JP4122003B2 - 心拍や呼吸等の生体信号の抽出法及び装置 - Google Patents
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Description
この発明は、心拍や呼吸等の生体信号の一般的時系列信号(アナログ信号)から主な周期情報を抽出することを目的とした信号検出処理方法及び装置に係り、特に、人体の信号である心拍、呼吸といった周期性を持つ一体型生体信号を検出するセンサーから、心拍数と呼吸数、およびその揺らぎデータを出力するための方法及び装置に関する。
センサーまたは測定器で一次元の自然現象を検出する場合、その現象を電圧のレベルで表現することが多いが、その多くは周期的に繰り返し発生するため、グラフィックで表現すると波形の形となっている。
従来、波形のピークを判断し、波形の周期を求める方法や、高速フーリエ変換法(FFT変換法)により周波数成分を計算する方法が知られている。その一例としては、特開2003−061925号「生体信号測定法」や特表平10−510440号「仮想トリガを使用する心拍同期化用パルス酸素計」が既知である。
このように、従来から、波形のピークを判断し、波形の周期を求める方法が知られていたが、ノイズなどの外来要因によってピークの位置や高さが常に変動してしまうという問題があった。
特に、呼吸信号は、直流成分に近い非常に周波数の低い信号であるため、増幅回路のダイナミックレンジや温度特性の影響を受けやすい欠点があった。
一方、最近よく使用される方法として、高速フーリエ変換法(FFT変換法)により周波数成分を計算する方法が知られている。
しかし、この従来方法では、生体データの場合は心拍などの高周波成分も含まれていることや、呼吸などの非常に低い周波数の生体信号の場合、FFT変換の周波数分解能力の不足によって、誤差が大きくなってしまう欠点があった。
また、全周波数成分を検出するために、多くの計算をリアルタイムで、かつ高速で処理する必要があるため、回路の大型化や回路の消費電流が多くなる問題があり、小型で携帯できる装置に利用することが困難であった。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、信号のレベルまたはピークの高さとは関係なく、安定した動作で波形の周期を検出することができ、測定器の小型化や低消費電力化が可能となると共に、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができ、さらには、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができる心拍や呼吸等の生体信号の抽出法及び装置を提供しようとするものである。
従来、波形のピークを判断し、波形の周期を求める方法や、高速フーリエ変換法(FFT変換法)により周波数成分を計算する方法が知られている。その一例としては、特開2003−061925号「生体信号測定法」や特表平10−510440号「仮想トリガを使用する心拍同期化用パルス酸素計」が既知である。
このように、従来から、波形のピークを判断し、波形の周期を求める方法が知られていたが、ノイズなどの外来要因によってピークの位置や高さが常に変動してしまうという問題があった。
特に、呼吸信号は、直流成分に近い非常に周波数の低い信号であるため、増幅回路のダイナミックレンジや温度特性の影響を受けやすい欠点があった。
一方、最近よく使用される方法として、高速フーリエ変換法(FFT変換法)により周波数成分を計算する方法が知られている。
しかし、この従来方法では、生体データの場合は心拍などの高周波成分も含まれていることや、呼吸などの非常に低い周波数の生体信号の場合、FFT変換の周波数分解能力の不足によって、誤差が大きくなってしまう欠点があった。
また、全周波数成分を検出するために、多くの計算をリアルタイムで、かつ高速で処理する必要があるため、回路の大型化や回路の消費電流が多くなる問題があり、小型で携帯できる装置に利用することが困難であった。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、信号のレベルまたはピークの高さとは関係なく、安定した動作で波形の周期を検出することができ、測定器の小型化や低消費電力化が可能となると共に、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができ、さらには、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができる心拍や呼吸等の生体信号の抽出法及び装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため、本発明になる心拍呼吸生体信号抽出法は、請求の範囲1に記載したように、心拍呼吸生体信号などの時系列信号(アナログ信号)をA/D変換手段によりデジタル信号に変換し、信号レベル値が同一で変化傾向(上昇傾向または下降傾向)が同一であり、かつ、時間軸上で一番近い二つの点(以下、本明細書では、同位相点という。)を同位相点検出手段で検出し、この二つの同位相点の距離(以下、本明細書では、同位相点ランニング距離という。)を同位相点ランニング距離検出手段により検出した後、同位相点ランニング距離検出手段が検出した情報を統計処理手段により統計処理し、統計処理手段の情報を発生回数測定手段により解析して同一ランニング距離の発生回数を測定し、発生回数測定手段の測定結果を解析して発生回数の一番多いランニング距離を主要周期出力手段によって主要周期として出力することで、心拍や呼吸等の生体信号を抽出するように構成したことを特徴とするものである。
また、上記方法を実現するため、心拍や呼吸等の生体信号を抽出する装置は、請求の範囲2に記載したように、心拍呼吸生体信号などの時系列信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、信号レベル値が同一で変化傾向(上昇傾向または下降傾向)が同一であり、かつ時間軸上で同位相点を検出する同位相点検出手段と、この二つの同位相点ランニング距離を検出する同位相点ランニング距離検出手段と、同位相点ランニング距離検出手段が検出した情報を統計処理する統計処理手段と、統計処理手段の情報を解析し同一ランニング距離の発生回数を測定する発生回数測定手段と、発生回数測定手段の測定結果を解析し発生回数の一番多いランニング距離を主要周期として出力する主要周期出力手段と、を有して構成し、信号のレベルやピークの高さとは関係なく、安定した動作で生体信号の波形の周期を検出することができるよう構成したものである。
また、上記方法を実現するため、心拍や呼吸等の生体信号を抽出する装置は、請求の範囲2に記載したように、心拍呼吸生体信号などの時系列信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、信号レベル値が同一で変化傾向(上昇傾向または下降傾向)が同一であり、かつ時間軸上で同位相点を検出する同位相点検出手段と、この二つの同位相点ランニング距離を検出する同位相点ランニング距離検出手段と、同位相点ランニング距離検出手段が検出した情報を統計処理する統計処理手段と、統計処理手段の情報を解析し同一ランニング距離の発生回数を測定する発生回数測定手段と、発生回数測定手段の測定結果を解析し発生回数の一番多いランニング距離を主要周期として出力する主要周期出力手段と、を有して構成し、信号のレベルやピークの高さとは関係なく、安定した動作で生体信号の波形の周期を検出することができるよう構成したものである。
図1は、周期的に変化する波形信号の統計的解析を説明する図である。
図2は、本発明になるアルゴリズムのブロック構成図である。
図3は、波形追跡による同位相点およびそのランニング距離の検出用フローチャートである。
図4は、生体センサーで検出された心拍および呼吸の生体信号例である。
図5は、呼吸波形に関するCr(t,y)およびCd(t,y)の統計分布例である。
図6は、呼吸数および心拍数の検出例である。
図2は、本発明になるアルゴリズムのブロック構成図である。
図3は、波形追跡による同位相点およびそのランニング距離の検出用フローチャートである。
図4は、生体センサーで検出された心拍および呼吸の生体信号例である。
図5は、呼吸波形に関するCr(t,y)およびCd(t,y)の統計分布例である。
図6は、呼吸数および心拍数の検出例である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を用いて説明する。
周期的に発生している信号は、統計的な手法で分析した場合、統計分布上でクラスタ性が現れてくると考えられる。
本発明においては、同位相点ランニング距離という概念を提供すると共に、その距離を統計的に処理することによって、波形の主要周期を求めることができる。
図1は、周期的に変化する波形信号の統計的解析法を説明する図であり、水平軸(t)は時間軸を表し、垂直軸(y)は信号のレベルを表しており、グラフは周期的に変化する時系列信号y(t)を表している。
本発明において「同位相点」とは、上記したように、同一レベル値で、しかも変化傾向(上昇または下降)が同一で、一番近い二つの点をいう。例えば、図1において、a点の同位相点はa’であり、bの同位相点はb’である。
また「同位相点ランニング距離」とは、隣接する二つの同位相点の距離をいう。例えば、図1において、同位相点aとa’のランニング距離は
t1であり、同位相点bとb’とのランニング距離はt2である。
同位相点のランニング距離を統計処理するには、CPU(中央演算回路)を使用することになる。そのため、アナログ波形信号をA/D変換する操作を行って、デジタル波形とする。式で表現すると
y(ti)ti(i∈{0,1,2,…,N−1})各サンプリング時刻、
y(ti)∈{0,1,2,…,Y}各サンプリング時刻における信号値、
時間および信号レベルは離散値となっている。
尚、本発明において、式中に使用される符号は、本明細書においては、次の定義とする。
y(i):時刻iにおける入力波形信号値。
N:サンプリングした波形信号データの数。
Cr(j,k):上昇状態にある波形において、同レベルkにある二つの同位相点のランニング距離jの発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cd(j,k):下降状態にある波形において、同レベルkにある二つの同位相点のランニング距離jの発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cr(t):上昇状態にある波形においてランニング距離tとなる総発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cd(t):下降状態にある波形においてランニング距離tとなる総発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Δt:主要周期値の検出誤差。
波形においては同位相点が多く存在しており、同位相点ランニング距離を統計処理するため、波形上の同位相点を追跡する。
まず、入力してきた時系列信号の各時刻における信号値{y(ti)}をt0から順次追跡してゆく。
例えば、波形上の点が、上昇傾向にあるa(t0+t1,y1)点のところにさしかかっているとすると、演算回路は今まで追跡した各波形点の中から同レベルで、同じ変化傾向(上昇)にあり、しかも一番近い点を検出する。
つまり、時間軸との平行線を原点方向へ引いて、最初に交差する点a’(t0,y1)は、その同位相点となっているはずである。一方、下降傾向にある部分も同じように処理することができる。
波形の主要周期を検出するために、波形上のすべての同位相点ランニング距離を統計処理する。
N−1個のサンプリングデータについて、このように同位相点を追跡した後、同位相点のランニング距離を解析し、各ランニング距離の発生回数を統計処理する。その発生回数をcr(t,y)とcd(t,y)で示す。
ここで、cr(t,y)は、上昇段階期間における信号レベルyのところにランニング距離がtになっているイベントの発生回数であり、cd(t,y)は、下降段階期間における信号レベルyのところにランニング距離がtになっているイベントの発生回数である。
∀t∈[0,To]and∀y(t)∈[0,Y]
サンプリング区間において上記のランニング距離発生回数を統計処理した後、次の統計演算を行う。
つまり、発生回数に信号レベルと関わる要素を加算演算によって減らし、ランニング距離だけの1次元変数Cr(t)とCd(t)を導き出すことができる。
また、上記の1次元変数Cr(t)とCd(t)に基づいて、その波形の主要周期を次の式で検出することができる。
次の判定規則で時系列信号y(t)の主要周期値Tを検出する。
もし、(C>ある閾値)が成立すれば主要周期値はTと判断する。ここに、δtは周期値の検出誤差の許容範囲に設定される。
図2は本発明のアルゴリズムを示すブロック構成図であり、図3は図2に示されたアルゴリズムのステップS1−2における、波形追跡による同位相点の検出およびそのランニング距離の検出を説明するフローチャートである。
まず、検出器またはセンサーからの出力アナログ信号を、A/D変換器で定めたサンプリング間隔でサンプリングし、デジタル信号とする。
そのデジタル信号のデータを図2のステップS1−1に入力し、同位相点ランニング距離を統計処理するため、ステップS1−2において、同位相点の追跡を行う。
これによって各時刻における波形上の同位相点同士のランニング距離Cr(t,y)およびCd(t,y)の発生回数を測る。
次に式1および式2に従って、位相点の同一ランニング距離の統計情報Cr(t)およびCd(t)を求める。(図2のステップS1−3)
従って、その統計情報を解析し(図2のステップS1−4)、上記判断規則(式3)に基づいて閾値より発生回数が上位1位となったランニング距離をその波形の主要周期として出力する(図2のステップS1−5)。
次に、本発明の応用例として、心拍呼吸生体信号においてその主要周期とする心拍数および呼吸数の検出例を説明する。
生体センサー(心拍および呼吸センサー)で、アナログ信号である生体信号を検出し、これをA/D変換して得られたデジタルデータを本アルゴリズムに入力する。その信号例を図4に示す。
その信号に含まれている主要周期は心拍数(発生回数/分)と、呼吸数(発生回数/分)である。
まず、入力信号から呼吸数を検出するために、入力信号のデータをそのまま本発明になるアルゴリズムに入力し、本発明になる統計処理および統計解析方法によって、その主要周期の一つとなる呼吸数を算出する。
図5に、その中間過程となるランニング距離に関する統計分布例を示す。
次に、心拍数を検出するために、入力信号からフィルタを使用して呼吸波形の成分を取り除き、心拍数だけの波形を生成する。図6に生成した心拍波形を示す。
そして、生成した心拍波形を上記と同じ手順で処理し、心拍数を算出する。図6に呼吸数および心拍数を検出する例を示す。
本発明では、以上の手順に従うことにより、信号のレベルまたはピークの高さとは関係なく、安定した動作で波形の周期を検出することができ、測定器の小型化や低消費電力化が可能となると共に、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができ、さらには、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができる。
周期的に発生している信号は、統計的な手法で分析した場合、統計分布上でクラスタ性が現れてくると考えられる。
本発明においては、同位相点ランニング距離という概念を提供すると共に、その距離を統計的に処理することによって、波形の主要周期を求めることができる。
図1は、周期的に変化する波形信号の統計的解析法を説明する図であり、水平軸(t)は時間軸を表し、垂直軸(y)は信号のレベルを表しており、グラフは周期的に変化する時系列信号y(t)を表している。
本発明において「同位相点」とは、上記したように、同一レベル値で、しかも変化傾向(上昇または下降)が同一で、一番近い二つの点をいう。例えば、図1において、a点の同位相点はa’であり、bの同位相点はb’である。
また「同位相点ランニング距離」とは、隣接する二つの同位相点の距離をいう。例えば、図1において、同位相点aとa’のランニング距離は
t1であり、同位相点bとb’とのランニング距離はt2である。
同位相点のランニング距離を統計処理するには、CPU(中央演算回路)を使用することになる。そのため、アナログ波形信号をA/D変換する操作を行って、デジタル波形とする。式で表現すると
y(ti)ti(i∈{0,1,2,…,N−1})各サンプリング時刻、
y(ti)∈{0,1,2,…,Y}各サンプリング時刻における信号値、
時間および信号レベルは離散値となっている。
尚、本発明において、式中に使用される符号は、本明細書においては、次の定義とする。
y(i):時刻iにおける入力波形信号値。
N:サンプリングした波形信号データの数。
Cr(j,k):上昇状態にある波形において、同レベルkにある二つの同位相点のランニング距離jの発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cd(j,k):下降状態にある波形において、同レベルkにある二つの同位相点のランニング距離jの発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cr(t):上昇状態にある波形においてランニング距離tとなる総発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Cd(t):下降状態にある波形においてランニング距離tとなる総発生回数に関する統計情報を格納するバッファー。
Δt:主要周期値の検出誤差。
波形においては同位相点が多く存在しており、同位相点ランニング距離を統計処理するため、波形上の同位相点を追跡する。
まず、入力してきた時系列信号の各時刻における信号値{y(ti)}をt0から順次追跡してゆく。
例えば、波形上の点が、上昇傾向にあるa(t0+t1,y1)点のところにさしかかっているとすると、演算回路は今まで追跡した各波形点の中から同レベルで、同じ変化傾向(上昇)にあり、しかも一番近い点を検出する。
つまり、時間軸との平行線を原点方向へ引いて、最初に交差する点a’(t0,y1)は、その同位相点となっているはずである。一方、下降傾向にある部分も同じように処理することができる。
波形の主要周期を検出するために、波形上のすべての同位相点ランニング距離を統計処理する。
N−1個のサンプリングデータについて、このように同位相点を追跡した後、同位相点のランニング距離を解析し、各ランニング距離の発生回数を統計処理する。その発生回数をcr(t,y)とcd(t,y)で示す。
ここで、cr(t,y)は、上昇段階期間における信号レベルyのところにランニング距離がtになっているイベントの発生回数であり、cd(t,y)は、下降段階期間における信号レベルyのところにランニング距離がtになっているイベントの発生回数である。
∀t∈[0,To]and∀y(t)∈[0,Y]
サンプリング区間において上記のランニング距離発生回数を統計処理した後、次の統計演算を行う。
つまり、発生回数に信号レベルと関わる要素を加算演算によって減らし、ランニング距離だけの1次元変数Cr(t)とCd(t)を導き出すことができる。
また、上記の1次元変数Cr(t)とCd(t)に基づいて、その波形の主要周期を次の式で検出することができる。
次の判定規則で時系列信号y(t)の主要周期値Tを検出する。
もし、(C>ある閾値)が成立すれば主要周期値はTと判断する。ここに、δtは周期値の検出誤差の許容範囲に設定される。
図2は本発明のアルゴリズムを示すブロック構成図であり、図3は図2に示されたアルゴリズムのステップS1−2における、波形追跡による同位相点の検出およびそのランニング距離の検出を説明するフローチャートである。
まず、検出器またはセンサーからの出力アナログ信号を、A/D変換器で定めたサンプリング間隔でサンプリングし、デジタル信号とする。
そのデジタル信号のデータを図2のステップS1−1に入力し、同位相点ランニング距離を統計処理するため、ステップS1−2において、同位相点の追跡を行う。
これによって各時刻における波形上の同位相点同士のランニング距離Cr(t,y)およびCd(t,y)の発生回数を測る。
次に式1および式2に従って、位相点の同一ランニング距離の統計情報Cr(t)およびCd(t)を求める。(図2のステップS1−3)
従って、その統計情報を解析し(図2のステップS1−4)、上記判断規則(式3)に基づいて閾値より発生回数が上位1位となったランニング距離をその波形の主要周期として出力する(図2のステップS1−5)。
次に、本発明の応用例として、心拍呼吸生体信号においてその主要周期とする心拍数および呼吸数の検出例を説明する。
生体センサー(心拍および呼吸センサー)で、アナログ信号である生体信号を検出し、これをA/D変換して得られたデジタルデータを本アルゴリズムに入力する。その信号例を図4に示す。
その信号に含まれている主要周期は心拍数(発生回数/分)と、呼吸数(発生回数/分)である。
まず、入力信号から呼吸数を検出するために、入力信号のデータをそのまま本発明になるアルゴリズムに入力し、本発明になる統計処理および統計解析方法によって、その主要周期の一つとなる呼吸数を算出する。
図5に、その中間過程となるランニング距離に関する統計分布例を示す。
次に、心拍数を検出するために、入力信号からフィルタを使用して呼吸波形の成分を取り除き、心拍数だけの波形を生成する。図6に生成した心拍波形を示す。
そして、生成した心拍波形を上記と同じ手順で処理し、心拍数を算出する。図6に呼吸数および心拍数を検出する例を示す。
本発明では、以上の手順に従うことにより、信号のレベルまたはピークの高さとは関係なく、安定した動作で波形の周期を検出することができ、測定器の小型化や低消費電力化が可能となると共に、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができ、さらには、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができる。
本発明の心拍呼吸生体信号抽出法及び装置にあっては、以上説明したように、本アルゴリズムを使用することによって、信号のレベルまたはピークの高さとは関係なく、安定した動作で波形の周期を検出することができ、測定器の小型化や低消費電力化が可能となる。
また、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができる。
さらに、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができるなど、従来の測定方法及び装置では困難であった多くの優れた効果を得ることができる。
また、ノイズなどの外来要因によって波形が歪みを受けたり、ピークの位置が変動してしまうことがなく、正確に波形の周期を検出することができる。
さらに、視覚上の波形周期に極めて近い検出周期を得ることができるなど、従来の測定方法及び装置では困難であった多くの優れた効果を得ることができる。
Claims (2)
- 心拍呼吸生体信号などの時系列信号(アナログ信号)をA/D変換手段によりデジタル信号に変換し、信号レベル値が同一で変化傾向(上昇傾向または下降傾向)が同一であり、かつ、時間軸上で一番近い二つの点(同位相点)を同位相点検出手段で検出し、この二つの同位相点の距離(同位相点ランニング距離)を同位相点ランニング距離検出手段により検出した後、同位相点ランニング距離検出手段が検出した情報を統計処理手段により統計処理し、統計処理手段の情報を発生回数測定手段により解析し同一ランニング距離の発生回数を測定し、発生回数測定手段の測定結果を解析し発生回数の一番多いランニング距離を主要周期出力手段によって主要周期として出力することで、心拍や呼吸等の生体信号を抽出する方法。
- 心拍呼吸生体信号などの時系列信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、信号レベル値が同一で変化傾向(上昇傾向または下降傾向)が同一であり、かつ、時間軸上で一番近い二つの点(同位相点)を検出する同位相点検出手段と、この二つの同位相点の距離(同位相点ランニング距離)を検出する同位相点ランニング距離検出手段と、同位相点ランニング距離検出手段が検出した情報を統計処理する統計処理手段と、統計処理手段の情報を解析し同一ランニング距離の発生回数を測定する発生回数測定手段と、発生回数測定手段の測定結果を解析し発生回数の一番多いランニング距離を主要周期として出力する主要周期出力手段と、を有してなる心拍呼吸生体信号抽出装置。
Applications Claiming Priority (1)
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