JP4119716B2 - 異方性重合体フィルム - Google Patents

異方性重合体フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4119716B2
JP4119716B2 JP2002278822A JP2002278822A JP4119716B2 JP 4119716 B2 JP4119716 B2 JP 4119716B2 JP 2002278822 A JP2002278822 A JP 2002278822A JP 2002278822 A JP2002278822 A JP 2002278822A JP 4119716 B2 JP4119716 B2 JP 4119716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chiral
chiral compound
polymer film
compound
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002278822A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003192808A (ja
Inventor
ハモンド−スミス ロバート
パトリック ジョン
リンダ メイ アリソン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Patent GmbH
Original Assignee
Merck Patent GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Patent GmbH filed Critical Merck Patent GmbH
Publication of JP2003192808A publication Critical patent/JP2003192808A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4119716B2 publication Critical patent/JP4119716B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/30Identification or security features, e.g. for preventing forgery
    • B42D25/36Identification or security features, e.g. for preventing forgery comprising special materials
    • B42D25/364Liquid crystals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/30Identification or security features, e.g. for preventing forgery
    • B42D25/355Security threads
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K19/38Polymers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3016Polarising elements involving passive liquid crystal elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2219/00Aspects relating to the form of the liquid crystal [LC] material, or by the technical area in which LC material are used
    • C09K2219/03Aspects relating to the form of the liquid crystal [LC] material, or by the technical area in which LC material are used in the form of films, e.g. films after polymerisation of LC precursor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/02Alignment layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/021Inorganic, e.g. glass or silicon oxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/03Viewing layer characterised by chemical composition

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、らせんねじれ方向の異なる区域を有する、らせん状にねじれた構造の重合キラル液晶材料を含む異方性重合体フィルムに関する。本発明はさらに、そのようなフィルムの調製方法、およびそれを装飾またはセキュリティの適用分野で使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】
キラル液晶を使用して視角カラー依存性を示す着色フィルムを得ることが、先行技術で開示されている。通常、そのようなフィルムは、重合可能なコレステリック液晶混合物を基板に被覆して重合させて調製される。そのフィルムの性質は、らせん状にねじれた構造を示し、特定の波帯の円偏光を反射することである。反射される光は、らせんのピッチに依存する波長と、液晶フィルムのらせん構造のねじれ方向に依存する偏光の「旋光性(右旋性・左旋性)」を有する。
【0003】
着色フィルムの調製に使用されているキラル液晶材料は、通常、液晶ホスト混合物、およびホスト混合物中で所定のねじれ方向のらせんねじれを誘発する1種または複数のキラルドープ剤を含む。大抵の実際的な適用分野には十分な、第1近似での分子らせんのピッチpは、次の方程式(1):
p=(1/HTP)・(1/c) (1)
に従って液晶ホスト混合物中のキラルドープ剤の濃度cに反比例する。
【0004】
比例定数は、キラルドープ剤のらせんねじれ力(HTP)である。
【0005】
上述の技術を使用して、2段階プロセスを行い、反射される光の反射波長のみが異なる2種の異なる液晶混合物を印刷または被覆し、反射色の異なる区域を有するパターン化した重合体フィルムを形成することが可能である。これらのフィルムは、光学素子として、あるいは装飾またはセキュリティの適用分野に有用であり、その分野では、模造されにくい可視パターンを示すセキュリティマークとして使用することができる。
【0006】
しかし、異なる混合物を使用し、2度の被覆ステップを利用すると、そうしたフィルムの製造が複雑になる。
【0007】
パターン化したフィルムを得る別の方法は、照射によってその構造が変化し、化合物のHTPに変化を引き起こし、それにより、キラル混合物のらせんピッチおよび反射色に変化を引き起こすキラル化合物を含む重合可能なキラル混合物を使用することによるものである。2段階の照射および重合プロセスと従来のフォトマスク技術とを組み合わせて、反射色の異なる区域を有する、パターン化したフィルムを形成することができる。これは、たとえば、WO00/034808号(特許文献1)に記載されている。さらに、米国特許第5,668,614号(特許文献2)は、光異性化の可能な化合物を、反射波長の異なる区域を有する多色コレステリックディスプレイに使用することを記載しているが、これはパターン化した重合体フィルムに関するものではない。
【0008】
しかし、いくつかの適用分野、特に、セキュリティの分野では、特別な手段によって、たとえば、偏光子を通して見ることによって認識できる隠れたパターンまたはイメージが現れるフィルムが必要とされている。
【0009】
【特許文献1】
国際公開第00/034808号
【特許文献2】
米国特許第5,668,614号
【特許文献3】
国際公開第98/57223号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一目的は、熱、化学溶剤、または機械応力のような外からの影響に対して安定であり、容易に製造することができ、特に偽造防止セキュリティマークとして適する、隠れたパターンを有する重合体フィルムを提供することである。もう一つの目的は、そのようなフィルムを調製する方法を提供することである。
【0011】
WO98/57223(特許文献3)は、異なるねじれ方向を有する異なる区域(旋光性)をもつマルチドメイン液晶ディスプレイを作製するための光異性化の可能なキラル化合物の使用を開示している。しかし、この開示は、被覆した重合体フィルムに言及していない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、らせん軸がフィルムの平面にほぼ垂直に配向された、らせんねじれ構造の重合キラル液晶材料を含み、円偏光を反射する異方性重合体フィルムであって、さらに、異なるねじれ方向を有する異なる区域のパターンを示し、反射光の異なる偏光状態(「旋光性(右旋性・左旋性)」)をもたらすフィルムを提供することにより、これらの目的が達成できることを発見した。このキラル液晶材料は、対称性の異なる区域が同じ反射色をもち、パターンが、肉眼では見えないが、円偏光子を通して見たときにだけ見えるように選択することができる。
【0013】
本発明は、らせん状にねじれた構造の重合キラル液晶材料を含む異方性重合体フィルムであって、少なくとも他の1つ区域とは異なるらせんねじれ方向を有する少なくとも1つの区域を含み、らせん軸がフィルムの平面にほぼ垂直に配向されたフィルムに関する。
【0014】
本発明はさらに、
−キラル材料中で所定所定のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間で変換可能な少なくとも1種の第1のキラル化合物であって、そのキラル化合物の変換が光照射で誘発できるキラル化合物と
−キラル材料中で前記第1のキラル化合物と逆のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、かつ前記第1のキラル化合物と同じ条件下では、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間での変換ができない少なくとも1種の第2のキラル化合物とを含む重合可能なキラル液晶材料の層を用意し、
その層の選択した領域を、前記第1キラル化合物のキラリティの程度を変化させる光線で照射し、前記選択した領域を重合させることによって、上述し、以下でも述べる異方性重合体フィルムを調製する方法に関する。
【0015】
本発明はさらに、上述し、以下でも述べる異方性重合体フィルムを、光学素子、装飾、またはセキュリティの適用分野で使用することに関する。
【0016】
本発明はさらに、上述し、以下でも述べる異方性重合体フィルムを含む、セキュリティ、認証、識別用のマークまたはデバイスに関する。
【0017】
本発明はさらに、上述のセキュリティ、認証、または識別のマークまたはデバイスを含む、有価証券(銀行券を含む)、価値のある書類に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
用語の定義
本出願で使用する用語「フィルム」は、多かれ少なかれ著しい機械安定性および可撓性を示す、自立性の、すなわち、支えなしで立つフィルム、ならびに支持基板上または2枚の基板間の被覆または層を含む。
【0019】
用語「液晶またはメソゲン材料」または「液晶またはメソゲン化合物」は、1種または複数の棒状、板状、または円盤状メソゲン基、すなわち液晶相の挙動を誘発する能力を有する基を含む材料または化合物を意味するものである。メソゲン基を含む化合物または材料は、必ずしもそれ自体が液晶相を示す必要はない。またこれらが、他の化合物との混合物中で、あるいはメソゲン化合物、メソゲン材料、またはその混合物が重合されたときにだけ液晶相の挙動を示すこともあり得る。
【0020】
用語「らせんねじれ構造(helically twisted structure)」は、1つまたは複数の液晶材料の層を含むフィルムに関するものであって、その中で、メソゲンが、分子のサブ層内において、その主分子軸を好ましい方向に向けて配向しており、その際、異なるサブ層におけるこの好ましい配向方向が、実質的にフィルム面に垂直(即ち、フィルム垂線に対して実質的に平行)なヘリックス軸の周りにねじれているものである。この定義は、へリックス軸の配向がフィルム平面に対して、75〜90°、好ましくは80〜90°、非常に好ましくは85〜90°、最も好ましくは88〜90°であるものを含む。
発明の詳細な説明
本発明による異方性重合体フィルムは、キラルな重合可能液晶(LC)材料の薄層で基板を被覆し、分子らせんの軸が層平面にほぼ垂直に配向されるように材料を配列し、層の選択した部分のキラリティを光照射で変化させ、重合によってキラル構造を固定してパターン化した重合体フィルムを得ることにより調製するのが好ましい。
【0021】
重合可能なキラル液晶(LC)材料は、ねじれ方向の異なる少なくとも2種のキラル化合物を含んでいる。第1のキラル化合物は、たとえば、所定の波長での光照射または所定の波長および強度での光照射で異性化されることによりそのHTPが変化する光異性化可能なキラル化合物である。第2のキラル化合物では、そのHTPが第1の化合物と同じ条件下で変化しない。たとえば、第2のキラル化合物は、光照射に曝されたときにそのHTPが少しも変化しない異性化不能な化合物とすることができる。また第2のキラル化合物を、第1のキラル化合物に使用するものと異なる波長および/または強度の光照射のもとで、そのHTPが変化する光異性化可能なキラル化合物とすることも可能である。
【0022】
上記のように第1の化合物が光異性化可能なキラル化合物であり、第2の化合物が異性化不能なキラル化合物である、少なくとも2種のキラル化合物を含んだ重合可能なキラルLC材料から得られる異方性重合体フィルムが特に好ましい。
【0023】
重合可能なキラルLC材料の選択した部分において、全体のねじれを変化させることは、第1および第2のキラル化合物の量およびねじれ力を適切に選択することにより、今では実現可能である。たとえば、適切なキラルLC材料は、光異性化可能なキラル化合物および異性化不能なキラル化合物を含み、その一方が左旋性であり、他方が右旋性である。異性化不能な化合物に比較して、異性化可能な化合物の絶対ねじれ力がより強いか、および/またはその量が余分に多く存在すると、キラルLC材料の正味のねじれ方向は、第1のキラル化合物のねじれ方向と同じになる。光異性化可能なキラル化合物を、キラルLC材料の選択した部分への光照射で異なるHTPを有する形に変換する際、たとえば、キラル材料を、部分的にまたは完全にHTPのより弱いキラル材料に変換することによりそのねじれ力を低下させ、一方で異性化不能なキラル化合物は、そのHTPが変化しない。その結果、キラルLC材料の選択された部分での正味のねじれ方向は逆になる。
【0024】
さらに、第1および第2のキラル化合物の量およびキラリティを選択して、キラルLC材料の正味のねじれが光照射光照射の前後で異なり、キラルLC材料の選択した部分の反射波長が光照射光照射の前でも後でもほぼ同じままとなるようにすることができる。これにより、ねじれ方向の異なる区域がほぼ同じ反射色の光を反射する異方性重合体フィルムの調製が可能となる。そのようなフィルムは、特に好ましい。そうしたフィルムは、偏光されていない光のもとで見ると一様な反射色を呈し、円偏光を通して見たときにだけ見えるようになる、ねじれ方向の異なる区域の隠れたパターンをさらに含んでいる。
【0025】
本発明による異方性重合体フィルムでは、ねじれ方向の異なる区域が、異なる反射色を有することもあり得る。
【0026】
上述のように、重合可能なキラルLC材料の選択した部分でキラリティを変化させた後、材料をin situで重合させて、選択した部分またはLC材料全体のキラル構造を永久的に固定する。重合は、たとえば、光重合または熱重合によって実施することができる。光重合が好ましい。LC材料での重合は、前記第1のキラル化合物のキラリティを変化させたのと同じ光照射で開始することが特に好ましい。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態は、酸素の存在下で重合しない、またはゆっくりとしか重合しない重合可能なキラルLC材料から調製された異方性重合体フィルムに関する。この実施形態に適するキラルLC材料は、たとえば、酸素の存在下で反応しない、またはよく反応しない適切な光開始剤を選択することにより調製することができる。このフィルムは、酸素の存在下で、重合可能な材料の選択した領域を、前記第1のキラル化合物のHTPを変化させる光を照射して、重合を妨げまたは抑制し、酸素不在下で、選択した領域または材料全体をその後重合させることにより調製する。
【0028】
この実施形態による重合可能なキラルLC材料の重合は、第1キラル化合物の異性化より時間がかからずに、光重合の間、LC材料の重合していない部分のキラリティが変化しない、または少なくとも実質的には変化しないことが好ましい。
【0029】
また、たとえば、選択した領域には強度の弱い放射を使用して重合させ、次いで強度の強い照射を用いて材料全体を重合させたり、あるいは異性化および重合を開始するのに異なる波長を利用することにより、キラル材料中で、異性化なしで重合を実現することも可能である。
【0030】
この好ましい実施形態による異方性重合体フィルムは、酸素の存在下、たとえば、空気雰囲気中で、重合可能なキラルLC材料を基板に被覆し、被覆の選択した区域を光照射に曝すことにより調製することができる。これはたとえば、フォトマスクを介して照射することにより実現される。あるいは、たとえばレーザのような精密に焦点を合わせた放射源によって、選択した区域で照射を実施することができる。この光照射は、上述のようなLC材料の選択された領域のキラリティに変化をもたらすが、選択されていない領域でのキラリティは変化しないままである。被覆物全体の重合は、酸素が存在すると妨げられる。のちに、酸素の不在下で、被覆全体を、たとえば、熱重合または光重合によって重合させ、選択された領域および選択されていない領域のキラル構造を固定する。これはたとえば、不活性ガス雰囲気中で重合させる、あるいは被覆を、たとえばPETフィルムのような酸素遮断層で覆うことによって行う。その結果、選択された領域と選択されていない領域で異なるキラリティを有する、パターン化されたフィルムが得られる。
【0031】
別法として、この好ましい実施形態による異方性重合体フィルムを、酸素の存在下で実施する以下のステップ、すなわち、
A)酸素の存在下で重合せず、上述のような第1および第2のキラル化合物を含む、光重合可能なキラルLC材料の層を設けるステップと、
B)1)その層の選択した区域を基板で覆い、光でその層を照射して前記第1キラル化合物のねじれ力を変化させ、キラルな重合可能材料の重合を開始するステップであって、その基板が酸素遮断層の特性を有し、光照射に対して透過性であるステップと、
2)前のステップで基板を覆わなかった層の少なくとも1つの区域で、ステップB1の手順を1または複数回繰り返すステップとを含む方法により調製することができる。
【0032】
ステップB1では、キラルLC材料を、光照射に対して透過性であり、重合を抑制する可能性のある酸素を排除する基板で覆った領域の層でのみ重合させる。重合は、異性化よりも時間がかからないので、覆われた領域のキラル構造は、その大体が変化する前に永久的に固定される。覆われていない領域では、酸素の存在によって重合が抑制され、異性化およびそれに伴うキラリティの変化を起こすことができる。ステップB2では、予め覆わなかった部分で変化したキラル構造を、透明な酸素遮断基板の下で重合により固定する。
【0033】
その結果、ステップB1で覆われた領域と覆われていない領域で異なるキラリティを有するパターン化されたフィルムが得られる。
【0034】
ステップB1での照射は、覆われていない領域の第1のキラル化合物が完全に異性化するのに十分に強い強度かつ/または長い期間で実施し、それによりキラリティの変化を完了させることが好ましい。ステップB2では、次いで予め覆われていない領域をすべて重合させる。すなわち、ステップB2は1度だけ実施する。
【0035】
しかし、ステップB1での照射を、覆われていない領域のキラリティがある程度までだけ変化するように、たとえば弱い放射強度または短い放射時間を採用することにより実施することも可能である。最初のステップB2では、ステップB1で予め覆われていない一部の区域だけを、酸素遮断基板を介して照射して、変化させた構造を重合および固定させる。一方、まだ覆われていない区域ではさらに異性化が起こり得るが、2回目または後続のステップB2で次にそれを固定する。こうして、反射色の異なる2つより多い異なる区域を有するパターン化されたフィルムが調製できる。
【0036】
酸素の存在下で重合しない材料を用いる上述の特に好ましい実施形態の代替形態として、空気中で重合するキラルな重合可能LC材料を使用すること、ならびに強度の弱い照射を利用して材料の選択した領域を異性化させ、強度の強い照射を利用して材料を重合させることも可能である。
【0037】
本発明による異方性重合体フィルムの調製に使用する重合可能なキラルLC材料は、キラルなスメクチック液晶またはキラルネマチック(コレステリック)液晶材料であることが好ましい。コレステリック液晶材料が特に好ましい。
【0038】
重合可能なキラルLC材料は、有機溶剤に溶解または分散させ、溶剤を蒸発させた後または蒸発させる間に重合または架橋させることが好ましい。
【0039】
重合可能なキラルLC材料は、
−所定のねじれ方向を有し、光照射でそのHTPが変化する少なくとも1種の第1のキラル化合物と、
−前記第1のキラル化合物と逆のねじれ方向を有し、前記第1キラル化合物のHTPを変化させる光照射に曝したときにはそのHTPが変化しない、少なくとも1種の第2のキラル化合物とを含み、
少なくとも1種の重合可能な基を有する少なくとも1種の重合可能な化合物をさらに含むことが好ましい。
【0040】
その重合可能な化合物は、前記第1および/または第2のキラル化合物でよい。あるいは、重合可能な化合物は、追加の重合可能な化合物であってもよく、それは好ましくは液晶化合物またはメソゲン化合物である。
【0041】
キラルな重合可能LC材料は、
a1)所定のねじれ方向を有し、光照射でそのキラリティが変化し、その上に、重合性および/またはメソゲン性であってもよい、少なくとも1種の第1のキラル化合物、
a2)前記第1のキラル化合物と逆のねじれ方向を有し、前記第1キラル化合物のキラリティを変化させる光照射に曝したときにはそのキラリティが変化せず、その上に重合性および/またはメソゲン性であってよい、少なくとも1種の第2のキラル化合物、
b)少なくとも1つの重合可能な基を有する少なくとも1種の重合性メソゲン化合物と、
c)重合開始剤と
を含むことが非常に好ましい。
【0042】
第1および第2のキラル化合物として使用するのに特に好ましい化合物は、らせんねじれ力(HTP)が強く、そのため材料中のキラル化合物の量を減らすことができるものである。
【0043】
本発明で使用できる、光照射でキラリティが変化するキラル化合物は、専門家に知られている。たとえば、光照射によってE−Zまたはシス−トランス異性化を示し、そのためHTPの異なる形に変換される光異性化可能なキラル材料を使用することができ、これによって液晶材料のピッチが異なる程度に決定される。さらに適切なのは、光照射によって、キラル中心の光脱離または光開裂によりそのキラリティが破壊されるために、キラルからアキラルまたはラセミ混合物に変化する、光分解または(光)同調可能なキラル材料(TCM)である。
【0044】
たとえば、適切な光異性化可能なキラル材料は、P.van de Witte等のLiq.Cryst.24(1998年)、819〜27ページ;J.Mat.Chem.9(1999年)、2087〜94ページ;およびLiq.Cryst.27(2000年)、929〜33ページ;ならびにA.Bobrovski等のLiq.Cryst.25(1998年)、679〜687ページに記載されているように、メントン誘導体、カンファー誘導体、ノピノン(nopinone)誘導体、またはキラルスチルベンを含むものである。キラル中心に結合している光開裂可能なカルボン酸基または芳香族ケト基を含む適切なTCMが、米国特許第5,668,614号で開示されている。さらに、F.Vicentini、J.Cho、およびL.ChienのLiq.Cryst.24(1998年)、483〜488ページでは、TCMとしてのビナフトール誘導体およびその多色コレステリックディスプレイでの使用が開示されている。
【0045】
特に好ましいのは、P.van de Witte等のLiq.Cryst.24(1998年)、819〜27ページ、J.Mat.Chem.9(1999年)、2087〜94ページ、およびLiq.Cryst.27(2000年)、929〜33ページ、ならびにA.Bobrovski等のLiq.Cryst.25(1998年)、679〜687ページで開示されているように、メントン誘導体、カンファー誘導体、ノピノン誘導体、またはキラルスチルベンを含む重合および光異性化の可能なキラル材料である。
【0046】
さらに好ましいのは、WO02/40614号で開示されているような、重合可能な光異性化可能キラル化合物である。そのような化合物は、好ましくは次式Iのものが選択される。
【0047】
【化1】
Figure 0004119716
【0048】
[式中、X1、X2、X3、X4、X5、およびX6は、互いに独立に、H;1個または複数のCH2基が、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、または−C≡C−で、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない形で置換されていてもよく、1種または複数のH原子がFまたはClで置換されていてもよい、1〜20個のC原子を有する直鎖アルキルまたは分枝アルキル;または縮合したかつ/または置換された環を含んでいてもよい3〜65個のC原子を有する脂肪族または芳香族の炭素環式基または複素環式基を表し、あるいはX1、X2、X3、X4、X5、およびX6のうちの2つが一緒になって最高で40個のC原子を有する環状の基を形成していてもよく、また、X1、X2、X3、X4、X5、およびX6は、重合性基を含んでいてもよく、
ただし、X1≠X2≠X3かつX4≠X5≠X6であり、化合物は、少なくとも1種の光異性化可能な基および少なくとも1種のメソゲン基、または光異性化可能かつメソゲンである少なくとも1つの基を含む。]
1、X2、X3、X4、X5、およびX6は、好ましくは、
a)H;または1個または複数のCH2基が、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−で、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない形で置換されていてもよく、1つまたは複数のH原子がFまたはClで置換されていてもよい、1〜20個のC原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、
b)−B−(Sp)n−G、および
c)−B−(Sp)n−(M1−Z1i−(PI)k−(Z2−M2l−Rから選択され、
1、X2、X3、X4、X5、およびX6のうちの2つが一緒になって、1種または複数の基Rで任意選択で置換された、最高で40個のC原子を有する環状の基を形成していてもよく、
1≠X2≠X3かつX4≠X5≠X6であり、
0は、H、または1〜4個のC原子を有するアルキルであり、
Gは、縮合環を含んでもよく、そして1個または複数の基Rで置換されていてもよい、3〜40個のC原子を有する脂肪族または芳香族の炭素環式基または複素環式基であり、
Rは、H、ハロゲン、NO2、CN、SCN、SF5;または1個または複数のCH2基が、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−で、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない形で置換されていてもよく、1つまたは複数のH原子がF、Cl、もしくはP−(Sp)n−で置換されていてもよい、1〜25個のC原子を有する直鎖、分枝、もしくは環状アルキルであり、
Pは、重合可能な基であり、
Spは、1〜20個のC原子を有するスペーサー基であり、
nは、0または1であり、
Bは、−O−、−S−、−NR0−、−O−CO−、−NR0−CO−、−O−COO−、−OCH2−、−S−CO−、−S−COO−、または単結合であり、
PIは、メソゲンでもよい光異性化可能な基であり、
1およびM2は、互いに独立に、メソゲン基であり、
i、k、およびlは、互いに独立に、0または1であり、
1およびZ2は、互いに独立に、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH2CF2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−(CH24−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−、または単結合であり、
1、X2、X3、X4、X5、およびX6のうちの少なくとも1つが−B−Sp−(M1−Z1i−(PI)k−(Z2−M21−Gであり、これらの基の少なくとも1つにおけるkが1である。
【0049】
メソゲン基M1およびM2は、次式IIであることが好ましい。
【0050】
−(A1−Z)m−A2− II
[式中、A1およびA2は、互いに独立に、
A)1個または複数のCH基がNで置換されていてもよい1,4−フェニレン、
B)1個または2個の隣接していないCH2基がOおよび/またはSで置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレン、
C)1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、ピペリジン−1,4−ジイル、1,4−ビシクロ−(2,2,2)−オクチレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはインダン−2,5−ジイルから選択され、
これらのすべての基が、非置換である、またはLで一置換もしくは多数置換されていることも可能であり、
Lは、ハロゲン、CN、SCN、NO2、SF5、または1個または複数のH原子がFもしくはClで置換されていてもよい、1〜4個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、もしくはアルコキシカルボニル基であり、
Zは、どの場合もそれぞれ独立に、式IにおけるZ1の意味の1つであり、
mは、0、1、2、または3である。]。
【0051】
光異性化可能な基PIは、次式IIIであるのが好ましい。
【0052】
−C1−D1=D2−C2− III
[式中、D1およびD2は、互いに独立に、CHもしくはN、または炭素環式もしくは複素環式の五員環もしくは六員環中の飽和C原子であり、
1およびC2は、互いに独立に、縮合環を含んでいてもよい、3〜40個のC原子を有する2価の脂肪族または芳香族の炭素環式基または複素環式基であり、あるいはC1またはC2は、隣接する基D1またはD2のそれぞれが環状基中のC原子である場合には単結合を表していてもよい。]
好ましくは、C1およびC2は、互いに独立に、式IIで定義したM1の意味の1つであり、特に好ましくはA2であり;D1およびD2は、互いに独立に、CHまたはNであることが好ましい。
【0053】
1およびD2は、CHを表していることが非常に好ましい。さらに好ましいのは、D1およびD2がNを表している化合物である。
【0054】
PIは、以下の式から選択されることが特に好ましい。
【0055】
【化2】
Figure 0004119716
【0056】
[式中、D1およびD2は、CHまたはNであり、Lは、式IIの意味であり、rは、0、1、2、3または4である。]
さらに好ましいのは、PIが式IIIのものであり、C1および/またはC2が式IIのメソゲン基M1またはM2である、式Iの化合物である。このような化合物が追加のメソゲン基M1またはM2を含む場合、そのメソゲン基は、C1および/またはC2と同じでも異なっていてもよい。
【0057】
特に好ましい式Iの化合物は、以下の式(subformulae)のものである。
【0058】
【化3】
Figure 0004119716
【0059】
【化4】
Figure 0004119716
【0060】
[式中、A1、A2、Z、C1、C2、D1、D2、X1、X2、およびrは上述の意味の1つであり、B1およびB2は、互いに独立に、上述のBの意味の1つであり、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立に、上述のRの意味の1つであり、
9は、1個または複数のCH2基が、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−で、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない形で置換されていてもよく、1つまたは複数のH原子がFまたはClで置換されていてもよい、1〜25個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルであるか、あるいはシクロアルキル、フェニル、ベンジル、または式Iで定義したような基RもしくはLの1つまたは複数でまたはP−(Sp)nで置換されていてもよい、最高で25個のC原子を有する縮合した炭素環式もしくは複素環式の、脂肪族基もしくは芳香族基を表し、
aは、0、1、2または3であり、
bは、1または2であり、
pは、0、1、2または3であり、そして
sは、0、1、2、3、4または5である。]
重合可能なキラルLC材料は、第1のキラルドープ剤と同じ条件下でそのキラリティが変化しない第2のキラル化合物をさらに含む。第2のキラル化合物は、異性化不能な化合物であるのが好ましい。この化合物は、重合可能でもそうでなくてもよく、メソゲン性でも液晶性でもよい。
【0061】
本発明で異性化不能なキラル化合物として使用するのに特に好ましいのは、メソゲン基が結合したキラルなソルビトール基を含む化合物、具体的には、WO98/00428号で開示されている化合物である。さらに適切なキラル化合物は、たとえば、市販のS1011、R811、またはCB15(発売元:Merck KGaA、ドイツ、Darmstadt)である。
【0062】
非常に好ましいのは、図示しない(R、S)、(S、R)、(R、R)、(S、S)鏡像異性体を含めて、以下の式
【0063】
【化5】
Figure 0004119716
【0064】
から選択された化合物であって、式中、EおよびFは、それぞれ独立に、L1で任意にモノ、ジまたはトリ置換されていてもよい1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンであり、L1はH、F、Cl、CNまたは炭素数1〜7のハロゲン化されていてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ基であり、vは0または1であり、Z0は、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、または単結合であり、R7は、炭素数1〜12個のアルキル、アルコキシ、カルボニル、カルボニルオキシである。
【0065】
式IV−1の化合物は、WO98/00428号に記載されており、式IV−2の化合物は、英国特許第2,328,207号に記載されている。これらの開示全体を参照により本出願に組み込む。
【0066】
特に適切な、重合可能な異性化不能キラル化合物は、以下のリストから選ぶことができる。
【0067】
重合可能なLC材料は、これらのキラル化合物に加えて、少なくとも1種の重合可能な官能基を有する少なくとも1種のアキラルな重合可能メソゲン化合物を含むことが好ましい。
【0068】
好ましい実施形態では、重合可能なLC材料は、2個以上の重合可能な官能基を有する少なくとも1種のキラルまたはアキラルな重合可能メソゲン化合物(二反応性(direactive)もしくは多反応性(multireactive)または二官能性もしくは多官能性の化合物)を含む。このような混合物を重合させると、自立性であり、高い機械安定性および熱安定性を示し、その物理特性および光学特性の温度依存性が低い、三次元の重合体網目構造が形成される。多官能性のメソゲン化合物または非メソゲン化合物の濃度を変化させることにより、重合体フィルムの架橋密度を、したがってその物理特性および化学特性、特に、光学特性の温度依存性、熱安定性、機械安定性、および耐溶剤性を容易に調整することができる。
【0069】
重合可能な、キラルまたはアキラルな一反応性(monoreactive)、二反応性、または多反応性メソゲン化合物は、それ自体が知られている方法によって調製することができ、その方法はたとえば、Houben−Weyl著、「Methoden der organischen Chemie」、Thieme−Verlag、Stuttgartなど、有機化学の標準の著作に記載されている。典型的な例が、たとえば、WO93/22397号、欧州特許0261 712号、ドイツ特許第19504224号、ドイツ特許第4408171号、およびドイツ特許第4405316号に記載されている。これらの開示全体を参照により本出願に組み込む。しかし、これらの文書に記載されている化合物は、例とみなすべきものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0070】
特に有用な、キラルな一反応性の重合性メソゲン化合物およびアキラルな一反応性の重合性メソゲン化合物を表す例を、以下の化合物リストに示す。しかしこれは、実例として挙げるべきものにすぎず、本発明を説明するものであって限定するものではない。
【0071】
【化6】
Figure 0004119716
【0072】
【化7】
Figure 0004119716
【0073】
有用な、二反応性の、キラルな重合性メソゲン化合物およびアキラルな重合性メソゲン化合物の例を、以下の化合物リストに示す。しかしこれは、実例として挙げるべきものにすぎず、本発明を説明するものであって限定するものではない。
【0074】
【化8】
Figure 0004119716
【0075】
上記の式、Va〜Vp、VIa〜VIeで、Pは、重合可能な基、好ましくは、アクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、またはスチリル基であり、xおよびyは、それぞれ独立に、1〜12であり、Aは、任意にL1で一置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンであり、vは0または1であり、Z0は、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、または単結合であり、Yは極性基であり、Terは、たとえば、メンチルのようなテルペノイドラジカルであり、Cholは、コレステリル基であり、R7は、非極性のアルキルまたはアルコキシ基であり、L1およびL2は、それぞれ独立に、H、F、Cl、CN、または任意にハロゲン化されていてもよい炭素数1〜7のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、もしくはアルコキシカルボニルオキシ基である。
【0076】
ここで、用語「極性基」は、F、Cl、CN、NO2、OH、OCH3、OCN、SCN、フッ素化されていてもよい炭素数4個までカルボニルもしくはカルボキシル基、またはモノ−、オリゴ−またはポリ−フッ素化されていてもよい炭素数1〜4個のアルキルもしくはアルコキシ基から選択された基を意味する。用語「非極性基」は、1個または複数、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、または2個以上、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
【0077】
重合可能なキラルLC材料の重合は、その材料が熱放射または化学線に曝されることにより起こる。化学線は、UV光線、IR光線、可視光線のような光線の照射、X線もしくはγ線の照射、またはイオンや電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。重合は、光照射、特にUV照射によって実施するのが好ましい。化学線照射源として、たとえば、単一のUVランプまたは1組のUVランプを使用することができる。ランプの出力を強くして使用すると、硬化時間を縮小することができる。考えられる別の光照射源は、たとえば、UVレーザ、IRレーザ、または可視レーザのようなレーザである。重合に使用する光照射源は、重合可能なLC材料のキラリティを変化させるために使用したのと同じ波長のもの、特に同じ波長および強度のものであることが好ましい。
【0078】
重合は、化学線の波長で吸収を行う開始剤の存在下で実施する。たとえば、UV光線で重合させる場合、UV照射を受けると分解して、重合反応を開始させる遊離基またはイオンを生じる光開始剤を使用することができる。アクリレート基またはメタクリレート基を有する重合可能なメソゲンを硬化させる場合、ラジカル光開始剤を使用することが好ましく、ビニル基およびエポキシド基を有する重合可能なメソゲンを硬化させる場合、カチオン光開始剤を使用することが好ましい。加熱されると分解して、重合を開始させる遊離基またはイオンを生じる重合開始剤を使用することも可能である。ラジカル重合用の光開始剤として、たとえば、市販のイルガキュア(登録商標)651、イルガキュア(登録商標)184、ダロキュア(登録商標)1173、またはダロキュア(登録商標)4205(発売元:すべてCiba Geigy AG)を使用することができ、カチオン光重合の場合には、市販のUVI6974(Union Carbide)を使用することができる。重合可能なLC材料は、重合開始剤を、好ましくは0.01〜10%、非常に好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜3%含む。UV光開始剤、特にラジカル系UV光開始剤が好ましい。上述のように、光開始剤は、キラル材料が酸素の存在下で重合しないまたはよく重合しないものを選択することもできる。たとえば、空気中での重合が必要とされる場合は、イルガキュア(登録商標)907を使用することが好ましいが、空気中でよく重合しない材料にはイルガキュア(登録商標)369を使用する。
【0079】
硬化時間はとりわけ、重合可能なメソゲン材料の反応性、被覆された層の厚さ、重合開始剤のタイプ、およびUVランプの出力に依存する。本発明による硬化時間は、好ましくは10分以下、特に好ましくは5分以下、さらに特に好ましくは2分未満の長さである。大量生産では、3分以下、非常に好ましくは1分以下、特に30秒以下の硬化時間が好ましい。
【0080】
本発明の重合可能な液晶混合物は、追加として、たとえば、触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、抑制剤、共反応性モノマー(co−reacting monomers)、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、染料、または顔料など、1種または複数の他の適切な化合物を含んでもよい。
【0081】
重合体の架橋を増強させるために、二官能性または多官能性の重合可能メソゲン化合物の代わりに、またはそれに加えて、最高で20%の、2個以上の重合可能な官能基を有する非メソゲン化合物を重合可能なLC材料に加えて、重合体の架橋を増強させることも可能である。二官能性の非メソゲン単量体の典型例は、1〜20個のC原子のアルキル基を有するジアクリル酸アルキルまたはジメタクリル酸アルキルである。2個を超える重合可能な基を有する非メソゲン単量体の典型例は、トリメチルプロパントリメタクリラートまたはペンタエリトリトールテトラアクリラートである。
【0082】
別の好ましい実施形態では、重合可能材料の混合物は、70%までの、好ましくは3〜50%の、1個の重合可能な官能基を有する非メソゲン化合物を含む。一官能性の非メソゲン単量体の典型例は、アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルである。
【0083】
この異方性重合体フィルムは、基板があってもなくても使用することができる。基板として、たとえば、ガラス基板、水晶基板、プラスチックフィルム、プラスチックシート、または金属面のような、あらゆるタイプの材料が使用できる。この異方性重合体フィルムは、反射色の視認性を向上させるために、暗色または黒色の基板に張り付けることが好ましい。
【0084】
この異方性重合体フィルムは、所望の基板上に直接設けることができ、あるいは、補助基板上に設け、重合後にこれを取り外し、次いで所望の基板上に積層することもできる。
【0085】
この異方性重合体フィルムは、たとえば、金属層、金属被覆した層、エンボスフィルム、ホログラム箔、キネグラム箔、ホットスタンプ箔、真珠光沢顔料、または干渉顔料のような、追加のセキュリティまたは装飾の特徴を備えていてもよい、反射する表面または基板に張り付けてもよく、透明な結合剤中に金属顔料、金属被覆顔料、真珠光沢顔料、または干渉顔料を含む層に張り付けてもよい。しかし、暗色の基板が好ましい。
【0086】
この異方性重合体フィルムはまた、光学位相シフト層または遅延層に積層して、フィルムで反射された光の位相シフトを引き起こすこともできる。たとえば、フィルムを透過した波長のおよそ0.25倍の正味の遅延を示す4分の1波長フィルムまたはホイル(QWF)のようなものに積層することができる。QWFを利用する場合、フィルムに反射された円偏光が直線偏光に変換され、特定の適用分野により適したものにすることができる。この実施形態は、異なるねじれ方向を有する領域が、互いに直交する方向に直線偏光し、それでも直線偏光子を通して見たときに隠れたイメージをもたらす特徴も有する。
【0087】
遅延層として、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ジアセチルセルロース(DAC)、またはトリアセチルセルロース(TAC)のような一軸または二軸延伸または圧縮した等方性重合体フィルムを使用することが可能である。
【0088】
ガラス化LC材料、重合LC材料、または架橋LC材料を含む位相シフト層または位相遅延フィルムを使用することも可能である。たとえば、位相シフトフィルムは、たとえばWO98/04651号に記載されているように、平面配向の、すなわちそのメソゲン基が層の平面に平行に配向された重合LC材料を含んでも、たとえばWO98/12584号に記載されているように、傾斜配向の、すなわちそのメソゲン基が層の平面に斜角で配向された重合LC材料を含んでもよい。両方の文書の開示全体を、参照により本出願に組み込む。遅延層は、光透過性結合剤中に分散した光遅延材料の小板形微片を含んでもよい。
【0089】
望むなら、本発明による異方性重合体フィルムは、キラル液晶層の上層に円偏光子を含んでもよい。そうすると、ねじれ方向が異なり、反射色が同じである異なる区域の隠れたパターンが、離れた偏光子を使用せずに直接目に見える。
【0090】
本発明による異方性重合体フィルムは、セキュリティマークおよびセキュリティ糸を調製するためのホットスタンプ箔またはホログラム箔としての使用に特に適している。ホログラム層の調製方法は、たとえば、米国特許第4,588,664号に記載されており、この開示全体を参照により本出願に組み込む。液晶材料を含むホットスタンプ箔およびその調製方法は、未公開の英国特許出願GB0029163号に記載されている。
【0091】
本発明による異方性重合体は、上述の特定の製造プロセスのために、見る角度に依存的な一様な色を呈し、さらに可視イメージもしくはパターン、および/または任意選択で見えるようにすることができる隠れたイメージもしくはパターンを示す。これらは、たとえば、パターン化した偏光子、偏光ビームスプリッター、カラーフィルターのような光学素子として、あるいは装飾またはセキュリティの用途では隠れたまたは可視のイメージまたはパターンとして使用することができる。
【0092】
好ましい適用例は、認証し、かつ有価証券の偽造を防止するためのセキュリティマーク、および/または、たとえば、IDカード、クレジットカード、シール、証紙、IDタグ、銀行券、免許状、株券、小切手、チケット、関税書類、もしくは他の有価証券の隠れたイメージ、情報、もしくはパターンを識別するためのセキュリティマークである。本発明の異方性重合体フィルムは、銀行券または有価証券の偽造防止セキュリティ糸またはホログラムに、あるいはそれ自体として使用するのに特に適し、たとえば偏光を通して見たときにセキュリティマークが現れ、それにより銀行券の認証が容易になる。
【0093】
さらに、異方性重合体フィルムは、消費者製品もしくは家庭用品、ホイル類、包装材料、衣料、または織物に適用することも、プラスチックに組み込むこともできる。
【0094】
さらに詳述はしないが、これまでの記述を行使する当分野の技術者には、本発明を最も完全な程度まで活用することができると考える。したがって、以下の実施例は、単に例示的なものにすぎず、いかなる形でもこの開示の残りの部分を限定するものではないと解釈すべきである。
【0095】
これまでの記述および以下の実施例において、別段の指示がない限り、温度はすべて補正なしで摂氏で記載し、部および百分率はすべて重量で記載する。
【0096】
【実施例】
実施例1
以下の重合可能な混合物を調製した。
【0097】
化合物(A) 3.99%
化合物(B) 6.82%
化合物(C) 1.00%
化合物(D) 0.98%
化合物(E) 3.96%
TPO 1.45%
トルエン 81.81%
【0098】
【化9】
Figure 0004119716
【0099】
化合物(A)および(B)は、英国特許第2,280,445号に記載されている。化合物(C)は、D.J.Broer等のMakromol.Chem.、第190巻、3201〜3215ページ(1989年)に記載の方法にしたがって、あるいはそれと同様にして調製することができる。化合物(D)は、英国特許第2,328,207号に記載されている。化合物(E)は、P.van de Witte等のLiq.Cryst.24(1998年)、819〜27ページに記載されている。TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、商標ルシリン(登録商標)TPO)は、市販の光開始剤(販売元:BASF AG)である。
【0100】
溶液を金属被覆した黒いPET基板に被覆して、厚さ24ミクロンの湿った被覆を形成した。溶媒が蒸発しきるまで被覆を室温に放置して、厚さ4ミクロンのフィルムを得た。このフィルムは、非偏光下でまたは左回りの円偏光子を通して見ると光沢のある赤色を示す。このフィルムを右回りの円偏光子を通して見ると、色は見えない。
【0101】
次いで、乾燥フィルムの選択した部分に、12ミクロンの透明PETフィルムを張り付けた。PETフィルムが酸素遮断材として働いて、フィルムの積層部分での光重合を促進する。次いでそのフィルムを、水銀灯を使用して、30mW/cm2の強度で20秒間照射した。その時点で、積層の下ではフィルムが硬化したが、保護されていない区域は、空気中の酸素によって重合プロセスが妨げられるので硬化しなかった。
【0102】
次いで、上述の透明PETフィルムを、予め保護しなかった区域に張り付け、さらに上述のように照射を行った。次いでPET層を取り外して、最終の被覆フィルムを得た。
【0103】
最終のフィルムは、一様な赤色である。右回りの円偏光子を通して見ると、最初の照射ステップで保護されなかった区域にだけ色が見える。左回りの円偏光子を通して見ると、最初の照射ステップで保護された区域にだけ色が見える。
【0104】
この技術によって、コレステリック液晶フィルムの単層被覆に、隠れた図案または字句を導入することが可能である。
【0105】
上述の実験は、本発明の代表例にすぎず、本発明を限定するものではない。キラルドープ剤の濃度を加減することにより、他の色も可能である。着色した背景に着色した字句が示され、両方の色が異なる対象性の偏光を反射する可能性もあり得る。
【0106】
レーザを使用することにより、被覆した製品に図案を導入し、次いで1枚のラミネート層をフィルム全体に張り付けてから照射することが可能である。
【0107】
前述の実施例で使用したものに代えて、包括的または具体的に記載した本発明の反応物および/または実施条件を使用することにより、前述の実施例を繰り返し、同様の結果を得ることができる。
【0108】
これまでの記述から、当分野の技術者は、本発明の本質的な特質を容易に突き止めることができ、その意図および範囲から逸脱することなく、本発明を様々に変更および改良して、様々な用法および条件に適合させることができる。

Claims (22)

  1. らせん軸がフィルムの平面にほぼ垂直に配向された、らせんねじれ構造の重合キラル液晶材料を含み、他の少なくとも1つの区域と異なるらせんねじれ方向を有する少なくとも1つの区域を含む異方性重合体フィルム。
  2. ねじれ方向の異なる区域が実質的に同じ反射波長を有する請求項1記載の異方性重合体フィルム。
  3. キラル液晶材料がコレステリック液晶材料である請求項1または2記載の異方性重合体フィルム。
  4. キラル材料中で所定のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間で変換可能な少なくとも1種の第1のキラル化合物であって、そのキラル化合物の変換が光照射で誘発できるキラル化合物と、
    キラル材料中で前記第1のキラル化合物と逆のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、前記第1のキラル化合物と同じ条件下では、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間の変換ができない少なくとも1種の第2のキラル化合物とを含む重合可能なキラル液晶材料の層を設け、
    前記層の選択した領域を、前記第1キラル化合物のキラリティの程度を変化させる光線で照射し、
    そして前記選択した領域を重合させることによって得られる請求項1から3のいずれか一項記載の異方性重合体フィルム。
  5. 前記第1のキラル化合物が光異性化可能なキラル化合物であり、前記第2のキラル化合物が異性化不能なキラル化合物である請求項4記載の異方性重合体フィルム。
  6. キラル液晶材料の重合を前記第1のキラル化合物のねじれ力を変化させる光照射により開始する請求項4または5記載の異方性重合体フィルム。
  7. キラル液晶材料を熱重合によって重合させる請求項4または5記載の異方性重合体フィルム。
  8. 重合可能なキラル液晶材料、酸素の存在下では、重合が妨げられるものであって、重合可能な材料の選択した領域が酸素の存在下にて第1のキラル化合物のキラリティを変化させる光線で照射され、その後、選択した領域または材料の全体が酸素不在下で重合させられる請求項4から7のいずれか一項記載の異方性重合体フィルム。
  9. 重合可能な材料の選択した領域の照射がフォトマスクを介して行われる請求項8記載の異方性重合体フィルム。
  10. 重合可能な材料の選択した領域の照射が精密に焦点を合わせた放射源によって行われる請求項8記載の異方性重合体フィルム。
  11. 酸素の存在下で実施する以下のステップ、すなわち、
    A)酸素の存在下で重合せず、請求項4で定義した第1および第2のキラル化合物を含む光重合可能なキラル液晶材料の層を設けるステップと、
    B)1)前記層の選択した区域を、酸素遮断性であってかつ光照射に対して透過性の基板で覆い、第1キラル化合物のねじれ力を変化させる光によりその層を照射し、キラルな重合可能材料の重合を開始するステップと、
    2)前のステップで基板で覆わなかった層の少なくとも1つの区域で、ステップB1の手順を1または複数回繰り返すステップとを
    含む工程で得られる請求項4から8のいずれか一項記載の異方性重合体フィルム。
  12. らせん状にねじれた構造を有し、他の少なくとも1つの区域と異なるらせんねじれ方向を有する少なくとも1つの区域を含む異方性重合体フィルムの製造方法であって、
    キラル材料中で所定のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間で変換可能な少なくとも1種の第1のキラル化合物であって、そのキラル化合物の変換が光照射で誘発できるキラル化合物と、キラル材料中で前記第1のキラル化合物と逆のねじれ方向のらせんねじれを誘発し、前記第1のキラル化合物と同じ条件下では、異なるねじれ力を有する少なくとも2つの状態の間の変換ができない少なくとも1種の第2のキラル化合物とを含む重合可能なキラル液晶材料の層を設ける工程と、
    前記層の選択した領域を、前記第1キラル化合物のキラリティの程度を変化させる光線で照射する工程と、
    前記選択した領域を重合させる工程と
    を有する異方性重合体フィルムの製造方法。
  13. 前記第1のキラル化合物が光異性化可能なキラル化合物であり、前記第2のキラル化合物が異性化不能なキラル化合物である請求項12記載の製造方法。
  14. キラル液晶材料の重合を前記第1のキラル化合物のねじれ力を変化させる光照射により開始する請求項12または13記載の製造方法。
  15. キラル液晶材料を熱重合によって重合させる請求項12または13記載の製造方法。
  16. 重合可能なキラル液晶材料は、酸素の存在下では、重合が妨げられるものであって、重合可能な材料の選択した領域に、酸素の存在下にて第1のキラル化合物のキラリティを変化させる光線で照射し、その後、選択した領域または材料の全体を酸素不在下で重合させる請求項12〜15のいずれか一項記載の製造方法。
  17. 重合可能な材料の選択した領域の照射を、フォトマスクを介して行う請求項16記載の製造方法。
  18. 重合可能な材料の選択した領域の照射を、精密に焦点を合わせた放射源によって行う請求項16記載の製造方法。
  19. 酸素の存在下で、
    A)酸素の存在下で重合せず、請求項12で定義した第1および第2のキラル化合物を含む光重合可能なキラル液晶材料の層を設けるステップと、
    B)1)前記層の選択した区域を、酸素遮断性であってかつ光照射に対して透過性の基板で覆い、第1キラル化合物のねじれ力を変化させる光線によりその層を照射し、キラルな重合可能材料の重合を開始するステップと、
    2)前のステップで基板で覆わなかった層の少なくとも1つの区域で、ステップB1の手順を1または複数回繰り返すステップとを
    有する請求項12〜16のいずれか一項記載の製造方法。
  20. 光学素子、装飾、またはセキュリティの適用分野における、請求項1から11のいずれか一項記載の異方性重合体フィルムの使用。
  21. 請求項1から11のいずれか一項記載の異方性重合体フィルムを含むセキュリティ、認証、または識別用のマークまたはデバイス。
  22. 請求項21記載のセキュリティ、認証、または識別用のマークまたはデバイスを備える有価証券。
JP2002278822A 2001-09-25 2002-09-25 異方性重合体フィルム Expired - Fee Related JP4119716B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP01122567.9 2001-09-25
EP01122567 2001-09-25

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003192808A JP2003192808A (ja) 2003-07-09
JP4119716B2 true JP4119716B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=8178676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002278822A Expired - Fee Related JP4119716B2 (ja) 2001-09-25 2002-09-25 異方性重合体フィルム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6953611B2 (ja)
JP (1) JP4119716B2 (ja)
AT (1) ATE420150T1 (ja)
DE (1) DE60230707D1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE401383T1 (de) * 2000-11-20 2008-08-15 Merck Patent Gmbh Chirale photoisomerisierbare verbindungen
WO2004002935A1 (en) * 2002-06-28 2004-01-08 Koninklijke Philips Electronics N.V. Chiral dopant with phenylethanediol functionality
DE60312276T2 (de) * 2002-10-01 2007-11-15 Nippon Oil Corp. (Meth)acrylverbindung mit einer Oxetanylgruppe und damit hergestellter Flüssigkristallfilm
WO2005019379A1 (en) * 2003-08-26 2005-03-03 Merck Patent Gmbh Polymer film with twist pattern
US7936426B2 (en) * 2004-07-28 2011-05-03 Merck Patent Gmbh Transflective LCD comprising a patterned retardation film
JP4446444B2 (ja) * 2004-11-22 2010-04-07 日東電工株式会社 偽造防止機能付シートの製造方法、物品、認証カード、バーコードラベル、及び認証システム
FR2890396B1 (fr) * 2005-09-08 2009-01-23 Centre Nat Rech Scient Procede d'elaboration d'un materiau a cristaux liquides a taux de reflexion accru
ATE526384T1 (de) * 2006-06-27 2011-10-15 Asahi Glass Co Ltd Flüssigkristalline zusammensetzung, flüssigkristallines optisches element und verfahren zur herstellung eines flüssigkristallinen optischen elements
JP5560525B2 (ja) * 2007-12-26 2014-07-30 旭硝子株式会社 液晶組成物及び液晶組成物の製造方法、並びに、液晶素子及び液晶素子の製造方法
CN104403677B (zh) * 2014-12-15 2016-08-24 京东方科技集团股份有限公司 一种液晶混合物、图案化相位延迟膜及制备方法、显示装置
US11274252B2 (en) * 2015-12-15 2022-03-15 Merck Patent Gmbh Mixed left/right chiral liquid crystal for improved switching speed and tunability for RF devices
US10353287B1 (en) * 2016-05-02 2019-07-16 Yingqiu Jiang Methods of producing multicolor images in a single layer of cholesteric liquid crystal polymer
JPWO2019013284A1 (ja) * 2017-07-12 2020-03-19 富士フイルム株式会社 液晶組成物、反射層の製造方法、反射層、硬化物、光学異方体
CN111902749B (zh) * 2018-03-23 2022-09-20 富士胶片株式会社 胆甾醇型液晶层的制造方法、胆甾醇型液晶层、液晶组合物、固化物、光学各向异性体、反射层
KR20220098776A (ko) * 2019-12-26 2022-07-12 후지필름 가부시키가이샤 콜레스테릭 액정층의 제조 방법
JPWO2023032644A1 (ja) * 2021-08-30 2023-03-09

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE261712C (ja)
US4588664A (en) 1983-08-24 1986-05-13 Polaroid Corporation Photopolymerizable compositions used in holograms
EP0292244B1 (en) 1987-05-18 1993-08-11 Canon Kabushiki Kaisha Polymeric liquid crystal composition and liquid crystal device
JP2741547B2 (ja) * 1988-12-30 1998-04-22 キヤノン株式会社 主鎖型カイラルスメクチック高分子液晶、高分子液晶組成物および高分子液晶素子
US5210630A (en) * 1989-10-18 1993-05-11 U.S. Philips Corporation Liquid-crystal display device
JP2721284B2 (ja) * 1991-02-07 1998-03-04 株式会社東芝 液晶表示素子および光学異方素子
WO1993022397A1 (en) 1992-04-27 1993-11-11 Merck Patent Gmbh Electrooptical liquid crystal system
DE4405316A1 (de) 1994-02-19 1995-08-24 Basf Ag Neue polymerisierbare flüssigkristalline Verbindungen
DE19504224A1 (de) 1994-02-23 1995-08-24 Merck Patent Gmbh Flüssigkristallines Material
DE4408171A1 (de) 1994-03-11 1995-09-14 Basf Ag Neue polymerisierbare flüssigkristalline Verbindungen
US5619352A (en) * 1994-04-04 1997-04-08 Rockwell International Corporation LCD splay/twist compensator having varying tilt and /or azimuthal angles for improved gray scale performance
US5668614A (en) 1995-05-01 1997-09-16 Kent State University Pixelized liquid crystal display materials including chiral material adopted to change its chirality upon photo-irradiation
EP0756193B1 (de) * 1995-07-28 2016-02-17 Rolic AG Verfahren zur Erzeugung von Kippwinkeln in photoorientierten Polymernetzwerkschichten
CN1103776C (zh) 1996-07-01 2003-03-26 默克专利股份有限公司 手性掺杂剂和包含它的液晶材料和聚合物膜
TW472081B (en) 1996-09-17 2002-01-11 Merck Patent Gmbh Optical retardation film
TW523621B (en) 1997-06-11 2003-03-11 Koninkl Philips Electronics Nv Multi-domain liquid-crystal display device
US6569502B1 (en) * 1998-06-24 2003-05-27 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising substrate, orientation layer and optically anisotropic layer
TW394852B (en) * 1998-08-26 2000-06-21 Merck Patent Gmbh Reflective film
DE69909925D1 (de) * 1998-10-02 2003-09-04 Merck Patent Gmbh Chirale Verbindungen
US6459847B1 (en) * 1998-12-07 2002-10-01 Koninklijke Philips Electronics N.V. Patterned layer of a polymer material having a cholesteric order
US6466297B1 (en) * 1999-07-02 2002-10-15 Merck Patent Geselleschaft Mit Beschrankter Haftung Method of preparing a broadband reflective polarizer
KR100675997B1 (ko) * 1999-07-02 2007-01-29 메르크 파텐트 게엠베하 다층 콜레스테릭 필름의 제조 방법
ATE401383T1 (de) 2000-11-20 2008-08-15 Merck Patent Gmbh Chirale photoisomerisierbare verbindungen

Also Published As

Publication number Publication date
ATE420150T1 (de) 2009-01-15
JP2003192808A (ja) 2003-07-09
US6953611B2 (en) 2005-10-11
US20030104144A1 (en) 2003-06-05
DE60230707D1 (de) 2009-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4119716B2 (ja) 異方性重合体フィルム
JP4508538B2 (ja) 構造をもった表面を有する基材上に異方性ポリマーフィルムを製造する方法
KR100629999B1 (ko) 반사 필름
US5989461A (en) Circular UV polarizer
JP4562869B2 (ja) 多層コレステリックフィルムを製造する方法i
TWI377223B (en) Biaxial film iii
AU2004291637A1 (en) Method for modifying chiral liquid crystal films with the aid of extracting agents
JP2004528203A (ja) 複屈折マーキング
JP2010033082A (ja) 複屈折マーキング
JP2003279750A (ja) 複屈折フィルム、複屈折フィルムの製造方法、複屈折フィルム物品
KR20040022179A (ko) 위상차 패턴을 갖는 중합된 액정 필름
WO2006002766A1 (en) Biaxial film ii
EP1295929B1 (en) Anisotropic polymer film
EP1336874B1 (en) Method of preparing an anisotropic polymer film on a substrate with a structured surface
US20080261130A1 (en) Process for a Thermal Transfer of a Liquid Crystal Film Using a Transfer Element
JP2011095748A (ja) 重合性液晶またはメソゲン材料の平面配列のための配列層
KR101114641B1 (ko) 광대역 반사 필름
JP2004524586A (ja) 液晶デバイス
JP5301083B2 (ja) コレステリックフィルムおよびホメオトロピック配向膜
US20040126503A1 (en) Process for laser marking of a liquid crystal film
AU2002257737A1 (en) Lquid crystal device exhibiting optical properties which are changeable after assembly

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050922

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070801

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071004

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees