JP4119823B2 - ガス中の微量成分計測装置及び方法 - Google Patents

ガス中の微量成分計測装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明はガス中の微量元素成分濃度を計測するガス中の微量成分計測装置及び方法に関する。
従来より、例えばセメント・ソーダ・鉄鋼等の各種設備や、各種焼却設備等からの排ガス中の水銀を計測する方法として、JISには、K0222として規格された測定方法がある。このJISK0222の測定では、排ガス中のガス状水銀を分析するものであり、測定排ガスを還元気化させて原子吸光分析法により連続的に定量している。定量範囲としては水銀濃度として1μg/m3〜5g/m3程度である。
前述したJISK0222の測定方法では、排ガスを還元気化させる還元気化装置により、排ガス中の酸化水銀(HgCl2等)を金属水銀に還元する必要がある。
また、JISK0222の測定方法のほかに、例えば不溶性の金属水銀と水溶性の酸化水銀とを吸収溶液を用いて分離して計測する方法の提案がある(特許文献1)。
特開2002−82110号公報
前述したような水銀測定方法では、共に酸化水銀を測定するには還元気化装置により、酸化水銀を金属水銀に還元処理する必要があり、金属水銀と酸化水銀とを別々に測定することは困難である、という問題がある。
また、還元気化部で用いる還元剤を定期的に調合することが必要である、という問題がある。
また、図14に示すように、例えば工場1から排出される排ガス2中の重金物濃度は微量であるので、採取したガスを濃縮する吸引ポンプ3を備えた濃縮装置4を設置し、その濃縮物5を化学分析装置6でその濃度を計測するようにしているので、連続しての分析ができないという、問題がある。また、分析は上述した化学分析方法によるので、手間がかかり分析費用が高価になるという問題がある。
近年環境問題の高まりから、水銀(Hg)、硫黄(S)、セレン(Se)等の重金属の排出を規制する動向があり、特にセメント・ソーダ・鉄鋼等の各種設備や、各種焼却設備において、排ガス中の微量成分の分析装置の設置を義務付けることが求められており、簡易且つ迅速な微量成分の計測装置の出現が望まれている。
本発明は、前記問題に鑑み、簡易且つ迅速なガス中の微量成分の計測装置及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガス中の微量成分元素を計測するガス中の微量成分装置であって、減圧装置により減圧されてなる減圧セル内で、前記排ガス中の微量成分をプラズマ化させるプラズマ化装置と、該プラズマ化装置により発生したプラズマの周辺部を計測する光検出装置とを具備してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記減圧セル内に、排ガスを超音速によって導入する試料導入装置を具備することを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第3の発明は、第1の発明において、前記減圧セル内の圧力が0.5〜10kPaの範囲であることを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記減圧セル内に排ガスを導入するガス導入管に、ガス中の粉体成分をプラズマ化するプラズマ化装置を介装してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第5の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記排ガスを減圧セル内に導入するガス導入管を分岐して第1のガス導入管と第2のガス導入管とすると共に、これらが各々独立して前記減圧セルに接続されてなり、前記第1のガス導入管に、ガス中の粉体成分をプラズマ化するプラズマ化装置を介装してなると共に、前記第2のガス導入管にフィルタを介装してなり、第1のガス導入管と第2のガス導入管からの減圧セル内へのガスの導入を切替えてなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、前記光検出装置がビームスプリッタを介して複数設けられ、該ビームスプリッタにより分岐された複数のプラズマ光のそれぞれを、測定対象元素に対応するフィルタを介して光検出装置により計測してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置にある。
第7の発明は、排ガス中の微量成分元素を計測するガス中の微量成分方法であって、前記排ガスを減圧セル内に導入してプラズマ化させ、膨張により非平衡状態でプラズマの温度を下げつつプラズマの周辺領域を計測することを特徴とするガス中の微量成分計測方法にある。
の発明は、第7の発明において、超音速により排ガスを減圧セル内に導入し、断熱膨張領域に存在するプラズマを計測することを特徴とするガス中の微量成分計測方法にある。
発明は、第7又は8の発明において、前記減圧セル内の圧力が0.5〜10kPaの範囲であることを特徴とするガス中の微量成分計測方法にある。
本発明によれば、プラズマの周辺を計測するので、プラズマ発生によるノイズの影響を受けることが無くなり、測定対象の微量元素を高感度で分析することができる。特に、排ガスを超音速で減圧セル内に導入することで、検出感度が向上する。また、排ガスを導入するガス導入管を分岐させ、一方のガス管内において、ガス中の粉体成分をプラズマ化させて計測し、他方のガス管では粉体成分をフィルタで除去し、気体成分をプラズマ化させるようにすることで、排ガス中の気体成分のみならず、粉体成分中の微量元素の計測が可能となる。さらに、測定元素に対応するフィルタを用いて、計測することで、複数の成分を同時に計測することが可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。
図1に示すように、微量成分計測装置は、減圧装置の一例である真空ポンプ11を備えた減圧セル12と、該減圧セル12内に排ガス13を導入する試料導入管14と、前記減圧セル12内に供給された排ガス13中の微量成分をプラズマ化するプラズマ化装置15と、一定のディレイ時間を経た後に、上記プラズマ化により発生したプラズマ光16の周辺領域を検出する光検出装置17とを具備するものである。
本実施例では、前記減圧セル12内は真空ポンプ11により、所定の減圧条件(10kPa以下)となるように減圧している。
また、本実施例では、分光器21とICCDカメラ(イメージ・インテンシファイアとCCD素子をファイバー・カップリングしたカメラ)22とから光検出装置17を構成している。なお、図1中、符号18はレーザ光を吸収するビームダンパである。
本実施の形態においては、上記プラズマ化装置15として、レーザ照射装置23を用いており、該レーザ照射装置23から発振されたレーザ光24は集光レンズ25により集光されて減圧セル12に設けられた計測窓26を介して測定場27に集光される。このため、測定場27に存在する微粒子がプラズマ化し、プラズマ化した成分物質からはプラズマ光16が発生する。そして、このプラズマ光16の周辺領域の計測部28にて検出光Lを計測する。このプラズマ光16の周辺領域の計測部28で計測することとしたので、プラズマ中心部と周辺部とのプラズマ温度と膨張率との関係により、ノイズの少ない計測を行うことができる。
ここで、発生したプラズマの中心部とその周辺部との現象の相違について以下に詳述する。
例えば計測対象物を水銀とした場合について説明する。前記レーザ照射装置23からレーザ光24を計測場27内に存在する水銀に照射してプラズマ発光を行うと、プラズマ中心部は例えば10,000℃となる。この場合、プラズマ温度が高くなるとプラズマの膨張率が高くなる。この際、プラズマ周囲が急膨張(又は超音速膨張)される結果、周囲の温度が急冷却し、周辺部分は1000℃となる。なお、図1中、測定場27の拡大図のプラズマ16においては、プラズマ温度の高低を濃淡で示す。
この場合において、プラズマ中心部はプラズマ発光によりノイズは多いものの、プラズマ周辺部分は温度が低いのでノイズが少なくなる。
一方、水銀は減圧下において、水銀の発光子だけは非平衡状態が保持され、プラズマの中心部とプラズマの周辺部の発光子の存在割合は同じとなる。
この結果、プラズマ16の周辺部分の計測部28にて計測することで、ノイズが少ない水銀の濃度を測定することができる。
図9に超音速膨張の有無による計測結果を示す。超音速膨張がない場合には、ノイズがあるが、超音速膨張がある場合には、ノイズが低減したピークを求めることができる。
これにより、ppm程度からppbレベルの高感度な微量成分の計測が可能となる。
なお、通常のレーザ誘起ブレークダウン法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)では、プラズマの中心部を計測するようにしているが、本発明では中心部を避けてプラズマの周辺領域を計測することで、ノイズの少ない計測を実現するようにしている。
ここで、プラズマ中心部からの距離と発光強度との関係を図12に示すと共に、図13にプラズマ中心部からの距離とS/N比との関係を示す。
図12、13に示すように、プラズマ生成中心部からの距離をパラメータとすると、プラズマ中心部が最大の信号強度となるが、距離が中心部から離れるにつれ、ノイズ強度は信号強度に比べ急激に低下する。そのため,信号強度とノイズの比であるS/N比は距離が大きいほど、大きな値をとる。精度の良い計測には,検出可能な信号強度範囲内で、S/N比が最大の条件が必要となり、例えば圧力4kPaの条件の場合においては,プラズマ生成中心部からの距離が7〜13mm、好適には、10mm前後が最も良い計測結果を得ることができた。
この計測部28にて得られたプラズマ検出光Lは、測定場27の計測窓(図示せず)から外部に出力され、レンズ31で集光されて分光器21に入射される。ここで、分光器21は、波長が175乃至850nm(或いはこの範囲内の一部の波長域)のプラズマ光を分光し、分光した光成分をICCDカメラ22に入力する。
高速ゲートが可能なICCDカメラ22は、分光器21にて分光された分光プラズマ光を検出し、この分光プラズマ光に応じた信号をコンピュータ等の演算装置に転送する。
なお、レーザ照射装置23として、パルスレーザを用いる場合には、前記ICCDカメラ22は、同期ラインを介してレーザ照射装置23と接続されており、ICCDカメラ22のゲート制御と、レーザ照射装置23の発振とを同期させている。
コンピュータは、転送されてきた信号(各成分からの発光強度情報を有している)を情報処理演算することにより、測定場27に存在する微量成分の濃度等をリアルタイムで算出する。
ここで、本発明では、プラズマの周辺領域を計測部とする以外に、前記減圧セル12内を減圧させるにより感度を向上させるようにしている。その理由を詳述する。
一般にレーザ誘起ブレークダウン(LIBS)法では、S/N比が計測感度を決定する。S(信号光)は計測対象元素からの原子発行強度、N(ノイズ光)は黒体輻射的な連続発光となる。レーザによるプラズマ発生後はノイズ光が支配的となり、その後、時間経過に伴い、ノイズ光は急激に低下し、信号光が発生し出すため、あるディレイ時間でS/Nが最適となる。しかしながら、高感度な計測を行う場合には、S/N比向上が不可欠となる。レーザによるプラズマ生成後にノイズ光及び信号光の強度が低下する原因は以下の通りである。
(1)ノイズ光:輻射及び周囲気体との混合
(2)信号光:プラズマ内の衝突及び周囲気体との混合
そこで、測定場27の圧力を低下させると、プラズマ内の衝突、周囲気体との混合は大幅に低下することになる。一方、輻射は圧力には関係なく起こる現象であるので、圧力低下に伴い、信号光に較べノイズ光の低下が顕著となり、S/N比を向上することができるものとなる。
この測定の際の上記ディレイ時間は1μs以上とすることが好ましい。
これはレーザ光24を照射した直後であると、微量成分に対応したプラズマ16を効率よく計測することができないからである。なお、上記ディレイ時間は好適には、例えば10〜100μSとするのが好ましい。
また、減圧セル12内の減圧条件は10kPa以下、より好ましくは、0.5〜8kPa、さらに好ましくは2〜5kPaとするのが望ましい。これは、0.5kPa未満の場合には、プラズマ生成が不安定となり好ましくないからである。
また、減圧セル12内の減圧条件が10kPaを超える場合に適用できないのは以下の理由による。プラズマ発生後に、非平衡状態が保持される条件としては,プラズマの急膨張・急冷却より、プラズマ自体の温度が低下し、且つ分子・原子間衝突による計測場の温度的均一化が起こらない(分子・原子の密度が低い)ことが必要であるが、10kPaを超えるような場合では、分子・原子の密度が高くなるため、分子・原子間衝突が支配的となり、非平衡状態を保持することが達成できなくなるからである。
ここで、本発明による計測対称は排ガス中の元素であれば、特に限定されるものではないが、例えば砒素、ベリリウム、カドミウム、コバルト、クロム、マンガン、ニッケル、鉛、セレン、アンチモン、バナジウム、鉄、ウラン、炭素、硫黄等を挙げることができる。また、排ガス中に浮遊するダストやヒューム中に内在する元素は別途プラズマ化させることでガス化させて、計測することができる。
以上のように、本実施例によれば、プラズマ化装置15により発生させたプラズマの周辺を計測するので、プラズマ発生によるノイズの影響を受けることが無くなり、測定対象の微量元素を高感度で且つ迅速に分析することができる。
本発明による実施例2に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図2は、実施例2に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1において用いたレーザ照射装置によるプラズマ化の代わりに、放電電極により行うものである。
図2に示すように、本実施例にかかるプラズマ化装置15は、スパークを発生させる電極31,31と、該電極31,31間に電圧を供給する放電ユニット32とから構成されている。ここで、放電パルス幅は1μs以下とすることが好ましい。
このように、レーザ照射装置を用いる代わりにスパーク放電とすることで、装置構成が簡略化され、コストも低減することができる。
以上のように、本実施例によれば、プラズマ化装置15をスパーク放電とするにより発生させたプラズマの周辺を計測するようにすれば、プラズマ発生によるノイズの影響を受けることが無くなり、測定対象の微量元素を高感度で且つ迅速に分析することができ、その計測コストの低減も図ることができる。
本発明による実施例3に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図3は、実施例3に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1において排ガス中のガス中の気体成分を計測対象としているが、本実施例では、排ガス中に浮遊する粉体をもその計測対象とするものである。
図3に示すように、本実施例では、排ガス中の試料導入管14に、プラズマ化装置35を設け、ガス中の粉体を気化させるようにしている。
そして、この気化された粉体気化ガス36を、減圧セル12内の導入し、レーザ照射装置23からのレーザ光24によりプラズマ化させることで、計測を行うようにしている。
通常は、ガス計測においては、試料導入管14にはフィルタを介装することで、減圧セル12内に粉体等の侵入を防止している。よって、排ガス中の気体成分のみをレーザ計測することとなるが、本実施例では、排ガス中の粉体成分をプラズマ化させることで、ガス化させ、これにレーザ光を照射することでプラズマ化させて濃度を計測することができる。
以上のように、本実施例によれば、排ガス中の粉体成分をプラズマ化させることで、ガス化させ、これにレーザ光を照射することでプラズマ化させて濃度を計測することができ、排ガス中の粉体成分中の微量元素を高感度で且つ迅速に分析することができる。
本発明による実施例4に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図4は、実施例4に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1において排ガス中のガス中の気体成分を減圧セル12内に試料導入管14を介して導入するようにしているが、本実施例では、排ガス13を超音速ジェトノズル37により導入するようにしたものである。
そして、図5に示すように、減圧セル12内に挿入された超音速ジェットノズル37により導入される排ガスは計測場27内に超音速膨張しつつ導入される。この導入された排ガスにレーザ光24を照射させることによりプラズマ16を生成するが、超音速膨張によりプラズマ16自体がそのまま膨張することとなる。そして、膨張したプラズマの周辺領域を計測部28とすることで、その膨張領域に存在するプラズマを計測することとなり、計測感度が向上する。
以上のように、本実施例によれば、超音速ジェットノズル37を用いることにより、超音速膨張によって、プラズマ全体が膨張することとなるので、その膨張したプラズマの周辺を計測するようにすれば、プラズマ発生によるノイズの影響を受けることが無くなり、測定対象の微量元素を高感度で且つ迅速に分析することができる。
本発明による実施例5に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図6は、実施例5に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例3においては、排ガス中に浮遊する粉体をその計測対象としているが、本実施例では、排ガス中の気体成分と粉体成分との両方を計測するようにしたものである。
図6に示すように、本実施例では、排ガス13を導入する試料導入管14を分岐して第1のガス導入管14−1と第2のガス導入管14−2とすると共に、これらが各々独立して前記減圧セル12に接続されている。そして、該分岐部に切替え部41を設置し、第1の試料導入管14−1に、プラズマ化装置35を設け、ガス中の粉体を気化させて粉体気化ガス36を得ると共に、第2の試料導入管14−2にはフィルタ42を介装し、粉体を除去するようにしている。
そして、切替え部41の切替えにより、第1の試料導入管14−1では、プラズマ化装置によって気化された粉体気化ガス36を減圧セル12内に供給し、レーザ照射装置23からのレーザにより気化された元素をプラズマ化させることで、排ガス中の粉体成分中の微量元素の計測を行うようにしている。一方、第2の試料導入管14−2では、フィルタ42により、粉体成分を除去し、気体成分を減圧セル12内に供給し、ガス中の元素をレーザ照射装置23からのレーザによりプラズマ化させることで、排ガス13中の気体成分の微量元素の計測を行うようにしている。
以上のように、本実施例によれば、排ガス中の気体成分中の微量元素のみならず、粉体成分中の微量元素の同時計測を高感度で且つ迅速に行うことができる。
本発明による実施例6に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図7は、実施例6に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例1においては、分光器21とICCDカメラ22とからなる光検出装置17を構成しているが、本実施例では、光検出装置を簡易な構成としたものである。
図7に示すように、本実施例では、検出光Lを特定波長に限定する第1のフィルタ45−1、第2の45−2とを用い、ビームスプリッタ46により、第1の光検出器47−1と第2の光検出器47−2とに導くようにして、光検出装置17を構成するようにしている。
本実施例では、測定対照を例えば水銀とすると、水銀の計測波長は約253nmであるので、第1のフィルタ45−1では、図10(a)に示すように、253nmを中心とした前後のやや広い範囲を透過するものとし、一方の第2の45−2は図10(b)に示すように、253nm近傍のみをカットさせるものとした。
そして、第1の光検出器47−1では、図11の(a)の第1の光検出器47−1の測定スペクトルに示すような計測結果を得る。また、第2の光検出器47−1では、図11の(b)の第2の光検出器の測定スペクトルに示すような計測結果を得る。
そして、これらを画像処理することで、図11の(C)の処理後のスペクトルを得る。
これにより、高価な分光装置21とICCDカメラ22を用いることなく、計測対象の特定の元素の計測が可能となる。
ここで、前記光検出器47−1,47−2としては、例えばフォトダイオードや光電子増倍管等を用いることができる。また、第1及び第2のフィルタ45−1,45−2としては、多層誘電体多層膜等を用いることができる。また、第2のフィルタ45−2としては、例えば計測対象の気体原子を封入してなる原子セルを用いるようにしてもよい。
本発明による実施例7に係るガス中の微量成分計測装置について、図面を参照して説明する。
図8は、実施例7に係るガス中の微量成分計測装置を示す概念図である。なお、図1にかかる微量成分計測装置と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例6においては、計測対称の元素を一種類としているが、本実施例では、実施例6にかかる光検出装置を複数設け、複数の元素を同時に計測する構成としたものである。
図8に示すように、本実施例では、検出光Lの一部を導く第1のビームスプリッタ51−1、第2のビームスプリッタ51−2を設け、第1の光計測装置17−1と、第2の光計測装置17−2に検出光L−1,L−2を導くようにしている。
そして、第1のビームスプリッタ51−1で分離された検出光L−1については、例えば水銀を計測する特定波長に限定する第1のフィルタ52−1、第2のフィルタ52−2とを用い、第3ビームスプリッタ51−3により、第1の光検出器53−1と第2の光検出器53−2とに導くようにしている。
また、第2のビームスプリッタ51−2で分離された検出光L−2については、例えば硫黄を計測する特定波長に限定する第1のフィルタ52−1、第2のフィルタ52−2とを用い、第4ビームスプリッタ51−4により、第3の光検出器53−3と第4の光検出器53−4とに導くようにしている。
そして、第1の光検出装置17−1では、水銀の濃度を計測することができると共に、第2の光検出装置17−2では、硫黄の濃度を計測することができる。
このように、本実施例によれば、複数の成分を同時に計測することができる。
以上のように、本発明にかかる排ガス中の微量成分計測装置は、排ガス中の微量成分を簡易迅速に計測することができるので、セメント・ソーダ・鉄鋼等の各種工場において、外部に排出する排ガス中における微量成分を連続して常時監視することに適用することができる。また、例えば燃料電池システムにおける供給するガス中のS成分の濃度を監視することで、燃料電池本体での触媒の被毒を未然に防止することに適用することができる。
実施例1にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例2にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例3にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例4にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例4にかかる超音速ジェットノズルの吹き出し状態を示す概略図である。 実施例5にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例6にかかる微量成分計測装置の概略図である。 実施例7にかかる微量成分計測装置の概略図である。 超音速膨張の有無による水銀の計測結果を示す図である。 実施例6にかかるフィルタの特性図である。 実施例6にかかる測定結果のスペクトル図である。 プラズマ中心部からの距離と発光強度との関係図である。 プラズマ中心部からの距離とS/N比との関係図である。 従来の工場からの排ガス中の微量成分計測装置の概念図である。
符号の説明
11 真空ポンプ
12 減圧セル
13 排ガス
14 試料導入管
15 プラズマ化装置
16 プラズマ光
17 光検出装置
21 分光器
22 ICCDカメラ
23 レーザ照射装置
24 レーザ光
25 レンズ
26 計測窓
27 測定場
28 計測部

Claims (9)

  1. 排ガス中の微量成分元素を計測するガス中の微量成分装置であって、
    減圧装置により減圧されてなる減圧セル内で、前記排ガス中の微量成分をプラズマ化させるプラズマ化装置と、
    該プラズマ化装置により発生したプラズマの周辺部を計測する光検出装置とを具備してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  2. 請求項1において、
    前記減圧セル内に、排ガスを超音速によって導入する試料導入装置を具備することを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  3. 請求項1において、
    前記減圧セル内の圧力が0.5〜10kPaの範囲であることを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記減圧セル内に排ガスを導入するガス導入管に、ガス中の粉体成分をプラズマ化するプラズマ化装置を介装してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記排ガスを減圧セル内に導入するガス導入管を分岐して第1のガス導入管と第2のガス導入管とすると共に、これらが各々独立して前記減圧セルに接続されてなり、
    前記第1のガス導入管に、ガス中の粉体成分をプラズマ化するプラズマ化装置を介装してなると共に、
    前記第2のガス導入管にフィルタを介装してなり、
    第1のガス導入管と第2のガス導入管からの減圧セル内へのガスの導入を切替えてなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    前記光検出装置がビームスプリッタを介して複数設けられ、該ビームスプリッタにより分岐された複数のプラズマ光のそれぞれを、測定対象元素に対応するフィルタを介して光検出装置により計測してなることを特徴とするガス中の微量成分計測装置。
  7. 排ガス中の微量成分元素を計測するガス中の微量成分方法であって、
    前記排ガスを減圧セル内に導入してプラズマ化させ、膨張により非平衡状態でプラズマの温度を下げつつプラズマの周辺領域を計測することを特徴とするガス中の微量成分計測方法。
  8. 請求項7において、
    超音速により排ガスを減圧セル内に導入し、断熱膨張領域に存在するプラズマを計測することを特徴とするガス中の微量成分計測方法。
  9. 請求項7又は8において、
    前記減圧セル内の圧力が0.5〜10kPaの範囲であることを特徴とするガス中の微量成分計測方法。
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