JP4118965B2 - マイクロチャネルプレート及び光電子増倍管 - Google Patents

マイクロチャネルプレート及び光電子増倍管 Download PDF

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    • H01J31/507Image-conversion or image-amplification tubes, i.e. having optical, X-ray, or analogous input, and optical output tubes using secondary emission effect using a large number of channels, e.g. microchannel plates

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、各種の暗視装置や微弱光二次元計測装置などに用いられるマイクロチャネルプレート及び光電子増倍管に関し、より詳細には、人間の目に感知できない微弱な光学像を数万倍程度に増強することにより、肉眼によって十分に見える光学像を生成するイメージインテンシファイア(I.I.; Image Intensifier )に用いられるマイクロチャネルプレート及び光電子増倍管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、イメージインテンシファイアにおいては、微弱な光の下で使用されることが想定されている。そのため、微弱な光よりも強い光が所定面上に照射された場合、強い光の周囲が散乱光によって輝度を有するハロー現象や、強い光の周囲におけるバックグラウンドレベルが増大するフレア現象などの、諸現象の発生が知られている。以下、ハロー現象について、より具体的に説明する。
【0003】
図9(a)に示すように、入力窓の内面に形成された光電陰極40に強烈な第1のスポット光41が入射した場合、図9(b)に示すように、第1のスポット光41を増強した第2のスポット光61が出力窓の内面に形成された蛍光体層60で生成する。このとき、図9(b)に示すように、第2のスポット光61を中心として所定の径を有する同心円内の範囲にハロー光62が多重のハロー光成分63〜66を含んで生成する。
【0004】
例えば、図10に示すように、蛍光体層60の表面では、直径約0.15mm及び輝度200nit程度の第2のスポット光61の周囲に、外径約1.0mm及び輝度2nit未満のハロー光62が出現する。ここでは、ハロー光62の輝度は、第2のスポット光61の輝度と比較して10-2倍以下である。
【0005】
ここで、第2のスポット光61が比較的弱い場合、ハロー光62は第2のスポット光61よりも相対的に弱いので、イメージインテンシファイアによって増強された光学像の画質に及ぼすハロー光62の影響は顕著ではない。しかしながら、第2のスポット光61が比較的強い場合、ハロー光62も第2のスポット光61に対応して強くなるので、ハロー光62はイメージインテンシファイアによって増強された光学像の画質を著しく劣化させてしまう。
【0006】
なお、このようなイメージインテンシファイアに固有の特性であるハロー現象に関しては、文献
"MIL-I-49052D 3.6.9, 4.6.9"
などに詳細に記載されている。
【0007】
近年、このハロー現象を抑制するイメージインテンシファイアの開発が種々に試行されている。例えば、蛍光体層に入射した電子流を検出することにより、この電子流の電流値が閾値を越えないように、マイクロチャネルプレート(MCP; Micro Channel Plate)等に印加する電圧を制御することが行われている。そのため、MCP等で発生する過剰な電子が制限されるので、蛍光体層で発生するハロー光が抑制される。
【0008】
なお、このようなMCPの印加電圧を制御する先行技術に関しては、公報「特公昭63−29781号」などに詳細に記載されている。
【0009】
また、蛍光体層上に積層して形成されたアルミメタルバック層上に、カーボン等の軽元素を蒸着することにより、蛍光体層に入射する電子の反射を抑制する低電子反射率層を形成することが行われている。そのため、蛍光体層で反射された後に加速電界によって再び蛍光体層に入射する電子が低減するので、蛍光体層で発生するハロー光が抑制される。
【0010】
なお、このような蛍光体層の表面に低電子反射率層を形成する先行技術に関しては、公報「特開平2−33840号」などに詳細に記載されている。
【0011】
さらに、MCPのストリップ抵抗を所定の範囲に設定することにより、蛍光体層に入射する電子流の電流値が閾値を越えないように、電子に対するMCPの利得を自動制御することが行われている。そのため、MCPで発生する過剰な電子が制限されるので、蛍光体層で発生するハロー光が抑制される。
【0012】
なお、このようなMCPのストリップ抵抗を増大する先行技術に関しては、公報「特開平6−295690号」などに詳細に記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のイメージインテンシファイアにおいては、MCPと蛍光体層との間における電子流を制御することにより、ハロー光の発生を抑制している。しかしながら、イメージインテンシファイアによって増強された光学像の画質に及ぼすハロー光の影響は依然として無視できないものであるので、ハロー光の発生をいっそう抑制することが要求されている。
【0014】
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、ハロー現象及びフレア現象を抑制することによって光検出性能を向上させる光電子増倍管を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイクロチャネルプレートは、光電陰極から放出された光電子が、光電陰極との間隙に発生した電界によって加速されて入射するマイクロチャンネルプレートにおいて、(a)複数個のチャネル管をプレート状に集束して構成され、表面領域に金属鉛で構成された抵抗層が形成された鉛ガラスからなる少なくとも一つのダイノードと、(b)複数個のチャネル管の端部を配列したダイノードの電子入射側表面に形成されたITO膜で構成された導電性膜とを備えることを特徴とする。
【0016】
なお、導電性膜は、ITO膜またはネサ膜で形成されていることが好適である。ダイノードは、水素還元処理済みの鉛ガラスで形成されていることが好適である。
【0017】
また、本発明の光電子増倍管は、上記の目的を達成するために、(a)内部を高真空に保持する外囲器と、(b)この外囲器の入射窓の真空側表面に形成され、当該入射窓を通過して入射した光によって励起した光電子を真空中に放出する光電陰極と、(c)この光電陰極と対向して外囲器の内部に設置され、当該光電陰極から放出されて入射した光電子を増倍して放出する本発明のマイクロチャネルプレートと、(d)外囲器の入射窓と対向する出射窓の真空側表面付近に設置され、マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子を受容する陽極とを備えることを特徴とする。
【0018】
なお、外囲器の入射窓は、光電陰極の波長感度特性に対応した波長の光に対して透過性を有する材料で構成されたガラス面板であることが好適である。
【0019】
ここで、陽極は、外囲器の出射窓の真空側表面に形成され、マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子の衝撃によって発生した光を当該出射窓に出射する蛍光体層であり、本発明の光電子増倍管は、外囲器の入射窓に入射した光と当該外囲器の出射窓から出射された光との各二次元位置情報を一致させるイメージインテンシファイアとして機能することを特徴としてもよい。
【0020】
なお、外囲器の出射窓は、蛍光体層から出射された光に対して透過性を有する材料で構成されたガラス面板、あるいは、複数個の光ファイバをプレート状に集束して構成されたファイバプレートであることが好適である。
【0021】
また、光電陰極とマイクロチャネルプレートとの間隔は距離0.05mm〜0.3mmであり、かつ、マイクロチャネルプレートと蛍光体層との間隔は距離0.2mm〜1.5mmであり、本発明の光電子増倍管は、光電陰極、マイクロチャネルプレート及び蛍光体層を相互に接近して設置させた近接型イメージインテンシファイアとして機能することを特徴としてもよい。
【0022】
【作用】
本発明のマイクロチャネルプレートにおいては、外部電圧源から所定の電圧をそれぞれ印加することにより、ダイノードの電子出射側表面から電子入射側表面に向かう電界が各チャネル管の内側に発生する。
【0023】
このとき、ダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管の端部に到達した電子は、チャネル管の内側に発生した電界によって加速され、チャネル管の壁面に対する衝突を繰り返しながら移動し、一定のエネルギーを失う毎に一対の電子−正孔対を生成する。この電子−正孔対として生成された電子は、二次電子として電子−正孔対を生成する過程を繰り返す。そのため、印加電圧に起因する所定のゲインで増倍した電子が、ダイノードの電子出射側表面に配列されたチャネル管の端部から放出される。
【0024】
ここで、ダイノードの電子入射側面には、電子の生成に起因した光に対して透過性を有し、かつ、当該光に対してダイノードの構成材料よりも小さい屈折率を有する導電性膜が形成されている。これにより、外部から入射した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達した場合であっても、導電性膜の光透過性やダイノードの光吸収性などに基づいて、ダイノードの電子入射側表面に対向する所定の光入射面に再び拡散して戻る光は著しく低減する。そのため、チャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射した光がダイノードの電子入射側面に対向する所定の光入射面に発生させるハロー現象及びフレア現象は抑制される。
【0025】
本発明の光電子増倍管においては、外部電圧源から光電陰極、マイクロチャネルプレート及び陽極に所定の電圧をそれぞれ印加することにより、光電陰極とマイクロチャネルプレートとの間隙と、ダイノードの電子入射面と電子出射面との間隙と、マイクロチャネルプレートと陽極との間隙とには、陽極から光電陰極に向かう電界がそれぞれ発生する。
【0026】
このとき、微弱な光が外部から外囲器の入射窓を通過して光電陰極に入射した場合、光電陰極の価電子帯に位置する電子がその伝導帯に励起し、負の電子親和力作用によって光電子として真空中に放出される。このように光電陰極から放出された光電子は、光電陰極とマイクロチャネルプレートとの間隙に発生した電界によって加速され、ダイノードの電子入射側表面に入射する。
【0027】
ここで、鉛ガラスからなるダイノードの電子入射側面には、ITO膜又はネサ膜で構成された導電性膜が形成されている。これにより、光電陰極を通過した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達した場合であっても、導電性膜の光透過性やダイノードの光吸収性などに基づいて、光電陰極に再び拡散して戻る光は著しく低減する。そのため、チャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射した光が光電陰極に発生させるハロー現象及びフレア現象は抑制される。
【0028】
一方、マイクロチャネルプレートに入射した光電子は、チャネル管の内側に発生した電界によって加速され、チャネル管の壁面に対する衝突を繰り返しながら移動し、一定のエネルギーを失う毎に一対の電子−正孔対を生成する。この電子−正孔対として生成された電子は、二次電子として電子−正孔対を生成する過程を繰り返すことになる。そのため、印加電圧に起因する所定のゲインで増倍した光電子が、ダイノードの電子出射側表面に配列されたチャネル管の端部から放出される。このようにマイクロチャネルプレートから放出された光電子は、マイクロチャネルプレートと陽極との間隙に発生した電界によって加速され、陽極に入射して受容される。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の光電子増倍管に係る一実施例の構成および作用について、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
本実施例の光電子増倍管は、外囲器の内部で光電陰極、MCP及び蛍光体層を相互に近接して設置した近接型イメージインテンシファイアとして機能するものである。
【0031】
図1に示すように、光電子増倍管10の内部は、略中空円柱状の外囲器20の両端部を略円板状の入射窓30及び略円柱状の出射窓70によって気密に封止することにより、圧力約1×10-8〜1×10-6Torrを有する高真空に保持されている。外囲器20は、略中空円筒状の側管部材21と、この側管部材21の側部を被覆する略中空円柱状のモールド部材22と、このモールド部材22の側部及び底部を被覆する略中空円筒状のケース部材22とから構成されている。特に、モールド部材22の両端部には2個の貫通孔がそれぞれ形成されている。ケース部材22の一端部は開放して形成され、ケース部材23の他端部にはモールド部材22の一方の貫通孔とその周縁を一致させた貫通孔が形成されている。
【0032】
モールド部材22の一端部側には、入射窓30がモールド部材22の一方の貫通孔周辺の表面と接合して設置されている。この入射窓30の真空側表面の中央領域には、薄膜状の光電陰極40が形成されている。また、モールド部材22の他端部側には、出射窓70がモールド部材22の他方の貫通孔に嵌合して設置されている。この出射窓70の真空側表面の中央領域には、薄膜状の蛍光体層60が形成されている。さらに、光電陰極40と蛍光体層60との間には、円板状のMCP50が光電陰極40及び蛍光体層60に対向して所定の間隙をそれぞれ保持して設置されている。このMCP50は、側管部材21の複数箇所でその一端部を埋没して支持された2種類の取付部材81,82の他端部によって挾持されている。
【0033】
入射窓30の真空側表面の周辺領域には、金属製の第1の配線層(図示しない)が光電陰極40と接触して形成されている。この第1の配線層に接触するために、モールド部材22の側部の複数箇所でその一端部を埋没し、かつ、側管部材21と入射窓30とによって挾持されることによって支持された取付部材80が、その他端部を延ばして設置されている。
【0034】
出射窓70の真空側表面の周辺領域には、金属製の第2の配線層(図示しない)が蛍光体層60と接触して形成されている。この第2の配線層に接触するために、モールド部材22の側部の複数箇所でその一端部を埋没し、かつ、側管部材21とモールド部材22とによって挾持されることによって支持された取付部材83が、その他端部を延ばして設置されている。
【0035】
4種類の取付部材80〜83の一端部にその一端部をそれぞれ接触した4種類のリード線90〜93が、モールド部材22及びケース部材23を気密に貫通して外部に突出して設置されている。これらリード線90〜93の他端部は、外部電圧源(図示しない)と電気的にそれぞれ接続されている。そのため、光電陰極40と、MCP50の光電陰極側表面及び蛍光体層側裏面(ダイノード51の電子入射側表面及び電子出射側表面)と、蛍光体層60とに対しては、外部電圧源から高電圧がそれぞれ印加されている。
【0036】
図2に示すように、光電陰極40とMCP50の光電陰極側表面との間には、電位差V1 として約200Vが設定されている。MCP50の光電陰極側表面と蛍光体層側表面との間には、電位差V2 として約500V〜約900Vが可変に設定されている。MCP50の蛍光体層側表面と蛍光体層60との間には、電位差V3 として約6kVが設定されている。
【0037】
なお、側管部材21の複数箇所でその一端部を埋没して支持された取付部材84が、その他端部を出射窓70と所定の間隙を保持して設置されている。5種類の取付部材80〜84は、ともにコバール金属で形成されている。4種類のリード線90〜93は、ともにテフロン電線で形成されている。
【0038】
より詳細には、側管部材21は、所定の形状にプラスチックを加工して形成されている。モールド部材22は、入射窓30、側管部材21及び出射窓70の各周囲にシリコンゴムをモールド成形して形成されている。ケース部材23は、モールド部材21の周囲に対応した形状にプラスチックを加工して形成されている。
【0039】
入射窓30は、大気側及び真空側の各表面の中央領域に共に略平面を有する形状に石英ガラスを加工して形成されたガラス面板である。光電陰極40は、アルカリ金属を入射窓30の真空側表面に蒸着して形成されており、例えば、K、Na等の分子膜として構成されている。この光電陰極40は、外部電圧源からリード線90及び取付部材80を介して印加された電圧に基づいて、電位約−150V〜約−200Vに保持されている。
【0040】
出射窓70は、多数個の光ファイバをプレート状に集束して構成されたファイバープレートである。これらの光ファイバは、光電陰極40に対して各光軸を直交させ、かつ、各真空側端面を面一に整合させることによって設置されている。蛍光体層60は、蛍光体を出射窓70の真空側表面に塗布して形成されており、例えば、(ZnCd)S:Ag等で構成されている。この蛍光体層60は、外部電圧源からリード線93及び取付部材83を介して印加された電圧に基づいて、電位約5000V〜約6000Vに保持されている。
【0041】
なお、蛍光体層60の真空側表面には、メタルバック層と低電子反射率層とが順次積層して形成されている。メタルバック層は、蛍光体層60の表面にAlを蒸着して形成されている。このメタルバック層は、MCP50を通過して入射した光に対して比較的高い反射率を有し、かつ、MCP50から放出されて入射した光電子に対して比較的高い透過率を有する。低電子反射率層は、メタルバック層の表面にC,Be等を蒸着して形成されている。この低電子反射率層は、MCP50から放出されて入射した光電子に対して比較的低い反射率を有する。
【0042】
ここで、図3に示すように、MCP50は、複数個のチャネル管をプレート状に集束して構成された少なくとも一つのダイノード51を備えている。このダイノード51の電子入射面及び電子出射面に配列されたチャネル管のピッチは、隣接するチャネル管の中心間距離として約7.5μm〜約25μmである。
【0043】
このダイノード51は、所定の形状に透明色の鉛ガラスを加工した後に真空炉の内部に設置し、高温の水素ガスを流入することによって鉛ガラスの表面から内部に向かって順次還元して形成されている。これにより、ダイノード51の表面領域には、水素還元処理の進行状態に対応して析出した金属鉛で構成された黒色の抵抗層が生成されている。そのため、真空炉の雰囲気温度、水素ガス濃度、還元時間等をパラメータとして抵抗層の生成を制御することにより、MCP50は約1×108 Ω〜約1×1010Ωのストリップ抵抗を有する。
【0044】
このようなダイノード51の電子入射側表面には薄膜状の導電性膜52が形成されており、導電性膜52は、In2 3 及びSnO2からなるITO膜又はネサ(NESA)膜から構成されており、入射窓30及び光電陰極40を通過した光に対して透過性を有し、導電性材料を蒸着して形成されている。
【0045】
なお、MCP50の光電陰極側表面、すなわち、導電性膜52は、外部電圧源からリード線91及び取付部材81を介して印加された電圧に基づいて、電位約−150V〜約−200Vに保持されている。MCP50の蛍光体層側裏面は、外部電圧源からリード線92及び取付部材82を介して印加された電圧に基づいて、電位約500V〜約900Vに保持されている。
【0046】
また、MCP50の光電陰極側表面と光電陰極40との間隔は、距離約0.05mm〜約0.3mmであり、MCP50の蛍光体層側裏面と蛍光体層70との間隔は、距離約0.2mm〜約1.5mmである。より望ましくは、MCP50の光電陰極側表面と光電陰極40との間隔は、距離約0.1mm〜約0.3mmであることが好適であり、MCP50の蛍光体層側裏面と蛍光体層70との間隔は、距離約0.5mm〜約1.0mmであることが好適である。
【0047】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0048】
図1及び図2に示すように、外部電圧源から光電陰極40、MCP50及び蛍光体層60に所定の電圧をそれぞれ印加することにより、光電陰極40とMCP50との間隙と、ダイノード51の電子入射面と電子出射面との間に配列されたチャネル管の内側と、MCP50と蛍光体層60との間隙とには、蛍光体層60から光電陰極40に向かう電界がそれぞれ発生する。
【0049】
このとき、第1の光学像として微弱な光hν1 が外部から入射窓30を通過して光電陰極40に入射した場合、光電陰極40の価電子帯に位置する電子がその伝導帯に励起し、負の電子親和力作用によって光hν1 の二次元位置情報を保持した光電子e- 1 として真空中に放出される。このように光電陰極40から放出された光電子e- 1 は、光電陰極40とMCP50との間隙に発生した電界によって加速され、ダイノード51の電子入射側表面に入射する。
【0050】
ここで、図3に示すように、ダイノード51の電子入射側表面には、光hνinに対して透過性を有する導電性膜52が形成されている。これにより、光電陰極40を通過した光hν1 が光hνinとしてダイノード51の電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達した場合であっても、導電性膜52の光透過性やダイノード51の光吸収性などに基づいて、光電陰極40に再び拡散して戻る光hνrfは著しく低減する。そのため、チャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部で乱反射した光hνrfが光電陰極40に発生させるハロー現象及びフレア現象は抑制される。
【0051】
一方、MCP50に入射した光電子e- 1 は、チャネル管の内側に発生した電界によって加速され、チャネル管の壁面に対する衝突を繰り返しながら移動し、エネルギー約3.6eVを失う毎に一対の電子−正孔対を生成する。この電子−正孔対として生成された電子は、二次電子として光電子e- 1 と同様に電子−正孔対を生成する過程を繰り返す。そのため、光電子e- 1 と比較して増倍した光電子e- 2 が、光hν1 の二次元位置情報を保持してMCP50の蛍光体層側表面から放出される。このとき、光電子e- 1 に対する光電子e- 2 のゲインは、印加電圧V2 に起因して約1×103 〜約2×104 に達する。このようにMCP50から放出された光電子e- 2 は、MCP50と蛍光体層60との間隙に発生した電界によって加速され、蛍光体層60に入射する。
【0052】
蛍光体層60に入射した光電子e- 2 の衝撃に対応し、蛍光として発生した光hν2 が出射窓70に入射する。このように出射窓70に入射した光hν2 は、光hν1 の二次元位置情報を保持した第2の光学像として外部に出射される。
【0053】
次に、本実施例に関する実験について説明する。
【0054】
本実施例の光電子増倍管と従来例の光電子増倍管とをそれぞれ試作することにより、各光電子増倍管の性能を比較する実験を行った。
【0055】
まず、本実施例の光電子増倍管に内蔵するMCPのサンプルと従来例の光電子増倍管に内蔵するMCPのサンプルとして、光学研磨した鉛ガラス製のダイノードに電極として各種導電性膜を蒸着してそれぞれ形成したものについて、その光反射率の波長スペクトルを測定した。ここで、本実施例のサンプルとしては、ITO膜がダイノードの電子入射側表面に形成されたもののみの1種類のMCPを設定した。従来例のサンプルとしては、インコネル膜がダイノードの電子入射側表面に形成されたものと、いかなる導電性膜もダイノードの電子入射側表面に形成されていないものとからなる2種類のMCPを設定した。
【0056】
ただし、各ダイノードの構成材料としては、水素還元未処理の鉛ガラスと水素還元処理済みの鉛ガラスとを設定した。なお、水素還元未処理の鉛ガラスは透明色を呈しており、水素還元処理済みの鉛ガラスはガラス中に析出した金属鉛によって黒色を帯びている。
【0057】
図4に、水素還元未処理の鉛ガラス製のサンプルにおける光反射率の波長スペクトルを示す。図5に、水素還元処理済みの鉛ガラス製のサンプルにおける光反射率の波長スペクトルを示す。これらのグラフでは、横軸はダイノードの電子入射側表面に照射した光の波長を表し、縦軸はダイノードの電子入射側表面における光反射率を表す。
【0058】
続いて、水素還元未処理の鉛ガラス製のダイノードをサンプルとして、その光屈折率を測定した。このとき、ダイノードの光電陰極側表面で反射したレーザ光をPD(Photo Diode )で検出することにより、ダイノードの電子入射側表面における光反射率rを式(1)に基づいて測定し、そのダイノードの光屈折率nを算出する方法を適用した。
【0059】
r=Prf/Pin (1)
ただし、
in:ダイノードに入射したレーザ光の光強度,
rf:ダイノードで反射されたレーザ光の光強度
である。
【0060】
なお、レーザ光を照射する光源としては、HeNeレーザを使用した。HeNeレーザから出射されたレーザ光を、波長632.8nm及び入射角90°に設定した。
【0061】
ここで、ダイノードの電子入射側表面における表面光反射率Rを式(2)に基づいて算出し、ダイノードの光屈折率nを式(3)に基づいて算出した。
【0062】
R+R(1−R)2 =r (2)
n=(1+R1/2 )/(1−R1/2 ) (3)
さらに、水素還元処理済みの鉛ガラス製のダイノードをサンプルとして、その光屈折率をエリプソメータで測定した。なお、レーザ光を照射する光源としては、HeNeレーザを使用した。HeNeレーザから出射されたレーザ光を、波長632.8nm及び入射角70°に設定した。
【0063】
そして、水素還元未処理の鉛ガラス製及び水素還元処理済みの鉛ガラス製の各サンプルにおける光屈折率は、次の通りであった。ただし、jは虚数単位である。
【0064】
水素還元未処理の鉛ガラスの光屈折率:1.49,
水素還元処理済みの鉛ガラスの光屈折率:1.8+0.15j
これらの結果、MCPとして水素還元処理済みの鉛ガラスで構成されたダイノードの電子入射側表面にITO膜が形成された本実施例のサンプルは、その他のサンプルに対して大部分の波長領域で最小の光反射率を有している。また、ダイノードとして水素還元処理済みの鉛ガラスで構成されたサンプルは、水素還元未処理の鉛ガラス製のサンプルよりも大きい光屈折率を有している。そのため、ダイノードを水素還元処理済の鉛ガラスで構成するとともに、ダイノードの電子入射側表面にITO膜を形成することが、光電陰極を通過した光の乱反射を防止するために有効であることがわかる。
【0065】
次に、本実施例の光電子増倍管と従来例の光電子増倍管とおいて、フレア現象を検出した。ただし、本実施例の光電子増倍管としては、ITO膜がダイノードの電子入射側表面に形成されたものを設定した。従来例の光電子増倍管としては、インコネル膜がダイノードの電子入射側表面に形成されたものを設定した。
【0066】
このとき、白色の地に描いた黒色の矩形状パターンを各光電子増倍管で撮像した光学像を画像処理することにより、矩形状パターンを構成する黒色のレベル値が増大した比率をフレア値として測定した。なお、地を構成する白色のレベル値は100%であった。
【0067】
各光電子増倍管におけるフレア値は、次の通りであった。
【0068】
本実施例の光電子増倍管のフレア値: 5%,
従来例の光電子増倍管のフレア値:10%
この結果、本実施例の光電子増倍管は、従来の光電子増倍管よりも小さいフレア値を有している。そのため、ダイノードの電子入射側表面に形成されたITO膜は、光電陰極を通過した光の乱反射を防止する反射防止膜として良好に機能することがわかる。
【0069】
さらに、本実施例の光電子増倍管と従来例の光電子増倍管とにおいて、ハロー現象を検出した。ただし、本実施例の光電子増倍管としては、表1のNo.3〜No.5に示す3種類の光電子増倍管を設定した。従来例の光電子増倍管としては、表1のNo.1,No.2に示す2種類の光電子増倍管を設定した。
【0070】
【表1】
Figure 0004118965
【0071】
このとき、図6に示すように、LED(Light Emitted Diode )110から出射された光を光電子増倍管を含む撮像システムで撮像することにより、ハロー光を測定した。なお、撮像システムとしては、LED110の前方に光学系として拡散板120、アパーチャ130、対物レンズ140、I.I.150、リレーレンズ160及びCCDカメラ170を順次配列し、CCDカメラ170のビデオ出力端子にビデオデッキ180及びモニタ190を順次接続することによって構成した。
【0072】
ただし、LED110は、波長630nmの赤色光を発生するものであった。拡散板120は、輝度0.8lxを有するものであった。アパーチャ130は、LED110から距離3.2mだけ離れて位置する開口を有するものであった。対物レンズ140は、ニッコール社製で焦点距離24mm及びF値2を有するものであった。I.I.150は、ルミナスゲイン1000lm・m-2・lx-1をそれぞれ有する本実施例の光電子増倍管または従来例の光電子増倍管であった。リレーレンズ160は、共に焦点距離50nm及びF値1.2を有する2個のレンズを1:1に接続して構成されたものであった。CCDカメラ170は、ソニー社製で画角2/3”を有するものであった。また、I.I.150から対物レンズ140に戻った光が起因して発生するハロー現象は、光学系の構成を工夫して排除した。
【0073】
ここで、図7(a)に示すようにCCD170の受光面でスポット光171の周囲に出現するハロー光172について、図7(b)に示すように輝度分布を測定した。ただし、CCD170の飽和レベルに一致するスポット光171の輝度に対して、90%,50%,5%及び0%の輝度を有する3種類のハロー光成分173〜175について、スポット光171を中心とする径方向に沿った幅W90,W50,W5 をハロー現象の尺度として比較した。
【0074】
図8に、表1のNo.5に示す本実施例の光電子増倍管と表1のNo.2に示す従来例の光電子増倍管とについて、スポット光成分173〜175の幅W90,W50,W5 をそれぞれ示す
この結果、ダイノードの電子入射側表面にITO膜が形成された本実施例の光電子増倍管は、従来の光電子増倍管と比較してハロー現象の発生を抑制している。そのため、ダイノードの電子入射側表面に形成されたITO膜は、光電陰極を通過した光の乱反射を防止する反射防止膜として良好に機能することがわかる。また、蛍光体層の真空側表面にカーボン膜を蒸着して低電子反射率層を形成する技術や、MCPのストリップ抵抗を増大させる技術などを適用することにより、ハロー現象の発生をいっそう抑制することがわかる。
【0075】
以上の諸実験によれば、従来例の光電子増倍管においては、ダイノードの電子入射側表面に金属光沢を有するインコネル膜等の電極が形成されていることから、光電陰極を通過した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射されて拡散して光電陰極に再び戻ってしまう。そのため、光電陰極で外部から光が入射していない真空側表面の部分から放出された光電子が、ハロー現象及びフレア現象を引き起こす原因の一つとなっている。
【0076】
一方、本実施例の光電子増倍管においては、光電陰極を通過した光に対して透過性を有するITO膜等の導電性膜を、ダイノードの電子入射側表面に形成している。これにより、光電陰極を通過した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達することがあっても、導電性膜の光透過性やダイノードの光吸収性などに基づいて、光電陰極に再び拡散して戻る光は著しく低減する。そのため、光電陰極を通過した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射されて再び光電陰極に到達することに起因して発生するハロー現象及びフレア現象が抑制されるので、入射窓に入射した第1の光学像を増強して出射窓から出射される第2の光学像の画質を向上することができる。
【0077】
なお、本発明は上記実施例に限られるものではなく、種々の変形を行うことが可能である。例えば、上記実施例においては、近接型イメージインテンシファイアとして機能する光電子増倍管を開示している。しかしながら、イメージインテンシファイアとしての構成は、近接型に限定されるものではなく、光電陰極とMCPとの間隙に設置されて光電子の飛跡を制御する各種のフォーカス電極を有するものであっても、上記実施例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。また、光電子増倍管としての構成は、イメージインテンシファイア装置のような二次元光検出器に限定されるものではなく、MCPの後段に設置された蛍光体層を必要としないものであっても、上記実施例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のマイクロチャネルプレートにおいては、電子の生成に起因した光に対して透過性を有するITO等の導電性膜が、ダイノードの電子入射側面に形成されている。これにより、外部から入射した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達した場合であっても、導電性膜の光透過性やダイノードの光吸収性などに基づいて、ダイノードの電子入射側表面に対向する所定の光入射面に再び拡散して戻る光は従来よりも著しく低減する。そのため、チャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射した光がダイノードの電子入射側面に対向する所定の光入射面に発生させるハロー現象及びフレア現象は抑制される。
【0079】
本発明の光電子増倍管においては、光電陰極を通過した光に対して透過性を有するITO等の導電性膜が、ダイノードの電子入射側面には形成されている。これにより、光電陰極を通過した光がダイノードの電子入射側表面に配列されたチャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などに到達した場合であっても、導電性膜の光透過性やダイノードの光吸収性などに基づいて、光電陰極に再び拡散して戻る光は著しく低減する。そのため、チャネル管のエッジ部やその周辺に位置する凹凸部などで乱反射した光が光電陰極に発生させるハロー現象及びフレア現象は抑制される。
【0080】
このように、本発明のマイクロチャネルプレート及び光電子増倍管によれば、マイクロチャネルプレートで乱反射された光が光電陰極に到達することに起因して発生するハロー光及びフレア光が低減する。そのため、ダイノードの電子入射側表面及び電子出射側表面に配列されたチャネル管のピッチを微小化することにより、各チャネル管でエッジ部が占める長さは単位面積当たり増大した場合においても、マイクロチャネルプレートで乱反射された光は従来程度に抑制される。したがって、コントラストや解像度などの光検出性能を向上させるという効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電子増倍管に係る一実施例の構造を部分的に破砕して示す平面図である。
【図2】図1の光電子増倍管の簡略した構成における各種電圧の印加状態を示す断面図である。
【図3】図1の光電子増倍管の拡大した構成における光電陰極とMCPとの間の光の飛跡を示す断面図である。
【図4】各種導電性膜を有する水素還元未処理のMCPにおける光反射率の波長スペクトルを示すグラフである。
【図5】各種導電性膜を有する水素還元処理済みのMCPにおける光反射率の波長スペクトルを示すグラフである。
【図6】図1の光電子増倍管及び従来例の光電子増倍管を比較する実験を行う撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図7】(a)は図6の撮像システムにおいてCCDカメラの受光面に発生したスポット光及びそのハロー光を示す平面図であり、(b)は(a)のスポット光及びそのハロー光の各輝度分布を示すグラフである。
【図8】図1の光電子増倍管及び従来例の光電子増倍管で測定したハロー光成分の幅を示すグラフである。
【図9】(a)は従来例の光電子増倍管において光電陰極に入射した第1のスポット光を示す平面図であり、(b)は(a)の第1のスポット光に起因して蛍光体層に発生した第2のスポット光及びそのハロー光を示す平面図である。
【図10】図9(b)の第2のスポット光及びそのハロー光の各輝度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10…光電子増倍管、20…外囲器、30…入射窓、40…光電陰極、50…マイクロチャネルプレート、51…ダイノード、52…導電性膜、60…陽極、70…出射窓。

Claims (7)

  1. 光電陰極から放出された光電子が、前記光電陰極との間隙に発生した電界によって加速されて入射するマイクロチャンネルプレートにおいて、
    複数個のチャネル管をプレート状に集束して構成され、表面領域に金属鉛で構成された抵抗層が形成された鉛ガラスからなる少なくとも一つのダイノードと、
    前記複数個のチャネル管の端部を配列した前記ダイノードの電子入射側表面に形成されたITO膜で構成された導電性膜と
    を備えることを特徴とするマイクロチャネルプレート。
  2. 内部を高真空に保持する外囲器と、この外囲器の入射窓の真空側表面に形成され、当該入射窓を通過して入射した光によって励起した光電子を真空中に放出する光電陰極と、この光電陰極と対向して前記外囲器の内部に設置され、当該光電陰極から放出されて入射した光電子を増倍して放出する請求項1記載のマイクロチャネルプレートと、前記外囲器の入射窓と対向する出射窓の真空側表面付近に設置され、前記マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子を受容する陽極とを備えることを特徴とする光電子増倍管。
  3. 前記外囲器の入射窓は、前記光電陰極の波長感度特性に対応した波長の光に対して透過性を有する材料で構成されたガラス面板であることを特徴とする請求項2記載の光電子増倍管。
  4. 前記陽極は、前記外囲器の出射窓の真空側表面に形成され、前記マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子の衝撃によって発生した光を当該出射窓に出射する蛍光体層であり、前記外囲器の入射窓に入射した光と当該外囲器の出射窓から出射された光との各二次元位置情報を一致させるイメージインテンシファイアとして機能することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の光電子増倍管。
  5. 前記外囲器の出射窓は、前記蛍光体層から出射された光に対して透過性を有する材料で構成されたガラス面板であることを特徴とする請求項4記載の光電子増倍管。
  6. 前記外囲器の出射窓は、複数個の光ファイバをプレート状に集束して構成されたファイバプレートであることを特徴とする請求項4記載の光電子増倍管。
  7. 複数個のチャネル管をプレート状に集束して構成され鉛ガラスからなる少なくとも一つのダイノードと、前記複数個のチャネル管の端部を配列した前記ダイノードの電子入射側表面に形成されたITO膜又はネサ膜で構成された導電性膜とを備えたマイクロチャネルプレートと、
    内部を高真空に保持する外囲器と、
    この外囲器の入射窓の真空側表面に形成され、当該入射窓を通過して入射した光によって励起した光電子を真空中に放出する光電陰極と、
    この光電陰極と対向して前記外囲器の内部に設置され、当該光電陰極から放出されて入射した光電子を増倍して放出する前記マイクロチャネルプレートと、
    前記外囲器の入射窓と対向する出射窓の真空側表面付近に設置され、前記マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子を受容する陽極とを備え、
    前記陽極は、
    前記外囲器の出射窓の真空側表面に形成され、前記マイクロチャネルプレートから放出されて入射した光電子の衝撃によって発生した光を当該出射窓に出射する蛍光体層であり、前記外囲器の入射窓に入射した光と当該外囲器の出射窓から出射された光との各二次元位置情報を一致させるイメージインテンシファイアとして機能し、
    前記光電陰極と前記マイクロチャネルプレートとの間隔は距離0.05mm〜0.3mmであり、かつ、前記マイクロチャネルプレートと前記蛍光体層との間隔は距離0.2mm〜1.5mmであり、前記光電陰極、前記マイクロチャネルプレート及び前記蛍光体層を相互に接近して設置させた近接型イメージインテンシファイフアとして機能することを特徴とする光電子増倍管。
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