JP4122574B2 - デイジーチェイン接続機器およびデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字や図形等を表示する表示器などに用いるデイジーチェイン接続機器、および、デイジーチェイン接続機器にアドレスを設定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、複数の表示モジュールを用いた表示システムの説明図である。図5(a)は、複数の表示モジュールを用いて1台の表示器が構成される場合を示し、図5(b)は、複数の表示モジュールのそれぞれが1台の表示器を構成する場合を示す説明図である。1はホスト装置、51,53〜55は表示器、51a〜51e,53a〜55aは表示モジュール、52は接続ケーブルである。
ホスト機器1は、CPU(中央演算処理装置)を内蔵し、キーボードから表示データを入力したり、図示しないセンター装置から無線により表示データを入力して、表示モジュール51a〜51e,53a〜55aに出力する。表示器51,53〜55は、たとえば、銀行内において金利や為替交換レートを表示したり、駅構内において電車の発車時刻を表示したりするメッセージ表示ボードとして用いられる。
【0003】
図5(a)において、表示器51は、ホスト機器1に接続され、複数の表示モジュール51a〜51eを有し、各表示モジュール51a〜51eは、ホスト機器1からデータを受信し、それぞれ独立した内容の表示を行うことができる。表示モジュール51a〜51eの具体例としては、例えば、蛍光表示管や発光ダイオード等を用いたディスプレイ装置、あるいは、複数枚の表示板を回転させることにより表示文字を変える機械的駆動方式の表示器などがある。表示器51はホスト機器1と接続ケーブル52で接続されているが、表示器51の内部でも、各表示モジュール51a〜51eが図示しない接続ケーブルでホスト機器1とバス接続されている。
【0004】
図5(b)においては、表示器53,54,55は離れた場所に設置される。表示器53,54,55は、それぞれ、複数の表示モジュール53a〜55aを有する。表示モジュール53a〜55aは、図5(a)における表示モジュール51a〜51eと同様のものであり、ホスト機器1と接続ケーブルによりバス接続され、ホスト機器1からデータを受信し、それぞれ独立した表示を行うことができる。
なお、図示を省略するが、図5(a)に示した表示器51と同様の表示器が複数個、離れた場所に設置され、すべての表示モジュールがホスト機器1に接続される場合もある。
【0005】
図6は、ホスト機器とモジュールとの相互接続形態の説明図である。図6(a)はバス接続の例である。図中、61は1段目のモジュール、62は2段目のモジュール、63はn段目のモジュールである。図6(b)はデイジーチェイン接続の例である。図中、64は1段目のモジュール、65は2段目のモジュール、66はn段目のモジュールである。図5の表示システムにおける表示モジュールは、図6に示したモジュールの一例である。ホスト機器1と各段のモジュールとの間でデータを送受信する。
【0006】
図6(a)に示すバス接続では、ホスト機器1および全てのモジュール61〜モジュール63が接続ケーブルで直接に接続されている。ホスト機器1および複数のモジュール間でデータの送受信を可能とするために、各モジュール61〜モジュール63にディップスイッチ等を設けてアドレスを設定しておく。
【0007】
図6(b)に示すデイジーチェイン接続では、ホスト機器1は隣接する1段目のモジュール64にのみ接続され、1段目のモジュール64は、さらに、隣接する2段目のモジュール65に接続され、2段目のモジュール65は、さらに、図示を省略した隣接する3段目のモジュールに接続され、同様にして、n段目のモジュール66まで接続される。このようなデイジーチェイン接続の一例としては、パーソナルコンピュータと周辺機器との間でデータを送受信するSCSI(小型コンピュータシステムインターフェース:Small Computer System Interface)がある。SCSIはデータをパラレル伝送するとともに、データを伝送するラインのほかに複数の制御信号ラインも有している。しかし、デイジーチェイン接続自体は、データをシリアル伝送するものであってもよく、また、制御信号線を設けないものであってもよい。
【0008】
図5に示した表示システムに、図6(b)に示したデイジーチェイン接続を用いるようにすれば、各モジュールがリピータ(中継器)として機能するため、接続ケーブルを長くして伝送距離を延ばすことができる。
図7は、デイジーチェイン接続におけるモジュールのブロック構成図である。図中、図5,図6と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。4,6,9,10はコネクタ、5,11はシリアルトランシーバ、7,12はCPU、71,72はアドレス設定スイッチである。
【0009】
ホスト機器1は、接続ケーブルを介して1段目のモジュール64のコネクタ4に接続され、コネクタ4はシリアルトランシーバ5に接続され、シリアルトランシーバ5はCPU(中央演算処理装置)7に接続される。このような接続によってホスト機器1と1段目のモジュール64のCPU7との間の送受信を可能にする。
【0010】
CPU7は、また、シリアルトランシーバ5を介してコネクタ6に接続され、コネクタ6は、接続ケーブルを介して2段目のモジュール65のコネクタ9に接続される。コネクタ9はシリアルトランシーバ11に接続され、シリアルトランシーバ11はCPU12に接続される。このような接続によってホスト機器1は、1段目のモジュール64のCPU7により中継されて2段目のモジュール65のCPU12との間の送受信を可能にする。
2段目のモジュール65のコネクタ10は接続ケーブルを介して後段のモジュールのコネクタに接続される。このようにして、ホスト機器1は、中間のモジュールのCPUにより中継されて全モジュールとCPUとの間の送受信を可能とする。
【0011】
上述したように、複数台のモジュールをデイジーチェイン接続して、ホスト機器1から各モジュールに表示情報や制御情報等のデータを送信する場合、各モジュールに固有のアドレスを設定しておき、このアドレスで特定のモジュールを指定する必要がある。したがって、図6(a)のバス接続と同様に、各モジュールにDIPスイッチ、サミールッスイッチ(ディジタルスイッチ)などのアドレス設定用スイッチ71、72、あるいは、ジャンパを設けて、これをCPU7,CPU8に接続する。ホスト機器1およびモジュール(1)64,モジュール(2)65・・・をデイジーチェイン接続する際に、作業者がアドレス設定スイッチ71,72を切り替えて、アドレスを設定する必要がある。
【0012】
しかし、上述したハードウエア的なアドレス設定では、事前にモジュールの一台一台に個別にアドレスを設定するので、作業者の負担が大きいという問題がある。また、各モジュールにアドレス設定用のスイッチやジャンパを備える必要があり、コストアップにつながるという問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、デイジーチェイン接続された複数の機器に、アドレスを容易に設定することができるデイジーチェイン接続機器、および、デイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法を提供することを目的とするものである。 さらに、デイジーチェイン接続されたシステムのアドレス設定の信頼性を増すことができるだけでなく、機器の総数がわかるデイジーチェイン接続機器、および、デイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のデイジーチェイン接続機器においては、デイジーチェイン接続された複数の機器に対し各機器に固有のアドレスを設定するデイジーチェイン接続機器であって、前段の機器からアドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを受信する手段と、受信された前記アドレスデータに応じて自身の機器にアドレスを設定する手段と、前記自身の機器のアドレスに応じて後段の機器に対する前記アドレスデータを作成する手段と、作成された前記アドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを前記後段の機器に送信する手段とを備えたものである。
また、本発明のデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法においては、デイジーチェイン接続された複数の機器に対し各機器に固有のアドレスを設定するデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法であって、前段の機器からアドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを受信し、受信された前記アドレスデータに応じて自身の機器にアドレスを設定し、前記自身の機器のアドレスに応じて後段の機器に対する前記アドレスデータを作成し、作成された前記アドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを前記後段の機器に送信するものである。したがって、デイジーチェイン接続された複数の機器に、複数の機器間で取り決められたアドレスを容易に設定することができる。
【0015】
本発明のデイジーチェイン接続機器においては、さらに、前記自身の機器の後段に前記機器が接続されていないことを検出する手段と、前記自身の機器の後段に前記機器が接続されていないときに前記自身の機器の前記アドレスに応じて最終アドレスデータを作成する手段と、作成された前記最終アドレスデータが付された設定完了信号を前記前段の機器に返信する手段と、前記後段の機器から前記設定完了信号を受信したときに、前記設定完了信号を前記前段の機器に返信する手段とを備えたものである。
また、本発明のデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法においては、さらに、前記自身の機器の後段に前記機器が接続されていないことを検出して、前記自身の機器の前記アドレスに応じて最終アドレスデータを作成し、作成された前記最終アドレスデータが付された設定完了信号を前記前段の機器に返信するとともに、前記後段の機器から前記設定完了信号を受信したときに、前記設定完了信号を前記前段の機器に返信するものである。
したがって、デイジーチェイン接続されたシステムのアドレス設定の信頼性を増すことができるだけでなく、デイジーチェイン接続された機器の総数がわかる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のデイジーチェイン接続機器、および、そのアドレス設定方法の実施の一形態を説明するためのデイジーチェイン接続機器のブロック構成図である。図中、図5〜図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。2は1段目のモジュール、3は2段目のモジュールである。アドレス設定用スイッチやジャンパの代わりに、設定されたアドレスを記憶するためのメモリ8,13が設けられてそれぞれCPU7,12に接続される。
【0017】
ホスト機器1のメモリあるいはハード磁気ディスク、1段目のモジュール2、2段目のモジュール3・・・の図示しないメモリに記憶されたプログラムにより、各モジュールにアドレスが設定され、メモリ8に1段目のモジュール2のアドレス、メモリ13に2段目のモジュール3のアドレス・・・がそれぞれ保存される。メモリ8,13としては電気的に消去および再書き込み可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のような不揮発性メモリ、電池でバックアップされるCMOSのRAM等を用いる。CPU7,12がプログラムによって処理を実行するために、CPU7,12には図示を省略したがRAMが接続されている。したがって、このRAMの一部の記憶領域にアドレスを保存してもよい。ただし、モジュールへの電源供給が断となると、再度アドレスを設定し直す必要がある。
【0018】
次に、各モジュールに固有のアドレスを設定する方法の原理を説明する。
ホスト機器1および1段目のモジュール2,2段目のモジュール3・・・間を接続ケーブルでデイジーチェイン接続する。
ホスト機器1から1段目のモジュール2に対し、アドレスデータ「AD1」の付加されたアドレス設定コマンドを送信する。1段目のモジュール2のCPU7は、受信したアドレスデータ「AD1」に応じて自身のモジュールにアドレスを設定し、メモり8に記憶する。次に、CPU7は、全てのモジュール間で取り決められたアドレスの設定規則にしたがって、自身のモジュールのアドレスに応じて、隣接する後段のモジュールのアドレスを決定する。このアドレスに応じたアドレスデータ「AD2」を作成し、このアドレスデータ「AD2」が付されたアドレス設定コマンドを後段の2段目のモジュール3に送信する。なお、上述したアドレスの設定規則にしたがって処理を行うプログラムは、各モジュールに記憶させておく。
【0019】
2段目のモジュール3において、CPU12は、前段の1段目のモジュール2からアドレスデータ「AD2」の付加されたアドレス設定コマンドを受信する。1段目のCPU7と同様に、受信されたアドレスデータ「AD2」に応じて自身のモジュールにアドレスを設定する。次に、CPU12は、全てのモジュール間で取り決められたアドレスの設定規則にしたがって、自身のモジュールのアドレスに応じて、後段のモジュールに対するアドレスを決定し、このアドレスに応じたアドレスデータ「AD3」を作成し、アドレスデータ「AD3」の付加されたアドレス設定コマンドを、後段の3段目のモジュールに送信する。以下同様にして、最後のモジュールまで、アドレスデータの付加されたアドレス設定コマンドが送信され、全てのモジュールに対してアドレスが設定されて保存される。
【0020】
その結果、ホスト機器1から1段目のモジュール2,2段目のモジュール3・・・に対してアドレスを指定して個別にデータを送信することができる。さらに、ホスト機器1にも固有のアドレスを予め設定しておけば、各モジュールからホスト機器1へも個別にデータを送信することができる。
【0021】
上述したアドレスの設定規則は、複数のモジュールのそれぞれに固有のアドレスを設定する規則である。具体例を示すと、自身に設定されたアドレス番号を、所定値、例えば、1だけ増分(インクリメント)するという規則である。あるいは、自身に設定されたアドレス番号を、所定値、例えば、1だけ減分(デクリメント)するという規則でもよい。例えば、ホスト機器1が1段目のモジュール2にアドレス番号1を設定し、2段目のモジュール3には、アドレス番号をインクリメントさせて2とし、順次、3,4,5・・・と設定する。
【0022】
上述した説明では、アドレスの設定規則にしたがって、自身のモジュールのアドレスに応じて、隣接する後段のモジュールに対するアドレスを決定し、後段へのアドレスデータを作成した。このかわりに、自身のモジュールのアドレスに応じたアドレスデータを後段に送信し、後段のモジュールでは、前段からのアドレスデータに応じて、アドレスの設定規則にしたがって、この後段のモジュールに対するアドレスを決定してもよい。
この場合、ホスト機器1は、1段目のモジュール2に対して、ホスト機器1のアドレスに応じたアドレスデータを送信すればよい。上述したいずれの方法でも、複数のモジュール間で取り決められたアドレス設定規則にしたがって、各モジュールに対して固有のアドレスを設定することができる。
なお、アドレスデータは、単純にアドレスの番号そのものでよい。しかし、必ずしも、アドレスの番号に一致させる必要はなく、アドレスの番号と1対1の関係にあれば任意のデータでよい。
【0023】
図2は、図1に示した各モジュールに固有のアドレスを設定する際のホスト機器側のプログラム処理を説明するためのフローチャートである。
図3は、図1に示した各モジュールに固有のアドレスを設定する際のモジュール側のプログラム処理を説明するためのフローチャートである。
図4は、図1に示したホスト機器と各モジュール間でアドレスデータ、アドレス設定完了データを送受信する状態を説明するためのシーケンス図である。
図2ないし図4を参照し、各モジュールに固有のアドレスを設定する方法を具体的に説明する。この具体例では、アドレスの設定に加えて、アドレスが設定されたことを確認する機能も持たせている。
【0024】
図2のS21においては、ホスト機器1の待ち時間D0 を設定し、S22に処理を進める。このD0 の値は、予測されるモジュールの総数および、後述する伝送遅延時間,時間T1 ,時間T2 を考慮して設定される。
S22においては、アドレス設定コマンドとアドレスデータAD1を送信し、S23に処理を進める。S23においては設定完了信号を受信したか否かを判定し、受信しないときにはS24に処理を進め、受信したときにはS25に処理を進める。ここで、設定完了信号とは、デイジーチェイン接続された最後のモジュールに対し、アドレスの設定が完了したことを示す信号であり、最後のモジュールのアドレス番号に応じたアドレスデータが付されている。図4に示すように、最後のモジュール4で生成され、順次、ホスト側に隣接する前段のモジュールを中継伝送されてホスト機器1にまで到達する。
【0025】
S24においては、先にS21で設定された待ち時間D0 が経過したか否かを判定し、経過していないときにはS23に処理を戻し、経過したときにはS26に処理を進める。図では省略しているが、待ち時間の判定は、待ち時間を示すパラメータの値をS21においてD0 にセットし、S24からS23の繰り返しループを通過するごとにその値を減少させ、S24において値がマイナスになったときを判定すればよい。S26においては、待ち時間D0 が経過しても設定完了信号が受信できなかったので、アドレス設定が失敗したことを作業者に知らせる。
【0026】
一方、S25においては、設定完了信号が何段目のモジュールで生成されたものかを判定することにより、最終接続モジュールを知ることができる。すなわち、デイジーチェーン接続されたモジュールの全接続台数を知ることができる。図4に示した具体例では、4台のモジュールが接続され、待ち時間D0 経過時に設定完了信号「OK4」が受信される。待ち時間D0 は、若干余裕を見ておくことが望ましい。
【0027】
図3においては、1段目のモジュール2について説明するが、他のモジュールの場合も、ほぼ同様である。
S31においてはコマンドおよびデータをホスト機器1から受信し、S32に処理を進める。他のモジュールの場合には、隣接するモジュールであって、ホスト側の前段のモジュールからコマンドおよびデータを受信する。このフローチャートでは省略しているが、コマンドおよびデータを受信するまでS31にとどまっている。
【0028】
S32においては受信したコマンドがアドレス設定コマンドか否かを判定し、アドレス設定コマンドでないときにはS33に処理を進め、アドレス設定コマンドであるときにはS34に処理を進める。S33においては各コマンドおよびデータの処理を行う。S34においては、受信したアドレスデータAD1に応じて自身のアドレス番号を設定しメモり8に保存する。S35においては、アドレス番号をインクリメントた値に応じたアドレスデータAD2を作成し、S36に処理を進める。S36においては、待ち時間D1 を設定してS37に処理を進める。待ち時間D1 は、ホスト機器1の待ち時間D0 よりも、時間T1 +T2 だけ短い時間に設定する。ただし、ホスト1と1段目のモジュール2間の伝送遅延時間は無視している。
【0029】
S37においては、後段の2段目のモジュール3へアドレス設定コマンドおよび新たなアドレスデータAD2を送信し、S38に処理を進める。図4に示した時間T1 は、S32によりアドレス設定コマンドおよびデータの受信を検出したときから、S37においてアドレス設定コマンドおよびアドレスデータを送信するまでの処理遅延時間である。S38においては、後段の2段目のモジュール3から設定完了信号を受信したか否かを判定し、受信したときにはS41に処理を進め、受信しないときにはS39に処理を進める。
【0030】
S39においては、S36において設定された待ち時間D1 が経過したか否かを判定し、経過していないときにはS38に処理を戻し、経過したときにはS40に処理を進める。S40においては、自身を最終モジュールであると判断し、自身の固有のアドレスに応じた最終アドレスデータが付された設定完了信号を作成して、S41に処理を進める。
【0031】
S41においては、S38から直接に処理が進められたときには、受信された設定完了信号をそのままホスト機器1に返信する。S40から処理が進められたときには、S40において生成された設定完了信号をホスト機器1に返信する。なお、2段目以降のモジュールにおけるこのステップS41においては、前段のモジュールに設定完了信号を返信するようにして中継する。
図4に示した時間T2 は、S39において待ち時間D1 の経過を検出したときからS41において設定完了信号を返信するまでの処理遅延時間である。ただし、図4に示すように、S38において設定完了信号を受信したときからS41において受信された設定完了信号をそのまま返信するまでの時間もこの時間T2 になるように合わせておく。
【0032】
図4に示した例では、モジュール4の後段には、モジュールが接続されていない。したがって、モジュール4だけが、待ち時間D4 を経過し、図示のステップS40と同様な、モジュール4におけるステップに処理を進め、自身の固有のアドレス番号に応じたアドレスデータの付された設定完了信号「OK4」を作成して、図示のステップS41と同様な、モジュール4におけるステップに処理を進める。
上述した処理をデイジーチェイン接続されたすべてのモジュールが行なうことにより、接続された全てのモジュールにシステム固有のアドレスを設定することができる。
【0033】
なお、自身のアドレスから、自身のモジュールが何段目に位置するかを判断して各モジュールの待ち時間D1 〜D4 を設定する。すなわち、ホスト機器の待ち時間D0 から時間(T1 +T2 )×段数を引く。そのため、予測される最後のモジュールにおいて待ち時間がゼロにならないようにD0 を決めておく。ただし、ホスト1と1段目のモジュール2間、および、モジュール間の伝送遅延時間は無視している。待ち時間は、余裕を持たせることが望ましいが、中間段でモジュールの余裕時間が累積することを考慮して、ホスト機器1側に近いものほど、余裕時間を大きくする必要がある。
【0034】
上述した説明では、S32によりアドレス設定コマンドおよびデータの受信を検出すると、時間T1 経過後、無条件にアドレス設定コマンドおよびデータを後段のモジュールに送信した。これに代えて、デイジーチェイン接続を完了して電源を供給開始した後、各モジュールが、ホスト機器1あるいは、ホスト機器1側に隣接する前段のモジュールに対し送信要求信号を自動的に出力するようにしておく。
【0035】
各モジュールにおいては、後段への接続コネクタを介して送信要求信号が受信されているか否かを判定し、ある決められた所定時間経過しても受信されないときに、後段にモジュールが接続されていないとして、自身を最終モジュールであることを検出する。そして、アドレス設定コマンドおよびアドレスデータの後段への送信を中止するとともに、設定完了信号を返信する。この場合、各モジュールにおいて、後段にモジュールがあるか否かの判定に待ち時間D1 〜D4 を利用しない。したがって、ホスト機器1においてのみ、予測されるモジュール総数、時間T1 ,T2 に応じた所定の待ち時間を決める。この所定の待ち時間内に設定完了信号が受信されるか否かを判定する。
【0036】
上述した説明では、設定完了信号をホスト機器1に返信する機能を持たせている。しかし、伝送エラーが生じるおそれがない環境で使用され、かつ、何台のモジュールがデイジーチェイン接続されているかを作業者が知っている場合には、設定完了信号を返信する機能を持たなくてもよい。
また、設定完了信号をホスト機器1に返信する方法は上述した例に限らず、他の方法で行ってもよい。例えば、アドレス設定コマンドおよびアドレスデータを受信したときに、各モジュールは自身のアドレス番号に応じたアドレスデータの付された設定完了信号を作成して、隣接するホスト機器1、あるいは、ホスト機器1側に位置する前段のモジュールに返信するようにし、各モジュールは、ホスト機器1とは反対側に位置する後段のモジュールから受信した設定完了信号をそのまま、ホスト機器1側に返信して中継するようにしてもよい。
【0037】
上述した説明では、CPUによるプログラム処理でアドレスを設定するようにしたが、このアドレス設定をハードウエアロジックで実現することもできる。この場合でも、アドレス設定用のスイッチやジャンパを必要とせず、作業者が各モジュールに対し個々に設定作業をする必要はない。
上述したアドレス設定方法を、複数の表示モジュールに対し表示データをホスト機器から送信する表示システムのアドレス設定に用いると好適である。しかし、モジュール側からホスト機器側にデータを送信するもの、あるいは、双方向にデータを送受信するシステムに用いることもできる。
【0038】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、本発明によれば、作業者がアドレス設定用のスイッチやジャンパなどのハード的な設定操作を行わずにデイジーチェイン接続された機器に対し、アドレスを自動的に設定することができるという効果がある。したがって、コストの高いメカニカルな部品の点数を減らすことができるとともに、作業者によるアドレスの設定間違いをなくすことができるという効果がある。
機器の設置時にデイジーチェイン接続する際に限らず、使用中に機器を交換した場合にも、ハード的に何も変えることなく、交換された機器に対し自動的にアドレスを設定することができるという効果がある。
【0039】
また、設定完了信号を返信するようにすれば、デイジーチェイン接続されたシステムの信頼性を増すことができるだけでなく、さらにデイジーチェイン接続された機器の総台数がわかるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデイジーチェイン接続機器、および、そのアドレス設定方法の実施の一形態を説明するためのデイジーチェイン接続機器のブロック構成図である。
【図2】図1に示した各モジュールに固有のアドレスを設定する際のホスト機器側のプログラム処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した各モジュールに固有のアドレスを設定する際のモジュール側のプログラム処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示したホスト機器と各モジュール間でアドレスデータ、アドレス設定完了データを送受信する状態を説明するためのシーケンス図である。
【図5】複数の表示モジュールを用いた表示システムの説明図である。
【図6】ホスト機器とモジュールとの相互接続形態の説明図である。
【図7】デイジーチェイン接続におけるモジュールのブロック構成図である。
【符号の説明】
1 ホスト装置、2 1段目のモジュール、3 2段目のモジュール、4,6,9,10 コネクタ、5,11 シリアルトランシーバ、7,12 CPU、71,72 アドレス設定スイッチ、51,53〜55 表示器、51a〜51e,53a〜55a 表示モジュール、52 接続ケーブル
Claims (4)
- 接続ケーブルでデイジーチェイン接続され、各々が固有のアドレスを有するようにされるデイジーチェイン接続機器であって、
前記接続ケーブルを介してアドレス設定コマンドを含む複数個のコマンドおよびデータを受信する手段と、
前記受信されたコマンドがアドレス設定コマンドであるか否かを判断する手段と、
前記判断の結果が前記アドレス設定コマンドである場合には、前記アドレス設定コマンドに付されたアドレスデータを検出する手段と、
自身の固有のアドレスを設定するために前記アドレスデータを記憶するメモリと、
それまでに設定した固有のアドレスとは異なるアドレスを設定するためのアドレスデータを所定の規則に従い作成する手段と、
前記作成されたアドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを後段のデイジーチェイン接続機器に送信する手段と、を備えたデイジーチェイン接続機器。 - さらに、
後段のデイジーチェイン接続機器が接続されていないことを検出する手段と、
前記後段のデイジーチェイン接続機器が接続されていないことが検出されたときに、前記自身の固有のアドレスとして定める最終アドレスデータを作成する手段と、
作成された前記最終アドレスデータが付された設定完了信号を順次、より前段のデイジーチェイン接続機器に返信する手段と、を備えた請求項1に記載のデイジーチェイン接続機器。 - 接続ケーブルでデイジーチェイン接続され、各々が固有のアドレスを有するようにされるデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法であって、
前記接続ケーブルを介してアドレス設定コマンドを含む複数個のコマンドおよびデータを受信し、
前記受信されたコマンドがアドレス設定コマンドであるか否かを判断し、
前記判断の結果が前記アドレス設定コマンドである場合には、前記アドレス設定コマンドに付されたアドレスデータを検出し、
自身の固有のアドレスを設定するために前記アドレスデータをメモリに記憶し、
それまでに設定した固有のアドレスとは異なるアドレスを設定するためのアドレスデータを所定の規則に従い作成し、
前記作成されたアドレスデータが付されたアドレス設定コマンドを後段のデイジーチェイン接続機器に送信する、デイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法。 - さらに、
後段のデイジーチェイン接続機器が接続されていないことを検出し、
前記後段のデイジーチェイン接続機器が接続されていないことが検出されたときに、前記自身の固有のアドレスとして定める最終アドレスデータを作成し、
作成された前記最終アドレスデータが付された設定完了信号を順次、より前段のデイジーチェイン接続機器に返信する、請求項3に記載のデイジーチェイン接続機器のアドレス設定方法。
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