JP4119096B2 - 回転型光走査光学系のフェールセーフ機構 - Google Patents

回転型光走査光学系のフェールセーフ機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可視光レーザー光線を使用するリヤプロジェクション型表示装置等のフェールセーフ光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光をラスター走査するには、主として印刷用に用いられる回転ポリゴン等が知られている。
【0003】
また、低速の走査を行う用途には、ガルバノミラーが利用されることもある。近年、ガルバノミラーの光源として、3色の可視光を直接走査して、スクリーンに投影することにより、高彩度、低消費エネルギーの表示装置として利用できるため、可視光レーザーを用いることが知られている。
【0004】
前記可視光レーザーを用いる方式では、利用者の目の安全を確保するため、高輝度のレーザー光が直接目に入らないよう工夫がなされる他、光の走査と変調とを高い周波数で駆動させて、利用者の瞳に入る光エネルギー密度を下げるように構成されている。
【0005】
そして、駆動系が立ち上がったり、停止したりする低速駆動時には、光源電源を切断したり、或いは、光路の中に遮蔽物を挿入するように構成されている。
【0006】
なお、全体を遮蔽することにより、回転体に外部から物体が接触することを防止するものとしては、特開平2−79814号公報に記載されている光偏向器等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記可視光レーザーを用いる方式では、光エネルギー密度を下げる他には、能動的に作動して、高輝度のレーザー光が直接目に入らないよう工夫が必要とされているので、光を遮断する構成に高い動作信頼性が要求されていた。
【0008】
また、光学系が故障した際にも、安全性が保証される必要性があった。
【0009】
そこで、本願発明の目的は、従来の光を遮断する構成に頼らない受動的な構成によるフェールセーフ光学系を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1に記載されたものでは、回転中心となる回転軸を中心に有して、回転駆動される略六角扁平柱状の筐体からなるポリゴンミラーの各面に、光源からの入光を反射又は偏向するミラーと該ミラーの開口部が開口形成され、前記回転軸を回動中心とする該ポリゴンミラーの回転により、前記ミラーを、前記低速回転時又は、停止時には、前記待避位置とすると共に、高速回転時には、前記遠心力で該付勢力に抗して正常位置とする回転型光走査光学系のフェールセーフ機構であって、前記ポリゴンミラーに付勢手段として、断面略V字状の板バネ部材が、前記各ミラーの一端部と、前記ミラーの開口部の一端縁との間に挟持されて設けられ、前記低速回転時又は停止時には、前記板バネ部材が設けられたミラーの一端部を回転中心として、前記ミラーの他端が、半径方向へ内倒れ、前記ミラーが、折り畳まれて待避位置となると共に、高速回転時には、前記ポリゴンミラーの回転に伴う遠心力で付勢力に抗して、前記ミラーの他端が外径方向に移動して、前記開口部の他端縁に当接させて、正常位置とする回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記板バネ部材が、前記低速回転時又は、停止時には、前記ミラーを待避位置とする。
更に、前記ミラーが、高速回転時には、前記板バネ部材の付勢力を前記遠心力が上回ると正常位置に移動する。そして、低速回転或いは停止時には、該板バネ部材の付勢力によって、前記ミラーが内倒れ方向に移動されて待避位置となる。
このように、フェールセーフが、前記光学系を低速回転或いは停止時に、待避位置とするので、能動的な光遮断システムを必要とせずに、利用者の安全が保たれる。
【0013】
また、前記付勢手段が、前記低速回転時又は、停止時には、前記ミラーを待避位置とする。
【0024】
また、請求項に記載されたものでは、前記回転型光走査光学系は、高速回転する主走査用のポリゴンミラーと、比較的低速回転する副走査用のポリゴンミラーとを有すると共に、少なくとも前記副走査用のポリゴンミラーには、前記フェールセーフを設けた請求項記載の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を特徴としている。
【0025】
このように構成された請求項記載のものでは、前記フェールセーフが設けられた副走査用のポリゴンミラーが、主走査用のポリゴンミラーよりも比較的低速回転するので、該フェールセーフ動作信頼性を更に向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の形態1の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を示すものである。
【0027】
まず、構成から説明すると、この実施の形態1の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構では、回転中心となる回転軸3を中心に有して、回転駆動される略六角扁平柱状の筐体11の6面に各々ミラー開口部1a…が、開口形成されている。
【0028】
これらのミラー開口部1a…には、各々光学系としてのミラー2…が設けられてポリゴンミラー1が構成されている。
【0029】
これらのミラー2は、略長方形板状を呈して、外側面に、反射面2aが形成されていると共に、長手方向を前記回転軸3を中心とする円の周方向に沿わせるように設けられている。
【0030】
そして、このポリゴンミラー1への光源としての可視光レーザー装置4からの入光を、回転しながら反射することにより、走査光を得られるように構成されている。
【0031】
この実施の形態1では、このポリゴンミラー1の回転に伴う力学的な力としての遠心力を利用して正常位置とすると共に、低速回転或いは停止時に、待避位置とするフェールセーフ5が設けられている。
【0032】
すなわち、このフェールセーフ5では、付勢手段としての断面略V字状の板バネ部材6が、前記各ミラー2の一端部2aと、前記開口部1aの一端縁1bとの間に挟持されて設けられている。
【0033】
そして、前記ミラー2が、この板バネ部材6の付勢力で、前記低速回転時又は、停止時には、図1中二点鎖線で示すように、内倒れ方向に折り畳まれて、待避位置となると共に、高速回転時には、前記遠心力でこの付勢力に抗して、外径方向に移動して、他端部2cを、前記開口部1aの他端縁1cに当接させることにより、図1中実線で示す正常位置で停止するように構成されている。
【0034】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0035】
この実施の形態1では、前記可視光レーザー装置4から照射された可視光レーザー光7は、高速回転する前記ポリゴンミラー1の前記各ミラー2…の反射面2a…に反射される。
【0036】
このポリゴンミラー1が高速回転している状態では、前記各ミラー2…に遠心力が作用して、前記板バネ部材6の付勢力をこの遠心力が上回ると、前記一端部2bを回動中心として他端部2cが外径方向に回動移動される。
【0037】
そして、前記開口部1aの他端縁1cに、前記他端部2cが当接した状態で、停止して図1中実線で示すように正常位置となる。
【0038】
このため、反射された前記可視光レーザー光7で光走査を行うことが出来る。
【0039】
また、前記ポリゴンミラー1が低速回転或いは停止時には、前記板バネ部材6の付勢力によって、前記各ミラー2…が内倒れ方向に移動されて、図1中二点鎖線に示すような待避位置となる。
【0040】
このため、前記可視光レーザー装置4から照射された可視光レーザー光7は、所望の反射角度が得られず、又は反射されず、散乱して光走査を行うことができない。
【0041】
従って、前記フェールセーフ5が、前記ミラー2…を低速回転或いは停止時に、待避位置とするので、故障時や、駆動系の立ち上がり或いは停止状態に移行する低速回転時等に高密度の光エネルギーを利用者の瞳に入光させる虞が無くなり、能動的な光遮断システムを必要とせずに、利用者の安全が保たれる。
【0042】
【実施の形態2】
図2及び図3は、この発明の実施の形態2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【0043】
この実施の形態2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構では、略円盤状の支持円盤13の上面13aに、回転軸3から放射状に、反射面材としての略長方形形状の両面ミラー12…を上面視略十字状となるように固定して、ローター14を構成している。
【0044】
このため、図3に示すように、可視光レーザー装置4,4を2台用いた場合には、R11〜R12及びR21〜R22まで振れる。また、前記両面ミラー12は、表裏両面を反射面材として使用できるので、前記ローター14一回転に付き8回の走査が可能となる。
【0045】
そして、図4に示すように、ローター14の直径が投影距離に比べて小さい場合には、走査範囲Wを広く設定することができる。
【0046】
なお、両面ミラー12…の回転時の空気抵抗を減少させるため、該ローター14の周囲を真空ポンプで真空又は亜真空となるまで減圧してもよい。
【0047】
更に、所定の取付強度が確保されれば、前記支持円盤13を省略した構成を採用してもよい。
【0048】
次に、この実施の形態2のフェールセーフ15,25について各実施例に基づいて説明する。
【0049】
【実施例1】
図5は、実施の形態2の実施例1のフェールセーフ15を示すものである。
【0050】
この実施例1では、前記力学的な力とは、前記回転軸3を回動中心とする回転によって発生する遠心力である。
【0051】
この実施例1の前記両面ミラー12に相当する両面ミラー16には、前記回転軸3から外径方向に突設されるミラー枠17が、上下一対の枠体17a,17aによって支持されている。
【0052】
また、これらの枠体17a,17a間の開口部には、弾性変形可能なミラー18が予め湾曲させて設けられている。
【0053】
このミラー18は、前記低速回転時又は、停止時には、図5中実線で示すように前記待避位置とすると共に、高速回転時には、前記遠心力で、半径方向に張設されることにより、前記回転軸側と、ミラー枠17先端側との間に、平板状に伸張して正常位置となるように構成されている。
【0054】
次に、この実施の形態2の実施例1の作用について説明する。
【0055】
この実施例1では、前記ミラー18が、高速回転時には、前記遠心力で、前記ミラー枠17の枠体17aが半径方向に張設されて正常位置となる。また、前記低速回転時又は、停止時には、前記ミラー18が、予め湾曲されているので、可視光レーザー光を反射しない或いは散乱させる図5中実線で示すような待避位置となる。
【0056】
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態1と略同様であるので説明を省略する。
【0057】
【実施例2】
図6は、実施の形態2の実施例2のフェールセーフ25を示すものである。
【0058】
この実施例2でも、前記力学的な力とは、前記回転軸3を回動中心とする回転によって発生する遠心力である。
【0059】
この実施例2の前記両面ミラー12に相当する両面ミラー19では、前記回転軸3から外径方向に突設されて、図6中二点鎖線で示すように、先端19aを周方向に巻廻された湾曲形状となることにより待避位置となるように形成されていると共に、回転軸3が高速回転する際には、遠心力によって外径方向に引き延ばされて、図6中実線で示すように、直線状となるように構成されている。
【0060】
次に、この実施例2の作用について説明する。
【0061】
この実施例2では、回転軸3が高速回転する際には、遠心力によって外径方向に前記各両面ミラー19…が引き延ばされて、図6中実線で示すように、直線状となる。
【0062】
また、回転軸3が低速回転或いは停止すると、図6中二点鎖線で示すように、先端19aが周方向に巻廻された湾曲形状となることにより待避位置となる。
【0063】
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態1及び前記実施例1と略同様であるので説明を省略する。
【0064】
【実施の形態3】
図7乃至図11は、この発明の実施の形態3を示すものである。
【0065】
なお、前記実施の形態1,2と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0066】
まず、構成から説明すると、この実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構では、回転軸3を中心に有する中空円筒形状の回転体26の側面からは、両面に反射面を有する光学系を構成する4枚のミラーブレード27…が、放射状に等間隔で突設されている。
【0067】
このミラーブレード27は、前記回転軸3近傍で、回転体26の側面に設けられた支持部開口26aから放射状に、前端部27aを内側から外側に向けて挿通して突設させると共に、このミラーブレード27の後端部27bに形成された鍔状の係止鍔部28をこの支持部開口26a周縁に形成された凹状部29に、バネ部材30を介して当接させている。
【0068】
この後端部27bには、傾斜平面31が形成されている。この傾斜平面31は、係止鍔部28から所定距離D1離間した位置から前記両側の反射面27c,27cに対して、径方向に所定の角度θ両側面を傾斜させている。
【0069】
そして、この傾斜平面31は、前記支持部開口26a内に位置することにより、前記ミラーブレード27を径方向から、所定角度θ傾斜させるように構成されている。
【0070】
また、このバネ部材30の付勢力で、前記低速回転時又は、停止時には、図11に示すように、前記回転軸3方向にこのミラーブレード27が移動して待避位置となると共に、高速回転時には、図10前記遠心力でバネ部材30の付勢力に抗して、正常位置とするように構成されている。
【0071】
次に、この実施の形態3の作用について説明する。
【0072】
この実施の形態3では、前記回転軸3を中心に、回転体26が回転すると、前記ミラーブレード27…が、高速回転時には、前記遠心力で前記バネ部材30…の付勢力に各々抗して、外径方向に突出して、図10に示すように、前記係止鍔部28を前記凹状部29内に没入させて正常位置となる。
【0073】
この状態では、前記ミラーブレード27が、径方向に沿って延設されるので、図示省略の可視光レーザー装置からの可視光レーザー光で走査を行うことが出来る。
【0074】
また、前記回転軸3を中心とする回転体26の回転が、低速回転時又は、停止時には、図11に示すように、前記バネ部材30の付勢力で、前記ミラーブレード27が、内径方向に向けて没入して、前記係止鍔部28を前記凹状部29内から抜出すると共に、前記傾斜平面31が前記支持部開口26a内に位置されて、前記ミラーブレード27を、径方向から傾斜させて待避位置とする。
【0075】
このような待避位置では、前記可視光レーザー装置からの可視光レーザー光が、前記ミラーブレード27の反射面で、所望の反射角度が得られず、又は反射されず、散乱して光走査を行うことができない。
【0076】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1,2と略同様であるので説明を省略する。
【0077】
【実施の形態4】
図12及び図13は、この発明の実施の形態4の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を示すものである。
【0078】
なお、前記実施の形態1乃至3と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0079】
この実施の形態4の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構では、光走査用ローター装置32の筐体33内に、軸受け兼用の高圧空洞34が設けられている。
【0080】
この高圧空洞34の周囲には、ヘリングボーン軸受35、及び上,下ヘリカル軸受36,36によって回動自在となるように支持される回転光学系としてのポリゴンロータ37が設けられている。
【0081】
このポリゴンロータ37の周囲は、図1中白抜き矢印に示すように、エアフローが行われている。
【0082】
また、このポリゴンロータ37の基軸部37aには、周囲に、周方向に所定の間隔を置いて一部着磁させた着磁領域38,38が設定されている。
【0083】
そして、前記筐体33のうち、この着磁領域38に対向する部分には、所定間隔を置いて複数の駆動コイル39…及び検知コイル40…が配設されている。
【0084】
このうち、検知コイル40は、可視光レーザ装置4のスイッチ41に接続されていて、前記駆動コイル39による駆動で、前記ポリゴンロータ37の基軸部37aが回転して発生する変動磁界を検知して、この検知信号に応じて、前記回転光学系の光源である可視光レーザ装置4への供給電力を、前記スイッチ41で、ON,OFFするように構成されている。
【0085】
次に、この実施の形態4の作用について説明する。
【0086】
この実施の形態4では、通電により前記駆動コイル39…が、前記ポリゴンロータ37を回転させると、この駆動コイル39のポリゴンロータ37回転駆動によって発生する変動磁界が、前記検知コイル40によって検知されて、この検知信号を前記スイッチ41に送る。
【0087】
前記スイッチ41では、この検知信号に応じて、可視光レーザー装置4の光源をON状態とする。
【0088】
また、回転に異常が生じて前記駆動コイル39によって発生する変動磁界が変化すると、前記検知コイル40が、この変化を検知して検知信号を発する。
【0089】
この信号によって、前記可視光レーザー装置4はOFF状態となるので、能動的な光遮断システムを必要とせずに、利用者の安全が保たれる。
【0090】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1乃至3と略同様であるので説明を省略する。
【0091】
【実施の形態5】
図14及び図15は、この発明の実施の形態5の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構を示すものである。
【0092】
なお、前記実施の形態1乃至4と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0093】
この実施の形態5の回転型光走査光学系は、回転軸3を回転中心として比較的高速回転して、光源としての可視光レーザー装置4からの入射光ビームを偏向する主走査用のポリゴンミラー42と、このポリゴンミラー42で偏向された走査光を、更に直交する方向へ走査する副走査用のポリゴンミラー43とから主に構成されている。
【0094】
更に、この回転型光走査光学系には、前記ポリゴンミラー43で反射された走査光を反射する固定ミラー44が設けられている。
【0095】
このうち、副走査用のポリゴンミラー43は、前記ポリゴンミラー42に比べて低速で、回転軸103を回転中心として回転する(約1/1000以下の速度)と共に、図15に示すように、略六角柱状の筐体111の6面に各々ミラー開口部111a…が、開口形成されている。
【0096】
これらのミラー開口部111a…には、各々光学系としての長方形板状のミラー102…が、前記実施の形態1のフェールセーフ15と略同様の機構を有して設けられている。 次に、この実施の形態5の作用について説明する。
【0097】
この実施の形態5では、前記光源としての可視光レーザー装置4から照射された入射光ビームが、高速回転する主走査用のポリゴンミラー42によって偏向されると、このポリゴンミラー42で偏向された走査光が、更に直交する方向へ走査する副走査用のポリゴンミラー43に照射されて、前記ミラー102…が、この走査光を固定ミラー44へ反射する。
【0098】
固定ミラー44では、この反射光を更に反射して、光ビームL1〜L2を出力する。
【0099】
前記ポリゴンミラー43では、前記ポリゴンミラー42で反射された走査光を、更に反射するが、この副走査用のポリゴンミラー43は、前記ポリゴンミラー42に比べて低速で、回転軸103を回転中心として約1/1000以下の速度で回転しているので、更に、図15に示すようなフェールセーフ15の動作信頼性を向上させることが出来る。
【0100】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態1乃至4と略同様であるので説明を省略する。
【0101】
【発明の効果】
上述してきたように、この発明の請求項1記載のものでは、前記ミラーが、高速回転時には、前記板バネ部材の付勢力を前記遠心力が上回ると正常位置に移動する。そして、低速回転或いは停止時には、該板バネ部材の付勢力によって、前記ミラーが内倒れ方向に移動されて待避位置となる。
このため、前記フェールセーフが、前記光学系を低速回転或いは停止時に、待避位置とするので、能動的な光遮断システムを必要とせずに、利用者の安全が保たれる。
【0109】
更に、請求項記載のものでは、前記フェールセーフが設けられた副走査用のポリゴンミラーが、主走査用のポリゴンミラーよりも比較的低速回転するので、該フェールセーフ動作信頼性を更に向上させることができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、要部の構成を説明するポリゴンミラーの斜視図である
【図2】実施の形態2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、要部の構成を説明するローターの斜視図である。
【図3】実施の形態2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、動作を説明するローターの上面模式図である。
【図4】実施の形態2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、走査範囲を説明するローターの上面模式図である。
【図5】実施の形態2の実施例1の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、要部の構成を説明する斜視図である。
【図6】実施の形態2の実施例2の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、要部の構成を説明する斜視図である。
【図7】実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、構成を説明する水平方向断面図である。
【図8】実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、ミラーブレードの斜視図である。
【図9】実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、ミラーブレードの上面図である。
【図10】実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、高速回転時のミラーブレードの位置を説明する水平方向断面図である。
【図11】実施の形態3の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、低速回転時或いは停止時のミラーブレードの位置を説明する水平方向断面図である。
【図12】実施の形態4の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、全体の構成を説明する図13中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図13】実施の形態4の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、駆動コイル及び検知コイルの配置の一例を説明する上面模式図である。
【図14】実施の形態5の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、回転型光走査光学系全体の構成を説明する模式図である。
【図15】実施の形態5の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構で、フェールセーフを用いたポリゴンミラーの構成を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1,42,43 ポリゴンミラー(回転型光走査光学系)
2,102 ミラー(反射面材)
3,103 回転軸
4 可視光レーザー装置(光源)
5,15,25 フェールセーフ
6 板バネ部材(付勢手段)
17 ミラー枠
27 ミラーブレード(反射面材)
37 ポリゴンローター(回転型走査光学系)
42,43 (主,副)ポリゴンミラー

Claims (2)

  1. 回転中心となる回転軸を中心に有して、回転駆動される略六角扁平柱状の筐体からなるポリゴンミラーの各面に、光源からの入光を反射又は偏向するミラーと該ミラーの開口部が開口形成され、前記回転軸を回動中心とする該ポリゴンミラーの回転により、前記ミラーを、前記低速回転時又は、停止時には、前記待避位置とすると共に、高速回転時には、前記遠心力で該付勢力に抗して正常位置とする回転型光走査光学系のフェールセーフ機構であって、
    前記ポリゴンミラーに付勢手段として、断面略V字状の板バネ部材が、前記各ミラーの一端部と、前記ミラーの開口部の一端縁との間に挟持されて設けられ、前記低速回転時又は停止時には、前記板バネ部材が設けられたミラーの一端部を回転中心として、前記ミラーの他端が、半径方向へ内倒れ、前記ミラーが、折り畳まれて待避位置となると共に、高速回転時には、前記ポリゴンミラーの回転に伴う遠心力で付勢力に抗して、前記ミラーの他端が外径方向に移動して、前記開口部の他端縁に当接させて、正常位置とすることを特徴とする回転型光走査光学系のフェールセーフ機構。
  2. 前記回転型光走査光学系は、高速回転する主走査用のポリゴンミラーと、比較的低速回転する副走査用のポリゴンミラーとを有すると共に、少なくとも前記副走査用のポリゴンミラーには、前記フェールセーフを設けたことを特徴とする請求項1記載の回転型光走査光学系のフェールセーフ機構。
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