JP4119664B2 - 表裏反転装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、証券等の紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特開平9−81829号公報に開示された技術がある。この公報に記載された表裏反転装置は、紙幣の搬送方向に延在する回転自在な切替ブレードを有している。そして、反転処理が必要な紙幣が搬送された場合には、切替ブレードが紙幣の搬送方向に対して平行になり、紙幣は切替ブレード上を搬送されて、搬送路外に排出される。このようにして搬送路外に排出された紙幣は、所定位置で一旦停止される。そして、切替ブレードを所定の角度だけ傾けた後、紙幣を逆方向(切替ブレードの方向)へ搬送することにより、紙幣はその後端側から搬送路に戻され、紙幣の表裏反転が完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の表裏反転装置には、次のような課題が存在している。すなわち、搬送中の紙幣を反転時に一旦停止させるため、紙幣の表裏反転にかかる処理時間が長くならざるを得ず、高速処理の弊害となっていた。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、紙葉類の表裏反転を短時間で確実にすることができる表裏反転装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表裏反転装置は、搬送路上を搬送される紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置において、紙葉類の搬送方向に延在する曲面をもった反転部材と、一部が反転部材の曲面に沿うようにして、反転部材の長手方向に対し斜めに掛けられた搬送ベルトと、搬送ベルトを駆動させる駆動手段と、搬送ベルトと反転部材とで挟まれて、反転部材の曲面に巻き付けられながら反転部材の長手方向に搬送される紙葉類の表面を摺動案内するガイド手段とを備え、ガイド手段は、紙葉類の端部が接するU字状の第1のガイド面を有し、この第1のガイド面によって紙葉類の端部の動きを規定しながら、紙葉類の端部を、紙葉類の自転方向に湾曲させる第1のガイド部を備えたことを特徴とする。
【0006】
この表裏反転装置においては、駆動手段により搬送ベルトが駆動されている状態で紙葉類が搬入されると、紙葉類は搬送ベルトと反転部材との間に挟まれて、搬送ベルトの移動に追従して搬送方向に移動する。このとき、搬送ベルトは、反転部材の長手方向に対して斜めに沿うように曲面に掛けられているため、紙葉類は、曲面に巻き付けられながら搬送されると共に、自転しながら表裏反転されることになる。このような表裏反転装置においては、紙葉類を搬送しながらの表裏反転を可能にし、紙葉類の表裏反転にかかる処理時間を短縮させている。また、表裏反転の際、ガイド手段によって紙葉類の表面を摺動案内させることで、搬送途中における紙葉類の動きを規制しながら紙葉類を確実に表裏反転させることが可能になる。
そして、ガイド手段は、紙葉類の端部が接するU字状の第1のガイド面を有する第1のガイド部を備えるため、紙葉類の端部は、紙葉類の自転にあわせて第1のガイド面上を摺動案内される。それにより、紙葉類の端部の動きを規定しながら、紙葉類の端部をその自転方向に湾曲させることができる。したがって、紙葉類の端部が反転に追従しにくいコシのない紙葉類であっても確実に表裏反転させることができる。
【0007】
また、ガイド手段は、第1のガイド部と反転部材との間で、搬送方向に沿って装填された第2のガイド部をさらに備え、第2のガイド部は、反転部材の曲面に沿って捻られながら長手方向に延在する第2のガイド面を有することが好ましい。この場合、紙葉類は、第1のガイド部と第2のガイド部との隔間に沿って摺動案内される。そのため、折れクセのついた紙葉類や、コシのない紙葉類であっても、コシのある紙葉類と略同様の動きを可能にし、紙葉類を更に確実に表裏反転させることができる。
【0009】
また、ガイド手段は、反転部材の搬出側で、紙葉類の搬送方向に沿って延在する第3のガイド部をさらに備え、第3のガイド部は、反転後の紙葉類を下から支持する第3のガイド面を有することが好ましい。この場合、反転部材から排出した紙葉類は、第3のガイド面による広げられた状態の支持を可能にし、この第3のガイド部は、紙葉類を後処理工程に送り込む際に利用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る表裏反転装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、表裏反転装置10は、2枚の平行な側板11A,11Bと、この両側板11A,11Bの上端部でボルト固定された3本の梁部12とからなる金属製の筐体13を有している。なお、梁部12は、互いに平行であると共に、所定間隔だけ離間されて、両側板11A,11Bの平行を保っている。そして、筐体13内には、紙葉類(例えば、紙幣やカード類)14を側板11A,11Bの延在方向に搬送する反転搬送手段15が設けられている。この反転搬送手段15は、紙葉類14の搬送方向に延在する円筒状の反転部材16と、この反転部材16に一部が掛けられた無端の搬送ベルト17とにより構成されている。この搬送ベルト17は、反転部材16の軸線(長手)方向に対して斜めに沿うように、反転部材16の周面(曲面)16aに対し斜めに掛けられている。
【0012】
また、搬送ベルト17は、軸線方向に延在させながら反転部材16の周面16aの約半周に亘って巻き付くように掛けられている。そして、搬送ベルト17は、反転部材16の搬入側においては周面16aの上部に位置し、反転部材16の搬出側においては周面16aの下部に位置する。さらに、水平面に対する反転部材16の傾斜角αは、反転部材16の前後において、紙葉類14の搬入高さ位置と搬出高さ位置とを一致させる角度となっている。それにより、表裏反転装置10の上流側又は下流側において、搬送路の高さ位置を調整する必要がない。
【0013】
反転部材16に巻き付けられていない部分の搬送ベルト17は、搬送される紙葉類14と接触しないように反転部材16から所定距離だけ離間させる必要がある。そこで、筐体13内には、搬送ベルト17を反転部材16から上下方向に離間させて案内する7個のガイドローラ18が設けられており、各ガイドローラ18のローラ軸18aは、筐体13に固定された複数の支持部材19により保持されている。
【0014】
なお、反転部材16は、長手方向において、搬入側よりも搬出側の方が低くなるように傾斜されてもよい。この場合には、搬送ベルト17を、反転部材16の搬入側においては周面16aの下部に位置させ、反転部材16の搬出側においては周面16aの上部に位置させる。それにより、搬入側よりも搬出側の方が低くなるように反転部材16を傾斜させた場合であっても、紙葉類14の搬入高さ位置と搬出高さ位置を一致させることができる。
【0015】
さらに、搬送ベルト17に対し下から押し当てられた2つのテンションローラ20の間に駆動ローラ21を配置させ、この駆動ローラ21は、搬送ベルト17に押し当てられている。この駆動ローラ21は、減速ギア列22を介して駆動モータ23と回転接続されている。また、駆動モータ23は図示しない電源に接続され、駆動モータ23は、減速ギア列22を介して駆動ローラ21を連続的に回転させながら搬送ベルト17を連続的に駆動させる。
【0016】
また、反転搬送手段15の紙葉搬入側において、側板11A,11Bには、紙葉類14を上下から挟んで搬送する5対の搬入ローラ24Aがローラ軸25Aを介して取り付けられている。また、3対の搬入ローラ24Bが取り付けられたローラ軸25Bは、紙葉類14の搬送方向に沿ってローラ軸25Aに並列する。この3対の搬入ローラ24Bは、搬入ローラ24Aとの協働によって、紙葉類14を反転搬送手段15内に確実に搬入させるためのものである。
【0017】
また、搬送ベルト17の下方には、紙葉類14Aを反転させずに表裏反転装置10を通過させるためのスルーパス搬送路26が形成され、反転搬送手段15とスルーパス搬送路26との間には、両側板11A,11B間に渡された隔離壁26aが設けられている。このスルーパス搬送路26は、この搬送路26に搬入される紙葉類14Aの搬送方向に沿って並列されて、上下方向で対向させた複数対の搬送ローラ27と、これらの搬送ローラ27のうち、上側の搬送ローラ27にのみ架け渡された上無端ベルト28と、下側の搬送ローラ27にのみ架け渡された下無端ベルト29とで構成されている。このスルーパス搬送路26において、紙葉類14は、上無端ベルト28と下無端ベルト29とによって挟まれながら搬送される。
【0018】
なお、表裏反転装置10の上流側には仕分装置(図示せず)が設けられている。そして、この仕分装置によって、反転の必要があると判断された紙葉類14は反転搬送手段15側の搬送路に図2の矢印A方向から搬入され、反転の必要がないと判断された紙葉類14Aはスルーパス搬送路26に図2の矢印B方向から搬入される。また、搬送ローラ27は、隔離壁26a上に搭載された搬送モータ30によって駆動される。
【0019】
次に、反転搬送手段15によって紙葉類14を表裏反転させる動作について、図3を参照しつつ説明する。
【0020】
まず、反転部材16の紙葉搬入側から搬送方向(図3の矢印C方向)に紙葉類14が搬入されると、紙葉類14は、その前端部14aの略中央付近を反転部材16と搬送ベルト17とによって挟み込まれる。そして、紙葉類14と搬送ベルト17との摩擦により、紙葉類14は、搬送ベルト17に引き連れられて反転部材16の周面16a上を摺動しながら搬送される。そして、前述したように、搬送ベルト17の一部は、約半周に亘って反転部材16に巻き付けられているため、紙葉類14は、反転部材16と搬送ベルト17とに挟まれた状態を維持しながら、搬送ベルト17の駆動に伴って自転しながら反転することになる。また、紙葉類14の両端部14b,14cも、紙葉類14の挟込部分の反転に追従して反転する。そして、紙葉類14が周面16a上に沿って自転しながら半周した時点で、紙葉類14の表裏反転が完了する。なお、表裏反転された紙葉類14は、表裏反転装置10の搬出側から外部に搬出される。
【0021】
さらに、表裏反転装置10は、折れグセのついた紙葉類14やコシのない紙葉類14でも確実に反転させるために、反転搬送手段15によって搬送される紙葉類14を案内するガイド手段31を有している。なお、図1から図3においては、反転搬送手段15の理解を容易にするために、ガイド手段31を省略している。また、以下の説明においては、説明の便宜上、反転前の状態において、搬送方向に向かって右側の端部を紙葉右端部14b、搬送方向に向かって左側の端部を紙葉左端部14cと称する。
【0022】
図4に示すように、反転部材16の周りには、筐体13に固定されたガイド手段31が配置されている。このガイド手段31は、一対のU字状ガイド板(第1のガイド部)32と、一対の帯状ガイド板(第2のガイド部)33と、一対の平板状ガイド板(第3のガイド部)34とで構成されている。以下、U字状ガイド板32、帯状ガイド板33、平板状ガイド板34のそれぞれについて図を参照しつつ説明する。
【0023】
図5に示すように、紙葉類14が搬入される側(搬入側)において、反転部材16を左右で挟むように一対のU字状ガイド板32が配置されている。このU字状ガイド板32は、内側に向けられたU字状の内壁面(第1のガイド面)32aを有している。また、U字状ガイド板32は、紙葉類14の搬送方向において、その内壁面32aの曲面部分が反転部材16に徐々に接近するように配置される。さらに、紙葉類14の搬送方向において、U字状ガイド板32の内壁面32aの曲面部分の曲率は小さくなる(図9(a)〜(c)参照)。
【0024】
それにより、紙葉類14の端部14b,14cは、U字状ガイド板32の内壁面32aに接しながら丸められるようにして移動する。また、左右のガイド板32は、反転部材16を基準にして上下にオフセットするように配置されている(図9参照)。よって、紙葉右端部14bは、丸められながら、反転部材16の下方を通って左方向に移動し続け、紙葉左端部14cは、丸められながら、反転部材16の上方を通って右方向に移動し続ける。さらに、内壁面32aを次第に反転部材16に接近させながら、内壁面32aの曲線部分の曲率を小さくすることで、紙葉類14の端部14b,14cの丸め動作を促進させながら、各端部14b,14cが紙葉類14の反転動作に追従しやすくなる。
【0025】
また、U字状ガイド板32のうち、紙葉右端部14bをガイドするU字状ガイド板(以下、「右側U字状ガイド板」と称す。)32Aにおいて、その上側平面部分の高さ位置は、反転部材16の上端の高さ位置と略同じになるようにレベル調整されている。一方、U字状ガイド板32のうち、紙葉左端部14cをガイドするU字状ガイド板(以下、「左側U字状ガイド板」と称す。)32Bにおいて、その下側平面部分の高さ位置は、反転部材16上端の高さ位置と略同じになるようにレベル調整されている。よって、右側U字状ガイド板32Aの上側の平面部分の高さ位置と、左側U字状ガイド板32Bの下側の平面部分の高さ位置とを略同じにしている。
【0026】
それにより、紙葉右端部14bは、右側U字状ガイド板32Aの内壁面32aに沿って下方向に丸められるように湾曲し、一方、紙葉類14の紙葉左端部14cは、左側U字状ガイド板32Bの内壁面32aに沿って上方向に丸められるように湾曲する(図9(a)〜(c)参照)。すなわち、紙葉類14の端部14b,14cは、紙葉類14の自転に追従するように、その自転方向と略同じ方向に丸められる。このように、紙葉類14の端部14b,14cは、内壁面32aに接する位置で規制され、紙葉類14の端部14b,14cの湾曲状態は、反転部材16の周面16aの形状によって規制される。従って、端部14b,14cが反転に追従しにくいコシのない紙葉類14でも、コシのある紙葉類14と同様に、確実に表裏反転させることができる。
【0027】
次に、帯状ガイド板33について説明する。図6に示すように、一対の帯状ガイド板33は、U字状ガイド板32と反転部材16との間で、紙葉類14の搬送方向に沿って装填されている。さらに、右側U字状ガイド板32Aと反転部材16との間に装填された帯状ガイド板(以下、「右側帯状ガイド板」と称す。)33Aは、この右側帯状ガイド板33Aの上面(帯状ガイド上面)33aが周面16aに沿うように反転部材16の周囲で180度捻られながら、紙葉類14の搬送方向に沿って延在する。一方、左側U字状ガイド板32Bと反転部材との間に装填された帯状ガイド板(以下、「左側帯状ガイド板」と称す。)33Bは、反転部材16の周囲において、紙葉類14の搬送方向に沿って捻られながら延在する。
【0028】
それにより、紙葉反転の際、紙葉右端部14bと紙葉左端部14cとは、U字状ガイド板32と帯状ガイド板33との間の隔間に沿って、丸められながら搬送される。したがって、例えば、折れクセのついた紙葉類や、コシのない紙葉類であっても、反転時においては、コシのある紙葉類と略同様の動きが可能になり、紙葉類14を確実に表裏反転させることができる。
【0029】
次に、平板状ガイド板34について説明する。図7に示すように、反転搬送手段15における紙葉類14が搬出される側(搬出側)では、反転部材16を挟むようにして左右一対の平板状ガイド板34が配置されている。各平板状ガイド板34は、搬出時の紙葉類14がほぼ平行となるように、紙葉類14の搬送方向に延在している。そして、各平板状ガイド板34の上面(平板状ガイド上面)34aは、紙葉類14の搬出時に紙葉類14を下から支持するので、紙葉類14は広げられた状態で搬出される。なお、表裏反転後の紙葉右端部14bと接する平板状ガイド板(以下、「左側平板状ガイド板」と称す。)34Bには、反転部材16の周面16aに沿って、右側U字状ガイド板32Aの近くまで延びる帯状の舌片ガイド部34bが設けられている。したがって、紙葉右端部14bは、右側U字状ガイド板32Aに導かれた後、この舌片ガイド部34b上を摺動しつつ左側平板状ガイド板34Bまで導かれる。
【0030】
次に、反転搬送手段15にガイド手段31が設けられた状態において、紙葉類14の反転動作について図8及び図9を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、反転搬送手段15の搬入側から入ってきた紙葉類14の前端部14aの略中央は、反転部材16と搬送ベルト17とで挟み込まれる。このとき、図9(a)に示すように、紙葉右端部14bは、右側帯状ガイド板33Aの帯状ガイド上面33aに支持され、紙葉左端部14cは、左側U字状ガイド板32Bの内壁面32aの平面部分上面に支持される。このとき、紙葉類14は、略水平に広がった状態となっている。
【0032】
その後、紙葉類14の搬送が進むにつれて、紙葉右端部14bは、右側U字状ガイド板32Aの内壁面32aに接して下方に湾曲し、一方、紙葉左端部14cは、左側U字状ガイド板32Bの内壁面32aに接して上方に湾曲する。このように、紙葉類14の端部14b,14cは、U字状ガイド板32の内壁面32aによって丸められるような状態で、U字状ガイド板32の内壁面32a及び帯状ガイド板33の帯状ガイド上面33aの上を摺動案内されていく。そして、反転搬送手段15によって自転し続ける紙葉類14は、図9(b)に示すように、徐々に右下がりに傾いていく。このとき、紙葉類14の紙葉右端部14bは、右側帯状ガイド板33Aで支持されるように移行し、紙葉類14の紙葉左端部14cは、左側帯状ガイド板33Bで支持されるように移行する。
【0033】
その後、反転搬送手段15によって自転し続ける紙葉類14は、起立しながらS字状に丸められる(図9(c)参照)。自転し続ける紙葉類14は、その後、U字状ガイド板32による案内を必要とせず、紙葉右端部14bは、左側平板状ガイド板34Bの平板状ガイド上面34aによって下から支持される。一方、紙葉左端部14cは、右側帯状ガイド板33Aの下面によって上方への動きが規制されると共に、左側平板状ガイド板34Bの平板状ガイド上面34aによって下から支持される(図9(d)参照)。このとき、右側U字状ガイド板32Aと舌片ガイド部34bとの協働によって、紙葉右端部14bがほぼ連続的に摺動案内され、紙葉類14の搬送途中における屈曲が防止される。
【0034】
反転搬送手段15から搬出される直前において、紙葉左端部14cは、左側帯状ガイド板33Bの案内がなくなって落下すると共に、右側平板状ガイド板34Aによって下から支持される。一方、紙葉右端部14bは、左側平板状ガイド板34Bのみによって摺動案内される。従って、紙葉類14の端部14b,14cは、平板状ガイド板34の平板状ガイド上面34aによって下から支持されることになり、紙葉類14は、反転部材16の下側において略水平に広がった状態になる。このように、搬出時に紙葉類14を水平にしておくことで、例えば、スルーパス搬送路26から搬出された紙葉類14Aとの合流などの後段の処理が容易となる。
【0035】
以上、詳細に説明したように、表裏反転装置10においては、紙葉類14を搬送しながら表裏反転させるため、紙葉類14の表裏反転にかかる処理時間を短縮することができる。また、表裏反転装置10においては、紙葉類14の端部14b,14cは、表裏反転の際、ガイド手段31によってその動きが規制されるため、紙葉類14のコシの強弱にかかわらず、紙葉類14を確実に表裏反転させることができる。
【0036】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、円筒状の反転部材16を用いているが、紙葉類14の表裏を反転させるためには、搬送ベルト17の一部を約半周分だけ案内すれば機能的には十分である。よって、反転部材としては、特に円筒状のものに限らず、紙葉類14の表裏反転を可能にする曲面を有するものであればよい。
【0037】
また、上記実施形態では、表裏反転装置10の搬入側と搬出側の高さ位置をあわせるべく、反転部材16を水平面に対して傾斜するように配置したが、紙葉類14の搬送路等によっては、反転部材16を水平方向に延在するように配置してもよい。さらに、上述した表裏反転装置10において、反転部材16の周面16aと搬送ベルト17との間に、搬送ベルト17の摺動を確保するための部材(例えば、コロなど)を設けることにより、搬送ベルト17の摩耗を防止できるような構造とすることも可能である。
【0038】
また、ガイド部材は、板状の部材に限らず、ガイド面を有する肉厚の部材であってもよい。さらに、ガイド手段は、適宜、複数のガイド手段を合体させることにより、一つのガイド手段として設けられてもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る表裏反転装置は、搬送路上を搬送される紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置において、紙葉類の搬送方向に延在する曲面をもった反転部材と、一部が反転部材の曲面に沿うようにして、反転部材の長手方向に対し斜めに掛けられた搬送ベルトと、搬送ベルトを駆動させる駆動手段と、搬送ベルトと反転部材とで挟まれて、反転部材の曲面に巻き付けられながら反転部材の長手方向に搬送される紙葉類の表面を摺動案内するガイド手段とを備え、ガイド手段は、紙葉類の端部が接するU字状の第1のガイド面を有し、この第1のガイド面によって紙葉類の端部の動きを規定しながら、紙葉類の端部を、紙葉類の自転方向に湾曲させる第1のガイド部を備えるため、紙葉類の表裏反転を短時間で確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表裏反転装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示した表裏反転装置のII−II線断面図である。
【図3】図1に示した反転搬送手段の斜視図である。
【図4】反転搬送手段の周囲に配設したガイド手段を示す斜視図である。
【図5】U字状ガイド板を示す斜視図である。
【図6】帯状ガイド板を示す斜視図である。
【図7】平板状ガイド板を示す斜視図である。
【図8】表裏反転装置における切断位置を示す斜視図である。
【図9】図8の各切断位置に対応して示す断面図である。
【符号の説明】
10…表裏反転装置、14…紙葉類、16…反転部材、16a…周面、17…搬送ベルト、23…駆動モータ、31…ガイド手段、32…U字状ガイド板、32a…内壁面、33…帯状ガイド板、33a…帯状ガイド上面、34…平板状ガイド板、34a…平板状ガイド上面。
Claims (3)
- 搬送路上を搬送される紙葉類の表裏を反転させるための表裏反転装置において、
前記紙葉類の搬送方向に延在する曲面をもった反転部材と、
一部が前記反転部材の前記曲面に沿うようにして、前記反転部材の長手方向に対し斜めに掛けられた搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを駆動させる駆動手段と、
前記搬送ベルトと前記反転部材とで挟まれて、前記反転部材の前記曲面に巻き付けられながら前記反転部材の長手方向に搬送される前記紙葉類の表面を摺動案内するガイド手段とを備え、
前記ガイド手段は、前記紙葉類の端部が接するU字状の第1のガイド面を有し、この第1のガイド面によって前記紙葉類の前記端部の動きを規定しながら、前記紙葉類の前記端部を、前記紙葉類の自転方向に湾曲させる第1のガイド部を備えたことを特徴とする表裏反転装置。 - 前記ガイド手段は、前記第1のガイド部と前記反転部材との間で、搬送方向に沿って装填された第2のガイド部をさらに備え、前記第2のガイド部は、前記反転部材の前記曲面に沿って捻られながら前記長手方向に延在する第2のガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載の表裏反転装置。
- 前記ガイド手段は、前記反転部材の搬出側で、前記紙葉類の搬送方向に沿って延在する第3のガイド部をさらに備え、前記第3のガイド部は、反転後の前記紙葉類を下から支持する第3のガイド面を有することを特徴とする請求項1又は2記載の表裏反転装置。
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