念図である。
【図12】本発明の放電ランプ給電装置の第3の実施例の給電制御回路の構成の一例を示す図である。
【図13】実験の比較対照用として用いた、給電装置の出力電流電圧特性を示す概念図である。
【図14】従来の放電ランプ給電装置の構成の簡略化された一例を示す図である。
【符号の説明】
A31 バッファ
A32 演算増幅器
Ad1 バッファ
Ad2 バッファ
Ad3 バッファ
Adc AD変換器
Ade 演算増幅器
Bx バラスト回路
Bx’ バラスト回路
C11 コンデンサ
C12 コンデンサ
C31 コンデンサ
Cd0 コンデンサ
Cd1 積分コンデンサ
Ci コンデンサ
Cm11 比較器
Cm31 比較器
Cmg 比較器
Cmv 比較器
Cx 平滑コンデンサ
D11 ダイオード
Dac DA変換器
Dd1 ダイオード
Dd2 ダイオード
Dd3 ダイオード
Dd4 ダイオード
Dly3 遅延回路
Dx フライホイールダイオード
E1 電極
E2 電極
Ei F
Ex 給電装置
F2a 特性線
Fdw 上限特性
Fg0 特性線
Fg1 特性線
Fg2 特性線
Fg31 特性線
Fg32 特性線
Fp0 定電力特性線
Fx 給電制御回路
Fx1 給電制御回路
Fx2 給電制御回路
Fx3 給電制御回路
Gi ゲート駆動回路
Gndx グランド
Gx ゲート駆動回路
Hi 2次側巻線
IL ランプ電流
IL0 電流制限値
Icoil 電流
Ix 電流検出手段
J00 点
J02 点
J03 点
J04 点
J10 点
J11 点
J12 点
J31 点
J32 点
Ki トランス
Ld 放電ランプ
Lx チョークコイル
Mpu マイクロプロセッサユニット
Mx DC電源
Osc 発振器
P0a 点
P0b 点
P0c 点
P0d 点
P0e 点
P11 点
P12 点
P13 点
P1e 点
P30 点
P31 点
P32 点
P33 点
P34 点
P3f 点
Pi 1次側巻線
Q11 トランジスタ
Q12 トランジスタ
Q21 トランジスタ
Q31 トランジスタ
Q32 トランジスタ
Q33 トランジスタ
Qd1 トランジスタ
Qi スイッチ素子
Qx スイッチ素子
R11 抵抗
R12 抵抗
R13 抵抗
R14 抵抗
R15 抵抗
R27 抵抗
R31 抵抗
R32 抵抗
R33 抵抗
R34 抵抗
R35 抵抗
R36 抵抗
R38 抵抗
Rd0 抵抗
Rd1 プルアップ抵抗
Rd2 抵抗
Rd3 抵抗
Rd4 抵抗
Rd5 プルダウン抵抗
Rd6 スピードアップ抵抗
Ri 抵抗
Sa 抑制信号
Sd0 鋸歯状波信号
Sd1 出力信号
Sd2 チョッパ駆動目標信号
Sd3 信号
Sd4 信号
Sd5 制御対象信号
Sd6 信号
Sd7 信号
Sd8 信号
Sg ゲート駆動信号
Si ランプ電流信号
Sk ランプ電流上限信号
St チョッパ能力制御目標信号
Sv ランプ電圧信号
Sxt チョッパ能力制御目標データ
Sxv ランプ電圧データ
Tf 端子
Tg 端子
Ti 端子
Tj 端子
Tk 端子
Tn 期間
Tt 端子
Tv 端子
Uc ランプ電流上限信号発生回路
Uc1 ランプ電流上限信号発生回路
Uc2 ランプ電流上限信号発生回路
Uc3 ランプ電流上限信号発生回路
Ud チョッパ能力制御回路
Ui スタータ
V11 電圧源
V12 基準電圧源
V31 基準電圧源
V32 基準電圧源
V33 基準電圧源
VL ランプ電圧
Vd1 基準電圧源
Vd2 基準電圧源
Vd3 電圧源
Vd4 オフセット電圧
Vx 電圧検出手段
Xpu 総合制御部
Y01 矢印
Y03 矢印
Y04 矢印
Y11 矢印
Y12 矢印
Y32 矢印

Claims (2)

  1. 一対の電極が対向配置された放電ランプを始動し、前記電極に放電電流を供給するための給電装置において、
    前記給電装置は、前記放電ランプに流れる電流が所定の電流制限値を超えないように、ランプ電流とランプ電圧の関係を点でつないだ特性線上で制御するものであって、
    前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記電流制限値が第1の制限値であり、その後前記電流制限値を第2の制限値に変更する機能を有し、
    前記第1の制限値は前記第2の制限値の70%以下であり、かつ前記放電ランプがアーク放電に移行してから0.2ms以上の期間は前記電流制限値を第1の制限値保持されることを特徴とする放電ランプ給電装置。
  2. 一対の電極が対向配置された放電ランプを始動し、前記電極に放電電流を供給するための給電装置において、
    前記給電装置は、前記放電ランプに流れる電流が所定の電流制限値を超えないように、ランプ電流とランプ電圧の関係を点でつないだ特性線上で制御するものであって、前記放電ランプがアーク放電に移行するまでは、前記電流制限値が第1の制限値であり、その後前記電流制限値を第2の制限値に変更する機能を有し、前記第1の制限値は前記第2の制限値の70%以下であり、かつ前記放電ランプがアーク放電に移行してから前記電流制限値が第2の制限値の90%以上になるまでの時間が1ms以上となるように、前記電流制限値を徐々に変更することを特徴とする放電ランプ給電装置。
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