JP4120259B2 - 表示装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発発光型ディスプレイとして、発光層に有機物を用いた表示装置が提供されている。このような表示装置としては、現在のところスイッチング素子となるTFT(薄膜トランジスタ)を形成するTFT基板に透明基板が用いられ、発光層で発光された光がこの透明基板を透過することにより、外部に光を出射させるものが一般的である。
また、近年では折り畳み式の携帯電話などが普及しているが、このような折り畳み式携帯電話では、これを開いて使用する際、その内面側の表示部に表示された画像等を利用して通信等を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、折り畳み式の携帯電話においては、例えばEメールの受信や着信記録、さらにはニュースなどの種々の情報については、通話や送信等に関する操作を必要としないことから、折り畳んだ状態のままでこれらの受信内容や着信記録、情報を見たいとの要望がある。
しかしながら、折り畳んだ状態のままでこれらの情報等を表示させるためには、外面側にも表示部を設ける必要があるが、その場合に内面側と外面側の両方に表示部を設けなくてはならないことから、機器(携帯電話)の小型化や軽量化が損なわれるといった問題がある。
【0004】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小型化や軽量化を損なうことなく、しかも内面側(一方の面側)だけでなく外面側(他方の面側)に表示装置からなる表示部を備えた、表示装置及び電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の表示装置では、1画素内に赤、緑、青の三色の有機エレクトロルミネッセンス素子が形成されてなる表示装置において、
前記三色の有機エレクトロルミネッセンス素子のうち最も寿命が長い一色の有機エレクトロルミネッセンス素子において陽極及び陰極が透明性を有しており、残り二色の有機エレクトロルミネッセンス素子において、陽極あるいは陰極のどちらか一方が反射性の部材を有しており、一方の電極側からはフルカラー表示を、他方の電極側からは非フルカラー表示を行うことを特徴とする。
この表示装置によれば、一方の電極側からはフルカラー表示を、他方の電極側からは非フルカラー表示を行うので、一つの表示装置によって内面側(一方の面側)と外面側(他方の面側)の両方の表示部を兼ねることが可能になり、したがって表示装置の小型化や軽量化が損なわれるのを回避することができる。
【0006】
また、前記表示装置においては、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は機能性高分子材料が液滴吐出法により成膜されてなるのが好ましい。
このようにすれば、生産性が向上する。
【0007】
また、前記表示装置においては、陰極あるいは陽極のどちらか一方に反射性の部材を用いている有機エレクトルミネッセンス素子は機能性高分子材料を液滴吐出法により成膜、陽極及び陰極が透明性を有している有機エレクトルミネッセンス素子は機能性低分子材料を真空蒸着法にて形成するのが好ましい。
このようにすれば、機能性高分子材料と機能性低分子材料とを併せ持つことにより、それぞれの長所を活かすことができる。
【0008】
また、前記表示装置においては、陽極は三色全ての素子において透明で、陰極が反射性と透明性の二種類異なる材料を使用したものであるのが好ましい。
このようにすれば、陽極側からはフルカラー表示を、陰極側からは非フルカラー表示を行うことができる。
【0009】
また、前記表示装置においては、陰極は三色全ての素子において透明で、陰極が反射性あるいは反射性部材上に形成されているものと透明性のものとからなるのが好ましい。
このようにすれば、陰極側からはフルカラー表示を、陽極側からは非フルカラー表示を行うことができる。
【0010】
また、前記表示装置においては、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ駆動によるものであるのが好ましい。
このようにすれば、良好な駆動をなすことができる。
【0011】
本発明の電子機器では、前記の表示装置を搭載したことを特徴としている。
この電子機器にあっては、表示装置が一方の電極側からはフルカラー表示を、他方の電極側からは非フルカラー表示を行うので、一つの電子機器によって内面側(一方の面側)と外面側(他方の面側)の両方の表示部を兼ねることが可能になり、したがって電子機器の小型化や軽量化が損なわれるのを回避することができる。
【0012】
また、本発明の電子機器では、発光層を有し、一方の透明電極側からの表示をフルカラー表示とし、他方の電極側からの表示を非フルカラー表示とする表示部を備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、透明電極間に発光層を有した表示部が、一方の透明電極側からはフルカラー表示をなし、他方の電極側からは非フルカラー表示をなすように構成されているので、一つの表示装置によって内面側(一方の面側)と外面側(他方の面側)の両方の表示部を兼ねることが可能になり、したがって電子機器の小型化や軽量化が損なわれるのを回避することができる。
【0013】
また、この電子機器においては、折り畳み式であり、畳まれた際の内面を前記一方の電極側とし、外面を前記他方の電極側とするのが好ましい。
このようにすれば、例えば通話や送信等に関する操作を必要とするときには、内面側のフルカラー表示を見ることができ、このような操作を必要とせず、単に情報等を見たいときには、外面側の非フルカラー表示を見ることができる。
【0014】
このような折り畳み式の電子機器としては、携帯電話であるのが好ましい。
このようにすれば、折り畳んだ状態のままで、外面側の表示によりEメールの受信内容や着信記録、情報等を見ることができる。
【0015】
また、前記電子機器においては、発光層が有機エレクトロルミネッセンス材料であるのが好ましい。
このようにすれば、有機エレクトロルミネッセンス材料の発光には方向性がないので、これを挟む電極の一方の側にも他方の側にも光を発することができ、したがってこの発光層を有する表示装置によって内面側(一方の面側)と外面側(他方の面側)の両方の表示部を兼ねることが容易になる。
【0016】
このような発光層が有機エレクトロルミネッセンス材料である電子機器としては、前記他方の電極側からの表示がモノカラー表示であるのが好ましい。
このようにすれば、例えば他方の電極側からの表示を赤のモノカラーとすれば、赤の発光層は必要輝度が少なく、材料的にも安定性が高く寿命が長いので、他の緑や青に比べ強くまたは長く発光させることが可能である。したがって、このような特徴のある色のみを選択的に用いて他方の電極側からの表示を行えば、発光層全体の特性(例えば寿命)を損なうことなく良好に内面側および外面側の表示を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の電子機器を折り畳み式の携帯電話に適用した場合の一例を示す図であり、これらの図において符号500は携帯電話である。この携帯電話500は、図1(a)に示すように畳まれる際に内面501となる側に主表示部510を有し、図1(b)に示すように畳まれた際に外面502となる側に副表示部520を有して構成されたものである。本例においては、主表示部510はフルカラー表示をなすものとなっており、また副表示部520は非フルカラー表示、具体的には赤のモノカラー表示をなすようになっている。
【0018】
これら主表示部510と副表示部520とは、同一の表示部、すなわち同一のディスプレイによって形成されたものである。ここで、この表示部となるディスプレイは、本発明における表示装置の一例となるものである。このディスプレイは、透明電極間に有機EL材料(有機エレクトロルミネッセンス材料)からなる発光層を形成したもので、一方の透明電極側を前記主表示部510とし、他方の透明電極側を前記副表示部520としたものである。
【0019】
ディスプレイには、主表示部510の表示をなさせるための主駆動回路(図示せず)と、副表示部520の表示をなさせるための副駆動回路(図示せず)とが備えられており、これらは、携帯電話500に設けられた切り替えスイッチ(図示せず)によってその駆動動作が切り替えられるようになっている。すなわち、切り替えスイッチは、携帯電話500が折り畳まれているときには副駆動回路に駆動動作をなさせ、一方主駆動回路には駆動動作をなさないように制御部(図示せず)を通じて制御するようになっており、また携帯電話500が開かれたときには主駆動回路に駆動動作をなさせ、一方副駆動回路には駆動動作をなさないように制御部(図示せず)を通じて制御するようになっている。このような構成のもとに携帯電話500は、通常の使用形態ではない折り畳まれた状態では外面502側の副表示部520が表示をなすようになっており、また通話等を行うために開かれた状態では、内面502側の主表示部510が表示をなすようになっている。
【0020】
なお、主駆動回路は、フルカラー表示をなさせるべく、後述する三種類の画素、すなわち赤色発光層、緑色発光層、青色発光層を有したそれぞれの画素を構成する各有機EL素子を動作させるようになっており、一方副駆動回路は、モノカラー表示をなさせるべく、これら3種類の画素のうちの1種類(本例では赤色発光層を有する画素)を構成する有機EL素子のみを動作させるようになっている。
【0021】
前記切り替えスイッチとしては、特に限定されることなく種々の形態のものが採用可能である。例えば、折り畳まれる内側の面に突出した状態で切り替えスイッチを形成し、折り畳まれたときにはこれが他方の内面に押圧されてスイッチオンになり、開かれた状態ではこれが押圧から解除されてスイッチオフになるといった機構などが採用可能である。
【0022】
なお、本例では主駆動回路および副駆動回路を形成し、それぞれの回路で対応する側の表示部に表示をなさせるようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば駆動回路と、この駆動回路に入力される信号あるいはこの駆動回路から出力される信号を反転させる反転回路とを形成することにより、両方の表示部に表示をなさせるようにしてもよい。すなわち、駆動回路によって主表示部510での表示をなさせるようにし、また反転回路を通すことによって反転した表示画像を、副表示部520に表示させるようにするのである。このようにすれば、特に文字等の表示についても正確に行うことができる。
【0023】
ここで、このような駆動回路と反転回路とを形成する場合、駆動回路については、前記の主駆動回路と同様にフルカラー表示をなさせるべく、3種類の画素を構成する各有機EL素子を動作させるように形成し、一方反転回路については、モノカラー表示をなさせるべく、3種類の画素のうちの1種類(本例では赤色発光層を有する画素)を構成する有機EL素子のみを反転させて動作させ、他の色の画素を構成する有機EL素子については動作させないように形成する。
なお、このような反転回路を通すか通さないかといった切り替えについては、前述した切り替えスイッチを設けることにより、折り畳み動作によって自動的に行うことができるようにするのが好ましい。
【0024】
次に、前記ディスプレイについてその概略構成を説明する。
図2、図3は前記ディスプレイを、有機EL素子を形成したアクティブマトリクス型のディスプレイで構成した場合の一例を示すもので、これらの図において符号1はディスプレイである。
【0025】
このディスプレイ1は、前記の主駆動回路(あるいは副駆動回路)を示す回路図である図2に示すように、基板(図示せず)上に、複数の走査線131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域素)1Aが設けられて構成されたものである。
【0026】
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路3が設けられている。
一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路4が設けられている。また、画素領域1Aの各々には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給される第1の薄膜トランジスタ142と、この第1の薄膜トランジスタ142を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2の薄膜トランジスタ143と、この第2の薄膜トランジスタ143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と反射電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。
【0027】
このような構成のもとに、走査線131が駆動されて第1の薄膜トランジスタ142がオンになると、そのときの信号線132の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、第2の薄膜トランジスタ143の導通状態が決まる。そして、第2の薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流が流れ、さらに発光部140を通じて反射電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
ここで、各画素1Aの平面構造は、図3に示すように平面形状が長方形の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。なお、図3では対向電極や隔壁を取り除いた状態で示している。
【0028】
次に、このようなディスプレイ1の製造方法について、図4〜図6を用いて説明する。なお、図4〜図6では、説明を簡略化するべく、単一の画素1Aについてのみ図示する。
まず、基板を用意する。ここで、本発明のディスプレイ1は、後述する発光層による発光光を、基板(TFT基板)側およびその反対の側(対向電極側)の両方から取り出すよう構成されるものであり、したがってこれら基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。
【0029】
本例では、基板として図4(a)に示すようにガラス等からなる基板(TFT基板)121を用意する。そして、これに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
【0030】
次に、基板121の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜200を形成する。次いで、この半導体膜200に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜200をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cm2 とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0031】
次いで、図4(b)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)200をパターニングして島状の半導体膜210とし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜220を形成する。なお、半導体膜210は、図3に示した第2の薄膜トランジスタ143のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては第1の薄膜トランジスタ142のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図4〜図6に示す製造工程では二種類のトランジスタ142、143が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、第2の薄膜トランジスタ143についてのみ説明し、第1の薄膜トランジスタ142についてはその説明を省略する。
【0032】
次いで、図4(c)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143Aを形成する。
次いで、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、半導体膜210に、ゲート電極143Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域143a、143bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域143cとなる。
【0033】
次いで、図4(d)に示すように、層間絶縁膜230を形成した後、コンタクトホール232、234を形成し、これらコンタクトホール232、234内に中継電極236、238を埋め込む。
次いで、図4(e)に示すように、層間絶縁膜230上に、信号線132、共通給電線133及び走査線(図4に示さず)を形成する。ここで、中継電極238と各配線とは、同一工程で形成されていてもよい。
【0034】
そして、各配線の上面をも覆うように層間絶縁膜240を形成し、中継電極236に対応する位置にコンタクトホール(図示せず)を形成し、そのコンタクトホール内にも埋め込まれるように例えばITO(インジウム・スズ酸化物)からなる透明膜を形成し、さらにこの透明膜をパターニングして、信号線132、共通給電線133及び走査線(図示せず)に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域143aに電気的に接続する画素電極141を形成する。なお、この画素電極141は、陽極として機能するもので、かつ本発明において一方の透明電極となるものであり、この透明電極(画素電極141)側に透過する光が、図1(a)に示した主表示部510の表示をなすようになっている。
【0035】
ここで、画素電極141としてITOを用いているのは、これの上に形成される正孔注入層(又は正孔輸送層)に対して、ITOは十分に正孔を供給できるエネルギー準位にある材料となっているからである。また、信号線132及び共通給電線133、さらには走査線(図示せず)に挟まれた部分が、後述するように正孔注入層(又は正孔輸送層)や発光層の形成場所となっている。
【0036】
次いで、図5(a)に示すように、前記の形成場所を囲むように隔壁150を形成する。この隔壁150は仕切部材として機能するものであり、例えばポリイミド等の絶縁性有機材料で形成するのが好ましい。隔壁150の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。また、隔壁150は、液滴吐出ヘッド34から吐出される液体に対して撥液性を示すものが好ましい。隔壁150に撥液性を発現させるためには、例えば隔壁150の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4 、SF5 、CHF3 などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
そして、このような構成のもとに、正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁150との間には、十分な高さの段差111が形成されているのである。
【0037】
次いで、図5(b)に示すように、基板121の上面を上に向けた状態で、例えば液滴吐出装置によって正孔注入層の形成材料(機能性高分子材料)を液滴吐出ヘッド10より、前記隔壁150に囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。
ここで、液滴吐出ヘッド10は、図7(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部は液状材料で満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15から液状材料を噴射するためのノズル孔18が一列に配列された状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16に液状材料を供給するための孔19が形成されている。
【0038】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図7(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当する液状材料が、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部の液状材料の圧力が上昇し、ノズル孔18から基板に向けて液状材料の液滴22が吐出される。なお、液滴吐出ヘッド10の構造としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の、公知の方式のものを採用してもよい。
【0039】
前記正孔注入層の形成材料、すなわち本発明における機能性高分子材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物、例えばバイエル社の商品名;Baytron−P(登録商標)等が挙げられる。
このとき、液状の形成材料114Aは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁150が形成されているので、形成材料114Aは隔壁150を越えてその外側に広がることが防止されている。
【0040】
次いで、図5(c)に示すように加熱により液状の材料114Aの溶媒を蒸発させて、画素電極141上に、固形の正孔注入層140Aを形成する。
次いで、図6(a)に示すように、表示基板121の上面を上に向けた状態で、液滴吐出ヘッド34より液状材料として発光層の形成材料(機能性高分子材料)114Bを前記隔壁150内の正孔注入層140A上に選択的に塗布する。
【0041】
発光層の形成材料すなわち本発明における機能性高分子材料としては、例えば共役系高分子有機化合物の前駆体と、得られる発光層の発光特性を変化させるための蛍光色素とを含んでなるものが好適に用いられる。
共役系高分子有機化合物の前駆体は、蛍光色素等とともに液滴吐出ヘッド34から吐出されて薄膜に成形された後、例えば以下の式(I)に示すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機EL層となる発光層を生成し得るものをいい、例えば前駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等である。
【0042】
【化1】
Figure 0004120259
【0043】
このような共役系高分子有機化合物は固体で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。また、このような化合物の前駆体は、硬化した後には強固な共役系高分子膜を形成することから、加熱硬化前においては前駆体溶液を、液滴吐出ヘッドを用いた製膜法に適用可能な所望の粘度に調整することができ、簡便かつ短時間で最適条件の膜形成を行うことができる。
【0044】
このような前駆体としては、例えばPPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))またはその誘導体の前駆体が好ましい。PPVまたはその誘導体の前駆体は、水あるいは有機溶媒に可溶であり、また、ポリマー化が可能であるため光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。さらに、PPVは強い蛍光を持ち、また二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機EL素子を得ることができる。
【0045】
このようなPPVまたはPPV誘導体の前駆体として、例えば化学式(II)に示すような、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))前駆体、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))前駆体、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))前駆体、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)前駆体等が挙げられる。
【0046】
【化2】
Figure 0004120259
【0047】
PPVまたはPPV誘導体の前駆体は、前述したように水に可溶であり、製膜後の加熱により高分子化してPPV層を形成する。前記PPV前駆体に代表される前駆体の含有量は、組成物全体に対して0.01〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%がさらに好ましい。前駆体の添加量が少な過ぎると共役系高分子膜を形成するのに不十分であり、多過ぎると組成物の粘度が高くなり、液滴吐出ヘッドを用いた製膜法による精度の高いパターニングに適さない場合がある。
【0048】
さらに、発光層の形成材料としては、少なくとも1種の蛍光色素を含むのが好ましい。これにより、発光層の発光特性を変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材料として利用することができる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシトンのエネルギーをほとんど蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発光色を変えるための手段としても有効となる。
【0049】
なお、ここでいう電流量子効率とは、発光機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であって、下記式により定義される。
ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネルギー
そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させることができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能となる。
さらに蛍光色素をドーピングすることにより、EL素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
【0050】
蛍光色素としては、赤色の発色光を発光する発光層を形成する場合、赤色の発色光を有するローダミンまたはローダミン誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく、均一で安定した発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
【0051】
また、緑色の発色光を発光する発光層を形成する場合、緑色の発色光を有するキナクリドンおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0052】
さらに、青色の発色光を発光する発光層を形成する場合、青色の発色光を有するジスチリルビフェニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水・アルコール混合溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0053】
また、青色の発色光を有する他の蛍光色素としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、クマリン、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン337、クマリン343等が挙げられる。
【0054】
さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)またはTPB誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
以上の蛍光色素については、各色ともに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0055】
これらの蛍光色素については、前記共役系高分子有機化合物の前駆体固型分に対し、0.5〜10wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎると発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる効果が十分に得られないからである。
【0056】
また、前記前駆体および蛍光色素については、極性溶媒に溶解または分散させて液状材料とし、この液状材料を液滴吐出ヘッド34から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、前記前駆体、蛍光色素等を容易に溶解または均一に分散させることができるため、液滴吐出ヘッド34のノズル孔18での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。
【0057】
このような極性溶媒として具体的には、水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種以上適宜混合したものであってもよい。発光層には、この他に、各色に発光するように設計されたポリフルオレン系の材料を非極性の有機溶媒に溶かし、液状体化(インク化)して液滴吐出法(インクジェット法)にて形成してもよい。
【0058】
さらに、前記形成材料中に湿潤剤を添加しておくのが好ましい。これにより、形成材料が液滴吐出ヘッド34のノズル孔18で乾燥・凝固することを有効に防止することができる。かかる湿潤剤としては、例えばグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。この湿潤剤の添加量としては、形成材料の全体量に対し、5〜20wt%程度とするのが好ましい。
なお、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加してもよく、例えば、安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、pH調整剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤等を用いることができる。
【0059】
このような発光層の形成材料114Bを液滴吐出ヘッド34のノズル孔18から吐出すると、形成材料114Aは隔壁150内の正孔注入層140A上に塗布される。
ここで、形成材料114Aの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素1Aに吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素1Aは、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
【0060】
このようにして各色の発光層形成材料を吐出し塗布したら、発光層形成材料114B中の溶媒を蒸発させることにより、図6(b)に示すように正孔層注入層140A上に固形の発光層140Bを形成し、これにより正孔層注入層140Aと発光層140Bとからなる発光部140を得る。ここで、発光層形成材料114B中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層の形成材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。
なお、本例では積層体となる発光部140を、正孔注入層140Aと発光層140Bとから形成したが、さらに発光層140B上に電子輸送層を形成し、三層構造としてもよい。
【0061】
その後、図6(c)に示すように、基板121の表面全体に透明導電材料を蒸着法等によって成膜し、陰極として機能する対向電極154を前記導電部151と接した状態に形成する。透明導電材料としては、特に限定されることなく種々のものが採用可能であるが、例えばカルシウムが用いられる。なお、カルシウムを用いた場合、透明性を確保するうえで、これを厚さ数十nm程度の薄膜に形成するのが好ましい。また、このようにカルシウムを薄膜に形成した場合、さらにこれの上にアルミニウムや金等の材料で保護膜(図示せず)を形成するのが好ましい。保護膜として用いるアルミニウムや金等については、やはりその厚さを透明性が損なわれない程度に十分薄い厚さ、例えば数十nm程度とする必要がある。また、この保護膜については、単一の材料からでなく、複数の材料を積層することによる、複合膜としてもよい。
【0062】
このようにして得られる対向電極154は、本発明において他方の透明電極となるものであり、この透明電極(対向電極154)側に透過する光が、図1(b)に示した副表示部520の表示をなすようになっている。なお、このような対向電極154において、特に光を透過させない色に対応する箇所においては、前記の保護膜を比較的厚く形成したり、反射を目的として反射機能を有する金属膜を保護膜に用いたりしてもよい。
そして、さらにこの対向電極154上を、少なくとも要部が透明である公知の封止材料によって封止することにより、本発明における表示装置の一例となるディスプレイを得る。
【0063】
このようにして得られたディスプレイ1にあっては、赤色、緑色あるいは青色の発光層を備えてなる有機EL素子が各画素1Aを構成するものとなるので、主駆動回路(あるいは駆動回路)を動作させることにより、画素電極141側に出射する光によって主表示部510(図1(a)参照)でフルカラー表示を行うことができる。また、副駆動回路(あるいは反転回路)を動作させることにより、対向電極154側に出射する光によって副表示部520(図1(b)参照)でモノカラー表示を行うことできる。
【0064】
したがって、このようなディスプレイ1を備えた携帯電話500にあっては、この一つのディスプレイ1で内面側の主表示部510と外面側の副表示部520とを兼ねることができることから、携帯電話500の小型化や軽量化を図ることができる。
また、携帯電話500にあっては、例えば通話や送信等に関する操作を必要とするときには、内面側のフルカラー表示を見ることができ、このような操作を必要とせず、単に情報等を見たいときには、外面側の非フルカラー表示を見ることができる。したがって、画像の受信などより情報量を多くしたい場合には内面側のフルカラー表示とし、着信記録などの比較的少ない情報量でよい場合には外面側の非フルカラー表示とするといった使い分けを行うことができる。
【0065】
また、外面側の非フルカラー表示を赤のモノカラーとしているので、発光層全体の特性(例えば寿命)を損なうことなく良好に内面側および外面側の表示を行うことができる。すなわち、赤の発光層は緑や青に比べ必要輝度が少なく、また材料的にも安定性が高く寿命が長いので、緑や青に比べ強くまたは長く発光させることができるからである。
【0066】
なお、前記実施形態では、本発明の電子機器を折り畳み式の携帯電話に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、折り畳み式でない携帯電話にも適用可能である。また、携帯電話でなく、パソコンなどの携帯型情報処理装置、特に折り畳み式のノート型パソコンなどにも適用可能である。
【0067】
前記例では、外面側の非フルカラー表示を赤のモノカラーとする例について説明したが、非フルカラーであれば緑や青のモノカラーでもよく、さらには赤と緑との画素によるカラー系、緑と青との画素によるカラー系、青と赤との画素によるカラー系でもよい。
ここで、外面側に非フルカラー表示をなさせるにあたって、単一の色の画素、あるいは二つの色の画素を選択的に用いて外面側の非フルカラー表示を行う場合には、例えば外面側の電極(対向電極154)を各画素毎に対応させて別に形成し、特に表示をなさせる色の画素についてはこの電極を透明電極とし、それ以外の色の画素については非透明の電極とするようにしてもよい。これは、例えば各色の発光層の形成を、その材料(発光層形成材料)の物性や特性(例えば分子量や溶剤への溶解性など)に応じて前述の液滴吐出ヘッド10による塗布に代え、蒸着法を採用することも考えられるが、その場合に、この発光層の上に形成される対向電極(陰極)についても、画素毎に対応させて形成する必要が生じることがある場合の例である。このように、対向電極材料(陰極材料)として透明材料と非透明材料とを使い分け、前述したように透明電極と非透明電極とを作り分けることによっても、本発明の電子機器を製造することができる。
【0068】
なお、発光層形成材料として低分子材料を用いる場合、青色の発光層には、例えば[化3]に示すDPVBiを用いて真空蒸着法で形成する。また、赤色の発光をなす発光層には、例えば[化4]に示すDCM2 doped Alqを用い、真空蒸着法で形成する。また、緑色の発光をなす発光層には、例えば[化5]に示すQuinacridone doped Alqを用い、真空蒸着法で形成する。
【0069】
【化3】
Figure 0004120259
【0070】
【化4】
Figure 0004120259
【0071】
【化5】
Figure 0004120259
【0072】
また、このように発光層の形成材料として低分子材料を用いた場合などでは、電極(陽極、陰極)についても色毎にその材料を使い分けるのが好ましい。
例えば、陽極(画素電極)は三色全ての素子において透明で、陰極(対向電極)が反射性と透明性の二種類の異なる材料を使用する場合には、陰極として次のような材料が好適に用いられる。反射性の材料膜としては、CaとAl(CaとAlとの積層膜;Ca/Al)、MgAg、Al−Liなど、また、透明性の材料としては、CaとAu(CaとAuとの積層膜;Ca/Au)、CaとITO(CaとITOとの積層膜;Ca/ITO)、CaとIZO(CaとIZOとの積層膜;Ca/IZO)、MgAgとITO(MgAgとITOとの積層膜;MgAg/ITO)など。(陽極としては、前述したようにITO等が用いられる。)
【0073】
また、陰極(対向電極)は三色全ての素子において透明で、陽極(画素電極)が反射性あるいは反射性部材上に形成されているものと透明性のものとからなる場合には、陽極として次のような材料が好適に用いられる。反射性の材料としては、AlとITO(AlとITOとの積層膜;Al/ITO)、AgとITO(AgとITOとの積層膜;Ag/ITO)、TaとITO(TaとITOとの積層膜;Ta/ITO)など、また、透明性の材料としては、ITOやIZOなど。(陰極としては、前述したようにCa、またはこれに保護膜としてAlやAuを積層してなる積層膜等が用いられる。)
【0074】
また、陰極あるいは陽極のどちらか一方に反射性の部材を用いている有機エレクトルミネッセンス素子は機能性高分子材料を液滴吐出法により成膜、陽極及び陰極が透明性を有している有機エレクトルミネッセンス素子は機能性低分子材料を真空蒸着法にて形成するようにしたが、逆に、陰極あるいは陽極のどちらか一方に反射性の部材を用いている有機エレクトルミネッセンス素子は機能性材料(例えば機能性低分子材料)を真空蒸着法により成膜し、陽極及び陰極が透明性を有している有機エレクトルミネッセンス素子は機能性材料(例えば機能性高分子材料)を液滴吐出法にて形成するようにしてもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の表示装置及び電子機器は、一方の側がフルカラー表示を、他方の側が非フルカラー表示をなすように構成されたものであるから、一つの装置(機器)によって一方の面側と他方の面側の両方の表示部を兼ねることができ、したがって同地(機器)の小型化や軽量化が損なわれるのを回避することができるとともに、一方の面側だけでなく他方の面側にも表示部を備えたことにより高い機能性を発揮するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子機器を折り畳み式の携帯電話に適用した場合の一実施形態例を示す図であり、(a)は開いた状態を示す斜視図、(b)は折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図2】 本発明における表示装置となるディスプレイの配置部を示す回路図である。
【図3】 図2に示したディスプレイにおける画素部の平面構造を示す拡大平面図である。
【図4】 (a)〜(e)は図2、図3に示したディスプレイの製造方法を工程順に説明するための要部側断面図である。
【図5】 (a)〜(c)は図4に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図6】 (a)〜(c)は図5に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図7】 液滴吐出ヘッドの概略構成を説明するための図であり、(a)は要部斜視図、(b)は要部側断面図である。
【符号の説明】
1…ディスプレイ(表示装置)
1A…画素
140B…発光層
141…画素電極(透明電極)
154…対向電極(透明電極)
500…携帯電話(電子機器)
501…内面(一方の面)
502…外面(他方の面)
510…主表示部
520…副表示部

Claims (10)

  1. 1画素内に赤、緑、青の三色の有機エレクトロルミネッセンス素子が形成されてなる表示装置において、
    前記三色の有機エレクトロルミネッセンス素子のうち最も寿命が長い一色の有機エレクトロルミネッセンス素子において陽極及び陰極が透明性を有しており、残り二色の有機エレクトロルミネッセンス素子において、陽極あるいは陰極のどちらか一方が反射性の部材を有しており、
    一方の電極側からはフルカラー表示を、他方の電極側からは非フルカラー表示を行うことを特徴とする表示装置。
  2. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子のうちの少なくとも一色は機能性高分子材料が液滴吐出法により成膜されてなる請求項1記載の表示装置。
  3. 陰極あるいは陽極のどちらか一方に反射性の部材を用いている有機エレクトロルミネッセンス素子は機能性高分子材料を液滴吐出法により成膜、陽極及び陰極が透明性を有している有機エレクトロルミネッセンス素子は機能性低分子材料を真空蒸着法にて形成する請求項1又は2記載の表示装置。
  4. 三色の有機エレクトロルミネッセンス素子において陽極は全て透明で、陰極が反射性と透明性の二種類の異なる材料を使用したものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
  5. 三色の有機エレクトロルミネッセンス素子において陰極は全て透明で、陽極が反射性あるいは反射性部材上に形成されているものと透明性のものとからなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
  6. ポリシリコン薄膜トランジスタ駆動によるものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示装置を搭載した電子機器。
  8. 折り畳み式であり、畳まれた際の内面を前記一方の電極側とし、外面を前記他方の電極側とする請求項記載の電子機器。
  9. 携帯電話である請求項記載の電子機器。
  10. 前記他方の電極側からの表示はモノカラー表示である請求項7〜9のいずれか一項に記載の電子機器。
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