JP2006242595A - 油中の有機ハロゲン化物検出装置 - Google Patents

油中の有機ハロゲン化物検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】PCB等のハロゲン化物が油中に存在する場合にその濃度を迅速に分析することができる油中の有機ハロゲン化物検出装置を提供する。
【解決手段】有機ハロゲン化物を含有する油11をチャンバ12内に油滴又は霧状に供給する油供給部19と、チャンバ12内に供給された油11に第1のパルスレーザ光13−1を照射する第1パルスレーザ光照射部14−1と、チャンバ12内に供給された油11に第2のパルスレーザ光13−2を照射する第2パルスレーザ光照射部14−2と、第1のパルスレーザ光13−1の照射により発生した第1の蛍光17を検出する蛍光検出器18と、第2のパルスレーザ光13−2の照射により発生したハロゲン原子解離に伴う固有の電磁輻射15を検出する光検出部16とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油中の有機ハロゲン化物検出装置に関する。
従来絶縁油として使用されたトランス等はPCB汚染容器とされ、そのPCB汚染容器は確実に処理しなければならないことが義務化された(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法「PCB特別措置法」、平成13年6月22日法律第65号)。
また、PCBを処理するPCB処理プラント運転のためには、PCB汚染容器の受け入れを迅速に行うことが急務である。
このため、PCB汚染容器がどの程度汚染されているかのPCBの塩素濃度の迅速な把握が必要である。これは、PCB処理施設のPCB油の分解処理運転のための薬剤の投入条件の決定に寄与するからである。
そこで、処理PCB油中の塩素濃度の迅速な分析やモニタリングをすることが切望されている。
従来においては、PCBの公定分析がJISに定められている(非特許文献1)。また、燃焼分解法とイオンクロマトグラフ法とを組合せた分析方法が提案されている(非特許文献2)。
JIS K 0093 第70回 有機微量分析研究懇談会シンポジウムP-08硫黄・ハロゲンの自動分析計の開発とその応用:Development of the sulfur and halogen analyzer using combustion-ionchromatography
しかしながら従来の公定分析では、その分析に3〜5日と長時間を要するという問題がある。また、人間による分析手法であるので、全自動化が不可能である。
また、分析には試料を多量に使用(数mgオーダ)することが求められており、油中塩素に暴露する可能性があり、安全性を厳重にする必要がある。
よって、分析に時間を要せず、安全性が確保された分析手法の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、PCB等のハロゲン化物が油中に存在する場合にその濃度を迅速に分析することができる油中の有機ハロゲン化物検出装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、有機ハロゲン化物を含有する油をチャンバ内に油滴又は霧状に供給する油供給部と、チャンバ内に供給された油に第1のパルスレーザ光を照射する第1パルスレーザ光照射部と、前記チャンバ内に供給された油に第2のパルスレーザ光を照射する第2パルスレーザ光照射部と、前記第1のパルスレーザ光の照射により発生した蛍光を検出する蛍光検出器と、前記第2のパルスレーザ光の照射により発生したハロゲン原子解離に伴う固有の電磁輻射を検出する光検出部とを具備することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第2の発明は、有機ハロゲン化物を含有する油をチャンバ内に供給する油供給部と、前記チャンバ内に供給された油に第1のパルスレーザ光を照射する第1パルスレーザ光照射部と、前記チャンバ内に供給された油に第2のパルスレーザ光を照射する第2パルスレーザ光照射部と、前記チャンバ内に供給された油に第3のパルスレーザ光を照射する第3パルスレーザ光照射部と、前記第1のパルスレーザ光の照射により発生した蛍光を検出する第1の蛍光検出器と、前記第2のパルスレーザ光の照射により油中の有機ハロゲン化物の分子をハロゲン原子まで解離し、該解離したハロゲン原子に第3のパルスレーザ光を照射してなり、それにより発生したハロゲン原子由来の蛍光を検出する第2の蛍光検出器とを具備することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記蛍光検出器が時間分解測定部を有することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第4の発明は、第1又は2の発明において、前記第1パルスレーザ光照射部と第2パルスレーザ光照射部とを統合して第1パルスレーザ光照射部からパルスレーザ光を照射してなり、前記パルスレーザ光を分岐して第1のパルスレーザ光と第2のパルスレーザ光とすると共に、第2のパルスレーザ光のレーザ照射タイミングを時間遅れしてなることを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第5の発明は、第4の発明において、前記時間遅れが1〜1000nsecであることを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、チャンバ内を1000Pa以下の真空状態とする真空排気部を有することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
第7の発明は、第6の発明において、前記油供給部が微量油供給部であると共に、チャンバにスキマーを配設し、有機ハロゲン化物を含む油を断熱膨張拡散させる第1の真空排気部を有する第1の部屋と、レーザ光を照射して電子励起させて蛍光を発生させる第2の真空排気部を有する第2の部屋とを有する油中の有機ハロゲン化物検出装置にある。
本発明によれば、有機ハロゲン化物である例えばPCBを簡易迅速に計測することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。図1に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−1は、有機ハロゲン化物を含有する油11をチャンバ12内に油滴又は霧状に供給する油供給部19と、チャンバ12内に供給された油11に第1のパルスレーザ光13−1を照射する第1パルスレーザ光照射部14−1と、チャンバ12内に供給された油11に第2のパルスレーザ光13−2を照射する第2パルスレーザ光照射部14−2と、第1のパルスレーザ光13−1の照射により発生した第1の蛍光17を検出する蛍光検出器18と、第2のパルスレーザ光13−2の照射により発生したハロゲン原子解離に伴う固有の電磁輻射15を検出する光検出部16とを具備するものである。
図1中、11aは油供給部19により供給される油滴、22は塩素原子解離に伴う電子輻射のみを透過するノイズ光除去部、23は有機ハロゲン化物由来の蛍光のみを透過する蛍光波長分離部を各々図示する。
油供給部19からの油滴11aに第1のパルスレーザ光13−1と第2のパルスレーザ光13−2とを同時に照射させ、第1のパルスレーザ光13−1の照射により発生した第1の蛍光17を蛍光検出器18で検出すると共に、第2のパルスレーザ光13−2の照射により発生したハロゲン原子(塩素原子)解離に伴う固有の電磁輻射15を光検出器16で検出することにより、有機ハロゲン化物由来による蛍光から求められる有機ハロゲン量と、電磁輻射15から求められる有機ハロゲン化物及び無機ハロゲン(総合ハロゲン量)とを同時に計測することができる。
前記第1パルスレーザ光照射部14−1は、油滴11aに第1のパルスレーザ光13−1を照射し、油分子中の有機ハロゲン化物由来の蛍光を発生させるためのものである。そのレーザ波長としては、100〜400nm、好適には220〜250nmとするのがよい。また、その出力としては、0.05〜10W/cm2、好適には0.1〜1W/cm2とするのがよい。また、レーザパルス時間幅は、0.01〜1000nsec、好適には1〜10nsecである。
前記第2パルスレーザ光照射部14−2は、油滴11aに第2のパルスレーザ光13−2を照射し、油分子中の塩素原子解離に伴う電磁輻射を発生させるためのものである。その波長としては、100〜10000nm、好適には200〜1100nmとするのがよい。また、その出力としては、0.005〜100W/cm2、好適には0.1〜10W/cm2とするのがよい。また、レーザパルス時間幅は、0.1〜1000nsecとするのがよい。
発生した第1の蛍光17はチャンバ12のレーザ光透過窓23から第1のパルスレーザ光13−1と共に外部に透過する。そして、この第1のパルスレーザ光13−1を除去するための例えば光学フィルタ等の蛍光波長分離部23が設けられている。
また、蛍光を検出する光検出部17は、ICCDカメラ、光電子増倍管等を挙げることができる。
レーザ照射のタイミングとしては、第1の蛍光17と塩素原子解離に伴う電磁輻射15とを同時に発生させると、お互いの光がノイズ光として干渉することになる。その対策として、2つのレーザ光照射部14−1、14−2において、レーザ発信に遅れ時間を設けるようにしている。
この遅れ時間は、1〜1000nsec程度、より好適には10〜100nsec程度とするのがよい。なお、計測場状態(温度・圧力等)により変化するので適宜設定すればよい。
また、第1の蛍光17を検出する蛍光検出器18を設置する個所をレーザ光軸上としないことで、迷光等のノイズ光耐性をもたせることができる。より好適にはレーザ光軸に対して直交する方向に設置することが望ましい。
本実施例に係る有機ハロゲン化物検出装置によれば、分析時間の短縮を大幅に図ることができ、一分以内で計測が完了することができる。
これにより、煩雑な手作業を必要とせず、安全性も確保した有機ハロゲン化物の分析が可能となる。
本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置によれば、その分析に要する時間は約10分程度となり、分析時間の大幅な短縮が可能となる。また、公定法による煩雑な手作業による分析操作を必要とせず、安全性が確保される。
また、本実施例のように油分子中の有機塩素化合物の濃度定量(蛍光計測)および塩素原子濃度定量(塩素原子解離に伴う電磁輻射計測)の二重の計測を行うことで、高精度な計測が実施できる。
より具体的には、蛍光計測において、有機塩素化合物濃度把握が可能となると共に、プラズマ計測において(有機+無機)塩素化合物濃度把握が可能となる。
例えばPCB等の有機ハロゲン化物に対して水熱酸化分解反応装置等を用いて水熱分解を行う場合においては、有機塩素化合物濃度を適切に把握することで酸素投入量およびナトリウム投入量を決定することが可能となる。さらに、塩素化合物濃度の適切な把握を行うことにより、水熱酸化分解反応に用いる例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ剤の投入量を把握することが可能となる。
よってPCB水熱分解プラントの運転において、適正なユーティリティ量を把握することができ、この結果、PCB分解における運転の高度化が達成されることとなる。
本発明による実施例2に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図2は、実施例2に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。なお、実施例1に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置と同一の構成部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。図2に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−2は、時間分解測定部31を蛍光検出器18に設けている。
前記時間分解測定部31は、その時間分解が0.01〜10 psec、好適には0.1〜1psecである。なお、1.0psec=1.0×10-12 secである。
例えば測定部の装置として例えばオシロスコープ、ボックスカー積算器、フォトンカウンタ等を挙げることができる。
ここで、蛍光強度の時間変化計測について説明する。
光励起状態(A*状態)の分子(有機ハロゲン化物)数をN(A*)とし、基底状態の分子(有機ハロゲン化物)数をN(A)とすると、式(2)となる。
N(A*)=N(A)exp(−Bτ)・・・(2)
ここで、Bは定数である。τは光励起状態(A*状態)における分子(有機ハロゲン化物)の寿命である。前記式(2)中、Bは各分子(有機ハロゲン化物)につき固有である。よって得られた時間変化データから、各分子(有機ハロゲン化物)につきN(A)を算出することが可能となる。
例えば、PCBの場合、置換塩素数の少ないPCB(2塩素PCB等)は、上式中Bの絶対値が小さいため寿命が長く(励起状態に留まる時間が長い)、置換塩素数の多いPCB(5塩素PCB等)は、上式中Bの絶対値が大きいため、寿命が短い。すなわち、励起状態に留まる時間が短い。
このことから図3に示す太線の実計測データにより得られた蛍光強度時間変化スペクトルを、2塩素PCB強度と5塩素PCB強度のようにフィッティングすることができる。このフィッティング結果から、塩素置換PCB濃度を定量することができる。また、塩素濃度も併せて算出することができる。
本発明による実施例3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図4は、実施例3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。なお、実施例1に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置と同一の構成部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。図2に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−3は、有機ハロゲン化物を含有する油11をチャンバ12内に供給する油供給部19と、チャンバ12内に供給された油11に第1のパルスレーザ光13−1を照射する第1パルスレーザ光照射部14−1と、チャンバ12内に供給された油11に第2のパルスレーザ光13−2を照射する第2パルスレーザ光照射部14−2と、チャンバ12内に供給された油11に第3のパルスレーザ光13−3を照射する第3パルスレーザ光照射部14−3と、第1のパルスレーザ光13−1の照射により発生した第1の蛍光17を検出する蛍光検出器18−1と、第2のパルスレーザ光13−2の照射により油中の有機ハロゲン化物の分子をハロゲン原子まで解離し、該解離したハロゲン原子に第3のパルスレーザ光13−3を照射してなり、それにより発生したハロゲン原子由来の第2の蛍光33を検出する蛍光検出器18−2とを具備するものである。
本実施例では、先ず第1のパルスレーザ13−1を照射させて、油滴11a中の有機化合物由来の蛍光波長および強度を第1の蛍光検出器18−1検出する。第1の蛍光検出器18−1では、蛍光強度につきその時間変化を計測することによって塩素濃度を定量する。
次に、第2のパルスレーザ光13−2を油滴11aに照射させ、該レーザ光のもつエネルギーによって、油滴内分子を原子状態にまで解離させる。該解離された油分子中のハロゲン原子に対し、第3のパルスレーザ光13−1を照射し、前記解離された油分子中のハロゲン原子を電子励起させる。該励起されたハロゲン原子より発生した第2の蛍光33を第2の蛍光検出器18−2により検出することによって、ハロゲン原子の同定・定量をおこなう。
ここで、前記第1のパルスレーザ光照射部14−1及び第2のパルスレーザ光照射部14−2は実施例1と同様の条件である。
前記第3パルスレーザ光照射部14−3は、解離された油分子中の塩素原子に第3のパルスレーザ光13−3を照射し、ハロゲン原子由来の第2の蛍光33を発生させるためのものである。その波長としては、200〜400nm、好適には220〜250nmとするのがよい。また、その出力としては、0.05〜10W/cm2、好適には0.1〜1W/cm2とするのがよい。また、レーザパルス時間幅は、0.1〜1000nsec、好適には1〜10nsecとするのがよい。
本実施例に係る有機ハロゲン化物検出装置によれば、分析時間の短縮を大幅に図ることができ、一分以内で計測が完了することができる。
また、本実施例では、電磁輻射による解離された有機ハロゲン化物に第3のパルスレーザ光13−3を照射することでハロゲン原子由来の第2の蛍光33を検出することで、ハロゲン原子計測感度wp10倍以上向上させることができ、有機ハロゲン化物の分析の高精度化が達成される。
本発明による実施例4に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図5は、実施例3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。なお、実施例1〜3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置と同一の構成部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。図5に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−4は、第1パルスレーザ光照射部14−1を用いて、第1のレーザ光13−1と第2のレーザ光13−2とを形成するものである。
すなわち、実施例1では2本のパルスレーザ光は各々個別の照射部より照射していたが、本実施例では、これを統合して1台とし、第1パルスレーザ光照射部14−1より発振されたレーザ光13−0をレーザ光分岐部43−1により2つに分岐する。分岐された2つのパルスレーザ光は照射タイミングを可変設定できる光学系である時間遅れ設定部40を介し、油滴11aに照射される。ここで、照射タイミングの早いパルスレーザ光を第1のパルスレーザ光13−1、照射タイミングの遅いパルスレーザ光を第2のパルスレーザ光13−2とする。
前記レーザ光分岐部43−1としては、例えばビームスプリッタ等を挙げることができる。このビームスプリッタの材質としては、例えば石英、合成石英、フッ化カルシウム等を挙げることができる。
前記時間遅れ設定部40は、移動台41に設けられた位置可変台42に配設された全反射ミラー43−2、43−3からなり、レーザ光分岐部43−1で分岐された第2のパルスレーザ光13−2の光路長を長くしており、全反射ミラー43−4によりチャンバ12内に第2のパルスレーザ光13−2を時間遅れで導入している。
この時間遅れにより、蛍光と電磁輻射15がお互いノイズ光として干渉する問題を解消することができる。
ここで、時間遅れの時間は、1〜1000nsec、好適には10〜100nsec程度とすればよい。なお、この時間は、例えば温度・圧力等の計測場状態により変化する。
本実施例に係る時間遅れ設定部40により光の進む道(光路)を増加させることができる。光の伝播速度は、約2.98×108 /secであり、1nsecあたり約30cm進むので、光路長を長くするということは、光の進む時間も長くなる。この結果パルスレーザ光13−2の照射タイミングを第1のパルスレーザ光13−1照射時に比べて、好適には1〜1000nsec遅れがあるようにすればよい。このような時間遅れを達成するためには、第2のパルスレーザ光13−2の光路長は第1のパルスレーザ光13−1の光路長と比較して、0.3〜300m程度(好適には3〜30m程度)長ければよい。
遅れ時間が大きい場合には、第2のパルスレーザ光13−2の光路長を長くするために、図6に示すように、時間遅れ設定手段のミラーをさらに4枚増加させ、全反射ミラー45−1〜45−4を設置するようにすればよい。
これにより、コンパクトな光学系としながらも光路長を増加させることが可能となる。
本実施例によれば、1台のレーザ光照射部によって計測が可能となるため、コンパクトで安価な装置を提供することが可能となる。
なお、実施例1の装置に限定されず、実施例3の装置に適用して、装置のコンパクト化に供することもできる。
本発明による実施例5に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図7は、実施例5に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。なお、実施例1〜3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置と同一の構成部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。図6に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−5は、チャンバ12の内を1000Pa以下の真空状態とする真空排気部45を有するものである。なお、図7においては、図1の有機ハロゲン化物検出装置10−1と同一の構成部材のものは一部省略し、チャンバ12部分を示している。なお、図中符号11aは油が気化して発生したガス、符号46は光検出用窓を図示する。
ここで、レーザ光のもつエネルギーにより油滴内分子が電子励起される。その際、励起した有機塩素化合物が他分子・原子と衝突してしまうことがある。この場合、励起した有機塩素化合物がもつエネルギーが失われ(失活)てしまう。このような場合、蛍光強度低下もしくは計測精度の低下がおこる。このような問題を解決するため、チャンバ12内を真空に保持するようにしている。
真空に保持した場合、周囲雰囲気ガス密度が低下するため、衝突頻度(確率)が低下する。このため、衝突による光強度低下はなく、計測精度も確保できる。ここで、真空度としては1000Pa以下の真空状態としている。
平均自由行程λ(分子が衝突するまでに進む平均長さ)は圧力pに対して次式(3)のような関係がある。
λ∝1/p・・・(3)
ガス組成及び温度が同じ場合、1000Pa以下の真空状態では、大気圧下と比べておよそ100倍平均自由行程は長くなり、その結果衝突頻度が低減される。
本実施例では、油滴を供給する手段として微量油供給部41を設けており、例えばニードル弁、キャピラリ、キャピラリアレー、パルス開閉バルブ等を挙げることができる。
また、真空排気部45は、チャンバ12の内部真空度を1000Pa以内に保持できるものであれば、ターボポンプ、油回転ポンプ、ダイアフラムポンプ及びスクロールポンプ等を挙げることができる。
油が気化して発生したガス11aとして容器内に供給される際、油分子に断熱膨張がおこる。油分子が拡散するため、壁・窓等に油成分が付着しやすくなる。特に油成分ガスが窓表面に付着することを防止する必要がある。油成分ガスが窓表面に付着すると、レーザ光照射によって窓表面油成分が焼けてしまい、光透過率が低下する。
本実施例では、筒42に設けた第1レーザ光透過窓43−1に穴(ピンホール)を空けている。そして、穴を空けた部分にレーザ光(図示せず)が透過できるようにしている。前記穴の大きさは1〜10mmφ程度とするのが好ましい。
また、チャンバ12内の気密を保つため、第2レーザ光透過窓43−2を筒42の短部に設置している。この第2レーザ光透過窓43−2の油成分ガス付着による汚れの影響は少ない。これは第1レーザ光透過窓43−1には穴(ピンホール)しか空いていないため、油成分ガスの流入の影響を低減するようにしているからである。
本発明による実施例6に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置について、図面を参照して説明する。図8は、実施例6に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置を示す概念図である。なお、実施例1〜3に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置と同一の構成部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。図8に示すように、本実施例に係る油中の有機ハロゲン化物検出装置10−6は、前記油供給部が微量油供給部41であると共に、チャンバ12内にスキマー47を配設し、有機ハロゲン化物を含む油を断熱膨張拡散させる第2の真空排気部45−2を有する第1の部屋12−1と、レーザ光(図示せず)を照射して電子励起させて蛍光を発生させる第1の真空排気部45−1を有する第2の部屋12−2とを有するものである。
前記スキマー47は、計測試料を直線状の流れを形成させるために設けたものであり、例えば金、銅、ニッケル等から形成されている。なお腐食防止の観点からは、好適には金がよい。このスキマー径は0.5〜5.0mmφとするのが好ましい。また、第2の真空排気部45−2は、前記スキマー47等を用いた場合、スキマー47より上流側の第1の部屋12−1の圧力を高くさせるため、第2真空排気部45−2を有している。
前記スキマー47によりガスは直線状の分子ビーム11bとなり、窓、壁等の汚れを防止することができる。
本実施例によれば、分析時間の更なる短縮(1分以内)を図ることができる。また、煩雑な手作業を必要とせず、安全性が確保される。
さらに、実施例1〜5に較べて油分子中の他原子衝突に伴う光強度低下はなく、計測精度も確保できる。
以上のように、本発明に係る有機ハロゲン化物検出装置は、有機ハロゲン化物である例えばPCBを簡易迅速に計測することに用いるのに適している。
実施例1に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 実施例2に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 蛍光強度時間変化スペクトル図である。 実施例3に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 実施例4に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 実施例4に係る他の有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 実施例5に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。 実施例6に係る有機ハロゲン化物検出装置の概略図である。
符号の説明
10−1〜10−6 有機ハロゲン化物検出装置
11 油
12 チャンバ
13−1 第1のパルスレーザ光
13−2 第2のパルスレーザ光
13−3 第3のパルスレーザ光
14−1 第1のパルスレーザ光照射部
14−2 第2のパルスレーザ光照射部
14−3 第3のパルスレーザ光照射部
15 電磁輻射
16 光検出器
17 第1の蛍光
18 蛍光検出器
18−1 第1の蛍光検出器
18−2 第2の蛍光検出器
33 第2の蛍光

Claims (7)

  1. 有機ハロゲン化物を含有する油をチャンバ内に油滴又は霧状に供給する油供給部と、
    チャンバ内に供給された油に第1のパルスレーザ光を照射する第1パルスレーザ光照射部と、
    前記チャンバ内に供給された油に第2のパルスレーザ光を照射する第2パルスレーザ光照射部と、
    前記第1のパルスレーザ光の照射により発生した蛍光を検出する蛍光検出器と、
    前記第2のパルスレーザ光の照射により発生したハロゲン原子解離に伴う固有の電磁輻射を検出する光検出部と、
    を具備することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  2. 有機ハロゲン化物を含有する油をチャンバ内に供給する油供給部と、
    前記チャンバ内に供給された油に第1のパルスレーザ光を照射する第1パルスレーザ光照射部と、
    前記チャンバ内に供給された油に第2のパルスレーザ光を照射する第2パルスレーザ光照射部と、
    前記チャンバ内に供給された油に第3のパルスレーザ光を照射する第3パルスレーザ光照射部と、
    前記第1のパルスレーザ光の照射により発生した蛍光を検出する第1の蛍光検出器と、
    前記第2のパルスレーザ光の照射により油中の有機ハロゲン化物の分子をハロゲン原子まで解離し、該解離したハロゲン原子に第3のパルスレーザ光を照射してなり、それにより発生したハロゲン原子由来の蛍光を検出する第2の蛍光検出器とを具備することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記蛍光検出器が時間分解測定部を有することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  4. 請求項1又は2において、
    前記第1パルスレーザ光照射部と第2パルスレーザ光照射部とを統合して第1パルスレーザ光照射部からパルスレーザ光を照射してなり、前記パルスレーザ光を分岐して第1のパルスレーザ光と第2のパルスレーザ光とすると共に、第2のパルスレーザ光のレーザ照射タイミングを時間遅れしてなることを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  5. 請求項4において、
    前記時間遅れが1〜1000nsecであることを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    チャンバ内を1000Pa以下の真空状態とする真空排気部を有することを特徴とする油中の有機ハロゲン化物検出装置。
  7. 請求項6において、
    前記油供給部が微量油供給部であると共に、チャンバにスキマーを配設し、有機ハロゲン化物を含む油を断熱膨張拡散させる第1の真空排気部を有する第1の部屋と、レーザ光を照射して電子励起させて蛍光を発生させる第2の真空排気部を有する第2の部屋とを有する油中の有機ハロゲン化物検出装置。
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