図1に、DC駆動方式による、本発明の光源装置の構成の、簡略化された一例を示す。給電装置(Ex)において、降圧チョッパ型のバラスト回路(Bx)は、PFC等のDC電源(Mx)より電圧の供給を受けて動作し、放電ランプ(Ld)への給電量調整を行う。前記バラスト回路(Bx)においては、FET等のスイッチ素子(Qx)によってDC電源(Mx)よりの電流をオン・オフし、チョークコイル(Lx)を介して平滑コンデンサ(Cx)に充電が行われ、この電圧が放電ランプ(Ld)に印加され、放電ランプ(Ld)に電流を流すことができるように構成されている。
なお、前記スイッチ素子(Qx)がオン状態の期間は、スイッチ素子(Qx)を通じた電流により、直接的に平滑コンデンサ(Cx)への充電と負荷である放電ランプ(Ld)への電流供給が行われるとともに、チョークコイル(Lx)に磁束の形でエネルギーを蓄え、前記スイッチ素子(Qx)がオフ状態の期間は、チョークコイル(Lx)に磁束の形で蓄えられたエネルギーによって、フライホイールダイオード(Dx)を介して平滑コンデンサ(Cx)への充電と放電ランプ(Ld)への電流供給が行われる。
前記降圧チョッパ型のバラスト回路(Bx)においては、前記スイッチ素子(Qx)の動作周期に対する、前記スイッチ素子(Qx)がオン状態の期間の比、すなわちデューティサイクル比により、前記放電ランプへの給電量を調整することができる。
スタータ(Ui)においては、抵抗(Ri)を介して、ランプ電圧(VL)によってコンデンサ(Ci)が充電される。ゲート駆動回路(Gi)を活性化すると、サイリスタ等よりなるスイッチ素子(Qi)が導通することにより、前記コンデンサ(Ci)がトランス(Ki)の1次側巻線(Pi)を通じて放電し、2次側巻線(Hi)に高電圧パルスを発生する。
スタータ(Ui)の2次側巻線(Hi)に発生した高電圧は、バラスト回路(Bx)の出力電圧に重畳されて電極(E1,E2)間に印加され、放電ランプ(Ld)の放電を始動することができる。
ゲート駆動信号生成回路(Upm)はあるデューティサイクル比を有するゲート駆動信号(Sg)を生成し、前記ゲート駆動信号(Sg)は、ゲート駆動回路(Gx)を介して、前記スイッチ素子(Qx)のゲート端子を制御することにより、前記したDC電源(Mx)よりの電流のオン・オフが制御される。
前記放電ランプ(Ld)の電極(E1,E2)間を流れるランプ電流(IL)と、電極(E1,E2)間に発生するランプ電圧(VL)とは、電流検出手段(Ix)と、電圧検出手段(Vx)とによって、検出できるように構成される。なお、前記電流検出手段(Ix)については、シャント抵抗を用いて、また前記電圧検出手段(Vx)については、分圧抵抗を用いて簡単に実現することができる。
前記電流検出手段(Ix)よりのランプ電流信号(Si)、および前記電圧検出手段(Vx)よりのランプ電圧信号(Sv)は、給電制御回路(Fx)に入力され、ランプ電流(IL)とランプ電圧(VL)の積であるランプ電力が所期の値となるように、ランプ電流信号(Si)の目標値を決定し、その目標値と実測値の誤差が減少するように、誤差積分信号(Sf)が調整される。
ゲート駆動信号生成回路(Upm)においては、前記誤差積分信号(Sf)に基づき、パルス幅変調により適当なデューティサイクル比が与えられ、フィードバック的に制御された前記ゲート駆動信号(Sg)を生成する。
前記したように、前記スイッチ素子(Qx)はオンとオフとを繰り返す動作をするため、放電ランプ(Ld)への供給電流にはリプル成分が含まれる。具体的には、前記スイッチ素子(Qx)がオンになると、チョークコイル(Lx)から供給される電流が、概ね直線的に増加するため、ランプ電流も概ね直線的に増加し、逆に前記スイッチ素子(Qx)がオフになると、チョークコイル(Lx)から供給される電流が、概ね直線的に減少するため、ランプ電流も概ね直線的に減少する。すなわち、ランプ電流は、ある平均的な値を中心にして、増加と減少を繰り返すリプル成分を含んでいる。
このリプル成分が、放電ランプ(Ld)のもつ音響共鳴周波数と一致もしくは近接すると、音響共鳴が発生する。一般に共鳴現象は、系に共鳴周波数近辺の周期的な擾乱が与えられた場合に、系が振動エネルギーを選択的に蓄積して行くことにより発生する。したがって、系に共鳴周波数に一致した擾乱が与えられても、有害な程度の共鳴現象として現れるためには、このエネルギー蓄積のための共鳴の成長時間、すなわち時間的な猶予が存在することになる。
これを別の共鳴現象とのアナロジーで説明するならば、例えば重りと支点とを糸で結んだ振り子の系を挙げることができる。振り子の振動周波数は糸の長さで決まり、この振動周波数が共鳴周波数となる。
始め、振り子は静止していたとして、共鳴周波数に等しい周波数にて、前記支点を微小な振幅で水平に動かした場合、共鳴によって振り子に振動エネルギーが与えられるが、静止していた振り子が徐々に振幅を増大させるのであって、前記支点を動かし始めると同時に、振り子が激しく振動するわけではない。
なお、共鳴現象においては、一般に振り子の振動の位相は、擾乱である支点運動の位相に対して約90度の遅れを持つ。
図2aは、前記スイッチ素子(Qx)のオンとオフとを繰り返す動作に位相変調を与える様子を概念的に示す図である。なお、この位相変調は、前記図1のゲート駆動信号生成回路(Upm)において、パルス幅変調を行う際に、同時に行うことができる。
前記スイッチ素子(Qx)の周期的なスイッチング動作に対して、期間(τ011)を、他の周期より延長することにより、適当な量の位相シフトを与える、すなわち位相変調を加えることにより、期間(τ011)以前において成長したランプの音響共鳴を減衰させることができる。
この状況を、再び先述の振り子の例において説明するならば、支点を共鳴周波数で動したことにより増大し始めた振り子の振動が、支点を動かす(周波数は変えずに)位相を適当にずらすことにより振り子の振幅を減少に向かわせることができる。
なお、この場合、振り子の振幅の減少を効果的に行うためには、振り子の振動の位相に対して、支点運動の位相が約90度の遅れを持つようにする。
当然ながら、期間(τ011)における位相シフトによりランプの音響共鳴を減衰させたとしても、やがては共鳴は増大に向かって成長し始めるため、適当な時間が経過後の期間(τ012)において、再度位相シフトを与えなければならず、このような位相シフトの付加を、周期的または略周期的に繰り返す必要がある。この繰り返しの頻度の適正値については、実験的に求める必要がある。
なお、先の振り子の例についての説明からは、期間(τ011,τ012,…)で与える位相シフトは、約90度の進み状態から約90度の遅れ状態へ、約180度のシフトを与える必要があることになるが、ランプの音響共鳴の場合は、非線形であるため、必ずしも180度が最適であるとは限らず、適当な位相シフト量、すなわち適当な位相進みまたは遅れの量を実験的に求める必要がある。
期間(τ011,τ012,…)における位相シフトの与え方については,前記図2aのように、スイッチ素子(Qx)のオフ期間の延長により与えるものの他に、図2bのように期間(τ021,τ022,…)においてオン期間の延長により与えるものとすることができ、さらに、図2cのように期間(τ031,τ032,…)においてオフ期間の短縮により与えるもの、図2dのように期間(τ041,τ042,…)においてオン期間の短縮により与えるものとすることができる。
また、前記図2a〜dのように、1個のオン期間またはオフ期間により1回の必要な位相シフトを与えるものの他に、複数のオンまたはオフ期間にわたって、1回の位相シフトを与えるものとすることもできる。例えば、図3aのようにオフの期間(τ111)とオンの期間(τ112)を延長するもの、図3bのようにオフの期間(τ121,τ122)を延長するもの、図3cのようにオンの期間(τ131,τ132)を延長するもの、図3dのようにオフの期間(τ141,τ143)とオンの期間(τ142,τ144)を短縮するもの、図3eのようにオンの期間(τ151,τ152)を短縮するもの、図3fのようにオフの期間(τ161,τ162)を短縮するものなどとすることができる。
なお、前記図1には、バラスト回路(Bx)として降圧チョッパを用いるものを記載したが、図4に示す昇圧チョッパを用いるものや、図5に示す反転チョッパを用いるもの、あるいは他の方式のバラスト回路でも、スイッチング素子による略周期的なスイッチング動作を行うものについて、本発明の効果は良好に発揮される。
これまで、DC駆動方式の光源装置に基づいて説明を行ってきたが、この種の放電ランプの点灯に際して、ランプ電流のリプルの影響は、AC駆動方式のものにおいても同様である。何となれば、例えば放電ランプに矩形波的な交流の放電電圧を印加する場合、極性が反転してから、次に反転するまでの半周期の期間は、短期間的にはDC駆動と何ら変わるところは無いため、前記したDC駆動の場合に発生する現象が、AC駆動の場合も発生し得るからである。
図6に記載のような、前記降圧チョッパなどによるバラスト回路(Bx)の後段に、FET等のスイッチ素子(Q1,Q2、Q3,Q4)を追加してフルブリッジ方式のインバータ(Ub)を構成することにより、放電ランプ(Ld’)に対して、矩形波的な交流の放電電圧を印加するようにした、AC駆動方式の光源装置についても、そのバラスト回路(Bx)の降圧チョッパにおいて、スイッチ素子(Qx)のスイッチング動作に対して本発明を適用することができ、その効果は良好に発揮される。
なお、前記図6に記載のフルブリッジ方式のインバータ(Ub)においては、FET等によるスイッチ素子(Q1)とスイッチ素子(Q4)のみを導通させる状態と、スイッチ素子(Q2)とスイッチ素子(Q3)のみを導通させる状態の2状態を交互に繰り返す動作をさせる。その際、スイッチ素子(Q1)とスイッチ素子(Q2)とが、スイッチ素子(Q3)とスイッチ素子(Q4)とが同時に導通しないように、前記2状態の間には、例えば何れのスイッチ素子も導通させない、短い期間が挿入される。このような、各スイッチ素子の制御は、インバータ制御回路(Fh)からの信号に基づき、各スイッチ素子に付属のゲート駆動回路(G1,G2,G3,G4)を介して行なわれる。
当然ながら、前記図6のバラスト回路(Bx)として、前記した昇圧チョッパや反転チョッパなどを用いるものでも、そのバラスト回路(Bx)のスイッチ素子のスイッチング動作に対して本発明を適用することができ、その効果は良好に発揮される。
また、インバータとして、図6に記載のような、フルブリッジ方式以外にも、例えばハーフブリッジ方式のものなどの場合に対しても、本発明を適用することができ、その効果は良好に発揮される。
前記した図6に記載のような、AC駆動方式の光源装置において、リプルの影響について先に述べたが、仮にバラスト回路(Bx)が発生するリプルが無くとも、インバータのAC駆動成分によっても、ランプの音響共鳴が発生する可能性がある。
何となれば、ランプに印加する電圧が矩形波的であって、したがってランプ電流が矩形波的であっても、その立ち上がり(および立ち下がり)速度が有限であることにより、ランプ電流の絶対値の波形を完全な直流とすることはできないため、基本周波数は低くても、その高調波成分がランプの音響共鳴周波数に一致または近接する場合があり、さらに、インバータの周波数を高くしてゆくと、仮にランプ電流が正弦波であっても、基本周波数がランプの音響共鳴周波数に一致または近接する場合があるからである。
図7aは、本発明における前記インバータの反転を繰り返す動作を概念的に示す図で、縦軸はランプ電圧(VL)を表す。前記インバータの周期的な反転動作に対して、期間(τ211)を延長することにより、適当な量の位相シフトを与える、すなわち位相変調を加えることにより、期間(τ211)以前において成長したランプの音響共鳴を減衰させることができる。
当然ながら、期間(τ211)における位相シフトによりランプの音響共鳴を減衰させたとしても、やがては共鳴は増大に向かって成長し始めるため、適当な時間が経過後の期間(τ212)において、再度位相シフトを与えなばければならず、このような位相シフトの付加を、周期的または略周期的に繰り返す必要がある。この繰り返しの頻度の適正値については、実験的に求める必要がある。
なお、期間(τ211,τ212,…)で与える位相シフトは、約90度の進み状態から約90度の遅れ状態へ、約180度のシフトを与える必要があることになるが、ランプの音響共鳴の場合は、非線形であるため、必ずしも180度が最適であるとは限らず、適当な位相シフト量、すなわち適当な位相進みまたは遅れの量を実験的に求める必要がある。
期間(τ211,τ212,…)における位相シフトの与え方については、前記図7aのように、ランプ電圧が一方の極性にある期間の延長により与えるものの他に、図7bのように期間(τ221,τ222,…)においてランプ電圧が一方の極性にある期間の短縮により与えるものとすることができる。
また、前記図7a,bのように、ランプ電圧が一方の極性にある期間の1個により1回の必要な位相シフトを与えるものの他に、ランプ電圧がある極性にある期間の複数個にわたって、1回の位相シフトを与えるものとすることもできる。例えば、図8aのようにランプ電圧が一方の極性にある期間(τ311)と、これに続くランプ電圧が他方の極性にある期間(τ312)を延長するもの、図8bのようにランプ電圧が一方の極性にある期間(τ321,τ322)を延長するもの、図8cのようにランプ電圧が一方の極性にある期間(τ331,τ333)と、ランプ電圧が他方の極性にある期間(τ332,τ334)を短縮するもの、図8dのようにランプ電圧が一方の極性にある期間(τ341,τ342)を短縮するものなどとすることができる。
当然ながら、前記図6のバラスト回路(Bx)については、その方式(降圧チョッパや昇圧チョッパ、反転チョッパなどの別)には無関係に本発明を適用することができる。また、インバータとして、図6に記載のような、フルブリッジ方式以外にも、例えばハーフブリッジ方式のものなどの場合に対しても、本発明を適用することができ、その効果は良好に発揮される。
ここで、従来の技術の部分で参照したような、周波数を切り換える方式、すなわち周波数変調の方式との差異について簡単に述べておく。周波数変調も、本発明で応用した位相変調も、ともに角度変調という変調方式の一種であり、両者は区別されている。
従来の技術の部分でも述べたように、HIDランプの給電装置に応用した場合、周波数変調方式については、周波数特性を有する周辺回路が存在する場合は、周波数の切り換えの前後で特性が変化する問題があった。そのため、例えば、ランプの明るさが、ある周波数で駆動する期間と他の周波数で駆動する期間とで変化したり、あるいは、周波数の切換えにより特性が変化して、これをフィードバック系が補正し終えるまでの過渡期間においてランプの明るさが変化するなどの問題が生じる場合があった。
しかし、本発明が応用する位相変調方式の場合は、給電装置のチョッパまたはインバータの周波数は、ほとんど至るところで同じであり、位相変化を発生させる部分において、周期性における一瞬の不均一が生じるに過ぎず、したがって、周波数特性を有する周辺回路が存在する場合でも、位相変化の影響は、全体に対する比率で言えば、極めて僅かとなる利点がある。
またそのため、部分共振回路、擬似共振回路などの技術によってチョッパのスイッチング損失を低減したい場合においても、その技術が有する特長を損なうことなく、本発明の位相変調技術を併用することができる。
先ず、第1の実施例について説明する。図9は、前記図1に記載の光源装置における給電制御回路(Fx)およびゲート駆動信号生成回路(Upm)の簡略化された構成例を示すものである。
前記ランプ電圧信号(Sv)は、総合制御部(Xpu)のなかのAD変換器(Adc)に入力されて、適当な桁数を有するディジタルのランプ電圧データ(Sxv)に変換され、マイクロプロセッサユニット(Mpu)に入力される。
ここで、マイクロプロセッサユニット(Mpu)は、CPUやプログラムメモリ、データメモリ、クロックパルス発生回路、タイムカウンタ、ディジタル信号の入出力のためのIO制御器などを含む。
マイクロプロセッサユニット(Mpu)は、前記ランプ電圧データ(Sxv)を参照した計算や、その時点の系の状態に応じた条件判断に基づき、後述するチョッパ能力制御回路(Ud)のための、チョッパ能力制御目標データ(Sxt)を生成する。前記チョッパ能力制御目標データ(Sxt)は、DA変換器(Dac)によって、アナログのチョッパ能力制御目標信号(St)に変換され、チョッパ能力制御回路(Ud)に入力される。
さらに、許容されるランプ電流(IL)の上限値ILmaxを規定するためのランプ電流上限信号(Sk)が、ランプ電流上限信号発生回路(Uc)により発生され、チョッパ能力制御回路(Ud)に入力される。
前記チョッパ能力制御回路(Ud)内においては、前記チョッパ能力制御目標信号(St)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad1)とダイオード(Dd1)を介して、さらに、前記ランプ電流上限信号(Sk)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad2)とダイオード(Dd2)を介して、ともにプルアップ抵抗(Rd1)の一端に接続され、チョッパ駆動目標信号(Sd2)が生成される。なお、前記プルアップ抵抗(Rd1)の他端は適当な電圧を有する基準電圧源(Vd1)に接続される。
したがって前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)は、前記チョッパ能力制御目標信号(St)に対応する信号(Sd3)または前記ランプ電流上限信号(Sk)に対応する信号(Sd4)のうちの、何れか大きくない方が選択された信号となる。
すなわち、前記総合制御部(Xpu)が、例えば、定格電力に対応する定数を前記ランプ電圧データ(Sxv)で除算して、定格電力を達成するためのランプ電流(IL)の値を算出し、この値に対応するものとして生成するなど、何らかの方法で前記チョッパ能力制御目標信号(St)を生成したとして、仮にこれが不適当であった場合でも、前記チョッパ能力制御回路(Ud)内において、ハードウェア的に、ランプ電流(IL)が前記ランプ電流上限信号(Sk)を超えないように、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)が制限されることになる。
因みに、前記したAD変換器(Adc)やマイクロプロセッサユニット(Mpu)を介した制御は、動作速度が遅い(もしくは速いものとすると高コストとなる)ため、例えばランプの放電状態が急変するなどの事態が生じた場合には、その動作遅れによって、前記したチョッパ能力制御目標信号(St)の不適当が発生し得るため、このような電流制限機能をハードウェア的に構成することは、ランプや給電装置の保護の観点からも有益なことである。
一方、前記ランプ電流信号(Si)は、必要に応じて設ける増幅器またはバッファ(Ad3)とダイオード(Dd3)を介して、一端がグランド(Gndx)に接続されたプルダウン抵抗(Rd5)の他端に接続され、制御対象信号(Sd5)が生成される。
さらに、前記ランプ電圧信号(Sv)は、比較器(Cmv)によって、前記した無負荷開放電圧に対応する電圧を有する基準電圧源(Vd2)の電圧と比較され、もし、前記ランプ電圧信号(Sv)が、無負荷開放電圧より高い場合は、トランジスタ(Qd1)がオフまたは能動状態になり、適当な電圧源(Vd3)から、抵抗(Rd4)とダイオード(Dd4)を介して、前記プルダウン抵抗(Rd5)に電流を流すことにより、前記制御対象信号(Sd5)の水準を上げるように動作する。
逆に前記ランプ電圧信号(Sv)が、無負荷開放電圧より低い場合は、前記トランジスタ(Qd1)がオン状態になるため、前記電圧源(Vd3)からの電流は短絡され、前記制御対象信号(Sd5)は、前記ランプ電流信号(Si)に対応するものとなる。
何となれば、前記のプルダウン抵抗(Rd5)とダイオード(Dd3)、ダイオード(Dd4)よりなる回路は、各ダイオードのアノード側の信号(Sd6)と信号(Sd7)の何れか小さくない方に対応する電圧が選択されてプルダウン抵抗(Rd5)に発生するからである。
なお、前記比較器(Cmv)については、その出力端子と非反転入力端子に正帰還抵抗を挿入する(図示を省略)などして、比較動作にヒステリシスを持たせることにより、比較出力が変化する際の意図しない発振現象を防止することができる。
このように構成したことにより、たとえ出力電流がほとんど停止して、前記ランプ電流信号(Si)がほとんど入らない状態であっても、前記ランプ電圧信号(Sv)が、前記無負荷開放電圧より高くなろうとすると、前記制御対象信号(Sd5)が急速に上昇することにより、ランプ電圧(VL)は、概略無負荷開放電圧以下に、常にハードウェア的に制限される。
前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)は、抵抗(Rd2)と抵抗(Rd3)で分圧されて、演算増幅器(Ade)の反転入力端子に入力される。一方、前記制御対象信号(Sd5)は、前記演算増幅器(Ade)の非反転入力端子に入力される。そして、前記演算増幅器(Ade)の出力、すなわち前記誤差積分信号(Sf)は、積分コンデンサ(Cd1)とスピードアップ抵抗(Rd6)を介して反転入力端子にフィードバックされているため、前記演算増幅器(Ade)は、前記チョッパ駆動目標信号(Sd2)の抵抗(Rd2)と抵抗(Rd3)による分圧電圧に対する、前記制御対象信号(Sd5)の電圧の差を積分する、誤差積分回路としてはたらく。
前記誤差積分信号(Sf)は、前記ゲート駆動信号生成回路(Upm)のゲート変調回路(Uw)に入力され、PWM変調により前記ゲート駆動信号(Sg)を生成する。前記ゲート変調回路(Uw)は、位相変調制御回路(Ut)の位相変調信号(Sm)を受けて、前記ゲート駆動信号(Sg)の生成に際して位相変調を加える。
なお、前記ゲート変調回路(Uw)は、前記位相変調制御回路(Ut)の動作に必要なタイミングパルス(Ckw)を生成する。
図10は、前記ゲート変調回路(Uw)の簡略化された構成例を示すものである。適当な電圧を有するDC電圧源(Vcc)から、抵抗(Rw6)を介して、コンデンサ(Cw1)が充電される。充電される速さは、前記抵抗(Rw6)の抵抗値と前記コンデンサ(Cw1)の静電容量により決まり、前記コンデンサ(Cw1)の電圧、すなわち充電電圧信号(Sw1)は、例えば図12aに示すように時間的に単調に増加する。
DC電圧源(Vcc)の電圧は、分圧抵抗(Rw7,Rw8)によって適当な比で分圧され、比較器(Cmw1)の一方の入力端子に入力される。また、前記充電電圧信号(Sw1)は、前記比較器(Cmw1)の他方の入力端子に入力されて、前記分圧抵抗(Rw7,Rw8)の電圧と比較される。
前記充電電圧信号(Sw1)の電圧が前記分圧抵抗(Rw7,Rw8)の電圧より高くなると、前記比較器(Cmw1)は、ハイレベルの信号(Sw2)を出力し(図12b)、この信号を受けて、モノステーブルマルチバイブレータ(Tw)は、一定の時間幅を有する、ハイレベルの前記タイミングパルス(Ckw)を生成する(図12c)。
前記タイミングパルス(Ckw)は、前記したように前記位相変調制御回路(U)に送られるとともに、抵抗(Rw5)を介してトランジスタ(Qw3)をオン状態にすることにより、前記コンデンサ(Cw1)の電荷を放電するため、前記充電電圧信号(Sw1)は概略0ボルトに落ち、この状態は、前記タイミングパルス(Ckw)がハイレベルである期間において維持される。
そして前記モノステーブルマルチバイブレータ(Tw)の設定時間が経過すると、前記タイミングパルス(Ckw)がローレベルに戻り、トランジスタ(Qw3)がオフ状態になるため、前記したコンデンサ(Cw1)の充電が再開される。このような動作を繰り返すため、前記充電電圧信号(Sw1)は、概略鋸歯状波形を呈するものとなる(図12a)。
なお、前記モノステーブルマルチバイブレータ(Tw)のハイレベルの時間幅は、少なくとも前記したトランジスタ(Qw3)によるコンデンサ(Cw1)の放電が確実に行われる程度の幅が確保できるものであればよいため、図10においては、一例として、前記比較器(Cmw1)の信号(Sw2)に対して、抵抗(Rwt)とコンデンサ(Cwt)を用いた遅延回路の出力によってゲート(Gwt)でマスクをかける方式の、最も簡単なものを記載したが、他の方式のものでもよい。
前記誤差積分信号(Sf)を、抵抗(Rw9)およびダイオード(Dw1,Dw2)を介して適当な電圧を有するDC電圧源(Vcc)に接続されることにより、前記抵抗(Rw9)のダイオード(Dw2)側の端子からとった信号(Sf’)は、前記誤差積分信号(Sf)よりもダイオード(Dw1,Dw2)の順方向電圧だけオフセットを加えた信号となる。この信号(Sf’)と概略鋸歯状波形の前記充電電圧信号(Sw1)とは、比較器(Cmw2)で比較される。前記充電電圧信号(Sw1)の電圧が前記信号(Sf’)の電圧よりも高い期間においてハイレベルとなる前記ゲート駆動信号(Sg)が生成される。図12aには、前記信号(Sf’)のレベルを破線で示し、これよりも前記充電電圧信号(Sw1)が高い期間(τ412)では、図12iにおいて前記ゲート駆動信号(Sg)がハイレベルとなる様子を示してある。
前記ゲート駆動信号生成回路(Upm)から出力された前記ゲート駆動信号(Sg)が、前記ゲート駆動回路(Gx)に入力されることにより、結果として、前記ランプ電流信号(Si)および前記ランプ電圧信号(Sv)が、スイッチ素子(Qx)の動作にフィードバックされたフィードバック制御系が完成する。
なお、前記したように、前記信号(Sf’)は誤差積分信号(Sf)にオフセットを加えたものであるため、前記誤差積分信号(Sf)が仮に零であったとしても、前記ゲート駆動信号(Sg)のデューティサイクル比は、100%より小さいある最大値、すなわち最大デューティサイクル比DXmax以下になる。加えるオフセット量については、ダイオード(Dw1,Dw2)の数を増減したり、適当なツェナー電圧を有するツェナーダイオードに置き換えるなどして変更することができる。
図11は、前記位相変調制御回路(Ut)の簡略化された構成例を示すものである。前記ゲート変調回路(Uw)に対して位相変調を加える周期を規定するための信号(St0)が、発信器(Osct)により生成される(図12d)。この信号は、Dフリップフロップ(FFt1)により同期化された信号(St1)に変換され(図12e)、さらにこれは、Dフリップフロップ(FFt2,FFt3)により遅延がかけられた信号(St2,St3)が生成される(図12f,g)。なお、Dフリップフロップ(FFt1,FFt2,FFt3)の動作のためのクロック信号として前記タイミングパルス(Ckw)が使用される。
最も遅延の多い信号(St3)と、それより遅延の少ない信号の反転信号(St4)が(いまの場合は、ジャンパ端子(Jt1)へのジャンパ接続により信号(st1)の反転信号が前記反転信号(St4)として選択されて)NOR論理のゲート(Gt1)に入力されるため、このゲート(Gt1)からは、前記タイミングパルス(Ckw)の所定周期の期間(τ411)だけ(いまの場合は、前記タイミングパルス(Ckw)の2周期だけ)ハイレベルとなる信号(St5)が生成される(図12h)。
前記信号(St5)は、(ジャンパ端子(Jt3)へのジャンパ接続により選択されて)前記位相変調信号(Sm)として前記ゲート変調回路(Uw)に送られる。前記ゲート変調回路(Uw)においては、抵抗(Rw1,Rw2)およびトランジスタ(Qw1)からなる反転回路により、前記位相変調信号(Sm)がハイレベルの期間(τ411)は、抵抗(Rw3)を介してトランジスタ(Qw2)をオン状態にすることにより、DC電圧源(Vcc)より抵抗(Rw4)を介して、前記コンデンサ(Cw1)への充電電流を供給する。
前記したように、通常はコンデンサ(Cw1)へは、抵抗(Rw6)を介して充電が行われるが、前記位相変調信号(Sm)がハイレベルの期間は、抵抗(Rw4)を介しても充電が行われるため、図12aの期間(τ411)に示すように、前記充電電圧信号(Sw1)の波形の充電期間における傾きが増加し、前記ゲート駆動信号(Sg)の周期、すなわちハイレベルの期間とローレベルの期間が短縮され、結果として前記スイッチ素子(Qx)のオン期間とオフ期間の両方が短縮され、位相変調が実現される。なお、この様子は、前記図3dに対応する。
このとき、ランプ電流(IL)のリプルは、これを模式的に表した図12jの実線に示すようになり、期間(τ411)およびそれ以降において1点鎖線で示したところの位相変調がなかったとした場合のリプルに比べて位相がシフトしており、したがって、ランプの音響共鳴による不都合を回避する機能を発揮することがわかる。
なお、図10の前記ゲート変調回路(Uw)の前記抵抗(Rw4)を小さくするほど、前記位相変調信号(Sm)がハイレベルの期間における前記スイッチ素子(Qx)の周期短縮の度合いが大きくなるため、前記抵抗(Rw4)の値の調整により期間(τ411)において与える位相シフト量を調整することができる。
また、図11の前記位相変調制御回路(Ut)においては、ジャンパ端子(Jt1)にジャンパを接続した場合を説明したが、これをジャンパ端子(Jt2)にジャンパを接続することにより、前記タイミングパルス(Ckw)の1周期だけ前記スイッチ素子(Qx)のオン期間とオフ期間が短縮されるように変更することができる。
このように、ゲート(Gt1)への2個の入力信号の遅延の段数の差に等しい前記タイミングパルス(Ckw)の周期の数の期間にわたって前記スイッチ素子(Qx)のオン期間とオフ期間が短縮されるため、Dフリップフロップの数を適宜増減して、前記スイッチ素子(Qx)のオン期間とオフ期間が短縮される前記タイミングパルス(Ckw)の周期の数を調整することができる。
さらに、図11の前記位相変調制御回路(Ut)においては、ジャンパ端子(Jt3)にジャンパを接続した場合を説明したが、これをジャンパ端子(Jt4)にジャンパを接続することにより、前記位相変調信号(Sm)が反転するため、前記スイッチ素子(Qx)のオン期間とオフ期間の両方が延長されるようにして、位相変調が実現されるように変更することができる。なお、このようにジャンパ端子(Jt4)を採用するとともにジャンパ端子(Jt2)を採用した場合の様子は、前記図3aのようになる。
次に、第2の実施例について説明する。図13は、前記図6に記載のAC駆動方式の光源装置における前記インバータ制御回路(Fh)の簡略化された構成例を示すものである。
前記図13における発振ブロック(Uosc’)は、前記図10における発振ブロック(Uosc)と同様の構成を有し、動作も同様であるため、詳細の説明は省略する。また、位相変調制御回路(Ut’)は、前記図11に記載の位相変調制御回路(Ut)と同様の構成を有し、動作も同様であるため、詳細の説明は省略する。
したがって、前記発振ブロック(Uosc’)のなかのコンデンサ(Cw1)の充電電圧信号(Sh1)およびモノステーブルマルチバイブレータ(Th)が生成するタイミングパルス(Ckh)、また位相変調制御回路(Ut’)が生成する位相変調信号(Sm’)の様子は、図14a,b,cに示すようなものになる。
前記タイミングパルス(Ckh)は、クロックパルスとしてDフリップフロップ(FFH1)に供給され、また、前記Dフリップフロップ(FFH1)の出力の反転信号(Sh4)が、その入力信号として入力されているため、前記Dフリップフロップ(FFH1)が出力する信号(Sh3)は、前記タイミングパルス(Ckh)が立ち上がる度毎にその出力を反転する(図14d,e)。
一方、NOR論理のゲート(Gh1)には前記タイミングパルス(Ckh)と前記Dフリップフロップ(FFH1)からの信号(Sh3)とが入力され、NOR論理のゲート(Gh2)には前記タイミングパルス(Ckh)と前記Dフリップフロップ(FFH1)の反転信号(Sh4)とが入力されるため、前記ゲート(Gh1)が出力する信号(Gs1)および前記ゲート(Gh2)が出力する信号(Gs2)は、図14f,gに示すように、前記タイミングパルス(Ckh)がハイレベルである期間はローレベルであり、交互にハイレベルとなるものとなる。
前記信号(Gs1)を用いて、前記フルブリッジ方式のインバータ(Ub)の前記スイッチ素子(Q1,Q4)を制御する前記ゲート駆動回路(G1,G4)を制御し、また前記信号(Gs2)を用いて、前記スイッチ素子(Q2,Q3)を制御する前記ゲート駆動回路(G2,G3)を制御することにより、前記フルブリッジ方式のインバータ(Ub)を駆動することができる(図14h)。
前記位相変調制御回路(Ut’)からの前記位相変調信号(Sm’)がハイレベルになると、先に前記ゲート変調回路(Uw)と前記位相変調制御回路(Ut)に関して説明したものと同様の動作により、前記位相変調信号(Sm’)がハイレベルである期間(τ511)においては、前記Dフリップフロップ(FFH1)からの前記信号(Sh3)およびその前記反転信号(Sh4)の周期が短縮され、したがって前記信号(Gs1)および前記信号(Gs2)の周期も短縮されるため、前記したように、インバータの周期的な反転動作に対して、適当な量の位相シフトを与えることができる。結果としてランプの音響共鳴の不都合を回避する機能を発揮することがわかる。
なお、本発明に従って前記図9に記載のチョッパ能力制御回路(Ud)や前記図10に記載のゲート変調回路(Uw)、前記図13に記載のインバータ制御回路(Fh)を構成するに際しては、前記演算増幅器(Ade)や発振ブロック(Uosc,Uosc’)の一部、比較器(Cmw2)、フリップフロップ(FFh1)とゲート(Gh1,Gh2)に相当するものなどが集積された、市販の集積回路(例えば、テキサスインスツルメンツ社製TL494、日本電気(株)製μPC494など)を利用することができる。
図15は、前記集積回路(IC1)としてTL494を用いて、前記チョッパ能力制御回路(Ud)の一部、およびゲート駆動信号生成回路(Upm)を構成して、チョッパ駆動のための前記ゲート駆動信号(Sg)を生成する場合の、簡略化された構成例を示すものである。
抵抗(Rj3)を前記集積回路(IC1)の発振周波数決定抵抗接続端子に接続し、コンデンサ(Cj1)を前記集積回路(IC1)の発振周波数決定コンデンサ接続端子に接続して前記集積回路(IC1)を動作させることにより、前記コンデンサ(Cj1)には、前記図12aと同様の鋸歯状波の信号が現れるため、分圧抵抗(Rj4,Rj5)により適当なスレショルド電圧を生成し、これと、前記コンデンサ(Cj1)の電圧とを、比較器(Cmj1)を用いて比較することにより、前記図12cと同様のタイミングパルス(Ckw)を生成することができる。
このタイミングパルス(Ckw)を、前記位相変調制御回路(Ut)に入力することにより、前記図12hと同様の位相変調信号(Sm)が生成される。前記位相変調信号(Sm)がハイレベルの期間は、抵抗(Rj1)を介してトランジスタ(Qj1)がオン状態にされることにより、前記抵抗(Rj3)に並列に抵抗(Rj2)が挿入されるため、この期間においては、前記集積回路(IC1)の発振周期が短くなり、前記図12の期間(τ411)におけるものと同様の動作を行う。結果として、前記図12iと同様の、位相変調が加えられたゲート駆動信号(Sg)が生成される。
また、前記インバータ制御回路(Fh)を構成して、インバータ駆動のための前記信号(Gs1,Gs2)を生成する場合にも、前記図15の回路を適用することができ、この場合に相違する部分を括弧内に併記してある。前記比較器(Cmj1)の出力をタイミングパルス(Ckh)として前記位相変調制御回路(Ut’)に入力することにより、前記図14cと同様の位相変調信号(Sm’)が生成されるから、前記14f,gと同様の信号(Gs1,Gs2)が生成される。これに基づいてインバータ(Ub)を動作させることにより、結果として、前記図14hに示すような、位相変調が加えられたインバータ動作を実現することができる。
なお、前記図15の回路においては、前記ゲート駆動信号(Sg)は、前記集積回路(IC1)の発振周期の各周期毎にパルスを生成させるモードで、一方、前記信号(Gs1,Gs2)は、前記集積回路(IC1)の発振周期の2周期に1回づつ、交互にパルスを生成させるモードで動作する必要があるが、このために、前記集積回路(IC1)は、これら2種のモードから目的のモードを選択して設定するようになっている。
また、当然ながら、前記図15の回路をチョッパの駆動のために使用する場合と、インバータの駆動のために使用する場合では、前記集積回路(IC1)の発振周波数が異なるため、コンデンサ(Cj1)の値は、それぞれの周波数に適合したものとする必要がある。
以上においては、位相変調信号(Sm,Sm’)はタイミングパルス(Ckw,Ckh)に同期して遷移するものについて説明したが、回路を簡略化して、非同期に遷移するものとすることもできる。図16は、前記集積回路(IC1)として、前記と同じくTL494を用いて、前記チョッパ能力制御回路(Ud)の一部、および前記ゲート駆動信号生成回路(Upm)を構成して、チョッパ駆動のための前記ゲート駆動信号(Sg)を生成する場合の、簡略化された構成例を示すものである。
この回路は、前記図15の回路においては、コンデンサ(Cj1)の電圧信号に基づいてタイミングパルス(Ckw)を生成していたものを、これを省略した上で、前記位相変調信号(Sm)と類似しているが非同期の信号を得るために、位相変調を行う周期を決定するための発振器(Osck)の信号の、例えば立ち上がり部にてモノステーブルマルチバイブレータ(Tk)を活性化することにより、前記位相変調信号(Sm)と類似の、一定の時間幅を有する位相変調信号(Sm2)を生成するようにした点が相違する。
このように、位相変調信号(Sm2)を前記集積回路(IC1)の発振周期に対して非同期としたことにより、位相変調の様子が非再現的なものとなり、例えば、前記位相変調信号(Sm2)がローレベルのパルスを発生させるものでは、前記図2のaとb、図3のaのものが混在して発生するが、このようになっても、前記位相変調信号(Sm2)の時間幅が一定であり、したがって、その期間に与えられる位相のシフト量は概ね一定であるため、その時間幅が適当に設定されていれば、位相変調によるランプの音響共鳴の不都合を有効に回避することができる。
また、前記図15の回路について説明したのと全く同様に、前記インバータ制御回路(Fh)を構成して、インバータ駆動のための前記信号(Gs1,Gs2)を生成する場合にも、前記図15の回路を適用することができる。
当然ながら、本発明は、放電ランプにおける放電開始後、特にアーク放電の開始後において機能を発揮するものであるから、前記スタータ(Ui,Ui’)の構造や、前記スタータ(Ui,Ui’)が発生する高電圧の放電ランプへの印加の仕方には無関係に適用することができる。
したがって例えば、放電ランプの放電空間内または封体の外面に補助電極を設け、主たる放電のための両極の電極の何れか一方と前記補助電極との間に、スタータよりの高電圧を印加する、(DC駆動またはAC駆動方式の)外部トリガ方式の光源装置においても、本発明の効果は良好に発揮される。
本明細書に記載の回路構成は、本発明の光源装置の動作や機能、作用を説明するために、必要最少限のものを記載したものである。したがって、実施例で説明した回路動作の詳細事項、例えば、信号の極性であるとか、具体的な回路素子の選択や追加、省略、或いは素子の入手の便や経済的理由に基づく変更などの創意工夫は、実際の装置の設計業務において、精力的に遂行されることを前提としている。
とりわけ過電圧や過電流、過熱などの破損要因から給電装置のFET等のスイッチ素子などの回路素子を保護するための機構、または、給電装置の回路素子の動作に伴って発生する放射ノイズや伝導ノイズの発生を低減したり、発生したノイズを外部に出さないための機構、例えば、スナバ回路やバリスタ、クランプダイオード、(パルスバイパルス方式を含む)電流制限回路、コモンモードまたはノーマルモードのノイズフィルタチョークコイル、ノイズフィルタコンデンサなどは、必要に応じて、実施例に記載の回路構成の各部に追加されることを前提としている。
本発明になる光源装置の構成は、本明細書の実施例などに記載の回路方式のものに限定されるものではなく、また、実施例などに記載の波形やタイミング図に限定されるものではない。例えば、位相変調制御回路(Ut,Ut')においては、位相変調を加える周期を規定するための信号(St0)を生成する発信器(Osct)が、本光源装置に内蔵される例を示したが、これが外部、例えば、本光源装置を内蔵するプロジェクタ等の光学装置本体の側に存在して、信号(St0)は、光学装置本体の画像処理上において好都合なタイミングで生成され、これが本光源装置に供給されるようにしてもよい。
さらに、例えば、前記図1における前記給電制御回路(Fx)の前記総合制御部(Xpu)は、ランプ電圧(VL)に対応する前記ランプ電圧信号(Sv)をAD変換し、これに基づいて前記チョッパ能力制御目標信号(St)を設定するものとしたが、ランプ電流(IL)に対応する前記ランプ電流信号(Si)についてもこれをAD変換し、得られた電流値が目標電流値に一致するように前記チョッパ能力制御目標信号(St)を補正して設定することにより、各回路素子パラメータのバラツキの影響を補正するような高精度化や高機能化、あるいは逆に、例えば、前記マイクロプロセッサユニット(Mpu)を廃して、より単純な制御回路に代えるような簡素化などの光源装置の構成の多様化のもとでも、本発明の効果は良好に発揮される。