JP2002181292A - 液化ガス供給システム - Google Patents

液化ガス供給システム

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JP2002181292A
JP2002181292A JP2000376277A JP2000376277A JP2002181292A JP 2002181292 A JP2002181292 A JP 2002181292A JP 2000376277 A JP2000376277 A JP 2000376277A JP 2000376277 A JP2000376277 A JP 2000376277A JP 2002181292 A JP2002181292 A JP 2002181292A
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gas
liquid
lpg
pressure
liquefied gas
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JP2000376277A
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English (en)
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Tetsuya Oonishi
▲てつ▼也 大西
Yoshiaki Tanaka
義明 田中
Masanori Nurita
政仙 塗田
Masaharu Yamasumi
正治 山角
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KAGLA INBEST CORP
Original Assignee
KAGLA INBEST CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルク容器を2以上備えたLPG(ガス)供
給システムにおいて、各バルク容器ごとに使用の優先順
位を付けることで、システム全体におけるLPG液の残
量を一元管理でき、この結果、LPG液の補給頻度が不
用意に増加しないようにすることを目的とする。 【解決手段】 自然気化による気相ラインと、蒸発装置
にLPG液を供給する液相ラインを備えたバルク容器を
前記各気相ライン同士および各液相ライン同士が合流す
るように2基以上並列に接続してなり、前記各液相ライ
ンには蒸発装置に至る途中に逆流防止回路を設置すると
共に、該逆流防止回路ごとに少なくとも2以上の異なる
クラッキング圧が設定され、且つ、前記気相ラインごと
に接続された圧力調整器は少なくとも2以上の異なるガ
ス圧に設定するという手段を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バルク容器など
に貯蔵された液化ガス液を気化して燃焼機器等に供給す
るシステムに係り、より詳しくはバルク容器又は貯槽
(以下、単に「バルク容器」という)を2以上備えるこ
とにより、液化ガス液の補給頻度を少なくし、且つ、気
化ガスを長時間安定して供給する一方、各バルク容器に
接続されたガス供給ラインのうち一が稼働しなくなった
ときでも、燃焼機器側に継続して液化ガスを供給し得る
バックアップラインを構築するようにした液化ガス供給
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から1トン程度の容量をもつバルク
容器にタンクローリーから液状の液化ガス(以下、LP
G液という)を受け入れた後、貯蔵して、これを自然気
化あるいは/および蒸発装置(ベーパーライザー)によ
り気化させて後段に接続された燃焼機器等に気化ガス
(以下、LPG(ガス)という)を供給するシステムは
広く知られている。
【0003】このような供給システムにおいては、でき
るだけ液化ガス液の補給頻度を減らすことによりタンク
ローリーの配送効率を高め、且つ、消費側にLPG(ガ
ス)を長時間供給できる構成を採用することが好まし
い。また、蒸発装置の故障時などには、これを補完して
LPG(ガス)の継続供給を担保できるバックアップラ
インを設けておくことが好ましい。
【0004】こうした目的を達成するためには、容量の
大きいバルク容器を備えるという方法が構成上単純であ
るが、実際にはガス消費量との兼ね合いやバルク容器設
置の法律規制などの制約もあるため、大容量のバルク容
器を採用できない場合もある。また、この構成である
と、LPG(ガス)の供給ラインは一系統のみとなるた
め、バックアップラインを構築することはできない。
【0005】そこで従来は、図6に示すように、バルク
容器T1・T2を2以上備えた供給システムの構築を試
みていたのである。当該構成によれば、LPG液の全体
貯蔵量をバルク容器の設置数に見合って増やすことがで
き、相対的に大容量バルク容器を採用したときと同じ効
果を得ることができるため、LPG液の補給頻度を低減
できるという期待感がある。また、2以上のうち一のバ
ルク容器T1に係るガス供給ラインが停止した場合で
も、他のバルク容器T2からLPG(ガス)を得ること
も考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記図示
した従来のガス供給システムは、自然気化分のLPG
(ガス)の供給圧a・bや、蒸発装置Vに対するLPG
液の供給圧c・dに条件を付すことなく、単に2つのバ
ルク容器を同条件で並列に接続したものであるため、次
のような課題があった。なお、同図の従来システムの場
合、圧力調整器P…Pなどによって、自然気化分のガス
供給圧a・bを0.05MPaと設定する一方、蒸発装
置Vからのガス供給圧eをこれよりも高圧な0.07M
Paに設定することで、蒸発装置VによるLPG(ガ
ス)を優先して供給するようにしている。
【0007】上記従来システムの課題とは、即ち第一に
バルク容器T1とT2の液取出口が合流する液相ライン
L1中に何ら逆流の措置が施されておらず、且つ、両バ
ルクT1・T2が必ずしも設置条件が一致しないことに
起因するもので、例えばバルク容器T1がT2よりも陽
当たりのよい場所に設置されている場合は、バルク容器
T1の内圧が短時間でT2よりも高くなるが、当該内圧
上昇によってバルク容器T1貯蔵のLPG液が他方のT
2に移動し、最悪の場合、バルク容器T2に液封が生じ
る結果となる。この液封現象は、本来LPG(ガス)の
みを送出する気相ラインL2にバルク容器T2からのL
PG液が混入し、このLPG液が燃焼機器側に到達して
もまだなお液状態のままとした場合に、燃焼機器に悪影
響を及ぼす、あるいは最悪の場合、爆発の危険もあるこ
とから、絶対に避けなければならない。
【0008】また、上記課題と同時発生する別の課題と
しては、上記従来システムでは上述したようにバルク容
器T1とT2をガス供給圧等について同条件のもと並列
に設置しており、この設置方法では何れのバルク容器T
1・T2を使用するかについて優劣がないことに起因す
るものである。即ち、言い換えればバルク容器T1・T
2は全く無関係に使用されるのであって、この結果、両
バルク容器T1・T2でLPG液の残量が違ってくる。
これに対して、LPG液の補給は一方のバルク容器の残
量が30%程度になったときに行われるため、各バルク
容器でLPG液の補給は別管理とせざるを得ず、タンク
ローリーの配送効率も著しく悪化する。
【0009】さらに、両バルク容器T1・T2の残量を
別個に管理するためには、容器T1・T2ごとに液面を
遠隔通報する液面発信器を設置しなければならず、イニ
シャルコストが嵩むと共に、消費側でこれを別個に監視
することは非常に手間である。
【0010】さらにまた、上記従来の供給システムで
は、一方のバルク容器が他を補完するというバックアッ
プ機能は持ち合わせず、例えば図6に示した液化ガス供
給システムにおいて圧力調整器Pの設定圧が少しでも異
なる場合、バルク容器T1、T2内のガス圧に差が生
じ、LPG液の移動が起こる。このことによって気相ラ
イン圧力調整器PからLPG液が流出し燃焼機器側に液
状態のまま到達することが考えられ危険であるため、通
常は弁fによって前記LPG液の流出を防止している。
しかし、このようにした場合は、蒸発装置Vが故障した
場合にはシステム全体が停止するという課題もある。
【0011】このように本発明では、従来技術の課題に
鑑み、バルク容器を2以上備えたLPG(ガス)供給シ
ステムにおいて、各バルク容器ごとに使用の優先順位を
付けることで、システム全体におけるLPG液の残量を
一元管理でき、この結果、LPG液の補給頻度を少なく
できる構成を開示することを目的として創作されたもの
である。
【0012】また、2以上のバルク容器を備えることに
より構築される複数系統のガス供給ラインのうち何れか
が停止しても、少なくとも一つの供給ラインが機能して
いれば継続してLPG(ガス)を供給できる構成を開示
することも目的の一つとする。
【0013】なお、バルク容器に貯蔵したLPG液の気
化方法は、太陽熱を利用した自然気化方法と蒸発装置を
利用した強制気化方法とがある。このうち自然気化によ
る気化方法では、バルク容器内のLPG液の残量が減る
につれて供給ガス圧が低下し、当該残量が一定以下とな
ったときは所要圧力に満たなくなり、そのままではLP
G(ガス)を供給することができなくなる。従って、自
然気化のみに頼る気化方法では、バルク容器内のLPG
液量を一定以上維持しておく必要があるが、液量を常
時、一定量維持するためには、頻繁にタンクローリーか
らLPG液を補給しなければならないという課題があ
る。
【0014】他方、常時、蒸発装置による強制気化方法
を採用した場合は、熱源維持等のランニングコストが高
くつくという課題がある。特に夏場などは、外気温によ
ってLPG液を有効に自然気化させることができるにも
拘わらず、蒸発装置を運転させることは上記課題を助長
するものである。
【0015】よって、一のバルク容器を見た場合、LP
G(ガス)の供給系統は自然気化と蒸発装置による強制
気化の2系統を備え、何れの供給系統を選択するか適宜
切り替えられるようにすることによって、当該2系統の
供給ラインが相互に補完し合う構成を採用することが好
ましい。そこで、本発明では当該構成をも組み込み、よ
り安定してLPG(ガス)を供給できるシステムを供給
することも目的としているのである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために本発明では、自然気化による気相ラインと、蒸発
装置にLPG液を供給する液相ラインを備えたバルク容
器を前記各気相ライン同士および各液相ライン同士が合
流するように2基以上並列に接続してなり、前記各液相
ラインには蒸発装置に至る途中に逆流防止回路を設置す
ると共に、該逆流防止回路ごとに少なくとも2以上の異
なるクラッキング圧が設定され、且つ、前記気相ライン
ごとに接続された圧力調整器は少なくとも2以上の異な
るガス圧に設定するという手段を用いた。この手段にお
いて、逆流防止回路のクラッキング圧は低いほど優先的
に使用される一方、圧力調整器のガス圧は高いほど優先
して使用される。つまり、クラッキング圧が最も低く、
且つ、ガス圧が最も高く設定されたバルク容器が最優先
に使用され、その逆に設定されたバルク容器は最も最後
に使用されることになる。なお、バルク容器を3以上接
続する場合は、全てのクラッキング圧およびガス圧を異
なるように設定することも可能であるが、例えば3基を
例に採ると、2基を同じクラッキング圧およびガス圧と
し、残る1基のみを異なる圧力に設定することも可能で
ある。
【0017】逆流防止回路として、請求項2では少なく
とも逆止弁を含み、請求項3、4では逆止弁の後段に絞
り弁を直列に接続、あるいは、これら直列回路にリリー
フ弁を並列に接続するという手段を用いた。さらに請求
項5では絞り弁としてオリフィス型のものを用いるとい
う手段を選択的に採用した。
【0018】さらに、請求項6では2基以上のバルク容
器のうち、逆流防止回路のクラッキング圧が最も高く設
定されたバルク容器のみに液面発信器を設けるという手
段を用い、また請求項7ではLPGの供給を各バルク容
器又は貯槽の気相ライン側か液相ラインを経る蒸発装置
側の何れかに切り替えるようにしたキャッチラインを設
けるという手段を用いた。
【0019】一方、請求項1〜6までとは別の手段によ
って目的を達成するため、本発明では、LPG液を自然
気化あるいは/および蒸発装置により気化するようにし
たバルク容器を備えた液化ガス供給システムにおいて、
当該構成のバルク容器を2基以上並列に接続してなり、
各蒸発装置の後段には液化ガスの圧力調整器を接続し、
且つ、前記圧力調整器ごとに異なるガス圧を設定すると
いう手段を講じることもある。
【0020】また、この別手段においては、2基以上の
バルク容器のうち、圧力調整器のガス圧が最も低く設定
されたバルク容器のみに液面発信器を設けるという手段
を選択的に採用することもある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一
実施形態を示したガス供給システムの回路構成であっ
て、1および2はバルク容器、3・4は各バルク容器1
・2の上部から自然気化によってLPG(ガス)が出力
される気相取出しライン、5は各気相取出しライン3・
4を接続したLPG(ガス)の送出ライン、6・7は各
気相取出しライン3・4の途中に設けられた圧力調整
器、8はLPG(ガス)供給口であって、この先に燃焼
機器等(図示せず)が接続される。各圧力調整器6・7
は、2次圧を設定するものであり、バルク容器1と2と
で差を設け、この実施形態の場合、バルク容器1側は
0.05MPa越、バルク容器2側はこれよりも低い
0.05MPaに設定している。なお、2aは一方のバ
ルク容器2のみに設置された液面の遠隔通報装置からな
る液面発信器である。
【0022】次に、9・10は各バルク容器1・2の下
部から出力される液相取出しラインであって、貯槽内の
LPG液を液状態で排出するものである。11は、各液
相取出しライン9・10が合流するように接続したLP
G液の送出ラインであって、適宜フラッシュ弁(気化圧
力調整弁)等を介して蒸発装置12に接続されている。
13は蒸発装置12によって気化されたLPG(ガス)
を送出するラインであって、上記LPG(ガス)供給口
8に接続されると共に、その途中には圧力調整器14を
設けている。この蒸発装置12側の圧力調整器14も2
次圧を設定するものであるが、気相取出しライン3・4
側よりも高く設定されており、本実施形態の場合、0.
07MPaに設定している。
【0023】さらに各液相取出しライン9・10中に示
した15・16は逆流防止回路である。この逆流防止回
路15・16は液相取出しライン9・10から取り出さ
れた各バルク容器1・2のLPG液が互いに他方のライ
ンおよびバルク容器に移動することを防止するものであ
る。この目的を達成するために、本実施形態では逆流防
止回路15・16として逆止弁17・18(チャッキ
弁)を採用している。そして、本発明においては、この
逆止弁17・18のクラッキング圧に差を設けることを
構成上の特徴としているのである。本実施形態の場合、
図面左側の逆止弁17のクラッキング圧を0.02MP
aに設定し、他方の逆止弁18については0.05MP
aに設定している。
【0024】ここで、逆流防止回路15・16の具体的
構成として本実施形態では、逆止弁17・18の下流に
さらにLPG(ガス)の通過を制限するために絞り弁1
9…19を接続すると共に、液相ライン11内のLPG
液の圧力が異常に上昇することを防止するために、両回
路15・16の逆止弁17・18および絞り弁19の直
列回路と並列にリリーフ弁20…20を接続した構成を
採用している。
【0025】このように本発明のガス供給システムは、
2以上(本実施形態の場合は2基)のバルク容器1・2
を並列に接続し、蒸発装置12は両バルク容器1・2の
兼用としている点で、見かけ上は従来システムと構成が
同じであるが、本発明の場合、各バルク容器1・2ごと
に逆流防止回路15・16を設け、且つ、両逆流防止回
路15・16とではLPG液の通過を許可するクラッキ
ング圧に差を設けたことを最大の特徴としている。そし
て、この特徴的構成によって、バルク容器1・2の利用
に関し優先順位を決定することができるのである。
【0026】なお、図1において21はキャッチライン
である。本発明の場合、上述したように複数あるバルク
容器1・2の利用に関し優先順位を決定し、その優先利
用のバルク容器1のLPG液残量が一定以下となれば、
他方のバルク容器2を利用するように切り替えることと
している。言い換えれば、本実施形態のようにバルク容
器を2基備えた場合は、その利用に関して同時稼働はな
く、排他別個に稼働することとなる。
【0027】そして、上記運転要領に従って複数あるバ
ルク容器1・2のうち一つのみが稼働していることを想
定した場合、このキャッチライン21は、自然気化によ
る気相ライン(ガス送出ライン5)と蒸発装置12によ
る液相ライン(ガス送出ライン13)の2系統のうち一
の系統を選択的にメインラインとしながら、他方を補完
的にバックアップラインとして機能させるように構成し
たものである。その基本的な構成および利点は、本出願
人の出願に係る特開2000−121036号公報に公
知である。
【0028】これに基づいて、このキャッチライン21
の構成および作用について説明すると、キャッチライン
21の構成は、図2に示すように、液相ライン22(L
PG液送出ライン11と等価)の途中に遮断弁23を設
け、この遮断弁23の開閉によって液相ライン、即ち蒸
発装置12による強制気化ガスの利用を決定するように
している。そして、遮断弁23の開閉は次のようにして
制御される。即ち、蒸発装置12側のガス圧を一方圧
A、各バルク容器1・2の上部から自然気化によって出
力されるLPG(ガス)の圧力調整前の元圧を他方圧B
とし、且つ、遮断弁23を閉弁する動作圧をCとした三
方弁25を備え、例えば動作圧Cに0.5MPa以上の
圧力が加われば遮断弁23が閉弁するように設定してお
く。
【0029】次の前記構成のキャッチライン21の作動
を説明すると、先ず三方弁25の方向が他方圧Bと動作
圧Cを接続している場合は、LPG液残量が十分なとき
や夏場などはLPG液の自然気化量が多くなり、当該分
のLPG(ガス)圧が上昇する。そして、このガス圧が
遮断弁23の設定圧である0.5MPaを越えれば遮断
弁23は閉弁し、液相ライン22の流路は断たれる。つ
まり、自然気化量が十分な場合はバルク容器の上部から
出力されるLPG(ガス)送出ライン5のLPG(ガ
ス)を優先して供給することができて、合理的である。
もちろん、自然気化量が不十分となれば、動作圧Cの低
下により遮断弁23が開き、今度は液相ライン22側、
即ち蒸発装置12による気化ガスの利用に切り替える。
【0030】他方、三方弁25の方向を一方圧Aと動作
圧Cを接続させる方向に決定した場合について説明する
と、ここでは液相ライン22をメインラインとしてガス
供給しているときに有効である。つまり、冬場など自然
気化量を十分に期待できないときなどは、液相ライン2
2をメインとして稼働させるが、このライン選択時に液
相ライン22中でフラッシュ弁の故障等により蒸発装置
12からのガス圧が異常に上昇した場合、これを受けて
遮断弁23を閉弁し、その後、蒸発装置12へのLPG
液の不用意な送出を制限することができるからである。
そして、このときはバルク容器の上部から自然気化ガス
が送出されるLPG(ガス)送出ライン5がバックアッ
プラインとして機能し、LPG(ガス)を継続して供給
することができる。
【0031】なお、三方弁25の接続切替は手動であっ
てもよいが、外気温や液面を検知して三方弁を自動的に
切替るように構成することも可能である。その他、気相
ラインと液相ラインの切替えについての基本的構成は、
上述した本出願人の出願に開示された技術を適宜採用で
きることはもちろんである。
【0032】上述の構成からなる第一実施形態の供給シ
ステムの動作を説明すると、先ずこの実施形態の場合、
2基のバルク容器のうち逆止弁のクラッキング圧が低い
図面左側のバルク容器1が優先して利用されることにな
る。つまり、同量のLPG液を貯蔵した初期状態では、
蒸発装置12で使用するLPG液はバルク容器1から優
先的に供給され、その残量が一定以下となったとき液圧
の低下により逆止弁17は閉じる一方、他方の逆止弁1
8は開弁し、他方のバルク容器2からの液供給に切り替
わる。このとき逆止弁の本来的な機能により、バルク容
器1・2間でLPG液が他方に移動することはなく、常
にバルク容器の液封は防止される。また、この実施形態
では逆流防止回路15・16の一構成として採用したリ
リーフ弁20は、逆止弁17・18によるLPG液の逆
流防止時に該液圧が異常上昇した場合の圧逃しとして機
能し、逆止弁やバルク容器、各ラインの故障を未然に防
ぐものである。
【0033】また、バルク容器1・2の利用に順位を付
けたので、液面の監視は非優先側のバルク容器2のみ行
えばよく、このため液面計等の設置や監視作業を簡素化
できる。そして、このように液面管理が複数あるバルク
容器のうち一のみを監視することが可能となったため、
LPG液の補給頻度も少なくでき、タンクローリーの配
送効率も高めることができる。
【0034】また、バルク容器1・2の順でLPG液が
使用され、この間、常にLPG(ガス)を発生すること
ができるので、長時間にわたり消費側にLPG(ガス)
を供給できることはもちろんである。
【0035】なお、優先利用のバルク容器1のLPG液
が完全になくなった場合でも、容器内1のガス圧が十分
に高いときは、逆止弁17が不用意に開き、容器内1の
多量のLPG(ガス)が液相のLPG液送出ライン11
に混入してしまうという不都合が考えられる。とすれ
ば、このLPG(ガス)は他方のバルク容器2から送出
されるLPG液と混入され、この状態で蒸発装置12に
送出されることになって、蒸発ガスの圧力が不安定とな
って、脈動を起こすなど、消費側にとって悪影響を及ぼ
すことが想定される。
【0036】そこで、本実施形態では逆流防止回路の一
構成として採用した絞り弁19をオリフィス型のものと
した。こうすることによって、LPG(ガス)が不用意
に逆止弁を通過したときでもオリフィスによって通路を
絞ることによってガス通過時の抵抗を大きくし、実質
上、LPG(ガス)がLPG液送出ライン11に混入す
ることを極力回避することができる。よって、脈動のな
い安定した状態でLPG(ガス)を消費側に供給するこ
とができる。
【0037】ここまでは蒸発装置12によるLPG液の
強制気化について説明したが、上述したキャッチライン
21の機能により気相ラインを優先的に使用することが
できることはもちろんである。この場合も、バルク容器
1・2とでは各後段にガス圧の設定圧が異なる圧力調整
器6・7を接続しているので、本実施形態で例示した設
定圧の場合は、やはり図面左側のバルク容器1の自然気
化ガスが利用されることになる。これもまた、LPG液
の利用に順番が決定され、当該設定圧の差により、一方
のバルク容器1のLPG液を優先利用することを意味す
る。
【0038】続いて、図3は第二の実施形態を示したも
ので、バルク容器100・200・300を3基並列に
備えたものである。ただし、図示左側および中央のバル
ク容器100・200は、気相側圧力調整器600・7
00の設定圧を同じにし、且つ、液相側逆止弁170・
180のクラッキング圧を同じにする一方、残る右側の
バルク容器300については気相側圧力調整器800の
設定圧を前記よりも低く、且つ、逆止弁190のクラッ
キング圧を前記よりも高く設定している。即ち、当該構
成によれば、バルク容器100・200の2基に関して
は対等並列であるから、これらを1群として大容量バル
ク容器1基と等価と見ることができる。この結果、LP
G液の利用順序は、上述した第一実施形態と、同じにな
る。つまり、上述した設定圧・クラッキング圧に従え
ば、本実施形態の場合、バルク容器100および200
が優先利用され、その後、バルク容器300のLPG液
が使用されることになる。その他、各容器の液相ライン
毎に逆流防止回路を設けること、絞り弁はオリフィス型
が好ましいこと、液面発信器を非優先のバルク容器30
0の1基のみに取り付けること、キャッチラインにより
気相ラインと液相ラインを切り替えることなどは、第一
実施形態と変わるところはない。なお、この第二実施形
態では、液相ラインに2基の蒸発装置400・500を
並列に接続しているが、これは消費側のガス消費量が1
00kg/h前後であるのに対し、50kg/h程度の
低出力あるいは通常出力の蒸発装置400・500を採
用したからであって、100kg/hを越える高出力の
蒸発装置であれば1基であってもよい。本発明の場合、
蒸発装置の基数が本質に影響するものではないのであ
る。
【0039】次に、図4は本発明の第三実施形態に係る
システム回路を示したものである。このシステムの構成
上の特徴は、複数のバルク容器50・60・70を備え
たシステムにおいて、各バルク容器の自然気化による気
相側ライン51・61・71および蒸発装置52・62
・72を含めた液相側ライン53・63・73を接続し
たLPG(ガス)送出ライン54・64・74を共通の
LPG(ガス)供給ライン80に並列に接続すると共
に、液相側ライン53・63・73ごとに圧力調整器5
5・65・75の設定圧に差を設けたことである。な
お、各バルク容器50〜70はLPG(ガス)供給ライ
ン80を基準に見れば並列接続されたものと見なすこと
ができる。この実施形態の場合、図面左から、バルク容
器50は0.10MPa、バルク容器60は0.08M
Pa、バルク容器70は0.06MPaに各圧力調整器
を設定している。
【0040】また、各蒸発装置は同じ出力のものを用
い、この実施形態の場合、消費側で100kg/h前後
のLPG(ガス)を消費することを前提として、蒸発装
置の能力は50kg/hのものを用いた。また、各バル
ク容器の気相側ラインにおける圧力調整器56・66・
76は全て同じ設定圧とし、本実施形態の場合は0.0
4MPaとしている。
【0041】図中、90〜92は各液相側ラインの圧力
調整器の後段に接続された定流量弁を示している。
【0042】そして、この実施形態に示す構成は、各バ
ルク容器ごとに蒸発装置を備えることで、何れかの蒸発
装置が稼働を停止した場合でも、他のラインによってバ
ックアップし、LPG(ガス)を継続して供給すること
を目的としている。
【0043】つまり、当該構成のシステムの動作を説明
すると、先ず、液相側ラインの圧力調整器55・65・
75の設定圧の差によって、通常運転時は、最も高圧に
設定されたバルク容器50のLPG液が最優先して利用
され、その後、バルク容器60、70の順で利用される
ことになる。また、この優先順位によりバルク容器70
のLPG液の残量が最も多いため、その液面のみを液面
発信器95で監視することにより、システム全体として
液切れを起こすことはない。なお、液面発信器95を取
り付けたバルク容器70にLPG液を補給しようとする
場合は、他の容器50・60の減量具合を確認し、適宜
補充しておくことはいうまでもない。こうすることによ
って、LPG液の不用意な液切れを回避できると共に、
液面監視は利用優先度が最も低い一つのバルク容器のみ
行えばよいため、該監視作業を一元化でき、LPG液の
補給頻度も少なくできる点は、上述した別実施形態のシ
ステムと同じである。
【0044】次に、この実施形態に係るシステムの特有
の作用効果について説明すると、本システムの場合、何
れかの蒸発装置が停止した場合でも、残りの稼働可能な
蒸発装置によってバックアップラインが形成され、LP
G(ガス)の継続供給が可能である。その組み合わせ
は、図5に示すように、各蒸発装置が互いに補完し合
い、且つ、蒸発装置によるガス量が消費量に満たない場
合は、気相側ラインのガスを適宜供給することも可能と
している。
【0045】なお、この第三実施形態の場合、蒸発装置
の能力は50kg/hしかないので、消費量によっては
複数の蒸発装置が同時に稼働することがあることはもち
ろんである。
【0046】また、上述した全ての実施形態において説
明した各種圧力値、消費量、蒸発装置の能力は一例を示
したものに過ぎず、これら例示の数値に限定されないこ
とはもちろんである。これら数値は、システムの設置環
境、消費環境等によって適宜変更されるべきだからであ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バルク容器を2基以上備えた液化ガス供給システムにお
いて、各バルク容器の液相ラインごとに蒸発装置に至る
途中にクラッキング圧が異なる逆流防止回路を設けたの
で、この設定圧の違いによりバルク容器の使用に関して
利用順序が決定し、この順序に従ってLPG液が消費さ
れるため、その液面管理は優先度の最も低いバルク容器
のみを監視することで足りるため、LPG液の補給効率
を合理的に高めることができる。また、この間、LPG
(ガス)の供給を継続して行うことができるので、バル
ク容器の設置基数に見合っただけ、長時間にわたりLP
G(ガス)を供給することができる。
【0048】さらに逆流防止回路の一構成である絞り弁
として、オリフィス型のものを採用した場合は、空にな
ったバルク容器からLPG(ガス)が液相に混入するこ
とを防止できるため、より安定してLPG(ガス)を供
給しつつ、蒸発装置の故障等も有効に回避することがで
きる。
【0049】また、請求項8に係るバルク容器を複数基
並列に接続した発明にあっては、蒸発装置側のガス圧に
それぞれ差を設け、利用の順位を決定したので、液面の
管理は前記ガス圧を最も高くしたバルク容器のみ行えば
よいなど、これまたLPG液の補給効率の向上に寄与す
ることができた。また、各バルク容器ごとにLPG(ガ
ス)の供給ラインが構成されるため、一の供給ラインに
ついて蒸発装置の故障などによってLPG(ガス)が供
給停止となった場合でも、他のバルク容器に係るライン
がバックアップラインとしてこれを補完するため、常に
LPG(ガス)を継続して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示したシステム回路図
【図2】第一実施形態におけるキャッチラインの回路図
【図3】本発明の第二実施形態を示したシステム回路図
【図4】本発明の第三実施形態を示したシステム回路図
【図5】第三実施形態におけるガス供給態様を示した組
合せ表
【図6】従来のLPG(ガス)供給システムを示した回
路図
【符号の説明】
1・2 バルク容器 3・4 気相取出しライン 5 LPG(ガス)送出ライン 6・7 圧力調整器 8 LPG(ガス)供給口 9・10 液相取出しライン 11 LPG液送出ライン 12 蒸発装置 13 LPG(ガス)送出ライン 14 圧力調整器 15・16 逆流防止回路 17・18 逆止弁 19 絞り弁 20 リリーフ弁 21 キャッチライン 90・91・92 定流量弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山角 正治 大阪府枚方市北中振1−1−57 Fターム(参考) 3E072 AA03 DB03 GA30 3J071 AA23 BB14 CC03 CC12 DD28 FF03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然気化による気相ラインと、蒸発装置に
    液化ガス液を供給する液相ラインを備えたバルク容器又
    は貯槽を前記各ラインが合流するように2基以上並列に
    接続してなり、前記各液相ラインには蒸発装置に至る途
    中に逆流防止回路を設置すると共に、該逆流防止回路ご
    とに順次クラッキング圧が高くなるように設定する一
    方、前記気相ラインごとに接続された圧力調整器のガス
    圧は前記クラッキング圧に対して順次低くなるように設
    定したことを特徴とする液化ガス供給システム。
  2. 【請求項2】逆流防止回路は、少なくとも逆止弁を備え
    た請求項1記載の液化ガス供給システム。
  3. 【請求項3】逆流防止回路は、逆止弁の後段に絞り弁を
    直列に接続してなる請求項2記載の液化ガス供給システ
    ム。
  4. 【請求項4】逆流防止回路は、さらにリリーフ弁を逆止
    弁と絞り弁の直列回路に並列に接続してなる請求項3記
    載の液化ガス供給システム。
  5. 【請求項5】絞り弁は、オリフィス型からなる請求項3
    または4記載の液化ガス供給システム。
  6. 【請求項6】2基以上のバルク容器又は貯槽のうち、逆
    流防止回路のクラッキング圧が最も高く設定されたバル
    ク容器又は貯槽のみに液面発信器を設けた請求項1から
    5のうち何れか一項記載の液化ガス供給システム。
  7. 【請求項7】液化ガスの供給を各バルク容器又は貯槽の
    気相ライン側か液相ラインを経る蒸発装置側の何れかに
    切り替えるようにしたキャッチラインを設けた請求項1
    から6のうち何れか一項記載の液化ガス供給システム。
  8. 【請求項8】液化ガス液を自然気化あるいは/および蒸
    発装置により気化するようにしたバルク容器又は貯槽を
    備えた液化ガス供給システムにおいて、当該構成のバル
    ク容器又は貯槽を2基以上並列に接続してなり、各蒸発
    装置の後段には液化ガスの圧力調整器を接続し、且つ、
    前記圧力調整器ごとに順次ガス圧が低くなるように設定
    したことを特徴とする液化ガス供給システム。
  9. 【請求項9】2基以上のバルク容器又は貯槽のうち、圧
    力調整器のガス圧が最も低く設定されたバルク容器又は
    貯槽のみに液面発信器を設けた請求項8記載の液化ガス
    供給システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070259A1 (en) * 2003-02-06 2004-08-19 Tai-Ho Choi Automatic liquid changeover device and method using the vaporizer
JP2005233257A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Ito Koki Kk ガス供給システム
JP2006052814A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Ito Koki Kk ガス供給システム

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