JP4119075B2 - スイッチ、集積化回路装置、製造方法、スイッチの製造方法 - Google Patents

スイッチ、集積化回路装置、製造方法、スイッチの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ、集積化回路装置、製造方法、スイッチの製造方法に関する。特に本発明は、温度変化に応じて形状を変化させることにより、複数の導体部を電気的に接続させるスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
1点接点構造を有するスイッチは、接触抵抗が低く、信頼性が高いため測定器などに広く利用されている。1点接点構造を有する従来のスイッチとして、静電力を利用してスイッチング動作を行う、静電スイッチがある。静電スイッチは、スイッチング動作を行う、スイッチ板と導体板との間に電位差を生じさせ、スイッチ板と導体板との間に働く静電引力を利用し、スイッチ板と導体板とを接触させることによりスイッチング動作を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
1点接点構造を有するスイッチを利用する測定器やテスタなどは、その高性能化に伴い、1点接点構造を有する微小なスイッチが必要とされている。また、集積回路の回路部品にも、1点接点構造を有する微小なスイッチの組み込みが必要とされている。
【0004】
しかしながら、従来使用されていた静電スイッチは、静電力を利用するため、スイッチ板に電荷を蓄積する必要がある。そのため、信頼性の高いスイッチング動作をさせるためには、スイッチ板に多くに電荷を蓄積させる必要があるため、必然的にスイッチ板の面積は大きくなる。そのため、静電力を利用した静電スイッチでは、微小なスイッチの作成が困難であり、また、高周波信号を伝送することが不向きであるという問題が生じていた。また、従来の静電スイッチは、動作電圧が一般的に高いため、電気回路に使用するときに、動作電圧を確保することが困難であるという問題が生じていた。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるスイッチ、集積化回路装置、製造方法、スイッチの製造方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、第1導体部と第2導体部とを電気的に接続させるスイッチ部を備えるスイッチであって、前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けられて前記スイッチ部を固定する支持部とを上面に有する第2基板と、前記第2基板の上面に貼り合わされた第1基板とを備え、前記第1基板は、前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含む前記スイッチ部と、前記接合部と前記接点部との間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および前記第2基板が貼り合わされることにより前記支持部に固定される被支持部とを有することを特徴とするスイッチを提供する。
【0007】
さらに、接合部は、スイッチ部を第1導体部に向かう方向に曲げることによって、第1導体部に接合されることが好ましく、また、スイッチ部が、熱膨張率の異なる複数の部材を有することが好ましい。
【0008】
また、スイッチ部が、熱膨張率の異なる複数の部材を加熱するヒータを有することが好ましい。
【0009】
本発明の第2の形態によると、単一基板上に、第1導体部と第2導体部とを電気的に接続するスイッチ部を備えるスイッチが、複数設けられた集積化回路装置であって、前記スイッチが、前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けらて前記スイッチ部を固定する支持部とを上面に有する第2基板と、前記第2基板の上面に貼り合わされた第1基板とを備え、前記第1基板は、前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含む前記スイッチ部と、前記接合部と前記接点部との間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および前記第2基板が貼り合わされることにより前記支持部に固定される被支持部とを有することを特徴とする集積化回路装置を提供する。
【0010】
本発明の第3の形態によると、請求項1のスイッチを製造する製造方法であって、接合部第1導体部のどちらか一方または双方に、接合部第1導体部とを接合するための導電性接合部材を形成する導電性接合部材形成工程と、接合部第1導体部に向かう方向に曲がるように、接合部を加熱する加熱工程と、接合部第1導体部とを接合する接合工程とを有することを特徴とする接合方法を提供する。
【0011】
また、接合部に、熱膨張率の異なる複数の部材を形成する工程を更に有することが好ましい。
【0012】
さらに、導電性接合部材形成工程が、接合部第1導体部とを接合するための半田を形成する半田形成工程を含み、半田を溶融する半田溶融工程をさらに有し、接合工程が、溶融した半田を冷却することにより、接合部第1導体部とを接合する工程を含んでもよい。
【0013】
また、半田溶融工程における半田の溶融温度が、加熱工程において接合部が曲がる温度より高いことが好ましく、また、加熱工程および半田溶融工程が、恒温槽で処理されてもよい。
【0014】
本発明の第4の形態によると、第1導体部と第2導体部とを電気的に接続するスイッチの製造方法であって、第1基板に、前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含むスイッチ部と、前記接合部と前記接点部の間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および第2基板が貼り合わされることにより第2基板上の支持部に固定される被支持部とを形成するスイッチ部形成工程と、前記第2基板の上面に、前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けられ前記スイッチ部を固定する前記支持部を形成する形成工程と、前記スイッチ部の端部と前記第1導体部のどちらか一方または双方に、前記スイッチ部と前記第1導体部とを接合するための導電性接合部材を形成する導電性接合部材形成工程と、前記スイッチ部を、前記第1導体部および前記第2導体部に対して所定の位置に、前記支持部が固定するように、前記第1基板を前記第2基板の上面に貼り合わせる貼り合せ工程と、前記スイッチ部の端部が、前記第1導体部に向かう方向に曲がるように、前記スイッチ部の端部を加熱する加熱工程と、前記スイッチ部と前記第1導体部とを接合する接合工程とを有することを特徴とするスイッチの製造方法を提供する。
【0015】
さらに、スイッチ部形成工程が、スイッチ部に、熱膨張率の異なる複数の部材を形成する工程を有することが好ましい。
【0016】
また、導電性接合部材形成工程が、スイッチ部と第1導体部とを接合するための半田を形成する工程を含み、半田を溶融する半田溶融工程をさらに備え、接合工程が、溶融した半田を冷却することにより、スイッチ部と第1導体部とを電気的に接合する工程を含んでもよい。
【0017】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態であるスイッチ10の断面を示す。図1(a)に示すように、スイッチ10は、基板52と、基板52に対して固定される被支持部26と、被支持部26に結合された、温度に応じて形状を変化させるスイッチ部20とを有する。被支持部26は、基板52に形成された支持部50により固定される。別の例においては、スイッチ部20が、支持部50により直接固定されてもよい。
【0020】
スイッチ部20は、第1導体部54に接合部材58を用いて接合される接合部30と、第2導体部56に接触することにより、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続させる接点部40とを有する。被支持部26は、スイッチ部20が形成された基板を加工することにより形成されてもよい。
【0021】
支持部50は、被支持部26と接合されることにより、被支持部26およびスイッチ部20を固定する。本実施例において、支持部50、第1導体部54および第2導体部56は、基板52に形成される。支持部50は、基板52が突起部を有するように加工されることにより形成されてもよい。また、支持部50は、接合部30と接点部40との間に設けられることにより、被支持部26およびスイッチ部20を固定することが好ましい。
【0022】
接合部材58は、導電性接着部材であって、半田により形成されるのが好ましい。本実施例において、接合部材58は、例えば金と錫の合金、金とゲルマニウムの合金、鉛と錫の合金、インジウムなどを含む半田により形成される。接合部材58は、例えば銀エポキシ樹脂などの導電性樹脂により形成されてもよい。また、接合部材58は、金などのバンプを形成することにより設けられてもよい。
【0023】
次に、図1(a)に示すスイッチ部20の構成について説明する。スイッチ部20は、第1導体部54に接合される接合部30と、第2導体部56に接触することにより、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続させる接点部40とを有し、温度に応じて形状を変化させて、接点部40と第2導体部56とを電気的に接続させる。
【0024】
スイッチ部20は、熱膨張率の異なる複数の部材を有することが好ましい。本実施例において、スイッチ部20は、第1構成部材22および第2構成部材24を有する。このとき、第1構成部材22は、第2構成部材24を形成する材料よりも大きい熱膨張率を有する材料で形成されることが望ましい。スイッチ部20は、熱膨張率の異なる材料で形成された複数の部材を層状に有することにより、各々の部材を加熱したときに、各々の部材を形成する材料の熱膨張率の差を利用し、温度に応じて形状を変化させることが可能となる。また、第1構成部材は、アモルファス合金を含む金属ガラスなどのバネ性を有する材料により形成されてもよい。第2構成部材24は、導電性を有する材料を用いて形成されることにより、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する導通部としての機能も有してもよい。
【0025】
第1構成部材22および第2構成部材24は、異なる熱膨張率を有する金属で形成されてもよい。スイッチ部20は、第1構成部材22および第2構成部材24によりバイメタルを形成し、温度に応じて形状を変化させてもよい。このとき、第1構成部材22および第2構成部材24は、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する導通部としての機能も有することが好ましい。また、スイッチ部20の温度に応じた形状の変化量を調整するために、第1構成部材22と第2構成部材24との間に、第1構成部材22および第2構成部材24を形成する材料と異なる熱膨張率を有する材料により形成された部材を更に有してもよい。
【0026】
第1構成部材22は、例えばチタンとニッケルの合金などを含む、温度に応じて形状を変化させる形状記憶合金により形成されてもよい。このとき、第2構成部材24は、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する導通部としての機能を有し、且つ第1構成部材22の形状変化に影響を与えにくい機能を有することが好ましい。そのため、第2構成部材24は、例えば白金や金などの高い導電率を有する金属により形成されるのが好ましい。
【0027】
図1(b)に示すように、スイッチ部20は、第3導体部28を更に有してもよい。第3導体部28は、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する導通部としての機能を有し、且つ第1構成部材22の形状変化に影響を与えにくい機能を有することが好ましい。本実施例において、第3導体部28は、例えば白金や金などの高い導電率を有する金属により形成される。また、第3導体部28と第2構成部材24との間に、第3導体部28と第2構成部材24との密着性を向上させるために、例えばチタンなどの密着層を設けてもよい。
【0028】
第1構成部材22は、例えばアルミニウム、ニッケル、ニッケル鉄、パラジウム銅シリコン、樹脂などの大きな熱膨張率を有する材料で形成されることが好ましく、また、第2構成部材24は、例えば酸化シリコン、シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの小さい熱膨張率を有する材料で形成されることが好ましい。また、第2構成部材24が導電性を有する材料により形成される場合には、第2構成部材24と第3導体部28との間に、例えば酸化シリコンなど絶縁層を有することが好ましい。
【0029】
第1構成部材22および第2構成部材24は、異なる熱膨張率を有する金属で形成されてもよい。スイッチ部20が、第1構成部材22および第2構成部材24により形成されたバイメタル構造を有することにより、温度に応じてスイッチ部20の形状を変化させる。このとき、第2構成部材24と第3導体部28とを絶縁するために、第2構成部材24と第3導体部材28との間に、例えば酸化シリコンなどの絶縁層を有することが好ましい。
【0030】
図1(c)に示すように、スイッチ部20は、熱膨張率の異なる複数の部材を加熱するためのヒータ60を更に有してもよい。本実施例において、ヒータ60は、第1構成部材22および第2構成部材24を加熱する。ヒータ60は、接続部30と接点部40との間から、接点部40との間に、スイッチ部20の可動する部位に含まれる第1構成部材22および第2構成部材24を加熱するように設けられるのが好ましい。
【0031】
ヒータ60は、第3導体部材28と絶縁させるのが望ましい。また、ヒータ60は、第1構成部材22が、例えばアルミニウム、ニッケル、ニッケルと鉄とを含む合金などの導電性を有する材料により形成される場合に、第1構成部材22とも絶縁されるのが好ましい。本実施例において、第2構成部材24は、例えば酸化シリコン、シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの絶縁性を有する部材24aおよび部材24bにより形成される。そして、ヒータ60は、部材24aと部材24bとの間に設けられることにより、第3導体部材28と絶縁される。また、スイッチ部20の温度に応じた形状の変化量を調整するために、部材24aは、部材24bより大きい熱膨張率を有する材料により形成されてもよい。
【0032】
ヒータ60は、電流を供給することにより発熱する材料により形成されることが望ましい。また、ヒータ60は、部材24bを形成する材料よりも大きく、第1構成部材22を形成する材料よりも小さい熱膨張率を有する材料により形成されることが好ましい。本実施例において、ヒータ60は、ニッケルとクロムとの合金や、クロムと白金とを積層した金属積層膜などの、金属抵抗体により形成される。
【0033】
スイッチ部20は、接点部40と第2導体部56とが接触したときの接触抵抗を低減するために、接触部材62を更に有してもよい。このとき、接触部材62は、接点部40に含まれる。
【0034】
また、スイッチ10は、信号が伝送する伝送経路を形成するために、基板52の、スイッチ部20が設けられた面の裏面に、接地導体70を有することにより、マイクロストリップ構造を形成してもよい。接地導体70は、基板52の、スイッチ部20が設けられた面の裏面の全面に形成されるのが好ましい。
【0035】
図2は、本発明の他の実施形態であるスイッチ10の断面を示す。図2(a)に示すように、スイッチ部20は、一方の端部である接合部30、および接合部30の近傍において、曲げられることにより第1導体部54と接合され、他方の端部を含む部分においては、直線形状を有するように形成されてもよい。
【0036】
図2(b)に示すように、スイッチ部20は、スイッチ部20が、可動する部分に第1構成部材22および第2構成部材24を有してもよい。すなわち、第1構成部材22および第2構成部材24は、接合部30が形成される端部と反対側の端部を含む部分に形成されてもよい。このとき、ヒータ60は、スイッチ部20において、第1構成部材22および第2構成部材24が形成される部分にだけ形成されてもよい。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係るスイッチ10の上面図を示す。図3(a)は、本発明の一実施形態である、コプレーナ構造により、伝送経路を形成するスイッチ10の上面図を示す。スイッチ10は、基板52と、基板52に対して固定される被支持部26と、被支持部26に結合された、温度に応じて形状を変化させるスイッチ部20とを備える。基板52は、スイッチ部20が設けられた面に、第1導体部54、第2導体部56、接地導体70およびヒータ電極74を有する。他の実施の形態において、基板52は、スイッチ部20が設けられた面のみならず、その裏面にも接地導体70を有してもよい。
【0038】
本実施例において、スイッチ部20は、スイッチ部20の一方の端部が、第1導体部54と電気的に接合され、スイッチ部20の他方の端部が、第2導体部56と接触することにより、第1導体部と第2導体部とを電気的に接続させる。第1導体部54および第2導体部56は、他の素子や回路などと接続される電極として使用されてもよい。また、図1を参照して、ヒータ60は、ヒータ線72と接続され、さらに、ヒータ線72は、ヒータ電極74に接続されてもよい。ヒータ電極74は、他の素子や回路などと接続されることにより、ヒータ60に電流を供給することが可能となる。
【0039】
図3(b)に示すように、ヒータ線72は、スイッチ部20の長手方向に対して、略垂直方向に形成されてもよい。このとき、ヒータ線72およびヒータ電極74によって分割された接地導体70は、バイパス線76を介して電気的に接続されることが好ましい。このとき、ヒータ線72およびヒータ電極74は、バイパス線76と絶縁される。
【0040】
図3(c)に示すように、ヒータ線72および接地導体70は、ヒータ線72と接地導体70との間に、絶縁膜を有することにより、層状に形成されてもよい。
【0041】
本発明に係るスイッチ10は、マイクロマシン技術や半導体プロセスなどの微細加工技術を用いて作成することにより、接点部40のわずかな動きによりオンオフが可能な、マイクロスイッチとしての機能を有することができる。さらに、スイッチ10は、第2基板52に設けられた、第1導体部54および第2導体部56を、同一基板上に設けられた、他のスイッチや電気回路、あるいは半導体回路などと接続させることにより集積化し、集積化スイッチとして使用してもよい。
【0042】
スイッチ10の動作について説明する。図1(a)において、第1導体部54に供給された信号は、接合部材58を介してスイッチ部20に供給される。スイッチ部20は、温度に応じて形状を変化させる特性を有するため、スイッチ部20は、例えば赤外線などで加熱されることにより形状を変化させることができる。また、スイッチ10を、温度制御可能な雰囲気に置くことにより、スイッチ10を加熱または冷却することにより、スイッチ部20の形状を変化させてもよい。そして、スイッチ部20と第2導体部56とが接点部40において接触することにより、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続することが可能となる。さらに、第1導体部54に供給された信号は、スイッチ部20を通過し、第2導体部56に供給される。図1(c)に示すように、スイッチ10がヒータ60を有する場合は、外部からヒータ60に電流を供給し、スイッチ部20の形状を変化させることにより、スイッチ部20と第2導体部56とを接点部40において接触させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続してもよい。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態であるスイッチ10の製造方法の途中工程である、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。本発明によるスイッチ10の製造方法は、一般的に、温度に応じて形状を変化させる第1部材と、第2部材とを接合する接合方法に応用可能である。本実施例において、スイッチ部20が、第1部材に対応し、第1導体部54が、第2部材に対応する。図4(a)に示すように、まず、第1基板100を用意する。第1基板100は、単結晶基板であることが好ましく、後述する第1基板100に溝部を形成する工程において、所望の形状を有する溝部を形成し易い結晶方位を有することがさらに好ましい。本実施例において、第1基板100は、単結晶シリコン基板を用いる。
【0044】
続いて、図4(b)に示すように、第1基板100に、シリコン酸化膜102を、第1基板100の熱酸化により形成する。シリコン酸化膜102は、第1基板100の両面に形成されるのが好ましい。
【0045】
続いて、図4(c)に示すように、後述する工程において、第1基板100に溝部を形成するために、溝部を形成する領域のシリコン酸化膜102aを除去する。本実施例において、シリコン酸化膜102aは、フォトレジストなどを用いて、溝部に対応するパターンを形成し、弗化水素酸水溶液などを用いたウエットエッチングにより除去される。
【0046】
続いて、図4(d)に示すように、第1基板100に溝部106を形成する。本実施例において、溝部106は、第1基板100を、シリコン酸化膜102aをマスクとして、ウエットエッチングにより形成される。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。図5(a)に示すように、第1基板100に、シリコン酸化膜108を形成する。シリコン酸化膜108は、弗化水素酸水溶液などを用いて、シリコン酸化膜102を除去した後、第1基板100の熱酸化により形成されるのが好ましい。シリコン酸化膜108は、絶縁体としての機能を有する。
【0048】
続いて、図5(b)に示すように、第1構成部材22を形成する。第1構成部材22は、大きな熱膨張率を有する材料により形成されることが好ましい。具体的には、第2構成部材24より大きな熱膨張率を有する材料により形成されることが望ましい。
【0049】
本実施例において、第1構成部材22は、次の工程により形成される。まず、第1構成部材22を形成する材料である、アルミニウム、ニッケル、ニッケル鉄合金などの大きな熱膨張率を有する材料を、スパッタリング法などにより堆積する。続いて、堆積された材料にフォトレジストを塗布し、露光と現像により、パターンを形成する。続いて、パターンが形成されたフォトレジストをマスクとして、ウエットエッチングあるいはドライエッチングなどを用いて、露出している堆積された当該材料を除去する。さらに、フォトレジストを除去することにより、当該パターンが形成された領域である所望の領域だけに、第1構成部材22が形成される。別の実施例において、第1構成部材22は、次の工程により形成されてもよい。まず、フォトレジストを塗布し、第1構成部材22を形成する領域に開口部を有するパターンを、露光と現像により形成する。次に、例えばアルミニウム、ニッケル、ニッケルと鉄との合金などの大きな熱膨張率を有する材料を、蒸着法あるいはスパッタリング法を用いて堆積させる。そして、フォトレジストを除去することにより、フォトレジスト上に堆積された材料だけを除去する工程であるリフトオフを行い、所望の領域だけに第1構成部材22を形成する。
【0050】
続いて、図5(c)に示すように、第2構成部材24(図1参照)に含まれる部材24aを形成する。部材24aは、小さな熱膨張率を有する材料で形成されるのが好ましい。部材24aは、具体的には、第1構成部材22を形成する材料より小さく、後述する第2構成部材24に含まれる部材24bを形成する材料より大きな熱膨張率を有する材料により形成されるのが好ましい。部材24aは、部材24bと略同じ熱膨張率を有する材料により形成されてもよい。
【0051】
本実施例において、部材24aは、酸化シリコン、シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの絶縁性を有する材料を、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いて堆積させる。次に、図1を参照して、後述する、第1基板100を加工することにより形成される被支持部26と、第2基板52に含まれる支持部50とを貼り合せる、貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる領域に含まれる、第1基板100上のシリコン酸化膜102および部材24aを除去し、第1基板100を露出させる(図示せず)。
【0052】
続いて、図5(d)に示すように、第1構成部材22および第2構成部材24を加熱するヒータ60を形成する。ヒータ60は、電流を供給することにより発熱する材料により形成されることが好ましい。また、ヒータ60は、部材24bを形成する材料よりも大きく、第1構成部材22を形成する材料よりも小さい熱膨張率を有する材料により形成されることが好ましい。
【0053】
本実施例において、ヒータ60は、フォトレジストと、蒸着法あるいはスパッタリング法によるリフトオフを用いて、ニッケルとクロムとの合金や、クロムと白金とを積層した金属積層膜などの金属抵抗体により形成される。ヒータ60を形成する材料は、貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる、第1基板100上の領域の一部にも形成されるのが好ましい(図示せず)。貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる、第1基板100上の領域の一部に形成されたヒータ60を形成する材料は、貼り合せ工程において、第1導体部54(図1参照)と電気的に接合されることにより、第1導体部54とスイッチ部20との接合抵抗を低減させる機能を有する。
【0054】
図6は、本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。図6(a)に示すように、第2構成部材24に含まれる部材24bを形成する。部材24bは、小さな熱膨張率を有する材料で形成されるのが好ましい。具体的には、第1構成部材22を形成する材料より、小さな熱膨張率を有する材料で形成されるのが好ましい。本実施例において、部材24bは、酸化シリコン、シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの絶縁性を有する材料を、プラズマCVD法やスパッタリング法を用いて堆積させる。
【0055】
続いて、図6(b)に示すように、第2構成部材24に含まれる、部材24aおよび部材24bを除去することにより、第1基板100の一部を露出させる。このとき、後述する第3導体部28を形成する工程において形成される、ヒータ60に電流を供給するヒータ線と、ヒータ60とを接合するための開口部(図示せず)も形成することが望ましい。また、貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる、第1基板100上の領域にある部材24bも除去されることが望ましい。本実施例においては、まず、フォトレジストを塗布し、露光と現像により、所望のパターンを形成する。次に、弗化水素酸水溶液を用いて、シリコン酸化膜により形成される部材24aおよび/または部材24bを除去することにより、第1基板100を露出させ、さらに当該開口部を形成する。
【0056】
続いて、図6(c)に示すように、第3導体部28および接点部材62を形成する。まず、第3導体部28を形成する工程について説明する。第3導体部28は、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する導通部としての機能を有し、且つ第1構成部材22の形状変化に影響を与えにくい機能を有することが好ましい。第3導体部28は、高い導電率を有する金属で形成されることが好ましい。本実施例において、第3導体部28は、フォトレジストと金属蒸着によるリフトオフ法を用いて、白金や金などにより形成される。また、第3導体部28と第2構成部材24との間に、第3導体部28と第2構成部材24との密着性を向上させるために、例えばチタンやクロム、あるいはチタンと白金の積層膜などを密着層として設けてもよい。
【0057】
また、第3導体部28は、貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる、第1基板100上の領域の一部に形成されたヒータ60を形成する材料上にも形成されることが好ましい(図示せず)。貼り合せ工程において、支持部50との貼り合せ面となる、第1基板100上の領域の一部に形成された第3導体部28およびヒータ60は、貼り合せ工程において、第1導体部54(図1参照)と電気的に接合されることにより、第1導体部54とスイッチ部20との接合抵抗を低減させる機能を有する。
【0058】
続いて、接点部材62を形成する工程について説明する。本実施例において、接点部材62は、フォトレジストを露光および現像することにより、所定のパターンを形成した後、めっきにより、白金や金などを形成することにより設けられる。また、接点部材62は、フォトレジストとスパッタリング法によるリフトオフを用いて形成されてもよい。
【0059】
図6(d)は、スイッチ部20と第1導体部54とを接合するための導電性接合部材58aを形成する導電性接合部材形成工程を示す。接合部材58は、スイッチ部20の接点部材62が形成されている端部と反対側の端部に形成されるのが好ましい。本実施例において、接合部材58は、例えば金と錫の合金、金とゲルマニウムの合金、鉛と錫の合金などを含む半田を、リフトオフ法により形成する。また、接合部材58は、例えば銀エポキシ樹脂などの導電性樹脂により形成されてもよく、また、金などのバンプにより形成されてもよい。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。図7(a)に示すように、第1基板100上のスイッチ部20が形成されている面を、表面保護膜112を形成することにより保護する。本実施例において、表面保護膜110は、レジンをスピンコート法により塗布することにより形成される。
【0061】
続いて、図7(b)に示すように、第1基板100に形成されたシリコン酸化膜102bを、被支持部26(図1参照)の形状に対応するパターンを有するように除去する。本実施例においては、まず、フォトレジストを塗布し、露光および現像を行うことにより、被支持部26を形成するパターンを形成する。次に、シリコン酸化膜108bを、フォトレジストをマスクとして、例えば弗化水素酸水溶液を用いた、ウエットエッチングにより除去する。後述する工程において、第1基板100を加工することにより形成される複数の被支持部26が、被支持部26の形成後にも、基板として扱えるように、複数の被支持部26を形成するパターンは、各々の被支持部26が分離しないように形成されることが望ましい。
【0062】
続いて、図7(c)に示すように、被支持部26を形成する。被支持部26は、シリコン酸化膜108bをマスクとして、例えばドライエッチングを用いて、第1基板100およびシリコン酸化膜108aを除去することにより形成される。被支持部26は、第1基板100を貫通するように除去することにより形成されるのが好ましく、また、被支持部26の形成後にも、基板として扱えるように、複数の被支持部26は、各々の被支持部26が分離しないように形成されることが望ましい。
【0063】
図8は、第2基板52に、スイッチ部20を固定する支持部50を形成する形成工程を示す。まず、第2基板52を用意する。本実施例において、第2基板52は、パイレックスガラス(登録商標)を用いる。
【0064】
続いて、図8(a)に示すように、支持部50を形成するマスクとなる支持部形成パターン112を、第2基板52上に形成する。本実施例においては、フォトレジスト塗布し、露光および現像を行い、支持部形成パターン112を得る。支持部形成パターン112は、シリコン窒化膜や多結晶シリコンなどの無機材料により形成されてもよい。
【0065】
続いて、図8(b)に示すように、支持部50を形成する。支持部50は、支持部形成パターン112をマスクとして用いることにより、例えば、弗化水素酸水溶液を用いたウエットエッチングにより形成される。支持部50は、截頭錐体に形成されるように、第2基板52をエッチングするのが好ましい。
【0066】
続いて、図8(c)に示すように、金属層84を形成する。本実施例において、金属層84は、第2基板52および支持部50の一部の領域に形成される。具体的には、後述する貼り合わせ工程において、支持部50が、スイッチ部20と接触する領域から、第1導体部54が形成される領域を接続するように形成されるのが好ましい。
【0067】
続いて、図8(d)に示すように、第1導体部54および第2導体部56を、第2基板52に形成する。第1導体部54および第2導体部56は、例えば白金や金などの金属を、フォトレジストとスパッタリング法によるリフトオフを用いて形成する。また、第1導体部54および第2導体部56は、蒸着やスパッタリング法などを用いて金属を堆積した後に、フォトレジストを用いてパターンを形成し、当該金属をエッチングすることにより形成されてもよい。第1導体部54および第2導体部56は、第1導体部54および第2導体部56と第2基板52との間に、例えばチタンやチタンと白金との積層膜などの密着層を設けてもよい。また、第1導体部54および第2導体部56は、複数層含まれるように形成されてもよい。
【0068】
続いて、図8(e)に示すように、導電性接合部材58bを形成する。本実施例において、導電性接合部材58bは、例えば金と錫の合金、金とゲルマニウムの合金、鉛と錫の合金などを含む半田を、リフトオフ法により形成する。導電性接合部材58bは、導電性樹脂であってもよく、また、金などのバンプにより形成されてもよい。本実施例において、導電性接合部材58は、スイッチ部20および第1導電部54の双方に形成される。別の実施例において、導電性接合部材58は、スイッチ部20および第1導電部54のどちらか一方だけに形成されてもよい。
【0069】
後述する加熱工程において、スイッチ部20が曲がるときに、第1導体部54に形成された導電性接合部材58bと、スイッチ部20に形成された導電性接合部材58aとが接触するように、後述する貼り合わせ工程において、スイッチ部20と支持部50とが貼り合わされることが好ましい。そのため、本発明によるスイッチ10の製造方法は、第1基板100に、第1基板100の位置を確認するための第1基準マークを形成する工程と、第2基板52に、第2基板52の位置を確認するための第2基準マークを形成する工程をさらに備えてもよく、貼り合わせ工程において、第1基準マークと、第2基準マークとを基準として、第1基板100と第2基板52とを貼り合わせてもよい。
【0070】
図9は、第1基板100および第2基板52に形成された部材の斜視図を示す。図9(a)は、第1基板100上に形成されたスイッチ部20の斜視図を示す。図4から図8において示した、スイッチ部形成工程の断面図は、AA’における断面図である。図5(d)においてヒータ60を形成する材料により、金属薄膜82が形成されることが好ましい。図6(b)において形成された開口部は、ヒータ60とヒータ線72とが接続される領域80に形成される。
【0071】
図9(b)は、第2基板上に形成された支持部50の斜視図を示す。図8(c)において形成された金属薄膜84は、第1導体部54と接続するように形成されるのが好ましい。本実施例では、後述する、第1基板100と第2基板52とを貼り合せる、貼り合せ工程において、被支持部26と支持部50とが接合され、金属薄膜82と金属薄膜84とが接合される。また、ヒータ線72とヒータ電極74とは、接合部材58を介して電気的に接続される。
【0072】
図10は、スイッチ10の製造方法の途中工程である、第1基板100と第2基板52とを貼り合せる、貼り合せ工程を示す。図9(a)に示すように、まず、スイッチ部20を、第1導体部54および第2導体部56に対して所定の位置に、支持部50が固定するように、第1基板100と第2基板52との位置を合わせる。このとき、第1基板100に形成された第1基準マークと、第2基板52に形成された第2基準マークとを基準として、第1基板100と第2基板52とを貼り合わせてもよい。
【0073】
続いて、図10(b)に示すように、スイッチ部20を、第1導体部54および第2導体部56に対して所定の位置に、支持部50が固定するように、第1基板100と第2基板52とを貼り合わせる。第1基板100と第2基板52は、被支持部26と支持部50とを接合することにより、貼り合せることが好ましい。具体的には、被支持部26と支持部50は、陽極接合により接合されるのが好ましい。本実施例においては、まず、被支持部26と支持部50とを接触させた後、被支持部26および支持部50を、例えば300℃〜400℃に加熱する。次に、被支持部26および支持部50を、当該温度に保ったまま、被支持部26に、例えば500V〜1000Vの直流電圧を印加することにより、被支持部26と支持部50とを接合する。
【0074】
別の実施例において、第1基板100と第2基板52は、被支持部26と支持部50とを熱圧着を用いて接合することにより、貼り合せてもよい。具体的には、被支持部26と支持部50は、例えば200℃〜400℃に加熱された状態で、被支持部26および/または支持部50に圧力を加えることにより接合される。
【0075】
図11は、スイッチ10の製造方法の途中工程である、スイッチ部20の端部を加熱する加熱工程を示す。図11(a)は、被支持部26および支持部50が接合された状態を模式的に示す。続いて、図11(b)に示すように、スイッチ部20の端部に設けられた、接合部40が、第1導体部54に向かう方向に曲がるように、スイッチ部20の端部を、スイッチ部20が、曲がる温度以上の温度に加熱する。そして、スイッチ部20に設けられた導電性接合部材58aは、第1導体部54に設けられた導電性接合部材58bと接触する。スイッチ部20は、例えば赤外線などを用いて、局所的に加熱されてもよいが、加熱用の炉やチャンバーを用いて、基板全体を加熱してもよい。
【0076】
加熱工程において、スイッチ部20の全体を加熱してもよい。このとき、接触部40は、第2導体部56に向かう方向に曲げられ、接触部40に設けられた接触部材62は、第2導体部56と接触する。
【0077】
図12は、導電性接合部材58である半田を溶融する半田溶融工程、および導電性接合部材58である半田を冷却する接合工程を示す。図12(a)は、半田を溶融する半田溶融工程を示す。本実施例においては、加熱工程において接触した、スイッチ部20および第1導体部54に設けられた導電性接合部材58である半田を、溶融する温度以上に加熱することにより、導電性接合部材58である半田を溶融する。導電性接合部材58である半田は、例えば赤外線などを用いて、局所的に加熱されてもよいが、加熱用の炉やチャンバーを用いて、基板全体を加熱してもよい。
【0078】
図12(b)は、溶融した導電性接合部材58である半田を冷却する接合工程を示す。溶融した導電性接合部材58である半田を冷却することにより固化し、接合部30と第1導体部54とを電気的に接合する。本実施例においては、導電性接合部材58である半田が溶融する温度以下の温度に自然冷却し、導電性接合部材58を固化させることにより、接合部30と第1導体部54とを電気的に接合する。接合部30は、スイッチ部20が、曲がる温度以下の温度に冷却されても、第1導体部54と導電性接合部材58である半田を介して接合されたままである。接点部40は、スイッチ部20が、曲がる温度以下の温度に冷却されると、スイッチ部20が形成されたときの位置に戻ることにより、接点部40と第2導体部56とは、電気的に絶縁される。
【0079】
図10に示す、貼り合せ工程において、被支持部26と支持部50とを接合する際に、導電性接合部材58である半田が溶融する温度以上の温度に加熱される場合は、図11に示す加熱工程と、図12に示す半田溶融工程および接合工程とが、貼り合せ工程に含まれてもよい。導電性接合部材58が、例えば、金バンプなどの金属により形成される場合に、接合工程は、加熱工程において接触した導電性接合部材58aおよび導電性接合部材58bを、熱圧着などにより接合する工程を含んでもよい。また、導電性接合部材58が、導電性樹脂などにより形成される場合には、接合工程は、加熱工程において接触した導電性接合部材58aおよび導電性接合部材58bを、乾燥することにより接合する工程を含んでもよい。
【0080】
図13は、第1基板100および第2基板52を切削することにより、スイッチ10を得る、切削工程を示す。第1基板100および第2基板52に形成された複数のスイッチ10を、第1基板100および第2基板52を切削することにより、各々のスイッチ10を得ることが可能となる。ウエッとエッチングなどにより、第1基板100を所望の形状に加工してもよく、また、他の不要な部材を除去してもよい。さらに、第1基板100および第2基板52の所望の位置に、予め溝部を形成し、当該溝部に沿って、スイッチ10を各々分割してもよい。このとき、当該溝部に、折り曲げなどの圧力を加えることにより、スイッチ10を各々分割してもよい。
【0082】
切削工程において、第1基板100および第2基板52を、切削された基板が、複数のスイッチを含むように切削してもよい。このとき、複数のスイッチに設けられた複数の導体部を、例えばワイヤボンディングなどを用いて接続することにより、集積化回路装置を形成してもよい。また、複数のスイッチが、導体部を共有するように、基板に当該導体部を形成することにより、集積化回路装置を形成してもよい。さらに、単一基板上に、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの素子と、少なくとも1つ以上の当該スイッチを設け、所望の回路を形成することにより、集積化回路装置を形成してもよい。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、接触抵抗が低く、信頼性の高い、1点接点を有するスイッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるスイッチ10の断面を示す。
【図2】本発明の他の実施形態であるスイッチ10の断面を示す。
【図3】本発明の実施形態に係るスイッチ10の上面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態であるスイッチ10の製造方法の途中工程である、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。
【図5】本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。
【図6】本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。
【図7】本発明の一実施形態であるスイッチ10に含まれる、温度に応じて形状を変化させ、第1導体部54と第2導体部56とを電気的に接続する、スイッチ部20を形成するスイッチ部形成工程の途中工程を示す。
【図8】第2基板52に、スイッチ部20を固定する支持部50を形成する形成工程を示す。
【図9】第1基板100および第2基板52に形成された部材の斜視図を示す。
【図10】スイッチ10の製造方法の途中工程である、第1基板100と第2基板52とを貼り合せる、貼り合せ工程を示す。
【図11】スイッチ10の製造方法の途中工程である、スイッチ部20の端部を加熱する加熱工程を示す。
【図12】接合部材58である半田を溶融する半田溶融工程、および接合部材58である半田を冷却する接合工程を示す。
【図13】第1基板100および第2基板52を切削することにより、スイッチ10を得る、切削工程を示す。
【符号の説明】
10・・スイッチ、20・・スイッチ部、22・・第1構成部材、24・・第2構成部材、26・・被支持部、28・・第3導体部、30・・接合部、40・・接点部、50・・支持部、52・・第2基板、54・・第1導体部、56・・第2導体部、60・・ヒータ、62・・接点部材、70・・接地導体、72・・ヒータ線、74・・ヒータ電極、76・・バイパス線、80・・領域、82・・金属薄膜、84・・金属薄膜、100・・第1基板、102・・シリコン酸化膜、106・・溝部、108・・シリコン酸化膜、110・・・表面保護膜、112・・支持部形成パターン

Claims (13)

  1. 第1導体部と第2導体部とを電気的に接続させるスイッチ部を備えるスイッチであって、
    前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けられて前記スイッチ部を固定する支持部とを上面に有する第2基板と、
    前記第2基板の上面に貼り合わされた第1基板と
    を備え、
    前記第1基板は、
    前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含む前記スイッチ部と、
    前記接合部と前記接点部との間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および前記第2基板が貼り合わされることにより前記支持部に固定される被支持部と
    を有することを特徴とするスイッチ。
  2. 前記接合部は、前記スイッチ部を前記第1導体部に向かう方向に曲げることによって、前記第1導体部に接合される
    ことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  3. 前記スイッチ部が、熱膨張率の異なる複数の部材を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  4. 前記スイッチ部が、前記熱膨張率の異なる複数の部材を加熱するヒータを有する
    ことを特徴とする請求項3記載のスイッチ。
  5. 単一基板上に、第1導体部と第2導体部とを電気的に接続するスイッチ部を備えるスイッチが、複数設けられた集積化回路装置であって、
    前記スイッチが、
    前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けらて前記スイッチ部を固定する支持部とを上面に有する第2基板と、
    前記第2基板の上面に貼り合わされた第1基板と
    を備え、
    前記第1基板は、
    前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含む前記スイッチ部と、
    前記接合部と前記接点部との間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および前記第2基板が貼り合わされることにより前記支持部に固定される被支持部と
    を有することを特徴とする集積化回路装置。
  6. 請求項1のスイッチを製造する製造方法であって、
    前記接合部と前記第1導体部のどちらか一方または双方に、前記接合部と前記第1導体部とを接合するための導電性接合部材を形成する導電性接合部材形成工程と、
    前記接合部が前記第1導体部に向かう方向に曲がるように、前記接合部を加熱する加熱工程と、
    前記接合部と前記第1導体部とを接合する接合工程と
    を有することを特徴とする製造方法。
  7. 前記接合部に、熱膨張率の異なる複数の部材を形成する工程を
    更に有することを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 前記導電性接合部材形成工程が、
    前記接合部と前記第1導体部とを接合するための半田を形成する半田形成工程を含み、
    前記半田を溶融する半田溶融工程をさらに有し、
    前記接合工程が、
    溶融した前記半田を冷却することにより、前記接合部と前記第1導体部とを接合する工程を含む
    ことを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  9. 前記半田溶融工程における前記半田の溶融温度が、前記加熱工程において前記接合部が曲がる温度より高い
    ことを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 前記加熱工程および前記半田溶融工程が、恒温槽で処理される
    ことを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  11. 第1導体部と第2導体部とを電気的に接続するスイッチの製造方法であって、
    第1基板に、前記第1導体部に接合される接合部、並びに、温度に応じて形状を変化させて前記第2導体部に接触することにより前記第1導体部及び前記第2導体部を電気的に接続させる接点部含むスイッチ部と、前記接合部と前記接点部の間において前記スイッチ部を前記第1基板に対して固定し、前記第1基板および第2基板が貼り合わされることにより第2基板上の支持部に固定される被支持部とを形成するスイッチ部形成工程と、
    前記第2基板の上面に、前記第1導体部と、前記第2導体部と、前記第1導体部及び前記第2導体部の間に設けられ前記スイッチ部を固定する前記支持部を形成する形成工程と、
    前記スイッチ部の端部と前記第1導体部のどちらか一方または双方に、前記スイッチ部と前記第1導体部とを接合するための導電性接合部材を形成する導電性接合部材形成工程と、
    前記スイッチ部を、前記第1導体部および前記第2導体部に対して所定の位置に、前記支持部が固定するように、前記第1基板を前記第2基板の上面に貼り合わせる貼り合せ工程と、
    前記スイッチ部の端部が、前記第1導体部に向かう方向に曲がるように、前記スイッチ部の端部を加熱する加熱工程と、
    前記スイッチ部と前記第1導体部とを接合する接合工程とを有する
    ことを特徴とするスイッチの製造方法。
  12. 前記スイッチ部形成工程が、前記スイッチ部に、熱膨張率の異なる複数の部材を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項11記載のスイッチの製造方法。
  13. 前記導電性接合部材形成工程が、前記スイッチ部と前記第1導体部とを接合するための半田を形成する工程を含み、
    前記半田を溶融する半田溶融工程をさらに有し、
    前記接合工程が、溶融した前記半田を冷却することにより、前記スイッチ部と前記第1導体部とを電気的に接合する工程を含む
    ことを特徴とする請求項11記載のスイッチの製造方法。
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