JP4122213B2 - 金型成形品自動取出装置用エアノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型成形品自動取出装置用エアノズルに係り、金型から成形品をエアの噴出により取り出しするエアノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム製品の成形において、多数のゴム製品を金型により成形し、その金型から製品を取り出す従来の手段としては、作業者がエアガンにより金型の一面側からエアブローして、ゴム製品を金型の他面側へ取り出す手段が知られている。
また、このエアブローをロボットにより自動化させた場合における従来のエアノズルの形状は、図6に示すように、エア噴出口41が円柱形状のノズル先端面42(噴出口41の面積より広面積の平面部)に設けられたもの(例えば、特許文献1参照)や、図7に示すように、楕円形の先端面42に複数個のエア噴出口41が形成されたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平 7−51763 号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
金型から取り出すゴム製品がその表面に突起部を有するもの、例えば疣(イボ)付きチューブで、ゴム製品が金型内に嵌まり込んで取り出しが困難なものに対しては、ロボットにより自動的に動作する従来のエアノズルでは、風圧(エア噴出量やエア噴出力)が不十分であるという問題点がある。つまり、金型内から全ての製品を残らずに取り出すために、何回もノズルを往復動させる必要があり、取り出しに時間がかかり作業のサイクルタイムが長くなるという問題点があった。さらに、金型を長時間空中に露出状とし、さらに、エアを長時間吹きつけることにより金型の温度が低下してしまい、次の製品の成形において時間がかかったり、不良を引き起こす原因となるという問題点があった。
【0005】
つまり、図6のエアノズルにおいては、エア噴出口41周域の空気の流れが悪く、渦等が発生しエアブローの力が弱まる。また、図7のエアノズルにおいても、二つのエア噴出口41,41の間において空気の流れが悪くなり、エアブローの力が弱まるという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は、エア噴出のための動力の容量を大きくしなくても、強力なエアを吹きつけることができるエアノズルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は、成形されたゴム製品を金型から取り出す金型成形品自動取出装置に用いられるエアノズルに於て、2個のエア噴出口が先端面に並設されると共に、各該エア噴出口を開口端とする直線状エア噴出孔 10 を中心とした2個の円錐形状の円錐筒部が、夫々の軸心を略平行として、並設状態で連結して一体化した先細ノズル先端部を、備え、さらに、上記先細ノズル先端部の側面に、2個の上記円錐筒部の間に対応して、上記エア噴出口から噴出されるエアが上記先細ノズル先端部の周囲のエアを噴出エア方向へ連行させる整流溝部が形成され、該整流溝部の横断面形状は滑らかな凹状湾曲形として、上記先細ノズル先端部横断面形状を瓢箪形に形成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
図1は、本発明に係るエアノズルを有する金型成形品自動取出装置の斜視図であり、図2はエアノズル4を下方から見た斜視図、図3はエアノズル4の先端面2bを示す図、図4はエアノズル4による製品の取り出しを説明する金型Mの断面図であり、図5はエアノズル4の側面図である。
本発明のエアノズル4によりエア(空気)が吹きつけられて金型Mから取り出しされる製品5は、図4に示すように、金型Mの中に嵌まり込んで取り出しが困難な製品5であり、このエアノズル4は、このような製品5を取り出すことに特に有効なものである。
【0010】
製品5の具体例としては、金型Mにより多数個成形されるゴム製品等であり、ゴム製品はその外周面に突起部を有するようなゴムチューブ(イボ付きチューブ)等である。つまり、ゴム製品の突起部が金型Mの凹部に入り込み(引っ掛かり)、製品5が抜け出にくい構造のものである。
【0011】
そして、図1に示す自動取出装置は、図外の成形金型部から移動してくる金型Mに対し、本発明のエアノズル4により、金型Mの一面側からエアーの噴出を行い、エアノズル4と金型Mとを相対的に位置変動させて、製品5を金型Mの他端面側へ吹き飛ばして取り出すよう構成されている。
このエアノズル4の動作は、固定状の金型Mに対して、エアノズル4を一方向に連続的に往復動させながらその方向に直交する方向へ間欠的に移動させて、金型Mの全面にわたってエアブローを行う。または図示省略するが、エアノズルを固定して、金型Mが上記動作を行ってもよい。
【0012】
この自動取出装置について具体的に説明すると、エアノズル4は複数の関節部を有するアーム部7の先端に取着され、アーム部7の基端は装置架台8に立設する本体部9に接続され、エアノズル4が自動的に金型Mに対して図外の制御手段により2次元的に移動可能に構成されている。そして、エアブロー用のエア発生手段(エアコンプレッサー等)は、図示省略するが、本体部9内等に装着されており、アーム部7内のエア供給配管を経由させて、エアノズル4に圧縮空気を供給する。
【0013】
つまり、このエアノズル4は、図外のエア発生手段から連通するエア供給配管に接続されたものであり、エアノズル4は、複数個のエア噴出口1が共通する一つの先端面2bにおいて並設されたエアノズルであって、エア噴出口1の開口部形状(複数の円形)に沿った輪郭形状にて一体的に形成された先細ノズル先端部2を有している。具体的には、図2に示すように、エア噴出口1の数を2個としており、先細ノズル先端部2の先端面2b形状及びその横断面形状を瓢箪形としている。
【0014】
即ち、一つのブロック体により形成された先細ノズル先端部2の先端面2bに、同じ方向に向かってエアを噴出するよう開口する2個のエア噴出口1を所定ピッチP(図5)にて近接させて配置させており、そのブロック体(先細ノズル先端部2)の外形状は、全体として、先端へ向かってテーパー状に細くなった錐形状である。つまり、その錐体の頂部にエア噴出口1が配設されている。
さらに具体的に説明すると、図5に示すように、エア噴出口1を開口端とする直線状エア噴出孔10を中心とした2個の円錐形状の円錐筒部が、夫々の軸心を略平行とし、並設状態で連結され一体状とされている。
【0015】
さらに、説明すると、図2と図3の先端面2bの図に示すように、複数個のエア噴出口1,1の間における(複数個のエア噴出口1,1の間に対応する)先細ノズル先端部2の側面2a(両面)に、エアの吹きつけ方向に先端面2bまで連続して形成される整流溝部3,3を形成している。
整流溝部3の断面形状は、図3に示すように、滑らかな凹状湾曲形であり、先細ノズル先端部2の側面2aは全周にわたって角部のない滑らかな形状(瓢箪形)としている。
【0016】
この整流溝部3は、図2に示すように、エア噴出口1から噴出されるエアが、先細ノズル先端部2の周囲のエアを噴出エア方向へ連行させる(引張る)よう形成されたものであり、エア噴出口1からのエアブローにより、先細ノズル先端部2の周囲のエアを、先細ノズル先端部2のテーパー形状に沿って連行させて(引張って)、先細ノズル先端部2の全周にわたって、先細ノズル先端部2の側面2aからエアブローする対象物まで滑らかにエアを流させることができる。つまり、断面略凹状の整流溝部3によれば、先端面2bのエア噴出口1,1の間の領域において渦が発生せず、エアが滞留することがない。
【0017】
また、先細ノズル先端部2の先端面2bにおける、エア噴出口1廻りの先細ノズル先端部2肉厚tは、エア噴出口1を中心とした直管状エア噴出管を形成するとした際における(強度的な)必要厚さ以上であればよく、その最小厚さとしてもよい。
【0018】
また、テーパー形状の先細ノズル先端部2のテーパ角度θ 60°以下とするのが好ましい。これにより、エア噴出口1のエアブローと共に、先細ノズル先端部2の側面2a近傍のエア(空気)を滑らかに流すことができ、強力なエアブローが得られる。
【0019】
次に、従来型のエアノズルとの比較について説明すると、図1及び図4に示すような金型Mからゴム製品5をエアブローにより取り出すためには、従来では取り残しを無くするために、一つの金型成形部(多数の孔部6)に対して、複数回エアノズルを往復動させる必要があったが、本発明によれば、エアノズル4を一往復させるのみで全ての製品5を金型Mから取り出すことが可能となり、作業の短縮化が図れると共に金型Mの温度を低下させずに済む。
【0020】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0021】
直接エア噴出口1から噴出されるエアだけでなく、エア噴出口1周域の空気も連行して吹きつけることが可能となり、エアコンプレッサー等の動力の容量を大きくすることなく、強力なエアの噴出が可能となる。従って、金型Mから製品5をエアブローにて取り出す際に、製品5の取り残しがなくなり、また、短時間でその作業が行え生産効率の向上が望める。
【0022】
空気が滞留しやすいエア噴出口1の間の領域においても、整流溝部3によってエアが流れやすくなり、強力なエアの噴出が可能となる。つまり、周囲の空気をもエア噴出口1によるエア噴出方向へブローできる。
【0023】
簡単な形状により強力な高効率エアブローが可能となり、金型Mへのエアの吹きつけ往復回数や、吹きつけ時間が少なくてすみ、作業時間の短縮が可能となる。従って、金型Mが必要以上に冷やされることがなく、次の成形において、製品に対し不具合を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエアノズルを使用する装置の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】 エアノズルの下方からの斜視図である。
【図3】 エアノズルの先端面の図である。
【図4】 エアノズルによる製品の取り出しを説明する金型の断面図である。
【図5】 エアノズルの側面図である。
【図6】 従来のエアノズルの斜視図である。
【図7】 従来のエアノズルの斜視図である。
【符号の説明】
1 エア噴出口
2 先細ノズル先端部
2a 側面
2b 先端面
3 整流溝部
5 ゴム製品
10 エア噴出孔
M 金型

Claims (1)

  1. 成形されたゴム製品(5)を金型(M)から取り出す金型成形品自動取出装置に用いられるエアノズルに於て、
    2個のエア噴出口(1)(1)が先端面(2b)に並設されると共に、各該エア噴出口(1)を開口端とする直線状エア噴出孔 10 を中心とした2個の円錐形状の円錐筒部が、夫々の軸心を略平行として、並設状態で連結して一体化した先細ノズル先端部(2)を、備え、
    さらに、上記先細ノズル先端部(2)の側面(2a)に、2個の上記円錐筒部の間に対応して、上記エア噴出口(1)(1)から噴出されるエアが上記先細ノズル先端部(2)の周囲のエアを噴出エア方向へ連行させる整流溝部(3)が形成され、該整流溝部(3)の横断面形状は滑らかな凹状湾曲形として、上記先細ノズル先端部(2)横断面形状を瓢箪形に形成したことを特徴とする金型成形品自動取出装置用エアノズル。
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