JP4119852B2 - 冷却用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却用組成物並びにこれをシート状基材に積層してなる冷却剤に関し、さらに詳しくは、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品等の貼付剤、パップ剤、パック剤等の発熱時や炎症時の患部の冷却材、電気治療器の導電性パッド、飲料などの冷却材、洗浄材等、の日用品に好適に使用可能な冷却用組成物並びに冷却剤に関するものである。
近年、発熱時や炎症時に患部を冷却する冷却剤として、安全性及び取り扱いの容易さの面から、不織布等のシート状基材上に冷却用組成物を塗布した冷却剤が使用されている。
上記冷却用組成物としては、特許文献1に記載されているように、ゲル化剤及び水を含有した水性ゲルが多用されている。このような冷却用組成物は、ゲル中に多量の水を含んでおり、これを被着体に貼着すると、組成物中の水分が蒸発する際に被着体から蒸発潜熱の形で熱を奪い、被着体を冷却することが可能となる。
上記冷却用組成物あるいは冷却剤を人体に適用する場合について考えると、冷却用組成物の冷却効果は、その目的からすれば、冷却剤を貼着した人体部分を一定温度以下に維持することができる時間(有効冷却時間)で表わすことができ、この有効冷却時間が長いほど、冷却効果に優れているということができる。したがって、ゲル状組成物中の水分含有量が多いほど冷却効果に優れた冷却剤を得ることができる。
特開10−258078号公報
しかしながら、上記冷却剤において、ゲル化剤としてポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩などのポリアクリル酸類を使用する場合、ゲル化剤のほかに配合される粘着剤及び分散媒等を合わせると、実質的に使用可能なゲル状組成物としての含水率の上限は80〜85重量%であり、これ以上含水率を高くすると、ゲルの自己保形性及び粘着性を保持するのが困難となっていた。
そこで、本発明は、より冷却効果に優れた冷却用組成物及び冷却剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、アルキレングリコール及びジプロピレングリコール等の特定のグリコールについて、冷却用組成物の有効冷却時間を増加させる効果があることを見いだした。上記グリコールを含む多価アルコールは、従来からポリアクリル酸類などのゲル化剤の分散媒として使用されているが、このように有効冷却時間を増加させる効果についてはまったく知られていない。
さらに、発明者が検討を重ねたところ、アルキレングリコールとジプロピレングリコールとを併用すると、それぞれを単独で使用するよりもさらに有効冷却時間を大幅に増加させることが可能であることを見いだして本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明では、ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有する冷却用組成物であって、アルキレングリコールと、ジプロピレングリコールとを含有する。
前述のごとく、アルキレングリコール及びジプロピレングリコールはそれぞれ単独で用いても有効冷却時間を増加させることは可能であるが、アルキレングリコールと、ジプロピレングリコールとを配合することによって有効冷却時間を相乗的に増加させることができる。
ここで、アルキレングリコールとしては、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール等を挙げることができる。これらのアルキレングリコールは、単独で使用してもよいし、複数用いることも可能である。
冷却用組成物中に1,3-ブチレングリコール及び/又は1,2-ペンタンジオールと、ジプロピレングリコールとを配合する場合、これらグリコールを所定量以上含有させることにより、十分な防腐力を発揮させることが可能となる。
具体的には、1,3-ブチレングリコール及び/又は1,2-ペンタンジオールと、ジプロピレングリコールとの合計含有量が組成物全体に対して4〜20重量%であるか、ジプロピレングリコールの含有量が組成物全体に対して2〜18重量%であればよい。
これにより、上記1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール及びジプロピレングリコール以外の、パラオキシ安息香酸エステル類(例えばパラオキシ安息香酸メチル等)に代表される肌刺激性が問題となる防腐剤や抗菌剤を使用する必要がなく、肌に対する刺激性が少ない冷却用組成物を得ることができる。この場合、リモネン、カンフル、ハッカ油又はl−メントールなどの清涼化剤も配合しないようにすれば、より刺激性の少ない冷却用組成物を得ることが可能となる。
グリコールの含有量が上記範囲よりも少なくなると、十分な防腐力が得られにくくなり、一方上記範囲よりも多くなると、防腐力はそれ以上高くならず、逆に組成物中の含水率が低くなるため、冷却効果に影響を与えるおそれが生じる。
本発明に係る冷却用組成物は、さらに、アルキレングリコールとして1,3-ブチレングリコールを含有し、ノニオン型吸水性高分子として変性ポリアルキレンオキサイドを配合したことを特徴とする。変性ポリアルキレンオキサイドは、優れた吸水性を有しており、これによって有効冷却時間をより長くすることができ、1,3-ブチレングリコールによる有効冷却時間の増強効果と相俟って、より冷却効果に優れた冷却用組成物を得ることができる。具体的に、変性ポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、アクアコーク(住友精化製)などを使用することができる。
本発明に係る冷却用組成物は、その優れた接着性を利用して冷却対象物にそのまま貼付してもよく、それ自体でシート状冷却剤として成形調製できるが、取扱い性や使用性を考慮すれば、上記冷却用組成物をシート状基材に積層した形態とするのが好ましい。
本発明では、ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有する冷却用組成物において、アルキレングリコールとしての1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールと、グリセンリンと、変性ポリアルキレンオキサイドとを配合したため、冷却効果を著しく向上させることが可能となる。さらに、1,3-ブチレングリコールとジプロピレングリコールとを所定量配合することにより、十分な防腐力が発揮されるため、その他の防腐剤を添加する必要がなく、刺激性の少ない冷却用組成物を得ることができる。
本発明に係る冷却用組成物は、ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有するものであって、アルキレングリコールとしての1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールと、グリセンリンと、変性ポリアルキレンオキサイドとを含有することを特徴とする。
ここでポリアクリル酸類としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩およびポリアクリル酸部分中和物(アクリル酸とアクリル酸塩との共重合体)、並びにポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸の塩及びメタアクリル酸部分中和物(メタアクリル酸とメタアクリル酸塩との共重合体)を挙げることができる。
ポリアクリル酸類としては、直鎖状又は分枝状の別を問わず、またその分子量も特に制限されないが、通常分子量1万〜1000万のものが用いられる。ゲル強度を高めてより多くの水分を安定的に保持させるという観点からは、特に100万〜700万の分子量のものが望ましい。
また、ポリアクリル酸として、通常の(メタ)アクリル酸を重合して得られる重合体のほか、カルボキシビニルポリマー(カーボポール(登録商標))等の(メタ)アクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用することができる。
ポリ(メタ)アクリル酸の塩としては、特に制限はないが、好適にはポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムやポリ(メタ)アクリル酸カリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸の一価金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸モノエタノールアミン、ポリ(メタ)アクリル酸ジエタノールアミン、ポリ(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン、ポリ(メタ)アクリル酸メチルジエタノールアミン等のポリ(メタ)アクリル酸のアルカノールアミン塩;ポリ(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩等が例示される。好ましくはポリ(メタ)アクリル酸の一価金属塩である。
これらのポリアクリル酸類は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明の冷却用組成物全体に対するポリアクリル酸類の配合割合は、通常1〜59.5重量%、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
また、本発明で多価金属類とは、多価金属、その塩及び多価金属化合物を含む意味である。これらの多価金属類としては、二価以上であって上記ポリアクリル酸類を架橋するものであれば特に制限されず、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
多価金属類として、好適にはマグネシウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケルなどの多価金属、それらの塩又はそれらの化合物が例示される。皮膚に対する安全性、生産性、ゲル特性の観点から、より好ましくはアルミニウム、マグネシウム、カルシウム又はそれらの化合物であり、特にアルミニウム化合物が好ましい。
ここでアルミニウム化合物には、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムマグネシウムのような水酸化物;あるいは塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、カオリン、ステアリン酸アルミニウムのような無機または有機酸の正塩もしくはそれらの塩基性塩;アルミニウムみょうばんのような複塩;それにアルミン酸ナトリウムのようなアルミン酸塩、無機性アルミニウム錯塩及び有機性アルミニウムキレート化合物のほかに、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、EDTA−アルミニウム、アルミニウムアラントイネート、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシナールなどが包含される。なお、これらのアルミニウム化合物は1種単独で使用されても、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
本発明に係る冷却用組成物は、1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールとを含有する。1,3-ブチレングリコールとジプロピレングリコールの合計含有量は、冷却効果を考慮すると、組成物全体に対して2〜20重量%が好ましく、4〜15重量%がより好ましい。上記グリコールの合計含有量が上記範囲よりも少ないと冷却効果が得られにくくなり、多すぎると組成物中の含水量が減少して冷却効果に影響を与えると予想される。
本発明の冷却用組成物は、さらに高分子物質を含有していてもよい。当該高分子物質の配合は、非ニュートン流体を示す本発明の組成物の加工性を良好にし、ゲルの安定化を向上させ、また粘度の調整を簡便にする点で有用である。
かかる高分子物質には、セルロースまたはその誘導体、デンプンまたはその誘導体並びにビニル系の高分子化合物が包含される。具体的に、セルロースの誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースフタレートメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースまたはそれらのアルカリ金属塩等を;デンプンの誘導体としてはカルボキシメチルデンプンやヒドロキシプロピルデンプンを;またビニル系の高分子化合物としては、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、カルボキシルビニルポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルアルキルアミノアクリル酸共重合体、、スチレンマレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合体をそれぞれ挙げることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることもできる。好ましくはセルロースまたはその誘導体であり、中でも好適にはカルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金属塩を挙げることができる。
これらの高分子物質の配合量は、組成物100重量部当たり0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%の範囲から適宜選択して用いられる。
さらに本発明の冷却用組成物には、その物性に影響を及ぼさない範囲で、上記各成分に加えて必要に応じて、更に防腐剤、保存剤、安定剤、香料、着色料、pH調整剤、リモネン、カンフル、ハッカ油又はl−メントールなどの清涼化剤、保湿剤、刺激剤、除菌剤、抗菌剤、粘着付与剤、保型剤、増粘剤等を配合することができる。
本発明の冷却用組成物は、保形性及び冷却作用の観点から、通常酸性〜弱酸性を有することが好ましい。好ましくはpH4〜6.5、より好ましくはpH4.5〜6のpHを有することが望ましい。pH調整剤としては、酒石酸、クエン酸などの有機酸、並びに塩酸、りん酸などの無機酸を例示することができる。
本発明の冷却用組成物は、組成物の各成分を混合して水に溶解することによって製造される。例えば、具体的には、ポリアクリル酸類及び多価金属類、さらに変性ポリアルキレンオキサイドを含有する組成物を分散または溶解させ、その組成物を水に徐々に添加し練合してゲル状に調製する方法を例示することができる。また、製造工程に、脱気処理工程が含まれても良い。脱気処理方法は特に制限されないが、溶媒系の分散密度を上げないという点から、好ましくはメッシュ濾過脱気又は真空脱気等の物理的処理による脱気であり、中でも効率の良さから真空脱気が好ましい。
上記冷却用組成物は、シート状基材に積層した冷却剤として用いることができる。ここでシート状基材としては、上記の冷却用組成物を担持できるものであって、該冷却用組成物の放湿性(水分蒸発性)を妨げないように適度な透湿性を有するものであれば特に制限はなく、種々の織布、不織布及びフィルム等を使用することができる。
基材として織布もしくは不織布を使用する場合、その素材は特に制限されないが、具体的には綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維、ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル等の合成繊維、綿、麻、毛等の天然繊維等が挙げられる。基材としてフィルムを使用する場合も、その素材は特に制限されないが、具体的にはスチロール、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等が挙げられる。
本発明の冷却剤は、発熱時に額に適用されるだけでなく目元、アゴ、脚部、足部等の火照りの冷却、打撲や捻挫の際の応急的な冷却剤、筋肉痛時の鎮痛・鎮静補助剤として、またスポーツ後のクールダウンのために使用することができ、また手間がかからず直ちに冷却できる点、並びに長時間にわたって冷却効果が持続する点で有用である。また、本発明の冷却貼付剤は、経皮吸収用製剤(貼付剤、パップ剤)等の医薬品;鮮度保持剤や保冷剤等の冷却効果を期待して使用される日用品(飲料や食品用、化粧品用、医療用)、冷却効果を期待して使用されるパック剤などの化粧品などとしても使用することができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[冷却用組成物及び冷却剤の調製]
表1に示される処方に従って、8種類の冷却用組成物を調製した。具体的には、本発明に係る冷却用組成物として実施例1を調製し、その他、参考例1〜3と、比較材として4種類の組成物(比較例1〜4)を調製した。
Figure 0004119852
冷却用組成物を調製するにあたって1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジプロピレングリコール及びグリセリンは分散媒として用いた。具体的には、これらを混合した混合液あるいはグリセリン単体の液(比較例1)にポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸ナトリウム、変性ポリアルキレンオキサイド、高分子物質及び乾燥水酸化アルミニウムゲルの各成分を分散混合し、これを精製水中に徐々に添加して混練した。
次いで、pH調整剤としてL-酒石酸を添加して冷却用組成物を得た。このようにして得られた各冷却用組成物をポリプロピレン製の剥離紙(5cm×11cm)の上に約4mmの厚さに塗布し、その上に不織布を圧着して冷却剤を調製した。
[有効冷却時間の評価]
実施例1、参考例1〜3及び比較例1〜4の8種類の冷却剤について冷却効果を評価した。具体的には、温度25℃、湿度50〜60%の環境下で0.7Wの電流が常時流れるように設定したホットプレート上に各冷却剤を貼り、経時的に貼付剤直下のホットプレート上の温度を測定した。ホットプレート上の温度は、冷却剤中の水分が蒸発して少なくなるにつれて次第に温度が上昇するようになる。そして、貼付剤の冷却力が完全になくなって温度が上昇しなくなった時点で測定を終了し、その時点の温度を終点温度とした。
下記式(1)から、各測定時点での冷却温度を求めた。これから得られたグラフを図1及び2に示す。また、冷却温度が−3℃以下に保持されている時間を、実効ある冷却効果を発揮している有効冷却時間(hr)としてグラフから求めた。その結果を表1に記す。
冷却温度(℃)=(各測定時点における温度−終点温度)+4・・・(1)
なお、上記式において最後に4を加算しているのは、ホットプレートの金属板はヒトの皮膚とは比熱が異なり冷却温度がより下降する傾向があるため、実際のヒトの皮膚に適用する場合に適合させるためである。
[防腐力の評価]
次に、表2に示す処方に従って9種類の冷却用組成物(処方No.1〜9)を調製し、防腐力を評価した。
防腐力の試験に用いた菌は、Candida albicans(カンジダ)、Aspergillus niger(黒コウジカビ)、Escherichia coli(大腸菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)の5種類である。
具体的な試験方法について説明すると、先ず、保存菌株より、菌を平板培地に植菌して培養し、得られた菌を生理食塩水に分散させ、濁度より約108個の菌液に調整した。菌液の正確な濃度は、希釈菌液を平板培養し、コロニー数より求めた。
次に、実施例1、参考例1〜3及び比較例1〜4の試料を調製したときと同様の操作により処方No.1〜9の冷却用組成物を調製し、最終的に冷却剤を作製した。得られた冷却剤を各々5cm×5cmに裁断して試験検体とし、各試験検体に菌液をそれぞれ0.1ml植菌し、カンジダ及び黒コウジカビについては25℃、大腸菌、緑膿菌及び黄色ブドウ球菌については37℃で培養した。
植菌から28日後に、試験検体の菌を30mlの生理食塩水で洗い出し、そのうち0.2ml(必要があれば希釈)を平板培養し、コロニー数を測定して式(2)より菌数減少値を求めた。
(菌数減少値)=(接種直後の菌数の対数値)−(28日後の菌数の対数値)・・・(2)
防腐力の判断基準としては、カンジダ及び黒コウジカビの2菌種については式(2)の値が0以上であれば防腐力ありと判断し、大腸菌、緑膿菌及び黄色ブドウ球菌の3菌種については式(2)の値が3以上であれば防腐力ありと判断した。
試験の結果、カンジダ、黒コウジカビ、大腸菌及び黄色ブドウ球菌の4種類の菌においては、処方1〜9のいずれの試料においても十分な防腐力があることが明らかになった。緑膿菌については各試料によって防腐力に差が認められたため、総合的な防腐力は緑膿菌の結果をもって判断することにした。緑膿菌についての防腐力試験の結果を表2に示す。
Figure 0004119852
[評価結果]
表1より、分散媒としてグリセリンのみを用いた比較例1の有効冷却時間は6.2時間であった。そこで、この値を基準として、グリコールを配合した他の試料(実施例1、参考例1〜3及び比較例2〜4)の有効冷却時間から6.2時間を減じ、これを各試料における有効冷却時間の増加幅(以下、増加幅という)とした。その結果を表1に示す。
表1によると、1,3-ブチレングリコール及び/又は1,2-ペンタンジオールと、ジプロピレングリコールとを併用した参考例1〜3では、有効冷却時間が8.3時間、8.4時間及び8.2時間と、比較例1に比べて大幅に増加しているのが判る。
さらに、参考例1の配合に、変性ポリアルキレンオキサイドを添加した実施例1においては、有効冷却時間が9.6時間と、比較例1に比べて著しく増加している。
一方、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール又はジプロピレングリコールをそれぞれ単独で使用した比較例2〜4についても各々有効冷却時間は増加しているが、いずれも増加幅は実施例及び各参考例に比べて小さくなっている。
さらに詳述すれば、1,3-ブチレングリコール又は1,2-ペンタンジオールを配合することによる増加幅は、1.1時間、1.2時間(比較例2、3)とほぼ同程度であるのに対して、ジプロピレングリコールを配合した比較例4では有効冷却時間が6.4時間と、比較例1よりもわずかに微増しているにとどまっている。
上記比較例2〜4から得られた結果を基に、参考例1、2で使用されるアルキレングリコールとジプロピレングリコールの増加幅を単純に足しても、各参考例における実際の増加幅には達しない。
具体的に、参考例1において使用される1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールの増加幅は夫々1.1時間と0.2時間であり、これらを単純に足せば1.3時間になる。ところが実際の参考例1の増加幅は、2.1時間であり、明らかに2種類のグリコールを併用することによる相乗効果が存在することが判る。
以上説明したように、アルキレングリコールとジプロピレングリコールを併用することにより、冷却効果が向上するという本発明の冷却用組成物の効果は、従来の常識からは予期できない驚くべき効果であるといえる。
次に、冷却用組成物の防腐力について見ると、表2より1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールの合計含有量が組成物全体の4%以上であるか、ジプロピレングリコールの含有量が組成物全体の2%以上であれば十分な防腐力を発揮することが判る。なお、処方No.4〜9において、1,3-ブチレングリコールの代わりに1,2-ペンタンジオールを用いた場合でも、1,3-ブチレングリコールを用いたときとほぼ同じ結果が得られた。
このように、1,3-ブチレングリコール及び/又は1,2-ペンタンジオールと、ジプロピレングリコールを所定量以上配合することによって肌刺激性が問題となる防腐剤や抗菌剤を使用する必要がなく、肌に対する刺激性が少ない冷却用組成物を得ることができる。
実施例1、参考例1〜3と比較例1の冷却剤の冷却効果を示すグラフ 比較例1〜4の冷却剤の冷却効果を示すグラフ

Claims (4)

  1. ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有する冷却用組成物であって、1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールと、グリセンリンと、変性ポリアルキレンオキサイドとを含有することを特徴とする冷却用組成物。
  2. ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有する冷却用組成物であって、1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールと、グリセンリンと、変性ポリアルキレンオキサイドとを含有し、前記グリコールの合計含有量が4〜20重量%であることを特徴とする冷却用組成物。
  3. ポリアクリル酸類、多価金属類及び水を含有する冷却用組成物であって、1,3-ブチレングリコールと、ジプロピレングリコールと、グリセンリンと、変性ポリアルキレンオキサイドとを含有し、ジプロピレングリコールの含有量が2〜18重量%であることを特徴とする冷却用組成物。
  4. シート状基材の上に請求項1〜のいずれかに記載の冷却用組成物が積層されてなる冷却剤。
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