JP4122757B2 - 液化ガス供給システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バルク容器を2基以上備えた液化ガス供給システムにおいて、バルク容器ごとに設けられる逆止弁のクラッキング圧を調整可能とした構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液化ガス供給システムは、タンクローリー等で配送された液状態の液化ガス(以下、LPG液)を貯蔵するバルク容器と、該バルク容器に接続され、LPG液を強制気化させて燃焼機器等に気化ガス(以下、LPGガス)を供給する蒸発装置とを主たる装置とする。しかし、バルク容器を1基しか備えないシステムでは、LPG液の貯蔵量が少ないから、LPG液を頻繁に補給しなければならない場合がある。
【0003】
そこで、LPG液の貯蔵量を増やすために、バルク容器を複数基備えた液化ガス供給システムが開発されるに至っている。図6は、バルク容器を2基備えた液化ガス供給システムの回路図である。同図において、T1・T2はバルク容器、VRは蒸発装置を示し、P1・P2はバルク容器T1・T2ごとに設けられた圧力調整弁であって、蒸発装置VRに対するLPG液の供給圧を設定するものである。これら圧力調整弁P1・P2は異なる供給圧に設定され、これによって何れのバルク容器T1・T2を優先的に使用するかが決定される。
【0004】
なお、P3・P4は各バルク容器T1・T2で自然気化されたLPGガスの供給圧を設定するもので、P1・P2と同様に、異なる供給圧に設定しておくことにより、何れのバルク容器T1・T2のLPGガスを優先的に使用するかが決定される。さらに、P5は蒸発装置VRによって強制気化されるLPGガスの供給圧を設定するもので、通常は、P3やP4よりも高圧に設定され、蒸発装置VRによるLPGガスを自然気化分に優先して燃焼機器等に供給するようにしている。
【0005】
このようなシステム構成によれば、バルク容器T1・T2を2基備えることによって、LPG液の総貯蔵量が拡大する。従って、LPG液の補給頻度を低く抑えることができる。また、何らかの理由で一方のバルク容器に係るLPG液供給ラインを停止したとしても、他方がこれをバックアップし、システム全体が停止するという不都合を回避できる利点がある。
【0006】
ところで、バルク容器を2基以上備えた上述のようなシステムでは、各バルク容器のLPG液が互いに他方に移動しないような逆流防止措置を講じる必要がある。仮に、LPG液を許容限度量貯蔵したバルク容器に他のバルク容器からLPG液が流れ込めば、移動先のバルク容器に液封が発現するおそれがあり、危険だからである。
【0007】
そこで従来は、図6において、LPG液の圧力調整弁P1・P2として逆止弁を採用することにより、バルク容器T1・T2間でLPG液の移動を防止するという措置を講じている。この構成によれば、逆止弁(圧力調整弁)P1・P2のクラッキング圧に差を持たせることによって、上述したようにバルク容器T1とT2の使用に優先条件を付すこともできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記逆止弁を採用したシステム構成であっても、なお解決すべき課題が残されていたのである。即ち、上記構成においてクラッキング圧の調整は、専ら逆止弁に内蔵のバルブスプリングによって行われていた。このため、逆止弁を一度システムに組み込んだ後は、そのクラッキング圧を自由に調整できず、設計時に設定したクラッキング圧に拘束されるという課題がある。また、仮にクラッキング圧を調整しようとすれば、システムから逆止弁を取り外し、他のものに交換するしかないが、このときはシステムを停止させる必要がある。このため、燃焼機器に対するガスの供給が一時的に断たれるという課題もある。さらに、逆止弁の交換時にバネ係数が異なるバルブスプリングを採用するとしても、クラッキング圧を細かく設定できないという課題もある。
【0009】
本発明は上述した課題を全て解決するためになされたもので、その目的とするところは、システムを停止することなく当該システムに装置された逆止弁のクラッキング圧を調整でき、しかも該クラッキング圧を細かく調整することができる液化ガス供給システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明では、2基以上のバルク容器をその液相ラインが合流するように並列に接続すると共に、前記各液相ラインには蒸発装置に至る途中に逆流防止機構を設置してなり、該逆流防止機構は、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢された逆止弁と、該逆止弁を開弁可能な弁棒を備えたダイヤフラムと、該ダイヤフラムの前記弁棒とは反対側に上板部を固定したスプリングハウジングと、該スプリングハウジングの下板部を貫通して設けたセンターシャフトと、該センターシャフトの先端と前記スプリングハウジングの前記下板部の間に前記弁棒を前記開弁方向とは反対側に付勢するダイヤフラムスプリングと、前記センターシャフトの下端が固定され、前記ダイヤフラムスプリングの付勢力を調整可能な調整用ツマミとからなり、さらに前記ダイヤフラムには一次圧の印加により前記バルブスプリングの付勢力に抗して前記弁棒を介し逆止弁を開弁可能とする一方、二次側からの逆流圧の印加により逆止弁を閉弁可能とするという手段を用いた。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一実施形態に係る液化ガス供給システムの回路構成であって、1および2はバルク容器、3・4は各バルク容器1・2の上部から自然気化によるLPGガスを出力する気相取出しライン、5は各気相取出しライン3・4を合流して接続したLPGガスの送出ライン、6・7は各気相取出しライン3・4の途中に設けられた圧力調整器、8はLPGガス供給口であって、該LPGガス供給口8の先に燃焼機器等(図示せず)が接続される。各圧力調整器6・7は、2次圧を設定するものであり、バルク容器1と2とで差を設け、この実施形態の場合、バルク容器1側は50kPa越、バルク容器2側はこれよりも低い50kPaに設定している。なお、2aは一方のバルク容器2のみに設置された液面の遠隔通報装置からなる液面発信器である。
【0012】
次に、9・10は各バルク容器1・2の下部から出力される液相取出しラインであって、バルク容器1・2内のLPG液を排出するものである。11は、各液相取出しライン9・10が合流するように接続したLPG液の送出ラインであって、適宜フラッシュ弁(気化圧力調整弁)等を介して蒸発装置12に接続されている。
【0013】
さらに、13は蒸発装置12によって気化されたLPGガスを送出するラインであって、上記LPGガス供給口8に接続されると共に、その途中には圧力調整器14を設けている。この圧力調整器14も上記圧力調整器6・7と同様に2次圧を設定するものであるが、バルク容器1・2の気相取出しライン3・4側のそれ6・7よりも高く設定されており、本実施形態の場合、70kPaに設定している。
【0014】
また、各液相取出しライン9・10中に示した15・16はLPG液の逆流防止機構である。この逆流防止機構15・16は、各バルク容器1・2のLPG液が互いに他方のラインおよびバルク容器に移動することを防止すると共に、各液相取出しライン9・10のクラッキング圧を設定するものである。
【0015】
逆流防止機構15・16の詳細を図2および図3に従って説明する。なお、各バルク容器1・2とも同じ構造の逆流防止機構15・16を採用するため、ここではバルク容器1に係る一方の逆流防止機構15について説明する。
【0016】
図2、3において、17はハウジングであって、その上部には弁函18の嵌入孔17aが上下方向に形成され、該嵌入孔17aと連通してLPG液の二次通路17bが形成されている。嵌入孔17aには、弁座19を嵌入すると共に、逆止弁21を内蔵した弁函18を嵌入している。逆止弁21は、弁座19に着座して弁孔19aを閉弁する弁体21aと、該弁体21aを着座方向に付勢するバルブスプリング21bとからなり、バルブスプリング21bによって弁体21aのシート圧を決定している。
【0017】
さらに、ハウジング17には、図2に示すように、嵌入孔17aに臨んでバルク容器1からLPG液を受け入れる液導入口17cが形成されると共に、前記二次通路17bに臨んでLPG液を蒸発装置12に供給する液送出口17dが形成されている。而して、逆止弁21の開閉動作により、バルク容器1から蒸発装置12へのLPG液の供給を許可する一方、蒸発装置12側、即ちLPG液の送出ライン11を共通して接続された他方のバルク容器2からLPG液がバルク容器1に逆流することを防止するように構成している。
【0018】
一方、22は弁体21aを下方から突き上げて逆止弁21を開弁可能とした弁棒、23は前記二次通路17bに嵌入され、弁棒22の上下動を案内するガイドを示す。
【0019】
次に、24はハウジング17の下部に固定されたダイヤフラムを示し、ハウジング17とダイヤフラムカバー25との間に挟持固定している。そして、ハウジング17の下部を凹陥してなるダイヤフラム24の上圧力室24aには、図2に示したように、前記液送出口17dから分岐した二次側分流孔26を介して液送出口17dに係る逆流圧を印加するように構成している。対して、ダイヤフラムカバー25に設けたダイヤフラム24の下圧力室24bには、図3に示したように、逆止弁21の一次側から分岐した一次側分流通路27を介してバルク容器1からのLPG液送出圧を印加するように構成している。
【0020】
さらに、ダイヤフラム24にはステム28を介して前記弁棒22が接続され、該弁棒22をダイヤフラム24と連動して上下動させるように構成している。なお、29はステム28の平板部28aとによりダイヤフラム24を挟持するプレート、30はダイヤフラム24およびプレート29を貫通するステム28の下端に螺合されたナットであり、該構成によってダイヤフラム24に固定されたステム28を介して弁棒22をダイヤフラム24と連動させるように構成している。
【0021】
一方、31はダイヤフラム24の下圧力室24bに位置して設けたスプリングハウジングを示し、前後面を開放した矩形に形成され、その上板部31aは上記ナット30によりプレート29と一緒にダイヤフラム24に固定されている。さらに、33はダイヤフラムカバー25の下端からスプリングハウジング31の下板部31bを貫通して設けたセンターシャフトを示し、その先端にはスプリングストッパー34が固定されている。そして、スプリングストッパー34とスプリングハウジング31の下板部31bの間にダイヤフラムスプリング35が介挿されている。なお、36はブッシュである。
【0022】
さらに、37はダイヤフラムカバー25の下胴部に螺合するクラッキング圧設定用のキャップ(調整用ツマミ)であり、ナット38により上記センターシャフト33の下端を固定している。さらに、圧力設定用キャップ37の外面には、図4に示したように、逆止弁21のクラッキング圧の設定目盛39が形成されており、ダイヤフラムカバー25に垂下して設けたゲージ棒40のゲージ線41に前記設定目盛39を合わせるようにキャップ37の締め込みを調整することによって、逆止弁21のクラッキング圧が調整される。
【0023】
即ち、キャップ37の締め込み量を調整すれば、これに固定したセンターシャフト33が上下してダイヤフラムスプリング35の収縮量が変わる。ここでキャップ37を締め込めばダイヤフラムスプリング35の収縮量は小さくなり、キャップ37を緩めるほどダイヤフラムスプリング35の収縮量は増す。そして、ダイヤフラムスプリング35が収縮すれば、スプリングハウジング31を介して、ダイヤフラム24を引き下げる方向に作用する。つまり、ダイヤフラムスプリング35の収縮量を調整することによって、ダイヤフラム24の引き下げ力が調整される。そして、ダイヤフラム24の引き下げ力が高まれば、これに固定された弁棒22の応答性も調整される。つまり、ダイヤフラム24の引き下げ力と、ダイヤフラム24の下圧力室24bに係るLPG液の一次側送出圧との差が、弁棒22の突き上げ力に変換される。この結果、弁棒22による突き上げ力と、逆止弁21のバルブスプリング21bによって決定されるシート圧との関係によって、逆止弁21のクラッキング圧が調整されるのである。
【0024】
而して、上記構成からなる逆流防止機構15の動作を説明する。先ず、図2、3はキャップ37の締め込みを調整して、逆止弁21のクラッキング圧を0kPaに設定した状態を示すが、該逆流防止機構15は液相取出しライン9に未装着である。よって、該逆流防止機構15にはバルク容器1からのLPG液送出圧がかかっておらず、この状態では、ダイヤフラム24の下圧力室24bに何ら圧力が加わっていないから、ダイヤフラム24を押し上げようとする力も作用していない。また、キャップ37を0MPaに位置させている場合、ダイヤフラムスプリング35は収縮せず、自然な状態にあって、結果、ダイヤフラム24を引き下げようとする力も作用していない。従って、ダイヤフラム24は未変形の状態となる。そして、このようにダイヤフラム24が未変形の状態にあるときは、弁棒22の先端が逆止弁21に到達しないように設定している。
【0025】
次に、この状態にある本逆流防止機構15を液相取出しライン9に装着すると、バルク容器1からのLPG液送出圧が一次側分流通路27を介して下圧力室24bに印加され、ダイヤフラム24を押し上げる。この結果、弁棒22がバルブスプリング21bの付勢力に抗して弁体21aを突き上げ、逆止弁21を開弁する。なお、このときダイヤフラム24の押し上げ変形と同時にスプリングハウジング31が上方に移動し、結果、ダイヤフラムスプリング35を収縮するが、その収縮量は小さなものであるので無視することができる。
【0026】
そして、本実施形態の場合、20〜80kPaまでクラッキング圧を調整することができるのであるが、この状態からキャップ37の締め込みを緩めれば、これに伴ってセンターシャフト33が下がり、ダイヤフラムスプリング35の収縮量が増して、ダイヤフラム24の引き下げ力が増す。この結果、弁棒22の突き上げ力も低下するから、逆止弁21のクラッキング圧を高く設定することができる。
【0027】
これに対して、キャップ37を一定以上締め込めば、センターシャフト33が上がり、ナット30およびステム28を介して、弁棒22が直接突き上げられるから、これにより逆止弁21を全開の状態に開弁することができる。
【0028】
このように本逆流防止機構15によれば、キャップ37の締め込みを調整するだけで、逆止弁21のクラッキング圧を調整することができる。また、その調整は実質的にはダイヤフラムスプリング35の収縮量によって決定されるから、クラッキング圧を細かく調整することができる。
【0029】
一方、上述した要領で開弁動作している逆流防止機構15の液送出口17dに二次側からの逆流圧がかかったときは、その逆流圧は二次側分流孔26を介してダイヤフラム24の上圧力室24aに印加され、これによってダイヤフラム24が押し下げられる。そして、ダイヤフラム24の押し下げによって弁棒22が下がって弁体21aの突き上げが解除されるから、逆止弁21を自動的に閉弁することができるのである。
【0030】
この一連の動作は、他方側バルク容器2の液相取出しライン10に装着される逆流防止機構16でも同様に行われることはもちろんである。
【0031】
なお、上記実施形態において、42は液入口圧力計を示し、該圧力計42は圧力計ソケット43を介して弁函18に接続され、LPG液の一次圧を表示するようにしている。
【0032】
そして、本発明は、逆流防止機構15・16における逆止弁21のクラッキング圧に差を設けることによって、バルク容器1・2の利用に関し優先順位を決定しているのである。
【0033】
なお、図1において51はキャッチラインである。本発明の場合、上述したように複数あるバルク容器1・2の利用に関し優先順位を決定し、その優先利用のバルク容器1のLPG液残量が一定以下となれば、他方のバルク容器2を利用するように切り替えることとしている。言い換えれば、本実施形態のようにバルク容器を2基備えた場合は、その利用に関して同時稼働はなく、排他別個に稼働することとなる。
【0034】
そして、上記運転要領に従って複数あるバルク容器1・2のうち一つのみが稼働していることを想定した場合、このキャッチライン51は、自然気化による気相ライン(ガス送出ライン5)と蒸発装置12による液相ライン(ガス送出ライン13)の2系統のうち一の系統を選択的にメインラインとしながら、他方を補完的にバックアップラインとして機能させるように構成したものである。その基本的な構成および利点は、本出願人の出願に係る特開2000−121036号公報に公知である。
【0035】
これに基づいて、このキャッチライン51の構成および作用について説明すると、キャッチライン51の構成は、図5に示すように、液相ライン52(LPG液送出ライン11と等価)の途中に遮断弁53を設け、この遮断弁53の開閉によって液相ライン、即ち蒸発装置12による強制気化ガスの利用を決定するようにしている。そして、遮断弁53の開閉は次のようにして制御される。即ち、蒸発装置12側のガス圧を一方圧A、各バルク容器1・2の上部から自然気化によって出力されるLPGガスの圧力調整前の元圧を他方圧Bとし、且つ、遮断弁53を閉弁する動作圧をCとした三方弁55を備え、例えば動作圧Cに0.5MPa以上の圧力が加われば遮断弁53が閉弁するように設定しておく。
【0036】
次の前記構成のキャッチライン51の作動を説明すると、先ず三方弁55の方向が他方圧Bと動作圧Cを接続している場合は、LPG液残量が十分なときや夏場などはLPG液の自然気化量が多くなり、当該分のLPGガス圧が上昇する。そして、このガス圧が遮断弁53の設定圧である0.5MPaを越えれば遮断弁53は閉弁し、液相ライン52の流路は断たれる。つまり、自然気化量が十分な場合はバルク容器の上部から出力されるLPGガス送出ライン5のLPGガスを優先して供給することができて、合理的である。もちろん、自然気化量が不十分となれば、動作圧Cの低下により遮断弁53が開き、今度は液相ライン52側、即ち蒸発装置12による気化ガスの利用に切り替える。
【0037】
他方、三方弁55の方向を一方圧Aと動作圧Cを接続させる方向に決定した場合について説明すると、ここでは液相ライン52をメインラインとしてガス供給しているときに有効である。つまり、冬場など自然気化量を十分に期待できないときなどは、液相ライン52をメインとして稼働させるが、このライン選択時に液相ライン52中でフラッシュ弁の故障等により蒸発装置12からのガス圧が異常に上昇した場合、これを受けて遮断弁53を閉弁し、その後、蒸発装置12へのLPG液の不用意な送出を制限することができるからである。そして、このときはバルク容器の上部から自然気化ガスが送出されるLPGガス送出ライン5がバックアップラインとして機能し、LPGガスを継続して供給することができる。
【0038】
なお、三方弁55の接続切替は手動であってもよいが、外気温や液面を検知して三方弁を自動的に切替るように構成することも可能である。その他、気相ラインと液相ラインの切替えについての基本的構成は、上述した本出願人の出願に開示された技術を適宜採用できることはもちろんである。
【0039】
上述の構成からなる第一実施形態の液化ガス供給システム全体の動作を説明すると、先ずこの実施形態の場合、2基のバルク容器のうち逆止弁のクラッキング圧が低い図面左側のバルク容器1が優先して利用されることになる。つまり、同量のLPG液を貯蔵した初期状態では、蒸発装置12で使用するLPG液はバルク容器1から優先的に供給され、その残量が一定以下となったとき液圧の低下によりバルク容器1に係る逆流防止機構15の逆止弁は閉じる一方、他方側バルク容器2に係る逆流防止機構16の逆止弁は開弁し、他方のバルク容器2からの液供給に切り替わる。このとき逆止弁の本来的な機能により、バルク容器1・2間でLPG液が他方に移動することはなく、常にバルク容器の液封は防止される。
【0040】
また、バルク容器1・2の利用に順位を付けたので、液面の監視は非優先側のバルク容器2のみ行えばよく、このため液面計等の設置や監視作業を簡素化できる。そして、このように液面管理が複数あるバルク容器のうち一のみを監視することが可能となったため、LPG液の補給頻度も少なくでき、タンクローリーの配送効率も高めることができる。
【0041】
また、バルク容器1・2の順でLPG液が使用され、この間、常にLPGガスを発生することができるので、長時間にわたり消費側にLPGガスを供給できることはもちろんである。
【0042】
ここまでは蒸発装置12によるLPG液の強制気化について説明したが、上述したキャッチライン51の機能により気相ラインを優先的に使用することができることはもちろんである。この場合も、バルク容器1・2とでは各後段にガス圧の設定圧が異なる圧力調整器6・7を接続しているので、本実施形態で例示した設定圧の場合は、やはり図面左側のバルク容器1の自然気化ガスが利用されることになる。これもまた、LPG液の利用に順番が決定され、当該設定圧の差により、一方のバルク容器1のLPG液を優先利用することを意味する。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バルク容器を2基以上備えた液化ガス供給システムにおいて、各バルク容器の液相ラインごとに蒸発装置に至る途中に設置された逆流防止機構のクラッキング圧をきめ細かく設定できる。このため、バルク容器を多数設置しても、各バルク容器ごとに異なるクラッキング圧を設定することができる。しかも、該逆流防止機構をシステムに装着した状態でクラッキング圧の調整を行うことができるので、その調整時にシステムを停止させる必要がない。また、該逆流防止機構によってクラッキング圧の違いによりバルク容器の使用に関して利用順序が決定し、この順序に従ってLPG液が消費されるため、その液面管理は優先度の最も低いバルク容器のみを監視することで足り、LPG液の補給効率を合理的に高めることができる。また、この間、LPGガスの供給を継続して行うことができるので、バルク容器の設置基数に見合っただけ、長時間にわたりLPGガスを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示したシステム回路図
【図2】同システムにおける逆流防止機構の縦断面図(正面視)
【図3】同逆流防止機構の縦断面図(側面視)
【図4】同逆流防止機構におけるキャップ付近の要部正面図
【図5】第一実施形態におけるキャッチラインの回路図
【図6】従来のLPG(ガス)供給システムを示した回路図
【符号の説明】
1・2 バルク容器
3・4 気相取出しライン
5 LPG(ガス)送出ライン
6・7 圧力調整器
8 LPG(ガス)供給口
9・10 液相取出しライン
11 LPG液送出ライン
12 蒸発装置
13 LPG(ガス)送出ライン
14 圧力調整器
15・16 逆流防止機構
17 ハウジング
17a 嵌入孔
17b 二次通路
17c 液導入口
17d 液送出口
18 弁函
19 弁座
21 逆止弁
21a 弁体
21b バルブスプリング
22 弁棒
23 弁棒ガイド
24 ダイヤフラム
25 ダイヤフラムカバー
26 二次側分流孔
27 一次側分流通路
28 ダイヤフラムステム
28a 同ステムの平板部
29 ダイヤフラムプレート
30 ダイヤフラムステムの固定ナット
31 スプリングハウジング
33 センターシャフト
34 スプリングストッパー
35 ダイヤフラムスプリング
36 ブッシュ
37 クラッキング圧設定用キャップ
38 センターシャフトの固定ナット
39 設定目盛
40 ゲージ棒
41 ゲージ線
42 液入口圧力計
43 圧力計ソケット
51 キャッチライン

Claims (1)

  1. 2基以上のバルク容器をその液相ラインが合流するように並列に接続すると共に、前記各液相ラインには蒸発装置に至る途中に逆流防止機構を設置してなり、該逆流防止機構は、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢された逆止弁と、該逆止弁を開弁可能な弁棒を備えたダイヤフラムと、該ダイヤフラムの前記弁棒とは反対側に上板部を固定したスプリングハウジングと、該スプリングハウジングの下板部を貫通して設けたセンターシャフトと、該センターシャフトの先端と前記スプリングハウジングの前記下板部の間に前記弁棒を前記開弁方向とは反対側に付勢するダイヤフラムスプリングと、前記センターシャフトの下端が固定され、前記ダイヤフラムスプリングの付勢力を調整可能な調整用ツマミとからなり、さらに前記ダイヤフラムには一次圧の印加により前記バルブスプリングの付勢力に抗して前記弁棒を介し逆止弁を開弁可能とする一方、二次側からの逆流圧の印加により逆止弁を閉弁可能としたことを特徴とする液化ガス供給システム。
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