JP4121507B2 - インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョークコイルや他のコイル部品として用いられるインダクタに関する。
従来、絶縁材がコーティングされた強磁性金属粒子からなる強磁性金属粉末中にコイルを埋めた状態で、強磁性金属粉末をプレス成形により加圧して圧縮成形することで、加圧成形されたコア内にコイルを一体に埋設してなるインダクタが知られている(例えば特許文献1参照。)。
特許文献1のインダクタは以下の手順で製造される。まず、第1の圧縮成形工程の実行により、強磁性金属粉末を下パンチが挿入された筒形の下部型枠に充填した後、圧縮成形により下部コアを形成する。次に、下部型枠内の下部コア上にコイルを載置するコイル配置工程を実行した後、下部型枠上に筒形の上部型枠を載置して、この上部型枠内にコイルが埋まるように強磁性金属粉末を再び充填するコイル埋め込み工程を実行する。この後、上部型枠に挿入される上パンチと前記下パンチにより、下部コアとコイルとが積層された方向に圧力を加えて上部コアを成形する第2の圧縮成形工程を実行する。これにより、コイル封入圧粉コアが成形される。次に、上部型枠及び上パンチを上昇させると共に、下部型枠を下降させて、コイル封入圧粉コアを下部型枠から抜き出す。最後に、強磁性金属粉末をコーティングしてなる樹脂絶縁材からなる絶縁層を熱硬化させてコアの機械的強度を向上するための熱処理が、型枠から外されたコイル封入圧粉コアに対して施される。
又、熱硬化性の有機絶縁結合剤で強磁性金属粒子の表面がコーティングされた強磁性金属粉末の加圧成形体からなるコア内にコイルを埋設してなる圧粉磁心を、金型から取出した後に、有機絶縁結合剤を加熱処理して硬化して、強磁性金属粉末の結合強度を強くすることは知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−267160号公報〔請求項1、段落0002、0016〜0017、0021〜0022、0035〜0045、0049、図1(A)−(D)、図5(A)−(I)〕 特公昭54−28577号公報〔特許請求の範囲、第2頁左欄第2行〜同頁右欄第6行〕
特許文献2では成形されたコアの成形金型からの取出し方については言及されていないが、特許文献1では、上パンチ及び筒形の上部型枠を上昇させると共に、下部型枠を下降させ手、コアを取出している。つまり、コアの厚み方向に沿って筒形の成形金型とコアとを相対的に移動させることにより、コアを取出すようにしている。
このため、成形されたコアが取出される際に、このコアの側面が筒形の成形金型の内面と擦れることは妨げられず、それに伴ってコア側面において強磁性金属粒子をコーティングしている絶縁材が破壊される。したがって、成形されたコアの絶縁性が低下する。
更に、特許文献1の技術では、筒形の下部型枠の上面及び筒形の上部型枠の下面は夫々面一であり、これに対してコイルの一方の端末部と他方の端末部とはコイルの巻数によって高さ位置が異なる。このため、上下のポンチにより成形圧力が加えられると、コイルは上下の型枠で挟まれた両端末部を除くコイル部分が、上下方向にずれる可能性が高い。こうしたコイルずれが発生すると、製品の磁気特性のばらつきが大きくなるとともに、クラックも生じてインダクタンスが低下する。
又、特許文献1,2の技術では、成形されたコアに対する硬化処理を、成形金型からコアを取出した状態で実施している。これにより、結合剤を兼ねる熱硬化性の絶縁材が、硬化処理に伴って膨張することに応じてコアの成形密度が低下するので、製品のインダクタンスが低下する。
本発明の目的は、磁気特性のばらつきを抑制しつつコア側面での絶縁性を確保できるとともに、インダクタンスを向上できるインダクタ及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明のインダクタの製造方法は、硬化性の絶縁材で強磁性金属粒子の表面がコーティングされた強磁性金属粉末の加圧成形体からなる四角柱状コア内にコイルを埋設したインダクタの製造方法であって、四角柱状の上パンチ、四角枠状に組合されると共に対角方向に接離される一対の上型部材を有して前記上パンチが挿入される上型、四角柱状の下パンチ、及び四角枠状に組合されると共に対角方向に接離される一対の下型部材を有して前記下パンチが挿入される下型を備え、かつ、一対の前記下型部材の夫々がそれらの上面に前記コイルの端末部の厚みに相当する深さの嵌合溝を有し、一方の下型部材が他方の下型部材より高く形成されていて、この高い方の下型部材の上面と高さが低い方の下型部材が有した前記嵌合溝の底面との高さ寸法差を前記コイルの高さ寸法と同じとするとともに、前記一対の上型部材の内で前記高さが低い方の下型部材上に重ね合わされる一方の上型部材を、前記高さが高い方の下型部材上に重ね合わされる他方の上型部材より高く形成した成形金型を用いるとともに、前記下パンチが挿入された前記下型内に前記強磁性金属粉末を充填する一次充填工程と、前記下型の嵌合溝に前記コイルの端末部を嵌合させて前記両下型部材にわたって前記コイルを載置するコイルセット工程と、前記下型上に前記上型を重ね合わせて前記コイルの端末部を前記上型と下型との間に挟む型締め工程と、前記コイルが埋まるように前記上型内に前記強磁性金属粉末を充填する二次充填工程と、前記上パンチと下パンチで前記強磁性金属粉末に成形圧力を加えて前記コアを圧縮成形する加圧成形工程と、圧縮成形された前記コアを前記上パンチと下パンチで前記絶縁材の硬化開始から硬化完了まで500kg/cm 以上の圧力を加えながら保持した状態で前記絶縁材を加熱硬化させる硬化処理工程と、前記一対の上型部材及び前記一対の下型部材を夫々対角方向に開くと共に前記上ポンチと下ポンチ間から前記コアを取出す型開き工程と、を具備している。
この発明は、型開き工程において、四角枠状の上型をなす一対の上型部材を対角方向に開くとともに、四角枠状の下型をなす一対の下型部材を対角方向に開いて、圧縮成形されたコアを取出すので、コアの側面が上型及び下型の内面に擦れることがない。これにより、コア側面における強磁性金属粒子をコーティングしている絶縁材の破壊を防止できる。
コアを加圧硬化させる硬化処理工程において、コアを圧縮成形する成形金型を利用してその上型部材と下型部材して加圧硬化させることは、コアのセッテングの手間などが不要となるので、製造性に優れた有効な手段である。
この発明では、圧縮成形されたコアに上下パンチ500kg/cm 以上の圧力を加えながら加熱硬化するので、コアの密度が硬化処理に伴って低下することが抑制されて、製品のインダクタンスを向上できる。
この発明では、コイルの端末部が嵌合溝に嵌合して位置決めされることで、加圧成形工程でコイルが加圧方向と直交する横方向にずれることを抑制できる。加えて、コイルの高さ寸法を考慮して、コイルの両端部を高さ方向にずらして上型と下型とで挟持したので、加圧成形工程でコイルが加圧方向にずれることを抑制できる。
又、請求項2の発明に係るインダクタは、請求項1の製造方法により製造されて、硬化性の絶縁材で強磁性金属粒子の表面がコーティングされた強磁性金属粉末の加圧成形体からなる四角柱状コア内にコイルを埋設してなるインダクタであって、前記コアの隣接した二つの側面に付されたパーテングライン跡と、前記コアの隣接した他の二つの側面に付されたパーテングライン跡とを、前記コアの高さ方向にずらして設けている。
この発明のインダクタは、請求項1の発明方法により製造されるので、磁気特性のばらつきを抑制しつつコア側面での絶縁性を確保できるとともに、インダクタンスを向上できる。
請求項1の発明によれば、成形されたインダクタンスのコアを、その側面が成形金型の内面に擦れることなく成形金型から取外せるとともに、硬化処理工程での絶縁材の膨張が抑制されるだけでなく、コア内でのコイルの位置のばらつきを抑制できるので、磁気特性のばらつきを抑制しつつコア側面での絶縁性を確保できるとともに、インダクタンスを向上できるインダクタの製造方法を提供できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明方法により製造されるので、磁気特性のばらつきを抑制しつつコア側面での絶縁性を確保できるとともに、インダクタンスを向上できるインダクタを提供できる。
図1〜図3を参照して本発明の一実施形態を説明する。
この一実施形態に係るインダクタは大電流が流れるチョークコイル1として使用されるもので、電子機器例えばテレビゲーム機などのコンピュータゲーム機やパーソナルコンピュータに搭載して好適に使用できる。このチョークコイル1は、図1(C)に示すように各面が互に直角に連続する六面体状をなして一体成形された四角柱状のコア2と、このコア2に両端末部を除いて埋設された図1(A)に示すコイル3とを備えている。
コイル3には、導電性金属線、例えば銅線、好ましくは断面が長方形の平角銅線を好適に使用できる。コイル3は図示しないが外周を絶縁層で被覆されている。コイル3の巻数は例えば2〜5ターンである。このコイル3の一方の端末部b1はコイル3の高さ(厚み)方向一端(図において下端)から外側に突出され、他方の端末部b2はコイル3の高さ(厚み)方向他端(図において上端)から外側に突出されている。これら端末部b1,b2はコイル部の直径方向に延びて突出しており、図1(A)中符号Wは端末部b1,b2の先端間のコイル長さ寸法を示し、符号Hはコイル高さ寸法、詳しくは、図においてコイル3の下側の端末部b1の下面とコイル3の上側の端末部b2の上面との間の高さ寸法を示している。コイル長さ寸法は例えば30mm、コイル高さ寸法Hは例えば2.0mmである。
図1(B)に示すようにコイル3の両端末部b1,b2はコア2の互に平行な2つの側面の高さ方向中間部から外に突出している。これらの両端末部b1,b2は、コア2の前記側面に沿って折り曲げられるとともに、コア2の裏面に沿って折り曲げられている。図1(C)に示すようにコア2の裏面に沿ったコイル3の両端末部は夫々端子3aとして使用される。これらの端子3aの絶縁層は除去されている。端子3aは図示しない電子機器のプリント配線基板のプリント配線にリフロー半田付けされる。したがって、チョークコイル1は表面実装部品としてプリント基板に実装できる。
このチョークコイル1のコア2の側面には図1(B)(C)に示すようにパーテングライン跡が設けられている。すなわち、コア2の隣接した側面の同じ高さ位置に互いに連続する第1のパーテングライン跡4aが形成され、コア2の隣接した他の側面の同じ高さ位置にも互いに連続する第2のパーテングライン跡4bが形成されている。これらパーテングライン跡4a,4bは、コア2の高さ方向に位置をずらして設けられている。パーテングライン跡4a,4bは次に説明する製造方法に基づいてコア2に形成されるものであって、本発明方法により製造されるチョークコイル1に外観的特徴、つまり、他のインダクタとの識別機能を与えている。
次に、チョークコイル1のコア2を製造するために用いる加圧成形装置であるプレス機械の成形金型(成形型)を図2により説明する。この成形金型11は、上パンチ12、下パンチ13、上型14、及び下型15を備えている。上パンチ12及び下パンチ13は、同じ大きさの四角柱状に形成されていて、夫々単独に上下方向に移動できる。これら上パンチ12と下パンチ13は互いの中心軸線を延長した線上に向きを同じにして設けられている。
上型14は、一対の上型部材14a,14bを有し、図示しない上型上下機構により上下方向に移動される。上型部材14a,14bはいずれも直角に折れ曲がった形状に作られていて、これらの端部同士が合わさって四角枠状に連続して上型14を形成する。この上型14内にはその上方から上パンチ12が図示しない上パンチ駆動機構により挿脱される。
上型部材14a,14bは図示しない上型開閉機構により上型14の対角方向に接離される。図2中矢印A,Bは接離方向を示す。接近方向Aに上型部材14a,14bが移動されて閉じ位置に配置された場合には、上型部材14a,14bの端部同士が合わさって上型14が閉じられる。この逆に離反方向Bに上型部材14a,14bが移動されて開き位置に配置された場合には、上型部材14a,14bが互いに水平方向に離れて上型14が開かれる。
上型部材14aは上型部材14bより高さが高い。それにより、上型開閉機構で上型部材14a,14bを閉じ位置に動かして上型14が図2のように組立てられた状態では、上型部材14a,14bの下面間に、これら上型部材14a,14bの高さ寸法差に相当する段差G1が形成されるようになっている。
下型15は、一対の下型部材15a,15bからなり、図示しない下型上下機構により上下方向に移動される。上型部材15a,15bはいずれも直角に折れ曲がった形状に作られていて、これらの端部同士が合わさって四角枠状に連続して下型15を形成する。この下型15内にはその下方から下パンチ13が図示しない下パンチ駆動機構により挿脱される。
上型部材15a,15bは図示しない下型開閉機構により下型15の対角方向に接離される。図2中矢印A,Bは接離方向を示す。接近方向Aに下型部材15a,15bが移動されて閉じ位置に配置された場合には、下型部材15a,15bの端部同士が合わさって下型15が閉じられる。この逆に離反方向Bに下型部材15a,15bが移動されて開き位置に配置された場合には、下型部材15a,15bが互いに水平方向に離れて下型15が開かれる。
下型部材15aは他方の下型部材15bより高さが低い。それにより、下型開閉機構で下型部材15a,15bを閉じ位置に動かして下型15が図2に示すように組立てられた状態では、下型部材15a,15bの下面間に、これら下型部材15a,15bの高さ寸法差に相当する段差G2が形成されるようになっている。この段差G2は上型部材14a,14bの高さ寸法差と同じである。
下型部材15bより高さが低い方の下型部材15aと、上型部材14bより高さが高い方の上型部材14aとは上下方向に対向している。同様に、上型部材14aより高さが低い方の上型部材14bと、下型部材15aより高さが高い方の下型部材15bとは上下方向に対向している。このため、上型14と上型15とが重ね合わされたときに、下型14の下面と下型15の上面とは互いに接合されるようになっている。
下型15の上面、具体的には高さが異なる下型部材15a,15bの上面には嵌合溝16,17が個別に形成されている。これらの嵌合溝16,17の深さはコイル3の端末部b1,b2の夫々の厚みに略等しく、かつ、幅はコイル3の端末部b1,b2の夫々の幅に略等しい。そして、高さが低い方の下型部材15aに設けられた嵌合溝16の底面から高さが高い方の下型部材15bの上面までの垂直方向の寸法G3(図3参照)は、コイル3の前記高さ寸法Hに等しい。又、図3に示した下型15に設けた一対の嵌合溝16,17間の最大離間寸法Xは前記コイル長さ寸法Wに等しい。
チョークコイル1は前記成形金型11を用いて加圧成形された圧粉体(加圧成形体)である。コイル3は、コア2の成形前に成形金型11内に位置決めして配置され、コア2の加圧成形に伴って一体にコア2内に埋設されたものである。したがって、このチョークコイル1は一体成形型コイル部品と称することができる。
コア2は、強磁性金属粉末からなるが、これを主成分として、それに適宜少量のカップリング剤を混入させたものであってもよい。強磁性金属粉末は、結合材として機能する絶縁層で被覆された強磁性金属粒子の集まりである。強磁性金属粒子には、粉体硬度が低く、飽和磁束密度が高く、低ロス特性であるという特長を有した鉄系金属粒子を用いることができる。この種の材料として、例えばFe粉末、パーマロイ粉末、カルボニル鉄粉末、センダスト粉末などを挙げることができ、その内の少なくとも1種を選択できる。
強磁性金属粒子の表面をコーティングした絶縁層には、硬化性の絶縁材、好ましくはバインダーとしても機能する熱硬化性の有機材料を用いることができる。有機材料として、熱硬化性樹脂例えばエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などを挙げることができ、その内の少なくとも1種を選択できる。
次に、チョークコイル1の製造方法を説明する。この製造方法は、一次填工程と、コイルセット工程と、型締め工程と、二次充填工程と、加圧成形工程と、硬化処理工程と、型開き工程を備え、これらの工程を順次経てチョークコイル1が製造される。
一次充填工程では、一対の下型部材15a,15bを閉じ位置に配置し四角枠状の下型15とするとともに、この下型15の底をなすように下パンチ13を挿入した状態としてから、下型15内に所定量の強磁性金属粉末を充填する。
次のコイルセット工程では、コイル3の一方の端末部b1を高さが低い方の下型部材15aの嵌合溝16に嵌合させるとともに、コイル3の他方の端末部b2を高さが高い方の下型部材15bの嵌合溝17に嵌合させる。これにより、強磁性金属粉末が充填された下型15の下型部材15a,15baにわたってコイル3が載置される。この載置状態では、嵌合溝16,17への係合により、コイル3がその端末部b1、b2が延びる方向と直交する方向に下型15に対して位置決めされる。この場合、端末部b1、b2が夫々の嵌合溝16,17からはみ出ないようにする。これにより、嵌合溝16,17間の最大離間寸法Xとコイル長さ寸法Wとが等しいことから、下型15に対してコイル3がその端末部b1、b2が延びる方向にも位置決めされる。つまり、このコイルセット工程において、コイル3はX−Y方向に位置決めされる。
次の型締め工程では、上型14を四角枠状に保持するとともに、この上型14を下降させて下型15に重ね合わせる。これにより、段差を有して四角枠状を呈した上型14の下面と同じく段差を有して四角枠状を呈した下型15の上面とが接合して、これら上型14と下型15との間にコイル3の端末部b1,b2が挟まれて上下金型装置が組立てられる。
次の二次充填工程では、上型14内に強磁性金属粉末を充填する。これにより、下型15と上型14とにわたって強磁性金属粉末が充填されて、その中にコイル3が埋まる。
次の加圧成形工程では、まず、上パンチ12を下降させて上型14内に挿入した後、上パンチ12と下パンチ13とを相対的に互いに近づけるように移動させる。この場合、上下両パンチの少なくとも一方、好ましくは双方を移動させると良い。これにより、上パンチ12と下パンチ13で前記上下金型装置内の強磁性金属粉末に成形圧力が加えられ、コア2が圧縮成形される。この場合の成形圧力は2〜5ton/cmが望ましい。
次の硬化処理工程では、圧縮成形されたコア2を上パンチ12と下パンチ13で加圧保持した状態で加熱して、コアをなす強磁性金属粒子にコーティングされた絶縁材を熱硬化させる。この場合、最適な熱硬化温度は、絶縁材の種類により異なるが100℃〜300℃の範囲で設定できる。又、コア2に対する加圧は硬化開始から硬化終了まで保持されるとともに、この加圧力は、硬化処理に伴い温度上昇する絶縁材によるコアの膨張を妨げる大きさ、例えば加圧成形工程で加えられる成形圧力と同じかそれ以下に設定さすることができる。又、この硬化処理工程に要する時間は10〜30分である。
型開き工程は、コイル3が封入されたコア2を成形金型11から取出す工程である。この工程では、上型14の一対の上型部材14a、14b及び下型15の一対の下型部材15a、15bを夫々対角方向に開くと共に、上パンチ12と下パンチ13とを互いに離れる方向に移動させてこれら上下パンチをコア2から離して、このコア2を取出す。この場合、下型15を型開きにおいては、コイル3の端末部b1、b2の厚みに相当して下型15を僅かに下降させるか、又は下パンチ13を僅かに上昇させて、嵌合溝16,17から端末部b1,b2を外してから実施する。
こうして製造されたコア2の側面には、上型14と下型15との合わせ目に相当するパーテングライン跡4a,4bが図1(B)(C)に示すようにコア2の厚み方向にずれて形成される。そして、図1(B)に示すようにコア2の側面から突出されたコイル3の端末部b1、b2を、図1(C)に示すように折り曲げて、最終製品であるチョークコイル1が形成される。
以上の手順で製造されたチョークコイル1のコア2は、既述の型開き工程によってコア側面が成形金型11の内面に擦れることなく成形金型から取外せる。なお、嵌合溝16,17から端末部b1,b2を外すための移動はごく僅かであるので、それに伴う下型15の内面に対するコア2の擦れは実際上無視できる。更に、加圧保持下での硬化処理工程によりコア2の絶縁材の膨張が抑制される。その上、コイルセット工程での成形金型11に対するコイル3の位置決めにより、成形圧力によるコア2内でのコイル3の位置のばらつきを抑制できる。特に、下型15の嵌合溝16,17がコイル3の両端末部b1、b2の高さの差に応じて上下方向(コイル3の厚み方向)にずれているので、コイル3がコア2内でその上下(厚み)方向にずれることがなく、コア2内でのクラックの発生を抑制できる。
したがって、以上説明した製造方法によれば、磁気特性のばらつきを抑制でき、かつ、コア側面での絶縁性を確保できるとともに、インダクタンスを向上できるチョークコイル1を製造できる。このことは以下の実施例により確認できた。
(実施例)
カルボニル鉄粉末にエポキシ樹脂からなる絶縁材を3重量%混合してなる強磁性金属粉末と前記成形金型11を用いて、記述の製造手順でサンプルAを5個製造して、夫々についてインダクタンス及び端子とコア間の絶縁抵抗を測定した。この場合、使用したコイル3は既述の寸法であり、加圧成形工程での成形圧力は3ton/cmとし、硬化処理工程での上下パンチによる加圧力は500kg/cmで、その時の加熱温度は150℃とした。
又、サンプルAと同じ磁性金属粉末と前記成形金型11を用いて、前記硬化処理工程を省略した条件で、サンプルBを5個製造して、夫々についてインダクタンス及び端子とコア間の絶縁抵抗を測定した。なお、この場合の加圧成形工程での成形圧力はサンプルAと同じ3ton/cmである。
更に、従来の製造方法に係る金型を用いるとともにサンプルAと同じ磁性金属粉末を用いて、サンプルCを5個製造して、夫々についてインダクタンス及び端子とコア間の絶縁抵抗を測定した。したがって、これらのサンプルCは、その側面を金型の内面に擦りながら、この金型から押し出されたものである。
以上の各サンプルA〜Cについての測定結果を表1に示す。
Figure 0004121507
この表1により、従来品のサンプルCの絶縁抵抗に比較して、型開き工程を得てコア2を成形金型11から取出したサンプルA,Bについては10倍以上の高い絶縁抵抗が認められ、絶縁性能を大きく向上できた。又、従来品のサンプルCのインダクタンスに対してサンプルBの方が高いインダクタンスを得られることが認められ、更に、このサンプルBよりもサンプルAの方が高いインダクタンスを得られることが認められた。
なお、本発明は、コイルと端子とが別々であって、これらが溶接などで接続されている構成のチョークコイルなどのインダクタにも適用できるとともに、コイルが平角銅線ではなく断面円形の導電性金属線である場合に、これを単層巻きではなく複層巻きとした構成のチョークコイルなどのインダクタにも適用できる。
(A)は本発明の一実施形態に係るチョークコイルに使用されるコイルを示す斜視図。(B)は図1(A)のコイルが封入されたコアを示す斜視図。(C)は図1(B)のコアをチョークコイルとして完成させた状態を示す斜視図。 図1(B)のチョークコイルの製造に用いられる成形金型を分解してコイルとともに示す斜視図。 図2の成形金型の下型にコイルがセットされた状態を示す斜視図。
符号の説明
1…チョークコイル(インダクタ)、2…コア、3…コイル、b1,b2…コイルの端末部、4a,3b…パーテングライン跡、11…成形金型、12…上パンチ、14…上型、14a,14b…上型部材、15…下型、15a,15b…下型部材、16,17…嵌合溝

Claims (2)

  1. 硬化性の絶縁材で強磁性金属粒子の表面がコーティングされた強磁性金属粉末の加圧成形体からなる四角柱状コア内にコイルを埋設したインダクタの製造方法であって、
    四角柱状の上パンチ、四角枠状に組合されると共に対角方向に接離される一対の上型部材を有して前記上パンチが挿入される上型、四角柱状の下パンチ、及び四角枠状に組合されると共に対角方向に接離される一対の下型部材を有して前記下パンチが挿入される下型を備え、かつ、一対の前記下型部材の夫々がそれらの上面に前記コイルの端末部の厚みに相当する深さの嵌合溝を有し、一方の下型部材が他方の下型部材より高く形成されていて、この高い方の下型部材の上面と高さが低い方の下型部材が有した前記嵌合溝の底面との高さ寸法差を前記コイルの高さ寸法と同じとするとともに、前記一対の上型部材の内で前記高さが低い方の下型部材上に重ね合わされる一方の上型部材を、前記高さが高い方の下型部材上に重ね合わされる他方の上型部材より高く形成した成形金型を用いるとともに、
    前記下パンチが挿入された前記下型内に前記強磁性金属粉末を充填する一次充填工程と、
    前記下型の嵌合溝に前記コイルの端末部を嵌合させて前記両下型部材にわたって前記コイルを載置するコイルセット工程と、
    前記下型上に前記上型を重ね合わせて前記コイルの端末部を前記上型と下型との間に挟む型締め工程と、
    前記コイルが埋まるように前記上型内に前記強磁性金属粉末を充填する二次充填工程と、
    前記上パンチと下パンチで前記強磁性金属粉末に成形圧力を加えて前記コアを圧縮成形する加圧成形工程と、
    圧縮成形された前記コアを前記上パンチと下パンチで前記絶縁材の硬化開始から硬化完了まで500kg/cm 以上の圧力を加えながら保持した状態で前記絶縁材を加熱硬化させる硬化処理工程と、
    前記一対の上型部材及び前記一対の下型部材を夫々対角方向に開くと共に前記上ポンチと下ポンチ間から前記コアを取出す型開き工程と、
    を具備したインダクタの製造方法。
  2. 請求項1の製造方法により製造されて、硬化性の絶縁材で強磁性金属粒子の表面がコーティングされた強磁性金属粉末の加圧成形体からなる四角柱状コア内にコイルを埋設してなるインダクタであって、前記コアの隣接した二つの側面に付されたパーテングライン跡と、前記コアの隣接した他の二つの側面に付されたパーテングライン跡とを、前記コアの高さ方向にずらして設けたインダクタ。
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