JP4118760B2 - フロントローダの操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントローダの操作装置に関するものである。
フロントローダは、トラクタの車体前部左右両側のサイドフレームに着脱可能に装着されたメインフレームと、基端をメインフレームの上部に枢支され、油圧アクチュエータによって昇降動作可能とされたブームと、ブームの先端に枢支され、油圧アクチュエータによって上下揺動可能とされた先端作業具(例えば、バケット等)と、前記各油圧アクチュエータを動作制御するコントロールバルブと、該コントロールバルブの操作部とを備え、前記コントロールバルブは、前記左右サイドフレームの一方の後面に支持ブラケットを介して取付け配置され、また、前記操作部はコントロールバルブの上方のスプール延長方向に操作部支持機構を介して設置されている(例えば、特許文献1参照)。
前記コントロールバルブには、トラクタのエンジンによって駆動される油圧発生ユニットのポンプ及び作動油タンク用接続部と、前記油圧アクチュエータ用接続部とが設けられている。
特開2000−309940号公報(図1、図3、図5参照)
従来では、フロントローダのコントロールバルブが、トラクタのサイドフレームの後面に支持ブラケットを介して取付け配置されていたため、フロントローダの各油圧アクチュエータに油圧ホースを接続する場合、上記サイドフレーム及び該サイドフレームに装着されるフロントローダのメインフレームが障害物となり、ホースの取り回しが阻害され、外観も低下するという問題があった。
なお、上記問題を回避するために、コントロールバルブをトラクタのサイドフレームより内側に偏位させて取付け配置することも想定されるが、トラクタのサイドフレームの内側にはボンネット側面が接近して配置されているため、前記コントロールバルブを配置するだけの余裕が確保できないという問題がある。
本発明は、従来のフロントローダの操作装置の上記問題点に鑑みて開発されたもので、フロントローダの各油圧アクチュエータへの油圧ホースの接続分離操作を、サイドフレームに阻害されることなく前面から容易に行なうことができるようにコントロールバルブを配設し、ホースの取り回しをすっきりとさせ、外観を向上させることができるフロントローダの操作装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明は、トラクタの車体前部左右両側のサイドフレームに着脱可能に装着されたメインフレームと、基端をメインフレームの上部に枢支され、油圧アクチュエータによって昇降動作可能とされたブームと、ブームの先端に枢支され、油圧アクチュエータによって上下揺動可能とされた先端作業具と、前記各油圧アクチュエータを動作制御するコントロールバルブと、該コントロールバルブの操作部とを備え、前記左右サイドフレームの一方の後面に支持ブラケットを取り付け、この支持ブラケットに前記コントロールバルブを前記メインフレームの真後方に配置して取り付け、前記コントロールバルブに設けられるアクチュエータ接続部を、前記メインフレームの後面からトラクタの左右方向内方に突出偏位させて、前記メインフレームとボンネット側面との間に開口配置していることを特徴としている。
また、本発明のコントロールバルブは、バルブ本体と、該バルブ本体に締結部材を介して締結されていてバルブ本体からボンネット側に突出した油圧ブロックとに分割して構成され、前記アクチュエータ接続部がこの油圧ブロックの上記突出部に前方開口状に縦一列で形成されていることを特徴としている。
また、本発明の前記バルブ本体と油圧ブロックとは、前記締結部材の締結位置で作動油の油路が相互に連通接続されていることを特徴としている。
また、本発明の前記操作部は、コントロールバルブのスプール延長方向に設置された操作部支持機構を介して揺動操作可能に支持された1本の操作レバーと、該操作レバーの揺動支点の軸方向側方に該軸方向に沿って移動可能に配置されたロックピンを前記揺動支点の軸方向に移動させてロック孔に挿脱することにより、該操作レバーの揺動を規制・解除するロック機構とを具備していることを特徴としている。
本発明は、フロントローダのコントロールバルブを、トラクタの一方のサイドフレームの後面に配置すると共に、前記コントロールバルブに設けられるアクチュエータ接続部を、前記サイドフレームの後面からトラクタの左右方向内方に突出偏位させて、前記サイドフレームとボンネット側面との間に縦一列で前面に向けて開口配置したことによって、フロントローダの各油圧アクチュエータへ接続されるホースの取り回しをすっきりさせることができる。その際、コントロールバルブのアクチュエータ接続部にクイックカプラを設けることにより、外観を向上させることが可能となる。
また、本発明は、コントロールバルブをバルブ本体とバルブ本体からボンネット側に突出した油圧ブロックとに分割して構成し、該油圧ブロックの上記突出部にアクチュエータ接続部を設けることによって、製作を容易化することができる。その際、バルブ本体と油圧ブロックとを締結部材の締結位置で作動油の油路を相互に連通接続させることによって、接続部のシール構造を簡単且つ確実化することができる。
また、本発明は、コントロールバルブの操作部を、コントロールバルブのスプール延長方向に設置された操作部支持機構を介して揺動操作可能に支持された1本の操作レバーと、該操作レバーの揺動支点の軸方向側方に該軸方向に沿って移動可能に配置されたロックピンを前記揺動支点の軸方向に移動させてロック孔に挿脱することにより、該操作レバーの揺動を規制・解除するロック機構とを具備させたことによって、操作レバーの揺動支点からコントロールバルブのスプール連結点までの距離を短くすることができ、操作部をコンパクト化することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、図6に示すようなトラクタ1の前部にフロントローダ2が、後部にはバックホー3が装着されたトラクタ・ローダ・バックホーに適用したり、フロントローダ2だけが装着されたものに適用されるものである。
図6において、トラクタ1は、車体フレーム4の前部のボンネット5内に搭載されたエンジン(図示省略)により後部のミッション(図示省略)を経由して後輪6のみ又は前輪7及び後輪6に駆動力が伝達されて走行可能とされ、運転席8の前方に設けられた操縦ハンドル9によって前輪7の操向操作が可能とされている。運転席8は、前後に向きを変えることができ、フロントローダ2を操作したり、バックホー3を操作したりすることができる。
フロントローダ2は、トラクタ1の車体前部左右両側のサイドフレーム10に着脱可能に装着されたメインフレーム11と、基端をメインフレーム11の上部に枢支され、油圧アクチュエータ12によって昇降動作可能とされたブーム13と、ブーム13の先端に枢支され、油圧アクチュエータ14によって上下揺動可能とされた先端作業具(例えば、バケット等)15と、前記各油圧アクチュエータ12,14を動作制御するコントロールバルブ16と、該コントロールバルブ16の操作部17とを備えている。
前記コントロールバルブ16は、前記左右サイドフレーム10の一方の後面の支持ブラケット18に取付基板18aを介して上部を後方に傾斜させて取付け配置されている。また、前記操作部17は、コントロールバルブ16の上方に操作部支持機構19を介して設置されている。
フロントローダ2のメインフレーム11は、図に示すように、上部ピン穴11a及び下部係合凹部11bが、トラクタ1のサイドフレーム10の上部ピン孔10a及び下部連結ピン10bに合致及び係合され、上部ピン孔11a、10aに連結ピン10cを挿脱することによって、上下2点でサイドフレーム10に着脱可能に連結される構成とされている。
前記コントロールバルブ16は、図2及び図3に示すように、バルブ本体20と、該バルブ本体20に締結される油圧ブロック21とに分割して構成され、六角頭ボルト形状の締結部材22によって締結されている。
バルブ本体20は、図1及び図3の(A)に示すように、2本のスプール23、24が摺動方向を縦方向にして横2列に配置され、各スプール23,24に対応させて4つのアクチュエータ接続孔25〜28が上下左右に2行2列で配置され、これらのアクチュエータ接続孔25〜28の左右両側で上下方向の中央部の位置にポンプ接続部29及びタンク接続部30が配置されている。
油圧ブロック21は、図1及び図3の(B)に示すように、第1ブロック部21aと、この第1ブロック部21aに対して、トラクタ1の左右方向内方に向けて突出偏位させて形成した第2ブロック部21bと、これらの間を連結する連結部21cとで構成している。
上記第1ブロック部21aには、バルブ本体20の4つのアクチュエータ接続孔25〜28への接続部31〜34が形成され、また、第2ブロック部21bには、4つのアクチュエータ接続部35〜38が略垂直とした前面に縦一列で開口形成されており、さらに、連結部21cには、上記接続部31〜34とアクチュエータ接続部35〜38とを1対1で連通接続する内部油路39〜42が形成されている。
油圧ブロック21の第1ブロック部21aは、図1及び図3の(A)(B)に示すように、前記バルブ本体20側の各アクチュエータ接続孔25〜28の位置で締結部材22を介してバルブ本体20に締結される。
そのために、バルブ本体20の各アクチュエータ接続孔25〜28には、図4に示すように、雌ねじ43が形成されており、前記締結部材22には該雌ねじ43に螺合する雄ねじ44が形成されている。油圧ブロック21の第1ブロック部21aには、締結部材22の締結位置に貫通孔45が形成され、この貫通孔45に交差して内部油路39〜42が形成され、該内部油路39〜42と前記貫通孔45との交差位置には、貫通孔45の周囲を取り巻く環状溝46が形成され、前記締結部材22には、前記環状溝46に連通する横穴47と、この横穴47に直交連通する縦穴48が形成され、この縦穴48がバルブ本体20のアクチュエータ接続孔25〜28に連通せしめられている。
バルブ本体20と第1ブロック部21aとの締結面は、図4に示すように、バルブ本体20側の各アクチュエータ接続孔25〜28の位置において、互いに平坦面とされており、前記貫通孔45の両端周囲には、シールパッキング49が装着され、油漏れが防止されている。
前記操作部17は、図1、図2、図3の(A)(B)に示すように、コントロールバルブ16の上方のスプール延長方向に設置された操作部支持機構19を介して揺動操作可能に支持された1本の操作レバー50と、該操作レバー50の揺動支点の軸方向側方に配置された該操作レバー50の揺動を規制・解除するロック機構51とを具備している。
操作部支持機構19は、図5に最もよく示すように、取付基台18aの上端に取付けられた取付ブラケット52に軸受筒部材53を介して一端を揺動可能に支持された第1軸54と、該第1軸54の他端に固着された平面視略コ字形部をもつ第1揺動部材55と、該第1揺動部材55の平面視略コ字形部内に前記第1軸54と直交して配置された第2軸56と、該第1揺動部材55の平面視略コ字形部内で第2軸56の廻りに揺動可能に支持された角ブロック形状の第2揺動部材57と、該2揺動部材57に前記第1軸54の軸線延長上で固着された連結軸58とを含み、前記第1揺動部材55のアーム部55aと第2揺動部材57の連結軸58とがコントロールバルブ16の2本のスプール23,24の上端に連結杆59,60を介して連結され、前記第2揺動部材57に1本の操作レバー50が固着され、該操作レバー50が、前記取付ブラケット52に前記第1軸54廻りと第2軸56廻りで揺動操作可能に支持されている。
上記第2揺動部材57の連結軸58と一方のスプール24の上端とを連結する連結杆60の上端は、球接手61を介して連結されている。
また、ロック機構51は、図5に最もよく示すように、前記第2揺動部材57の前記第1軸54及び第2軸56から離隔した位置に設けられた筒体62に形成されたロック孔63と、該ロック孔63に対応するロックピン64と、該ロックピン64を前記操作レバー50の中立位置で前記ロック孔63に向けて直線移動させて挿脱可能に支持するために前記取付ブラケット52に設けられたロックピン支持部材65と、前記ロックピン64の後端にアーム66を介して固着されたロックレバー67と、前記ロックピン支持部材65に支持された前記ロックピン64を前記ロックレバー67を介してロック孔63に挿入したロック位置とロック孔63から抜脱したロック解除位置とに直線往復移動させる直線溝部68及び該直線溝部68の両端位置で該溝部68から略直角に延長形成された係止溝部69、70を有し、前記ロックレバー67を前記係止溝部69,70に係止させて前記ロックピン64をロック位置及びロック解除位置に係止して位置決め保持するために前記取付ブラケット52に設けられたガイド溝部材71と、前記ロックレバー67を前記ガイド溝部材71の直線溝部68両端の係止溝部69,70の終端に向けて弾性的に牽引保持させるために前記ロックレバー67と前記取付ブラケット52との間に設置されたばね手段72とを含み、前記ロック機構51が前記操作レバー50の揺動支点となる第1軸54及び第2軸56の交差位置の側方に設置されている。なお、ロック孔63は、第2揺動部材57の一部に直接形成してもよい。
本発明は、以上の構成からなり、次に動作を説明する。
図1の作業機は、トラクタ1の後面側でバックホー3により掘削作業等を行なうことができると共に、トラクタ1の前面側でフロンローダ2により各種の荷役作業等を行なうことができる。
フロントローダ2の操作部17は、ロックレバー67が、図1に示すように、ガイド溝部材71の右側の係止溝部70にあるときは、ロック解除状態である。この状態で操作レバー50を図1の左右方向に揺動させると、図5において、矢印a方向の操作となり、第1軸54を中心として第1揺動部材55が第2揺動部材57及び第2軸56と一体となって、矢印a’方向に揺動して、連結杆59を介して図1の左側のスプール23を中立位置から上下方向に移動させ、フロントローダ2の一方の油圧アクチュエータ12又は14を介してブーム13又は先端作業具15を動作させることができる。このときは、第2揺動部材57の連結軸58が球接手61内で揺動するだけとなり、図1の右側のスプール24は中立位置に保持されたままで動作しない。
次に、操作レバー50を図1の紙面表裏方向に揺動させると、図5において、矢印b方向の操作となり、第2軸56を中心として第2揺動部材57が矢印b’方向に揺動して、連結軸58、球接手61及び連結杆60を介して図1の右側のスプール24を中立位置から上下方向に移動させ、フロントローダ2の他方の油圧アクチュエータ14又は12を介して先端作業具15又はブーム13を動作させることができる。このときは、操作レバー50の操作力で第2揺動部材57が第2軸56の廻りを揺動するだけとなり、第1揺動部材55には操作レバー50の操作力が伝わらず、図1の左側のスプール23は動作しない。
ロック機構51で操作レバー50をロックするには、操作レバー50を、一旦、中立位置に戻す。これにより、第2揺動部材57に設けたロック孔63がロックピン支持部材65に支持されたロックピン64の先端と整合する位置に対向せしめられる。そこで、ロックレバー67を図1において上方に上げてガイド溝部材71の直線溝部68に移動させ、その状態でロックレバー67を直線溝部68に沿って図1の左方端部まで移動させる。これにより、ロックピン64の先端がロック孔63内に挿入される。この状態でロックレバー67を直線溝部68から図1の左側の係止溝部69の終端まで下げることにより、操作レバー50をロック状態(揺動規制状態)に保持することができる。なお、ロックを解除するには、上記と逆に操作すればよい。
本発明の実施形態においては、コントロールバルブ16のバルブ本体20を、図1に示すように、トラクタ1のサイドフレーム10の後面に配置し、アクチュエータ接続部35〜38を油圧ブロック21を介してサイドフレーム10の後面からトラクタ1の左右方向内方へ突出偏位させて、サイドフレーム10とボンネット側面5aとの間に縦一列で前面に向けて開口配置したから、フロントローダ2の各油圧アクチュエータ12、14への油圧ホースの接続分離操作を、サイドフレーム10に阻害されることなく前面から容易に行なうことができ、ホースの取り回しをすっきりとさせ、外観を向上させることができる。
上記実施形態は、本発明を説明するためのものであって、本発明は、上記実施形態に制約されることなく、特許請求の範囲内で自由に変形して実施することができる。
本発明に係るフロントローダの操作装置の正面図である。 図1の側面図である。 (A)は図1において油圧ブロックを取り外した状態のコントロールバルブ本体の正面図、(B)は油圧ブロックの正面図である。 コントロールバルブ本体と油圧ブロックとの締結部分の拡大縦断側面図である。 操作部支持機構の概略斜視図である。 本発明を適用したトラクタ・ローダ・バックホーの側面図である。
符号の説明
1 トラクタ
2 フロントローダ
3 バックホー
4 車体フレーム
5 ボンネット
6 後輪
7 前輪
8 運転席
9 操縦ハンドル
10 サイドフレーム
11 メインフレーム
12 油圧アクチュエータ
13 ブーム
14 油圧アクチュエータ
15 先端作業具(バケット等)
16 コントロールバルブ
17 操作部
18 支持ブラケット
19 操作部支持機構
20 バルブ本体
21 油圧ブロック
22 締結部材
23,24 スプール
50 操作レバー
51 ロック機構

Claims (4)

  1. トラクタの車体前部左右両側のサイドフレームに着脱可能に装着されたメインフレームと、基端をメインフレームの上部に枢支され、油圧アクチュエータによって昇降動作可能とされたブームと、ブームの先端に枢支され、油圧アクチュエータによって上下揺動可能とされた先端作業具と、前記各油圧アクチュエータを動作制御するコントロールバルブと、該コントロールバルブの操作部とを備え、
    前記左右サイドフレームの一方の後面に支持ブラケットを取り付け、この支持ブラケットに前記コントロールバルブを前記メインフレームの真後方に配置して取り付け、前記コントロールバルブに設けられるアクチュエータ接続部を、前記メインフレームの後面からトラクタの左右方向内方に突出偏位させて、前記メインフレームとボンネット側面との間に開口配置していることを特徴とするフロントローダの操作装置。
  2. 前記コントロールバルブは、バルブ本体と、該バルブ本体に締結部材を介して締結されていてバルブ本体からボンネット側に突出した油圧ブロックとに分割して構成され、前記アクチュエータ接続部がこの油圧ブロックの上記突出部に前方開口状に縦一列で形成されていることを特徴とする請求項1記載のフロントローダの操作装置。
  3. 前記バルブ本体と油圧ブロックとは、前記締結部材の締結位置で作動油の油路が相互に連通接続されていることを特徴とする請求項2記載のフロントローダの操作装置。
  4. 前記操作部は、コントロールバルブのスプール延長方向に設置された操作部支持機構を介して揺動操作可能に支持された1本の操作レバーと、該操作レバーの揺動支点の軸方向側方に該軸方向に沿って移動可能に配置されたロックピンを前記揺動支点の軸方向に移動させてロック孔に挿脱することにより、該操作レバーの揺動を規制・解除するロック機構とを具備していることを特徴とする請求項1記載のフロントローダの操作装置。
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